JP6712126B2 - 食品中の微生物の検出法 - Google Patents

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本発明は、食品中の微生物の検出法に関する。
各種の食品中において、製品の出荷前に汚染微生物の有無、特に大腸菌群の有無を確認することは非常に重要である。乳および乳製品の成分規格に関する省令(乳等省令)では、牛乳および乳製品の成分規格が定められており、乳等省令では、牛乳および乳製品中の大腸菌群は、陰性であることが定められている。大腸菌群の検出法として、例えばデソキシコーレイト寒天培地法による推定試験(DOA法)などが知られているが、DOA法は判定を得るまでに20時間程度を要する。したがって、製品の早期出荷のためには、更に迅速で高感度の大腸菌群の検出法が求められており、例えば、次のような大腸菌群の検出法が提案されている。
特開平7−213297号公報(特許文献1)には、ろ過膜を用いて測定試料を濃縮して生菌を捕捉し、デオキシコール酸ナトリウムなどが配合された培地で培養後、ATP(アデノシン三リン酸)を測定することを特徴とする、大腸菌群の検出法が記載されている。特開2004−159650号公報(特許文献2)には、大腸菌群以外の微生物の増殖を選択的に阻害する物質であるデオキシコール酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどで測定試料を処理し、培養後にカタラーゼ活性を測定することを特徴とする大腸菌群の検出法が記載されている。特開2010−193815号公報(特許文献3)には、大腸菌群以外の微生物の増殖を選択的に阻害する物質であるデオキシコール酸ナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなどで、牛乳や豆乳などの測定試料を処理し、培養後に蛍光染色法で測定することを特徴とする大腸菌群の検出法が記載されている。
特開平7−213297号公報 特開2004−159650号公報 特開2010−193815号公報
大腸菌群の検出法として、例えば、特許文献1に記載されているように、ATP法を用いた方法などが既に知られている。ATP法は、微生物をはじめとする生物細胞中に存在するATPを、ルシフェラーゼを用いた発光反応により検出する方法であり、試料中の微生物を感度良く検出や定量することができる。
しかし、試料が食品の場合、食品中の植物や動物細胞などに由来するATPが、バックグラウンドとして検出され、検出感度が低下する。特に、試料が発酵食品の場合、発酵中に増殖した微生物に由来するATPが試料中に大量に存在することとなるため、それ以外の汚染微生物などをATP法で特異的に検出することは、極めて困難であった。そこで、本発明では、発酵食品のような、微生物に由来するATPが試料中に大量に存在する状況で、例えば大腸菌群などの汚染微生物をATP法で特異的に検出する検出法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明者らは、発酵食品中における大腸菌群などの汚染微生物の検出のために、試料の前処理の方法などを見直して検討した。そして、その結果として、あらかじめ測定試料を特定の培地を用いて培養した上で、ATP法を実施することで、試料が発酵食品のような微生物に由来するATPが試料中に大量に存在する状況で、大腸菌群などの汚染微生物をATP法で特異的に検出できることを見出し、本発明を完成させた。具体的には、あらかじめ測定試料をデオキシコール酸ナトリウム添加LST培地(dLST培地)で培養した上で、ATP法を実施することで、発酵食品中でも大腸菌群などの汚染微生物をATP法で特異的に検出できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、発酵微生物の生育を抑制する物質を添加した培地を用いて、あらかじめ測定試料を培養し、その後に、検出対象の微生物の迅速検出法を実施することを特徴とする、食品中の微生物の検出法、である。
請求項2に記載の発明は、発酵微生物の生育を抑制する物質を添加した培地が、LST培地、デオキシコール酸ナトリウム添加LST培地、ナイシン添加BGLB培地、バンコマイシン添加BGLB培地のいずれか1つである、請求項1に記載の検出法、である。
請求項3に記載の発明は、検出対象の微生物の迅速検出法が、ATP法である、請求項1または2に記載の検出法、である。
請求項4に記載の発明は、食品が、発酵食品である、請求項1から3のいずれか一項に記載の検出法、である。
請求項5に記載の発明は、発酵食品が、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、発酵バターのいずれか1つである、請求項4に記載の検出法、である。
請求項6に記載の発明は、検出対象の微生物が、大腸菌群である、請求項1から5のいずれか一項に記載の検出法、である。
請求項7に記載の発明は、発酵微生物が、乳酸菌またはビフィズス菌である、請求項1から6のいずれか一項に記載の検出法、である。
請求項8に記載の発明は、デソキシコーレイト寒天培地法と比較して、検出の所要時間が40%以上50%以下に短縮されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の検出法、である。
請求項9に記載の発明は、検出の所要時間が8時間以上10時間以下であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の検出法、である。
本発明によれば、従来、検出感度が低かった食品中の汚染微生物を、感度良く検出することができる。特に、発酵食品のような、微生物に由来するATPが試料中に大量に存在する状況でも、例えば大腸菌群などの汚染微生物をATP法で特異的に検出できる。また、本発明によれば、所要時間が8時間程度であるから、検出に20時間程度を要するDOA法と比べて、大腸菌群などの汚染微生物を迅速に検出でき、例えば製品の早期出荷の判定などに大きく寄与できる。
実施例1において、各種の培地を用いて発酵乳の希釈液を培養した後の、ATP量の測定結果を示すグラフである。 実施例1において、各種の培地を用いて発酵乳の希釈液を培養した後の、乳酸菌数の測定結果を示すグラフである。
本発明の検出法では、発酵微生物の生育を抑制する物質を添加した培地を用いて、あらかじめ測定試料を培養する。発酵微生物の生育を抑制する物質として、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウム、ナイシン、バンコマイシンなどが挙げられるが、これらに限定されない。また、発酵微生物の生育を抑制する物質を添加した培地として、例えば、LST培地、デオキシコール酸ナトリウム添加LST培地(dLST培地)、ナイシン添加BGLB培地(nBGLB培地)、バンコマイシン添加BGLB培地(vBGLB培地)などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明では、好ましくは、vBGLB培地、nBGLB培地、LST培地、dLST培地のいずれか1つを用いることができ、より好ましくは、nBGLB培地、LST培地、dLST培地のいずれか1つを用いることができ、さらに好ましくは、dLST培地を用いることができる。
このとき、培養時間は、本発明の効果が得られる範囲で任意に設定できるが、例えば、8時間以上10時間以下であり、好ましくは、8時間以上9時間以下である。なお、BGLB培地は、日本の主な大腸菌群の検査の公定法で用いられる培地であり、LST培地は、アメリカ合衆国のAmerican Public Health Associationで定めている大腸菌群の試験法で用いられる培地である。LST培地、BGLB培地、デオキシコール酸ナトリウム、ナイシン、バンコマイシンは、それぞれ、市販されているものを入手して使用できる。
本発明の検出法では、dLST培地を用いる場合、デオキシコール酸ナトリウムの添加濃度は、好ましくは、0.2mg/mL以上0.8mg/mL以下、より好ましくは、0.3mg/mL以上0.7mg/mL以下、さらに好ましくは、0.4mg/mL以上0.6mg/mL以下である。nBGLB培地を用いる場合、ナイシンの添加濃度は、好ましくは、0.7mg/mL以上1.3mg/mL以下、より好ましくは、0.8mg/mL以上1.2mg/mL以下、さらに好ましくは、0.9mg/mL以上1.1mg/mL以下である。vBGLB培地を用いる場合、バンコマイシンの添加濃度は、バンコマイシン塩酸塩の濃度として、好ましくは、0.007mg/mL以上0.013mg/mL以下、より好ましくは、0.008mg/mL以上0.012mg/mL以下、さらに好ましくは、0.009mg/mL以上0.011mg/mL以下である。デオキシコール酸ナトリウム、ナイシン、バンコマイシンの添加濃度が小さいと、本発明の特異的な検出感度が得られない。一方、添加濃度が大きいと、検出対象である汚染微生物に対しても悪影響を及ぼし、検出感度が低下する。
本発明の検出法では、測定試料を前記の培地で培養した後、検出対象の微生物を検出するための迅速検出法を実施する。このとき、迅速検出法は、本発明の効果が得られる任意の方法を採用できるが、好ましくはATP法である。ATP法は、微生物をはじめとする生物細胞中に存在するATPを、ルシフェラーゼを用いた発光反応により検出する方法である。この発光量を相対発光量(Relative Light Unit;RLU)として定量することも可能であり、試料中の微生物を感度良く検出や定量することができる。ただし、一般に、試料が食品の場合は、食品中の植物や動物細胞などに由来するATPが、バックグラウンドとして検出され、検出感度が低下する。食品中の微生物由来ATPを測定するため、例えば「ルシフェール(登録商標)AT」(キッコーマン株式会社)などの測定キットや、「MLSII」(スリーエムジャパン株式会社)などの自動ATP測定システムが知られている。これらは、試料の測定時において、菌体外のATPを消去してから測定する工程を備えており、測定時のバックグラウンドを抑え、高感度で測定できる。ただし、これらは試料中に存在する全ての微生物由来のATPを検出するものであり、特異性の面で不十分であった。
しかし、本発明の検出法では、測定試料を前記の所定の培地で培養することにより、試料中に存在する食品由来の微生物の影響を、効果的に抑制できる。特に、発酵食品に多く存在する、乳酸菌などの発酵微生物の影響を、非常に効果的に抑制できる。
ここで、発酵食品とは、発酵微生物の代謝活動により、食品中に存在する有機物などの成分や性状が変化した食品をいい、例えば、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、発酵バターなどが挙げられる。また、発酵微生物とは、例えば、乳酸菌、ビフィズス菌、カビ、酵母などが挙げられ、本発明では、好ましくは、乳酸菌、ビフィズス菌である。
本発明では、あらかじめ測定試料を所定の培地で培養することにより、測定試料に含まれる乳酸菌などの発酵微生物の菌数を大幅に減少できる。このとき、測定試料中に存在する大腸菌群などの汚染微生物数を減少させることはない。したがって、本発明の検出法では、例えばATP法などの迅速検出法での測定に影響を及ぼす乳酸菌などの発酵微生物の菌数を減少させながら、大腸菌群などの検出対象の汚染微生物の菌数には何ら影響を及ぼさないことから、汚染微生物だけに由来するATPを測定することができ、汚染微生物に特異的な検出が可能となる。
本発明の検出法では、検出対象の微生物は、好ましくは大腸菌群である。ここで、大腸菌群とは、グラム陰性の芽胞を形成しない桿菌で、48時間以内に乳糖を分解して酸およびガスを産出する好気性細菌または通性嫌気性細菌の一群を指す。Klebsiella、Citrobacter、Enterobacter、Escherichiaなどの属が、大腸菌群に属する。
本発明の検出法は、大腸菌群の検出の公定法であるデソキシコーレイト寒天培地法(DOA法)と比較して、検出の所要時間が短縮されることを特徴とする。具体的には、本発明の検出法は、例えば、DOA法の所要時間の40%以上50%以下の所要時間に短縮され、好ましくはDOA法の所要時間の40%以上45%以下の所要時間に短縮される。
また、本発明の検出法は、検出の所要時間の全体が、短時間であることを特徴とする。具体的には、本発明の検出法は、例えば、検出の所要時間が8時間以上10時間以下であり、好ましくは検出の所要時間が8時間以上9時間以下である。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。なお、この実施例は、本発明を限定するものではない。また、実施例で使用した微生物について、株名にATCCと記載された菌株は、American Type Culture Collectionから入手した基準株である。株名にJCMと記載された菌株は、独立行政法人理化学研究所バイオリソースセンター微生物材料開発室から入手した基準株である。株名にNBRCと記載された菌株は、独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンターから入手した基準株である。
[実施例1]
発酵乳(明治ブルガリアヨーグルト;株式会社明治製)の10倍希釈液の1mLを、表1に示したそれぞれの培地に接種した。35℃で8時間培養後、ATP量と乳酸菌数を測定した。ATP量は、「MLSII」(スリーエムジャパン株式会社)を用いて測定した。乳酸菌数は、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」に記載の方法で測定した。
Figure 0006712126
ATP量の測定結果を図1に、乳酸菌数の測定結果を図2に示した。BGLB培地を使用した場合のATP量は約10000 RLUで、乳酸菌数は106 CFU/mL程度であった。一方、vBGLB培地を使用した場合のATP量は約2000 RLUであり、vBGLB培地を使用して培養することで、ATP法の測定時のバックグラウンドが減少することが示された。
また、nBGLB培地、LST培地、dLST培地を使用した場合は、ATP量、乳酸菌数ともに、BGLB培地の結果と比べて大きく減少した。これは、nBGLB培地、LST培地、dLST培地に含まれる、ナイシン、ラウリル硫酸ナトリウム、デオキシコール酸ナトリウムが、グラム陽性菌である乳酸菌に対し、菌体膜への膜孔形成作用や溶菌作用を示し、その結果、乳酸菌数が減少するとともに、乳酸菌に由来するATPが菌体外に漏出し、ATP法の測定時に菌体外ATPとして測定時に消去されたものと考えられた。以上の結果から、vBGLB培地、nBGLB培地、LST培地、dLST培地を使用して培養することにより、ATP法による測定において、乳酸菌に由来するATPの影響を、効果的に排除できることが確認できた。特に、nBGLB培地、LST培地、dLST培地を使用して培養することにより、ATP法による測定において、乳酸菌に由来するATPの影響を、より効果的に排除できることが確認できた。
[実施例2]
発酵乳(明治ブルガリアヨーグルト;株式会社明治製)の10倍希釈液の1mLを、BGLB培地、dLST培地に接種した。接種直後、および35℃で2、4、6、8時間培養後、実施例1と同様の方法でATP量と乳酸菌数を測定した。
測定結果を表2に示した。BGLB培地を使用した場合、8時間培養後まで乳酸菌数が維持されたのに対し、dLST培地を使用した場合、接種直後(培養後0時間)の時点で乳酸菌数が検出限界以下となり、ATP量も大きく減少した。以上の結果から、dLST培地を使用して培養することにより、時間をかけて培養する必要なしに、乳酸菌に由来するATPの影響を効果的に排除でき、迅速にATP法の利用が可能になることが確認できた。
Figure 0006712126
[実施例3]
発酵乳(明治ブルガリアヨーグルト;株式会社明治製)の0.1gに、表3に示した代表的な大腸菌群の4菌種を、1〜10 CFUまたは10〜100 CFUの2段階の菌数で接種した。また、発酵乳(明治ブルガリアヨーグルト;株式会社明治製)の0.1gに、表4に示した非大腸菌群の7菌種を、10〜100 CFUで接種した。さらに、菌を接種しない対照試料も用意した。それぞれの試料の10倍希釈液の1mLを、dLST培地に接種し、35℃で8時間培養した。培養後、培養液のATP量と接種菌の菌数を計測した。接種菌である大腸菌群は、標準寒天平板(SMA)で35℃、48時間培養した後に計測した。
Figure 0006712126
Figure 0006712126
測定結果を表3、表4に示した。大腸菌群の接種試料では、いずれも接種した大腸菌群の菌数が増加した。また、ATP量は、もっとも増加が小さかったCitrobacter freundii JCM1657においても、84 RLUであり、対照試料や非大腸菌群接種試料のATP量と明確な差が認められた。よって、dLST培地を使用して培養した後に、ATP法を実施することで、発酵乳中の微量の大腸菌群を8時間で検出できることが確認できた。
なお、今回の結果は、比較のために実施した公定法(BGLB法、デソキシコーレイト寒天培地法(DOA法))と同様の判定結果を示し(表3、表4中に合わせて記載)、dLST培地を使用して培養した後に、ATP法を実施する検出法の結果が妥当であることが示された。
[実施例4]
発酵乳として、「R-1」(製品名「明治プロビオヨーグルトR-1」)、「LG21」(製品名「明治プロビオヨーグルトLG21」)、「のむYo LB81プレーン」(製品名「明治ブルガリアのむヨーグルトLB81プレーン」)、「ブルガリアブルーベリー」(製品名「明治ブルガリアヨーグルトつぶごとブルーベリー」)、「ブルガリア朝のフルーツ」(製品名「明治ブルガリアヨーグルト朝のフルーツミックス」)、「クロレラ乳酸菌」(製品名「明治クロレラ乳酸菌」)、「PA3」(製品名「明治プロビオヨーグルトPA-3」)、「PA3ドリンクタイプ」(製品名「明治プロビオヨーグルトPA-3ドリンクタイプ」)(以上、全て株式会社明治製)の8種類を用意した。
それぞれの発酵乳の0.1gに、表5に示した代表的な大腸菌群の2菌種を1〜10 CFUで接種した。また、菌を接種しない対照試料も用意した。それぞれの試料の10倍希釈液の1mLを、dLST培地に接種し、35℃で8時間培養した。培養後、実施例3と同様の方法で培養液のATP量と接種菌の菌数を計測した。
測定結果を表5に示した。大腸菌群の接種試料では、いずれもATP量が増加し、対照試料のATP量と明確な差が認められた。よって、dLST培地を使用して培養した後に、ATP法を実施することで、発酵乳の種類にかかわらず、発酵乳中の微量の大腸菌群を8時間で検出できることが確認できた。なお、今回の結果は、比較のために実施した公定法(BGLB法、デソキシコーレイト寒天培地法(DOA法))と同様の判定結果を示し(表5中に合わせて記載)、dLST培地を使用して培養した後に、ATP法を実施する検出法の結果が妥当であることが示された。
Figure 0006712126
本発明によれば、従来、検出感度が低かった食品中の汚染微生物を、感度良く検出することができる。特に、発酵食品のような、微生物に由来するATPが試料中に大量に存在する状況でも、例えば大腸菌群などの汚染微生物をATP法で特異的に検出できる。また、本発明によれば、所要時間が8時間程度であるから、大腸菌群などの汚染微生物を迅速に検出でき、例えば製品の早期出荷の判定などに大きく寄与できる。

Claims (4)

  1. 発酵微生物の生育を抑制する物質を添加した培地としてデオキシコール酸ナトリウム添加LST培地を用いて、あらかじめ測定試料を培養し、その後に、検出対象の大腸菌群の迅速検出法としてATP法を実施し、大腸菌群測定の公定法であるデソキシコーレイト寒天培地法と比較して、検出の所要時間が40%以上50%以下に短縮されることを特徴とする、発酵食品中の大腸菌群の検出法。
  2. 発酵食品が、ヨーグルト、ドリンクヨーグルト、乳酸菌飲料、チーズ、発酵バターのいずれか1つである、請求項に記載の検出法。
  3. 発酵微生物が、乳酸菌またはビフィズス菌である、請求項1または2に記載の検出法。
  4. 検出の所要時間が8時間以上10時間以下であることを特徴とする、請求項1からのいずれか一項に記載の検出法。
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