JP6710999B2 - 既設構造物の仮受け工法 - Google Patents

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本発明は、フーチング基礎で支持された既設構造物の仮受け工法に関する。
従来より、既設構造物の基礎下または中間層に免震装置を組み込むことにより、既設構造物を大幅に改修することなく免震構造物にする免震レトロフィットが知られている。なかでも、既設構造物の基礎下に免震装置を介装する際には、既設構造物の鉛直荷重を既設基礎から仮受け部材に盛り替える作業を行ったうえで、基礎下に免震装置を介装するための空間を設ける必要が生じる。
例えば、特許文献1では、まず、フーチング基礎間を繋ぐ基礎梁下を一次掘削して基礎梁を補強した後、補強した基礎梁下を二次掘削したうえで、基礎梁下と掘削底面との間に仮受け部材を設置する。次に、当該仮受け部材にて既存建物の全鉛直荷重を仮受けした状態でフーチング基礎下を掘削し、フーチング基礎の下方に耐圧版を構築する。そして、耐圧版とフーチング基礎との間に仮受け部材を設置し、既存建物の全鉛直荷重を基礎梁下の仮受け部材からフーチング基礎下の仮受け部材に盛り替える。
この後、基礎梁下の仮受け部材を撤去して基礎梁の下方に耐圧版を構築した後、耐圧版と基礎梁との間に仮受け部材を設置し、既存建物の全鉛直荷重をフーチング基礎下の仮受け部材から基礎梁下の仮受け部材に盛り替え、フーチング基礎下の仮受け部材を撤去する。こうして形成された耐圧版とフーチング基礎との間の空間に、免震装置を介装する。
特開2011−7008号公報
上記の方法において、補強した基礎梁下を二次掘削する場合、床スラブの撤去が可能であれば、基礎梁で囲まれ上方が開放された領域から基礎梁下の掘削作業や仮受け部材の設置を、効率よく行うことが可能である。
しかし、床スラブを撤去できない条件下では、既設構造物の基礎梁下を通り抜け可能な作業坑を隣り合うフーチング基礎の間に、基礎梁下に仮受け部材が設置できる深さまで掘削して構築し、基礎梁を補強したうえで、当該作業坑からフーチング基礎に向かって基礎梁下を作業坑の底面深さまで二次掘削した後、仮受け部材を設置することとなる。この場合において、例えば掘削のり面が内部摩擦角より急峻になると、のり面の崩落が生じやすく作業者の安全を確保できない。また、フーチング基礎に近づくにつれて応力の影響範囲を掘削することとなり、地盤が十分な地耐力を有していない場合には、フーチング基礎下において地盤が緩み、不等沈下を生じかねない。
一方で、床スラブを撤去できない条件下における一般的な従来工法としては、隣り合うフーチング基礎の間に作業坑を構築し、フーチング基礎の底面レベルまで1次掘削を行った後、フーチング基礎および基礎梁を補強したうえで、作業坑内にて仮受け杭を打設しつつ、基礎梁下を二次掘削する方法が知られている。
特許文献1に記載の方法および一般的な従来工法のいずれの場合にも、基礎梁下を二次掘削する場合には土留めを設けるだけでなく、掘削を進めるごとに基礎梁下の空間に仮受け部材もしくは仮受け杭を逐次設置し、フーチング基礎が支持する既存建物の鉛直荷重を段階的に盛り替える作業を実施しなければならず、作業が煩雑であるとともに施工が長期化しやすい。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、床スラブを撤去できない環境下においても、フーチング基礎で直接支持された既設構造物の鉛直荷重を、効率よく仮受けすることの可能な、既設構造物の仮受け工法を提供することである。
かかる目的を達成するため、本発明の既設構造物の仮受け工法は、フーチング基礎で直接支持された既設構造物の鉛直荷重を仮受けするための既設構造物の仮受け工法であって、一次掘削として、隣り合う前記フーチング基礎の中間位置をフーチング基礎の底面より下方の深さまで掘削し溝状の作業坑を構築するとともに、基礎梁の周囲を前記フーチング基礎の底面の深さまで掘削し補強空間を構築する第1の工程と、前記補強空間を利用して、前記基礎梁およびフーチング基礎を補強する第2の工程と、前記フーチング基礎下およびその周囲を地盤改良する第3の工程と、二次掘削として、前記フーチング基礎下の地盤を残して前記基礎梁下の地盤を、前記作業坑から前記フーチング基礎に向かって前記作業坑の掘削底に至る深さまで掘削する第4の工程と、前記基礎梁下と前記フーチング基礎下のうち、少なくともいずれか一方に仮受け杭を打設する第5の工程と、を備えることを特徴とする。
上述する本発明の既設構造物の仮受け工法によれば、地盤改良を実施したうえで基礎梁下を二次掘削することにより、掘削のり面の崩落が生じにくくなるため、床スラブを撤去できず、床スラブ下に作業坑を構築して当該作業坑からフーチング基礎に向けて二次掘削を進める場合にも、安全に二次掘削を実施することが可能となる。また、二次掘削の後に、基礎梁下のフーチング基礎近傍に仮受杭を打設することも可能となるため、基礎梁の曲げ耐力向上のための補強も低減できる。
また、フーチング基礎下の地盤改良を行うことによりフーチング基礎下の地耐力が向上することから、既設構造物の荷重によっては基礎梁下に仮受け杭を打設しなくても、二次掘削を行うことができる。この場合は、基礎梁下を二次掘削するにあたり、基礎梁下に多数の仮受け部材を設置して、当該仮受け部材に既設構造物の鉛直荷重を段階的に盛り替える作業を省略でき、二次掘削の作業性を大幅に向上することが可能となる。
また、本発明の既設構造物の仮受け工法は、前記第4の工程では、前記基礎梁下を二次掘削するとともに、前記フーチング基礎下に残置された地盤を拘束部材にて拘束することを特徴とする。
上述する本発明の既設構造物の仮受け工法によれば、フーチング基礎下の地盤は、地盤改良と拘束部材の両者により地耐力が大幅に向上する。このため、フーチング基礎一体あたりが負担する鉛直荷重が大きい場合にも、支持することが可能となる。
本発明によれば、フーチング基礎下およびその周囲を地盤改良した後に基礎梁下の二次掘削を行うことにより、床スラブを撤去できない環境下においても、床スラブ下に構築した作業坑を利用して効率よく安全に、既設構造物の仮受け工に係る作業を実施することが可能となる。
本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その1)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その2)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その3)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その4)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その5)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第1の実施の形態の手順を示す図である(その6)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第2の実施の形態の手順を示す図である(その1)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第2の実施の形態の手順を示す図である(その2)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第2の実施の形態の手順を示す図である(その3)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第3の実施の形態の手順を示す図である(その1)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第3の実施の形態の手順を示す図である(その2)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第4の実施の形態の手順を示す図である(その1)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第4の実施の形態の手順を示す図である(その2)。 本発明における既設構造物の仮受け工法の第4の実施の形態の手順を示す図である(その3)。
本発明は、例えばフーチング基礎下に空間を設けて免震装置を介装する免震レトロフィットを実施する場合等に採用するものであり、既設構造物の鉛直荷重の一部を仮受け杭に仮受する方法に関する発明である。以下に、図1〜図14を参照して既設構造物の仮受け工法を詳述する。
図1(a)で示すように、既設構造物1はフーチング基礎21にて支持される構造物であり、フーチング基礎21間は基礎梁22を介して連結されている。そして、基礎梁22の上方には床スラブ3が設置されているが、本実施の形態では、床スラブ3を撤去することなくフーチング基礎21または基礎梁22下に仮受け杭を設置し、既設構造物1の鉛直荷重を仮受けする方法を、順を追って説明する。
<第1の実施の形態>
まず、第1の工程では図1(b)で示すように、作業坑4を構築し、既設構造物1の床スラブ3の下方にて一次掘削を行い、フーチング基礎21および基礎梁22を補強するための補強空間5を構築する。作業坑4は、図6(a)の平面図で示すように、基礎梁22と直交するように構築される溝であり、基礎梁22の下方を通り抜けるようにして隣り合うフーチング基礎21の中間位置それぞれに配置され、フーチング基礎21の底面より下方の深さまで掘削されている。また、補強空間5は、フーチング基礎21および基礎梁22の補強後の形状に応じて適宜必要な空間を設ければよく、本実施の形態では、フーチング基礎21の平面方向と、基礎梁22の梁幅方向および梁成方向に補強空間5を設けている。
次に、第2の工程では図2(a)で示すように、補強空間5を利用してフーチング基礎21および基礎梁22を補強する。これらの補強方法は、炭素繊維シートの貼り付けや鋼板の設置等いずれでもよいが、本実施の形態では増し打ちコンクリートを打設することにより、基礎梁22の断面を大きくするとともに、補強基礎梁62の断面に応じてフーチング基礎21を補強している。
基礎2の補強が終了したところで、第3の工程では図2(b)で示すように、補強基礎梁62の下方に位置する作業坑4に第1の仮受け杭7を打設する。なお、第1の仮受け杭7の打設方法はいずれでもよいが、本実施の形態では、アンダーピニング工法を採用している。
アンダーピニング工法は、不等沈下した直接基礎の沈下修正を行う場合等に一般に広く採用される工法であり、具体的には、補強基礎梁62の下面にてジャッキ(図示しない)の反力をとりつつ第1の仮受け杭7を地中に圧入して打設する。第1の仮受け杭7の打設後にはジャッキを撤去し、第1の仮受け杭7の杭頭と補強基礎梁62との間にピース部材71を設置する。これにより、補強基礎梁62から伝達される既設構造物1の鉛直荷重の一部を、ピース部材71を介して第1の仮受け杭7に効率よく伝達させることが可能となる。
この作業と併せて図3(a)および図6(b)の平面図で示すように、補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gを改良し、補強フーチング基礎61の下方を含む周辺地盤Gの地耐力を向上させる。地盤改良方法はいずれを採用してもよいが、本実施の形態では薬液注入工法を採用している。具体的には、作業坑4から補強フーチング基礎61の下方領域に向けて、図示しない削孔ドリルにて側方から注入孔を構築する。そして、注入孔を介して薬液注入機Mにより薬液10を地盤Gに圧入し、補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gを浸透固結する。
第4の工程では、図3(b)で示すように、補強フーチング基礎61の下方の地盤Gを残置するようにして、作業坑4から補強フーチング基礎61に向かって補強基礎梁62の下方を、作業坑4の掘削底に至る深さまで二次掘削する。このとき、補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gは地盤改良がなされているため、掘削のり面を急峻にしてものり面の崩落を生じることはない。したがって、補強フーチング基礎61の底面より下方まで構築した作業坑4から二次掘削を進める場合にも、既設構造物1の鉛直荷重が比較的軽量であれば土留めを行うことなく、安全に効率よく掘削作業を実施することが可能である。
この後、第5の工程では図4(a)および図6(c)の平面図で示すように、補強基礎梁62の下方であって、補強フーチング基礎61との接合部の近接位置に第2の仮受け杭8を設置する。これにより、既設構造物1の鉛直荷重は、補強基礎梁62に設置された第1の仮受け杭7および第2の仮受け杭8と補強フーチング基礎61との3者により分担して仮受け支持されることとなる。
なお、補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gは、補強フーチング基礎61の周囲の地盤Gを容易に掘削でき、かつ、周囲の地盤Gの掘削後において、既設構造物1の鉛直荷重の一部を補強フーチング基礎61にて分担可能な程度の強度を発現できるように改良するとよい。
これにより、既設構造物1の鉛直荷重の一部を補強フーチング基礎61に負担させながら二次掘削を実施できるため、安全に二次掘削を実施することが可能となるとともに、補強フーチング基礎61との接合部の近接位置に第2の仮受け杭8が打設できるので、基礎梁22の曲げ耐力向上のための補強も低減できる。
上記のように、既設構造物1の鉛直荷重を、第1の仮受け杭7および第2の仮受け杭8と補強フーチング基礎61との3者により分担して仮受け支持した後、図4(b)で示すように補強フーチング基礎61下の残置した地盤Gを撤去しつつ、前記フーチング基礎下の周縁に近接した位置に第3の仮受け杭9を打設し、補強フーチング基礎61の下方および基礎梁22の下方に、作業空間12を形成する。
図5(a)で示すように、免震ピット14を構築するための空間13を確保するべく三次掘削を行う。そして、図5(b)で示すように、三次掘削の掘削底に底盤コンクリート141を打設したうえで、底盤コンクリート141と補強フーチング基礎61との間に免震基礎151および免震装置152を設置する。最後に、第1の仮設杭7、第2の仮設杭8および第3の仮設杭9のうち底盤コンクリート141から上方に突出する部分を切断撤去し、既設構造物1の全鉛直荷重を補強フーチング基礎61に盛り替えて作業を終了する。
なお、第2の仮設杭8および第3の仮設杭9はいずれも第1の仮設杭7と同様に、アンダーピニング工法により打設すればよく、図示しないが、第1の仮設杭7、第2の仮設杭8および第3の仮設杭9の切断後の杭頭には、水密性のキャップを設置するとよい。
<第2の実施の形態>
ところで、フーチング基礎21一体あたりの負担鉛直荷重が大きい場合や地盤改良のみでは地盤Gに必要な地耐力が得られない場合には、既設構造物の仮受け工法を実施するにあたって、補強フーチング基礎61の下方に残置する地盤Gを拘束部材11にて拘束し補強するとよい。そこで、第2の実施の形態では、拘束部材11を用いて既設構造物1を仮受する方法を説明する。
既設構造物1のフーチング基礎21および基礎梁22の下方まで一次掘削を行う第1の工程から、フーチング基礎21および基礎梁22を補強し、第1の仮受け杭7を打設するとともに、補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gを地盤改良する第3の工程までは、第1の実施の形態と同様である。この後、第4の工程で、図8(b)で示すように、二次掘削を上方から下方に向けて複数段に分割して行ない、一段掘削するごとに補強フーチング基礎61の下方に残置された地盤Gを拘束部材11にて拘束する。
具体的には、補強フーチング基礎61直下の部分を除いた周囲の地盤Gを図7(a)で示すように、補強基礎梁62の直下から一定の深さだけ削り取り、この後に残された補強フーチング基礎61下の地盤Gを、図7(b)の平面図で示すように、拘束部材11にて拘束する。拘束部材11は、コンクリート部材を補強する際に一般に用いられるメタルバンドや炭素繊維シート等いずれを用いてもよいが、本実施の形態では、鋼材を組み合わせた平面視矩形状の枠材を採用している。
ここで、拘束部材11に枠材を採用すると、補強フーチング基礎61の下方に残置された地盤Gと拘束部材11との間に隙間が生じて拘束部材11による拘束効果を十分に得られない場合が生じる。そこで、図8(a)の平面図で示すように、拘束部材11をなす枠材にグラウト注入口111を設けておき、地盤Gと拘束部材11との隙間にグラウト等の硬化材Cを注入充填するとよい。
上記の作業を図8(b)で示すように、上方から下方に向けて一段ごとに繰り返して行ことにより、二次掘削の終了後における補強フーチング基礎61の下方には、図9(a)で示すような、地盤Gとこれを拘束する複数層の拘束部材11が配置された状態となる。そして、第5の工程で、補強基礎梁62の下方であって補強フーチング基礎61との接合部の近接位置に、図9(b)で示すような第2の仮受け杭8を設置する。これにより、既設構造物1の鉛直荷重は、補強基礎梁62に設置された第1の仮受け杭7および第2の仮受け杭8と補強フーチング基礎61との3者により分担して仮受け支持されることとなる。
この後、拘束部材11を取り外して図4(a)のように補強フーチング基礎61の下方に残置した地盤Gを露出させ、これを撤去しつつ図4(b)で示すように、補強フーチング基礎61の下方に第3の仮受け杭9を打設し、第1の実施の形態と同様に、補強フーチング基礎61の下方および基礎梁22の下方に、作業空間12を形成すればよい。
上記のように、第4の工程では、補強フーチング基礎61の下方に残置され拘束部材11にて拘束された地盤Gと第1の仮受け杭7により既設構造物1の鉛直荷重が分担される状態にある。このため、フーチング基礎21一体あたりの負担鉛直荷重が大きい場合や地盤改良のみでは地盤Gに必要な地耐力が得られない場合にも、第5の工程にて第2の仮受け杭を打つまでの間、安全に作業をすすめることが可能となる。
なお、本実施の形態では、補強フーチング基礎61の下方に第3の仮受け杭9を打設したが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、既設構造物1の鉛直荷重を補強基礎梁62の下面に設置された第1の仮設杭7と第2の仮設杭8で支持できる程度に既設構造物1の荷重が小さい場合、あるいは、既設構造物1の荷重に対して補強フーチング基礎61および補強基礎梁62の耐力が十分な場合には、補強フーチング基礎61に対して第3の仮受け杭9の設置する工程を省略してもよい。
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、図4(a)で示すように、基礎梁62の下方に第2の仮受け杭を打設した後、図4(b)で示すように、補強フーチング基礎61の下方に第3の仮受け杭を打設する際の、打設手順の事例を示す。
まず、補強フーチング基礎61の下方に残置した地盤Gの一部を、図11の平面図で示すように、区画A、B、C、D各々が1つの隅部を含むように区分けする。次に、補強フーチング基礎61の区画Aに該当する領域の地盤Gを切削し、この跡地に図10(a)で示すような第3の仮受け杭9を打設する。このような作業を、区画A、B、C、Dの全てに対して順次実施する。
すると、図11の平面図で示すように、補強フーチング基礎61の四隅各々に第3の仮受け杭9が打設される。こうして、既設構造物1の鉛直荷重は、図10(b)で示すように、補強基礎梁62に設置された第1の仮受け杭7および第2の仮受け杭8と、補強フーチング基礎61の下方に打設された第3の仮受け杭9により分担して仮受け支持されることとなる。これにより補強フーチング基礎61にかかる鉛直荷重を基礎梁22だけで支持するという場面がなく、補強フーチング基礎61の下の地盤または第1〜第3の仮受け杭7、8、9で常に分担するので、基礎梁21の補強を小さくすることが可能となる。
〈第4の実施の形態〉
一方で、第4の工程および第5の工程を実施するにあたって、第1の仮設杭7と第2の仮設杭8が不要な程度に、既設構造物1の荷重が小さい場合もしくは地盤改良により地盤Gに必要な地耐力を確保可能な場合には、第1の仮設杭7と第2の仮設杭8の打設工程を省略できる。そこで、第4の実施の形態では、第3の仮受け杭9のみで既設構造物1を仮受する方法を説明する。
既設構造物1のフーチング基礎21および基礎梁22の下方まで一次掘削を行う第1の工程から、フーチング基礎21および基礎梁22を補強する第2の工程までは、第1の実施の形態と同様である。この後、第3の工程において図12(a)で示すように、補強基礎梁62の下方に位置する作業坑4を利用して補強フーチング基礎61の下方およびその周囲の地盤Gを改良し、補強フーチング基礎61の下方を含む周辺地盤Gの地耐力を向上させる。
次に、第4の工程では図12(b)で示すように、補強フーチング基礎61の下方の地盤Gを残置するようにして、作業坑4から補強フーチング基礎61に向かって補強基礎梁62の下方を、作業坑4の掘削底に至る深さまで二次掘削する。この後、第5の工程では、上記の第3の実施の形態で示した方法で、図13(b)で示すように、補強フーチング基礎61の下方に第3の仮受け杭9の打設する。
つまり、補強フーチング基礎61の下方に残置した地盤Gの一部を、図14の平面図で示すように、区画A、B、C、D各々が1つの隅部を含むように区分けする。次に、補強フーチング基礎61の区画Aに該当する領域の地盤Gを切削し、この跡地に図13(a)で示すような第3の仮受け杭9を打設する。このような作業を、区画A、B、C、Dの全てに対して順次実施する。
上述した既設構造物の仮受け工法によれば、地盤改良を行うことにより補強フーチング基礎61下の地耐力が向上することから、補強基礎梁62下に第1の仮受け杭7および第2の仮受け杭8を打設することなく、二次掘削を行うことができるため、作業性を大幅に向上することが可能となる
なお、本発明の既設構造物の仮受け工法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能であることはいうまでもない。
例えば、補強フーチング基礎61下に残置する地盤Gや拘束部材11の形状は必ずしも平面視角型に限定されるものではない。たとえば、拘束部材11を平面視円形に形成すると、応力が分配されその平面視形状を小さくすることが可能となる。
また、作業坑4は、作業者が地盤Gの掘削や第1から第3の仮受け杭7、8、9の打設作業可能で、かつ薬液注入機Mの搬出入および設置が可能であれば、いずれの断面形状でもよいが、例えば幅2000〜2500mm程度、高さ1200〜1500mm程度を確保するとよい。また、補強空間5についても、補強方法に応じて適宜必要な空間を確保すればよく、例えば増打ちコンクリートの打設により補強する場合には、増打ち寸法(例えば、300mm程度)に作業空間に必要な寸法(例えば、型枠設置等200〜300mm程度)を足し合わせる程度を確保するとよい。
1 既設構造物
21 フーチング基礎
22 基礎梁
3 床スラブ
4 作業坑
5 補強空間
61 補強フーチング基礎
62 補強基礎梁
7 第1の仮受け杭
71 ピース部材
8 第2の仮受け杭
9 第3の仮受け杭
10 薬液
11 拘束部材
111 薬液注入口
12 作業空間
13 免震ピット用の空間
14 免震ピット
141 底盤コンクリート
151 免震基礎
152 免震装置
G 地盤
M 薬液注入機

Claims (2)

  1. フーチング基礎で直接支持された既設構造物の鉛直荷重を仮受けするための既設構造物の仮受け工法であって、
    一次掘削として、隣り合う前記フーチング基礎の中間位置をフーチング基礎の底面より下方の深さまで掘削し溝状の作業坑を構築するとともに、基礎梁の周囲を前記フーチング基礎の底面の深さまで掘削し補強空間を構築する第1の工程と、
    前記補強空間を利用して、前記基礎梁およびフーチング基礎を補強する第2の工程と、
    前記フーチング基礎下およびその周囲を地盤改良する第3の工程と、
    二次掘削として、前記フーチング基礎下の地盤を残して前記基礎梁下の地盤を、前記作業坑から前記フーチング基礎に向かって前記作業坑の掘削底に至る深さまで掘削する第4の工程と、
    前記基礎梁下と前記フーチング基礎下のうち、少なくともいずれか一方に仮受け杭を打設する第5の工程と、
    を備えることを特徴とする既設構造物の仮受け工法。
  2. 請求項1に記載の既設構造物の仮受け工法において、
    前記第4の工程では、前記基礎梁下を二次掘削するとともに、前記フーチング基礎下に残置された地盤を拘束部材にて拘束することを特徴とする既設構造物の仮受け工法。
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