JP6710586B2 - 門型構造物及びその構築方法 - Google Patents

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Description

この発明は、プレキャスト製の門型ブロックを支持基礎部材で支持する構造の門型構造物及びその構築方法に関する。
従来から、道路などを横断する橋梁や暗渠構造において、支間3.0〜15.0m程度の構造では、ボックスカルバート等の暗渠構造物が代替として用いられ、また、暗渠構造物の内部側において河川や既存施設などが存在する場合、門型構造物が利用される場合がある。
このような門型形構造物は、解析によってその構造について検討するが、解析では、上面に作用する設計荷重を考慮するとともに、側面の土圧力に対しても抗土圧構造である必要があり、側壁の下端部分についての解析モデル化によって、変位や挙動などについて解析モデルと実構造物との整合性が低くなるおそれがあった。
さらに、昨今では、地震時を想定した解析も必要であり、ますます複雑化しているため、変位や挙動などについて解析モデルと実構造物との整合性が低くなると、実構造物における安全性に影響が及ぶおそれもあった。
具体的には、解析モデルにおいて、支点部の変位を拘束し、部材の回転を許容するヒンジ支持構造として側壁下端部分の支持構造をモデル化した場合、実構造物の側壁下端部分の支持構造が、解析モデルにおけるヒンジ支持構造としての拘束条件で支持機能を発揮する必要がある。
例えば、実構造物における一般的なヒンジ支持構造としては、特許文献1には直立部材が固定され、部材下端部分にある継手部において塑性ヒンジを形成するメナーゼヒンジと呼ばれる支持構造100(図7(a)参照)が記載されているが、変位や挙動などについて解析モデルと実構造物とでは整合性が高いとは言えなかった。
また、プレキャストブロックを用いた構造物200において、ヒンジ支持構造となる支持部として、特許文献2で開示するような支持構造210(図7(b)参照)もあるが、支持構造210の拡大断面図を表す図7(c)に示すように、支持基礎部材200の下端部分部201の側面に目地材220を設置しているため、ヒンジ支持構造として機能するために要する部材の変位の拘束について、水平方向の拘束効果が不十分であり、特に、大きな水平力や鉛直力が作用する状態では、解析モデルと実構造物との変位や挙動などが大きく異なることが予想される。
特開2007−270566号公報 特開平6−57770号公報
そこで、この発明は、解析モデルにおける変位や挙動と整合性の高い門型構造物及びその構築方法を提供することを目的とする。
この発明は、側壁部と床版部とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロックと、側壁部下端部分が配置される配置凹部が延長方向に沿って上面に形成され、前記側壁部下端部分を支持する支持基礎部材と、前記配置凹部において、配置された前記側壁部下端部分との間に充填され硬化した液状充填硬化部材とで構成され、前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に所定高さの間隔保持材が、前記延長方向に所定間隔を隔てて配置された門型構造物であることを特徴とする。
また、この発明は、門型構造物の延長方向に沿って支持基礎部材を配置し、該支持基礎部材の上面に形成された配置凹部に、側壁部と床版部とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロックの側壁部下端部分を配置し、前記配置凹部において、配置された前記側壁部下端部分との間に液状充填材を充填し、充填した前記液状充填材を硬化させて液状充填硬化部材を構成し、前記支持基礎部材で前記門型ブロックを支持するとともに、前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に所定高さの間隔保持材を、前記延長方向に所定間隔を隔てて配置する門型構造物の構築方法であることを特徴とする。
上記側壁部下端部分は、側壁部の下端のみならず、下端から所定の高さを有する領域を指している。
上記支持基礎部材は、側壁部下端部分を支持できれば現場打ちで構成する部材、プレキャスト製部材、あるいはプレキャスト製部材と現場打ち部材とを組み合わせて構築した部材を含むものとする。
上記液状充填硬化部材は、充填箇所に充填可能な液状又はゲル状であり、充填後に硬化して強度を発現する充填材であり、高強度セメントペーストなどのセメントペースト、高強度モルタルなどのモルタル、あるいはコンクリートなどのセメント系充填材や、耐久性や強度などの所望の性状を備えた樹脂系充填材などとすることができる。
上記門型構造物は、プレキャスト製の門型ブロック単体で構成してもよいが、延長方向に沿って配置した複数の門型ブロックで構成してもよい。また、延長方向に沿って配置した複数の門型ブロックは、延長方向に連結して構造的に一体化してもよいし、単に連結してもよいし、連結されない構造であってもよい。門型構造物は、門型ブロックのみで構成してもよいが、その一部を場所打ちコンクリートで構成してもよい。
この発明により、前記側壁部下端部分を前記支持基礎部材で支持する支持構造として、前記側壁部下端部分の変位を拘束し、前記側壁部の回転を許容するヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮することができる。したがって、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造物を構築することができる。
また、前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に所定高さの間隔保持材が、前記延長方向に所定間隔を隔てて配置されているため、前記液状充填硬化部材を確実に構成することができる。
詳述すると、間隔保持材によって前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に間隔を確保できるため、前記液状充填硬化部材を構成する液状充填材を、当該間隔を通じて確実に充填し、緻密な前記液状充填硬化部材を構成することができる。
さらに、間隔保持材を配置することで、前記配置凹部の底面と側壁部下端部分底面との間に所望の間隔を確保できるため、適切な回転機能を有するヒンジ支持構造を構成することができる。
この発明の態様として、前記液状充填硬化部材は、前記側壁部及び前記支持基礎部材に対して、圧縮強度が高く、かつ弾性係数が低いことを特徴とすることができる。
この発明により、前記側壁部及び前記支持基礎部材に対して圧縮強度が高い前記液状充填硬化部材によって、前記側壁部下端部分の変位を適切に拘束するとともに、弾性係数が低いため、前記側壁部の回転を適切に許容することができる。
またこの発明の態様として、前記液状充填硬化部材の圧縮強度を60〜90N/mmとすることができる。
この発明により、プレキャスト製の門型ブロックの一般的な圧縮強度が30〜40N/mmであり、支持基礎部材の一般的な圧縮強度は、18〜24N/mmであるのに対して、圧縮強度が60〜90N/mmである前記液状充填硬化部材は、十分に高強度であるため、前記側壁部下端部分の変位を適切に拘束することができる。
またこの発明の態様として、前記液状充填硬化部材の弾性係数を1.8×10〜2.1×10N/mmとすることができる。
この発明により、プレキャスト製の門型ブロックの一般的な弾性係数が2.8×10〜3.1×10N/mmであり、支持基礎部材の一般的な弾性係数が2.2×10〜2.5×10N/mmであるのに対して、弾性係数が1.8×10〜2.1×10N/mmである前記液状充填硬化部材は、同荷重に対する変形量が大きいため、すなわち変形性が高いため、前記側壁部の回転を許容することができる。
またこの発明の態様として、前記側壁部下端部分の外面と前記配置凹部の内面との間のうち側方部分に形成された前記液状充填硬化部材の厚みを、50〜100mmとすることができる。
この発明により、耐久性があり、ヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮することができる。したがって、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造物を構築することができる。
詳述すると、前記液状充填硬化部材の側方の厚みが50mm未満の場合、変位・回転による変形量に対する応力度が前記液状充填硬化部材の許容値を超える状態となり、ひび割れの発生など、長期的なヒンジ機構の維持が困難となる。
これに対し、前記液状充填硬化部材の厚みを、50〜100mmとすることにより、水平変位、部材回転における前記液状充填硬化部材の応力による適切な支持状態を長期に亘って得ることができる。
またこの発明の態様として、前記側壁部の内面高さに対して、前記側壁部の内面同士の間隔を1.0〜5.0倍の範囲とすることができる。
この発明により、ヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮する構造で支持され、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造物を構築することができる。
詳述すると、前記側壁部の内面高さに対して、前記側壁部の内面同士の間隔が1.0倍未満の場合、つまり、幅方向に対して高さ方向が長い縦長の門型構造である場合、側壁部自体の回転が大きくなり、側壁部下端部分を支持するヒンジ支持構造が十分に機能しない。逆に、前記側壁部の内面高さに対して、前記側壁部の内面同士の間隔が5.0倍より大きい場合、つまり、高さ方向に対して幅方向が長い横長の門型構造である場合、鉛直力の影響により側壁部に比べ床版部自体の変形が大きくなるため、側壁部下端部分における水平力が大きくなりすぎ、ヒンジ支持構造として許容する範囲を超えるおそれがある。
これに対し、前記側壁部の内面高さに対して、前記側壁部の内面同士の間隔を1.0〜5.0倍の範囲とすることによって、側壁部と床版部の変形と、側壁部下端部分における変位及び回転とのバランスがとれ、側壁部下端部分を支持するヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持できるため、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造物を構築することができる。
またこの発明の態様として、前記門型ブロックを、前記延長方向に複数配置することができる。
この発明により、所望の延長を有する門型構造物を構築することができる。
この発明により、解析モデルにおける変位や挙動と整合性の高い門型構造物及びその構築方法を提供ことすることができる。
門型構造体の一部斜視図。 門型構造体の説明図。 門型構造体の施工フロー図。 門型構造体の施工説明図。 門型構造体の施工説明図。 門型構造体の施工説明図。 従来構造の門型構造体の説明図。
この発明の一実施形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1乃至図6に示す門型構造体1は、例えば、送水路などを構成するために用いられ、プレキャストコンクリート製の門型ブロック10を組付けて構成する門型構造体である。
なお、図1は門型構造体1の一部斜視図を示し、図2は門型構造体1の説明図を示している。なお、図2(a)は門型構造体1の断面図を示し、より詳しくは、断面図における左側半分が図1におけるa−a断面図を示し、右側半分が図1におけるb−b断面図を示している。
また、図2(b)は図2(a)におけるc−c断面図を示し、図2(c)は図2(a)におけるa部の拡大断面図を示し、図2(d)は図2(a)におけるb部の拡大断面図を示し、図2(e)は図2(a)におけるc部の拡大断面図を示している。
さらに、図3は門型構造体1の施工フロー図を示し、図4及び図5は門型構造体1の施工説明図を示し、図6は門型構造体1の説明図を示している。詳述すると、図4(a)は基礎工について図示し、図4(b)は支持基礎部材20の据付について図示し、図5(a)は支持基礎部材20の配置凹部21に対する間隔保持材30の配置について図示し、図5(b)は門型ブロック10の据付について図示している。図6(a)は液状充填材の充填について図示し、図6(b)は液状充填材の充填について説明する断面図を図示している。
門型構造体1は、側壁部及び床版部とで、内部空間を有する門型断面のコンクリート構造体であり、延長方向Lに所定長さを有している。
より具体的には、門型構造体1は、延長方向Lに複数配置されたプレキャスト製の門型ブロック10と、門型ブロック10の側壁部11の下端部分11a(以下において側壁部下端部分11aという)を支持する支持基礎部材20と、支持基礎部材20の配置凹部21に載置する間隔保持材30と、支持基礎部材20の配置凹部21における門型ブロック10の側壁部下端部分11aの周囲に充填された液状充填硬化部材40とで構成され、内部空間を有する門型型断面のコンクリート構造体である。
門型ブロック10は、側壁部11と、床版部12とで構成され、側壁部11の内面側の高さ(高さ方向Hの長さ)に対して、側壁部11の内面同士の間隔(幅方向Wの長さ)が1.0〜5.0倍の範囲となる正面視門型形状であり、延長方向Lに所定の長さを有するブロックである。
なお、門型ブロック10は、圧縮強度が30〜40N/mmであり、弾性係数が2.8×10〜3.1×10N/mmのプレキャスト製である。このように構成された門型ブロック10は、延長方向Lに複数配置され、図示省略する連結治具によって連結可能に構成されている。
門型ブロック10の側壁部下端部分11aを支持する支持基礎部材20は、延長方向Lに長い正面視横長矩形状であり、圧縮強度が18〜24N/mmであるとともに、弾性係数が2.2×10〜2.5×10N/mmである現場打ちコンクリート製部材であり、上面20aに、側壁部下端部分11aの遊嵌を許容する配置凹部21が延長方向Lに沿って形成されている。
支持基礎部材20の上面20aに対して凹状に形成された配置凹部21は、側壁部下端部分11aの幅より幅広であるとともに、底面21aから所定間隔を隔てて配置した側壁部下端部分11aの一部が埋まる深さの矩形断面形状の凹部である。
本実施例においては、配置凹部21の内側面21b同士の間隔は、配置凹部21の幅方向Wの中央に側壁部下端部分11aが配置された場合に、両側に50〜100mmの間隔が形成される幅方向Wの長さで形成されている。
また、底面21aから上面20aまでの深さ(高さ方向Hの長さ)は、底面21aから側壁部下端部分11aの底面までの間に50〜100mmの間隔が形成されるとともに、底面21aから当該間隔を隔てて配置した側壁部下端部分11aが所定の長さ埋まる深さで形成している。
間隔保持材30は、配置凹部21の底面21aに載置し、その上に側壁部下端部分11aが載置されることによって、底面21aと側壁部下端部分11aの底面との間に所定の間隔を保持するための部材であり、所定厚さを有する金属製部材(例えば、SS鋼)で構成されている。なお、本実施形態においては、底面21aから側壁部下端部分11aの底面までに50〜100mmの間隔が形成されるように、間隔保持材30は50〜100mmの厚みで形成されている。
また、間隔保持材30は、図5(a)に示すように、門型形状の門型ブロック10の幅方向Wの両側の側壁部11に対して配置されるとともに、延長方向Lにおいて所定間隔を隔てて2つ配置されており、つまり1つの門型ブロック10に対して少なくとも4つの間隔保持材30が配置されることとなる。
液状充填硬化部材40は、配置凹部21の底面21a及び内側面21bと、側壁部下端部分11aの外面との間に充填され硬化した硬化部材であり、圧縮強度が60〜90N/mmであるとともに、弾性係数が1.8×10〜2.1×10N/mmである。つまり、硬化した液状充填硬化部材40は、側壁部下端部分11aや支持基礎部材20より圧縮強度が高く、且つ弾性係数が低くなる。
なお、液状充填硬化部材40は、充填時には液状であり、時間経過とともに強度が発現し、硬化する液状充填硬化材で構成されており、本実施例においては無収縮モルタルを用いている。
続いて、上述のように構成された門型構造体1の構築方法について、図3乃至図6とともに説明する。
まず、門型構造体1を構築するにあたり、門型構造体1の構築箇所における側壁部11を配置する箇所を延長方向Lに沿って掘り、図4(a)に示すように、掘削箇所にグリ石を敷き設し、その上に基礎コンクリートを打設して基礎を構成する(基礎工:ステップs1)。
そして、構築された基礎の上に、高さと通りを合わせて支持基礎部材20を据付け(ステップs2:図4(b)参照)、支持基礎部材20の配置凹部21における所定箇所に間隔保持材30を配置する(ステップs3)。具体的には、図5(a)に示すように門型ブロック10における両側壁部11の延長方向Lの両端部に近い位置に配置する。このとき、間隔保持材30の高さを正確に合わせて、レベル出しを行う。
配置凹部21の所定箇所に配置され、所定高さでレベルが調整された4つの間隔保持材30の上に門型ブロック10を据え付ける(ステップs4:図5(b)参照)。このとき、配置凹部21の内側面21bと側壁部下端部分11aの側面との間隔が幅方向Wの両側において略均等になるように据え付ける。
なお、配置凹部21の底面21aに配置した間隔保持材30の上に側壁部下端部分11aを載置しているため、配置凹部21の底面21aと側壁部下端部分11aの底面との間は、間隔保持材30によって所定高さの間隙が形成される。
このようにして、延長方向Lに沿って門型ブロック10を所定数据え付けるまで繰り返し(ステップs5:No)、所定数の門型ブロック10の据付が完了後(ステップs5:Yes)、配置凹部21における底面21a及び内側面21bと、側壁部下端部分11aの外面との間に液状充填材を充填する(ステップs6:図6(b)参照)。
このとき、側壁部下端部分11aの両側には、図6(b)に示すように、側壁部下端部分11aと内側面21bとの間に所定の間隔の間隙が形成され、その間隙は、側壁部下端部分11aの底面と配置凹部21の底面21aとの間を介して連通しているため、側壁部下端部分11aと内側面21bとの間の間隙から液状充填材を注入して充填する。なお、液状充填材は、支持基礎部材20の上面20aと同じ高さになるまで充填する。
そして、側壁部下端部分11aと配置凹部21との間に充填した液状充填材が硬化し、所要の強度が発現すると、門型ブロック10の据付は完了し、さらに、例えば、内装や坑口などを仕上げ、門型構造体1の構築を完了する。
なお、上述の説明では、すべての門型ブロック10を据え付けてから(ステップs5)、液状充填材を充填したが(ステップs6)、複数あるいはひとつの門型ブロック10を据え付けてから該当部分に対して液状充填材を充填してもよい(ステップs5)。この場合、門型ブロック10の液状充填材の硬化が完了する前であっても次の門型ブロック10の据付を完了してもよい。
また、門型構造体1を構成する複数の門型ブロック10を延長方向Lに連結しても連結してなくてもよい。なお、連結する場合では、連結板等で延長方向Lに隣合う門型ブロック10同士を単に連結してもよいし、延長方向Lに沿って複数配置した門型ブロック10を構造的に一体化してもよい。
また、プレキャスト製の門型ブロック10単体で門型構造体1を構成してもよい。
このように門型構造体1は、側壁部11と床版部12とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロック10と、側壁部下端部分11aが配置される配置凹部21が延長方向Lに沿って上面20aに形成され、側壁部下端部分11aを支持する支持基礎部材20と、配置凹部21において、配置された側壁部下端部分11aとの間に充填され硬化した液状充填硬化部材40とで構成し、門型ブロック10を、延長方向Lに複数配置して門型構造体1をしているため、所望の延長を有する門型構造体1を構築することができる。
また、延長方向Lに沿って支持基礎部材20を配置し、支持基礎部材20の上面20aに形成された配置凹部21に、側壁部11と床版部12とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロック10の側壁部下端部分11aを配置し、配置凹部21において、配置された側壁部下端部分11aとの間に液状充填部材を充填し、充填した液状充填材を硬化させて液状充填硬化部材40を構成し、支持基礎部材20で門型ブロック10を支持する門型構造体1の構築しているため、側壁部下端部分11aを支持基礎部材20で支持する支持構造として、側壁部下端部分11aの変位を拘束し、側壁部11の回転を許容するヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮することができる。したがって、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造体1を構築することができる。
また、液状充填硬化部材40は、側壁部11及び支持基礎部材20に対して、圧縮強度が高く、かつ弾性係数が低いため、側壁部11及び支持基礎部材20に対して圧縮強度が高い液状充填硬化部材40によって、側壁部下端部分11aの変位を適切に拘束するとともに、弾性係数が低いため、側壁部11の回転を適切に許容することができる。
また、プレキャスト製の門型ブロック10の一般的な圧縮強度が30〜40N/mmであり、現場打ちで構成される支持基礎部材20の一般的な圧縮強度は、18〜24N/mmであるのに対して、圧縮強度が60〜90N/mmである液状充填硬化部材40は、十分に高強度であるため、側壁部下端部分11aの変位を適切に拘束することができる。
また、プレキャスト製の門型ブロック10の一般的な弾性係数が2.8×10〜3.1×10N/mmであり、現場打ちで構成される支持基礎部材20の一般的な弾性係数が2.2×10〜2.5×10N/mmであるのに対して、弾性係数が1.8×10〜2.1×10N/mmである液状充填硬化部材40は、同荷重に対する変形量が大きいため、すなわち変形性が高いため、側壁部11の回転を許容することができる。
また、側壁部下端部分11aの外面と配置凹部21の底面21a及び内側面21bとの間のうち側方部分に形成された液状充填硬化部材40の厚みを、50〜100mmとしているため、耐久性があり、ヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮することができる。したがって、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造体1を構築することができる。
詳述すると、液状充填硬化部材40の側方の厚みが50mm未満の場合、変位・回転による変形量に対する応力度が液状充填硬化部材40の許容値を超える状態となり、ひび割れの発生など、長期的なヒンジ機構の維持が困難となる。
また、側壁部下端部分11aの外面と配置凹部21の底面21a及び内側面21bとの間のうち、深さ方向における液状充填硬化部材40の厚みが50mm未満の場合は水平変位により短期応力が液状充填硬化部材40の許容値を超えて損傷するおそれがあり、液状充填硬化部材40の厚みが100mmより大きい場合は部材回転による応力度が液状充填硬化部材40の許容値を超えて損傷するおそれがある。
これに対し、液状充填硬化部材40の厚みを、50〜100mmとすることにより、水平変位、部材回転における液状充填硬化部材40の応力による適切な支持状態を長期に亘って得ることができる。
また、側壁部下端部分11aの底面と配置凹部21の底面21aとの間に所定高さの間隔保持材30を、延長方向Lに所定間隔を隔てて配置しているため、液状充填硬化部材40を確実に構成することができる。
詳述すると、間隔保持材30によって側壁部下端部分11aの底面と配置凹部21の底面21aとの間に間隔を確保できるため、液状充填硬化部材40を構成する液状充填材を、当該間隔を通じて確実に充填し、緻密な液状充填硬化部材40を構成することができる。
さらに、間隔保持材30を配置することで、配置凹部21の底面21aと側壁部下端部分11a底面との間に所望の間隔を確保できるため、適切な回転機能を有するヒンジ支持構造を構成することができる。
また、門型ブロック10における側壁部11の内面高さに対して、側壁部11の内面同士の間隔が1.0〜5.0倍の範囲であるため、ヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持機能を発揮する構造で支持され、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造体1を構築することができる。
詳述すると、側壁部11の内面高さに対して、側壁部11の内面同士の間隔が1.0倍未満の場合、つまり、幅方向に対して高さ方向が長い縦長の門型構造である場合、側壁部11自体の回転が大きくなり、側壁部下端部分11aを支持するヒンジ支持構造が十分に機能しない。逆に、側壁部11の内面高さに対して、側壁部11の内面同士の間隔が5.0倍より大きい場合、つまり、高さ方向Hに対して幅方向Wが長い横長の門型構造である場合、側壁部11に比べ床版部12の変形が大きくなるため、側壁部下端部分11aにおける水平力が大きくなりすぎ、ヒンジ支持構造として許容する範囲を超えるおそれがある。
これに対し、側壁部11の内面高さに対して、側壁部11の内面同士の間隔を1.0〜5.0倍の範囲とすることによって、側壁部11と床版部12の変形と、側壁部下端部分11aにおける変位及び回転とのバランスがとれ、側壁部下端部分11aを支持するヒンジ支持構造としての拘束条件で適切に支持できるため、解析モデルと実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高く、安全性の高い門型構造体1を構築することができる。
続いて、上述のような効果を奏する門型構造体1について、実施した効果確認試験について説明する。
試験体として、ひとつの門型ブロック10でW2000×H750の門型構造体1を構築し、鉛直力載荷試験を行うとともに、試験結果と解析結果とを比較することによって、上記効果を確認した。
なお、斜角門形カルバート工法研究会の施工実績から汎用モデルを抽出し、同研究会の製品規格に定める設計条件におけるヒンジ部の回転角を再現することによって載荷荷重を算定し、常時載荷荷重を280.0kN、地震時載荷荷重を430.0kNとして試験を行った。
その結果、鉛直荷重によって門型ブロック10に発生する応力分布が、側壁部下端部分11aをヒンジ支持構造としてモデル化して解析した場合に応力分布に近似していることが確認された。
また、鉛直荷重によって門型ブロック10の側壁部下端部分11aに生じる水平変位が0.0〜0.09mmと極微小であり、水平変位を十分拘束していることが確認できた。
このように、上述の効果確認試験により、上述の構成の門型構造体1は、側壁部下端部分11aをヒンジ支持構造としてモデル化して解析した結果と実構造物とにおける変位や挙動などの整合性が高いことが確認できた。
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、側壁部11と床版部12とで門型に構成された門型ブロック10を用いたが、左右の側壁部11の長さが異なる門型でもよいし、門型ブロック10で構成した門型の一部を場所打ちコンクリートで構成してもよい。
さらにまた、上述の説明では液状充填硬化部材40は、無収縮モルタルを硬化させて構成したが、充填箇所に充填可能であり、充填後に硬化して強度を発現する充填材であれば、高強度セメントペーストなどのセメント系充填材や、耐久性や強度などの所望の性状を備えた樹脂系充填材などで構成してもよい。
1…門型構造体
10…門型ブロック
11…側壁部
11a…側壁部下端部分
12…床版部
20…支持基礎部材
20a…上面
21…配置凹部
21a…底面
21b…内側面
30…間隔保持材
40…液状充填硬化部材
L…延長方向

Claims (10)

  1. 側壁部と床版部とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロックと、
    側壁部下端部分が配置される配置凹部が延長方向に沿って上面に形成され、前記側壁部下端部分を支持する支持基礎部材と、
    前記配置凹部において、配置された前記側壁部下端部分との間に充填され硬化した液状充填硬化部材とで構成され
    前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に所定高さの間隔保持材が、前記延長方向に所定間隔を隔てて配置されている
    門型構造物。
  2. 前記液状充填硬化部材は、前記側壁部及び前記支持基礎部材に対して、圧縮強度が高く、かつ弾性係数が低いことを特徴とする
    請求項1に記載の門型構造物。
  3. 前記液状充填硬化部材の圧縮強度が60〜90N/mmである
    請求項2に記載の門型構造物。
  4. 前記液状充填硬化部材の弾性係数が1.8×10〜2.1×10N/mm である
    請求項2または3に記載の門型構造物。
  5. 前記側壁部下端部分の外面と前記配置凹部の内面との間のうち側方部分に形成された前記液状充填硬化部材の厚みが、50〜100mmである
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の門型構造物。
  6. 前記側壁部の内面高さに対して、前記側壁部の内面同士の間隔が1.0〜5.0倍の範囲である
    請求項1乃至のうちいずれかに記載の門型構造物。
  7. 前記門型ブロックが、前記延長方向に複数配置された
    請求項1乃至のうちいずれかに記載の門型構造物。
  8. 門型構造物の延長方向に沿って支持基礎部材を配置し、
    該支持基礎部材の上面に形成された配置凹部に、側壁部と床版部とで門型を構成するプレキャスト製の門型ブロックの側壁部下端部分を配置し、
    前記配置凹部において、配置された前記側壁部下端部分との間に液状充填材を充填し、
    充填した前記液状充填材を硬化させて液状充填硬化部材を構成し、前記支持基礎部材で前記門型ブロックを支持するとともに、
    前記側壁部下端部分の底面と前記配置凹部の底面との間に所定高さの間隔保持材を、前記延長方向に所定間隔を隔てて配置する
    門型構造物の構築方法。
  9. 前記側壁部下端部分の外面と前記配置凹部の内面との間のうち側方部分を50〜100mmとする
    請求項に記載の門型構造物の構築方法。
  10. 前記門型ブロックを、前記延長方向に複数配置する
    請求項8または9に記載の門型構造物の構築方法。
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