JP6710351B1 - 口腔用電動マッサージ器 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2には、「円筒型の超音波振動子を内蔵した超音波照射部分と、該照射部分と一体に形成された接触部分と、接触部分に内蔵され、前記超音波振動子に接続された切り替え回路と、該切り換え回路に接続され、前記超音波振動子の径方向振動、厚み方向振動及び長さ方向振動を発生する周波数の出力を順次出力する発振器と、該発振器に電力を供給する電源とからなり、前記発振器からの発振出力で、前記周波数に対応した径方向振動、厚み方向振動及び長さ方向振動を前記超音波振動子から発生して、口腔内を洗浄及び歯垢除去することを特徴とする超音波口腔衛生器。」が開示されている。
特許文献3には「動力駆動の振動や超音波振動発生機能を備えた電動マッサ−ジ具本体1に、先端が流線形のマッサ−ジ部5を有するへの字形をした支柱4を連設したマッサ−ジ接触部3を設けた歯茎マッサ−ジ器であって、マッサ−ジ部には柔軟性を有する天然ゴム、合成ゴム、シリコンゴム等の低弾性率の材料を用いたことを特徴とする電動歯茎マッサ−ジ器。」が開示されている。
なお、遠赤外線を使用するマッサージ具としては、特許文献4と5が開示されている。
しかしながら、従来の特許文献のように、超音波振動等の振動のみでは、歯茎・歯肉などを刺激して唾液を効果的に出すには必ずしも十分ではない。例えば、唾液の分泌に際して、上述したブラシを使用すると、痛みを伴うばかりでなく、唾液分泌を効率的に安定して分泌させる上でも好ましくない。また、遠赤外線などの照射において、一方方向だけの照射では、照射範囲が限定されて、好ましくない。
また、歯茎・歯肉をマッサージ刺激するためには、衛生的に行われる必要があるが、従来の特許文献では、歯茎・歯肉などへの刺激を衛生的に行うには必ずしも十分ではない。特に、舌に機器を接触させる場合には、より衛生的で安全な装置が求められる。
なお、特許文献4と5には、歯茎に近赤外線を照射する技術が開示されいるが、ブラシを介しての温熱であり、歯茎に近赤外線を十分に照射させるものではないし、一方方向だけの照射では、照射範囲が限定されて、好ましくない。
ここで、本願発明者の研究によれば、舌に高周波振動を付与して唾液を効率よく多く出すことができれば、歯周病の予防や脳が活性化したり体液循環を促進し余分なリンパ液の循環を改善したりする役割がある知見を得ている。
そして、口腔内においては、肌への接触とは異なり、唾液などの液体が存在するが、唾液のような水分にも反応してマッサージ効果を発揮することが求められる。
しかしながら、歯茎・歯肉や舌など口腔内患部をマッサージ刺激して、唾液の分泌を促すマッサージ器は、先行例では見つからない。
前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されているか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成され、
前記赤外線照射機能が遠赤外線照射機能及び近赤外線照射機能であり、前記回路基板に遠赤外線照射と近赤外線照射とを同時に又は各々個別に照射できる切り替え手段が設けられていることを特徴とする。
また、本発明は、歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に、超音波振動を付与する超音波振動機能と赤外線を照射する赤外線照射機能とを有する接触部を備え、手で把持する本体部内に超音波振動機能と赤外線照射機能とを有する電子回路が構成された回路基板が配されるとともに、前記回路基板が延長するように配される先端側の接触部に赤外線照射機能の照射部が設けられ、
前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されているか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成され、
前記接触部又は前記キャップはゴムや合成樹脂製の凹凸形状(ブラシを除く)が形成され、赤外線照射機能による照射がゴムや合成樹脂製の前記凹凸形状(ブラシを除く)の位置に向けて照射されることを特徴とする。
さらに、本発明は、歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に、超音波振動を付与する超音波振動機能と赤外線を照射する赤外線照射機能とを有する接触部を備え、手で把持する本体部内に超音波振動機能と赤外線照射機能とを有する電子回路が構成された回路基板が配されるとともに、前記回路基板が延長するように配される先端側の接触部に赤外線照射機能の照射部が設けられ、
前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されているか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成され、
前記接触部及び/又はキャップは肉厚の厚い部分と薄い部分とが形成されているとともに、前記赤外線照射機能による照射が前記肉厚の薄い部分の位置に向けて照射されることを特徴とする。
本発明によれば、前記回路基板を延長するように配される先端の接触部側に前記赤外線照射機能の照射部が設けられているために、超音波振動によって赤外線も照射され(散乱するように照射され)歯茎・歯肉や舌などにマッサージすることができる。また、本体部を手で強く把持すると、超音波振動を抑制することができ、これにより赤外線の散乱も抑制され、本体部を手で弱く把持すると、超音波振動を強くすることができ、これにより赤外線の散乱も強く(散乱を大きく)することができる。
本発明によれば、一枚の回路基板により前記接触部に前記超音波振動の振動が確実に伝達する構造である。
本発明としては、前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されているか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記接触部と前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成されているので、歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に赤外線を十分に照射させることができる。
また、赤外線には、遠赤外線と近赤外線を含み、これらを同時に赤外線照射しても良く、また、各々個別に照射しても良い。そして、水は遠赤外線よりも近赤外線を強く吸収することが知られているが、口腔内での唾液(水)により光吸収が図られる近赤外線が特に効果的である。近赤外線は波長がおよそ0.7−2.5μmの電磁波で、赤色の可視光線に近い波長を持つ。遠赤外線は、波長がおよそ4−1000μmの電磁波で、電波に近い性質も持つ。
本発明によれば、遠赤外線と近赤外線とを切り替えて照射したり、両者を同時に照射したりして、患部を効率的にマッサージすることとなる。
本発明によれば、凹凸形状(ブラシを除く)が形成されていることから、唾液の分泌を効果的に安定して促すことができる。
本発明によれば、前記近赤外線照射機能による照射が前記肉厚の薄い部分の位置に向けて照射されるので、患部を十分に温めて唾液の分泌を効果的に安定して促すことができる。また、前記肉厚の厚い部分に前記凹凸形状(ブラシを除く)が形成されているので、患部への接触力が強く働くこととなる。
本発明によれば、前記接触部に対してキャップを着脱して衛生的な使用ができるが、装置本体の筐体よりも柔軟性のある部材であることから、その着脱作業も行いやすく、キャップの根元まで確実に固定して取り付けることができる。
本発明によれば、前記接触部において前記回路基板自体が超音波振動することから、直接的に超音波振動が伝達して、患部を効果的に刺激することができる。また、前記振動する回路基板に赤外線照射機能が実装されていることから、照射範囲が広くなり、かつ照射が入り乱れるようにして、患部を効率的にマッサージすることとなる。さらに、舌のように動く照射対象物に対しても、振動する基板に赤外線照射機能を設けることが有効である。また、遠赤外線も近赤外線も、水との反応性に優れるので(遠赤外線のサウナ利用)、唾液と反応して、唾液の分泌を促すことになる。
本発明としては、前記赤外線を照射しながら前記超音波振動を毎秒5〜20回(5Hz/s〜20Hz/s)で付与することを特徴とする。さらに好ましくは、前記赤外線を照射しながら前記超音波振動を毎秒5〜10回(5Hz/s〜20Hz/s)で付与することが好ましい。
本発明によれば、唾液分泌が効果的に促される。特に、舌にマッサージを上記値で与えると唾液分泌に効果的であることが分かった。
また、本発明では、キャップに設けられた凹凸形状(ブラシを除く)により口腔内患部を超音波と赤外線照射でマッサージすることから、キャップを交換することで衛生的な使用が可能であるとともに、舌などを傷つけることがなく使用することができる。
回路基板6には、その先端側(2a)には赤外線の照射部(赤外線照射素子)3a,3bが実装されて、赤外線3が透過性の部材(プラスチックケース)を介して外部に照射される。本実施の形態では、赤外線に対して透過性を示す合成樹脂で構成されているが、透明な部材や半透明な部材を使用しても良く、無色透明で光を透過させる樹脂である光透過性樹脂(眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、光ファイバーなどに用いられる光透過性樹脂)を使用しても良い。
赤外線機能3の照射部(赤外線照射素子)3a,3bは、遠赤外線の照射素子3aと近赤外線の照射素子3bとを備え、回路基板6に実装されるマイコン11により切り替えられたり、同時に照射されたりする(図5)。本実施の形態では、近赤外線の照射素子3bが回路基板6の長手方向に沿って、遠赤外線の照射素子3aがこれと交差する方向に接触部2aの基板6に実装されている。遠赤外線の照射素子3aと近赤外線の照射素子3bとは、交互に、向きを変えているので(X−X、Y−Y方向)、高周波振動とも合わせて(X−X、Y−Y方向)、照射が入り乱れて照射されることとなる。
前記本体部2bの前記接触部2aの側には、超音波振動4を付与する振動電極7が回路基板6に配置されている。したがって、機器全体が振動するが、本体部2bを把持すると、その振動4が抑制されるが、先端部にはその抑制は働かない構造である。先端側の照射部3a,3bも振動電極7による振動4が回路基板6を介して伝達されて振動するが、その振動はX−X方向とY−Y方向に振動する(図4)。
高周波振動素子7は、回路基板6に実装されるマイコン10により制御されるとともに、マイコン10に設即される振動制御回路11より所定の振動数に制御される。この振動制御により赤外線照射素子3a,3bも同じように振動が制御される。赤外線の照射部3a,3bからの照射は、振動して、口腔内患部に拡散するようになる(図4のX−X方向とY−Y方向に振動する。そして、手で本体部2bを握ると、その握る強さにより、超音波振動4の制御が可能である。前記マイコンは、超音波振動の設定や制御を行う。本実施の形態では、毎秒1〜20回(1Hz/s〜20Hz/s)で付与したり、毎秒5〜10回(5Hz/s〜10Hz/s)で付与したが、その他の設定が可能である。
図7(a)〜(c)に示すキャップC2は、肉厚の厚さは一定であり、前記凹凸(ブラシを除く)の凸部Caの大きさが直径6mm〜8mm程度である。また、キャップCの基端側Ceには、前記接触部2aの基端側に設けられる凸部に係止する穴Chが形成されるとともに、指で外すときの滑り止めCfが断面矩形状の対抗する面に設けられている(図7(b)(c))。
また、図2(b)に示すキャップC1は、肉厚の厚さは一定であり、前記凹凸(ブラシを除く)Cの凸部Caの大きさが直径1mm〜3mm程度である。いずれもブラシのようなものではなく、ブラシの径よりも大きなものであり、これにより歯茎・歯肉や舌に対してブラシよりも大きな面積で接触する。ここで、キャップCはゴム製であるが、前記筐体2は合成樹脂製であったり、光透過性樹脂製であっても良い。
本実施の形態では、接触部2aの先端周囲に柔軟材(ゴム、樹脂等)がキャップ状に装着されている。キャップCは矩形状であり、前記凹凸形状Caの位置を変更することができる。すなわち、赤外線照射機能3a,3bの向きと同じ向きに向けて前記凹凸形状を設定することもできるが、矩形状の他の面(凹凸Caのない面)を使用して赤外線照射機能3a,3bを照射させることもできる。
また、接触部2aにキャップCを被せると、キャップCの凹凸形状の凸部Caにより歯茎・歯肉や舌のマッサージを行うことができる。キャップCを歯茎・歯肉に接触させると、発振器7から発生した発振出力が圧電振動子7に入力されて超音波振動4を発生し、キャップCを介して直接歯茎・歯肉や舌に伝達されるので、キャップCで歯茎・歯肉や舌のマッサージを行うことができる。また、振動する回路基板6に赤外線照射機能73が実装されているので、広範囲に照射したり、舌のような動きのある照射対象に対して照射を広く及ぼすことができる。
キャップCの凹凸(ブラシを除く)の凸部Caの大きさが直径1mm〜5mmである口腔用電動マッサージ器1を前記凹凸(ブラシを除く)の凸部Caの大きさが直径2mm〜10mmである口腔用電動マッサージ器1を使用して、患者に対して、歯茎・歯肉や舌の口腔内患部に接触させて唾液の分泌量を測定した。したがって、舌を刺激することで唾液の分泌が促されるが、前記凹凸(ブラシを除く)の凸部の大きさが直径2mm〜10mmである口腔用電動マッサージ器1が好ましいと言える。
本願発明者の研究によれば、唾液分泌は気分よく行われる必要がある。そのためには、前記近赤外線を照射しながら前記超音波振動を毎秒5〜20回(5Hz/s〜10Hz/s)で付与するものであり、更に好ましくは、毎秒5〜10回(5Hz/s〜10Hz/s)で照射されるものである。
本願発明者の実験では、前記近赤外線3bを照射しながら超音波振動を毎秒8回(8Hz/s)程度が最も好ましい。毎秒8回(8Hz/s)で照射されると、気持ちが良くなり、単純に連続照射したものと上記8Hz/sで照射したのでは、受ける方の感覚が違って、8Hz/sの方は気持ちよくなって寝てしまうほどである。これは副交感神経活性化に作用したものと考えられる。
このような結果からは、認知症の予防効果が期待できる。このことは、使用した歯科医師からの報告でも明らかになった。このようにして舌を刺激すると脳が活性化するからであると考えられる。本器1の使用で口腔内患部をマッサージすることで認知症の患者やその予備群や、自閉症の患者にも効果が期待できると考えられる。
2 筐体、2a 接触部、 2b 本体部、
3 赤外線照射機能、
3a,3b 赤外線素子(照射部)、 3a 遠赤外線素子、 3b 近赤外線素子、
4 超音波振動機能(超音波振動)、
6 回路基板、
7 圧電振動子、
9 電源スイッチ、
10 電子制御回路(マイコン)、
11 振動制御回路、
13 接着剤(接着樹脂)、
E 電池、
C キャップ、
Ca 凸部、Cc 肉厚の厚い部分、Cd 薄い部分、
Claims (3)
- 歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に、超音波振動を付与する超音波振動機能と赤外線を照射する赤外線照射機能とを有する接触部を備え、手で把持する本体部内に超音波振動機能と赤外線照射機能とを有する電子回路が構成された回路基板が配されるとともに、前記回路基板が延長するように配される先端側の接触部に赤外線照射機能の照射部が設けられ、
前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されているか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成され、
前記赤外線照射機能が遠赤外線照射機能及び近赤外線照射機能であり、前記回路基板に遠赤外線照射と近赤外線照射とを同時に又は各々個別に照射できる切り替え手段が設けられていることを特徴とする口腔用電動マッサージ器。 - 歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に、超音波振動を付与する超音波振動機能と赤外線を照射する赤外線照射機能とを有する接触部を備え、手で把持する本体部内に超音波振動機能と赤外線照射機能とを有する電子回路が構成された回路基板が配されるとともに、前記回路基板が延長するように配される先端側の接触部に赤外線照射機能の照射部が設けられ、
前記接触部が赤外線透過性を有する部材により構成されるか、及び/又は、前記接触部に被せるキャップを備え、前記キャップが赤外線透過性を有する部材により構成され、
前記接触部又は前記キャップはゴムや合成樹脂製の凹凸形状(ブラシを除く)が形成され、赤外線照射機能による照射がゴムや合成樹脂製の前記凹凸形状(ブラシを除く)の位置に向けて照射されるものであり、前記先端側の接触部において、回路基板の長手方向に遠赤外線照射機能の照射部と近赤外線照射機能の照射部とが交互に設けられていることを特徴とする口腔用電動マッサージ器。 - 歯茎・歯肉や舌などの口腔内患部に、超音波振動を付与する超音波振動機能と赤外線を照射する赤外線照射機能とを有する接触部を備え、手で把持する本体部内に超音波振動機能と赤外線照射機能とを有する電子回路が構成された回路基板が配されるとともに、前記回路基板が延長するように配される先端側の接触部に遠赤外線照射機能及び近赤外線照射機能の照射部が設けられ、
前記接触部に被せるキャップはゴムや合成樹脂製の凹凸形状(ブラシを除く)が形成されると共に、肉厚の厚い部分(前記凹凸形状を除く)と肉厚の薄い部分とが形成されており、前記肉厚の薄い部分には前記凹凸形状(ブラシを除く)が設けられておらず、前記遠赤外線機能の照射及び近赤外線照射機能の照射が前記肉厚の薄い部分の位置に向けて照射されることを特徴とする口腔用電動マッサージ器。
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