JP6708957B2 - 電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、ニッケル水素電池の充放電を制御する技術に関する。
近年、種々の分野で広く普及している二次電池では、充放電が繰り返されることに伴なって、メモリ効果と呼ばれる現象が生じることが知られている。特開平8−223812号公報(特許文献1)には、メモリ効果が生じたときに、いわゆるリフレッシュ充放電(残存容量をほぼ0%にする放電および残存容量をほぼ100%にする充電)を適宜行なうことによってメモリ効果を解消する技術が開示されている。
特開平8−223812号公報
二次電池の充放電を的確に行なうためには、二次電池の残存容量(State of Charge、以下「SOC」ともいう)を高い精度で推定することが望まれる。従来、SOCの算出方法として、二次電池の電圧を用いる電圧方式が知られている。この電圧方式は、二次電池の開放電圧(Open Circuit Voltage、以下「OCV」ともいう)はSOCが大きいほど高くなる特性があることに鑑み、SOCに対するOCVの値を示すカーブ(以下「OCVカーブ」ともいう)を予め実験等によって求めてメモリ等に記憶しておき、このOCVカーブを参照して二次電池の電圧の検出値に対応するSOCを算出するものである。
従来より、ハイブリッド車両用の二次電池として、ニッケル水素電池が多く採用されている。本願の発明者等は、ニッケル水素電池において、メモリ効果とは別の現象が生じることを実験等によって新たに見出した。別の現象とは、SOCが所定値よりも低い領域に所定時間以上滞留することに伴なって、OCVカーブの傾き(SOCが単位量変化するときのOCVの変化量)が新品時(未使用時)よりも平坦になる、という現象である。本明細書では、この現象を、説明の便宜上、「OCVカーブの平坦化」とも記載する。OCVカーブの平坦化が生じると、新品時のOCVカーブを用いて算出されるSOCの精度が低下してしまう。そのため、OCVカーブの平坦化を解消させる技術の開発が望まれる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ニッケル水素電池においてOCVカーブの平坦化が生じた場合に、その平坦化を解消させることである。
この発明に係る電池システムは、ニッケル水素電池と、ニッケル水素電池の充放電を制御する制御部とを備える。制御部は、ニッケル水素電池の蓄電量が所定値よりも低い第1領域に滞留している時間が所定時間を超えたか否かを判定し、滞留している時間が所定時間を超えた場合、ニッケル水素電池の蓄電量が所定値よりも大きい値になるよう強制充電を実施し、その後、下限値が所定値よりも大きい第2領域内にニッケル水素電池の蓄電量が収まるようにニッケル水素電池の充放電を制御する。
既に述べたように、ニッケル水素電池においては、SOCが所定値よりも低い領域に所定時間以上滞留するとOCVカーブの平坦化が生じることが、本願の発明者等によって新たに見出された。さらに、本願の発明者等は、検討を重ねた結果、OCVカーブの平坦化は、ある程度高いSOCまで充電することによって解消することを突き止めた。
この点に鑑み、制御部は、ニッケル水素電池の蓄電量が所定値よりも低い第1領域に滞留している時間が所定時間を超えた場合(すなわちOCVカーブの平坦化が生じていると考えられる場合)、まず、ニッケル水素電池の蓄電量が所定値よりも大きい値になるよう強制充電を実施し、OCVカーブの平坦化を早期に解消させる。そして、強制充電の実施後、下限値が所定値よりも大きい第2領域にSOCが収まるように充放電を制御する。そのため、強制充電の実施後もSOCは第2領域内に維持され、OCVカーブの平坦化が解消された状態を定着できる。これにより、ニッケル水素電池においてOCVカーブの平坦化が生じた場合に、その平坦化を解消させることができる。
電池システムが搭載される車両の構成を概略的に示す図である。 耐久試験1後における電圧カーブを示す図である。 耐久試験2後における電圧カーブを示す図である。 耐久試験3後における電圧カーブを示す図である。 OCVカーブを模式的に示す図である。 耐久試験2後に充放電を2回繰り返したときの電圧カーブを示す図である。 耐久試験3後に充放電を2回繰り返したときの電圧カーブを示す図である。 ECUの処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<電池システムの構成>
図1は、本実施の形態による電池システム2が搭載される車両1の構成を概略的に示す図である。なお、図1に示す車両1はいわゆるハイブリッド車両であるが、本実施の形態による電池システム2は、ハイブリッド車両に適用することに限定されず、ニッケル水素電池を搭載した車両全般、さらには車両以外の用途にも適用可能である。
車両1は、電池システム2と、パワーコントロールユニット(PCU:Power Control Unit)30と、モータジェネレータ(Motor Generator、以下「MG」という)41,42と、エンジン50と、動力分割機構60と、駆動軸70と、駆動輪80とを備える。電池システム2は、ニッケル水素(NiMH)電池10と、監視ユニット20と、電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)100とを備える。
エンジン50は、燃料の燃焼エネルギによって運動エネルギを出力する。MG41,42は、発電機としても電動機としても機能し得る。
MG41は、主として、動力分割機構60を介して伝達されるエンジン50の出力の一部を用いて発電する発電機として動作する。MG41が発電した電力はPCU30を介してMG42あるいはニッケル水素電池10に供給される。
MG42は、ニッケル水素電池10からの電力およびMG41の発電電力の少なくともいずれか一方によって駆動される。MG42の駆動力は、駆動軸70に伝達される。また、車両1の回生制動時には、MG42は、車輪の回転力によって駆動されることによって発電機として動作する。MG41,42の発電電力はPCU30を介してニッケル水素電池10に充電される。
ニッケル水素電池10は、MG41,42を駆動するための電力を蓄える。ニッケル水素電池10は、直列に接続された複数のニッケル水素電池セルを含む。監視ユニット20は、電圧センサ21と、電流センサ22と、温度センサ23とを含む。電圧センサ21は、ニッケル水素電池10の端子間電圧(以下「電池電圧VB」ともいう)を検出可能に構成される。電流センサ22は、ニッケル水素電池10の充放電電流(以下「電池電流IB」ともいう)を検出可能に構成される。温度センサ23は、ニッケル水素電池10の温度(以下「電池温度TB」ともいう)を検出可能に構成される。各センサは、検出結果を示す信号をECU100に出力する。
PCU30は、ECU100からのスイッチング指令に従って、ニッケル水素電池10とMG41,42との間で双方向の電力変換を実行するように構成されている。PCU30は、MG41,42の状態をそれぞれ別々に制御可能に構成されている。たとえば、PCU30は、MG41を回生(発電)状態にしつつ、MG42を力行状態にすることができる。
ECU100は、CPU(Central Processing Unit)と、メモリと、入出力インターフェイス(いずれも図示せず)とを含んで構成される。ECU100は、各センサからの信号およびメモリに記憶された情報に基づいてエンジン50およびPCU30を制御することによって、ニッケル水素電池10の充放電を制御する。
ECU100は、ニッケル水素電池10を充電する必要がある場合、エンジン50の動力の一部を用いてMG41に発電させ、MG41が発電した電力でニッケル水素電池10を充電するように、エンジン50およびPCU30(MG41,MG42)を制御する。以下、エンジン50の動力の一部を用いてMG41が発電した電力でニッケル水素電池10を充電する制御を「Pチャージ」ともいう。
ECU100は、ニッケル水素電池10の充放電制御を的確に行なうために、ニッケル水素電池10の残存容量(SOC)を算出する。一般的に、SOCは、満充電容量に対する残存容量の比で表される。本実施の形態によるECU100は、電池電圧VBを用いてSOCを算出する。具体的には、ECU100は、実験等によって求められたOCVカーブを予めメモリに記憶しておき、このOCVカーブを参照して電池電圧VB(電圧センサ21による検出値)に対応するSOCを算出する。
ECU100は、算出されたSOCが所定領域(後述の通常SOC領域または高SOC領域)に収まるようにニッケル水素電池10の充放電を制御する。たとえば、SOCが所定領域の下限値を下回る場合、ECU100は、上述のPチャージを行なってニッケル水素電池10を充電することによって、SOCを増加させる。
<OCVカーブの平坦化>
上述のように、ECU100は、OCVカーブを参照して電池電圧VB(電圧センサ21による検出値)に対応するSOCを算出し、算出されたSOCが所定領域に収まるようにニッケル水素電池10の充放電を制御する。そのため、ニッケル水素電池10の充放電を的確に行なうためには、SOCを高い精度で算出することが望まれる。
ところが、本願の発明者等は、ニッケル水素電池10において、SOCが所定値よりも低い領域(以下「低SOC領域」という)に所定時間以上継続して滞留すると、SOCの算出に用いられるOCVカーブの傾き(SOCが単位量変化するときのOCVの変化量)が新品時(未使用時)よりも平坦になることを、下記の耐久試験1〜3を含む種々の実験によって新たに見出した。
<<実験内容および実験結果>>
発明者等は、ニッケル水素電池10に対して下記の耐久試験1〜3をそれぞれ行ない、各耐久試験後においてSOCに対する電池電圧VBの挙動(以下「電圧カーブ」ともいう)を測定する実験をそれぞれ行なった。
(耐久試験1) ほぼ完全放電した状態(SOCが数%程度の状態)で25℃下で所定期間P1放置する。
(耐久試験2) ほぼ完全放電した状態で65℃下で所定期間P1放置する。
(耐久試験3) ほぼ完全放電した状態で65℃下で所定期間P2(P2>P1)放置する。
なお、上記の耐久試験1〜3は、いずれもSOCを低SOC領域(所定値よりも低い領域)に所定時間T1以上継続して滞留させる試験である。上記の耐久試験1〜3は、いずれもほぼ完全放電した状態で放置する点で共通する。耐久試験2は、耐久試験1に比べて、放置期間は同じであるが、温度が高い点が異なる。耐久試験3は、耐久試験2に比べて、温度は同じであるが、放置期間が長い点が異なる。
上記の実験結果を図2〜4に示す。図2は、耐久試験1後における電圧カーブを示す図である。図3は、耐久試験2後における電圧カーブを示す図である。図4は、耐久試験3後における電圧カーブを示す図である。図2〜4の各々において、横軸はSOCを表わし、縦軸はSOCを変化させたときの電池電圧VB(CCV:Closed Circuit Voltage)を表わす。また、図2〜4の各々において、実線は耐久試験後の電圧カーブを表わし、破線は新品時の電圧カーブを表わす。なお、図2〜4(および後述する図6、7)に示す各充電電圧カーブにおいては、電池電圧VBが最大レベルで平坦になる領域があるが、これは、放電挙動を確認する前に電池をほぼ満充電状態にするために、最大レベルの電圧を意図的に所定時間保持しているためである。
いずれの実験結果からも、耐久試験後(実線)は、新品時(破線)に比べて、電圧カーブが平坦になっている(電圧カーブの傾きが小さくなっている)ことが確認できる。また、電圧カーブの平坦化は、温度と放置期間とに依存していることが確認できる。具体的には、温度のみが異なる図2と図3とを比較すると、温度が高い図3の電圧カーブの方が、温度が低い図2の電圧カーブよりも、平坦になっていることが確認できる。また、放置期間のみが異なる図3と図4とを比較すると、放置期間が長い図4の電圧カーブの方が、放置期間が短い図3の電圧カーブよりも、平坦になっていることが確認できる。なお、上記の電圧カーブの平坦化は低SOC領域で放置することで生じているが、低SOC領域で充放電を行なった際においても、放置時と同様に電圧カーブの平坦化が生じることを出願人は他の実験で確認している。
図2〜4に示されている充放電時の電圧カーブは、無負荷に近い小電流で計測された結果である。すなわち、上記のような電圧カーブの平坦化が生じたニッケル水素電池においては、OCVカーブの平坦化も生じていると考えられる。
図5は、ニッケル水素電池10のOCVカーブを模式的に示す図である。なお、図5において、横軸はSOCを表わし、縦軸はOCVを表わす。また、図5において、実線は耐久試験後のOCVカーブを表わし、一点鎖線は新品時のOCVカーブを表わす。
図5に示されるように、新品時のOCVカーブ(一点鎖線)は、SOCの全領域で、ある程度の大きさの傾きを有する。そのため、OCVが決まればSOCも一義的に決まり易い関係にある。
一方、耐久試験後のOCVカーブ(実線)は、新品時のOCVカーブから変化しており、長い平坦領域(SOCに依らずOCVがほぼ一定となる領域)を有する。この平坦領域では、OCVが決まってもSOCを一義的に決めるのは困難である。
このように、SOCが低SOC領域に滞留している時間が所定時間を超えた場合、実際のOCVカーブは、耐久試験後のOCVカーブ(実線)のように平坦化される。そして、OCVカーブの平坦化は、放置時間だけでなく、温度にも依存している。それにも関わらず、新品時のOCVカーブ(一点鎖線)を用いてSOCを算出すると、SOCの算出精度が低下する。また、仮に平坦化されたOCVカーブ(一点鎖線)を用いたとしても、平坦領域においてはOCVの値が決まってもSOCを一義的に決めるのは困難であるため、SOCを精度よく推定できない。
さらに、もう1つの着眼点として、いずれの実験結果からも、耐久試験後は充電時の電池電圧VBが新品時に比べて全体的に高くなっていることが確認できる。ニッケル水素電池10においては、電池電圧VBが高くなるほど、副反応の影響でガス発生量が増加することが知られている。その結果、SOCが低SOC領域に滞留している時間が所定時間を超えると、電池電圧VBが高くなることに伴なって副反応によるガス発生量が増加し、それによる充電効率の悪化あるいは電池セルの内圧上昇が生じることが懸念される。
<OCVカーブの平坦化の解消>
発明者等は、OCVカーブの平坦化を解消させるための種々の検討を行なった。その結果、発明者等は、OCVカーブの平坦化は、ある程度高いSOCまで充電することによって解消することを突き止めた。
図6は、耐久試験2後に充放電を2回繰り返したときの電圧カーブを示す図である。図7は、耐久試験3後に充放電を2回繰り返したときの電圧カーブを示す図である。図6、7において、一点鎖線は1回目の充放電時の電圧カーブを表わし、二点鎖線は2回目の充放電時の電圧カーブを表わす。
図6、7の検討結果から、充放電を繰り返すことによって、電圧カーブが平坦化された状態から、傾きを有する新品時の状態に徐々に回復することが確認される。特に、1回目の充電後の傾きの回復が顕著であることが確認できる。この検討結果から、OCVカーブの平坦化は、ある程度高いSOCまで充電することによって解消すると考えられる。
以上の点に鑑み、本実施の形態によるECU100は、SOCが低SOC領域に所定時間以上継続して滞留している状態でニッケル水素電池10が使用(充放電または放置)された場合、まず、ニッケル水素電池10を強制的に充電する強制充電を行なうことで、SOCを所定値(低SOC領域の上限値)よりも大きい値に増加させる。これにより、OCVカーブの平坦化を早期に解消させる。
さらに、ECU100は、強制充電を行なってからしばらくの期間は、比較的高いSOC領域で充放電を繰り返す。これにより、OCVカーブの平坦化が解消された状態を定着させる。すなわち、強制充電後に即座にSOCを低SOC領域に戻すと、すぐにOCVカーブが平坦化された状態に戻ってしまうことが懸念されるため、しばらくの間は高SOC領域で充放電を繰り返すことで、すぐにOCVカーブが平坦化された状態に戻ってしまうことを抑制する。
図8は、ECU100が電池制御モードを決める際に行なう処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、本実施の形態において、電池制御モードには、通常SOCモードと高SOCモードとが含まれる。
通常SOCモードは、SOCが制御下限値SN1から制御上限値SN2までの領域(以下「通常SOC領域」ともいう)に収まるようにニッケル水素電池10の充放電を制御するモードである。たとえば、通常SOCモードの制御下限値SN1および制御上限値SN2をそれぞれ30%、70%とした場合、通常SOCモードのSOC制御中心値は50%となる。なお、上記の値はあくまで例示であってこれに限定されるものではない。
高SOCモードは、SOCが比較的高い領域(以下「高SOC領域」ともいう)に収まるようにニッケル水素電池10の充放電を制御するモードである。たとえば、高SOCモードの制御下限値SH1および制御上限値SH2をそれぞれ60%、80%とした場合、高SOCモードのSOC制御中心値は70%となる。なお、上記の値はあくまで例示であってこれに限定されるものではない。ただし、高SOCモードの制御下限値SH1は、少なくとも、通常SOCモードの制御下限値SN1よりも大きく、かつOCVカーブの平坦化が懸念される低SOC領域の上限値(所定値)よりも大きい値に設定する必要がある。
ステップ(以下、ステップを「S」と略す)10にて、ECU100は、電池制御モードが高SOCモードであるか否かを判定する。
電池制御モードが高SOCモードでない場合(S10にてNO)、すなわち電池制御モードが通常SOCモードである場合、ECU100は、S11にて、SOCが低SOC領域に継続して滞留している時間(以下「低SOC滞留時間」という)を算出する。低SOC滞留時間は、現在までのSOCの履歴から算出される。低SOC滞留時間は、SOCが所定値を超えた時点でリセットされる。なお、SOCは、上述したように、電池電圧VB(電圧センサ21による検出値)から算出されるOCV値を用いる電圧方式によって算出される。
S12にて、ECU100は、低SOC滞留時間が所定時間T1を超えたか否かを判定する。この判定は、OCVカーブの平坦化が生じているか否かを判定するための処理である。OCVカーブの平坦化は、上述したように、時間だけでなく、温度にも依存している。そのため、ECU100は、低SOC滞留時間における電池温度TBの履歴に応じて、所定時間T1を適切な値に設定する。たとえば、ECU100は、電池温度TBが高いほど、OCVカーブの平坦化がより早期に発生すると考えられるため、所定時間T1を短くする。これにより、OCVカーブの平坦化が生じているか否かを精度よく判定することが可能となる。
低SOC滞留時間が所定時間T1を超えた場合(S12にてYES)、OCVカーブの平坦化が生じていると考えられるため、ECU100は、S13にて、SOCが高SOCの制御中心値に増加するまで、上述のPチャージを行なってニッケル水素電池10を強制的に充電する強制充電(初回充電)を行なう。この強制充電(初回充電)によって、SOCが所定値よりも大きい値に増加するため、OCVカーブの平坦化を早期に解消させることができる。
その後、ECU100は、処理をS14に移して、電池制御モードを、現在の通常SOCモードから高SOCモードに変更する。これにより、強制充電後に即座にSOCが低SOC領域に戻ってしまうこと(すなわちOCVカーブが平坦化された状態に戻ってしまうこと)が抑制される。
一方、電池制御モードが高SOCモードである場合(S10にてYES)、ECU100は、S15にて、高SOCモードが継続されている時間(以下「高SOC継続時間」ともいう)が所定時間T2を超えたか否かを判定する。
高SOC継続時間が所定時間T2を超えていない場合(S15にてNO)、現時点で通常SOCモードに復帰させるとOCVカーブが平坦化された状態に戻ってしまうことが懸念されるため、ECU100は、処理をS14に移し、電池制御モードを高SOCモードに維持する。
高SOC継続時間が所定時間T2を超えた場合(S15にてYES)、現時点で通常SOCモードに復帰させてもOCVカーブが平坦化された状態には戻らないと考えられるため、ECU100は、処理をS16に移し、電池制御モードを高SOCモードから通常SOCモードに復帰させる。
以上のように、本実施の形態によるECU100は、通常SOCモード中に低SOC滞留時間が所定時間T1を超えた場合、まず強制充電を行ない、強制充電後に電池制御モードを高SOCモードに切り替える。これにより、SOCが所定値よりも大きい値に増加するまではニッケル水素電池が充電され、その後もSOCは高SOC領域内に維持される。その結果、ニッケル水素電池10においてOCVカーブの平坦化が生じた場合に、その平坦化を解消させることができる。
なお、上述の実施の形態は、たとえば以下のように変形することもできる。
[変形例1]
上述の実施の形態においては、SOCの算出方式として、OCVカーブを用いる電圧方式を採用する場合について説明した。
しかしながら、SOCの算出方式は、必ずしも電圧方式のみに限定されない。たとえば、上述の電圧方式によってSOCを算出することに加えて、他の公知のSOC算出方式である電流積算方式によってSOCを算出し、2つのSOCの重み付けをして最終的なSOCを算出するようにしてもよい。
電圧方式によるSOCと電流積算方式によるSOCとの重み付けをして最終的なSOCを算出する場合、低SOC滞留時間が所定時間T1を超えた場合の初回充電時(図8のS13における強制充電時)にSOCが高SOC領域に到達したか否かを判定する際、電流積算方式によるSOCの重み付けをより大きくするようにしてもよい。低SOC滞留時間が所定時間T1を超えている場合、電池電圧VBが新品時に比べて全体的に高くなっている(図2−4参照)ため、電圧方式によるSOCが高SOC領域に到達した時点で強制充電を終了すると、実際のSOCは高SOC領域に到達しておらずOCVカーブの平坦化が解消されないことが懸念される。この点に鑑み、初回充電時においては、電流積算によるSOCの重み付けをより大きくすることによって、実際のSOCをより確実に高SOC領域に到達させることができる。
[変形例2]
上述の実施の形態においては、高SOCモードが継続されている時間が「所定時間T2」を超えた場合に、電池制御モードを高SOCモードから通常SOCモードに復帰させた(図8のS15、S16参照)。
ところが、高SOCモード切替後のOCVカーブの回復速度(平坦化が解消され、かつ解消された状態に定着するまでの速度)は、電池温度TBおよびSOCの変動幅などに依存することが想定される。この点に鑑み、図8のS15の処理に用いられる「所定時間T2」を、電池温度TBおよびSOCの変動幅などに応じて変更するようにしてもよい。これにより、高SOCモードを不必要に継続することなく、適切なタイミングで通常SOCモードに復帰させることができる。
[変形例3]
上述の実施の形態においては、図8のS13において、SOCを高SOC領域まで増加させる方法として、Pチャージを行なう場合を説明したが、Pチャージに代えてあるいは加えて、ニッケル水素電池10の出力可能電力WOUT(単位はワット)を一時的に低下させることでニッケル水素電池10の放電によるSOCの低下を抑制し、これによりSOCの増加を促すようにしてもよい。また、ニッケル水素電池10の受入可能電力WIN(単位はワット)を一時的に増加させることでニッケル水素電池10の充電によるSOCの増加を促すようにしてもよい。
[変形例4]
上述の実施の形態においては、図8のS12において、時間(低SOC滞留時間)そのものを指標としてOCVカーブの平坦化が生じているか否かを判定した。
しかしながら、OCVカーブの平坦化が生じているか否かの判定に用いる指標は、時間そのものに限定されない。たとえば、規格化された評価値を新たに設け、この評価値を指標としてOCVカーブの平坦化が生じているか否かを判定するようにしてもよい。
新たな評価値としては、たとえば下記の式で定義される評価値Eを所定周期Δt毎に演算して蓄積し、蓄積された評価値Eが所定量を超えた場合に、OCVカーブの平坦化が生じていると判定するようにしてもよい。
E(t+Δt)=E(t)+K・Δt
上記式において、「t」は時刻(時間)を表わし、「E(t+Δt)」は評価値Eの今回値を表わし、「E(t)」は評価値Eの前回値を表わす。「K」は各温度における平坦化ポイントである。
また、「K」には、SOCの変動幅依存性を持たせてもよい。このような評価値Eを導入することで、温度が大きく変化する車両走行中において、より効果的に本制御を実施することができる。
また、上述したように、OCVカーブの平坦化の解消速度は、電池温度TBおよびSOC変動幅に依存する。この点に鑑み、図8のS15において、上述の評価値Eに類似する評価指標を新たに設け、この評価指標を用いて高SOCモードから通常SOCモードに復帰させるか否かを判定するようにしてもよい。このようにすることで、通常SOCモードに復帰させるか否かをより効率良く判定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両、2 電池システム、10 ニッケル水素電池、20 監視ユニット、21 電圧センサ、22 電流センサ、23 温度センサ、30 PCU、41,42 MG、50 エンジン、60 動力分割機構、70 駆動軸、80 駆動輪、100 ECU。

Claims (1)

  1. ニッケル水素電池と、
    前記ニッケル水素電池の充放電を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、
    前記ニッケル水素電池の蓄電量が所定値よりも低い第1領域に滞留している時間が所定時間を超えたか否かを判定し、
    前記滞留している時間が前記所定時間を超えた場合、前記ニッケル水素電池の蓄電量が前記所定値よりも大きい値になるよう強制充電を実施し、その後、下限値が前記所定値よりも大きい第2領域内に前記ニッケル水素電池の蓄電量が収まるように前記ニッケル水素電池の充放電を制御する、電池システム。
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