JP6708485B2 - 変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速装置に関する。
乗用車等の車両には、駆動トルクを出力するエンジンに連結されて、トルクを所定の変速比で変換しつつ駆動軸に伝達する変速装置が備えられている。かかる変速装置として、入力されるトルクを所定の変速比で変換する変速機構と、エンジンと変速機構との間に設けられて、変速機構を過度な衝撃トルクから保護するためのトルクリミッタ付きのダンパ装置とを備えた変速装置が知られている。トルクリミッタ付きのダンパ装置は、入力軸及び出力軸間にトルク変動が生じると、当該トルク変動をスプリングの圧縮変形などにより吸収する。また、トルクリミッタ付きのダンパ装置は、入力軸及び出力軸間に過大なトルクが生じると、トルクリミッタの滑り作用により、過大トルクを遮断する。
トルクリミッタ付きのダンパ装置は、エンジン又は変速機構の熱の影響を受けて高温になりやすく、締結力の低下や摩擦力の低下によってトルク限界が低下するおそれがある。トルク限界が低下してエンジンから入力されるトルク以下になると、エンジンの吹け上がりや走行不良が発生するおそれがある。このため、内部の温度の過上昇を避けるために変速装置のケースに開口を設け、変速装置の内部に、外部から空気を導入し、内部の高温の空気を外部に排出する構造を備えた変速装置がある。
一方、変速装置のケースに開口を設けた場合には、当該開口から雨水や融雪剤等が侵入し、トルクリミッタに錆び付き(貼り付き)が生じるおそれがある。トルクリミッタに錆び付きが生じると、限界トルクが増大し、駆動系共振や衝撃トルクを逃がすことができなくなったりし、駆動系部品の信頼性が低下する。このように、変速装置のケースに開口部を設けた場合には、雨水等の侵入のおそれがある一方、開口部を設けない場合には、温度上昇のおそれがあるという、相反する問題がある。
これに対して、特許文献1又は2には、トランスアクスルや変速装置のケースに所定の開口を設けた冷却構造としつつ、当該開口に設けられるカバーの形状を工夫して、開口からの水や異物の侵入を防止するようにした変速装置が開示されている。
特開2007−278447号公報 特開2013−113388号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されたトランスアクスルや変速装置においては、開口が常時開口し、走行風等によって内部が冷却されるようになっている。このため、ケース内への水分の侵入の可能性、あるいは、ケース内の温度等に応じて、開口状態を調節することができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、車両の状態に応じて、変速装置の冷却作用の調節が可能であり、かつ、水等の侵入を防止可能な、新規かつ改良された変速装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、車両のエンジンに連結される動力伝達機構のうちエンジンと変速機構との間に配置されたトルクリミッタ付きのダンパ装置が収容されるダンパ室を構成するケースと、ケースに設けられた開口部と、開口部の開口率を調節する開口率調節機構と、を備え、開口率調節機構は、開口部に対する位置を可変としたカバー部材と、カバー部材の位置を移動させるアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御装置と、を含み、制御装置は、車両の走行中に、ケースの内部の温度に関連する情報及び路面の水分中の塩分濃度の情報に基づいて開口部の開口率を調節する変速装置が提供される。
制御装置は、ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて車両が高負荷条件で走行中であると判定した場合に、塩分濃度が所定の閾値以上である場合には、塩分濃度が所定の閾値未満である場合よりも開口率を小さい値としてもよい。
また、制御装置は、さらに雨水の検出情報に基づいて開口率を調節してもよい。
制御装置は、ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて車両が高負荷条件下で走行中であると判定した場合に、雨水が検出されない場合には、塩分濃度の値にかかわらず開口率を第1の値とし、雨水が検出され、塩分濃度が所定の閾値未満である場合には、開口率を第1の値より小さく0%より大きい第2の値とし、雨水が検出され、塩分濃度が閾値以上である場合には、開口率を第2の値より小さく0%より大きい第3の値としてもよい。
制御装置は、ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて車両が高負荷条件で走行中であると判定し、かつ、ケースの外気温が所定の閾値以上であると判定した場合に、第2の値及び第3の値のうちの少なくとも一方を、外気温が閾値未満である場合より大きく第1の値より小さい値としてもよい。
制御装置は、ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて車両が高負荷条件下で走行中でないと判定した場合に、ケースの外気温が所定の閾値未満であると判定した場合には開口率を0%とし、ケースの外気温が閾値以上であると判定した場合であって、かつ、雨水が検出されている場合には開口率を0%とし、雨水が検出されていない場合には前期開口率を0%より大きい第4の値としてもよい。
ケースの内部の温度に関連する情報は、変速機構の油温を測定する油温センサのセンサ値を含み、制御装置は、油温が所定の閾値以上である場合に、車両が高負荷条件下で走行中であると判定してもよい。
また、ケースの内部の温度に関連する情報は、変速機構の油温を測定する油温センサのセンサ値及び外気温センサのセンサ値を含み、制御装置は、油温が所定の閾値以上である場合に、車両が高負荷条件下で走行中であると判定してもよい。
制御装置は、車両の停止中には、開口部の開口率を30〜50%の範囲内としてもよい。
以上説明したように本発明によれば、車両の状態に応じて、変速装置の冷却作用の調節が可能であり、かつ、水等の侵入を防止することができる。
本発明の実施の形態にかかるエンジン及び変速装置を示す模式図である。 ダンパ室を構成する第1のケースを示す模式図である。 アクチュエータにより操作される開口率調節機構の一例を示す説明図である。 アクチュエータにより操作される開口率調節機構の一例を示す正面図である。 アクチュエータにより開口率調節機構が操作されて開口部が閉じられた様子を示す説明図である。 開口率調節機構の制御装置の構成例を示すブロック図である。 開口率調節機構の開口率の制御方法の一例を示す説明図である。 感温体を利用した開口率調節機構を示す説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.変速装置の概要>
まず、本発明を適用可能な変速装置の一例について簡単に説明する。図1は、エンジン5に連設された変速装置10を示す模式図である。本実施形態にかかる変速装置10は、ハイブリッド車両に搭載される変速装置10であり、例えば、エンジン5からの出力トルクを車両の走行に適したトルクに変換しつつ駆動輪に伝達する。変速装置10は、第1のケース11と第2のケース7とを備える。第1のケース11はダンパ室25を構成し、第1のケース11の内部に動力伝達機構の一態様としてのダンパ装置20が収容される。第2のケース7の内部には、動力伝達機構の一態様としての図示しない変速機構が収容される。変速機構には、図示しないデファレンシャル装置等を介して駆動輪が接続されている。変速機構は、有段の変速機構であってもよいし、無段の変速機構であってもよい。
かかる変速装置10は、エンジン5の出力軸8に締結される入力軸9を備える。入力軸9の後段には、図示しないトルクコンバータあるいは伝達クラッチが設けられ、さらに図示しないギヤ機構を介して変速機構が連結されている。エンジン5の出力軸8と変速装置10の入力軸9との間にはダンパ装置20が備えられ、動力伝達が可能になっている。ダンパ装置20は、例えばエンジン5の出力軸8に生じるトルク変動や当該トルク変動に起因する捩じり振動を吸収又は減衰しつつトルクを入力軸9に伝達し、変速機構等を過度な衝撃トルクから保護する。ダンパ装置20と変速機構との間に、トルクコンバータが備えられてもよい。
ダンパ装置20は、例えば、ドライブプレートと、ドリブンプレートと、ダンパスプリングと、ダンパスプリングを保持する回転体とを有する。ドライブプレートにはエンジン5の出力軸8が連結され、エンジン5で生成された回転トルクが入力される。ドライブプレートの回転トルクは、回転体を介してドリブンプレートに伝達される。このとき、ドライブプレートにトルク変動が生じると、回転体とドリブンプレートとが相対回転し、ダンパスプリングが圧縮変形することなどにより、トルク変動が吸収される。
また、本実施形態にかかる変速装置10では、ダンパ装置20として、トルクリミッタ付きのダンパ装置20が用いられている。トルクリミッタは、例えば、加圧プレートと、受圧プレートと、摩擦プレートとを備え、ドライブプレートから回転体に至る動力伝達経路上に設けられる。トルクリミッタでは、エンジン5の出力軸8と変速装置10の入力軸9との間に過大なトルク差が生じると、摩擦プレートと、加圧プレート及び摩擦プレートとの間で滑りが発生し、過大トルクが遮断される。
なお、上記のトルクリミッタ付きのダンパ装置20の構成は一例であり、従来公知のトルクリミッタ付きのダンパ装置が適宜用いられ得る。したがって、ダンパ装置20の詳細な説明は省略する。
<2.冷却構造>
次に、図2〜図4を参照して、変速装置10の冷却構造について説明する。以下に説明する本実施形態にかかる変速装置10では、ダンパ室25内を冷却する冷却構造を例にとって説明する。図2は、変速装置10のうち、ダンパ室25に相当する部分を示す模式図である。図3は、開口率調節機構30を示す模式図である。図4は、図3に示す開口率調節機構30を、ガイドレール41,42の配設方向に沿って見た説明図である。
上述のように、第1のケース11はダンパ室25を構成し、第1のケース11の内部にはダンパ装置20が収容されている。ダンパ装置20のトルクリミッタは、温度の上昇に伴って、加圧プレート、受圧プレート又は摩擦プレートの線膨張率が増加して、摩擦プレートと、加圧プレート及び受圧プレートとの間の摩擦力が低下する場合がある。この摩擦力の低下は、限界トルクの値の低下につながる。トルクリミッタの限界トルクが低下して、エンジン5からの出力トルク以下になると、エンジン5の吹け上がりを生じ、車両の走行不良が発生するおそれがある。
一方、トルクリミッタに雨水等の水分が付着したり、融雪剤等の塩水が付着したりすると、加圧プレート、受圧プレート又は摩擦プレートが錆び付き、加圧プレート又は受圧プレートと摩擦プレートとが貼り付く場合がある。この貼り付きは、限界トルクの値の上昇につながる。トルクリミッタの限界トルクが上昇すると、駆動系の共振や衝撃トルクを逃がすことができなくなって、駆動系部品の強度信頼性が悪化するおそれがある。
このため、本実施形態にかかる変速装置10では、ダンパ室25内の熱を逃がしてトルクリミッタの温度を低下させるための開口部13が第1のケース11に設けられる。また、雨水や融雪剤等の水の侵入の可能性や、トルクリミッタの冷却の必要性を考慮して、開口部13の開口率が調節可能になっている。
第1のケース11に設けられる開口部13は、例えば、上向きの面に設けられてもよい。例えば、図2に示すように、第1のケース11の上方側の面は上向きとなっているため、当該上方側の面に開口部13が設けられてもよい。第1のケース11の下向きの面に開口部13が設けられると、走行路面上の雨水や融雪剤等が跳ね上げられて第1のケース11内に侵入しやすくなるからである。また、開口部13が上方側に設けられることで、ダンパ室25内で上方に溜まる熱を逃がしやすくなる。ただし、開口部13を介して、上方からダンパ室25内に水分が侵入する可能性がある場合には、車両に応じて、水分が侵入しにくい位置に開口部13を設けてもよい。
開口部13の面積は、特に限定されるものではないが、例えば、50mm四方の矩形の開口部13であってもよい。図2に示した開口部13は、第1のケース11の周方向に沿って長手方向を有する長方形に形成されている。また、開口部13は、ダンパ装置20の位置に対して、入力軸9の軸方向に沿ってずらされた位置に設けられてもよい。ダンパ装置20の位置に重なるように開口部13が設けられた場合には、開口部13から異物や水等が侵入した場合に、ダンパ装置20に直接付着するおそれがあるからである。
ただし、第1のケース11には、下向きの面に、水抜き用の孔が設けられてもよい。水抜き用の孔は、やむを得ず第1のケース11内に侵入した水分を排出可能な小径の孔であってよく、孔の外側にカバーが設けられることなどにより、雨水等が侵入しにくくされていてもよい。
かかる開口部13の外側には、開口部13の開口率を調節するための開口率調節機構30が設けられる。本実施形態にかかる変速装置10における開口率調節機構30は、カバー37と、カバー37の移動をガイドするガイドレール41,42と、ガイドレール41,42に沿ってカバー37を移動させるアクチュエータ31とを備える。
カバー37は、例えば、カバー37の移動方向に対して交差する方向の両端にフレーム38,39を備える。当該フレーム38,39は脚部47,48を有し、当該脚部47,48が、ガイドレール41,42のガイド溝43,44内に嵌められる。一方のフレーム39は、表面に複数の歯が形成されてラックとしての機能を有し、アクチュエータ31としてのモータの回転軸33に設けられたピニオンギヤ35と噛み合っている。モータは、減速機を備えていてもよい。アクチュエータ31は、制御装置100により駆動され、ピニオンギヤ35の回転によって、カバー37が、ガイドレール41,42に沿って移動される。かかるカバー37の位置によって、開口部13の開口率が変化する。例えば、図3は、開口部13の開口率が約85%である状態を示し、図5は、開口部13の開口率が0%である状態を示す。
制御装置100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、記憶素子とを備える。CPUは、記憶素子に記憶されたプログラムを実行する。制御装置100は、例えば、第1のケース11により形成されるダンパ室25の内部の温度に関連する情報、又は、ダンパ室25の内部への浸水の可能性を推定可能な情報のすくなくとも1つに基づいて、開口部13の開口率を調節する。
本実施形態にかかる変速装置10では、ダンパ室25の内部の温度に関連する情報として、外気温の情報及びオートマチックトランスミッションフルード(ATF)の温度の情報が用いられる。また、本実施形態にかかる変速装置10では、ダンパ室25の内部への浸水の可能性を推定可能な情報として、降雨を検知する雨滴センサのセンサ値、及び、融雪剤等の散布状態を検知する塩分濃度センサのセンサ値が用いられる。
図6は、本実施形態にかかる変速装置10のアクチュエータ31を制御する制御装置100の構成例を示すブロック図である。制御装置100は、CPU等からなる制御部101と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶部103とを備える。制御部101は、外気温センサ、油温センサ、雨滴センサ及び塩分濃度センサのセンサ値を取得可能に構成される。また、制御部101は、アクチュエータ31に対して操作指令信号を出力可能に構成されている。
外気温センサは、外気温を検出する。外気温センサは、一般に車両に備えられている外気温センサであってよい。外気温センサの代わりに、あるいは、外気温センサとは別に、路面温度を検出する路温センサのセンサ値が用いられてもよい。油温センサは、ATFの温度を検出する。油温センサは、一般に車両に備えられている外気温センサであってよい。雨滴センサは、例えば、車両のフロントウィンドシールドの下部に設けられ、降雨を検知する。塩分濃度センサは、例えば、車台の下部のうち、後輪のタイヤハウスの後方側に設けられ、後輪によって跳ね上げられた水分中の塩分濃度を検出する。融雪剤等がまかれて水分中の塩分濃度が高くなっている場合には、水分がトルクリミッタに付着することによる錆び付きがより生じやすくなるため、制御装置100は、降雨の情報と併せて塩分濃度を取得するようにされている。
図7は、開口部13の開口率を決定する際に用いる参照テーブルの一例を示す。かかる参照テーブルの例はあくまでも一例であって、開口率の決定方法は、かかる例に限定されない。
例えば、車両の走行状態がトーイング走行や連続高速走行等の高負荷条件下である場合、限界トルクの値の低下によるトルクリミッタの滑りを防止するために、制御部101は、開口部13の開口率を大きくし、冷却を優先させる。ただし、ダンパ室25への雨水あるいは塩水の侵入の可能性に応じて、制御部101は、開口部13の開口率を絞る。具体的には、高負荷条件下での車両の走行時において、雨水や塩分が検知されていない場合には、外気温の高低にかかわらず、開口部13の開口率を100%にし、ダンパ室25の内部を冷却させる。
また、高負荷条件下での車両の走行時において、雨水が検知され、かつ、塩分濃度が高い場合には、トルクリミッタへの水分の付着によるトルクリミッタの貼り付きが生じやすいことから、開口部13の開口率を絞る。この場合、外気温が高い場合には、外気温が低い場合に比べて冷却の必要性が高いことから、制御部101は、開口部13の開口率を、外気温が低い場合(開口率=30%)よりも高い40%に設定する。
また、高負荷条件下での車両の走行時において、雨水が検知されているものの、塩分が検知されていない場合には、制御部101は、塩分が検知されている場合に比べて開口部13の開口率を高く設定する。この場合においても、外気温が高い場合には、外気温が低い場合に比べて冷却の必要性が高いことから、制御部101は、開口部13の開口率を、外気温が低い場合(開口率=50%)よりも高い60%に設定する。
一方、車両の走行状態が通常走行であって、高負荷条件下でない場合、限界トルクの値の低下によるトルクリミッタの滑りが生じにくいことから、制御部101は、開口部13の開口率を絞って、水分の侵入を阻止することを優先させる。つまり、制御部101は、高負荷条件下でない場合に、雨水が検知されている場合には、塩分の検知の有無、あるいは、外気温の高低にかかわらず、開口部13の開口率をゼロ%(全閉)とし、ダンパ室25内への水分の侵入を防ぐ。
また、制御部101は、高負荷条件下でない車両の走行時において、雨水及び塩分が検知されていない場合であって、外気温が低い場合には、開口部13の開口率をゼロ%とし、ダンパ室25の過度の冷却を防ぐ。一方、制御部101は、高負荷条件下でない車両の走行時において、雨水及び塩分が検知されていない場合であって、外気温が高い場合には、開口部13の開口率を30%に設定し、ダンパ室25内の温度が上昇しないようにする。
制御部101は、図7に例示したような参照テーブルを参照して、開口部13の開口率を設定した後、当該開口率に応じてアクチュエータ31の回転量を決定し、アクチュエータ31に対して駆動指令信号を出力する。これにより、アクチュエータ31は、カバー37を移動させ、開口部13の開口率が、設定された値に調節される。
なお、図7に例示した参照テーブルにおいて、外気温の高低の閾値が30度に設定されているが、当該閾値は任意の値に設定し得る。また、当該参照テーブルにおいて、高負荷条件下否かを判別する油温の閾値が100度に設定されているが、当該閾値は任意の値に設定し得る。また、当該参照テーブルにおいて、開口率の設定値についても任意の値に設定し得る。
さらに、当該参照テーブルにおいて、ダンパ室25内の温度に関連する情報として、外気温センサのセンサ値及び塩分濃度センサのセンサ値が用いられているが、かかる例に限定されない。また、当該参照テーブルにおいて、ダンパ室25への浸水の可能性を推定可能な情報として、雨水センサのセンサ値及び塩分濃度センサのセンサ値が用いられているが、かかる例に限定されない。
また、制御部101は、エンジン5又は変速装置10等に設けられた温度センサのセンサ値を取得しつつ、変速装置10の暖機が必要か否かを考慮して、開口部13の開口率を設定してもよい。さらに、制御部101は、開口部13の近傍に設置された異物センサのセンサ値に基づいて、ダンパ室25内に異物の侵入の可能性があるか否かを考慮して、開口部13の開口率を設定してもよい。異物センサとしては、例えば、光学式の異物センサを用いることができるが、これに限定されない。
また、制御装置100により開口部13の開口率を調節する構成の場合、車両の停止時(例えば、イグニッションスイッチがオフの場合)には、例えば、開口部13の開口率が30〜50%程度に保持されてもよい。車両の停止時には、跳ね上げられる水分がダンパ室25の内部に侵入するおそれがないため、ダンパ室25内に熱が溜まることが優先される。
<3.開口率調節機構の変形例>
次に、開口部13の開口率を調節する開口率調節機構の変形例を説明する。上述した開口率調節機構30は、制御装置100の制御部101により開口部13の開口率を調節する構成となっていたが、制御装置100による制御が不要な構成とすることもできる。
図8は、開口部13を覆うカバー57が、温度によって変形する感温体53によって移動され、開口部13の開口率が調節される開口率調節機構50の例を示している。開口部13を覆うカバー57は、一端側を回転軸55として第1のケース11に取付けられる。また、カバー57の他端側には感温体53が接続され、かかる感温体53は第1のケース11に取り付けられる。
かかる感温体53は、例えば、高温状態では、低温状態に比べて伸長する。このため、図8に点線で示すように、低温時においては、感温体53は縮んだ状態となってカバー57が第1のケース11に当接して、開口部13が塞がれる。つまり、開口部13の開口率はゼロとなる。一方、図8に実線で示すように、高温時においては、感温体53は第1のケース11から外側に向けて伸長し、カバー57の他端側が第1のケース11から持ち上げられる。これにより、開口部13が開放されて、開口部13の開口率が大きくなる。したがって、ダンパ室25の内部に空気を循環させて、ダンパ室25の内部を冷却することができる。
感温体53は、温度によって変形する部材であり、例えば、バイメタルや形状記憶材料等が例示される。感温体53は、温度による感温体53の所望の変形量、つまり、開口部13の所望の開口率に応じて、適宜構成されてよい。
<4.まとめ>
以上、本実施形態にかかる変速装置10によれば、ダンパ室25を構成する第1のケース11に開口部13が設けられ、外部から内部に空気が導入され、内部の高温の空気が外部に排出されて、ダンパ室25が冷却される。このとき、開口部13の開口率を調節する開口率調節機構30,50が設けられているために、ダンパ室25内への水分の侵入の可能性、あるいは、ダンパ室25内の温度に応じて、開口部13の開口率を調節することができる。したがって、車両がおかれている環境に応じて、ダンパ室25内の冷却を優先させたり、ダンパ室25内への水分の侵入の防止を優先させたりすることができる。これにより、トルクリミッタの温度上昇による滑りや、トルクリミッタの被水による貼り付きを防ぐことができる。
また、開口率調節機構30が、制御装置100によって開口率を調節可能に構成される場合には、あらかじめ設定される条件に応じて、所望の開口率に調節することができる。したがって、ダンパ室25内への水分の侵入の防止、及び、ダンパ室25内の冷却あるいは暖機等、目的に応じて、開口部13の開口率を調節することができる。
また、開口率調節機構50が、温度により変形する感温体53を備えて構成される場合には、少なくともダンパ室25内の温度に応じて開口部13の開口率が調節され、ダンパ室25の内部の温度を調節することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記の実施形態では、動力伝達部材の一態様としてのトルクリミッタ付きのダンパ装置20が収容される第1のケース11に開口部13を設け、トルクリミッタの滑りあるいは貼り付きを防止する構成とされていたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、動力伝達部材の一態様としての変速機構が収容される第2のケース7に開口部を設け、変速機構の温度上昇、あるいは、第2のケース7内への水分や異物の侵入を防いでもよい。
5 エンジン
7 第2のケース
10 変速装置
11 第1のケース
13 開口部
20 ダンパ装置
25 ダンパ室
30,50 開口率調節機構
31 アクチュエータ
35 ピニオンギヤ
37,57 カバー
41,42 ガイドレール
53 感温体

Claims (9)

  1. 車両のエンジンに連結される動力伝達機構のうち前記エンジンと変速機構との間に配置されたトルクリミッタ付きのダンパ装置が収容されるダンパ室を構成するケースと、
    前記ケースに設けられた開口部と、
    前記開口部の開口率を調節する開口率調節機構と、
    を備え
    前記開口率調節機構は、前記開口部に対する位置を可変としたカバー部材と、前記カバー部材の位置を移動させるアクチュエータと、前記アクチュエータを制御する制御装置と、を含み、
    前記制御装置は、前記車両の走行中に、前記ケースの内部の温度に関連する情報及び路面の水分中の塩分濃度の情報に基づいて前記開口部の開口率を調節する、変速装置。
  2. 前記制御装置は、
    前記ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて前記車両が高負荷条件で走行中であると判定した場合に、
    前記塩分濃度が所定の閾値以上である場合には、前記塩分濃度が所定の閾値未満である場合よりも前記開口率を小さい値とする、請求項1に記載の変速装置。
  3. 前記制御装置は、さらに雨水の検出情報に基づいて前記開口率を調節する、請求項1に記載の変速装置。
  4. 前記制御装置は、
    前記ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて前記車両が高負荷条件下で走行中であると判定した場合に、
    前記雨水が検出されない場合には、前記塩分濃度の値にかかわらず前記開口率を第1の値とし、
    前記雨水が検出され、前記塩分濃度が所定の閾値未満である場合には、前記開口率を前記第1の値より小さく0%より大きい第2の値とし、
    前記雨水が検出され、前記塩分濃度が前記閾値以上である場合には、前記開口率を前記第2の値より小さく0%より大きい第3の値とする、請求項3に記載の変速装置。
  5. 前記制御装置は、
    前記ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて前記車両が高負荷条件で走行中であると判定し、かつ、前記ケースの外気温が所定の閾値以上であると判定した場合に、
    前記第2の値及び前記第3の値のうちの少なくとも一方を、前記外気温が前記閾値未満である場合より大きく前記第1の値より小さい値とする、請求項4に記載の変速装置。
  6. 前記制御装置は、
    前記ケースの内部の温度に関連する情報に基づいて前記車両が高負荷条件下で走行中でないと判定した場合に、
    前記ケースの外気温が所定の閾値未満であると判定した場合には前記開口率を0%とし、
    前記ケースの外気温が前記閾値以上であると判定した場合であって、かつ、前記雨水が検出されている場合には前記開口率を0%とし、前記雨水が検出されていない場合には前期開口率を0%より大きい第4の値とする、請求項4又は5に記載の変速装置。
  7. 前記ケースの内部の温度に関連する情報は、前記変速機構の油温を測定する油温センサのセンサ値を含み、
    前記制御装置は、前記油温が所定の閾値以上である場合に、前記車両が高負荷条件下で走行中であると判定する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の変速装置。
  8. 前記ケースの内部の温度に関連する情報は、前記変速機構の油温を測定する油温センサのセンサ値及び外気温センサのセンサ値を含み、
    前記制御装置は、前記油温が所定の閾値以上である場合に、前記車両が高負荷条件下で走行中であると判定する、請求項5又は6に記載の変速装置。
  9. 前記制御装置は、前記車両の停止中には、前記開口部の開口率を30〜50%の範囲内とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の変速装置。
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