JP6706108B2 - 発泡粒子成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、電波吸収体として好適に利用可能な発泡粒子成形体に関する。
電子機器から放射される電波について実施される妨害電波に関する規格適合性の評価試験や、アンテナなどの通信機器についての電波の受信特性を評価するための試験などといった電波に関する様々な試験を実施するために、電波暗室と呼ばれる電波隔離空間を備える施設が使用される。
妨害電波に関する規格では、所定の電波の周波数帯での妨害電波の許容値が規定されることが多く、従来、こうした規格に使用される電波の周波数帯は、テレビ、ラジオ、携帯電話等で使用される周波数帯である30MHz〜1GHzの周波数帯を主とするものであった。ところが、近年の無線LAN、ETC、スマートフォン等の発達に伴い、規格に使用される電波の周波数帯は、30MHz〜18GHzの範囲に広がっている。
また電波の受信特性評価に関しては、光通信設備や自動車衝突防止用レーダーなどの10GHz以上のマイクロ波帯やミリ波帯の電波を利用した設備や通信機器が発展してきていることから、こうした設備や通信機器の電波の受信特性を評価することができるような電波暗室が求められてきている。
したがって電波暗室には、1GHz未満、すなわちMHz程度の低周波数帯の電波から、1GHz以上のマイクロ波帯、ミリ波帯などの高周波数帯の電波まで、広範囲に電波を測定することができることが要請されている。
ところで、電波暗室には、電波に関する様々な試験を適切に実施するべく、空間内への外部電波の侵入を遮断して空間内を外部電波から隔離された状態とするだけでなく、空間内での測定対象電波とその反射波の干渉による悪影響を抑止するように構成されることが要請される。こうした要請を考慮して、電波暗室内には、通常、天面や周囲の壁面、必要に応じて床面などに、電波吸収体と呼ばれる構造体が配備されており、電波吸収体が空間内で測定対象電波が壁面で反射して反射波が生じてしまう虞を抑制している。
電波吸収体としては、例えば、導電性カーボン等の導電性材料を充填させた発泡粒子である導電性発泡粒子や、樹脂発泡粒子の表面をグラファイト系導電塗料からなる塗膜で被覆してなる導電性発泡粒子を所定形状に成形してなる発泡粒子成形体が使用されている。このような成形体から構成される電波吸収体は、比較的高周波数である1GHz以上のいわゆるGHz帯の高周波数帯の電波をより効果的に吸収する電波吸収性能に優れている。
このような電波吸収体には、高周波数帯として区分されうる1GHz以上の周波数帯の電波吸収性能は優れているものの、低周波数帯として区分されうる1GHz未満の周波数帯いわゆるMHz帯の電波吸収性能に劣り、既述したような広範囲の周波数帯の電波測定には対応することが難しいという課題がある。この課題に対しては、電波吸収体を形成する発泡粒子成形体の長さ寸法を大きくすることでMHz帯の電波吸収特性を得ることが試みられている。しかしながら、発泡粒子成形体の寸法自体を大きくしてしまうと電波暗室内の電波吸収体の空間占有率が大きくなり、限られた空間を有効に活用できなくなるといった問題が生じてしまう。
この問題に対し、電波吸収体として、グラファイト系導電塗料で表面を被覆処理された導電性発泡粒子とそのような被覆処理を施されていない非導電性発泡粒子との混合物を型内形成して得られた発泡粒子成形体(例えば、特許文献1、2を参照)を用いることが提案されている。このような電波吸収体は、数百MHz前後の周波数帯の電波吸収性能を有するものでもある。更に、電波吸収体をフェライトタイル等の他の低周波数帯の電波吸収性能を有する部材と組み合わせてユニットを調製し、そのユニットを電波暗室内に取り付けられることで、電波吸収体の寸法を大きくせずとも、MHz帯の電波吸収性能を向上させた電波暗室を実現することができる。
特開平10−41674号公報 特開平11−209505号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の電波吸収体単独では、数百MHz帯の電波吸収性能を多少改善させることができるにとどまる。特許文献1、2に記載の電波吸収体は、MHz帯からGHz帯において電波吸収性の弱い周波数帯が生じてしまう虞もあり、改善の余地を有するものであった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、優れた電波吸収性能を発揮可能な電波吸収体に好適に利用できる発泡粒子成形体を提供するという課題を解決することを目的する。
本発明は、
(1)熱可塑性樹脂発泡粒子成形体であって、
前記発泡粒子成形体を構成している熱可塑性樹脂発泡粒子として、導電性材料が3〜30質量%分散している発泡粒子A、及び、導電性材料含有量が3質量%未満(0を含む)の発泡粒子Bを含み、
前記発泡粒子成形体の断面における前記発泡粒子Aの合計面積(S1)と前記発泡粒子Bの合計面積(S2)との面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲であり、
前記面積比の変動係数が20%以下であることを特徴とする発泡粒子成形体、
(2)前記発泡粒子Aと前記発泡粒子Bの各々における平均粒子径が2〜8mmであることを特徴とする上記(1)に記載の発泡粒子成形体。
(3)前記発泡粒子成形体の密度が15〜90g/Lであることを特徴とする上記(1)又は上記(2)に記載の発泡粒子成形体。
(4)前記導電性材料が導電性カーボンブラックであることを特徴とする上記(1)から上記(3)のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体。
(5)前記熱可塑性樹脂発泡粒子を形成する樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体。
(6)前記熱可塑性樹脂発泡粒子を形成する樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする上記(1)から上記(4)のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体、
を要旨とする。
本発明の発泡粒子成形体は、発泡粒子成形体を複数調製した場合における発泡粒子成形体間での導電性能のバラツキが小さいものであり、発泡粒子A、Bの混合比率を変更することにより発泡粒子成形体の導電性能の変更が容易である。
特に、本発明の発泡粒子成形体を電波吸収体として利用した場合には、発泡粒子成形体が導電性材料を特定量含んだ複数種類の発泡粒子A、Bを含む混合成形体であることにより、発泡粒子A、Bの混合比率を変更することにより電波吸収体の誘電率の変更が容易であり、優れた電波吸収性能を有する電波吸収体となる。また、発泡粒子成形体を複数製造した場合における発泡粒子成形体間での電波吸収性能のバラツキも小さいものである。更に、本発明の発泡粒子成形体からなる電波吸収体と低周波吸収体とを組み合わせたものは、例えばMHz帯からGHz帯の幅広い周波数領域にわたって特に優れた電波吸収性能を発揮可能なものとなる。
図1Aは、本発明における発泡粒子成形体がピラミッド形状(四角錐体形状)に形成されている場合にあって、発泡粒子成形体を電波吸収体として利用する場合の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。図1Bは、本発明における発泡粒子成形体が、ピラミッド形状の成形部の傾斜面部分を発泡粒子成形体の底面から所定の高さの位置まで切り欠いた形状に形成した場合にあって、その発泡粒子成形体を複数組み合わせた構造体を電波吸収体として利用する場合の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。 図2Aは、本発明における発泡粒子成形体がウェッジ形状(楔形状)に形成されている場合であって、発泡粒子成形体を電波吸収体として利用する場合の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。図2Bは、本発明における発泡粒子成形体が、ウェッジ形状の成形部の傾斜面部分を発泡粒子成形体の底面から所定の高さの位置まで切り欠いた形状に形成した場合にあって、その発泡粒子成形体を複数組み合わせた構造体を電波吸収体として利用する場合の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。 図3Aは、本発明における発泡粒子成形体がピラミッド形状に形成されている場合にあって、発泡粒子成形体を用いた複合型電波吸収体の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。図3Bは、本発明における発泡粒子成形体がピラミッド形状に形成されている場合にあって、発泡粒子成形体を用いた複合型電波吸収体の他の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。 図4Aは、本発明における発泡粒子成形体がウェッジ形状に形成されている場合にあって、発泡粒子成形体を用いた複合型電波吸収体の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。図4Bは、本発明における発泡粒子成形体がウェッジ形状に形成されている場合にあって、発泡粒子成形体を用いた複合型電波吸収体の他の実施例の1つを模式的に説明するための概略斜視模式図である。 図5Aは、本発明における電波吸収に関する電気的等価回路を簡略化して説明するための回路図である。図5Bは、本発明における発泡粒子A及び発泡粒子Bから成る発泡粒子成形体内において、発生する誘電損失及び導電損失を簡略化して説明するための模式図である。 図6は、発泡粒子A,Bを含む混合成形体である混合発泡粒子成形体(型内成形体)と発泡粒子Aのみからなる成形体(型内成形体)のそれぞれにおける導電性カーボン添加量(質量%)と静電容量(pF)との関係を示すグラフである。 図7は、実施例及び比較例において、電波吸収性能を測定するために調製された電波吸収体の形状を表す概略斜視模式図である。 図8Aは、発泡粒子成形体の断面画像である。図8Bは、図8Aの断面画像にモノトーン化処理を施して得られた処理画像である。 図9Aは、実施例1で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。図9Bは、比較例2で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。図9Cは、比較例5で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。 図10は、発泡粒子Aを構成している樹脂内に導電性材料が分散した状態を示すTEM写真である。
(発泡粒子成形体)
本発明の熱可塑性樹脂発泡粒子成形体は、熱可塑性樹脂を基材樹脂とするとともに導電性材料が3〜30質量%分散している第1の発泡粒子(熱可塑性樹脂発泡粒子A)と熱可塑性樹脂を基材樹脂とするとともに導電性材料含有量が3質量%未満(0を含む)の第2の発泡粒子(熱可塑性樹脂発泡粒子B)とを含む発泡粒子混合物を型内成形してなる発泡粒子型内成形体である。熱可塑性樹脂発泡粒子A,Bを以下それぞれ単に発泡粒子A,Bとよぶ。この型内成形体である発泡粒子成形体においては、発泡粒子成形体断面における発泡粒子Aの合計面積(S1)と発泡粒子Bの合計面積(S2)との面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲であり、且つ、前記面積比の変動係数が20%以下である。なお、本明細書において、本発明の発泡粒子成形体を、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体又は単に成形体と呼ぶことがある。また、発泡粒子Aと発泡粒子Bをまとめて発泡粒子と呼ぶことがある。
(分散)
本明細書において、導電性材料が分散している発泡粒子Aにおける分散とは、後述する数式(2)、(3)に示す数学用語上の分散の意味とは必ずしも一致するものではなく、導電性材料が発泡粒子を構成している樹脂中に分かれ散らばっていることを意味している。具体的には、図10に示す透過型電子顕微鏡の写真上で、粒状の黒点にて示される導電性カーボンが分かれ散らばっている状態が例示される。
(発泡粒子成形体密度)
発泡粒子成形体の密度は、軽量性と剛性とのバランスの観点から、15〜180g/L、更に15〜90g/Lであることが好ましい。発泡粒子成形体を電波吸収体として利用する場合には、上記バランスの観点に加えて、前記発泡粒子混合物を使用して得られる発泡粒子成形体において優れた電波吸収性能が発揮される観点から、15〜90g/L、更に20〜60g/L、特に25〜50g/Lがより好ましい。
(発泡粒子成形体密度の測定)
発泡粒子成形体の密度は、成形体試料の質量(g)を成形体試料の体積(L)で除することにより求めることができる。なお、成形体試料の体積は、成形体から直方体形状に切り出した成形体試料の外形寸法(縦、横、高さ)に基づき縦寸法、横寸法、高さ寸法の積を求め単位換算して当該体積(L)とする。
(発泡粒子成形体形状)
発泡粒子成形体の形状は、目的に応じて板状や柱状、種々の立体形状に適宜設定が可能であり、特に限定されるものではないが、発泡粒子成形体を電波吸収体として利用する場合、すなわち、本発明によって発泡粒子成形体製電波吸収体を調製する場合には、発泡粒子成形体は、電波の吸収をより効果的に実現可能な形状に形成されていることが好ましい。この点を考慮して、本発明の発泡粒子成形体は、電波到来側の端部から他方の端部に向かう方向にそった直線を法線とする平面を想定した場合に、その平面で発泡粒子成形体を切断した場合に認められる切断面の面積(切断面が複数存在する場合には、切断面の総面積)が、法線にそって電波到来側の端部から他方の端部に向かうにつれて、大きくなる形状であることが好ましい。
具体的に図1Aや図2Aに例示するように、発泡粒子成形体2aは、ピラミッド形状若しくはウェッジ形状などの多角錘形状、多角錘台形状或いは楔形状を有することが好ましい。このように成形体2aを形成することで、図1に示したピラミッド形状の電波吸収体1、図2に示したウェッジ形状の電波吸収体1を得ることができる。たとえば、図1に示したピラミッド形状の電波吸収体1では、ピラミッド形状の頂部を電波到来側の端部としてピラミッド形状の底面部を他方の端部とし、その頂部から底面部に向かう方向に沿った法線を有する平面で発泡粒子成形体を切断して切断面を見た場合に、切断面の面積がその頂部から底面部に向かうにつれて大きくなる。図2に示したウェッジ形状の電波吸収体1についても同様である。また、発泡粒子成形体2aは、図1Bや図2Bに示すような突出端を有する形状に形成されていてもよい。図1Bや図2Bの発泡粒子成形体2aは、例えば、ピラミッド形状若しくはウェッジ形状の成形体の傾斜面を底面位置から所定の高さより上の部分を切り欠く形状とすることで形成することができる。
(発泡粒子Aおよび発泡粒子B)
発泡粒子Aは、導電性材料が3〜30質量%の範囲で分散している樹脂粒子の発泡物である。更に加工性や電波吸収性能の観点から、5〜25質量%、更に7〜20質量%が好ましく、特に10〜17質量%がより好ましい。発泡粒子Bは、導電性材料を含有させずに形成された樹脂粒子、又は導電性材料が3質量%未満の範囲で含有されている樹脂粒子(導電性材料により被覆されているものを含む)の発泡物、或いは、樹脂粒子の発泡物に導電性材料を3質量%未満の範囲で含有されているもの(発泡粒子Bには導電性材料により被覆されているものを含む)である。したがって、本発明において発泡粒子Aは熱可塑性樹脂と導電性材料を含む樹脂組成物から形成され、発泡粒子Bは熱可塑性樹脂と必要に応じて用いられる導電性材料を含む樹脂組成物から形成されている。また、発泡粒子Aおよび発泡粒子Bのいずれについても、導電性材料以外にその他の添加剤が適宜含有されてもよい。なお、前記添加剤としては、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、気泡調整剤などを例示することができる。
発泡粒子Aおよび発泡粒子Bのいずれにおいても、上記の導電性材料が分散された樹脂粒子は、基材樹脂と導電性材料を押出機やニーダー等の従来公知の混練機を使用して樹脂中に導電性材料を分散させ、導電性材料が分散された樹脂組成物をペレタイザー等で造粒することにより得ることができる。また、樹脂粒子の発泡物である発泡粒子は従来公知の押出発泡粒子製造方法やオートクレーブから発泡剤を含有する発泡性樹脂粒子を放出して発泡する方法、発泡剤を含有する発泡性樹脂粒子を加熱軟化させて発泡する方法等の従来公知の発泡方法により製造することができる。また、発泡粒子Bに関して、導電性材料が被覆された樹脂粒子や発泡粒子は、スプレーコーター等のコーティング装置を使用して導電性塗料等の導電性材料を樹脂粒子や発泡粒子に塗布することにより得ることができる。
(熱可塑性樹脂)
本発明の発泡粒子成形体、該成形体を構成する発泡粒子、および該発泡粒子を形成する樹脂粒子を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂や、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂およびこれらのブレンド物、或いは共重合体等からなる熱可塑性樹脂が挙げられる。なお、熱可塑性樹脂としてポリオレフィン系樹脂とその他樹脂との混合樹脂が用いられる場合、混合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂を50質量%以上含有するものであることが好ましく、ポリオレフィン系樹脂を70質量%以上含有するものであることがより好ましく、ポリオレフィン系樹脂を90質量%以上含有することがさらに好ましい。
上述した熱可塑性樹脂として利用可能なポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体やその分子間を金属イオンで架橋したアイオノマー系樹脂等が挙げられる。
上述した熱可塑性樹脂として利用可能なポリプロピレン系樹脂としては、プロピレン単独重合体、プロピレンに由来する構造単位が50質量%以上のプロピレン系共重合体が挙げられ、該共重合体としては、エチレン−プロピレン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などのプロピレンとエチレン又は炭素数4以上のαオレフィンとの共重合体や、プロピレン−アクリル酸共重合体、プロピレン−無水マレイン酸共重合体等が例示できる。なお、これらの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよい。
上述の熱可塑性樹脂の例示のなかでも、靭性に優れる点でポリオレフィン系樹脂が好ましく、ポリプロピレン系樹脂を用いることが特に好ましい。また、脆性改善、軽量性と剛性とのバランスに優れる観点からは、基材樹脂を構成する熱可塑性樹脂として、ポリスチレン系樹脂を主体としポリオレフィン系樹脂にスチレンモノマーを含浸、重合してなる改質ポリスチレン系樹脂が選択されることが好ましい。
また、上述の熱可塑性樹脂は、リサイクル性の観点からは無架橋(架橋されていない)であることが好ましい。
(導電性材料)
発泡粒子Aに分散されている導電性材料は、特に限定されるものではなく、無機材料、有機材料を用いることができる。
本発明の発泡粒子成形体を電波吸収体として利用する場合は、導電性材料は、それを含有する発泡粒子成形体において電波吸収性能を発現する材料であればよい。例えば、電波吸収性能を発現する無機材料としては、導電性カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロファイバー、カーボンマイクロコイル、カーボンナノコイル等のカーボン類、金属繊維、カーボン繊維等の繊維、酸化鉄、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カドミウム、酸化イリジウム等の無機酸化物が挙げられる。これらの中でも、高い電波吸収性能を発現する材料として、カーボン類、金属酸化物が好ましく、その中でも電波吸収性の観点から、カーボン類を好適に用いることができ、具体的には、導電性カーボンブラック、黒鉛、グラフェン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンマイクロファイバー、カーボンマイクロコイル、カーボンナノコイル等が挙げられる。
さらに、導電性材料としては、カーボン類のなかでも、導電性カーボンブラックを好適に用いることができる。この導電性カーボンブラックは、製造法や組成が限定されるものではなく、オイルファーネスブラックやアセチレンブラック、中空構造を有するカーボンブラック等も含まれ、それらのカーボンブラックを親水化、疎水化、酸化、還元、酸性化、塩基性化、有機化処理したものなども含まれる。なお、導電性カーボンブラックとしては、JIS6217−4:2008に基づいて測定されるDBP吸収量が150〜700cm/100gのものが好ましい。
導電性材料は、上記した電波吸収性能を発現する材料から選択された1種類を使用してもよいし、2種類以上を選択して併用して使用することもできる。なお、発泡粒子Bが導電性材料を含有する場合は、該導電性材料として上記の導電性材料が例示できる。
(導電性材料の配合量)
発泡粒子Aを得るための導電性材料が練り込まれた樹脂粒子においては、導電性材料の含有量が3〜30質量%となるように基材樹脂中に導電性材料が分散されていればよく、この導電性材料が練り込まれた樹脂粒子を発泡させることにより導電性材料の含有量が同様に3〜30質量%の発泡粒子Aを得ることができる。発泡粒子A中に含まれる導電性材料の含有量は、電波吸収体においては、一般に吸収しようとする電波の周波数帯およびその電波吸収性能に応じて決定すべきであるが、本発明においては発泡粒子A100質量%に対して3〜30質量%、好ましくは7〜20質量%、更に好ましくは10〜17質量%である。
発泡粒子A中の導電性材料の含有量が少なすぎる場合は、それを用いて発泡粒子成形体としても所望の導電性能や電波吸収性能を得ることが困難となる虞がある。なお、導電性材料の含有量が少ない導電性発泡粒子であっても発泡粒子Bに対する発泡粒子Aの割合を多くする対策も想定されるが、導電性材料にて被覆された導電性発泡粒子を使用する場合と同様に電波吸収体においては十分なMHz帯の電波吸収性能は得られない。一方、該導電性材料の含有量が多すぎる場合は、導電性材料を基材樹脂に混合する工程の実施自体が困難となり樹脂粒子自体を得ることが困難となる虞がある。また、導電性材料の含有量が多すぎる場合において、仮に、樹脂粒子を得ることができたとしても、良好な発泡粒子を得ることが難しく、独立気泡率の低い発泡粒子や収縮の大きな発泡粒子となり、型内成形性の良好な発泡粒子を得ることが難しくなる虞も生じる。一方、上記の発泡粒子Bを得るための樹脂粒子においては、必要に応じて導電性材料が3質量%未満の範囲で含有される。
(面積比)
本発明の発泡粒子成形体における発泡粒子Aと発泡粒子Bとの混合状態について、前記発泡粒子成形体の断面に現れた、発泡粒子Aの合計面積(S1)と発泡粒子Bの合計面積(S2)との面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲である。
上記の面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲から外れて小さすぎる場合は、発泡粒子A中の導電性材料の含有量の上限にも前記のとおり限界があり、また、発泡粒子成形体中に発泡粒子Aを大きなバラツキなく分散させることも難しくなることから、十分かつ再現性のある導電性能や電波吸収性能が得られない。
上記の面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲から外れて大きすぎる場合は、発泡粒子の型内成形時の二次発泡性低下、得られる発泡粒子成形体の表面平滑性不良、および発泡粒子成形体の成形後における成形体の収縮率増大の虞がある。更に、該面積比の平均値が大きすぎる場合、得られる発泡粒子成形体製の電波吸収体においてMHz帯の電波吸収性能が低下してしまう虞がある。上記の観点から、本発明の発泡粒子成形体を得るための混合発泡粒子を構成する発泡粒子Aと発泡粒子Bとの混合割合は、体積比(発泡粒子Aの総体積/発泡粒子Bの総体積)で0.05〜1.0、好ましくは0.08〜0.7、更に好ましくは0.1〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.3である。なお、型内成形にて使用される混合発泡粒子の発泡粒子Aと発泡粒子Bとの体積比は、該型内成形にて得られた発泡粒子成形体の断面を構成している発泡粒子Aと発泡粒子Bの面積比の平均値と同様であると見做せる。したがって、本発明において該面積比の平均値は、0.05〜1.0、好ましくは0.08〜0.7、更に好ましくは0.1〜0.5、特に好ましくは0.1〜0.3である。
(面積比の測定方法)
本発明において上記の面積比(S1/S2)は、発泡粒子成形体の断面上に選択された複数個所の縦150mm、横150mmの正方形の範囲内に存在する、複数の発泡粒子A断面の面積の合計(S1)と複数の発泡粒子B断面の面積の合計(S2)を求めて、S1をS2で除することにより求めることができる。そして、無作為に得た5箇所の発泡粒子成形体断面について、この面積比(S1/S2)を求める操作を行い、得られた5箇所についての面積比(それぞれSR、SR、SR、SR、SRとする)の算術平均値を該面積比(S1/S2)の平均値(SV)とする。
なお、発泡粒子成形体の断面上に選択された正方形の範囲内に存在するS1、S2の測定は、例えば、次のように測定することができる。まず、上記正方形の範囲の拡大写真を撮影し、図8Aに表すように拡大写真をスキャナー装置で画像データ化する。このときスキャナー装置としては、市販のスキャナー装置を適宜選択可能である。次に、画像データ化された拡大写真の画像にモノトーン化処理を施して図8Bに表すようにモノトーン画像を調製する。図8B中、発泡粒子Aは黒い部分(図8B中、符号BLにて示す部分)として表示される。モノトーン化処理は、例えば、画像データ化された拡大写真をNS2K Pro(ナノシステム)のような画像解析ソフトに適用することで実現することができる。モノトーン化処理され画像データに基づき、黒く表れている部分の面積を算出することにより発泡粒子Aの面積の合計(S1)が算出され、画像全体(図8B中、符号Wにて示す部分)の面積から発泡粒子Aの面積の合計を差し引くことで、発泡粒子Bの面積の合計(S2)を算出することができる。
(面積比の変動係数)
本発明の発泡粒子成形体の断面における面積比(S1/S2)の変動係数は20%以下、好ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下である。該変動係数が大きすぎる場合は、発泡粒子成形体の製品間、或いは該製品の部分の発泡粒子Aの分散状態のバラツキが大きく所期の性能バラツキに繋がる。したがって、該変動係数が大きすぎる発泡粒子成形体は電波吸収体として使用した場合、電波吸収性能のバラツキが大きなものとなってしまう。
(面積比の変動係数(%)の算出方法)
本発明において上記の面積比(S1/S2)の変動係数は、上記のとおり測定された発泡粒子成形体断面における5箇所の面積比(SR、SR、SR、SR、SR)の値および面積比の平均値(SV)から、下記数式(1)〜(3)に基づいて算出される。
(発泡粒子Aおよび発泡粒子Bの見かけ密度)
上記したような密度の発泡粒子成形体を容易に得ることを考慮すると、発泡粒子Aおよび発泡粒子Bの見かけ密度は、各々、20〜150g/L、更に30〜80g/Lであることが好ましい。
(発泡粒子の見かけ密度の測定方法)
本明細書において発泡粒子の見かけ密度は次のとおり測定される。水を入れたメスシリンダー内に重量W(g)の発泡粒子群を、金網などを使用して沈め、金網などの道具の体積を考慮しつつ水位の上昇分から発泡粒子群の体積V(L)を求め、発泡粒子群の重量を発泡粒子群の体積で除すことにより求められる値(W/V)をg/Lに単位換算して発泡粒子の真密度が求められる。そして発泡粒子の見かけ密度は、前記真密度を1.6で除した値である。なお、前記見かけ密度は、発泡粒子を大きく圧縮することなく通常の型内成形により得られる発泡粒子成形体の密度と概ね同じ値となる。
(発泡粒子成形体の製造方法)
本発明に係る発泡粒子成形体の製造方法としては、例えば次のような方法を挙げることができる。
まず、発泡粒子Aおよび発泡粒子Bを次のように調製する。
(発泡粒子の調製)
発泡粒子成形体の形成に使用される発泡粒子Bは、導電性材料の実質的な使用を規制した状態にて上記した基材樹脂から樹脂粒子を得て、樹脂粒子に発泡剤を含浸させ、その樹脂粒子を各々周知の発泡方法にて発泡させることにより得ることができる。なお、導電性材料の実質的な使用を規制した状態とは、導電性材料を全く含まない状態と、導電性材料が3質量%未満で含まれている状態とをあわせた概念であるものとする。発泡粒子Bを得るための樹脂粒子を調製する方法としては、例えば、基材樹脂を押出機に投入して溶融状態として押出機先端に取り付けたダイからストランド状に押出し、押出されたストランドをカットして樹脂粒子を得る方法(ストランドカット法)等を挙げることができる。この方法の他にも、樹脂粒子を調製する方法としては、アンダーウォーターカット法等の周知の樹脂粒子製造方法を採用することができる。
発泡粒子Aは、熱可塑性樹脂に導電性材料が3〜30質量%分散されているものに発泡剤を含有させた樹脂粒子或いは樹脂組成物を得て、その樹脂粒子或いは樹脂組成物を前述した周知の発泡方法にて発泡させることにより得ることができる。発泡粒子Aを得るための樹脂粒子を調製する方法としては、導電性材料と熱可塑性樹脂とをニーダーや押出機などの混練機を使用することにより導電性材料が熱可塑性樹脂中に大きく偏在することなく分散するように混練する以外は、上述したようなストランドカット法や、アンダーウォーターカット法等の周知の樹脂粒子製造方法を採用することができる。
(発泡粒子混合物の調製)
次に、混合装置などを用いて発泡粒子Aおよび発泡粒子Bを混合して発泡粒子混合物を調製する。混合装置としては、パドル型若しくはスクリュー型ミキサーや、タンブラー等を適宜選択可能である。
本発明の発泡粒子成形体を電波吸収体として使用する場合においては、発泡粒子成形体を構成する発泡粒子Aと発泡粒子Bの混合状態は、均一であることが理想的である。これを実現する観点からは、発泡粒子Aと発泡粒子Bとの混合物(発泡粒子混合物)を型内成形して発泡粒子成形体を製造する工程において、発泡粒子混合物から無作為に取り出された発泡粒子群中に含まれる発泡粒子Aの割合が一定範囲内に収まっているような状態となっていることが好適である。発泡粒子Aと発泡粒子Bとが均一に混合された発泡粒子混合物を得る観点からは、発泡粒子Aおよび発泡粒子Bの見かけ密度および平均粒子径の関係が下記数式(4)および数式(5)を満足することが好ましい。
ただし、上記数式(4)、数式(5)において、
D1:発泡粒子Aの見かけ密度(g/L)、
D2:発泡粒子Bの見かけ密度(g/L)、
P1:発泡粒子Aの平均粒子径(mm)、
P2:発泡粒子Bの平均粒子径(mm)、
である。
上記数式(4)および数式(5)を満足する発泡粒子を混合装置にて混合して発泡粒子混合物を調製することにより、発泡粒子混合物から無作為に取り出された混合発泡粒子群中に含まれる発泡粒子Aの割合を一定範囲内にすることが容易となる。
(発泡粒子の平均粒子径測定方法)
水が入ったメスシリンダーを用意し、適量の発泡粒子群を上記メスシリンダー内の水中に金網などの道具を使用して沈める。そして、金網などの道具の体積を考慮しつつ水位上昇分より読みとられる発泡粒子の容積V1[L]を測定する。この容積V1をメスシリンダーに入れた発泡粒子の個数(N)にて割り算(V1/N)することにより、発泡粒子1個あたりの平均体積を算出する。得られた平均体積と同じ体積を有する仮想真球の直径をもって発泡粒子の平均粒子径[mm]とする。
(発泡粒子成形体の調製)
前記のとおり得られた発泡粒子混合物を用いて発泡粒子成形物を調製する。発泡粒子成形物は、発泡粒子の型内成形法に基づき調整することができる。型内成形法は、従来公知の方法などを適宜選択可能である。たとえば、目的に応じた形状に形成された金型内に、上記のとおり調製された発泡粒子混合物を圧縮充填法、クラッキング充填法等の公知の充填法にて充填し、金型内の発泡粒子をスチーム等の加熱媒体にて加熱し発泡粒子を相互に融着させて融着物を得る。そして融着物を金型から取り出すことにより発泡粒子成形体を得ることができる。
(発泡粒子成形体の利用形態)
本発明における発泡粒子成形体は、電波吸収体として使用される場合、図1A,図1B、図2A,図2Bに示すように、ピラミッド型若しくは楔型の形状が主に採用され、好ましくは異なる周波数帯で異なる電波吸収性能を示す素材と複合的に使用される。但し、形状は、所望の目的性能に応じて適宜設計することが可能であり、上記形状に限定されることはない。なお、例えば本発明の発泡粒子成形体からなる電波吸収体は、主にフェライトタイルなどのMHz帯で顕著に電波吸収性能を発揮する素材と共に使うことにより、より広い周波数帯において効率的に電波吸収が可能となる。異なる周波数帯で異なる電波吸収性能を示す素材と発泡粒子成形体とを複合的に使用した電波吸収体として、具体的には、図3A,B、図4A,Bのような形状を有する複合型電波吸収体10が使用され、その底面に符号3にて示す低周波電波吸収材を使用する。本明細書においては、複合型電波吸収体を単に電波吸収体と呼ぶことがある。
電波吸収体で吸収する周波数帯を具体的に例示すると、異なる周波数帯で異なる電波吸収性能を示す素材としてフェライトを用いた場合、フェライトタイルが主に低周波数帯(30〜400MHz)の電波を吸収し、発泡粒子成形体が主にそれより上の高周波数帯の電波を吸収する。
ところで、誘電損失を起こす材料の電波吸収には、誘電損失ε”に起因するものと、導電損失σに起因するものとがあり、次に示す数式(6)で表される。
ただし、上記数式(6)において、
ε”:誘電損失
σ :導電損失
ε” :複素誘電率の虚数部
f :周波数
である。
発泡粒子成形体とフェライトタイルとを複合させた電波吸収体においては、高周波数帯では発泡粒子成形体の複素誘電率の虚数部が大きいが、低周波数帯ではフェライトによる吸収効果を主とするため発泡粒子成形体の複素誘電率の虚数部が小さいほうが好ましい。したがって、発泡粒子成形体には、数式(6)における導電損失σが小さいことが求められる。
ここで、発泡粒子成形体の電気的な等価回路を図5A、発泡粒子成形体における導電損失と誘電損失を説明する模式図を図5Bに示す。図5AにおいてRは抵抗、Cはコンデンサであり、それぞれにおいて導電損失、誘電損失が生じる。発泡粒子成形体内において、導電性を示す発泡粒子Aは等価回路では小さな抵抗と見做せるため、そこで導電損失が生じる。そして、図5Bに示すように空間的に互いに離れて発泡粒子Aが存在している部分は、小さなコンデンサCと見做せるため、そこで誘電損失が生じる。ところで、上記数式6において、ε”は、コンデンサで生じる誘電損失であり、σは抵抗により生じる導電損失である。したがって、発泡粒子Aの連結が長すぎる場合には、等価回路の抵抗成分の影響が大きく、上記数式(6)において導電損失σが主体の発泡粒子成形体となる。この場合の発泡粒子成形体は、電波吸収体としては好適なものとは言えない。
従来の導電性材料を含有した導電性発泡粒子のみからなる型内成形体の電波吸収体は、GHz帯での電波吸収性能を向上させるために、導電性材料の添加量を増やすことは可能であるが、添加量増加に応じてMHz帯吸収性能が低下するという問題がある。一方、MHz帯での吸収性能を向上させるために導電性材料の添加量を減らす場合、GHz帯での電波吸収性能が低下するという問題がある。すなわちGHz帯およびMHz帯の両周波数帯域で所望の電波吸収性能を得ることが難しいとうい問題がある。また、従来の導電塗料を被覆してなる被覆層を備えた導電性被膜形成発泡粒子とそのような被覆層を備えずに形成された非導電性発泡粒子との混合発泡粒子型内成形体からなる電波吸収体においては、MHz帯の電波吸収性能は上記のものと比して向上するものの、未だ不十分なレベルにあるという問題がある。
導電性発泡粒子のみからなる型内成形体の電波吸収体についての上記問題は、電波吸収体をなす発泡粒子成形体全体が導電性材料にて構成されることになるため、電波吸収体の電波吸収性能は主に導電損失によって生じていると考えられ、高周波数帯で性能を発揮し易いなどの理由によるものと考えられる。また、上記導電塗料を被覆してなる被覆層を備えた導電性被膜形成発泡粒子の型内成形体からなる電波吸収体の問題は、導電塗料にて発泡粒子を被覆することにより導電性発泡粒子を得ていることから、導電性被膜形成発泡粒子は、導電性発泡粒子の被覆層にのみ導電性材料が存在しているにすぎない。また、発泡粒子表面に抵抗となる電気回路が形成され、導電性被膜形成発泡粒子成形体の導電損失σが大きくなる。したがって、このような導電性被膜形成発泡粒子成形体は、電波吸収性能として十分な性能を有するものとは言えないものである。
一方、本発明においては、前記のとおり、発泡粒子成形体断面における発泡粒子Aと発泡粒子Bとの該面積比の平均値が0.05〜1.0の範囲となるように混合した混合発泡粒子を用いることにより、得られる発泡粒子成形体内で発泡粒子Aを該面積比(S1/S2)1.0以下の小さな範囲としつつ、発泡粒子成形体の静電容量を所期の値に調整することができる。上記面積比の範囲内とした場合に、発泡粒子Aが、単独、および、2〜20個、更に2〜15個の連結するクラスターを形成するため好ましい。結果として、等価回路の導電損失を小さくしつつ、誘電損失を大きくすることができ、電波吸収性能が向上する。
実際に、本発明の発泡粒子成形体(発泡粒子Aおよび発泡粒子Bからなる成形体)と、単一発泡粒子からなる成形体(発泡粒子Aのみからなる成形体)の静電容量を測定した結果を図6に示す。なお、発泡粒子Aおよび発泡粒子Bからなる発泡粒子成形体に含有されている導電性材料としての導電性カーボンブラック添加量は、該カーボンブラックが14質量%分散している発泡粒子Aと発泡粒子Bとの混合比を変えることにより調整した。また、発泡粒子Aのみからなる発泡粒子成形体に含有されている導電性材料としての導電性カーボンブラック添加量は、発泡粒子A中の導電性カーボンブラックの配合率を変えることにより調整した。これらの発泡粒子成形体について、図6に示すように、前者の本発明の発泡粒子成形体の方が効率よく静電容量を高くすることができることが認められる。これは、発泡粒子成形体を等価回路とした場合、そのコンデンサ成分が抵抗成分に比べて大きいことを意味し、電波吸収体として望ましいことを示す。
そして本発明の発泡粒子成形体は、発泡粒子Aからなる導電性材料を多く含有する部分と、発泡粒子Bからなり導電性材料の実質的な使用を規制した状態の部分とを適宜存在させることにより、導電損失を主体とすることなく、誘電損失を主体とすることができるので、MHz帯の電波吸収性能が低下し易い性質を良化することができる。よって、本発明の発泡粒子成形体は、GHz帯の電波吸収性能に優れると共にMHz帯の吸収性能を向上させることができる。すなわち、当該発泡粒子成形体は、MHz帯からGHz帯までの電磁波を吸収させることの可能な、幅広い周波数領域に対応が可能な電波吸収体として利用可能なものである。
本発明において発泡粒子成形体は、変動係数は20%以下であることから、導電性材料が練り込まれている発泡粒子Aが、発泡粒子成形体全体に略均一に分散して存在していると言える。このことから、本発明によれば、より安定的にMHz帯からGHz帯までの電波を吸収させることの可能な、幅広い周波数領域に対応が可能な電波吸収体として利用可能なものが提供される。
(低周波電波吸収材)
前記複合型電波吸収体に使用される低周波電波吸収材3としては、例えば、磁性損失材料としてフェライトタイル等からなる電波吸収体が好適に使用される。フェライトタイルは400MHz以下の低周波域においてきわめて良好な電波吸収特性を示すものである。そこで、複合型電波吸収体10としては、本発明の発泡粒子成形体からなる電波吸収体とフェライトタイルとを組み合わせたユニットを例示することができる。このような複合型電波吸収体10のユニットにおいては、GHz帯域の電波の吸収は発泡粒子成形体で効率よく吸収され、MHz帯の電波がフェライトの磁性損失によりフェライトタイルにて効率よく吸収されることとなり、より広域の周波数帯での電波吸収性能をより強力に発揮することができるようになる。
なお、発泡粒子成形体とフェライトタイルを組み合わせて使用する場合、発泡粒子成形体の発泡粒子Aに含まれる導電性材料は、上述したように発泡粒子A100質量%に対して3〜30質量%、好ましくは7〜20質量%、更に好ましくは10〜17質量%である。このように好ましい導電性材料の上限範囲が存在する理由としては、フェライトタイルと空間(空気)のインピーダンスがマッチングするように設計すると発泡粒子成形体の導電性材料の含有量が多すぎると、そのインピーダンスが空気と大きく異なるため、インピーダンス不整合により発泡粒子成形体部分での電磁波の反射が起こりやすくなり、低周波域を受け持つフェライトタイルの吸収特性を阻害し易くなるためと考えられる。
一方、発泡粒子成形体の導電性材料の含有量を少なくすると、フェライトタイルの吸収特性を阻害することはなくなるが、発泡粒子成形体自体の電波吸収性能が低下するため、同じ性能を出すためには、電波吸収体を大きく(発泡粒子成形体が多角錘形状の場合には多角錘の高さを高く)しなければならない。結果として、電波暗室などの空間占有率が大きくなり、限られた空間を有効に活用できなくなってしまう。
したがって、本発明の発泡粒子成形体は、導電性材料を特定範囲の量で含有する発泡粒子Aと、導電性材料の実質的な使用を規制した発泡粒子Bとを特定範囲の混合比率を満たして含有する場合にあって、フェライトタイルを組み合わされてユニットを構成する電波吸収体として使用する場合に、フェライトの吸収特性の良い低周波数帯ではフェライトタイルが電波を効率的に吸収し、高周波数帯では該発泡粒子成形体が電波を効率的に吸収し、広い周波数帯域において特に優れた電波吸収性能が期待できる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
[発泡粒子Aの製造]
内径65mmの押出機の出口側にストランド形成用ダイを付設した押出装置を準備した。表1に示した配合となるように、基材樹脂となる熱可塑性樹脂として表1に示すプロピレン系樹脂、導電性材料となる導電性無機物としてオイルファーネスブラック(製品名;ケッチェンブラック(登録商標)EC300J(ライオン社製)、DBP吸収量;360cm/100g、粒径;40nm)を内径65mmの押出機に供給し、設定温度200〜240℃にて加熱、溶融、混練し、ポリプロピレン樹脂中に導電性材料を分散させた後、得られた溶融混練物を前記ダイの細孔から、ストランド状に押出し、ペレタイザーで2mg(粒子の長さと直径の比率(L/D)は1.3)になるように切断して円柱状の樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子1kgと、分散媒体の水3L、分散剤としてカオリン3g、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.02gとを5Lのオートクレーブ内に仕込み、分散媒体中で密閉容器内に発泡剤として二酸化炭素を圧入し、撹拌下に表1に示した発泡温度まで加熱昇温して同温度に15分間保持して調整し、密閉容器内圧力を3.0MPa(G)とした後、オートクレーブ内容物を大気圧下に分散媒体と共に放出して発泡粒子Aを得た。なお、発泡粒子Aを構成している樹脂中の導電性材料の分散状態は図10のTEM写真(倍率20000倍)のとおりであった。図10のTEM写真において、黒色箇所にて導電性材料の存在箇所が示され、非黒色(白色)を呈する箇所にて樹脂の存在箇所が示されている。また、得られた発泡粒子Aの諸物性を表1に併せて示した。
[発泡粒子Bの製造]
導電性材料を使用しなかった以外は、上記発泡粒子Aと同様の工程を実施して発泡粒子Bを得た。ただし、発泡粒子Bの製造において、基材樹脂などの成分および配合量は、表2に示すとおりである。また、得られた発泡粒子Bの諸物性を表2に併せて示した。
上記表1および表2に示した発泡粒子Aの物性および発泡粒子Bの物性は、下記の方法により測定した。
[発泡粒子の融点]
JIS K 7122(1987年)に基づく熱流束示差走査熱量測定法(DSC法)により得られた値を採用した。発泡粒子2〜4mgをサンプルとし、熱流束示差走査熱量計によって室温から200℃まで10℃/分の速度で昇温し、次いで200℃から40℃まで10℃/分の速度で降温し、再度40℃から200℃まで10℃/分の速度で昇温を行って得られたDSC曲線上の最大吸熱曲線ピークの頂点温度を融点とした。
なお、上記表1および表2に示した発泡粒子の「見かけ密度」、「平均粒子径」は、前述の測定方法により測定した。
(実施例1〜8、比較例2〜4)
[熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の製造]
表1に示した発泡粒子Aと表2に示した発泡粒子Bを、表3に示した混合比にてタンブラーで混合して発泡粒子混合物を得た。得られた発泡粒子混合物を金型内に充填して表3に示したスチーム成形圧力(MPa:ゲージ圧)にて加熱することにより型内成形工程を実施し、図7に示すような底面600mm×600mm、高さ300mmの複数のピラミッド形状(四角錐形状)の角から成る発泡粒子成形体(成形品)を得た。図7中、符号Eは底面を示し、符号Fは頂部を示し、図7に示す発泡粒子成形体における底面Eの寸法は符号Bと符号Aで示す範囲の長さであり、高さは、底面Eと頂部Fとの高さの差を示す符号Cで示す範囲の長さとして特定される。
実施例および比較例で得られた発泡粒子成形体は、それぞれ、フェライトタイル(底面100mm×100mm、厚さ5.2mm;リケン環境システム社製、商品名RF044)に積み重ねられて相互に固定し図3Bのような形状のユニットを形成した。ユニットは、ユニットの底面が600mm×600mmとなるように形成された。こうして得られたフェライトタイルと発泡粒子成形体とで構成される構造体のユニットを、電波吸収体(この場合は複合型電波吸収体)とした。
実施例1、比較例2、後述の比較例5で得られた発泡粒子成形体については表面写真の撮影を行った。結果を図9に示す。図9Aは、実施例1で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。図9Bは、比較例2で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。図9Cは、比較例5で得られた発泡粒子成形体の表面写真である。
(比較例1、5、6)
[熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の製造]
表1に示した発泡粒子Aのみを金型内に充填した以外は実施例1と同様にして、表3に示した条件にて発泡粒子成形体を得た。
実施例および比較例にて得られた発泡粒子成形体の諸物性の測定を下記の方法により行い結果を表4に示した。さらに、上記のとおり実施例および比較例の発泡粒子成形体からなる複合型電波吸収体について、電波吸収性能の評価と総合評価を下記の方法により行った結果を表4に併せて示した。
[発泡粒子成形体を構成している発泡粒子Aと発泡粒子Bの各々の平均粒子径(本発明請求項2における発泡粒子の平均粒子径)]
発泡粒子Aの平均粒子径は、発泡粒子成形体断面を観察し、該断面の縦100mm×横100mmの正方形の範囲内に存在している全ての発泡粒子Aの最大径を測定し、該最大径の算術平均値を発泡粒子Aの平均粒子径とした。一方、発泡粒子Bの平均粒子径についても、発泡粒子Aの平均粒子径を測定した同じ発泡粒子成形体断面を観察し、該断面の縦100mm×横100mmの正方形の範囲内に存在している全ての発泡粒子Bの最大径を測定し、該最大径の算術平均値を発泡粒子Bの平均粒子径とした。なお、表4に示すように発泡粒子Aと発泡粒子Bの各々の平均粒子径が概ね同じ値であった。
[電波吸収体の電波吸収性能]
実施例、比較例の発泡粒子成形体を用いて複合型電波吸収体を100個試作し、周波数30MHz、100MHz、1GHz、18GHzにおいて、IEEE Std1128に示された同軸管法およびアーチ法により、電波吸収量(dB)を測定し、平均値を求めた。
表4中、「*」は、電波吸収性能が不安定であったことを示す。
また表4において、「粒子径比」欄、「密度比」欄には、それぞれ発泡粒子A,Bの平均粒子径(mm)の比率、発泡粒子A,Bの見掛け密度の比率が記載され、「面積比(S1/S2)」欄には面積比の平均値が記載され、「変動係数(%)」欄には面積比の変動係数(%)が記載されている。発泡粒子A,Bの平均粒子径(mm)の比率、発泡粒子A,Bの見かけ密度の比率、面積比の平均値、面積比の変動係数(%)については、それぞれ前述の測定方法により測定された。
上記表4の結果より、実施例1から8の電波吸収体は、MHz帯およびGHz帯において十分に安定した電波吸収能力を有することが確認された。また、型内成形時の発泡粒子の成形性に関しても良好なものであった。したがって、本発明の発泡粒子成形体は、広域な電磁波の吸収特性を持つ優れた電波吸収性能を有するものであり、電波吸収体として好適なものであった。
比較例1の発泡粒子成形体は、発泡粒子Aのみを含むため、GHz帯で吸収性能に優れるものの、MHz帯において電波吸収性能は不十分なものであった。
比較例2の発泡成形体は、発泡粒子Aの添加量が多すぎるため混合発泡粒子中の発泡粒子Aの面積比が大きくなりすぎ、特にMHz帯において、十分な電波吸収性能が発現されなかった。
比較例3と4の発泡成形体は、発泡粒子の型内成形時の成形性に劣るものであり、発泡粒子成形体の断面における面積比(S1/S2)の変動係数は20%以上であり、発泡粒子の型内成形も難しく、得られた発泡粒子成形体の電波吸収性能のバラツキが実施例1に比べ2倍以上大きいものであり、安定した品質の電波吸収性能が発現されなかった。
比較例5の発泡成形体は、実施例1と比較して発泡粒子成形体全体に含まれている導電性材料の含有量が略同じになるように導電性材料の配合量を少なく調整した発泡粒子Aのみで構成されている。この発泡粒子成形体の電波吸収性能は、MHz帯において良好な吸収特性を示すもののGHz帯において十分な電波吸収性能が発現されなかった。
比較例6の発泡成形体は、導電性材料の配合量が多く調整した発泡粒子Aのみで構成されており、発泡粒子成形体の導電性材料の含有量が多くなっているものの、導電性発泡粒子の導電性材料の含有量が多すぎるため、そのインピーダンスが空気と大きく異なるため、インピーダンス不整合により発泡粒子成形体部分での電磁波の反射が起こりやすくなり、十分な電波吸収性能が得られなかった。
1 電波吸収体
2a 発泡粒子成形体
3 低周波電波吸収材
10 複合型電波吸収体

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂発泡粒子成形体であって、
    前記発泡粒子成形体を構成している熱可塑性樹脂発泡粒子として、導電性材料が3〜30質量%分散している発泡粒子A、および、導電性材料含有量が3質量%未満(0を含む)の発泡粒子Bを含み、
    前記発泡粒子成形体の断面における前記発泡粒子Aの合計面積(S1)と前記発泡粒子Bの合計面積(S2)との面積比(S1/S2)の平均値が0.05〜1.0の範囲であり、前記面積比の変動係数が20%以下であることを特徴とする発泡粒子成形体。
  2. 前記発泡粒子Aと前記発泡粒子Bの各々における平均粒子径が2〜8mmであることを特徴とする請求項1に記載の発泡粒子成形体。
  3. 前記発泡粒子成形体の密度が15〜90g/Lであることを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡粒子成形体。
  4. 前記導電性材料が導電性カーボンブラックであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体。
  5. 前記熱可塑性樹脂発泡粒子を形成する樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体。
  6. 前記熱可塑性樹脂発泡粒子を形成する樹脂がポリスチレン系樹脂であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の発泡粒子成形体。
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