JP6705348B2 - 液体製剤、及び、パロノセトロンの安定性を向上する方法 - Google Patents

液体製剤、及び、パロノセトロンの安定性を向上する方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体製剤、及び、パロノセトロンの安定性を向上する方法に関する。
近年、パロノセトロンは、5−HT受容体アンタゴニストとして作用することが知られるようになり、癌化学療法による急性又は遅発性の悪心・嘔吐(化学療法誘発性悪心嘔吐)の予防・治療に用いられている。
このパロノセトロンに関して、特許文献1には、パロノセトロンを含有する液体製剤がマンニトールをさらに含むことにより、安定性が向上することが記載されている。
特許5551658号公報
しかしながら、特許文献1に記載された液体製剤は、マンニトールの他に、クエン酸やEDTA等のキレート剤を配合することで安定性が向上するとさせているが、キレート剤は、生体内のバランスに影響を与えることが懸念される。
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、マンニトールやキレート剤を含まなくてもパロノセトロンの安定性が高い液体製剤、及びパロノセトロンの安定性を向上する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、パロノセトロンを重金属と接触させないことがパロノセトロンの安定性を向上させることを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 容器に収容された液体製剤であって、
該液体製剤が、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有し、
前記容器の内側における少なくとも前記液体製剤と接する部分が、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂で形成される、液体製剤。
(2) 緩衝剤をさらに含有する、(1)に記載の液体製剤。
(3) 前記緩衝剤がリン酸塩である、(2)に記載の液体製剤。
(4) pH6.0超7.5以下である、(1)から(3)のいずれかに記載の液体製剤。
(5) パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有する液体に対して、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂を接することにより、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の安定性を向上する方法。
本発明によれば、マンニトールやキレート剤を含まなくてもパロノセトロンの安定性を向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は特にこれに限定されない。
<液体製剤>
本発明の液体製剤は、容器に収容された液体製剤であって、液体製剤が、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有し、容器の内側における少なくとも液体製剤と接する部分が、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂で形成される。
本発明の液体製剤は、容器の内側における少なくとも液体製剤と接する部分が、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂で形成されるため、後述する実験結果からも明らかなように、容器の内側が未処理のガラスからなる場合に比べてキレート剤等の安定化剤を含まなくても安定性に優れる。ここで、安定性とは、例えば、有効成分であるパロノセトロン又はその薬学的に許容される塩が分解して類縁体が生じるのを抑制することを意味する。
以下、本発明の液体製剤について詳細に説明する。本発明の液体製剤は、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有する。また、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩は、これらの無水物であってもよく、水和物等の溶媒和物であってもよい。
[パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩]
本発明において、「パロノセトロン」は、(3aS)−2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−2−[(S)−l−アザビシクロ[2.2.2]オクト−3−イル]2,3,3a,4,5,6−ヘキサヒドロ−l−オキソ−lHベンズ[de]イソキノリンを意味する。
「薬学的に許容される塩」とは、安全性の観点、無毒性の観点、生物的な観点等で望ましい薬学的な製剤の調製に用いることができる塩を意味し、所望の薬理活性を有する上で薬学的に許容されることを意味する。また、「薬学的に許容される塩」さらに、獣医科的に及びヒトに対して薬学的に許容される塩を包含する。
かかる塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;又は酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、o−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタンジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]オクト−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプタン酸、4,4’−メチレンビス(3−ヒドロキシ−2−エン−1−カルボン酸)、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸等の有機酸で形成される酸付加塩等が挙げられる。これらのうち、薬学的に許容される塩は塩酸塩が好ましい。
加えて、存在する酸性プロトンが無機又は有機塩基と反応できる場合には、薬学的に許容される塩が形成される。許容される無機塩基としては、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム及び水酸化カルシウム等が挙げられる。許容される有機塩基は、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トロメタミン、N−メチルグルカミン等が挙げられる。
[他の配合成分]
本発明の液体製剤には、緩衝剤や等張化剤を添加してもよく、添加しなくてもよいが、緩衝剤及び/又は等張化剤をさらに含有することが好ましい。さらに、これら以外にも、液体製剤に通常用いられる配合成分を添加することができる。そのような配合成分としては、例えば、界面活性剤、希釈剤、無痛化剤、防腐剤、安定化剤(エデト酸、エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸等)、抗酸化剤、高分子量重合体等が挙げられる。これら他の配合成分を用いる場合、その配合量は、当業者が適宜決定することができる。
本発明によると、キレート剤等の安定化剤を配合せずとも、高い安定性が得られる。また、本発明の液体製剤によると、安定化剤を配合するという手間を省いて簡便に高い安定性を得ることができる。この観点によると、本発明の液体製剤は、安定化剤の含有量が、10%(w/v)以下が好ましく、1%(w/v)以下がより好ましく、0.1%(w/v)以下がさらに好ましく、0.01%(w/v)以下がより一層好ましく、0.001%(w/v)以下がなお好ましく、0.0001%(w/v)以下がさらに一層好ましく、0.00001%(w/v)以下が特に好ましく、安定化剤を含まないことが特に好ましい。また、安定化剤がエデト酸ナトリウム(エデト酸一ナトリウム、エデト酸二ナトリウム、エデト酸四ナトリウム等)又はクエン酸であるときに、その含有量が上記範囲内にあること又は安定化剤を含まないことが特に好ましい。なお、本明細書において「%(w/v)」は、本発明の液体100mL中に含まれる対象成分(例えば、安定化剤、緩衝剤、等張化剤等)の質量(g)のことを指す。
(緩衝剤)
緩衝剤としては、例えば、リン酸又はリン酸塩、クエン酸又はクエン酸塩、酢酸又は酢酸塩、炭酸又は炭酸塩、酒石酸又は酒石酸塩、トロメタモール等が挙げられる。リン酸塩としては、リン酸ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられ、クエン酸塩としては、クエン酸ナトリウム、クエン酸二ナトリウム等が挙げられ、酢酸塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等が挙げられ、炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられ、酒石酸塩としては、酒石酸ナトリウム、酒石酸カリウム等が挙げられる。これらのうち、特にリン酸塩が好ましく挙げられる。また、緩衝剤は、無水物であってもよく、水和物等の溶媒和物であってもよい。
緩衝剤の含有量は、特に限定されず、例えば、目標とするpH等に併せて適宜設定してもよいが、パロトセトロンの安定性が向上する観点から、0.001〜10%(w/v)が好ましく、0.01〜5%(w/v)がより好ましく、0.05〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.10〜1%(w/v)が特に最も好ましい。特に、緩衝剤としてリン酸塩を用いた場合、緩衝剤は上記の範囲内であることが好ましい。
上述のとおり、緩衝剤としてクエン酸又はクエン酸塩を含んでもよいが、クエン酸又はクエン酸塩を含む事が適切でない場合等においては、クエン酸又はクエン酸塩の含有量が少ない方が好ましい。この観点で、クエン酸塩の含有量は、5.0%(w/v)以下であることが好ましく、1.0%(w/v)以下であることがより好ましく、0.1%(w/v)以下であることがさらに好ましく、0.01%(w/v)以下であることがより一層好ましく、本発明の液体製剤がクエン酸塩を含まないことが好ましい。
(等張化剤)
等張化剤としては、特に限定されないが、例えば、イオン性等張化剤、非イオン性等張化剤等が挙げられる。イオン性等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が挙げられる。非イオン性等張化剤としては、グリセリン、プロピレングリコール、ブドウ糖、乳糖、ソルビトール、マンニトール等及びこれらの組み合わせが挙げられる。等張化剤としては、特に塩化ナトリウムが好ましく挙げられる。
等張化剤の含有量は、特に限定されないが、0.001〜5%(w/v)が好ましく、0.01〜3%(w/v)がより好ましく、0.1〜2%(w/v)がさらに好ましく、0.3〜1.5%(w/v)より一層好ましく、0.5〜1.0%(w/v)が特に好ましい。あるいは、注射剤の浸透圧が約1(生理食塩液対比)となる量を使用してもよい。そのような量は、個々の製剤を設計する際、当業者が容易に決定できる。
他方、マンニトールはパロノセトロンの安定性を向上させることが知られているが、マンニトールにより人体に副作用が生じる場合がある。しかしながら、本発明によると、マンニトールの含有量が少ないか、含有させなくとも、高い安定性が得られる。この観点によると、本発明の液体製剤は、マンニトールの含有量が10%(w/v)以下が好ましく、5%(w/v)以下がより好ましく、1%(w/v)以下がさらに好ましく、0.1%(w/v)以下がより一層好ましく、マンニトールを含まないことが特に好ましい。
[pH]
本発明の液体製剤のpHは、特に制限されないが、パロノセトロンの安定性が向上する点、生理的pHにより近いpHが好ましい点から、5以上8.0以下が好ましく、5.5超7.8以下がより好ましく、6超7.5以下であることがさらに好ましい。なお、D−マンニトールによりパロノセトロンの安定性を図る場合、pHは、6.0以下であることが要求されるが、本発明の液体製剤は、容器の構成により液体製剤の安定性を図っているため、pHが6.0超7.5以下であってもよい。
本発明の液体製剤に用いられる液体としては、水を用いることが好ましい。
本発明の液体製剤による、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の投与量は、有効量であれば特に限定されず、通常、成人にはパロノセトロンとして0.75mgを1日1回静注又は点滴静注してもよい。
[容器]
本発明の液体製剤は、密閉可能であり、内部の無菌性を保つことができる容器内に収容される。容器の形状は、密閉可能であり、内部の無菌性を保つことができれば、どのような形態であってもよいが、一般的に注射液の充填に用いられるバイアル、アンプル、輸液バッグ、プレフィルドシリンジ等が挙げられる。容器は、さらに外装により包装されていてもよく、必要に応じて、外装内に他の薬剤等を封入してもよい。例えば、バッグ製剤を包装する外袋内に脱酸素剤を封入してもよい。
容器を構成する材料は、ホウケイ酸(硬質ガラス)、プラスチック材料の何れで構成されてもよいが、少なくとも液体製剤と接する部分がシリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂からなる。特に、ガラスの材料を用いたときに、パロノセトロンの安定性が低くなる傾向にある。その理由は、ガラス構成成分の重金属が液中に溶出しやすいため、これがパロノセトロンの安定性の低下に寄与していると考えられる。しかしながら、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂により容器の内側を形成すると、パロノセトロンの安定性の低下が生じにくい。その理由は、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂により容器から重金属の溶出を抑制し、さらに、自身がパロノセトロンの安定性を保ちやすいためと推測される。そのため、本発明は容器の材料としてガラス材料を用いるものに好適である。
[シリカ]
容器の内側にシリカ(SiO)を形成してもよい。シリカの形成方法は、特に限定されないが、例えば、ホウケイ酸からなるバイアルの内面に、シリコート処理による表面処理を施してもよい。シリカは、容器の内側において、少なくとも液体製剤と接するように形成されていれば、特に限定されず、例えば、容器の底面、内側の側面の少なくとも一方又は両方に形成してもよい。ファイアブラストされたガラス、又は樹脂に関しても、シリカと同様である。
[ファイアブラストされたガラス]
容器の内側にファイアブラストされたガラスを形成してもよい。例えば、ホウケイ酸からなるバイアルの内面にファイアブラスト処理を施してもよい。ファイアブラスト処理は、比較的速い流速で流通される混合ガス(例えば、メタンと酸素)による炎を、バイアルの内面に対して集中的に噴出する処理である。ファイアブラスト処理されたガラスとしては、ガラスバイアル VIALEX(登録商標)(ニプロ株式会社製)等が挙げられる。
[樹脂]
容器の内側に樹脂を形成してもよい。例えば、ホウケイ酸からなるバイアルの内面に、シクロオレフィン樹脂(COP)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等をコーティングしてもよい。これらの樹脂のうち、樹脂への吸着を抑えてパロノセトロンの含量低下を抑制しやすいことから、シクロオレフィン樹脂(COP)が好ましい。また、本発明は、容器そのものが樹脂で形成されているものを用いてもよく、例えば、樹脂バイアル、樹脂アンプル、輸液バッグ、プレフィルドシリンジを用いてもよい。
<パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の安定性を向上する方法>
本発明のパロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の安定性を向上する方法は、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有する液体に対して、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂を接することにより、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の安定性を向上する方法である。
本発明の方法によれば、液体製剤と接する部分が、シリカ、ファイアブラストされたガラス、又は樹脂で形成されるため、後述する実験結果からも明らかなように、未処理のガラスと接する場合に比べて安定性に優れる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜4、比較例1]
下記の液体製剤1を、表1に示す処理が内部に施されたガラスバイアルに充填したもの(実施例1、2、4)と、表1に示す樹脂で形成された樹脂バイアル(実施例3)と、内部に表1に示す処理が施されていないガラスバイアルに充填したもの(比較例1)をそれぞれ3つ用意し、開始時、60℃で10日保管後、60℃で20日保管後における類縁物質量を測定した。その結果を表1に示す。ここで、「類縁物質」とは、パロノセトロンが注射用水中で分解されて形成される、パロノセトロン由来の物質の総称を指して言う。また、表1及び表2中の実施例の数値は、3つの試料の類縁物質の平均値である。
(液体製剤1)
液体製剤1として下記の組成からなるパロノセトロン塩酸塩注射液5mLを調製した。
パロノセトロン塩酸塩:0.84mg
塩化ナトリウム:45.0mg
pH調整剤 水酸化ナトリウム:pHに応じて適量
塩酸:pHに応じて適量
溶剤 注射用水:適量
Figure 0006705348
[実施例5〜7]
下記の液体製剤2を、表2に示す処理が内部に施されたガラスバイアルに充填したもの(実施例5〜7)をそれぞれ3つ用意し、開始時、60℃で10日保管後、60℃で20日保管後における類縁物質量を測定した。その結果を表2に示す。
(液体製剤2)
液体製剤2として下記の組成からなるパロノセトロン塩酸塩注射液5mLを調製した。
パロノセトロン塩酸塩:0.84mg
塩化ナトリウム:42.0mg
リン酸水素ナトリウム水和物:9.0mg
pH調整剤 水酸化ナトリウム:pHに応じて適量
塩酸:pHに応じて適量
溶剤 注射用水:適量
[比較例2]
下記の液体製剤3を充填した市販のパロノセトロン塩酸塩注射液(商品名;アロキシ静注、大鵬薬品工業社製)を1つ用意し、開始時、60℃で10日保管後、60℃で20日保管後における類縁物質量を測定した。その結果を表2に示す。
(液体製剤3)
液体製剤3として、以下の組成からなる市販のパロノセトロン塩酸塩注射液(商品名;アロキシ静注、大鵬薬品工業社製)0.75mgを用意した。
パロノセトロン塩酸塩:0.84mg
D−マンニトール:207.5mg
エデト酸ナトリウム水和物:2.5mg
クエン酸ナトリウム水和物:18.5mg
クエン酸水和物:7.8mg
pH調整剤 水酸化ナトリウム:pHに応じて適量
塩酸:pHに応じて適量
溶剤 注射用水:適量
Figure 0006705348
表1の結果から、実施例1〜4の液体製剤は、比較例1の液体製剤に比べ、いずれも類縁物質量の増加量が小さく、パロノセトロンの安定性に優れていることが確認された。また、表2の結果から、実施例5〜7の液体製剤は、塩化ナトリウムとリン酸水素ナトリウム水和物を含み、pHが6超に調整されても、類縁物質量の増加が少なくパロノセトロンの安定性に優れていることが確認された。なお、比較例2の液体製剤は、D−マンニトール、キレート剤を含むことにより、類縁物質量の増加が少なくパロノセトロンの安定性に優れていると考えられるが、実施例1〜7の液体製剤は、D−マンニトールやキレート剤を含まなくても、類縁物質量の増加が少なくパロノセトロンの安定性に優れていることが確認された。

Claims (4)

  1. ガラス材料から得られた容器に収容された液体製剤であって、
    該液体製剤が、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有し、
    前記容器の内側における少なくとも前記液体製剤と接する部分が、シリカ、又はファイアブラストされたガラスで形成され、
    前記液体製剤のpHが6.0超7.5以下であり、
    前記液体製剤はマンニトールを含まない、
    液体製剤。
  2. 緩衝剤をさらに含有する、請求項1に記載の液体製剤。
  3. 前記緩衝剤がリン酸塩である、請求項2に記載の液体製剤。
  4. マンニトールを含有せず、かつ、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩を含有する、pH6.0超7.5以下の液体に対して、ガラス材料から得られた容器の内側に形成されたシリカ、又はファイアブラストされたガラスを接することにより、パロノセトロン又はその薬学的に許容される塩の安定性を向上する方法。
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