図1及び2は電子機器10の外観の一例を示す斜視図及び背面図である。図3は電子機器10の一部の構成の一例を示すブロック図である。図4は、電子機器10とは別の種類の電子機器60の一部の構成の一例を示すブロック図である。
電子機器10は、例えば、スマートフォン等の携帯電話機である。電子機器60は、車両に搭載された電子機器である。電子機器60は、例えば、カーナビゲーション装置と、ラジオ等を含む音響機器とが一体化された電子機器である。なお、電子機器60は、音響機器とは別体のカーナビゲーション装置であってもよいし、カーナビゲーション装置とは別体の音響機器であってもよい。また、電子機器60は、車両6のライト及び方向指示器等を制御する車両制御機能を有してもよい。以後、電子機器10を「携帯機器10」と呼び、電子機器60を「車載機器60」と呼ぶことがある。
図5は、携帯機器10及び車載機器60が使用されるシステムの一例を示す図である。携帯機器10及び車載機器60は、例えば、高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)で使用されることが可能である。具体的には、携帯機器10及び車載機器60は、ITSの安全運転支援通信システム1で使用されることが可能である。安全運転支援通信システム1は、安全運転支援システムと呼ばれたり、安全運転支援無線システムと呼ばれたりする。
図5に示されるように、安全運転支援通信システム1では、交差点2等に配置されている路側機5と、車道7を走る自動車等の車両6と、携帯機器10とが、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、路側機5、車両6及び携帯機器10は、互いに情報をやり取りすることが可能である。また、複数の車両6は、互いに無線通信を行うことが可能である。これにより、複数の車両6は、互いに情報をやり取りすることが可能である。路側機5と車両6との間の通信、車両6間の通信、路側機5と歩行者が携帯する携帯機器10との間の通信、歩行者が携帯する携帯機器10と車両6の間の通信は、それぞれ、路車間通信、車車間通信、路歩間通信、歩車間通信と呼ばれる。
路側機5は、例えば、信号機4の点灯に関する情報、道路規制に関する情報などを車両6及び携帯機器10に通知することが可能である。また、路側機5は、その近くの車両6及び歩行者を検知することが可能である。交差点2に配置された路側機5は、例えば、横断歩道3を渡る歩行者を検知することが可能である。そして、路側機5は、検知した車両6及び歩行者に関する情報を、車両6及び携帯機器10に通知することが可能である。また、路側機5は、車両6及び携帯機器10から通知される情報を、他の車両6及び携帯機器10に通知することが可能である。
車両6は、当該車両6に搭載された車載機器60によって、自身の位置、速度、ウィンカーに関する情報などを、他の車両6、路側機5及び携帯機器10に対して通知することが可能である。また車両6は、当該車両6に搭載されている車載機器60によって、路側機5等から通知される各種情報を受け取ることができる。また車両6は、路側機5等から通知される情報に基づいて警告等の各種通知を運転者に行うことによって、運転者の安全運転を支援することが可能である。車両6は、当該車両6に搭載されている車載機器60によって、運転者に各種通知を行うことが可能である。
携帯機器10は、歩行者であるユーザ9に所持されることがある。また、携帯機器10を所持するユーザ9が車両6内に存在する場合などには、携帯機器10は車両6内に一時的に存在することがある。携帯機器10は、そのユーザ9の状態を特定することが可能である。携帯機器10は、特定したユーザ9の状態に関する情報などを路側機5等に通知することが可能である。
このように、安全運転支援通信システム1では、路車間通信、車車間通信、路歩間通信及び歩車間通信が行われることによって、車両6の運転者の安全運転が支援される。
なお図1の例では、車両6として、自動車の車両が示されているが、車両6は、自動車以外の車両であってもよい。例えば、車両6は、バスの車両であってもよいし、路面電車の車両であってもよい。
<携帯機器の構成の詳細>
図1及び2に示されるように、携帯機器10は、平面視で略長方形の板状の機器ケース11を備えている。機器ケース11は携帯機器10の外装を構成している。機器ケース11の前面11aには、文字、記号、図形等の各種情報が表示される表示領域12が位置している。表示領域12の背面側には後述するタッチパネル130が位置している。これにより、ユーザ9は、携帯機器10の前面の表示領域12を指等で操作することによって、携帯機器10に対して各種情報を入力することができる。なお、ユーザ9は、指以外の操作子、例えば、スタイラスペンなどのタッチパネル用ペンで表示領域12を操作することによっても、携帯機器10に対して各種情報を入力することができる。
機器ケース11の前面11aの上端部にはレシーバ穴13が位置している。前面11aの下端部にはスピーカ穴14が位置している。機器ケース11の下側の側面11cにはマイク穴15が位置している。
機器ケース11の前面11aの上端部からは、後述する第1カメラ180が有するレンズ181が視認可能となっている。図3に示されるように、機器ケース11の背面11bの上端部からは、後述する第2カメラ190が有するレンズ191が視認可能となっている。
携帯機器10は、複数の操作ボタン20から成る操作ボタン群200(図3参照)を備えている。複数の操作ボタン20のそれぞれはハードウェアボタンである。具体的には、複数の操作ボタン20のそれぞれは押しボタンである。なお、操作ボタン群200に含まれる少なくとも一つの操作ボタン20は、表示領域12に表示されるソフトウェアボタンであってもよい。
操作ボタン群200には、機器ケース11の前面11aの下端部に位置する操作ボタン20a,20b,20cが含まれる。また、操作ボタン群200には、機器ケース11の表面に位置する図示しない電源ボタン及びボリュームボタンが含まれる。
操作ボタン20aは、例えばバックボタンである。バックボタンは、表示領域12の表示を一つ前の表示に切り替えるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン20aを操作することよって、表示領域12の表示が一つ前の表示に切り替わる。操作ボタン20bは、例えばホームボタンである。ホームボタンは、表示領域12にホーム画面を表示させるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン20bを操作することよって、表示領域12にホーム画面が表示される。操作ボタン20cは、例えば履歴ボタンである。履歴ボタンは、携帯機器10で実行されたアプリケーションの履歴を表示領域12に表示させるための操作ボタンである。ユーザ9が操作ボタン20cを操作することよって、表示領域12には、携帯機器10で実行されたアプリケーションの履歴が表示される。
<携帯機器の電気的構成>
図3に示されるように、携帯機器10は、制御部100、無線通信部110、表示部120、タッチパネル130、操作ボタン群200及び衛星信号受信部140を備える。さらに携帯機器10は、レシーバ150、スピーカ160、マイク170、第1カメラ180及び第2カメラ190を備える。さらに携帯機器10は、加速度センサ210、地磁気センサ220、ジャイロセンサ230及び電池240を備える。携帯機器10が備えるこれらの構成要素は、機器ケース11内に収められている。
制御部100は、携帯機器10の他の構成要素を制御することによって、携帯機器10の動作を統括的に管理することが可能である。制御部100は制御装置とも言える。制御部100は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、制御部100は、CPU(Central Processing Unit)101、DSP(Digital Signal Processor)102及び記憶部103を備える。記憶部103は、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)などの、CPU101及びDSP102が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部103が有するROMは、例えば、不揮発性メモリであるフラッシュROM(フラッシュメモリ)である。記憶部103には、携帯機器10を制御するための複数の制御プログラム103a等が記憶されている。制御部100の各種機能は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の各種制御プログラム103aを実行することによって実現される。
なお制御部100は、複数のCPU101を備えてもよい。この場合、制御部100は、比較的複雑は処理を行うメインCPUと、比較的簡単な処理を行うサブCPUとを備えてもよい。また制御部100は、DSP102を備えなくてもよいし、複数のDSP102を備えてもよい。また、制御部100の全ての機能あるいは制御部100の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。
記憶部103は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部103は、例えば、小型のハードディスクドライブ及びSSD(Solid State Drive)などを備えていてもよい。
記憶部103内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーション(アプリケーションプログラム)が含まれている。記憶部103には、例えば、音声通話及びビデオ通話を行うための通話アプリケーション、ウェブサイトを表示するためのブラウザ、電子メールの作成、閲覧及び送受信を行うためのメールアプリケーションが記憶されている。また記憶部103には、第1カメラ180及び第2カメラ190を利用して被写体を撮影するためのカメラアプリケーション、記憶部103に記録されている静止画及び動画を表示するための記録画像表示アプリケーション、記憶部103に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部103内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部103内の少なくとも一つのアプリケーションは、携帯機器10が他の装置からダウンロードして記憶部103内に記憶したものであってよい。
無線通信部110は、アンテナ111を有している。無線通信部110は、アンテナ111を用いて、例えば複数種類の通信方式で無線通信することが可能である。無線通信部110の無線通信は、制御部100によって制御される。無線通信部110は通信回路であると言える。
無線通信部110は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能である。無線通信部110は、当該基地局及びインターネット等のネットワークを通じて、携帯機器10とは別の携帯電話機及びウェブサーバ等と通信することが可能である。携帯機器10は、他の携帯電話機等と、データ通信、音声通話及びビデオ通話等を行うことが可能である。
また無線通信部110は、路側機5及び車両6と無線通信することが可能である。無線通信部110は、例えば、ITSに割り当てられている700MHz帯を使用して、路側機5及び車両6と無線通信することが可能である。また、携帯機器10の無線通信部110は、この700MHz帯を使用して、他の携帯機器10の無線通信部110と直接的に無線通信することができる。以後、ITSに割り当てられている700MHz帯を使用して無線通信を「700MHz帯通信」と呼ぶことがある。
また、無線通信部110は、Wifi等の無線LAN(Local Area Network)を用いて無線通信を行うことが可能である。また無線通信部110は、近距離無線通信を行うことが可能である。例えば、無線通信部110は、Bluetooth(登録商標)に準拠して無線通信することが可能である。無線通信部110は、ZigBee(登録商標)及びNFC(Near Field Communication)の少なくとも一方に準拠して無線通信することが可能であってもよい。
無線通信部110は、アンテナ111で受信した信号に対して増幅処理等の各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部100に出力する。制御部100は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得する。また、制御部100は、情報を含む送信信号を無線通信部110に出力する。無線通信部110は、入力される送信信号に対して増幅処理等の各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ111から無線送信する。
表示部120は、携帯機器10の前面に位置する表示領域12と、表示パネル121とを備えている。表示部120は、表示領域12に各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルである。表示パネル121は、制御部100によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。表示パネル121は、機器ケース11内において、表示領域12と対向している。表示パネル121に表示される情報は表示領域12に表示される。
タッチパネル130は、表示領域12に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル130は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネル130は、例えば、表示領域12の裏側に位置する。ユーザ9が指等の操作子によって表示領域12に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル130は制御部100に入力することが可能である。制御部100は、タッチパネル130からの電気信号(出力信号)に基づいて、表示領域12に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部100は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群200の各操作ボタン20は、ユーザ9によって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部100に出力することが可能である。これにより、制御部100は、各操作ボタン20について、当該操作ボタン20が操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部100が他の構成要素を制御することによって、携帯機器10では、操作された操作ボタン20に割り当てられている機能が実行される。
衛星信号受信部140は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。そして、衛星信号受信部140は、受信した衛星信号に基づいて、携帯機器10の位置を示す位置情報を取得することが可能である。衛星信号受信部140が取得する位置情報には、例えば、携帯機器10の位置を示す緯度経度が含まれる。制御部100は、衛星信号受信部140を動作させたり、その動作を停止したりすることが可能である。以後、衛星信号受信部140を単に「受信部140」と呼ぶことがある。
受信部140は、例えばGPS受信機であって、GPS(Global Positioning System)の測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部140は、受信した無線信号に基づいて携帯機器10の現在位置を例えば緯度経度で算出し、算出した緯度経度を含む位置情報を制御部100に出力する。携帯機器10の位置情報は、当該携帯機器10を持つユーザ9の位置を示す位置情報であるともいえる。
なお受信部140は、GPS以外のGNSS(Global Navigation Satellite System)の測位衛星からの信号に基づいて携帯機器10の位置情報を求めてもよい。例えば、受信部140は、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、IRNSS(Indian Regional Navigational Satellite System)、COMPASS、Galileoあるいは準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellites System)の測位衛星からの信号に基づいて携帯機器10の位置情報を求めてもよい。
マイク170は、携帯機器10の外部から入力される音を電気的な音信号に変換して制御部100に出力することが可能である。携帯機器10の外部からの音は、マイク穴15から携帯機器10の内部に取り込まれてマイク170に入力される。
スピーカ160は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ160は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。スピーカ160から出力される音は、スピーカ穴14から外部に出力される。ユーザ9は、スピーカ穴14から出力される音を、携帯機器10から離れた場所でも聞こえることが可能である。
レシーバ150は受話音を出力することが可能である。レシーバ150は例えばダイナミックスピーカである。レシーバ150は、制御部100からの電気的な音信号を音に変換して出力することが可能である。レシーバ150から出力される音はレシーバ穴13から外部に出力される。レシーバ穴13から出力される音の音量は、スピーカ穴14から出力される音の音量よりも小さくなっている。ユーザ9は、レシーバ穴13から出力される音を、当該レシーバ穴13に耳を近づけることによって聞くことができる。なお、レシーバ150の代りに、機器ケース11の前面部分を振動させる、圧電振動素子等の振動素子を設けてもよい。この場合には、音は、当該前面部分の振動によりユーザに伝達される。
第1カメラ180は、レンズ181及びイメージセンサなどを備えている。第2カメラ190は、レンズ191及びイメージセンサなどを備えている。第1カメラ180及び第2カメラ190のそれぞれは、制御部100による制御に基づいて被写体を撮影し、撮影した被写体を示す静止画あるいは動画を生成して制御部100に出力することが可能である。
第1カメラ180のレンズ181は、機器ケース11の前面11aから視認可能となっている。したがって、第1カメラ180は、携帯機器10の前面側(表示領域12側)に存在する被写体を撮影することが可能である。第1カメラ180はインカメラと呼ばれる。一方で、第2カメラ190のレンズ191は、機器ケース11の背面11bから視認可能となっている。したがって、第2カメラ190は、携帯機器10の背面側に存在する被写体を撮影することが可能である。第2カメラ190はアウトカメラと呼ばれる。
加速度センサ210は、携帯機器10の加速度を検出することが可能である。加速度センサ210は例えば3軸加速度センサである。加速度センサ210は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の携帯機器10の加速度を検出することが可能である。加速度センサ210のx軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、携帯機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。
地磁気センサ220は、例えば3軸の地磁気センサである。地磁気センサ220は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の磁場を検出することが可能である。地磁気センサ220のx軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、携帯機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。制御部100は、地磁気センサ220の検出結果に基づいて、携帯機器10から見た方位を特定することができる。そして、制御部100は、特定した方位を表示部120に表示させることが可能である。
ジャイロセンサ230は、例えば3軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ230は、x軸、y軸及びz軸のそれぞれの軸周りの角速度を検出することが可能である。ジャイロセンサ230のx軸方向、y軸方向及びz軸方向は、例えば、携帯機器10の長手方向、短手方向及び厚み方向にそれぞれ設定される。制御部100は、ジャイロセンサ230の検出結果に基づいて、x軸方向、y軸方向及びz軸方向のそれぞれの軸周りでの携帯機器10の姿勢の回転角度を求めることができる。
電池240は携帯機器10の電源を出力することが可能である。電池240は例えば充電式の電池である。電池240から出力される電源は、携帯機器10が備える制御部100及び無線通信部110などの各種構成に対して供給される。
なお携帯機器10は、加速度センサ210、地磁気センサ220及びジャイロセンサ230の少なくとも一つのセンサを備えなくてもよい。この場合、携帯機器10は、それとは別体の当該少なくとも一つのセンサと、無線あるいは有線で接続されてよい。
また携帯機器10は、加速度センサ210、地磁気センサ220及びジャイロセンサ230以外のセンサを備えてもよい。例えば、携帯機器10は、気圧センサ、温度センサ、近接センサ及び照度センサの少なくとも一つを備えてもよい。また携帯機器10は、それとは別体の、加速度センサ210、地磁気センサ220及びジャイロセンサ230以外のセンサと、無線あるいは有線で接続されてもよい。
また携帯機器10は、受信部140を備えなくてもよい。この場合、携帯機器10は、それとは別体の受信部140と無線あるいは有線で接続されてよい。
<車載機器の構成の詳細>
図4に示されるように、車載機器60は、制御部600、無線通信部610、表示部620、タッチパネル630、操作ボタン群650及び衛星信号受信部640を備える。さらに車載機器60は、スピーカ660、マイク670、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700を備える。以後、車載機器60の動作を説明する場合に車両6と言えば、特に断らない限り、当該車載機器60が搭載されている車両6を意味する。
制御部600は、車載機器60の他の構成要素を制御することによって、車載機器60の動作を統括的に管理することが可能である。制御部600は制御装置とも言える。制御部600は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含む。
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(IC)として、又は複数の通信可能に接続された集積回路IC及び/又はディスクリート回路(discrete circuits)として実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実行されることが可能である。
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続又は処理を実行するように構成された1以上の回路又はユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続き又は処理を実行するように構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、又はこれらのデバイス若しくは構成の任意の組み合わせ、又は他の既知のデバイス及び構成の組み合わせを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
本例では、制御部600は、CPU601、DSP602及び記憶部603を備える。記憶部603は、携帯機器10の記憶部103と同様に、ROM及びRAMなどの、CPU601及びDSP602が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含む。記憶部603には、車載機器60を制御するための複数の制御プログラム603a等が記憶されている。制御部600の各種機能は、CPU601及びDSP602が記憶部603内の各種制御プログラム603aを実行することによって実現される。
なお、携帯機器10の制御部100と同様に、制御部600は、複数のCPU601を備えてもよいし、DSP602を備えなくてもよいし、複数のDSP602を備えてもよい。また、制御部600の全ての機能あるいは制御部600の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、携帯機器10の記憶部103と同様に、記憶部603は、ROM及びRAM以外の、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体を備えてもよい。
記憶部603内の複数の制御プログラム103aには、様々なアプリケーションが含まれている。記憶部603には、例えば、車載機器60のユーザに対して地図等を用いて経路案内を行うためのナビゲーションアプリケーション、記憶部603に記憶されている音楽データの再生制御を行うための音楽再生制御アプリケーション、記憶部603に記録されている動画データの再生制御を行うための動画再生制御アプリケーションなどが記憶されている。記憶部603内の少なくとも一つのアプリケーションは、記憶部603内にあらかじめ記憶されているものであってよい。また、記憶部603内の少なくとも一つのアプリケーションは、車載機器60が他の装置からダウンロードして記憶部603内に記憶したものであってよい。
無線通信部610は、アンテナ611を有している。無線通信部610は、アンテナ611を用いて、例えば複数種類の通信方式で無線通信することが可能である。無線通信部610の無線通信は、制御部600によって制御される。無線通信部610は通信回路であると言える。
無線通信部610は、ラジオ放送の信号を受信することが可能である。また、無線通信部610は、路側機5及び携帯機器10と無線通信することが可能である。無線通信部610は、例えば、700MHz帯通信を使用して、路側機5及び携帯機器10と無線通信することが可能である。また、車載機器60の無線通信部610は、700MHz帯通信を使用して、他の車載機器60の無線通信部610と直接的に無線通信することができる。
また、無線通信部610は、Wifi等の無線LANを用いて無線通信を行うことが可能である。また無線通信部610は、近距離無線通信を行うことが可能である。例えば、無線通信部610は、Bluetoothに準拠して無線通信することが可能である。無線通信部610は、ZigBee及びNFCの少なくとも一方に準拠して無線通信することが可能であってもよい。
無線通信部610は、アンテナ611で受信した信号に対して増幅処理等の各種処理を行い、処理後の受信信号を制御部600に出力する。制御部600は、入力される受信信号に対して各種処理を行って、当該受信信号に含まれる情報を取得する。また、制御部600は、情報を含む送信信号を無線通信部610に出力する。無線通信部610は、入力される送信信号に対して増幅処理等の各種処理を行って、処理後の送信信号をアンテナ611から無線送信する。
なお、無線通信部610は、携帯電話システムの基地局と無線通信することが可能であってもよい。この場合、無線通信部610は、基地局及びインターネット等のネットワークを通じて、携帯電話機及びウェブサーバ等と通信することが可能となる。
表示部620は、例えば、液晶表示パネルあるいは有機ELパネルを備えている。表示部620は、制御部600によって制御されることによって、文字、記号、図形などの各種情報を表示することが可能である。
タッチパネル630は、表示部620の表示画面に対する指等の操作子による操作を検出することが可能である。タッチパネル630は、例えば、投影型静電容量方式のタッチパネルである。車載機器60のユーザが指等の操作子によって、表示部620の表示画面に対して操作を行ったとき、その操作に応じた電気信号をタッチパネル630は制御部600に入力することが可能である。制御部600は、タッチパネル630からの電気信号に基づいて、表示画面に対して行われた操作の内容を特定することが可能である。そして制御部600は、特定した操作内容に応じた処理を行うことが可能である。
操作ボタン群650は、複数の操作ボタンを備える。操作ボタン群650の各操作ボタンは、例えばハードウェアボタンである。各操作ボタンは、ユーザによって操作されると、操作されたことを示す操作信号を制御部600に出力することが可能である。これにより、制御部600は、各操作ボタンについて、当該操作ボタンが操作されたか否かを判断することができる。操作信号が入力された制御部600が他の構成要素を制御することによって、車載機器60では、操作された操作ボタンに割り当てられている機能が実行される。
衛星信号受信部640は、測位衛星が送信する衛星信号を受信することが可能である。そして、衛星信号受信部640は、受信した衛星信号に基づいて、車両6の位置を示す位置情報を取得することが可能である。衛星信号受信部640が取得する位置情報には、例えば、車両6の位置を示す緯度経度が含まれる。制御部600は、衛星信号受信部640を動作させたり、その動作を停止したりすることが可能である。以後、衛星信号受信部640を単に「受信部640」と呼ぶことがある。
受信部640は、例えばGPS受信機であって、GPSの測位衛星からの無線信号を受信することが可能である。受信部640は、受信した無線信号に基づいて車両6の現在位置を例えば緯度経度で算出し、算出した緯度経度を含む位置情報を制御部600に出力する。なお受信部640は、携帯機器10の受信部140と同様に、GPS以外のGNSSの測位衛星からの信号に基づいて携帯機器10の位置情報を求めてもよい。
スピーカ660は、例えばダイナミックスピーカである。スピーカ660は、制御部600からの電気的な音信号を音に変換し、それによって得られた音を車載機器60の外部に出力することが可能である。
マイク670は、車載機器60の外部の音を検出することが可能である。マイク670は、検出した音を電気的な音信号に変換して制御部600に出力することが可能である。
加速度センサ680は、車載機器60の加速度を検出することが可能である。言い換えれば、加速度センサ680は、車両6の加速度を検出することが可能である。加速度センサ680は例えば3軸加速度センサである。地磁気センサ690は、例えば3軸の地磁気センサである。地磁気センサ690は、x軸方向、y軸方向及びz軸方向の磁場を検出することが可能である。ジャイロセンサ700は、例えば3軸ジャイロセンサである。ジャイロセンサ700は、x軸、y軸及びz軸のそれぞれの軸周りの角速度を検出することが可能である。制御部600は、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700での検出結果に基づいて、車両6の進行方向等を特定することが可能である。また制御部600は、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700での検出結果に基づいて、受信部640で取得される位置情報を補正することが可能である。
なお車載機器60は、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700の少なくとも一つのセンサを備えなくてもよい。この場合、車載機器60は、それとは別体の当該少なくとも一つのセンサと、無線あるいは有線で接続されてよい。また車載機器60は、携帯機器10と同様に、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700以外のセンサを備えてもよい。この場合、車載機器60は、それとは別体の、加速度センサ680、地磁気センサ690及びジャイロセンサ700以外のセンサと、無線あるいは有線で接続されてもよい。
<携帯機器の制御部の機能ブロック>
図6は、CPU101及びDSP102が記憶部103内の制御プログラム103aを実行することによって形成される一部の機能ブロックを示す図である。
図6に示されるように、制御部100は、機能ブロックとして、歩数計測部300、状態特定部310及び通知決定部320を備えている。歩数計測部300、状態特定部310及び通知決定部320の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
状態特定部310は、ユーザ9についての様々な状態を特定することが可能である。言い換えれば、状態特定部310は、ユーザ9が持つ携帯機器10についての様々な状態を特定することが可能である。状態特定部310は、例えば、停止移動特定部311及び位置判定部312を備えている。停止移動特定部311及び位置判定部312の少なくとも一方は、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
停止移動特定部311は、ユーザ9の停止及び移動に関する、当該ユーザ9の状態を特定する停止移動特定を行うことが可能である。停止移動特定部311は、停止移動特定において、ユーザ9が停止していることと、ユーザ9が移動していることとを特定することが可能である。言い換えれば、停止移動特定部311は、ユーザ9の状態が、停止している状態であるのか、移動している状態であるかを判定することが可能である。さらに言い換えれば、停止移動特定部311は、ユーザ9が移動しているか否かを判定することが可能である。ユーザ9の停止は携帯機器10の停止であると見ることができることから、停止移動特定部311は、携帯機器10が停止しているか否かを判定することができると言える。停止移動特定部311は、例えば、受信部140で取得される位置情報及び加速度センサ210で検出される加速度の少なくとも一方に基づいて、ユーザ9が停止していることと、ユーザ9が移動していることを特定することが可能である。
また停止移動特定部311は、停止移動特定において、ユーザ9の停止と、ユーザ9の移動開始とを特定することが可能である。停止移動特定部311は、ユーザ9の状態が、移動している状態から停止している状態に変化すると、ユーザ9が停止したと判断する。また停止移動特定部311は、ユーザ9の状態が、停止している状態から移動している状態に変化すると、ユーザ9が移動開始したと判断する。
ユーザ9の停止は、携帯機器10の移動停止と言えることから、停止移動特定部311は、携帯機器10の移動停止を特定することができると言える。またユーザ9の移動開始は、携帯機器10の移動開始と言えることから、停止移動特定部311は、携帯機器10の移動開始を特定することができると言える。
また停止移動特定部311は、停止移動特定において、ユーザ9が移動していると判断する場合にユーザ9の移動手段を特定することが可能である。例えば、停止移動特定部311は、加速度センサ210で検出される加速度に基づいて、ユーザ9が乗り物に乗らずに自力で移動しているのか、ユーザ9が乗り物に乗って移動しているのかを特定することができる。ここで、ユーザ9が自力で移動するとは、ユーザ9が乗り物に乗らずに自らの足で移動することを意味する。ユーザ9が自力で移動することを「自力移動」と呼ぶと、停止移動特定部311はユーザ9の自力移動を特定することが可能であると言える。また、ユーザ9が乗り物に乗って移動することを「乗り物移動」と呼ぶと、停止移動特定部311はユーザ9の乗り物移動を特定することが可能である。
停止移動特定部311が特定することが可能な自力移動には、ユーザ9が歩いて移動することと、ユーザ9が走って移動することとが含まれる。ユーザ9が走って移動することを「走行」と呼ぶと、自力移動には、歩行及び走行が含まれる。また、停止移動特定部311が特定することが可能な乗り物移動には、ユーザ9が自転車で移動することと、ユーザ9が、自動車、電車及びバスなどの、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物で移動することとが含まれる。
以後、自転車と、それよりも速く移動することが可能な乗り物とを区別するために、単に「乗り物」と言えば、自転車よりも速く移動することが可能な乗り物を意味する。また、ユーザ9が自力移動する場合の移動手段の名称として「自力」を使用し、ユーザ9が歩いて移動する場合の移動手段の名称として「歩き」を使用し、ユーザ9が走って移動する場合の移動手段の名称として「走り」を使用する。
ここで、携帯機器10の加速度が、当該携帯機器10を持つユーザ9の移動手段に応じた固有の時間変化のパターンを示すことが知られている。停止移動特定部311は、加速度センサ210で検出される加速度の時間変化のパターンが、「歩き」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「歩き」であると特定する。また、停止移動特定部311は、加速度センサ210で検出される加速度の時間変化のパターンが、「走り」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「走り」であると特定する。また、停止移動特定部311は、加速度センサ210で検出される加速度の時間変化のパターンが、「自転車」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「自転車」であると特定する。そして、停止移動特定部311は、加速度センサ210で検出される加速度の時間変化のパターンが、「乗り物」に応じたパターンを示す場合には、ユーザ9の移動手段が「乗り物」であると特定する。
このようにして、停止移動特定部311は、ユーザ9の移動手段が、歩き、走り、自転車及び乗り物のいずれであるのかを特定することができる。制御部100は、例えば、停止移動特定部311で特定される移動手段と、ユーザ9の移動距離(携帯機器10の移動距離)とを、表示部120に表示させることができる。これにより、ユーザ9は、歩行距離、走行距離、自転車での移動距離及び乗り物での移動距離を区別して確認することができる。制御部100は、例えば、受信部140で取得される位置情報に基づいて、ユーザ9の移動距離を求めることができる。
位置判定部312は、ユーザ9が所定領域(所定場所)に位置するか否かを判定することが可能である。言い換えれば、位置判定部312は、携帯機器10が所定領域(所定場所)に位置するか否かを判定することが可能である。所定領域としては、例えば、歩行者と車両6との事故が発生しやすい場所と、その近傍とを含む領域とが採用される。所定領域には、例えば、交差点2とその近傍を含む交差点領域、T字路とその近傍を含むT字路領域及び子供の通学路とその近傍を含む通学路領域とが含まれる。
位置判定部312は、例えば、受信部140で取得される位置情報と、記憶部103に記憶される地図情報とに基づいて、ユーザ9が所定領域に位置するか否かを判定することが可能である。また位置判定部312は、交差点2等に配置されている路側機5からの信号を無線通信部110が受信できるか否かに基づいて、ユーザ9が所定領域に位置するか否かを判定してもよい。
以上のように、状態特定部310は、ユーザ9についての様々な状態を特定することが可能である。なお、状態特定部310が特定するユーザ9の状態の種類は上記の限りではない。
歩数計測部300は、自力移動しているユーザ9の歩数を計測することが可能である。歩数計測部300は、例えば、加速度センサ210で検出される加速度に基づいて、自力移動しているユーザ9の歩数を計測する。歩数計測部300は、ユーザ9が歩行あるいは走行していると停止移動特定部311が特定しているときに、ユーザ9の歩数を計測する。制御部100は、歩数計測部300で測定される歩数を表示部120に表示させることが可能である。
通知決定部320は、携帯機器10が当該携帯機器10の外部に通知を行うか否かを決定することが可能である。通知決定部320は、例えば、状態特定部310で特定されるユーザ9の状態に基づいて、携帯機器10が当該携帯機器10の外部に通知を行うか否かを決定する。
例えば、ユーザ9が交差点領域に位置すると位置判定部312が判定し、かつユーザ9の移動手段が「走り」であると停止移動特定部311が特定する場合、通知決定部320は、携帯機器10が当該携帯機器10の外部に通知を行うことを決定する。また、ユーザ9が交差点領域に位置すると位置判定部312が判定し、かつユーザ9の移動手段が「自転車」であると停止移動特定部311が特定する場合、通知決定部320は、携帯機器10が当該携帯機器10の外部に通知を行うか否かを決定する。
通知決定部320が、携帯機器10が当該携帯機器10の外部に通知を行うことを決定すると、例えば、交差点領域に位置する車両6に対してユーザ9(歩行者)が近くに存在することを通知するための存在通知情報が無線通信部110から路側機5に通知される。存在通知情報には、停止移動特定部311が特定するユーザ9の移動手段を示す情報が含まれてもよい。路側機5は、受信した存在通知情報を、交差点領域に存在する車両6に送信する。このとき、路側機5は、例えばブロードキャストで存在通知情報を送信する。車両6は、受信した存在通知情報に基づいて、例えば運転者に対して警告を行う。車両6は、例えば、車載機器60を利用して、歩行者が近くにいることを運転者に通知する。これにより、交差点領域に存在する車両6の運転者は、当該交差点領域に人が存在することを認識しながら運転を行うことができる。その結果、車両6の運転の安全性が向上する。
なお、携帯機器10がその外部に通知する情報の内容は上記の例に限られない。また、携帯機器10は車両6に対して直接通知を行うことも可能である。
<車載機器の制御部の機能ブロック>
図7は、CPU601及びDSP602が記憶部603内の制御プログラム603aを実行することによって形成される一部の機能ブロックの一例を示す図である。
図7に示されるように、制御部100は、機能ブロックとして、停止判定部750及び乗車人数特定部760を備える。停止判定部750及び乗車人数特定部760の少なくとも一方は、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
停止判定部750は、車両6が停止しているか否かを判定することが可能である。ここで、車両6の停止とは、日本の道路交通法での「停車」及び「駐車」の両方を含む概念である。停止判定部750は、例えば、車両6の車軸の回転数を検出するセンサ800での検出結果等に基づいて、当該車両6が停止しているか否かを判定する。停止判定部750は、車両6が走行しているか否かを判定することが可能であるとも言える。センサ800は、車載機器60の制御部600と有線あるいは無線で電気的に接続されている。センサ800は、車載機器60の一部であるとしてもよい。
乗車人数特定部760は、停止している車両6内での乗車人数を特定することが可能である。乗車人数の特定方法については後で詳細に説明する。
<停止している車両が外部に行う通知>
図8は、停止している車両6A(以後、「停止車両6A」と呼ぶことがある)と、走行している車両6B(以後、「走行車両6B」と呼ぶことがある)の車道7上での様子の一例を示す図である。図8には、走行車線70A及び追越車線70Bを有する車道7が示されている。図8の例では、停止車両6Aは走行車線70に停止しており、走行車両6Bは追越車線70Bを走行している。また図8には、停止車両6Aの車載機器60の700MHz帯通信の通信エリア615が破線で模式的に示されている。通信エリア615の半径は、例えば、数十m〜200m程度である。
図8の例において、走行車両6Bが停止車両6Aに対してその後方から近づく場合に、停止車両6Aから人が急に車道7に飛び出す可能性がある。したがって、走行車両6B内の運転者等は、その前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性を事前に認識できることが好ましい。一方で、停止車両6A内の乗車人数が多いほど、当該停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いと考えることができる。
そこで、本例では、停止車両6Aの車載機器60は、乗車人数特定部760で特定される乗車人数を、例えば700MHz帯通信を使用して当該停止車両6Aの外部に通知する。これにより、停止車両6Aの車載機器60の通信エリア615内に存在する走行車両6Bの車載機器60は、停止車両6A内の乗車人数を認識することができる。よって、走行車両6Bの車載機器60が、受け取った乗車人数に基づいて、当該走行車両6B内の人に対して所定の通知を行うことによって、当該走行車両6B内の運転者等は、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性を認識することが可能となる。以下にこの点について詳細に説明する。
図9は、停止している車両6の車載機器60の動作の一例を示すフローチャートである。車両6の車載機器60は、当該車両6が停止していると停止判定部750が判定する場合に、図9に示される処理を繰り返し実行する。
図9に示されるように、ステップs1において、乗車人数特定部760は車両6内の乗車人数を特定する。そしてステップs2において、制御部600は、ステップs1で特定された乗車人数を含む信号を、無線通信部610に例えばブロードキャストで送信させる。無線通信部610は、乗車人数を含む信号を、700MHz帯通信を用いて送信する。これにより、車両6内の乗車人数が、当該車両6の外部に通知される。その後、ステップs1が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。
図10は、走行している車両6の車載機器60の動作の一例を示すフローチャートである。車両6の車載機器60は、当該車両6が停止していないと停止判定部750が判定する場合に、言い換えれば、当該車両6が走行していると停止判定部750が判定する場合に、図10に示される処理を繰り返し実行する。
図10に示されるように、ステップs11において、走行している車両6の車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60から乗車人数が通知されると、ステップs12を実行する。ステップs12では、車載機器60は、ステップs11で無線通信部610が受け取った乗車人数に基づいて、車両6内の人に対する通知を行う。その後、ステップs11が再度実行されると、以後、車載機器60は同様に動作する。
ステップs12では、例えば、制御部600が、通知された乗車人数を表示部620に所定時間表示させる。あるいは、制御部600は、通知された乗車人数を通知するための音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。あるいは、制御部600は、通知された乗車人数を表示部620に所定時間表示させるとともに、通知された乗車人数を通知するための音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。これにより、走行車両6B内の運転者等は、停止車両6A内の乗車人数を知ることができる。よって、走行車両6B内の運転者等は、停止車両6Aから人が飛び出す可能性を認識することができる。例えば、停止車両6A内の乗車人数が多ければ、走行車両6B内の運転者等は、当該停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いと認識する。一方で、停止車両6A内の乗車人数が少なければ、走行車両6B内の運転者等は、当該停止車両6Aから人が飛び出す可能性が低いと認識する。
上述の図8の例では、停止車両6Aの車載機器60の通信エリア615に存在する走行車両6Bの車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60から、停止車両6A内の乗車人数が通知される。走行車両6Bの車載機器60は、通知された乗車人数に基づいて、走行車両6B内の人に対して通知を行う。これにより、走行車両6B内の運転者等は、追い越そうとする前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性を認識することができる。よって、走行車両6Bの安全運転を実現することができる。
なお、走行車両6Bの車載機器60は、ステップs12において、通知された乗車人数に基づいて、車両6内の人に対して他の通知を行ってもよい。例えば、車載機器60は、通知された乗車人数に基づいて、車両6内の人に対して危険度を通知してもよい。この場合、制御部600は、例えば、乗車人数が0の場合には危険度を“0”とし、乗車人数が1以上3以下の場合には危険度を“1”として、乗車人数が4以上の場合には危険度を“2”とする。そして、制御部600は、乗車人数に基づいて求めた危険度を表示部620に表示させる。あるいは、制御部600は、求めた危険度を表示部620に表示させることに替えて、あるいはこれに加えて、当該危険度を通知するための音声を少なくとも1回スピーカ660から出力させる。これにより、走行車両6B内の運転者等は、通知される危険度が大きいほど、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを認識することができる。
また、停止車両6Aの車載機器60は、ステップs2において、ステップs1で特定された乗車人数に応じた情報を、当該停止車両6Aの外部に通知してもよい。例えば、車載機器60の制御部600は、特定した乗車人数に基づいて上記の危険度を求めて、求めた危険度を無線通信部110に出力させてもよい。この場合、走行車両6Bの車載機器60は、ステップs11において、停止車両6Aの車載機器60から危険度を受け取ることになる。そして、ステップs12において、車載機器60の制御部600は、例えば、受け取った危険度を表示部620に表示させる。あるいは、制御部600は、危険度を表示部620に表示させることに替えて、あるいはこれに加えて、危険度を通知するための音声を少なくとも1回スピーカ660から出力させる。
以上のように、車両6が停止している場合、当該車両6の車載機器60は、当該車両6内の乗車人数あるいは当該乗車人数に応じた情報を当該車両6の外部に通知することから、車載機器60の利便性が向上する。
<乗車人数特定方法>
乗車人数特定部760が乗車人数を特定する方法については様々な方法が考えられる。以下に、乗車人数の特定方法の複数の例について説明する。
<乗車人数特定方法の第1の例>
本例では、乗車人数特定部760は、無線通信部610が通信可能な車両6内の電子機器の数に基づいて、当該車両6内での乗車人数を特定する。
例えば、乗車人数特定部760は、車両6が停止している場合に無線通信部610が受信するWifiのSSID(Service Set Identifier)の数を、当該車両6内の乗車人数とする。無線通信部610が受信するWifiのSSIDの数は、無線通信部610が通信可能な車両6内の電子機器の数と見なすことができる。これにより、車両6内の各乗車者が、携帯機器10等のWifiに対応した電子機器を携帯する場合には、車載機器60では、各乗車者の電子機器が送信するWifiのSSIDの数が、乗車人数とされる。なお、車両6が停止している場合に無線通信部610がSSIDを受信しない場合には、乗車人数特定部760は乗車人数を0とする。また、乗車人数特定部760は、車両6が停止している場合に無線通信部610が受信するBluetoothの識別情報の数を、当該車両6内の乗車人数としてもよい。
<乗車人数特定方法の第2の例>
本例では、乗車人数特定部760は、マイク670の出力信号に含まれる音声の種類に基づいて、車両6内の乗車人数を特定する。言い換えれば、乗車人数特定部760は、マイク670で検出される音声の種類に基づいて、車両6内の乗車人数を特定する。
本例では、まず、乗車人数特定部760は、マイク670の出力信号に含まれる音声の種類を特定する。そして、乗車人数特定部760は、特定した音声の種類の数を、車両6内の乗車人数とする。
上記の第1の例では、無線通信部610が通信可能な車両6内の電子機器の数に基づいて乗車人数が特定されることから、車両6内の同じ人が複数の電子機器を携帯している場合には、乗車人数を正しく特定できない可能性がある。これに対しては、本例では、マイク670の出力信号に含まれる音声の種類に基づいて乗車人数が特定されることから、より正しく乗車人数を特定することができる。
なお、スピーカ660から音楽等の音が出力されている場合には、乗車人数特定部760は、乗車人数を特定する場合に、マイク670の出力信号に対して、スピーカ660の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。このキャンセル処理では、マイク670の出力信号に対して、スピーカ660の出力音の逆位相の信号が重畳されることによって、当該出力信号から当該出力音の成分が除去される。乗車人数特定部760は、キャセル処理後のマイク670の出力信号に含まれる音声の種類を特定し、特定した種類の数を乗車人数とする。これにより、スピーカ660の出力音の影響により、乗車人数が正しく特定されない可能性を低減することができる。
<乗車人数特定方法の第3の例>
図11は、本例の乗車人数特定部760の動作を説明するための図である。図11に示されるように、本例に係る乗車人数特定方法は、車両6内に複数のマイク810が設けられていることを前提としている。複数のマイク810は、例えば、車両6内の複数の座席にそれぞれ設けられている。マイク810は、例えば座席の内部に埋め込まれている。複数のマイク810は、車載機器60の制御部600と有線あるいは無線で電気的に接続されている。複数のマイク810は、車載機器60の一部であるとしてもよい。
乗車人数特定部760は、車両6内の複数のマイク810のうち、その出力信号に音声が含まれるマイク810の数に基づいて、当該車両6内の乗車人数を特定する。言い換えれば、乗車人数特定部760は、車両6内の複数のマイク810のうち、音声を検出するマイク810の数に基づいて、当該車両6内の乗車人数を特定する。
具体的には、乗車人数特定部760は、複数のマイク810のうち、その出力信号に音声が含まれるマイク810の数を、乗車人数とする。これにより、乗車人数をより正しく特定することができる。
なお、スピーカ660から音楽等の音が出力されている場合には、乗車人数特定部760は、乗車人数を特定する場合に、上記と同様にして、各マイク810の出力信号に対して、スピーカ660の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。乗車人数特定部760は、複数のマイク810のうち、キャンセル処理後のその出力信号に音声が含まれるマイク810の数に基づいて乗車人数を特定する。これにより、スピーカ660の出力音の影響により、乗車人数が正しく特定されない可能性を低減することができる。
<乗車人数特定方法の第4の例>
図12は、本例の乗車人数特定部760の動作を説明するための図である。図12に示されるように、本例に係る乗車人数特定方法は、車両6内を撮影するカメラ820が当該車両6に設けられていることを前提としている。カメラ820は、その撮影画像に、車両6内の全座席が写るように配置される。カメラ820は、例えば、車載機器60の表示部620の近くに設けられてもよいし、車両6内のバックミラー部に設けられてもよいし、車両6の外側のサイドミラー部に設けられてもよい。カメラ820は、車載機器60の制御部600と有線あるいは無線で電気的に接続されている。カメラ820は、車載機器60の一部であるとしてもよい。
乗車人数特定部760は、カメラ820の撮影画像に基づいて乗車人数を特定する。具体的には、乗車人数特定部760は、カメラ820の撮影画像に対して画像処理を行って、当該撮影画像に写る人(乗車者)の人数を特定する。そして、乗車人数特定部760は、特定した人数を、車両6内の乗車人数とする。これにより、乗車人数をより正しく特定することができる。
なお、車両6が走行しているときに、カメラ820が当該車両6内以外を撮影している場合には、当該車両6が停止したときに、当該カメラ820の向き変えて、当該カメラ820が当該車両6内を撮影するようにしてもよい。
<乗車人数特定方法の第5の例>
図13は、本例の乗車人数特定部760の動作を説明するための図である。図13に示されるように、本例に係る乗車人数特定方法は、車両6内に複数の荷重検出センサ830が設けられていることを前提としている。複数の荷重検出センサ830は、車両6内の複数の座席にかかる荷重をそれぞれ検出することが可能である。複数の荷重検出センサ830は、車載機器60の制御部600と有線あるいは無線で電気的に接続されている。複数の荷重検出センサ830は車載機器60の一部であるとしてもよい。
乗車人数特定部760は、複数の荷重検出センサ830での検出結果に基づいて乗車人数を特定する。具体的には、乗車人数特定部760は、複数の荷重検出センサ830のうち、しきい値以上の荷重を検出している荷重検出センサ830の数を、乗車人数とする。あるいは、乗車人数特定部760は、複数の荷重検出センサ830のうち、しきいよりも大きい荷重を検出している荷重検出センサ830の数を、乗車人数とする。これにより、乗車人数をより正しく特定することができる。
<乗車人数特定方法の第6の例>
図14は、本例の乗車人数特定部760の動作を説明するための図である。図14に示されるように、本例に係る乗車人数特定方法は、車両6内に複数のセンサ840が設けられていることを前提としている。複数のセンサ840は、車両6内の複数の座席についてのシートベルトの着用の有無をそれぞれ検出することが可能である。複数のセンサ840は、車載機器60の制御部600と有線あるいは無線で電気的に接続されている。複数のセンサ840は車載機器60の一部であるとしてもよい。
乗車人数特定部760は、複数のセンサ840での検出結果に基づいて乗車人数を特定する。つまり、乗車人数特定部760は、車両6内の複数のシートベルトの着用の有無に基づいて乗車人数を特定する。具体的には、乗車人数特定部760は、複数のセンサ840のうち、シートベルトの着用を検出するセンサ840の数を、乗車人数とする。これにより、乗車人数をより正しく特定することができる。
<停止車両内の携帯機器による乗車人数特定及び通知>
上記の例では、停止車両6Aの車載機器60が、当該停止車両6A内の乗車人数を特定し、特定した乗車人数あるいは当該乗車人数に応じた情報を、当該停止車両6Aの外部に通知していたが、停止車両6A内の携帯機器10が、当該停止車両6A内の乗車人数を特定し、特定した乗車人数あるいは当該乗車人数に応じた情報を、当該停止車両6Aの外部に通知してもよい。つまり、停止車両6A内の携帯機器10が図9に示される処理と同様の処理を実行してもよい。図15はこの場合の携帯機器10の制御部100の構成の一例を示すブロック図である。以後、携帯機器10の動作を説明する場合に車両6と言えば、特に断らない限り、当該携帯機器10がその中に存在する車両6を意味する。
図15に示される制御部100は、上述の図6に示される制御部100と比較して、車内判定部313及び乗車人数特定部360をさらに備えるものである。状態特定部310は、車内判定部313を備える。
車内判定部313は、ユーザ9が車両6内に存在するか否かを判定する車内判定を行うことが可能である。ユーザ9が車両6内に存在する状態は、携帯機器10が車両6内に存在する状態であると言えることから、車内判定部313は、携帯機器10が車両6内に存在するか否かを判定する車内判定を行うことが可能であると言える。車内判定については後で詳細に説明する。
携帯機器10の乗車人数特定部360は、当該携帯機器10が停止車両6A内に存在する場合に、当該停止車両6A内の乗車人数を特定することが可能である。
携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が停止していると停止移動特定部311が特定する場合、上述の図9の処理と同様の処理を繰り返し実行する。携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が停止していると停止移動特定部311が特定する場合には、当該携帯機器10は停止車両6A内に存在すると言えることから、携帯機器10は、停止車両6A内に存在するときに、図9の処理と同様の処理を繰り返し実行する。
図9のステップs1に相当するステップでは、停止車両6A内の携帯機器10の乗車人数特定部360が、当該停止車両6A内の乗車人数を特定する。そして、ステップs2に相当するステップでは、制御部100が、乗車人数特定部360で特定された乗車人数を含む信号を、無線通信部110に送信させる。無線通信部110は、700MHz帯通信を用いて、乗車人数を含む信号をブロードキャストで送信する。携帯機器10から乗車人数が通知された、走行車両6Bの車載機器60は、上記と同様に動作する。なお、停止車両6A内の携帯機器10は、上記と同様に、乗車人数特定部360で特定された乗車人数に応じた情報を、無線通信部110に出力させてもよい。
ここで、車両6が備える、エンジン等の動力源が停止した場合、当該車両6の車載機器60も動作が停止する場合がある。このような場合、停止車両6Aの車載機器60が図9の処理を実行するとなると、当該停止車両6Aの動力源が停止した後は、車載機器60は、当該停止車両6A内の乗車人数あるいはそれに応じた情報を、当該停止車両6Aの外部に通知することはできない。
これに対して、停止車両6A内の携帯機器10が図9の処理と同様の処理を行う場合には、当該停止車両6Aの動力源が停止した場合であっても、当該停止車両6A内の乗車人数あるいはそれに応じた情報を、当該携帯機器10が当該停止車両6Aの外部に通知することができる。
なお、停止車両6A内に複数の携帯機器10が存在する場合には、当該複数の携帯機器10のいずれか一つの携帯機器10が図9の処理と同様の処理を行う。例えば、車両6内の複数の携帯機器10のうち、当該車両6が停止する直前に、当該車両6の車載機器60とWifiあるいはBluetoothを用いて相互に通信していた携帯機器10が図9の処理と同様の処理を行う。また、停止車両6A内の複数の携帯機器10のうち、それに割り当てられた識別番号(例えば製造番号)が例えば最も小さい携帯機器10が、図9の処理と同様の処理を行ってもよい。この場合、停止車両6A内の複数の携帯機器10は、自身に割り当てられた識別番号をWifi等を用いて交換する。そして、当該複数の携帯機器10のそれぞれは、自身の識別番号と受け取った識別番号から成る複数の識別番号のうち、自身の識別番号が最も小さければ、図9の処理と同様の処理を行う。以後、図9の処理と同様の処理を行う携帯機器10を特に「第1特定携帯機器10」と呼ぶことがある。また、車両6内での第1特定携帯機器10を携帯する乗車者(ユーザ9)を「第1特定乗車者」と呼ぶことがある。
<携帯機器での乗車人数特定>
第1特定携帯機器10の乗車人数特定部360は、車載機器60の乗車人数特定部760と同様にして、停止車両6A内の乗車人数を特定することができる。例えば、上述の<乗車人数特定方法の第1の例>と同様に、乗車人数特定部360は、無線通信部110が通信可能な車両6内の電子機器の数に基づいて、当該車両6内での乗車人数を特定することができる。この場合、乗車人数特定部360は、例えば、車両6が停止している場合に無線通信部110が受信するWifiのSSIDの数に対して1を足した値を、当該車両6内の乗車人数とする。無線通信部110が受信するWifiのSSIDの数は、無線通信部110が通信可能な車両6内の電子機器の数と見なすことができる。停止車両6A内での、第1特定乗車者以外の各乗車者が、携帯機器10等のWifiに対応した電子機器を携帯する場合には、第1特定携帯機器10では、第1特定乗車者以外の各乗車者の電子機器が送信するWifiのSSIDが受信される。なお、車両6が停止している場合に無線通信部110がSSIDを受信しない場合には、乗車人数特定部360は乗車人数を1とする。
また、上述の<乗車人数特定方法の第2の例>と同様に、乗車人数特定部360は、マイク170の出力信号に含まれる音声の種類に基づいて、車両6内の乗車人数を特定することもできる。このとき、スピーカ160から音楽等の音が出力されている場合には、乗車人数特定部360は、上記と同様にして、マイク170の出力信号に対して、スピーカ160の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。
また、上述の<乗車人数特定方法の第3の例>と同様に、乗車人数特定部360は、車両6内の複数のマイク810のうち、その出力信号に音声が含まれるマイク810の数に基づいて、当該車両6内の乗車人数を特定することもできる。このとき、スピーカ160から音楽等の音が出力されている場合には、乗車人数特定部360は、上記と同様にして、各マイク810の出力信号に対して、スピーカ160の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。
また、上述の<乗車人数特定方法の第4の例>と同様に、乗車人数特定部360は、カメラ820の撮影画像に基づいて乗車人数を特定することもできる。なお、乗車人数特定部360は、第1カメラ180の撮影画像に基づいて乗車人数を特定してもよい。この場合には、停止車両6A内の第1特定携帯機器10は、その第1カメラ180が当該停止車両6A内を撮影できるように配置されている必要がある。また乗車人数特定部360は、第2カメラ190の撮影画像に基づいて乗車人数を特定してもよい。この場合には、停止車両6A内の第1特定携帯機器10は、その第2カメラ190が当該停止車両6A内を撮影できるように配置されている必要がある。
また、上述の<乗車人数特定方法の第5の例>と同様に、乗車人数特定部360は、複数の荷重検出センサ830での検出結果に基づいて乗車人数を特定することもできる。
また、上述の<乗車人数特定方法の第6の例>と同様に、乗車人数特定部360は、複数のセンサ840での検出結果に基づいて乗車人数を特定することもできる。つまり、乗車人数特定部360は、車両6内の複数のシートベルトの着用の有無に基づいて乗車人数を特定することもできる。
<携帯機器での車内判定>
携帯機器10の車内判定部313での車内判定の方法としては様々な方法が考えられる。以下に車内判定の2つの例について説明する。
<車内判定の第1の例>
車内判定部313は、停止移動特定部311で特定されるユーザ9の移動手段の種類に基づいて、ユーザ9が車両6内に存在するか否かを判定することが可能である。
例えば、車内判定部313は、停止移動特定において、ユーザ9の移動手段が「乗り物」であると判定された場合、ユーザ9(携帯機器10)が車両6内に存在すると判定する。一方で、車内判定部313は、停止移動特定において、ユーザ9の移動手段が「歩き」であると判定された場合と、「走り」であると判定された場合と、「自転車」であると判定された場合には、ユーザ9(携帯機器10)が車両6内に存在しないと判定する。
<車内判定の第2の例>
車内判定部313は、車両6の車載機器60と無線通信部110とが通信接続するために必要な設定(以後、「通信接続設定」と呼ぶことがある)が携帯機器10に行われているか否かに基づいて、ユーザ9が当該車両6の中に存在するか否かを判定することが可能である。具体的には、車内判定部313は、携帯機器10に通信接続設定が行われているとき、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在すると判定する。一方で、車内判定部313は、携帯機器10に通信接続設定が行われていないとき、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在しないと判定する。
車載機器60と携帯機器10との間においてBluetoothのペアリングが完了すると、当該車載機器60と無線通信部110とが通信接続するために必要な通信接続設定が携帯機器10に行われる。車内判定部313は、車載機器60と携帯機器10との間でのペアリングの完了が確認できる場合には、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在すると判定する。一方で、車内判定部313は、当該ペアリングの完了が確認できない場合には、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在しないと判定する。
また、車載機器60と携帯機器10とがWifiで通信接続するために必要な通信接続設定は、当該車載機器60に割り当てられているセキュリティキー(パスワードあるいは暗号キーとも呼ばれる)が携帯機器10に入力されることによって行われる。車内判定部313は、車載機器60が送信するWifiのSSIDを無線通信部110が受信し、そのSSIDに対応するセキュリティキーが記憶部103に記憶されている場合には、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在すると判定する。一方で、車内判定部313は、無線通信部110が受信する、車載機器60からのSSIDに対応するセキュリティキーが記憶部103内に記憶されていない場合には、ユーザ9(携帯機器10)は車両6内に存在しないと判定する。
このように、車内判定部313は、携帯機器10に通信接続設定が行われているか否かに基づいて、ユーザ9(携帯機器10)が車両6内に存在するか否かを判定することができる。
なお、停止車両6Aから通知される乗車人数あるいはそれに応じた情報は、走行車両6B内の携帯機器10で受信されてもよい。走行車両6B内の、乗車人数あるいはそれに応じた情報を受信した携帯機器10は、走行車両6B内の、乗車人数あるいはそれに応じた情報を受信した車載機器60と同様に動作して、走行車両6B内の人に対して通知を行う。
例えば、走行車両6B内の、乗車人数を受信した携帯機器10では、制御部100が、当該乗車人数を表示部120に表示させる。あるいは、制御部100が、当該乗車人数を通知するための音声をスピーカ160から少なくとも1回出力する。
携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が移動していると停止移動特定部311が特定する場合に、乗車人数あるいはそれに応じた情報を受信すると、当該車両6内の人に対して通知を行う。携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が移動していると停止移動特定部311が特定する場合には、当該携帯機器10は走行車両6B内に存在すると言える。
<各種変形例>
以下に実施の形態の各種変形例について説明する。
<第1変形例>
図16は本変形例に係る車載機器60の制御部600に形成される一部の機能ブロックの一例を示す図である。本変形例では、制御部600は、機能ブロックとして、上述の停止判定部750と、座席特定部770と、通知決定部780とを備える。停止判定部750、座席特定部770及び通知決定部780の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
座席特定部770は、停止している車両6内において乗車者が位置する座席を特定することが可能である。例えば、図17に示されるように、車両6内には、番号1〜5までの5つの座席61が存在する場合を考える。例えば、番号1及び2の座席61に人が座っている場合、座席特定部770は、乗車者が位置する座席61が、番号1及び2の座席61であると特定する。また、例えば、番号1〜5の座席のすべてに人が座っている場合、座席特定部770は、乗車者が位置する座席61が、番号1〜5の座席61であると特定する。
通知決定部780は、車両6が停止している場合、座席特定部770での特定結果に基づいて、当該車両6の外部に対する通知が行われるか否かを決定する通知決定処理を行うことが可能である。以後、車両6の外部に対する通知が行われることを「外部通知の実行」と呼び、車両6の外部に対する通知が行われないことを「外部通知の不実行」と呼ぶことがある。
図18は、車両6が停止している場合の本変形例に係る車載機器60の動作の一例を示す図である。本変形例に係る車載機器60は、車両6が停止していると停止判定部750が判定する場合に、図18に示される処理を繰り返し実行する。
図18に示されるように、ステップs21において、座席特定部770は、車両6内において、乗車者が位置する座席を特定する。次にステップs22において、通知決定部780は、ステップs21での特定結果に基づいて、通知決定処理を実行する。その後、ステップs21が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。
図19は通知決定処理の一例を示すフローチャートである。図19に示されるように、通知決定部780は、ステップs31において、ステップs21で特定された、乗車者が位置する座席に、車道側の座席が含まれるか否かを判定する。例えば、日本においては、左側通行が採用されていることから、停止車両6A内の右側の座席が車道側となる。したがって、日本においては、ステップs21で特定された座席に、停止車両6A内の右側の座席が含まれる場合、通知決定部780は、ステップs21で特定された座席に、車道側の座席が含まれると判定する。一方で、ステップs21で特定された座席に、停止車両6A内の右側の座席が含まれない場合、通知決定部780は、ステップs21で特定された座席に、車道側の座席が含まれないと判定する。図17の例では、ステップs21で特定された座席に、1番及び3番の座席61の少なくとも一方が含まれる場合、通知決定部780は、ステップs21で特定された座席に、車道側の座席が含まれていると判定する。なお、米国のように、右側通行が採用されている国では、停止車両6A内の左側の座席(図17の番号2及び番号5の座席61)が車道側となる。
停止車両6A内の複数の座席において、いずれの座席が車道側の座席とされるかは、当該停止車両6Aが使用される国の交通法に基づいて、当該停止車両6Aの車載機器60に予め設定されてもよい。停止車両6Aの車載機器60は、受信部640で取得される位置情報に基づいて当該停止車両6Aが存在する国を特定し、特定した国の交通法に応じて、当該停止車両6A内のいずれの座席を車道側の座席とするのかを自動で決定してよい。停止車両6Aの車載機器60は、標準周波数報時電波に基づいて国識別情報を取得し、取得した国識別情報で特定される国の交通法に応じて、当該停止車両6A内のいずれの座席を車道側の座席とするのかを自動で決定してよい。
ステップs31において、ステップs21で特定された座席に車道側の座席が含まれていると判定されると、ステップs32において、通知決定部780は、外部通知の実行を決定する。一方で、ステップs31において、ステップs21で特定された座席に車道側の座席が含まれていないと判定されると、ステップs33において、通知決定部780は、外部通知の不実行を決定する。
このように、停止車両6A内において乗車者が位置する座席に基づいて、外部通知の実行及び不実行が決定されることから、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いときに、当該停止車両6Aの外部に通知を行うことができる。例えば、停止車両6A内の乗車者が車道側の座席に位置する場合には、当該停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いと考えることができる。よって、停止車両6A内の乗車者が車道側の座席に位置する場合に、外部通知の実行を決定することによって、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いときに、当該停止車両6Aの外部に通知を行うことができる。よって、走行車両6B内の運転者等に対して、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知することが可能となる。
なお、通知決定処理では、ステップs21で特定された、乗車者が位置する座席に、中央の座席(図17の番号4の座席61)が含まれているときにも、外部通知の実行が決定されてもよい。
車両6の車載機器60の通知決定部780が外部通知の実行を決定すると、当該車両6はその外部に対して通知を行う。以下に外部通知の方法の例について説明する。
<第1変形例に係る外部通知の第1の例>
本例では、通知決定部780において外部通知の実行が決定されると、停止している車両6が有する後方のライトが所定時間点灯することによって、当該車両6の外部に対して通知が行われる。
外部通知の実行が決定されると、制御部600は、後方のライトの点灯を指示するための点灯指示情報を、車両6のライト等を制御する車両制御装置に通知する。点灯指示情報を受け取った車両制御装置は、車両6の後方のライトを点灯する。例えば、車両制御装置は、後方の左右の方向指示器(ウィンカー)を所定時間(例えば10秒程度)点滅させる。これにより、図8のように、停止車両6Aに対して後方から近づく走行車両6Bに対して警告が行われる。よって、走行車両6B内の運転者等は、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを認識することができる。
なお、外部通知の実行が決定されると、停止車両6Aは、後方のライトだけではなく、前方のライトを点灯してもよい。停止車両6Aは、例えば、後方の左右の方向指示器前と、前方の左右の方向指示器とを点灯してもよい。停止車両6Aの後方のライトだけが点灯される場合には、停止車両6Aよりも前方に位置する、停止車両6Aのすぐ横を通らない走行車両6B、例えば、停止車両6Aよりも前方に位置する、対向車線を走行する走行車両6Bの運転者等は、停止車両6Aでのライトの点灯が目に入りにくくなる。よって、当該運転者等に対して必要性に乏しい通知が行われる可能性を低減することができる。
また、外部通知の実行が決定されると、停止車両6Aの後方のライトが点灯し、外部通知の不実行が決定されると、停止車両6Aの後方のライトの点灯が停止してもよい。
<第1変形例に係る外部通知の第2の例>
本例では、通知決定部780において外部通知の実行が決定されると、無線通信部610が、車両6の外部に対して通知を行う。
外部通知の実行が決定されると、無線通信部610は、制御部600による制御によって、700MHz帯通信を用いて第1通知情報を送信する。第1通知情報は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための情報である。無線通信部610は、第1通知情報を例えばブロードキャストで送信する。これにより、通信エリア615内に存在する走行車両6Bの車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60からの第1通知情報を受け取ることができる。
図20は、車両6が走行している際の本変形例に係る車載機器60の動作の一例を示すフローチャートである。車両6の車載機器60は、当該車両6が停止していないと停止判定部750が判定する場合に、言い換えれば、当該車両6が走行していると停止判定部750が判定する場合に、図20に示される処理を繰り返し実行する。
図20に示されるように、ステップs41において、走行している車両6の車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60から第1通知情報が通知されると、ステップs42を実行する。ステップs42では、車載機器60は、ステップs41で無線通信部610が受け取った第1通知情報に基づいて、車両6内の人に対する通知を行う。その後、ステップs41が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。
ステップs42では、例えば、制御部600は、第2通知情報を表示部620に所定時間表示させる。第2通知情報は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための情報である。あるいは、制御部600は、所定の音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。この所定の音声は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための音声である。あるいは、制御部600は、第2通知情報を表示部620に所定時間表示させるとともに、所定の音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。これにより、走行車両6B内の運転者等は、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを認識することができる。
なお、第1及び第2通知情報の内容は上記の限りではない。また、第1通知情報を受信した車載機器60がスピーカ660から出力する所定の音声の内容は上記の限りではない。
<乗車者が位置する座席の特定方法>
乗車者が位置する座席を座席特定部770が特定する方法については様々な方法が考えられる。以下に、乗車者が位置する座席の特定方法の複数の例について説明する。
<座席特定方法の第1の例>
本例に係る座席特定方法は、上述の<乗車人数特定方法の第3の例>と同様に、車両6内の複数の座席にそれぞれ設けられた上述の複数のマイク810が当該車両6内に設けられていることを前提としている。
座席特定部770は、車両6内の複数のマイク810の出力信号に基づいて、当該車両6内において乗車者が位置する座席を特定する。具体的には、座席特定部770は、複数のマイク810のうち、その出力信号に音声が含まれるマイク810を特定する。次に座席特定部770は、特定したマイク810が設けられた座席を特定する。そして座席特定部770は、特定した座席を、乗車者が位置する座席とする。これにより、乗車者が位置する座席をより正しく特定することができる。
なお、スピーカ660から音楽等の音が出力されている場合には、座席特定部770は、乗車者が位置する座席を特定する場合に、上記と同様にして、各マイク810の出力信号に対して、スピーカ660の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。座席特定部770は、各マイク810のキャンセル処理後の出力信号に基づいて、乗車者が位置する座席を特定する。これにより、スピーカ660の出力音の影響により、乗車者が位置する座席が正しく特定されない可能性を低減することができる。
<座席特定方法の第2の例>
本例に係る座席特定方法は、上述の<乗車人数特定方法の第4の例>と同様に、車両6内を撮影する上述のカメラ820が当該車両6に設けられていることを前提としている。
座席特定部770は、カメラ820の撮影画像に基づいて、乗車者が位置する座席を特定する。具体的には、座席特定部770は、カメラ820の撮影画像に対して画像処理を行って、当該撮影画像に写る、人が位置する座席を特定する。そして、座席特定部770は、特定した座席を、車両6内の乗車者が位置する座席とする。これにより、乗車者が位置する座席をより正しく特定することができる。
<座席特定方法の第3の例>
本例に係る座席特定方法は、上述の<乗車人数特定方法の第5の例>と同様に、車両6内の複数の座席にかかる荷重をそれぞれ検出する上述の荷重検出センサ830が当該車両6に設けられていることを前提としている。以後、荷重検出センサ830に対応する座席と言えば、当該荷重検出センサ830がそれにかかる荷重を検出する座席を意味する。
座席特定部770は、複数の荷重検出センサ830での検出結果に基づいて、乗車者が位置する座席を特定する。具体的には、座席特定部770は、複数の荷重検出センサ830のうち、しきい値以上の荷重を検出している荷重検出センサ830に対応する座席を特定する。そして、座席特定部770は、特定した座席を、乗車者が位置する座席とする。これにより、乗車者が位置する座席をより正しく特定することができる。
<座席特定方法の第4の例>
本例に係る座席特定方法は、上述の<乗車人数特定方法の第6の例>と同様に、車両6内の複数の座席についてのシートベルトの着用の有無をそれぞれ検出する上述の複数のセンサ840が当車両6に設けられていることを前提としている。以後、センサ840に対応する座席と言えば、当該センサ840がそれについてのシートベルトの有無を検出する座席を意味する。
座席特定部770は、複数のセンサ840での検出結果に基づいて、乗車者が位置する座席を特定する。言い換えれば、座席特定部770は、車両6内の複数の座席についてのシートベルトの着用の有無に基づいて、乗車者が位置する座席を特定する。具体的には、座席特定部770は、複数のセンサ840のうち、シートベルトの着用を検出するセンサ840に対応する座席を特定する。そして、座席特定部770は、特定した座席を、乗車者が位置する座席とする。これにより、乗車者が位置する座席をより正しく特定することができる。
以上のように、本変形例では、停止している車両6の車載機器60が、当該車両6内において乗車者が位置する座席を特定し、その特定結果に基づいて、外部通知の実行及び不実行を決定することから、車載機器60の利便性が向上する。
なお、上述の<第1変形例に係る外部通知の第2の例>では、無線通信部610は、第1通知情報とともに、車両6内での車道側の座席に位置する乗車者の人数も通知してもよい。この場合、当該人数及び第1通知情報を受け取った、走行車両6Bの車載機器60は、表示部620及びスピーカ660の少なくとも一方を利用して、当該人数を当該走行車両6B内の人に対して通知してもよい。停止車両6A内での車道側の座席に位置する乗車者の人数が多いほど、当該停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことから、走行車両6B内の運転者等は、停止車両6A内での車道側の座席に位置する乗車者の人数が通知されることによって、停止車両6Aから人が飛び出す可能性をより正確に認識することができる。例えば、上述の図17の例では、車道側の1番及び3番の座席61のうち、1番の座席61だけに乗車者が位置する場合よりも、1番及び3番の座席61の両方に乗車者が位置する場合の方が、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いと考えることができる。なお、停止車両6A内での車道側の座席に位置する乗車者の人数については、座席特定部770が、車両6内において乗車者が位置する座席を特定するときに求めることができる。
<停止車両内の携帯機器による座席特定及び通知決定処理>
上記の例では、停止車両6Aの車載機器60が、当該停止車両6A内において乗車者が位置する座席を特定し、その特定結果に基づいて、外部通知の実行及び不実行を決定したが、停止車両6A内の携帯機器10が、当該停止車両6A内において乗車者が位置する座席を特定し、その特定結果に基づいて、外部通知の実行及び不実行を決定してもよい。つまり、停止車両6A内の携帯機器10が図18及び図19に示される処理と同様の処理を実行してもよい。図21はこの場合の携帯機器10の制御部100の構成の一例を示すブロック図である。
図21に示される制御部100は、上述の図15に示される制御部100において、乗車人数特定部360の代りに座席特定部370を備えるものである。
携帯機器10の座席特定部370は、当該携帯機器10が停止車両6A内に存在する場合に、当該停止車両6A内において乗車者が位置する座席を特定することが可能である。
携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が停止していると停止移動特定部311が特定する場合、上述の図18及び図19の処理と同様の処理を繰り返し実行する。つまり、携帯機器10は、停止車両6A内に存在するときに、図18及び図19の処理と同様の処理を繰り返し実行する。
図18のステップs21に相当するステップでは、停止車両6A内の携帯機器10の座席特定部370が、当該停止車両6A内において乗車者が位置する座席を特定する。そして、ステップs22に相当するステップでは、通知決定部320が、座席特定部370での特定結果に基づいて、通知決定処理を行う。
図19のステップs31に相当するステップでは、通知決定部320は、座席特定部370で特定された、乗車者が位置する座席に、車道側の座席が含まれるか否かを判定する。通知決定部320は、座席特定部370で特定された、乗車者が位置する座席に、車道側の座席が含まれると判定すると、ステップs32に相当するステップで、外部通知の実行を決定する。一方で、通知決定部320は、座席特定部370で特定された、乗車者が位置する座席に、車道側の座席が含まれていないと判定すると、ステップs33に相当するステップで、外部通知の不実行を決定する。
停止車両6A内の携帯機器10が外部通知の実行を決定すると、例えば、上述の<第1変形例に係る外部通知の第1の例>と同様に、当該停止車両6Aが有する後方のライトが所定時間点灯することによって、当該停止車両6Aの外部に対して通知が行われる。この場合、外部通知の実行を決定した携帯機器10の制御部100は、後方のライトの点灯を指示するための点灯指示情報を、無線通信部110に送信させる。無線通信部110から送信された点灯指示情報は、車両6の車載機器60が受信する。点灯指示情報を受信した車載機器60は、当該点灯指示情報を車両制御装置に通知する。点灯指示情報を受け取った車両制御装置は、上記と同様にして、車両6の後方のライトを点灯する。
また、停止車両6A内の携帯機器10が外部通知の実行を決定すると、<第1変形例に係る外部通知の第2の例>と同様にして、当該携帯機器10の無線通信部110が、当該停止車両6Aの外部に対して通知を行ってもよい。この場合、無線通信部110は、例えば、700MHz帯通信を用いて上記の第1通知情報をブロードキャストで送信する。携帯機器10から第1通知情報を受信した走行車両6B内の車載機器60は、上記と同様に動作する。
なお、停止車両6A内に複数の携帯機器10が存在する場合には、当該複数の携帯機器10のいずれか一つの携帯機器10が図18及び図19の処理と同様の処理を行う。図18及び図19の処理と同様の処理を実行する携帯機器10の決定方法については、第1特定携帯機器10の決定方法と同様である。以後、図18及び図19の処理と同様の処理を行う携帯機器10を「第2特定携帯機器10」と呼ぶことがある。
<携帯機器での座席特定>
第2特定携帯機器10の座席特定部370は、車載機器60の座席特定部770と同様にして、停止車両6A内において乗車者が位置する座席を特定することができる。例えば、上述の<座席特定方法の第1の例>と同様に、座席特定部370は、車両6内の複数のマイク810の出力信号に基づいて、当該車両6内において乗車者が位置する座席を特定することができる。このとき、スピーカ160から音楽等の音が出力されている場合には、座席特定部370は、上記と同様にして、各マイク810の出力信号に対して、スピーカ160の出力音をキャンセルするキャンセル処理を行ってもよい。
また、座席特定部370は、上述の<座席特定方法の第2の例>と同様に、カメラ820の撮影画像に基づいて、乗車者が位置する座席を特定することもできる。
また、座席特定部370は、上述の<座席特定方法の第3の例>と同様に、複数の荷重検出センサ830での検出結果に基づいて、乗車者が位置する座席を特定することもできる。
また、座席特定部370は、上述の<座席特定方法の第4の例>と同様に、複数のセンサ840での検出結果に基づいて、乗車者が位置する座席を特定することもできる。
なお、停止車両6Aから通知される第1通知情報は、走行車両6B内の携帯機器10で受信されてもよい。走行車両6B内の、第1通知情報を受信した携帯機器10は、走行車両6B内の、第1通知情報を受信した車載機器60と同様に動作して、走行車両6B内の人に対して通知を行う。例えば、走行車両6B内の、第1通知情報を受信した携帯機器10では、制御部100が、上述の第2通知情報を表示部120に所定時間表示させる。あるいは、制御部100は、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための音声をスピーカ160から少なくとも1回出力する。携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が移動していると停止移動特定部311が特定する場合に、第1通知情報を受信すると、当該車両6内の人に対して通知を行う。
<第2変形例>
図22は本変形例に係る車載機器60の制御部600に形成される一部の機能ブロックの一例を示す図である。本変形例では、制御部600は、機能ブロックとして、上述の停止判定部750と、状態特定部790と、通知決定部795とを備える。停止判定部750、状態特定部790及び通知決定部795の少なくとも一つは、その機能の実行にソフトウェアが不要なハードウェア回路で実現されてもよい。
状態特定部790は、車両6が停止している場合に、乗車者に関する当該車両6内の状態を特定することが可能である。具体的には、状態特定部790は、停止している車両6内の乗車者が子供だけである第1状態を特定することが可能である。また、状態特定部790は、停止している車両6内の乗車者が高齢者だけである第2状態を特定することが可能である。また、状態特定部790は、停止している車両6内の乗車者が子供及び高齢者だけである第3状態を特定することが可能である。
通知決定部795は、車両6が停止している場合に、状態特定部790が第1乃至第3状態のいずれか一つの状態を特定すると、当該車両6の外部に対する通知の実行を決定することが可能である。
図23は、車両6が停止している場合の本変形例に係る車載機器60の動作の一例を示す図である。本変形例に係る車載機器60は、車両6が停止していると停止判定部750が判定する場合に、図23に示される処理を繰り返し実行する。
図23に示されるように、ステップs51において、状態特定部790は、第1〜第3状態の特定を試みる。ステップs51において、第1〜第3状態のいずれか一つの状態が特定されると、ステップs52において、通知決定部795は外部通知の実行を決定する。その後、ステップs51が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。一方で、ステップs51において、第1〜第3状態のいずれの状態も特定されない場合には、ステップs53において、通知決定部795は外部通知の不実行を決定する。その後、ステップs51が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。
このように、本変形例では、状態特定部790において、停止車両6A内の乗車者が子供だけである第1状態が特定されると、外部通知の実行が決定される。また、停止車両6A内の乗車者が高齢者だけである第2状態が特定されると、外部通知の実行が決定される。そして、停止車両6A内の乗車者が子供及び高齢者だけである第3状態が特定されると、外部通知の実行が決定される。停止している車両6内の乗車者が子供だけである場合、当該乗車者が高齢者だけである場合、当該乗車者が子供及び高齢者だけである場合には、当該車両6から人が飛び出す可能性が高いと考えることができる。よって、第1〜第3状態のいずれか一つの状態が特定されたときに外部通知の実行が決定されることによって、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いときに当該停止車両6Aの外部に通知を行うことができる。よって、走行車両6B内の運転者等に対して、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知することが可能となる。
車両6の車載機器60の通知決定部795が外部通知の実行を決定すると、当該車両6はその外部に対して通知を行う。以下に本変形例に係る外部通知方法の例について説明する。
<第2変形例に係る外部通知の第1の例>
本例では、通知決定部795において外部通知の実行が決定されると、上述の<第1変形例に係る外部通知の第1の例>と同様にして、停止している車両6が有する後方のライトが所定時間点灯することによって、当該車両6の外部に対して通知が行われる。外部通知の実行が決定されたときの車載機器60及び車両6の動作については、上記と同様である。
<第2変形例に係る外部通知の第2の例>
本例では、通知決定部795において外部通知の実行が決定されると、無線通信部610が、車両6の外部に対して通知を行う。
外部通知の実行が決定されると、無線通信部610は、制御部600による制御によって、700MHz帯通信を用いて第3通知情報を送信する。無線通信部610は例えばブロードキャストで第3通知情報を送信する。これにより、通信エリア615内に存在する走行車両6Bの車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60からの第3通知情報を受け取ることができる。第3通知情報は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための情報である。
図24は、車両6が走行している際の本変形例に係る車載機器60の動作の一例を示すフローチャートである。車両6の車載機器60は、当該車両6が停止していないと停止判定部750が判定する場合に、言い換えれば、当該車両6が走行していると停止判定部750が判定する場合に、図24に示される処理を繰り返し実行する。
図24に示されるように、ステップs61において、走行している車両6の車載機器60は、停止車両6Aの車載機器60から第3通知情報が通知されると、ステップs62を実行する。ステップs62では、車載機器60は、ステップs61で無線通信部610が受け取った第3通知情報に基づいて、車両6内の人に対する通知を行う。その後、ステップs61が再度実行され、以後、車載機器60は同様に動作する。
ステップs62では、例えば、制御部600は、第4通知情報を表示部620に所定時間表示させる。第4通知情報は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための情報である。あるいは、制御部600は、所定の音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。この所定の音声は、例えば、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための音声である。あるいは、制御部600は、第3通知情報を表示部620に所定時間表示させるとともに、所定の音声をスピーカ660から少なくとも1回出力する。これにより、走行車両6B内の運転者等は、停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを認識することができる。
なお、第3及び第4通知情報の内容は上記の限りではない。また、第3通知情報を受信した車載機器60がスピーカ660から出力する所定の音声の内容は上記の限りではない。
<第1〜第3状態の特定方法>
状態特定部790が第1〜第3状態を特定する方法については様々な方法が考えられる。以下に、第1〜第3状態の特定方法の複数の例について説明する。
<第1〜第3状態の特定方法の第1の例>
本例では、状態特定部790は、第1〜第3状態の特定を行う場合には、車両6内の乗車者が携帯する携帯機器10に対して、当該携帯機器10の所有者の年齢を通知することを指示するための指示情報を生成する。無線通信部610は、状態特定部790で生成された指示情報を、例えばWifi等で、車両6内の各乗車者が携帯する携帯機器10に対して通知する。
指示情報を受け取った携帯機器10では、制御部100が、記憶部103に記載されている、当該携帯機器10の所有者のプローフィール情報に含まれる年齢を取得する。無線通信部110は、制御部100が取得した年齢を、例えばWifi等で車載機器60に通知する。携帯機器10の所有者の年齢は、当該携帯機器10を携帯する乗車者の年齢と見ることができる。よって、車両6内の各乗車者の年齢が、当該車両6の車載機器60に通知される。
車両6内の各乗車者の年齢が通知された車載機器60では、状態特定部790が、通知された年齢に基づいて、乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを判断する。状態特定部790は、例えば、通知された年齢が10歳未満である乗車者は子供に該当すると判断する。また、状態特定部790は、例えば、通知された年齢が70歳以上である乗車者は高齢者に該当すると判断する。そして、状態特定部790は、例えば、通知された年齢が10歳以上70歳未満である乗車者は子供及び高齢者以外に該当すると判断する。これにより、状態特定部790は、車両6内の乗車者が、子供だけであるのか、高齢者だけであるのか、子供及び高齢者だけであるのかを特定することができる。つまり、状態特定部790は、第1〜第3状態を特定することができる。
<第1〜第3状態の特定方法の第2の例>
本例に係る第1〜第3状態の特定方法は、車両6内を撮影する上述のカメラ820が当該車両6に設けられていることを前提としている。
状態特定部790は、車両6内の各乗車者について、カメラ820の撮影画像に基づいて、当該乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを判断する。具体的には、状態特定部790は、カメラ820の撮影画像に対して画像処理を行って、当該撮像画像に含まれる乗車者の画像を特定する。そして、状態特定部790は、特定した乗車者の画像に基づいて、当該乗車者の年齢を推定する。その後、状態特定部790は、推定した年齢に基づいて、上記の<第1〜第3状態の特定方法の第1の例>と同様にして、各乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを判断する。これより、状態特定部790は、第1〜第3状態を特定することができる。
なお上記の例では、状態特定部790は、第1〜第3状態のすべてを特定しているが、第1〜第3状態の少なくとも一つの状態を特定してもよい。例えば、状態特定部790は、第1〜第3状態のうち、第1状態だけを特定してもよい。この場合には、状態特定部790が第1状態を特定すると、外部通知の実行が決定される。また、状態特定部790は、第1〜第3状態のうち、第1及び第2状態だけを特定してもよい。この場合には、状態特定部790が第1状態を特定すると外部通知の実行が決定され、状態特定部790が第2状態を特定すると外部通知の実行が決定される。
以上のように、本変形例に係る車載機器60では、停止している車両6内の乗車者が子供だけである第1状態と、当該乗車者が高齢者だけである第2状態と、当該乗車者が子供及び高齢者だけである第3状態の少なくとも一つの状態が特定されると、外部通知の実行が決定されることから、車載機器60の利便性が向上する。
<第2変形例に係る車載機器が利用可能な他のサービス>
第2変形例に係る車載機器60は、例えば、子供及び高齢者の見守りサービスにも利用することができる。
例えば、停止している車両6の車載機器60は、ステップs51で第1状態を特定し、ステップs52で外部通知の実行を決定すると、第5通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。例えば、車両6の車載機器60は、当該車両6の所有者の携帯電話機のeメールアドレスに第5通知情報を送信してもよい。あるいは、車載機器60は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第5通知情報をブロードキャストで送信してもよい。この場合、車載機器60からの第5通知情報を受け取った機器が、当該第5通知情報を表示するなどによって、当該車載機器60が搭載された車両6の周囲の人に対して通知することが可能となる。第5通知情報は、例えば、停止車両6A内の乗車者が子供だけであることを通知するための情報である。また、第5通知情報が、予め登録されたeメールアドレスに送信される場合には、第5通知情報は、例えば、すぐに車両6に戻ることを通知する情報であってもよい。
また、停止している車両6の車載機器60は、ステップs51で第2状態を特定し、ステップs52で外部通知の実行を決定すると、第5通知情報と同様に、第6通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。あるいは、車載機器60は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第6通知情報をブロードキャストで送信してもよい。第6通知情報は、例えば、停止車両6A内の乗車者が高齢者だけであることを通知するための情報である。また、第6通知情報が、予め登録されたeメールアドレスに送信される場合には、第6通知情報は、例えば、すぐに車両6に戻ることを通知する情報であってもよい。
また、停止している車両6の車載機器60は、ステップs51で第3状態を特定し、ステップs52で外部通知の実行を決定すると、第5及び6通知情報と同様に、第7通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。あるいは、車載機器60は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第7通知情報をブロードキャストで送信してもよい。第7通知情報は、例えば、停止車両6A内の乗車者が子供及び高齢者だけであることを通知するための情報である。また、第7通知情報が、予め登録されたeメールアドレスに送信される場合には、第7通知情報は、例えば、すぐに車両6に戻ることを通知する情報であってもよい。
なお、第5〜第7通知情報は上記の例には限られない。また、第5〜第7通知情報は互いに同じ情報であってもよい。
また、車両6内の車載機器60は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定した場合にただちに外部通知の実行を決定するのではなく、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が所定範囲内である場合に、外部通知の実行を決定してもよい。例えば、車両6内の車載機器60は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が15℃以下の場合、外部通知の実行を決定してもよい。また、車両6内の車載機器60は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が30℃以下の場合、外部通知の実行を決定してもよい。これにより、車両6内の子供あるいは高齢者が危険な状態(低体温症あるいは熱中症など)になる可能性が高い場合に、当該車両6の外部に通知を行うことができる。なお、車両6内の温度は、当該車両6内に温度センサを設けることによって取得することが可能である。この温度センサは車載機器60の一部であるとしてもよい。
<停止車両内の携帯機器による状態特定及び通知決定処理>
上記の例では、停止車両6Aの車載機器60が、第1〜第3状態のいずれかを特定すると、外部通知の実行を決定したが、停止車両6A内の携帯機器10が、第1〜第3状態のいずれかを特定すると、外部通知の実行を決定してもよい。つまり、停止車両6A内の携帯機器10が図23に示される処理と同様の処理を実行してもよい。図25はこの場合の携帯機器10の制御部100の構成の一例を示すブロック図である。
図25に示される制御部100は、上述の図15に示される制御部100において、乗車人数特定部360の代りに状態特定部390を備えるものである。
携帯機器10の状態特定部390は、当該携帯機器10が停止車両6A内に存在する場合に、当該停止車両6A内の乗車者が子供だけである第1状態と、当該乗車者が高齢者だけである第2状態と、当該乗車者が子供及び高齢者だけである第3状態とを特定することが可能である。
携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が停止していると停止移動特定部311が特定する場合、上述の図23の処理と同様の処理を繰り返し実行する。つまり、携帯機器10は、停止車両6A内に存在するときに、図23の処理と同様の処理を繰り返し実行する。
図23のステップs51に相当するステップでは、停止車両6A内の携帯機器10の状態特定部390が第1〜第3状態の特定を試みる。状態特定部390が、第1〜第3状態のいずれかの状態を特定すると、ステップs52に相当するステップでは、通知決定部320は外部通知の実行を決定する。つまり、状態特定部390が第1状態を特定すると外部通知の実行が決定され、状態特定部390が第2状態を特定すると外部通知の実行が決定され、状態特定部390が第3状態を特定すると外部通知の実行が決定される。一方で、状態特定部390が、第1〜第3状態のいずれの状態も特定できない場合には、ステップs53に相当するステップでは、通知決定部320は外部通知の不実行を決定する。
なお、状態特定部390は、車載機器60の状態特定部790と同様に、第1〜第3状態の少なくとも一つを特定してもよい。
停止車両6A内の携帯機器10が外部通知の実行を決定すると、例えば、上述の<第2変形例に係る外部通知の第1の例>と同様に、当該停止車両6Aが有する後方のライトが所定時間点灯することによって、当該停止車両6Aの外部に対して通知が行われる。この場合、外部通知の実行を決定した携帯機器10の制御部100は、後方のライトの点灯を指示するための点灯指示情報を、無線通信部110に送信させる。無線通信部110から送信された点灯指示情報は、車両6の車載機器60が受信する。点灯指示情報を受信した車載機器60は、当該点灯指示情報を車両制御装置に通知する。点灯指示情報を受け取った車両制御装置は、上記と同様にして、車両6の後方のライトを点灯する。
また、停止車両6A内の携帯機器10が外部通知の実行を決定すると、上述の<第2変形例に係る外部通知の第2の例>と同様にして、当該携帯機器10の無線通信部110が、当該停止車両6Aの外部に対して通知を行ってもよい。この場合、無線通信部110は、例えば、700MHz帯通信を用いて上記の第3通知情報をブロードキャストで送信する。携帯機器10から第3通知情報を受信した走行車両6B内の車載機器60は、上記と同様に動作する。
なお、停止車両6A内に複数の携帯機器10が存在する場合には、当該複数の携帯機器10のいずれか一つの携帯機器10が図23の処理と同様の処理を行う。図23の処理と同様の処理を実行する携帯機器10の決定方法については、第1特定携帯機器10の決定方法と同様である。以後、図23の処理と同様の処理を行う携帯機器10を「第3特定携帯機器10」と呼ぶことがある。また、車両6内での第3特定携帯機器10を携帯する乗車者(ユーザ9)を「第3特定乗車者」と呼ぶことがある。
<携帯機器での第1〜第3状態の特定方法>
第3特定携帯機器10の状態特定部390は、車載機器60の状態特定部790と同様にして、第1〜第3状態を特定することができる。例えば、上述の<第1〜第3状態の特定方法の第1の例>と同様に、状態特定部390は、第1〜第3状態の特定を行う場合に、車両6内での、第3特定乗車者以外の乗車者が携帯する携帯機器10に対して、当該携帯機器10の所有者の年齢を通知することを指示するための指示情報を生成する。無線通信部110は、状態特定部390で生成された指示情報を、例えばWifi等で、車両6内での、第3特定乗車者以外の各乗車者が携帯する携帯機器10に対して通知する。
指示情報を受け取った携帯機器10は、制御部100が、記憶部103に記載されている、当該携帯機器10の所有者のプローフィール情報に含まれる年齢を取得する。無線通信部110は、制御部100が取得した年齢を、例えばWifi等で第3特定携帯機器10に通知する。これにより、停止車両6A内での、第3特定乗車者以外の各乗車者の年齢が、当該停止車両6A内の第3特定携帯機器10に通知される。
乗車者の年齢が通知された第3特定携帯機器10では、状態特定部390が、通知された年齢に基づいて、第3特定乗車者以外の乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを、上記同様にして判断する。さらに、第3特定携帯機器10では、状態特定部390は、記憶部103に記載されている、第3特定携帯機器10の所有者のプローフィール情報に含まれる年齢を取得する。そして、状態特定部390は、取得した年齢に基づいて、第3特定乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを、上記同様にして判断する。これにより、状態特定部390は、車両6内の各乗車者が、子供だけであるのか、高齢者だけであるのか、子供及び高齢者だけであるのかを特定することができる。つまり、状態特定部790は、第1〜第3状態を特定することができる。
また、上述の<第1〜第3状態の特定方法の第2の例>と同様に、状態特定部390は、車両6内の各乗車者について、カメラ820の撮影画像に基づいて、当該乗車者が、子供に該当するのか、高齢者に該当するのか、子供及び高齢者以外に該当するのかを判断することによって、第1〜第3状態を特定することも可能である。
なお、停止車両6Aから通知される第3通知情報は、走行車両6B内の携帯機器10で受信されてもよい。走行車両6B内の、第3通知情報を受信した携帯機器10は、走行車両6B内の、第3通知情報を受信した車載機器60と同様に動作して、走行車両6B内の人に対して通知を行う。例えば、走行車両6B内の、第3通知情報を受信した携帯機器10では、制御部100が、上述の第4通知情報を表示部120に所定時間表示させる。あるいは、制御部100は、前方の停止車両6Aから人が飛び出す可能性が高いことを通知するための音声をスピーカ160から少なくとも1回出力する。携帯機器10は、当該携帯機器10が車両6内に存在すると車内判定部313が判定し、当該携帯機器10が移動していると停止移動特定部311が特定する場合に、第3通知情報を受信すると、当該車両6内の人に対して通知を行う。
また、停止車両6A内の携帯機器10が第1〜第3状態の少なくとも一つを特定し、第1〜第3状態のいずれかが特定された場合に外部通知の実行を決定する場合には、上記と同様に、当該携帯機器10を、例えば、子供及び高齢者の見守りサービスにも利用することができる。
例えば、停止している車両6内の携帯機器10は、第1状態を特定し、外部通知の実行を決定すると、上述の第5通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。あるいは、携帯機器10は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第5通知情報をブロードキャストで送信してもよい。
また、停止している車両6内の携帯機器10は、第2状態を特定し、外部通知の実行を決定すると、上述の第6通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。あるいは、携帯機器10は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第6通知情報をブロードキャストで送信してもよい。
また、停止している車両6内の携帯機器10は、第3状態を特定し、外部通知の実行を決定すると、上述の第7通知情報を、予め登録されたeメールアドレスに送信してもよい。あるいは、携帯機器10は、Wifi、Blutoothあるいは700MHz帯通信などを用いて、第7通知情報をブロードキャストで送信してもよい。
また、停止している車両6内の携帯機器10は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定した場合にただちに外部通知の実行を決定するのではなく、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が所定範囲内である場合に、外部通知の実行を決定してもよい。例えば、車両6内の携帯機器10は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が15℃以下の場合、外部通知の実行を決定してもよい。また、車両6内の携帯機器10は、第1〜第3状態のいずれか一つの状態を特定し、かつ当該車両6内の温度が30℃以下の場合、外部通知の実行を決定してもよい。携帯機器10は、車両6に設けられた、当該携帯機器10とは別体の温度センサで検出される温度を当該車両6内の温度としてもよいし、当該携帯機器10に設けられた温度センサで検出される温度を当該車両6内の温度としてもよい。
<その他の変形例>
上記の例では、携帯機器10は、スマートフォン等の携帯電話機であったが、他の種類の電子機器であってよい。携帯機器10は、例えば、タブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブル機器などであってよい。携帯機器10として採用されるウェアラブル機器は、リストバンド型あるいは腕時計型などの腕に装着するタイプであってもよいし、ヘッドバンド型あるいはメガネ型などの頭に装着するタイプであってもよいし、服型などの体に装着するタイプであってもよい。
以上のように、携帯機器10及び車載機器60は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。