JP6702525B1 - パイプライン用鋼管の圧潰試験方法、パイプライン用鋼管の製造方法及び圧潰試験装置 - Google Patents

パイプライン用鋼管の圧潰試験方法、パイプライン用鋼管の製造方法及び圧潰試験装置 Download PDF

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Abstract

パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状に形成した試験鋼管(2)の外周に、試験鋼管に対して軸方向長さを長くした合成樹脂製の円筒形状の変形体(3)を装着する。次いで、互いに対向配置した一対の対向壁(10),11の間を軸が延在するように試験鋼管及び変形体を配置し、一対の対向壁に変形体の軸方向の両端面3a,3bが密着した状態で一対の対向壁で変形体を挟持する。次に、一対の対向壁及び変形体の外周面に対向する周壁12aで変形体の外周面を囲んで形成した圧力室16に流体を供給し、変形体の外周面に加圧した流体を作用させる。次に、試験鋼管の内径を測定し、圧力室の流体の圧力を測定し、それらの測定値に基づいて圧潰した試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する。

Description

本発明は、深海海底に敷設されるパイプライン用鋼管(外径300〜1500mm程度)の圧潰試験方法、パイプライン用鋼管の製造方法及び圧潰試験装置に関する。
近年、エネルギー需要の増大に伴い、原油や天然ガスの長距離輸送方法としてパイプラインの重要性が高まっている。油田やガス田と供給基地との間のパイプラインの一部を深海海底に設ける場合、例えば水深2000〜3000m程度の海底に沈めても水圧に耐えるパイプライン用鋼管を選定する必要がある。パイプライン用鋼管を選定する手段の一つとして、海底の水圧と同程度の流体圧力が鋼管外周に作用しても圧潰が生じない耐圧潰性能を評価・予測する試験がある(例えば、特許文献1)。
特許文献1記載の管試験は、パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状の試験鋼管を形成し、この試験鋼管を圧力発生部に装着する。圧力発生部は、試験鋼管の軸方向の両端面に密着するように試験鋼管を軸方向から挟持して互いに対向配置されている一対の対向壁と、一対の対向壁の一方の外周縁部から他方に延在して試験鋼管の外周面を囲む周壁とを備え、一対の対向壁及び周壁で前記試験鋼管の外周を囲む圧力室を形成している。
そして、圧力発生部の圧力室に流体を供給していき、加圧された流体が試験鋼管の外周面に作用することで試験鋼管を径方向内方に変形させ、試験鋼管に装着した歪センサと流体圧力との変化に基づいて試験鋼管が圧潰に至るまでの圧潰限界圧力を測定し、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能の評価及び予測を行っている。ここで、一対の対向壁が試験鋼管の軸方向の両端面に密着するように試験鋼管を軸方向から挟持しているので、圧力室が高圧になっても端面及び対向壁の間から圧力室外部への流体漏れが発生せずシールされる。
特許第5123327号公報
しかし、特許文献1の管試験は、試験鋼管が径方向内方に変形する際に、一対の対向壁に密着している試験鋼管の軸方向の両端面に摩擦力が発生するので、試験鋼管が圧潰に至るまでの圧潰限界圧力が高い値を示すおそれがある。したがって、特許文献1の管試験は、圧潰限界圧力が高い値を示すことで、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能を過大評価してしまうおそれがある。
本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、加圧流体の作用で試験鋼管が径方向内方に変形する際には試験鋼管の軸方向の両端面に摩擦力が発生せず、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができるパイプライン用鋼管の圧潰試験方法、パイプライン用鋼管の製造方法及び圧潰試験装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係るパイプライン用鋼管の圧潰試験方法は、パイプライン用鋼管の一部より切断され形成されたリング形状の試験鋼管の外周に、試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の変形体を装着する工程と、互いに対向配置した一対の対向壁の間を軸が延在するように試験鋼管及び変形体を配置し、一対の対向壁に変形体の軸方向の両端面が密着した状態で一対の対向壁で変形体を挟持する工程と、一対の対向壁及び変形体の外周面に対向する周壁で変形体の外周面を囲んで形成した圧力室に流体を供給し、変形体の外周面に加圧した流体を作用させる工程と、試験鋼管の内径を測定する工程と、圧力室の流体の圧力を測定する工程と、試験鋼管の内径測定値及び圧力室の流体の圧力測定値に基づいて圧潰した試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する工程と、を備えている。
また、本発明の一態様に係るパイプライン用鋼管の製造方法は、上述したパイプライン用鋼管の圧潰試験方法を行う工程を経てパイプライン用鋼管の製造を行う方法である。
また、本発明の一態様に係るパイプライン用鋼管の圧潰試験装置は、パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状に形成した試験鋼管と、試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の部材であり、試験鋼管の外周に装着される変形体と、変形体の軸方向の両端面が密着するように変形体を軸方向から挟持して互いに対向配置されている一対の対向壁と、当該一対の対向壁から延在して変形体の外周面を囲む周壁とを備えて変形体の外周を囲む圧力室を形成している装置本体と、圧力室に流体を供給する流体供給手段と、試験鋼管の内径を測定する内径測定手段と、圧力室の流体の圧力を測定する流体圧力測定手段と、内径測定手段で測定した内径測定値及び流体圧力測定手段で測定した流体の圧力測定値に基づいて圧潰した試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する演算手段と、を備えている。
本発明に係るパイプライン用鋼管の圧潰試験方法、パイプライン用鋼管の製造方法及び圧潰試験装置によれば、加圧流体の作用で試験鋼管が径方向内方に変形する際には試験鋼管の軸方向の両端面に摩擦力が発生せず、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができる。
本発明に係る第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置を示す断面図である。 第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示す図である。 第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置を構成する演算部の構成を示すブロック図である。 第2実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示す図である。 第3実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示す図である。 第4実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示す図である。 圧潰試験を行った際に塑性圧潰を再現した試験鋼管の内径変位を示すグラフである。
次に、図面を参照して、本発明に係る第1から第3実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す第1から第4実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[第1実施形態の圧潰試験装置]
図1及び図2は、本発明に係る第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置を示すものである。
図1に示すように、第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置1は、試験鋼管2と、試験鋼管2の外周に装着した変形体3と、変形体3を軸方向から挟持した状態で試験鋼管2及び変形体3を内部に配置した装置本体4と、加圧水供給部5と、歪み計6と、圧力計7と、演算部8と、を備えている。
試験鋼管2は、耐圧潰性能の評価及び予測を行うパイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状に形成した部材である。パイプライン用鋼管から切断された試験鋼管2は、その軸方向の両端面が平坦面となるように切削されている。
変形体3は、試験鋼管2の外周に装着されている合成樹脂で形成した円筒形状の部材である。変形体3の合成樹脂としては、例えばNCナイロンと呼ばれるナイロン樹脂が挙げられる。変形体3の肉厚は3mm程度に設定されている。また、変形体3の内径は、試験鋼管2の外径寸法と同一寸法として試験鋼管2の外周面に密着するようにしてもよいが、試験鋼管2の外径寸法より5mm程度大きな寸法であっても圧潰試験には大きな影響を与えない。
図2に示すように、変形体3の軸方向長さLc1は、試験鋼管2の軸方向長さLt1に対して長く設定され、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1(Lc1−Lt1)は、0.3mm以上5.0mm以内の範囲に設定されている(0.3≦ΔL1≦5.0)。
装置本体4は、図1に示すように、貫通部10aを設けたドーナツ盤形状の底盤10と、底盤10と同一の外周形状を有して貫通部11aを設けた天盤11と、底盤10及び天盤11の間に同軸に配置された円環形状の中間盤12と、を備えている。中間盤12は、底盤10及び天盤11の互いに対向する面の外周に設けた環状の段差部10b,11bに嵌まり込んだ状態で配置されている。図示されていないが、これら段差部10b,11bの軸方向に沿って延在する段差面及びこれに対面する中間盤12の内壁面にシール材を挿入できる溝が形成され、それらの溝にゴムパッキンが装着され段差部10b,11b及び中間盤12の間の液密が保持されている。なお、溝の形状、ゴムパッキンの形状は任意に選択でき、たとえば円形断面あるいは矩形断面のゴムパッキンの装着する構造としてもよい。
装置本体4には、底盤10の上面10hと、天盤11の下面11hと、中間盤12の内周面12aとで囲まれたリング形状の試験空間STが設けられている。この試験空間STに、底盤10の上面10h及び天盤11の下面11hの間を軸が延在するように試験鋼管2及び変形体3が配置されている。
そして、装置本体4に複数の第1連結ボルト14及び第2連結ボルト15が装着されている。複数の第1連結ボルト14は、天盤11及び中間盤12の外周側の周方向に所定間隔をあけて軸方向に貫通する貫通孔11c、12cを通過し、底盤10の周方向に所定間隔をあけて設けたねじ孔10cにねじ部がねじ込まれている。複数の第2ボルト15は、天盤11の内周側の周方向に所定間隔をあけて軸方向に貫通する貫通孔11dを通過し、底盤10の内周側の周方向に所定間隔をあけて設けたねじ孔10dにねじ部がねじ込まれている。
これら複数の第1及び第2連結ボルト14,15を装着することで、変形体3は軸方向の両端面3a,3bが天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに密着した状態で底盤10及び天盤11に挟持される。また、変形体3の外周面、中間盤12の内周面、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hで囲まれた空間には圧力室16が形成されている。
天盤11には、圧力室16及び装置本体4の外部に連通する水供給路11e及び圧力計測路11fが形成されており、水供給路11eには加圧水供給部5が接続され、圧力計測路11fには圧力計7が接続されている。さらに、試験鋼管2の内周面には、複数の歪み計6が装着されている。
演算部8は、図3に示すように、入力部8a、圧潰圧力演算部8b及び表示部8cなどを備えている。これら入力部8a、圧潰圧力演算部8b及び表示部8cは、具体的にはパーソナルコンピュータやワークステーション等の汎用の情報処理装置によって実現されるものであり、例えばCPU、ROM、RAM等を主要構成部品としているとともに、ネットワークで接続され、データのやり取りが可能に構成されている。
演算部8の入力部8aには、圧力計7で計測した圧力室16の圧力値が入力されるとともに、試験鋼管2の内周面に装着された複数の歪み計6が計測した試験鋼管2の変位量が入力される。
圧潰圧力演算部8bは、入力部8aに入力した圧力室16の圧力値変化と、試験鋼管2の変位量に基づいて、試験鋼管2が圧潰したときの圧力(圧潰限界圧力)を演算する。
表示部8cは、圧潰圧力演算部8bで演算した試験鋼管2の圧潰限界圧力の値を表示する。
なお、本発明に記載されている一対の対向壁が、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに対応し、本発明に記載されている流体供給手段が、加圧水供給部5に対応し、本発明に記載されている内径測定手段が、歪み計6に対応し、本発明に記載されている流体圧力測定手段が、圧力計7に対応し、本発明に記載されている演算手段が、演算部8に対応している。
次に、第1実施形態の圧潰試験装置1を使用したパイプライン用鋼管の圧潰試験手順について作用とともに説明する。
先ず、試験鋼管2の外周に変形体3を装着する。
次に、図1に示すように、装置本体4の試験空間STに、底盤10の上面10h及び天盤11の下面11hの間を軸が延在するように試験鋼管2及び変形体3を配置する。
次に、装置本体4に複数の第1連結ボルト14及び第2連結ボルト15を装着し、変形体3の軸方向の両端面3a,3bを天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに密着した状態で、変形体3を底盤10及び天盤11で挟持する。これにより、変形体3の外周面、中間盤12の内周面、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hで囲まれた空間に圧力室16が形成される。
このとき、図2に示すように、試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載置され、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しない状態で、変形体3の内側に配置される。
次に、加圧水供給部5から水供給路11eを介して圧力室16に加圧水を供給していく。加圧水供給部5からの加圧水の供給によって圧力室16の水圧が上昇していくと、水圧が変形体3の外周面に作用して変形体3が径方向内方に塑性変形していく。変形体3の塑性変形とともに、変形体3の内側に装着した試験鋼管2も径方向内方に塑性変形していく。
変形体3は合成樹脂で形成されているので、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに密着していても、下面11h及び上面10hとの間に大きな摩擦力が発生しない。
試験鋼管2は、変形体3を介して圧力室16の水圧が外周に作用するので、同様に径方向内方に塑性変形していく。このとき、試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載置され、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しておらず、底盤10及び天盤11に挟持されていないので、軸方向の端面2a,2bは下面11h及び上面10hとの間に摩擦力が発生しない。
そして、演算部8は、入力部8aに試験鋼管2の外周に作用する圧力室16の水圧の圧力値が圧力計7から入力し、径方向内方に塑性変形する試験鋼管2の変位量が複数の歪み計6から入力するので、圧潰圧力演算部8bは、圧力室16の圧力値変化と、試験鋼管2の変位量に基づいて、試験鋼管2が圧潰したときの圧潰限界圧力を演算する。そして、表示部8cが、試験鋼管2の圧潰限界圧力の値を表示する。
ここで、径方向内方に塑性変形する試験鋼管2は、軸長が増大する方向にも塑性変形していく。本実施形態は、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1の差ΔL1を0.3mm以上に設定しているが、この差ΔL1(0.3mm以上)は、軸長が増大する方向に試験鋼管2が塑性変形しても、試験鋼管2の軸方向の端面が天盤11の下面11hに接触しない値である。これにより、軸長が増大する方向に試験鋼管2が塑性変形しても、天盤11及び底盤10との間に摩擦力が発生するおそれがない。
なお、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1の差ΔL1が0.3mmを下回ると、試験鋼管2の端面が天盤11の下面11hに接触するので、試験鋼管2と天盤11及び底盤10との間に摩擦力が発生するおそれがある。
また、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1の差ΔL1が大きすぎると、圧力室16の水圧の作用により変形体3が過度に変形してしまい、変形体3の軸方向の端面3a及び天盤11の下面11hの接触位置と、変形体3の軸方向の端面3b及び底盤10の上面10hの接触位置の液密性が低下するおそれがある。そこで、第1実施形態では、差ΔL1を5.0mm以下の値に設定することで、変形体3の過度の変形を防止して底盤10及び天盤11と変形体3との接触位置の液密性を確保している。
次に、第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置1の効果について説明する。
第1実施形態によると、圧潰試験を行う試験鋼管2の外周面に水圧を作用する圧力室16は、試験鋼管2の外周に装着した変形体3の外周面、中間盤12の内周面、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hで囲まれた空間で形成されている。そして、試験鋼管2には、変形体3を介して圧力室16の水圧が作用して径方向内方に塑性変形していくが、この試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載り、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しておらず、軸方向の端面2a,2bは下面11h及び上面10hとの間に摩擦力が発生しない。
したがって、圧潰試験を行う試験鋼管2に摩擦力が発生しないので、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管2で高精度に再現することができ、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能を高精度に評価することができる。
また、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1との差ΔL1(Lc1−Lt1)を0.3mm以上に設定しているので、試験鋼管2が軸長が増大する方向に塑性変形しても、天盤11の下面11hに接触せず天盤11との間に摩擦力が発生せず、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能の評価をさらに高精度に行うことができる。
また、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1との差ΔL1(Lc1−Lt1)を、5.0mm以下の値に設定することで、圧力室16の液密性を十分に確保することができるので、さらに、試験鋼管2の圧潰限界圧力を高精度に演算することができる。
[第2実施形態の圧潰試験装置]
次に、図4は、本発明に係る第2実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置17の要部を示すものである。なお、第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置1で示した構成要件と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
本実施形態の圧潰試験装置17の装置本体4は、第1実施形態で示した段差部10b,11bの軸方向に沿う段差面及びこれに対面する中間盤12の内壁面にリング溝が形成されておらず、代わりに、段差部10b,11bの軸方向に直交する段差面及びこれに対面する中間盤12の軸方向の面に断面四角形状のリング溝が形成されている。そして、段差部10b,11b及び中間盤12の軸方向で対面する面に形成したリング溝に矩形断面の環状パッキン23が装着されている。
第2実施形態によると、天盤11を貫通して底盤10にねじ込まれることで第1及び第2連結ボルト14,15に発生する軸力が、段差部10b,11bの軸方向に直交する段差面及びこれに対面する中間盤12の軸方向に直交する面の間に装着されている環状パッキン23に大きな密着力を作用するので、第1実施形態と比較して、圧力室16の水圧を大幅に高めることが可能となる。
したがって、第2実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置17は、第1実施形態の圧潰試験装置1と比較して圧力室16の水圧を大幅に高めて試験鋼管2の圧潰限界圧力を測定することができるので、パイプライン用鋼管の大幅に高い値の圧潰限界圧力を試験鋼管2で高精度に再現することができる。
なお、第2実施形態では段差部10b,11bの軸方向に直交する段差面及びこれに対面する中間盤12の軸方向に直交する面に設けたリング溝に環状パッキン23を装着したが、断面円弧形状のリング溝を形成し、このリング溝にOリングを装着しても、同様の効果を奏することができる。
[第3実施形態の圧潰試験装置]
次に、図5は、本発明に係る第3実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示すものである。なお、第1実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置で示した構成要件と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
第3実施形態の圧潰試験装置20は、変形体3の外周に、円筒形状のゴムパッキン21が装着されている。
ゴムパッキン21は、軸方向の両端に肉厚部21a,21bを設けており、肉厚部21a,21b以外の厚さが3mmとした部材であり、自由長のときの軸方向長さが、変形体3の軸方向長さLc2より長く設定されている。また、肉厚部21a,21bは必ずしも必要ではなく、肉厚部がなくても本発明の効果を発揮できる。
また、変形体3の軸方向長さLc2は、試験鋼管2の軸方向長さLt2に対して長く設定され、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL2(Lc2−Lt2)は、1.0mm以上1.3mm以内の範囲に設定されている(1.0≦ΔL2≦1.3)。
なお、本発明に記載されている円筒形状の弾性体が、ゴムパッキン21に対応している。
次に、第3実施形態の圧潰試験装置20を使用したパイプライン用鋼管の圧潰試験手順について作用とともに説明する。
先ず、試験鋼管2の外周に変形体3を装着し、変形体3の外周にゴムパッキン21を装着する。
次に、装置本体4の試験空間STに、底盤10の上面10h及び天盤11の下面11hの間を軸が延在するように試験鋼管2、変形体3及びゴムパッキン21を配置する。
次に、装置本体4に複数の第1連結ボルト14及び第2連結ボルト15を装着し、変形体3の軸方向の両端面3a,3bを天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに密着し、ゴムパッキン21の軸方向の両端の肉厚部21a,21bを圧縮状態で弾性変形させて、変形体3を底盤10及び天盤11で挟持する。これにより、ゴムパッキン21の外周面、中間盤12の内周面、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hで囲まれた空間に圧力室16が形成される。
このとき、試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載置され、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しない状態で、変形体3の内側に配置される。
次に、加圧水供給部5から水供給路11eを介して圧力室16に加圧水を供給していく。加圧水供給部5からの加圧水の供給によって圧力室16の水圧が上昇していくと、水圧がゴムパッキン21を介して変形体3の外周面に作用し、変形体3が径方向内方に塑性変形していく。そして、変形体3の塑性変形とともに、変形体3の内側に装着した試験鋼管2も径方向内方に塑性変形していく。
径方向内方に塑性変形する試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載置され、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しておらず、底盤10及び天盤11に挟持されていないので、軸方向の端面2a,2bは下面11h及び上面10hとの間に摩擦力が発生しない。
試験鋼管2は、径方向内方への塑性変形とともに、軸長が増大する方向にも塑性変形していく。第2実施形態は、変形体3の軸方向長さLc2と試験鋼管2の軸方向長さLt2の差ΔL1を1.0mm以上に設定しているが、この差ΔL2(1.0mm以上)は、軸長が増大する方向に試験鋼管2が塑性変形しても、試験鋼管2の軸方向の端面が天盤11の下面11hに接触しない値である。これにより、軸長が増大する方向に試験鋼管2が塑性変形しても、天盤11及び底盤10との間に摩擦力が発生するおそれがない。
また、第3実施形態では、差ΔL2を1.3mm以下の値に設定することで、変形体3の過度の変形を防止して底盤10及び天盤11と変形体3との接触位置の液密性を確保している。
次に、第3実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置20の効果について説明する。
試験鋼管2には変形体3を介して圧力室16の水圧が作用して径方向内方に塑性変形していくが、試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載り、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しておらず、軸方向の端面2a,2bは下面11h及び上面10hとの間に摩擦力が発生しない。したがって、圧潰試験を行う試験鋼管2に摩擦力が発生しないので、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管2で高精度に再現することができ、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能を高精度に評価することができる。
また、第3実施形態の圧潰試験装置20は、変形体3の外周にゴムパッキン21が装着され、変形体3を底盤10及び天盤11で挟持する際には、ゴムパッキン21の軸方向の両端の肉厚部21a,21bが天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに圧縮状態で弾性変形している。これにより、第3実施形態の圧潰試験装置20は、第1実施形態の圧潰試験装置1と比較して、底盤10及び天盤11と変形体3との接触位置の液密性が高まるので、圧力室16の水圧を高めることが可能となる。したがって、第3実施形態の圧潰試験装置20は、圧力室16の水圧を高めることで試験鋼管2の高い値の圧潰限界圧力を測定することができ、パイプライン用鋼管の高い値の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができる。
また、変形体3の軸方向長さLc2と試験鋼管2の軸方向長さLt2との差ΔL2(Lc2−Lt2)を1.0≦ΔL2≦1.3に設定しているので、試験鋼管2が軸長が増大する方向に塑性変形しても、天盤11の下面11hに接触せず天盤11との間に摩擦力が発生せず、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能の評価をさらに高精度に行うことができるとともに、試験鋼管2の圧潰限界圧力を高精度に演算することができる。
[第4実施形態の圧潰試験装置]
次に、図6は、本発明に係る第4実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置の要部を示すものである。なお、図5で示した第3実施形態のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置20で示した構成要件と同一構成部分には、同一符号を付して説明は省略する。
第4実施形態の圧潰試験装置30は、変形体3の軸方向の両端面3a,3bの外周側に、環状の切り欠き3c、3dが形成されており、それら切り欠き3c,3dに、Oリング31,32が装着されている。
また、図6では記載していないが、変形体3の軸方向長さLc2と試験鋼管2の軸方向長さLt2との差ΔL2(Lc2−Lt2)は、1.0≦ΔL2≦1.3に設定されている。
なお、本発明に記載されている環状の凹部が、環状の切り欠き3c、3dに対応し、本発明に記載されているOリングが、Oリング31,32に対応している。
第4実施形態の圧潰試験装置30は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着し、変形体3の両端面3a,3bに設けた環状の切り欠き3c、3dに、Oリング31,32を装着する。そして、装置本体4の試験空間STに、底盤10の上面10h及び天盤11の下面11hの間を軸が延在するように試験鋼管2及びOリング31,32を装着した変形体3を配置する。
また、装置本体4に複数の第1連結ボルト14及び第2連結ボルト15を装着し、変形体3の軸方向の両端面3a,3bを天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに密着し、Oリング31,32を下面11h及び上面10hに圧縮状態で弾性変形させて、変形体3を底盤10及び天盤11で挟持する。これにより、変形体3の外周面、中間盤12の内周面、天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hで囲まれた空間に圧力室16が形成される。このとき、試験鋼管2は、軸方向の一方の端面2bが底盤10の上面10hに載置され、軸方向の他方の端面2aが天盤11の下面11hには接触しない状態で、変形体3の内側に配置される。
そして、第2実施形態の圧潰試験装置20と同様に、加圧水供給部5から水供給路11eを介して圧力室16に加圧水を供給していくと、変形体3の塑性変形とともに、変形体3の内側に装着した試験鋼管2も径方向内方に塑性変形していく。
したがって、第4実施形態の圧潰試験装置30も、圧潰試験を行う試験鋼管2に摩擦力が発生しないので、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管2で高精度に再現することができ、パイプライン用鋼管の耐圧潰性能を高精度に評価することができる。
また、第4実施形態の圧潰試験装置30は、変形体3の両端面3a,3b側にOリング31,32が装着され、変形体3を底盤10及び天盤11で挟持する際には、Oリング31,32が天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに圧縮状態で弾性変形している。これにより、第4実施形態の圧潰試験装置30も、第1実施形態の圧潰試験装置1と比較して、底盤10及び天盤11と変形体3との接触位置の液密性が高まるので、圧力室16の水圧を高めることが可能となる。
したがって、第4実施形態の圧潰試験装置30は、圧力室16の水圧を高めることで試験鋼管2の高い値の圧潰限界圧力を測定することができ、パイプライン用鋼管の高い値の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができる。
また、第1〜第4実施形態の圧潰試験装置1,17,20,30を使用して圧潰試験を行うことで、高精度の圧潰限界圧力が設定されたパイプライン用鋼管を製造することができる。
[実施例1]
次に、本発明に係るパイプライン用鋼管の圧潰試験装置を使用した圧潰試験方法による圧潰限界圧力の測定と、従来の圧潰試験装置を使用した圧潰試験方法による圧潰限界圧力の測定とを、以下の表1に示すように比較することで、本発明の効果を検証した。
Figure 0006702525
本発明例1〜本発明例5、比較例1,2は、公称管厚が39mmであり、公称外径が812.8mmであり、同一外径形状、同一鋼管特性のパイプライン用鋼管を使用した。
本発明例1〜本発明例3は、試験鋼管2の外周に変形体3が装着されている第1実施形態の圧潰試験装置1を使用した測定結果である。そして、本発明1は、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=0.3mmとし、本発明2はΔL1=0.5mmとし、本発明3はΔL1=3.0mmとした。
また、本発明例4,5は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着し、変形体3の外周にゴムパッキン21を装着した第2実施形態の圧潰試験装置20を使用した測定結果である。そして、本発明例4は、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL2=1.0mmとし、本発明例5はΔL2=1.3mmとした。
また、比較例1は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着した第1実施形態の圧潰試験装置1を使用し、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=0.1mmとした。さらに、比較例2は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着した第1実施形態の圧潰試験装置1を使用し、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=6.0mmとした。
そして、本発明例1〜本発明例5、比較例1,2の圧潰限界圧力は、パイプライン用鋼管の一部を切断せず実管で測定した結果(実管試験結果)と、パイプライン用鋼管の一部を切断した試験鋼管2を使用して第1及び第3実施形態の圧潰試験装置で測定した結果(圧潰装置結果)を示し、実管試験結果及び圧潰装置結果を比較して測定精度を示した。
表1から明らかなように、本発明例1〜本発明例3は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着したことで圧潰試験を行う際に試験鋼管2には摩擦力が発生せず、変形体3の軸方向長さLc1と試験鋼管2の軸方向長さLt1との差ΔL1を0.3mm≦ΔL1≦5.0mmに設定しているので、測定精度の誤差が0.5%以内に収まっている。
また、本発明例4,5は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着し、さらに変形体3の外周側にゴムパッキン21を装着したことで圧潰試験を行う際に試験鋼管2には摩擦力が発生せず、変形体3の軸方向長さLc2と試験鋼管2の軸方向長さLt2との差ΔL2を1.0mm≦ΔL2≦1.3mmに設定しているので、測定精度の誤差が1.0%未満に収まっている。
一方、比較例1は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着した第1実施形態の圧潰試験装置1を使用しているが、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=0.3mm未満としたことで、試験鋼管2が軸方向に塑性変形して天盤11の下面11h及び底盤10の上面10hに接触して摩擦力が発生し、試験鋼管2の圧潰限界圧力が高い値を示してしまい、測定誤差が5.8%と大きくなった。
また、比較例2は、測定誤差が10%以上である。これは、比較例2は試験鋼管2の外周に変形体3を装着した第1実施形態の圧潰試験装置1を使用しているが、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=5.0mmを上回っている。これにより、圧力室16の水圧が上昇しているときに、変形体3が、試験鋼管2の端面と天盤11の下面11hとの間に入り込んだ状態で変形して圧力室16の液密が不可能になり、試験鋼管2が圧潰する前に圧力室16の最大圧力が大きく低下してしまった。
したがって、本願発明に係る第1実施形態の圧潰試験装置1を使用した方法、第3実施形態の圧潰試験装置20を使用した方法が、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができることが確認された。なお、第4実施形態の圧潰試験装置30を使用した方法も、パイプライン用鋼管の圧潰限界圧力を試験鋼管で高精度に再現することができる。
[実施例2]
次に、本発明に係るパイプライン用鋼管の圧潰試験装置を使用した圧潰試験方法による圧潰限界圧力の測定と、従来の圧潰試験装置を使用した圧潰試験方法による圧潰限界圧力の測定を行い、塑性圧潰の再現の有無を判定することで、本発明の効果を検証した。
塑性圧潰の再現の有無は、以下の(1)式で算出される圧潰試験を行った試験鋼管2の内径変位ΔR(測定した内径変化の平均値)と、試験鋼管2の弾性変形線からのかい離量との比較により判断し、試験鋼管2の内径変位ΔRが、弾性変形線からかい離量が0.2%以上となったときに塑性圧痕が再現されていると判定する。
ΔR = −(PR)/(tE) ……… (1)
なお、Pは圧力(Mpa)、Rは試験鋼管2の初期内径(mm)、tは試験鋼管2の厚さ(mm)、Eはヤング率(Mpa)である。
Figure 0006702525
本発明例6と比較例3は、公称管厚が40mmであり、公称外径が691mmであり、同一外径形状、同一鋼管特性のパイプライン用鋼管を使用した。
本発明例6は、試験鋼管2の外周に変形体3が装着されているとともに、天盤11を貫通して底盤10にねじ込まれることで第1及び第2連結ボルト14,15に発生する軸力が、段差部10b,11bの軸方向に直交する段差面及びこれに対面する中間盤12の軸方向に直交する面の間に装着されている環状パッキン23に大きな密着力を作用し、圧力室16の水圧を大幅に高めることが可能となる第2実施形態の圧潰試験装置17(図4参照)を使用した測定結果である。そして、本発明例6は、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=1.0mmとした。一方、比較例3は、試験鋼管2の外周に変形体3を装着した第2実施形態の圧潰試験装置17を使用し、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=6.0mmとした。
図7は、本発明例6の試験鋼管2について圧力室16の水圧変化と内径変位の関係を示すものであり、本発明例6の試験鋼管2は、圧力室16の水圧上昇とともに塑性変形していき、弾性変形線からのかい離量が0.8%のときに塑性圧痕が再現されることが検証された。そして、この本発明例6の塑性圧痕の再現の際には、50MPaを超える超高圧での圧潰試験が再現できることも検証できた。
一方、変形体3及び試験鋼管2の軸方向長さの差ΔL1=6.0mmとした比較例3は、圧力室16の水圧が上昇すると、変形体3が試験鋼管2の端面と天盤11の下面11hとの間に入り込んだ状態で変形して圧力室16の液密が不可能になり、試験鋼管2が圧潰する前に圧力室16の最大圧力が大きく低下してしまった。この際の、試験鋼管2の内径変位ΔRが弾性変形線からかい離量が0.05%となり、弾性変形状態となって圧力室16の水が外部にリークするので、圧潰試験は再現することができない。
1,17,20,30 圧潰試験装置
2 試験鋼管
2a 試験鋼管の軸方向の他方の端面
2b 試験鋼管の軸方向の一方の端面
3 変形体
3a,3b 変形体の軸方向の端面
4 装置本体
5 加圧水供給部
6 歪み計
7 圧力計
8 演算部
8a 入力部
8b 圧潰圧力演算部
8c 表示部
10 底盤
10a 貫通部
10b 段差部
10c,10d ねじ孔
10h 上面
11 天盤
11a 貫通部
11b 段差部
11c 貫通孔
11d 貫通孔
11e 水供給路
11f 圧力計測路
11h 下面
12 中間盤
12a 内周面
12c 貫通孔
14 第1連結ボルト
15 第2連結ボルト
16 圧力室
21 ゴムパッキン
21a,21b 肉厚部
22 Oリング
23 環状パッキン
ST 試験空間
Lc1 第1実施形態の変形体の軸方向長さ
Lt1 第1実施形態の試験鋼管の軸方向長さ
ΔL1 第1実施形態の変形体及び試験鋼管の軸方向長さの差
Lc2 第2実施形態の変形体の軸方向長さ
Lt2 第2実施形態の試験鋼管の軸方向長さ
ΔL2 第2実施形態の変形体及び試験鋼管の軸方向長さの差

Claims (11)

  1. パイプライン用鋼管の一部より切断され形成されたリング形状の試験鋼管の外周に、前記試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の変形体を装着する工程と、
    互いに対向配置した一対の対向壁の間を軸が延在するように前記試験鋼管及び前記変形体を配置し、前記一対の対向壁に前記変形体の軸方向の両端面が密着した状態で前記一対の対向壁で前記変形体を挟持する工程と、
    前記一対の対向壁及び前記変形体の外周面に対向する周壁で前記変形体の外周面を囲んで形成した圧力室に流体を供給し、前記変形体の外周面に加圧した前記流体を作用させる工程と、
    前記試験鋼管の内径を測定する工程と、
    前記圧力室の前記流体の圧力を測定する工程と、
    前記試験鋼管の内径測定値及び前記圧力室の前記流体の圧力測定値に基づいて圧潰した前記試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する工程と、を備えたことを特徴とするパイプライン用鋼管の圧潰試験方法。
  2. 前記変形体の軸方向長さをLc1、前記試験鋼管の軸方向長さをLt1とすると、前記変形体及び前記試験鋼管の軸方向長さの差ΔL1(Lc1−Lt1)が、0.3mm≦ΔL1≦5.0mmであることを特徴とする請求項1記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験方法。
  3. パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状の試験鋼管を形成する工程と、
    前記試験鋼管の外周に、当該試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の変形体を装着する工程と、
    前記変形体の外周に弾性体からなるシール部材を装着する工程と、
    互いに対向配置した一対の対向壁の間を軸が延在するように前記試験鋼管、前記変形体及び前記シール部材を配置し、前記一対の対向壁に前記変形体の軸方向の両端面が密着し、且つ前記シール部材を弾性変形しながら密着した状態で前記一対の対向壁で前記変形体を挟持する工程と、
    前記一対の対向壁及び前記変形体の外周面に対向する周壁で前記変形体の外周面を囲んで形成した圧力室に流体を供給し、前記変形体の外周面に加圧した流体を作用させる工程と、
    前記試験鋼管の内径を測定する工程と、
    前記圧力室の前記流体の圧力を測定する工程と、
    前記試験鋼管の内径測定値及び前記圧力室の前記流体の圧力測定値に基づいて圧潰した前記試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する工程と、を備えたことを特徴とするパイプライン用鋼管の圧潰試験方法。
  4. 前記変形体の軸方向長さをLc2、前記試験鋼管の軸方向長さをLt2とすると、前記変形体及び前記試験鋼管の軸方向長さの差ΔL2(Lc2−Lt2)が、1.0mm≦ΔL2≦1.3mmであることを特徴とする請求項3記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験方法。
  5. 請求項1から4の何れか一項のパイプライン用鋼管の圧潰試験方法を行う工程を経て前記パイプライン用鋼管を製造することを特徴とするパイプライン用鋼管の製造方法。
  6. パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状に形成した試験鋼管と、
    前記試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の部材であり、前記試験鋼管の外周に装着される変形体と、
    前記変形体の軸方向の両端面が密着するように前記変形体を軸方向から挟持して互いに対向配置されている一対の対向壁と、当該一対の対向壁から延在して前記変形体の外周面を囲む周壁とを備えて前記変形体の外周を囲む圧力室を形成している装置本体と、
    前記圧力室に流体を供給する流体供給手段と、
    前記試験鋼管の内径を測定する内径測定手段と、
    前記圧力室の前記流体の圧力を測定する流体圧力測定手段と、
    前記内径測定手段で測定した内径測定値及び前記流体圧力測定手段で測定した前記流体の圧力測定値に基づいて圧潰した前記試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とするパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
  7. 前記変形体の軸方向長さをLc1、前記試験鋼管の軸方向長さをLt1とすると、前記変形体及び前記試験鋼管の軸方向長さの差ΔL1(Lc1−Lt1)が、0.3mm≦ΔL1≦5.0mmであることを特徴とする請求項6記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
  8. パイプライン用鋼管の一部を切断してリング形状に形成した試験鋼管と、
    前記試験鋼管に対して軸方向長さを長く設定して合成樹脂で形成した円筒形状の部材であり、前記試験鋼管の外周に装着される変形体と、
    前記変形体の外周に装着される弾性体からなるシール部材と、
    前記変形体の軸方向の両端面が密着し、且つ前記シール部材が弾性変形しながら密着するように前記変形体及び前記シール部材を軸方向から挟持して互いに対向配置されている一対の対向壁と、当該一対の対向壁から延在して前記変形体の外周面を囲む周壁とを備えて前記変形体の外周を囲む圧力室を形成している装置本体と、
    前記圧力室に流体を供給する流体供給手段と、
    前記試験鋼管の内径を測定する内径測定手段と、
    前記圧力室の前記流体の圧力を測定する流体圧力測定手段と、
    前記内径測定手段で測定した内径測定値及び前記流体圧力測定手段で測定した前記流体の圧力測定値に基づいて圧潰した前記試験鋼管の圧潰限界圧力を演算する演算手段と、を備えたことを特徴とするパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
  9. 前記変形体の軸方向長さをLc2、前記試験鋼管の軸方向長さをLt2とすると、前記変形体及び前記試験鋼管の軸方向長さの差ΔL2(Lc2−Lt2)が、1.0mm≦ΔL2≦1.3mmであることを特徴とする請求項8記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
  10. 前記シール部材は、前記変形体に対して軸方向長さを長くした円筒形状の弾性体であることを特徴とする請求項8又は9記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
  11. 前記シール部材は、前記変形体の軸方向の両端面の一部に形成した環状の凹部に嵌まり込んでいるOリングであることを特徴とする請求項8又は9記載のパイプライン用鋼管の圧潰試験装置。
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