JP6696526B2 - 気圧制御パターンの設定方法、および、気圧調整装置を備えたエレベータ - Google Patents

気圧制御パターンの設定方法、および、気圧調整装置を備えたエレベータ Download PDF

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Description

本発明は、エレベータ等に関し、特に、かご室内の気圧制御技術に関する。
高層ビル等に設置された高速エレベータを利用して乗客が、例えば、最上階から最下階まで一気に下降するとかご室内の気圧の変化に起因して、乗客に耳詰まりが生じ、乗客が不快感を覚えることがある。
すなわち、かごは、最上階から加速運転、等速運転(定格速度での運転)、減速運転されて最下階まで下降するのであるが、等速運転中は気圧の変化率が大きい時間が長く継続するため耳詰まりの程度が大きくなり不快感が強くなるのである。
近年出現したいわゆる超高層ビル等に設置されるエレベータは、昇降行程が非常に長くなっており、また、搬送効率を向上させるためその昇降速度の超高速化が図られているので、耳詰まりによる不快感は一層強くなる傾向にあり、その軽減対策が求められている。
昇降中に生じる不快感を緩和させるためには、耳詰まりの程度が比較的小さい段階で乗客に唾を飲み込ませる(以下、乗客が唾を飲み込むことを「嚥下」と称する。)ことが有効であり、嚥下を誘発させるためには、かご室内の気圧を階段状に変化させればよいことが知られている(特許文献1〜6)。
すなわち、気圧の変化率が大きい区間(以下、「気圧変化区間」と言う。)を短時間設け、これに続けて気圧が一定となる区間(以下、「気圧一定区間」と言う。)設けることにより、乗客に、気圧変化区間において比較的軽い耳詰まりを感じさせ、気圧一定区間で嚥下させるように誘導することが可能となる。これにより、耳詰まりの程度が大きくなる前、すなわち、不快感が強くなる前に耳詰まりの程度がいったん緩和されることとなる。
特許文献1には、気圧調整装置(特許文献1では「与圧装置」)を制御して、一の気圧変化区間が蹴上げに相当し、これに続く一の気圧一定区間が踏面に相当する階段状にかご室内の気圧を変化させる制御装置(特許文献1では「与圧制御装置」)が開示されている。ここで、かご室内において階段状に変化させる気圧のパターンを「気圧制御パターン」と称することとする。
特開平7−112879号公報 特開2009−137737号公報(特許第5148257号) 特開2010−269855号公報(特許第5393253号) 特開2014−118220号公報(特許第5970362号) 特開2015−202952号公報 特開2016−20274号公報
ところで、言うまでもなく、昇降行程(最下階床面と最上階床面の垂直距離)は、設置される建物の高さ等によってエレベータ毎に異なる。また、1回の運転におけるかごの昇降距離(昇降距離の最長は昇降行程)は、乗客が乗り込む出発階と乗客が指定する目的階の組み合わせによっても異なる。さらに、昇降速度は、エレベータの機種等によってさまざまであるため、昇降距離が同じでもエレベータによって、当該昇降距離の昇降に要する時間(昇降時間)も変わってくる。
しかしながら、従来、一つの昇降距離および一つの昇降時間に対して一つの気圧制御パターンを提示するだけで、昇降距離や昇降時間が変わった場合における気圧制御パターン決定の具体的な手法については特段提示されていない。すなわち、従来、任意の昇降距離と任意の昇降時間の組み合わせに対する気圧制御パターンの具体的な設定方法については特段提示されていない。
本発明は、上記した課題に鑑み、昇降距離や昇降時間に応じた気圧制御パターンを設定することが可能な気圧制御パターンの設定方法、および当該設定方法で設定された気圧制御パターンにしたがってかご室内の気圧が変化するよう気圧調整装置を制御する制御装置を備えたエレベータを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る気圧制御パターンの設定方法は、乗りかごの昇降中におけるかご室内の気圧が階段状に変化するよう制御されるエレベータに適用される前記階段状をした気圧制御パターンの設定方法であって、前記階段状は、かご室内の気圧を気圧変化率B[hPa/s]で気圧変化量A[hPa]だけ変化させる気圧変化区間が蹴上げ、かご室内の気圧を変化させない気圧一定区間が踏面に相当する階段状であり、前記気圧一定区間に割り当てる時間をC[s]、出発階から停止階までの昇降距離L[m]によって定まる両階間の大気圧差をP[hPa]、前記昇降距離Lの昇降に要する昇降時間をT[s]、前記階段状における段数をN(Nは2以上の整数)とした場合に、(数1)を含む式で算出される耳詰まりの程度を指標する指標値が最小となるようなNとCを求め、求められたNから(数2)で定まるA、求められたNとCから(数3)で定まるB、および求められたCから、N段の階段状となるように気圧制御パターンを設定することを特徴とする。
Figure 0006696526
(数2):A=P/N
(数3):B=P/{T−C・(N−1)}
上式中、係数α,α,およびα、並びに、定数β,β,およびβは、試験により定め得る値である。
また、前記エレベータは、前記乗りかごが、加速度a[m/s]、定格速度v[m/s]で運転されるエレベータであって、前記昇降時間Tを前記加速度a、前記定格速度v、および前記昇降距離Lから、(数4)により定めることを特徴とする。
(数4):T=(v/a)+(L/v)
さらに、前記大気圧差Pを、前記昇降距離Lから(数5)により求めるか、
Figure 0006696526
または、昇降距離Lと当該昇降距離Lに対応する大気圧差Pを昇降距離L毎に記憶したテーブルを準備し、当該テーブルを参照して、昇降距離Lに対応する大気圧差Pを求めることを特徴とする。
上記(数5)において、t0は、乗りかごの昇降経路における平均的な気温[℃]である。
上記の目的を達成するため、本発明に係るエレベータは、出発階から停止階まで昇降される乗りかごと、前記乗りかごのかご室内の気圧を調整する気圧調整装置と、前記気圧調整装置を制御する制御装置と、を有し、前記制御装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の気圧制御パターン設定方法によって設定された気圧制御パターンに従ってかご室内の気圧が変化するように前記気圧調整装置を制御することを特徴とする。
また、乗りかごの乗り場毎に設けられた、前記乗りかごを呼ぶための呼びボタンと、前記かご室内に設けられた、行先階を受け付ける階数ボタンと、を備え、前記制御装置は、昇降距離記憶部と、気圧制御パターン演算部と、気圧制御部と、を有していて、前記昇降距離記憶部は、出発階と停止階の組み合わせによって定まる前記昇降距離Lを当該組み合わせ毎に記憶しており、前記気圧制御パターン演算部は、前記呼びボタンで出発階を、前記階数ボタンで停止階を特定し、当該出発階と当該停止階との組み合わせから前記昇降距離記憶部を参照して昇降距離Lを決定し、決定した昇降距離Lに対応する前記大気圧差Pと決定した昇降距離Lの昇降に要する前記昇降時間Tとから、前記(数1)を用いた請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって前記気圧制御パターンを設定し、前記気圧制御部は、設定された気圧制御パターンに従って前記かご室内の気圧が変化するように前記気圧調整装置を制御することを特徴とする。
上記した本発明に係る気圧制御パターンの設定方法によれば、上記昇降距離L、上記昇降時間T、および、当該昇降距離Lによって定まる大気圧差Pを(数1)に代入し、(数1)を含む式で算出される上記指標値が最小となる上記Nと上記Cを求めれば、(数2)から気圧変化量A、(数3)から気圧変化率Bを算出できるため、前記A、前記B、前記C、前記Nで構成される気圧制御パターンが設定されることとなる。すなわち、本発明に係る気圧制御パターンの設定方法によれば、任意の昇降距離と任意の昇降時間に応じた気圧制御パターンを設定することが可能となる。
また、本発明に係るエレベータによれば、気圧制御パターンに従ってかご室内の気圧が変化するように気圧調整装置を制御する制御装置を有するエレベータにおいて、前記気圧制御パターンが上述した気圧制御パターン設定方法によって設定されるため、出発階から停止階までの乗りかごの室内の気圧が、任意の昇降距離と任意の昇降時間に応じた気圧制御パターンに従って調整されることとなる。
階段状をした気圧制御パターンを示す図であり、(a)は乗りかごの下降運転時における気圧制御パターンを、(b)は上昇運転時における気圧制御パターンをそれぞれ示している。 気圧制御パターンにおける気圧変化量と耳詰まり強さとの関係を調査した生理心理評価試験の結果を示すグラフである。 気圧制御パターンにおける気圧変化率と耳詰まり強さとの関係を調査した生理心理評価試験の結果を示すグラフである。 気圧制御パターンにおける気圧一定時間と耳詰まり強さとの関係を調査した生理心理評価試験の結果を示すグラフである。 数式により求めた耳詰まりの程度を指標する指標値と実際に生じる耳詰まり強さとの関係を示したグラフであり、(a)は加圧制御時(下降運転時)のグラフであり、(b)は減圧制御時(上昇運転時)のグラフである。 上記数式を補正した補正後の数式により求めた耳詰まりの程度を指標する指標値と実際に生じる耳詰まり強さとの関係を示したグラフであり、(a)は加圧制御時(下降運転時)のグラフであり、(b)は減圧制御時(上昇運転時)のグラフである。 上記補正後の数式を用いて求めた気圧制御パターンの例を、昇降条件と共に示したものである。 図7に示す気圧変化量A、気圧変化率B、気圧一定時間C、および段数Nで構成される気圧制御パターンを示す図であり、(a)は図7におけるNo.1の場合を、(b)は同No.2の場合をそれぞれ示している。 実施形態に係るエレベータの概略構成を示す図である。 (a)は、主として、気圧調整装置を制御する制御装置の機能ブロック図を示しており、(b)は、前記制御装置における昇降条件記憶部の構成を示している。 上記制御装置の気圧制御パターン演算部が実行する処理内容を示したフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
<気圧制御パターンの前提と定義>
図1は、本実施形態で設定すべき階段状をした気圧制御パターンを示す図であり、横軸に出発階から停止階までの時間経過[s]を、縦軸にかご室内の気圧[hPa]を採ったグラフである。
図1(a)は、乗りかごの下降運転時における気圧制御パターンを、図1(b)は、上昇運転時における気圧制御パターンをそれぞれ示している。
図1に示すように、気圧制御パターンは、下降運転時は右上がりの階段状になる一方、上昇運転時は右下がりの階段状になるものの、階段状には違いがないので、図1(a)と図1(b)におけるグラフ(気圧制御パターン)には、同じ符号を付し、まとめて説明することとする。
気圧制御パターンが呈する階段状は、かご室内の気圧を一定の気圧変化率で所定の気圧変化量だけ変化させる気圧変化区間K1が蹴上げ、かご室内の気圧を変化させない気圧一定区間K2が踏面に相当する階段状である。
ここで、上記所定の気圧変化量をA[hPa]、上記一定の気圧変化率をB[hPa/s]、気圧一定区間K2に割り当てられる時間(以下、「気圧一定時間」と言う。)をC[s]とする。
本実施形態では、気圧制御パターンを複数段の階段状に設定している。図1に示すのはいずれも3段構成とした階段状の例である。すなわち、一の気圧制御パターンにおいて気圧変化区間K1が出現する回数が階段状における段数に相当する。また、「段数−1」が、気圧一定区間K2が現れる回数となる。
ここで、階段状をした気圧制御パターンにおける段数をN(Nは2以上の整数)とする。
<気圧制御パターンの決定手法>
次に、気圧制御パターンを設定するために用いる後述の数式(数1)を、本願発明者等が導出した過程について説明する。
〔気圧変化量(A)、気圧変化率(B)、気圧一定時間(C)の各々と耳詰まりとの関係性〕
上述の通り、階段状をした気圧制御パターン(の階段形状)は、
A:気圧変化量[hPa]
B:気圧変化率[hPa/s]
C:気圧一定時間[s]
N:段数
の4つの要素で決まる。また、A、B、Cの3つの要素が決まれば、あとは段数分の繰り返しとなる。そこで、本願の発明者等は、先ず、3つの要素A、B、Cの各々と耳詰まりとの関係性について、要素毎に調査した。
具体的には、上記3つの要素の内、2つの要素を固定し、調査の対象とする残りの1つの要素を変化させ、当該変化させた要素と耳詰まりとの関係性を把握するための生理心理評価試験を実施した。
当該試験には、減圧試験設備を用いた。減圧試験設備は、気密性を有する試験室内を任意に減圧し得る設備である。
試験室内の気圧を階段状に変化させたときに、試験室内にいる被験者に対し、そのときに感じている耳詰まりの強さを評価してもらう形式の試験を実施した。評価のタイミングは、各気圧一定区間の終了時である。被験者は、全部で20名とした。
耳詰まりの強さは10段階で評価し、値が大きいほど耳詰まりを強く感じていることとした。この10段階での評価値を「耳詰まり強さE」とする。
また、気圧変化量A、気圧変化率B、および気圧一定時間Cのいずれか一つを変化させる際に、残りの2つに用いる固定値A、B、Cは、それぞれ、
=4.5[hPa]、B=0.5[hPa/s]、C=6.0[s]
に設定した。上記固定値の組み合わせ(A=4.5、B=0.5、C=6.0)を、以下「基準条件」と称する。
固定値A、B、Cを上記の値に設定した理由は以下の通りである。
すなわち、3つの要素A、B、C各々単独の耳詰まりとの関係性を把握するのが試験の目的であるため、固定値A、B、C各々は、他の要素A、B、Cと耳詰まりとの関係性の把握に可能な限り影響を与えないような値にしたのである。
発明者等は、この生理心理評価試験に至るまでに、上記減圧試験設備を用い試験室内の気圧を階段状に変化させて耳詰まりの程度を調べる試験をいくつか行っている。その際に、気圧変化量Aは大きいほど耳詰まりを感じやすくなるところ、気圧変化量Aが4.5[hPa]を超えた辺りから耳詰まりが認識されることが分かったため、耳詰まりを感じ始める直前の値(4.5)を固定値Aとした。
また、気圧変化率Bは、小さいほど耳詰まりは感じにくいと推測されるところ、設定し得るできるだけ小さな値(0.5)を固定値Bとした。
さらに、気圧一定時間Cは、公開特許公報において、4〜6[s]確保すれば、耳詰まりが解消されるとの記載が見受けられたところ、この上限である6.0[s]を固定値Cとした。
試験は、乗りかごの下降運転時と上昇運転時を想定して実施した。すなわち、下降運転時を想定した場合は気圧制御パターンが右上がりの階段状になるように試験室内を加圧し(以下、「加圧制御」と称する。)、上昇運転時を想定した場合は気圧制御パターンが右下がりの階段状になるように試験室内を減圧した(以下、「減圧制御」と称する。)。
なお、上記の固定値A,B,Cの組み合わせからなる気圧制御パターン(以下、「基準パターン」と称する。)に従って試験室の気圧を変化させて試験を実施した結果、加圧制御時(下降運転想定時)の耳詰まり強さE0dnと、減圧制御時(上昇運転想定時)の耳詰まり強さE0upは、それぞれ、E0dn=3.2、E0up=1.9であった。なお、E0dnとE0upは、上記被験者20人の平均値である。以下、加圧制御時(下降運転時)と減圧制御時(上昇運転時)を区別する場合、加圧制御時(下降運転時)の場合は添え字「dn」を、減圧制御時(上昇運転時)の場合は添え字「up」を付加し、両者の場合を統括する場合は、これらの添え字を省略することとする。
(i)気圧変化量Aと耳詰まり強さEとの関係
気圧変化率と気圧一定時間をそれぞれB=0.5[hPa/s]、C=6.0[s]と固定し、気圧変化量Aのみを変化させたときの試験結果を図2に示す。図2は横軸に気圧変化量Aを縦軸に耳詰まり強さEを採ったグラフである。
耳詰まり強さEは、上記被験者20人の平均値であり、加圧制御時(下降運転時)における耳詰まり強さを黒丸「●」で、減圧制御時(上昇運転時)における耳詰まり強さを白丸「○」でそれぞれプロットした。この点については、後述する図3、図4においても同様である。
図2から、加圧制御をしたときの方が減圧制御したときよりも相対的に耳詰まり強さEが強くなることが分かる。
また、加圧制御時においても減圧制御時においても、気圧変化量Aが大きくなる程、耳詰まり強さEも大きくなり、気圧変化量Aと耳詰まり強さEの関係には、線形性が認められることが分かる。すなわち、気圧変化量Aと耳詰まり強さEの関係は、1次式(式A)で表される。
=αA+β …(式A)
ここで、図2に示す試験結果から、係数αと定数βを求め、加圧制御時の耳詰まり強さEAdnと気圧変化量A、減圧制御時の耳詰まり強さEAupと気圧変化量Aの関係をそれぞれ1次式で表すと、
Adn=0.0174A+3.1407 …(式A-1)
Aup=0.0204A+1.858 …(式A-2)
となった。
(ii)気圧変化率Bと耳詰まり強さEとの関係
気圧変化量と気圧一定時間をそれぞれA=4.5[hPa]、C=6.0[s]と固定し、気圧変化率Bのみを変化させたときの試験結果を図3に示す。図3は横軸に気圧変化率Bを縦軸に耳詰まり強さEを採ったグラフである。
図3から、加圧制御をしたときの方が減圧制御したときよりも相対的に耳詰まり強さEが強くなることが分かる。
また、加圧制御時においても減圧制御時においても、気圧変化率Bが大きくなる程、耳詰まり強さEも大きくなり、気圧変化率Bと耳詰まり強さの関係には、線形性が認められることが分かる。すなわち、気圧変化率Bと耳詰まり強さEの関係は、1次式(式B)で表される。
=αB+β …(式B)
ここで、図3に示す試験結果から、係数αと定数βを求め、加圧制御時の耳詰まり強さEBdnと気圧変化率B、減圧制御時の耳詰まり強さEBupと気圧変化率Bの関係をそれぞれ1次式で表すと、
Bdn=0.6932B+3.4108 …(式B-1)
Bup=0.5135B+2.0284 …(式B-2)
となった。
(iii)気圧一定時間Cと耳詰まり強さEとの関係
気圧変化量と気圧変化率をそれぞれA=4.5[hPa]、B=0.5[hPa/s]と固定し、気圧一定時間Cのみを変化させたときの試験結果を図4に示す。図4は横軸に気圧一定時間Cを縦軸に耳詰まり強さEを採ったグラフである。
図4から、加圧制御をしたときの方が減圧制御したときよりも相対的に耳詰まり強さEが強くなることが分かる。
また、加圧制御時においても減圧制御時においても、気圧一定時間Cが大きくなる程、耳詰まり強さEは小さくなり、気圧一定時間Cと耳詰まり強さの関係には、線形性が認められることが分かる。すなわち、気圧一定時間Cと耳詰まり強さEの関係は1次式(式C)で表される。
=αC+β …(式C)
ここで、図4に示す試験結果から、係数αと定数βを求め、加圧制御時の耳詰まり強さECdnと気圧一定時間C、減圧制御時の耳詰まり強さECupと気圧一定時間Cの関係をそれぞれ1次式で表すと、
Cdn=−0.081C+3.7534 …(式C-1)
Cup=−0.067C+2.5526 …(式C-2)
となった。
〔耳詰まりの程度を指標する指標値の算出式〕
上述した通り、耳詰まり強さEは、気圧変化量A、気圧変化率B、および気圧一定時間Cの各々と1次式の関係にあることが判明したため、これを踏まえ、これら3つの要素から耳詰まりの程度を指標する指標値を算出できる数式を導出することとした。
基本的には、耳詰まり強さE(式A)、E(式B)、およびE(式C)を掛け合わせて得られる値を上記指標値Iとすることとした。
すなわち、
=E・E・E
=(α・A+β)・(α・B+β)・(α・C+β) …(式D)
である。つまり、Iの値が最も小さくなるようなA、B、およびCの組み合わせからなる気圧制御パターンとすることで、乗客が感じる耳詰まりの強さを緩和させる効果が可能な限り大きくなると考えたのである。
ここで、
出発階から停止階までの昇降距離をL[m]、
出発階と停止階との間の大気圧差をP[hPa]、
乗りかごの加速度をa[m/s]、
乗りかごの定格速度をv[m/s]、
出発階から停止階までに要する昇降時間をT[s]、
とすると、気圧変化量A、気圧変化率B、および昇降時間Tは、それぞれ、
A=P/N …(数2)
B=P/{T−C・(N−1)} …(数3)
T=(v/a)+(L/v) …(数4)
となる。
(数2)、(数3)を(式D)に代入すると、
={α・(P/N)+β}・[α・P/{T−C・(N−1)}+β]・(α・C+β) …(式D-1)
となる。
出発階と停止階が決まれば、昇降距離Lが決まり、昇降距離L(すなわち、出発階と停止階の高低差)が決まれば前記大気圧差Pが決まる。また、前記加速度aと前記定格速度vは、対象エレベータにおける設計仕様によって定まっている値なので、これらとLとから(数4)により昇降時間Tが決まる。
したがって、耳詰まりの程度を指標する指標値Iを算出する(式D-1)は、NとCを変数とする数式になる。換言すれば、指標値Iが最小となるNとCの値を求めれば、これらと、(数2)、(数3)から、AとBが決定されるため、耳詰まりを緩和するために効果的な気圧制御パターンが定まるのである。
なお、(式D-1)における係数α,α,α、定数β,β,βは、加圧制御(下降運転)の場合には、(式A-1)、(式B-1)、(式C-1)において対応する値を用いる。ここで、本明細書において、1次式おける係数と定数をまとめて言う場合には、「係数等」とする。
加圧制御(下降運転)の場合には、(式D-1)の係数等に、以下の一組の値(以下、「第1組」と称する)を用いる。
α=0.0174、α=0.6932、α=−0.081
β=3.1407、β=3.4108、β=3.7534
また、減圧制御(上昇運転)の場合には、(式D-1)の係数等に、(式A-2)、(式B-2)、(式C-2)において対応する、以下の一組の値(以下、「第2組」と称する。)を用いる。
α=0.0204、α=0.5135、α=−0.067
β=1.858、 β=2.0284、β=2.5526
<気圧制御パターン設定方法>
改めて、実施形態に係る気圧制御パターン設定方法について説明する。
(a)対象となるエレベータの加速度と定格速度は、上記の通り、それぞれa[m/s]、v[m/s]である。なお、加速度と定格速度は、エレベータの機種や設置される建物の高さ(昇降行程)などによって変わるものである。本件では、超高層ビル等に設置される、昇降行程が非常に長く(例えば、L=700[m])、昇降速度も非常に速いエレベータを想定している。このようなエレベータでは、一般的に、上昇時の定格速度vupよりも下降時の定格速度vdnを遅くしている。例えば、Vup=1200[m/s]、Vdn=600[m/s]である。
(b)1回の運転における乗りかごの昇降距離をL[m]とする。昇降距離Lは出発階と停止階によって定まる。
(c)昇降距離Lによって定まる、出発階と停止階との間の大気圧差P[hPa]を定める。
大気圧差Pは、以下の(c-1)、(c-2)のいずれかによって定めることができる。
(c-1)
次式(数5)により定める。
Figure 0006696526
(数5)は、高低差(昇降距離L)に対応する大気圧差を求めるための公知の演算式である。「t0」は、気温[℃](本例では、乗りかごの昇降経路における平均的な気温)である。気温t0は、前記平均的な気温を測定し得る場所に温度センサ(不図示)を設置して測定するか、あるいは、変動し得ると想定される気温の範囲では、算出される大気圧差Pの大きさに大差はないため、固定値(例えば、t0=15[℃])を用いる。
(c-2)
昇降距離Lと当該昇降距離Lに対応する大気圧差Pを昇降距離L毎に記憶した不図示のテーブル(以下、「大気圧差テーブル」と称する。)を備えておき、当該大気圧差テーブルを参照して、所望の大気圧差Pを定める。なお、超高層ビル等において、1階とスカイロビー階を直通で運転するような、いわゆるシャトルエレベータの場合は、出発階(1階)と停止階(スカイロビー階)は一組しかないため、大気圧差テーブルは不要であり、昇降行程に対応する大気圧差Pを予め定めておけば足りる。
(d)前記(数4)により、昇降時間Tを定める。あるいは、(数4)で逐一算出するのではなく、昇降距離Lとこれに対応する昇降時間Tを昇降距離L毎に記憶した不図示のテーブル(以下、「昇降時間テーブル」と称する。)を準備し、当該昇降時間テーブルを参照して、昇降距離Lに対する昇降時間Tを求めるようにしても構わない。
(e)(a)〜(d)で定まった大気圧差Pおよび昇降時間Tを(式D-1)に代入する。これにより、(式D-1)は、段数Nと気圧一定時間Cのみを変数とする数式になる。
ここで、指標値Iが最小となるようなNとCを求める。そのような、NとCは、例えば、以下のようにして求めることができる。
Nは(2以上の)整数であるため、Nをある値に固定し、Cに代入する値を変化させたときにIが最小となるCの値を見つける。この手順を、Nの値を順次代えて実施する。そして、全体を通して、Iが最小となるときのNとCの組み合わせを求めるのである。
ここで、(式D-1)に代入するNの範囲は、例えば、2≦N≦10であり、Cの範囲は、例えば、2≦C≦14である。この範囲は、現実の昇降距離L、昇降時間T等を勘案し、経験的に想定し得る範囲であるが、適宜変更しても構わない。
(f)段数Nと気圧一定時間Cが求まると、段数N等から(数2)でAを定め、段数Nと気圧一定時間C等から(数3)でBを求める。
以上より、気圧変化量A、気圧変化率B、気圧一定時間C、および段数Nで定まる気圧制御パターンが設定される。
なお、言うまでもなく、実際にNとCを求める際には、(式D-1)における係数α,α,α、定数β,β,βには、上記した具体的な数値(前記第1組または前記第2組)を用いる。
<(式D)、(式D-1)の補正>
上記係数α,α,α、定数β,β,βに用いる具体的な値は、上記の通り、前記基準条件(A=4.5[hPa]、B=0.5[hPa/s]、C=6.0[s])の下に、生理心理評価試験によって求めた値である。基準条件は上述した方針によって選定したものの、基準条件の設定値によっては、試験の結果得られる係数α,α,α、定数β,β,βの値が変動する可能性がある。
そこで、基準条件の設定値による影響を可能な限り排除するため、(式D)、ひいては(式D-1)を補正することとした。ここで、基準条件下(基準パターン)での耳詰まり強さを基準耳詰まり強さE(前記E0dn、または、前記E0up)とする。
(式A)、(式B)、(式C)の耳詰まり強さを基準耳詰まり強さEに対する比として評価し、これを掛け合わせることとした。
すなわち、(式D)を、
/E=(E/E)・(E/E)・(E/E
={(α・A+β)/E}・{(α・B+β)/E}・{(α・C+β)/E}
とした。
よって、
={(α・A+β)・(α・B+β)・(α・C+β)}/(E・E
=(α・A+β)・(α・B+β)・(α・C+β) …(式D-2)
となる。ここで、α、α、α、β、β、βは、それぞれ、α、α、α、β
β、βを(E・E)で除したものである。
さらに、本願の発明者等は、(式D-2)によって算出した指標値Iと生理心理評価試験における実際のデータとを比較した。実際のデータとは、上記生理心理評価試験(i)、(ii)、(iii)において各条件下での被験者(本例では、20人)の評点の平均値、すなわち、耳詰まり強さEである。
指標値Iを横軸に、耳詰まり強さE(実際のデータ)を縦軸に採ったグラフを図5に示す。図5においても、加圧制御時(下降運転時)の場合を黒丸「●」で、減圧制御時(上昇運転時)の場合を白丸「○」でそれぞれプロットした。
(式D-2)によって算出した指標値Iと実際のデータとが完全に合致するのであれば、図5においてE=Iで表される一点鎖線の直線上に各点がプロットされることとなる。
しかしながら、図5から、加圧制御時(下降運転時)の場合も、減圧制御時(上昇運転時)の場合も、プロット点は全体的に上記直線上から離れていることが分かる。離れてはいるものの、いずれの耳詰まり強さEも線形性を示している。
すなわち、耳詰まり強さEとIとは、以下の1次式(式R)で表される。
E=a・I+b …(式R)
具体的には、加圧制御時(下降運転時)の場合の耳詰まり強さEをEdnとし、減圧制御時(上昇運転時)の場合の耳詰まり強さEをEupとすると、EdnとEupは、それぞれ、
dn=1.1・I−0.8 …(式R-1)
up=0.7・I−0.3 …(式R-2)
で表される。
算出値である指標値Iを実際に得られる耳詰まり強さに近づけるため、(式D-2)を(式R)の係数および定数で補正することとした。補正後の指標値をIとすると、補正後の式は以下の通りである。
=a・I+b
=a・(α・A+β)・(α・B+β)・(α・C+β)+b …(式D-3)
(式D-3)の係数および定数に具体的な数値を入れると、加圧制御時(下降運転時)の指標値Irdnと減圧制御時(上昇運転時)の指標値Irupは、それぞれ、以下のようになる。
rdn={1.1×10−1・(0.2×10−1A+0.3)・(0.7B+3.0)・(−0.8×10−1C+4.0)}−0.8 …(式D-4)
rup={0.2・(0.2×10−1A+2.0)・(0.5B+2.0)・(−0.7×10−1C+3.0)}−0.3 …(式D-5)
ここで、(式D-4)、(式D-5)についても、これらによって算出した指標値Irdn、Irupと生理心理評価試験における実際のデータとを比較し、補正の効果を確認した。比較の方法は、(式D-2)についてした上記の方法と同じである。
比較結果を示すグラフを図6に示す。図6から、算出式(式D-4)、(式D-5)で算出される指標値Irdn、Irupの値と実際のデータ(耳詰まり強さE)とは概ね一致しており、(式D-4)、(式D-5)は、耳詰まりの程度を指標する指標値を算出するための数式として適切であると言える。
(式D-3)において「a」を各括弧の中に入れ、(式D-3)を一般化すると、換言すると、(式D-4)、(式D-5)を一般化すると、
=(α・A+β)・(α・B+β)・(α・C+β)+b …(式D-6)
となる。
(式D-5)に、(数2)、(数3)を代入すると、
={α・(P/N)+β}・[α・P/{T−C・(N−1)}+β]・(α・C+β)+b …(式D-7)
となる。
(式D-7)を用いて気圧制御パターンを決める場合も、上述した(a)〜(f)と同様、Iの値が最小となるようなNとCを求め、NとCから(数2)、(数3)よりA、Bを求める。
実際には、(式D-7)の係数、定数が具体的な数値に置き換わった(式D-4)、(式D-5)を用いる。この場合、Iが最小となるNとCを求める際に、「b」の値〔(式D-4)では「−0.8」、(式D-5)では「−0.3」)は影響しない(もっとも、指標値Iを現実の耳詰まり強さEに可能な限り合致させるためには、「b」は必要である。)。
よって、結局のところ『A:P/N』、『B:P/{T−C・(N−1)}』、および『C』を変数とする3つの一次式の積の値が最小になるような、NとCを定めればよいことになる。
ここで、当該3つの一次式の積を一般式で表すと次式(数1)になる。
Figure 0006696526
すなわち、気圧制御パターンを設定するには、(数1)を含む式で算出される耳詰まりの程度を指標する指標値が最小となるようなNとCを求めれば良いのである。
なお、これまでの説明から理解されるように、係数α,α,およびα、並びに、定数β,β,およびβは、試験(生理心理評価試験)の結果から予め定め得る値である〔(式D-1)における前記第1組および前記第2組の係数等、(式D-4)および(式D-5)における係数等〕。
実際に、「N」と「C」を求める際は、(式D-1)に前記第1組または前記第2組の係数等を代入した式を用いても構わないし、好ましくは、(式D-1)に上記の補正を施した(式D-4)、(式D-5)を用いることとする。
<気圧制御パターンの例示>
(式D-4)、(式D-5)を用いて設定された気圧制御パターンを紹介する。
昇降条件を図7に示す表の左側に、各昇降条件において(式D-4)または(式D-5)を用いて設定された気圧変化量A、気圧変化率B、気圧一定時間C、および段数Nを同表の右側に記載した。表中の項目「走行方向」において、「DN」は、加圧制御(下降運転)の場合であり、「UP」は、減圧制御(上昇運転)の場合である。なお、昇降距離Lに対応する大気圧差Pは、(数5)においてt0=15[℃]として算出した。
例えば、図7におけるNo.1とNo.3の比較から、昇降時間Tの決定要因である昇降速度(定格速度、加速度)が同じでも、昇降距離Lが異なれば、気圧変化量Aおよび気圧一定時間Cが異なるため異なった気圧制御パターンが設定されることが分かる。
さらに、No.2とNo.4の比較からも、昇降速度(定格速度、加速度)が同じでも、昇降距離Lが異なれば、気圧変化量Aおよび気圧変化率Bが異なるため異なった気圧制御パターンが設定されることが分かる。
また、例えば、No.1とNo.5の比較から、昇降距離Lが同じでも、昇降時間Tの決定要因である昇降速度(定格速度、加速度)が異なれば、気圧変化量A、気圧変化率B、および気圧一定時間Cが異なるため異なった気圧制御パターンが設定されることが分かる。
さらに、No.2とNo.6の比較からも、昇降距離Lが同じでも、昇降速度(定格速度、加速度)が異なれば、気圧変化率Bが異なるため異なった気圧制御パターンが設定されることが分かる。
すなわち、本実施形態に係る気圧制御パターンの設定方法によれば、昇降条件(昇降距離、昇降時間)に応じた気圧制御パターンを設定することが可能である。
図7のNo.1とNo.2の場合の気圧制御パターンをグラフで表したものを図8に示す。
図8(a)にNo.1の気圧制御パターンを実線で、図8(b)にNo.2の気圧制御パターンを実線で、それぞれ表している。なお、図8(a)、図8(b)において破線は、かご室内の気圧を制御しない場合における当該かご室内の気圧変化を表している。
<エレベータ>
続いて、本発明に係るエレベータの実施形態について図面を参照しながら説明する。図9は、実施形態に係るエレベータ10の概略構成を示す図である。
エレベータ10は、例えば、図9に示すように、昇降路12の上方に機械室14を備えたトラクション式エレベータであって、機械室14に設置された巻上機16の駆動シーブ18に掛けられた主ロープ20の一端部に乗りかご22が連結され、他端部に釣合おもり24が連結された構成を有している。
巻上機16は、不図示の電動機を有しており、当該電動機からの回転動力が、不図示の動力伝達機構を介し、駆動シーブ18に伝達されて、駆動シーブ18が回転駆動されると、駆動シーブ18に掛けられた主ロープ20に連結されている乗りかご22と釣合おもり24が、それぞれに設けられた不図示のガイドレールに案内されて、昇降路12内を互いに反対向きに昇降する。
乗りかご22の各停止階床の乗り場Ha,Hb,Hcには、乗りかご22に設けられたかご扉26に連動して開閉される乗り場扉28a,28b,28cが設置されている。
乗り場扉28a,28b,28c近傍の壁面には、乗りかご22を呼ぶための呼びボタンを有する呼びボタン装置30a,30b,30c(個々の呼びボタンについては不図示)が設置されている。呼びボタン装置30a,30b,30cは、いずれも、基本的には、同じ構成であるため、設置階毎に区別する場合は、アルファベットa,b,cの符号を付し、区別する必要のない場合は、当該符号を省略して、単に、呼びボタン装置30として説明する。
一方、乗りかご22のかご室内には、行先階を指定するための階数ボタンを有する階数ボタン装置32(個々の階数ボタンについては不図示)が設けられている。
機械室14には、また、前記電動機(不図示)、かご扉26、階数ボタン装置32、および呼びボタン装置30a,30b,30c等に所定の電力を供給すると共に、これらを統括的に制御して、エレベータ10の円滑な運転を実現する主制御盤34が設置されている。
乗りかご22には、かご室内の気圧を調整する気圧調整装置36が設置されている。気圧調整装置36には、例えば、給気機能と排気機能を有する給・排気ブロアーが用いられる。また、気圧調整装置36を制御する制御装置38(図9では不図示、図10参照)が設けられている。制御装置38には、例えば、マイコンが用いられる。
制御装置38の機能ブロック図を図10に示す。
制御装置38は、図10(a)に示すように、昇降条件記憶部40、気圧制御パターン演算部42、気圧制御パターン記憶部44、および気圧制御部46を含む。
昇降条件記憶部40は、図10(b)に示すように、昇降距離記憶部402と昇降速度情報記憶部404を含む。
昇降距離記憶部402は、出発階と停止階の組み合わせによって定まる、1回の運転での昇降距離を当該組み合わせ毎に記憶している。
昇降速度情報記憶部404は、エレベータ10の仕様の一つである加速度aと定格速度vを記憶している。
気圧制御パターン演算部42は、昇降距離Lと昇降速度(加速度、定格速度)に応じて、気圧制御パターンを設定する。
気圧制御パターン演算部42が実行する処理を、図11に示すフローチャートに基づいて説明する。
気圧制御パターン演算部42は、主制御盤34からかご室内気圧制御指示を受けると(ステップS1でYES)、ステップ2以降の一連の処理を開始する。
かご室内気圧制御指示には、呼びボタン装置30で特定される出発階と階数ボタン装置32で特定される停止階の情報が含まれている。出発階と停止階の情報により、次の運転が上昇運転なのか下降運転なのかが判断される。
気圧制御パターン演算部42は、当該出発階と当該停止階とから、昇降距離記憶部402を参照して、対応する昇降距離Lを決定する(ステップS2)。
気圧制御パターン演算部42は、決定した昇降距離Lから(数5)により大気圧差Pを求める(ステップS3)。
また、気圧制御パターン演算部42は、上記昇降距離Lと昇降速度情報記憶部404に記憶されている加速度a、定格速度vとから(数4)により昇降時間Tを算出する(ステップS4)。
気圧制御パターン演算部42は、ステップS3で求めた大気圧差PおよびステップS4で算出した昇降時間Tを、下降運転の場合は(式D-4)に、上昇運転の場合は(式D-5)に代入し、(式D-4)と(式D-5)のいずれかで算出される値が最も小さくなるようなNとCを求める(ステップS5)。
気圧制御パターン演算部42は、ステップS3で求めた大気圧差P、ステップS5で求めた段数Nから(数2)により気圧変化量Aを算出し、ステップS3で求めた大気圧差P、およびステップS4で算出した昇降時間T、並びに、ステップS5で求めた気圧一定時間Cおよび段数Nから(数3)により気圧変化率Bを算出する(ステップS6)。
気圧制御パターン演算部42は、ステップS6で算出した気圧変化量Aおよび気圧変化率B、並びに、ステップS5で求めた気圧一定時間Cおよび段数Nから気圧制御パターンを構成し、当該気圧制御パターンを気圧制御パターン記憶部44に記憶して(ステップS7)一連の処理を終了する。気圧制御パターン記憶部44に記憶される気圧制御パターンは、例えば、図8(a)や図8(b)に示すようなパターンである。
気圧制御部46は、気圧制御パターン記憶部44に記憶されている気圧制御パターンに従って乗りかご22のかご室内の気圧が変化するように気圧調整装置を制御する。
なお、上記ステップS3では、(数5)により大気圧差Pを算出したが、これに限らず、昇降距離Lと当該昇降距離Lに対応する大気圧差Pを昇降距離L毎に記憶した不図示の大気圧テーブルを予め昇降条件記憶部40に記憶しておき、当該大気圧差テーブルを参照して、昇降距離Lに対応する大気圧差Pを求めるようにしても構わない。
また、上記ステップS4では、(数4)により、昇降時間Tを定めたが、これに限らず、昇降距離Lとこれに対応する昇降時間Tを昇降距離L毎に記憶した不図示の昇降時間テーブルを予め昇降条件記憶部40に記憶しておき、当該昇降時間テーブルを参照して、昇降距離Lに対する昇降時間Tを求めるようにしても構わない。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限られないことは勿論であり、例えば、以下のような形態としても構わない。
(1)図11に示すフローチャートにおいて、ステップS2で昇降距離Lが決定されると、ステップS3以降の処理を順次実施したが、昇降距離Lが所定の距離(例えば、300[m])未満の場合は、気圧制御パターンは設定しない、すなわち、かご室内の気圧調整は実施しないこととしても構わない。昇降距離Lが短い場合、気圧調整をしなくても問題となるほどの耳詰まりは生じないからである。
(2)上記実施形態では、図11のフローチャートで示す処理手順により、呼びボタンと階数ボタンの組み合わせで決まる昇降距離Lに応じて逐一、気圧制御パターンを設定した。
しかしながら、前記シャトルエレベータでは、昇降距離Lは一つに決まっているため、その都度、気圧制御パターンを設定する必要がない。そこで、シャトルエレベータのような場合は、制御装置38(図10(a))から昇降条件記憶部40および気圧制御パターン演算部42を除いても構わない。そして、昇降距離(昇降行程)L、当該シャトルエレベータの設計仕様で定められた加速度aおよび定格速度vから上述した方法により、下降運転(加圧制御)の場合と上昇運転(減圧制御)の場合の各々について気圧制御パターンを設定し、設定した二つの気圧制御パターン(下降運転用の気圧制御パターンと上昇運転用の気圧制御パターン)を、予め、気圧制御パターン記憶部44(図10(a))に記憶することとしても構わない。そして、気圧制御部46は、上昇運転の場合と下降運転の場合とで、上記二つの気圧制御パターンを使い分けるようにするのである。
なお、高層ビル等に設置され、3か所以上の乗り場を有するものの、いわゆる急行ゾーンを設けたエレベータにおいて、当該急行ゾーンの昇降には、上記したシャトルエレベータと同様にしても構わない。すなわち、急行ゾーン用の気圧制御パターンを予め気圧制御パターン記憶部44(図10(a))に記憶しておくのである。
(3)上記実施形態では、制御装置38は、かご室内の気圧が設定された気圧制御パターンに従って変化するよう気圧調整装置36を制御した。この制御のために、さらに、かご室内の気圧を検出する気圧センサ(不図示)を設け、フィードバック制御によりかご室内の気圧を変化させても構わない。すなわち、前記気圧センサによってかご室内の気圧を検出し、検出値を制御装置38にフィードバックする。フィードバックされた検出値と気圧制御パターンとを比較し、両者が一致するように制御装置38の気圧調整装置36の制御に修正動作をおこなわせるようにするのである。これにより、一層確実に、かご室内の気圧が気圧制御パターンに従って変化するようになる。
本発明に係る気圧制御パターン設定方法は、例えば、超高層ビル等に設置される昇降行程の非常に長いエレベータにおいて、乗客に生じる耳詰まりの緩和のためにかご室内の気圧を階段状に制御する場合の当該階段状の設定に好適に利用可能である。
10 エレベータ
22 乗りかご
36 気圧調整装置
38 制御装置

Claims (5)

  1. 乗りかごの昇降中におけるかご室内の気圧が階段状に変化するよう制御されるエレベータに適用される前記階段状をした気圧制御パターンの設定方法であって、
    前記階段状は、かご室内の気圧を気圧変化率B[hPa/s]で気圧変化量A[hPa]だけ変化させる気圧変化区間が蹴上げ、かご室内の気圧を変化させない気圧一定区間が踏面に相当する階段状であり、
    前記気圧一定区間に割り当てる時間をC[s]、出発階から停止階までの昇降距離L[m]によって定まる両階間の大気圧差をP[hPa]、前記昇降距離Lの昇降に要する昇降時間をT[s]、前記階段状における段数をN(Nは2以上の整数)とした場合に、(数1)を含む式で算出される耳詰まりの程度を指標する指標値が最小となるようなNとCを求め、
    求められたNから(数2)で定まるA、求められたNとCから(数3)で定まるB、および求められたCから、N段の階段状となるように気圧制御パターンを設定することを特徴とする気圧制御パターン設定方法。
    Figure 0006696526
    (数2):A=P/N
    (数3):B=P/{T−C・(N−1)}
    上式中、係数α,α,およびα、並びに、定数β,β,およびβは、試験により定め得る値である。
  2. 前記エレベータは、前記乗りかごが、加速度a[m/s]、定格速度v[m/s]で運転されるエレベータであって、
    前記昇降時間Tを前記加速度a、前記定格速度v、および前記昇降距離Lから、(数4)により定めることを特徴とする請求項1に記載の気圧制御パターン設定方法。
    (数4):T=(v/a)+(L/v)
  3. 前記大気圧差Pを、前記昇降距離Lから(数5)により求めるか、
    Figure 0006696526
    または、
    昇降距離Lと当該昇降距離Lに対応する大気圧差Pを昇降距離L毎に記憶したテーブルを準備し、当該テーブルを参照して、昇降距離Lに対応する大気圧差Pを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の気圧制御パターン設定方法。
    上記(数5)において、t0は、乗りかごの昇降経路における平均的な気温[℃]である。
  4. 出発階から停止階まで昇降される乗りかごと、
    前記乗りかごのかご室内の気圧を調整する気圧調整装置と、
    前記気圧調整装置を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の気圧制御パターン設定方法によって設定された気圧制御パターンに従ってかご室内の気圧が変化するように前記気圧調整装置を制御することを特徴とするエレベータ。
  5. 乗りかごの乗り場毎に設けられた、前記乗りかごを呼ぶための呼びボタンと、
    前記かご室内に設けられた、行先階を受け付ける階数ボタンと、
    を備え、
    前記制御装置は、
    昇降距離記憶部と、
    気圧制御パターン演算部と、
    気圧制御部と、
    を有していて、
    前記昇降距離記憶部は、
    出発階と停止階の組み合わせによって定まる前記昇降距離Lを当該組み合わせ毎に記憶しており、
    前記気圧制御パターン演算部は、
    前記呼びボタンで出発階を、前記階数ボタンで停止階を特定し、当該出発階と当該停止階との組み合わせから前記昇降距離記憶部を参照して昇降距離Lを決定し、
    決定した昇降距離Lに対応する前記大気圧差Pと決定した昇降距離Lの昇降に要する前記昇降時間Tとから、前記(数1)を用いた請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法によって前記気圧制御パターンを設定し、
    前記気圧制御部は、
    設定された気圧制御パターンに従って前記かご室内の気圧が変化するように前記気圧調整装置を制御することを特徴とする請求項4に記載のエレベータ。
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