JP6694177B2 - 直流遮断装置 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電流を遮断するための直流遮断装置に関し、特に、金属接点回路と半導体スイッチ回路を用いて直流を確実に遮断し、金属接点を保護する直流遮断装置に関する。
すでに交流電力系には、金属接点を開極すると電流ゼロ点で遮断時に発生したアークが消滅して、金属接点の絶縁が回復することで、高電圧、大電流の遮断が可能な交流遮断器が存在する。
一方、直流電力系では、電流ゼロ点が存在せず、開極時の接点のアークが持続するため、電流が遮断出来ないばかりでなく、そのままでは金属接点の溶断に至るため、アークの引き延ばしによる冷却によってアークの電気抵抗を大きくして減流し、遮断を行なう方法がある。この場合、アークの熱による電極の消耗が激しいという問題がある。
この問題を解決するため、金属接点の直流電流に対して、コンデンサ放電などによって逆転電流を重畳させて電流ゼロ点を作り出し、摸擬的に交流電流の遮断として直流を遮断する方法がある。これは高電圧大電流の直流遮断で実用化されているが、その遮断器は交流遮断時の再起電圧上昇に耐える能力を使うものである。この場合、コンデンサから放電される電流を投入するスイッチや、逆転電流供給用コンデンサを充電して待機することが必要で、また、充電電圧を遮断電流に合わせる必要がある等、関連する補機類の制御が複雑である。
いずれにしても、直流電流の遮断は容易ではなく、直流電力への利用はアークが持続しない小電流・低電圧のものに限られてきた。
近年、ゲート制御でスイッチングを行う半導体スイッチとして、IGBT、MOSFET等が実用化され、さらにSiC(シリコンカーバイド)の半導体が開発されて、高電圧の直流電流の遮断を、金属接点と並列に半導体スイッチ回路を接続して、通常時は金属接点で通電し、金属接点の開極時の接点アーク電圧で並列に接続されている半導体スイッチをオンにして、さらにアーク電圧によって転流して、その後、電流遮断は半導体スイッチで行なう、いわゆる、アーク電圧転流型のハイブリッドスイッチが知られている。
かかるハイブリッドスイッチによる、数百V、数十A程度の低電圧ハイブリッド遮断器は、金属接点と並列に半導体スイッチをオン状態で待機して金属接点を開極すれば、瞬時に現れる陰極降下電圧とアーク柱の電圧が10〜20Vなので、金属接点から半導体スイッチへの転流時間は数μs以下で、半導体スイッチへ転流してアークは消滅するので、肉眼ではアークの光は見られず、そのエネルギーWeは、アーク電圧Varcとアーク電流Iarcとアーク時間Tarcの積で数ミリ・ジュールであるから、電極消耗は無いといえる。
下記特許文献1では、金属接点の開極時にアーク発生に必要な電圧(10V)以下にすれば完全に無アークに遮断できるとされている。
図1(A)は、アルゴン中での測定ではあるが、一般的なアーク溶接で説明されるアーク電圧とアーク電流の関係を示す図である。下記の非特許文献1によると、気体の種類、電極金属によって多少異なるが、接点アーク電圧の最小は10Vから20V程度である。即ち、アーク電圧はアーク電流ではあまり変わらない。また、10V以下ではアークは発生しないとも考えられる。
金属接点から半導体スイッチ回路への転流時間は、電流と転流回路のインダクタンスの積を、電圧(アーク電圧−半導体のオン電圧)で割ることにより求められる。すなわち、
com=Iarc×Lcom/(Varc−Von)…(式1)
ここに、 Tcom=転流時間、Iarc=アーク電流、Lcom=転流の一周インダクタンス、Varc=アーク電圧、Von=半導体のオン電圧である。
遮断器で電流を遮断した直後には、遮断した接点間に高い電圧が現れるが、これを再起電圧という。開極した金属接点に発生する再起電圧は半導体のオン電圧のみで、開極距離を得た後に半導体スイッチのゲートオフ操作で電流を遮断、再起電圧を制御しながら最終的に電流遮断に至るが、半導体の通電時間は短時間であるので、特別な冷却は不要である。
図1(B)は金属接点のアーク電圧とアーク電流、半導体スイッチに転流された電流などの実測値を示すものである。
一般的に、半導体スイッチの遮断はゲート電圧制御で行なうが、金属接点が開極した際の接点アーク電圧でオンする半導体スイッチに転流するアーク電圧転流と、その後、絶縁ゲートを持つ半導体スイッチのスレッショルド電圧と絶縁ゲートのミラー積分効果を利用して、再起電圧の上昇スピードを制御して、金属接点の絶縁回復を待って確実に遮断する。このような再起電圧制御型のハイブリッドスイッチは、すでに下記特許文献1に開示されている。
この考えは、アーク発生と同時に、接点アーク電圧として約10Vから20Vの電圧が発生することを利用したものである。非特許文献1では、アークの種々の金属接点の最小電圧、最小電流が報告されている。特許文献1では、アーク電圧発生で半導体スイッチのゲート−ソース間電圧がスレッショルド電圧Vthになってオンになり、アーク電流を転流するが、その後、転流と同時に再起電圧Vrが上昇し、その上昇スピードはコンデンサCと抵抗Rで調整でき、電流ゼロになるまで上昇する。経過時間をtとすると、再起電圧Vrは、次の式2で表される。
Vr=Vth+Vth/(C×R)×t…(式2)
Vrの上昇スピードが100V/100μs以下であれば、トグルスイッチ等の金属接点は、アーク無しに絶縁も回復するので、無アークで金属接点が遮断できる優れた方法である。しかし、半導体スイッチが、常時ゲートにスレッショルド電圧以上が印加されれば導通する状態で常時接続されており、保護の問題に関しては、回路遮断の完全性が接点スイッチよりも劣る点である。事実、半導体スイッチ遮断中に電源電圧がステップ的に上昇すると、過渡的に電流リークが発生する。
特開2017−59513号公報
放電ハンドブック出版委員会編 「放電ハンドブック」電気学会編 6.4.5「接点アーク」
電流遮断の確実性については、半導体スイッチの欠点である、ゲートにノイズなど、例えば、金属接点の開極時でも電源が接続され、電圧が印加されると、半導体スイッチが電流リークを起こす問題がある。すなわち、半導体スイッチがオフになっていても電流が流れることがある。これでは、安全を担保する遮断器にならない。
よって、直流電力系であっても、従来の交流電力系と同じ保護レベルが、同じ手順、リーク電流無しに可能であれば、交流電力系と同じ基準の直流遮断装置が実現可能になる。
本発明の目的は、従来の交流遮断装置の技術における、交流アーク通電可能な金属接点の多頻度開閉、高速開閉機構、高電圧の絶縁維持の特性など確立した技術を、直流遮断装置に応用し、リーク電流の無い直流遮断装置を実現することである。
上述の課題を解決するため、本発明は、直流電流を遮断するための直流遮断装置であって、該直流遮断装置は、直列に接続され、連動して開極するアーク通電が可能な第1の金属接点と第2の金属接点とを備えた遮断器と、前記第1の金属接点に並列に接続された半導体スイッチとを備え、通常時は前記二つの金属接点を通じて電流を流すとともに、
前記直流電流の遮断時において、前記遮断器の前記二つの金属接点が同時に開極すると、前記第1の金属接点に生ずるアーク電圧によって前記半導体スイッチが導通して、前記第1の金属接点のアーク電流が前記半導体スイッチに転流し、前記第1の金属接点に流れる電流がすべて前記半導体スイッチに転流した後、前記第1の金属接点の絶縁回復に合わせて、前記半導体スイッチで電流を遮断することにより、前記第2の金属接点のアーク電流も遮断することを特徴とする。
本発明に係る直流遮断装置によれば、外部からの特別なゲート制御信号を必要とすることなく直流を遮断することができ、また、短時間で遮断が完了するため、金属接点が溶融することもない。また、金属接点を二つ直列に接続しているため、半導体スイッチのリーク電流の問題も解決できる。
図1の(A)はアルゴン中の電気溶接アーク電圧を開極距離をパラメータに、電流による変化を示した図である。また、(B)は金属接点のアーク電圧とアーク電流、半導体スイッチに転流された電流などの実測値を示すものである。 本発明に係る直流遮断装置の構成の例を示す回路ブロック図である。 本発明の直流遮断装置の動作を説明するための図である。 本発明に係る直流遮断装置の第1実施例を示す回路図である。 本発明に係る直流遮断装置の第2実施例を示す回路図である。 本発明に係る直流遮断装置の第3実施例を示す回路図である。 本発明に係る直流遮断装置の第4実施例を示す回路図である。 本発明に係る直流遮断装置の第5実施例を示す回路図である。 本発明に係る直流遮断装置の第6実施例を示す回路図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図2は、本発明に係る直流遮断装置の構成の例を示す回路ブロック図である。
この直流遮断装置は、第1の金属接点(以下「接点」という。)1と第2の接点2が直列に接続されて構成される遮断器3と、接点1に並列に接続される半導体スイッチ4を備えている。また、接点1と接点2は連動して開閉極するように連動機構5が設けられている。
通常時は、接点1及び接点2が閉じられており、接点1及び接点2を通じて直流電流(以下「電流」という。)が図の矢印方向に流れている。
次に、この直流遮断装置の遮断時の動作について説明する。図3は、本発明の直流遮断装置の動作を説明するための図である。
状態1は通常時の状態を示し、電流は接点2と接点1を通じて図の矢印方向に流れている。
状態2は、遮断を必要とする時、遮断器が開極されると同時に、接点1及び接点2にはアークが発生し、アーク電流が図の矢印方向に流れる。
次に、状態3では、接点1に生じたアーク電圧によって半導体スイッチ4がオンになり、アーク電流が図の矢印で示した経路で半導体スイッチへと転流する。
状態4では、電流が半導体スイッチ4にすべて転流して接点1のアークは消滅して、接点1はオフ状態(図の×印)になる。この時、接点1には再起電圧が発生する。
状態5は、半導体スイッチ4のゲート制御で再起電圧を制御しつつ、接点1の絶縁回復に合わせて電流を減流し、半導体スイッチ4をオフにする。
状態6では、接点1及び半導体スイッチ4がオフになり電流が無くなるので、接点2は無電流になって遮断され、さらに開極が進んで絶縁回復が完了する。
2つの接点は開極時にともにアークが発生するが、交流遮断時のアーク遮断よりアーク時間は短く、減流時の再起電圧は半導体スイッチにより制御されるので責務はより軽いと言える。
次に、本発明に係る直流遮断装置の実施例について説明する。
図4は、本発明に係る直流遮断装置の第1実施例を示す回路図である。図4(A)は電流の流れる方向に対して接点2が先にある場合の実施例であり、図2に対応するものである。また、図2(B)は電流の流れる方向に対して接点1が先にある場合の実施例であり、電気的には図4(A)と等価であるので、以下、図4(A)についてのみ説明する。なお、電源、負荷と本直流遮断装置の位置関係は、直列に接続されていればすべて等価であるので、接地点や負荷の制約からどちらにするかを選ぶことができる。
図において、符号3で示すのは、遮断器の実施例である2極の開閉器である。接点1及び接点2が連動機構5により連動して開閉極可能なものである。開閉器3としては、例えば、交流10A程度、交流電圧250V程度の2極の単投又は双投の交流用接点スイッチが利用可能である。調査によると交流用の2極双投スイッチは、接点が連動してオフになる場合の同時性は0.1ms程度で、チャタリングも無い。
遮断器3の接点1に並列に半導体スイッチ4が接続されている。半導体スイッチ4は、NチャンネルのMOSFET(以下、単に「FET」という。)と、コンデンサCと抵抗Rとを備えており、FETのドレインが接点1の正側に、ソースが接点1の負側にそれぞれ接続されている。また、FETのドレイン−ゲート間にはコンデンサCが、ゲート−ソース間には抵抗Rがそれぞれ接続されている。
接点1の開極によりアーク電圧(約15V)がステップ的に瞬時に発生すると、FETのゲートに接続されているCとRによるミラー積分効果によって、ゲート−ソース間電圧はスレッショルド電圧Vth(3から5V程度)になってFETがオンになり、接点1の電流はFETに短時間(数μs)で全電流が転流する。
その後、接点1にはFETのソース−ドレイン間電圧、すなわち再起電圧が発生し、その電圧は上記の式2で上昇する。ここではC=0.022μF、R=100〜500Ωである。FETのゲートの過電圧保護のためにダイオードや動作の安定のためにゲート抵抗Rg(不図示)として1kΩ以下を付加するとよい。C,Rが一定の場合、電流に無関係に再起電圧は直線的に上昇して、その結果、電流は減少し、電流が停止するとゲート−ソース間電圧がスレッショルド電圧よりも低くなって、FETはオフとなる。それまでの間、直列の接点2はアーク通電状態であるが、FETがオフになると直列の電流が遮断されるので、接点2のアークは消滅し、完全な遮断状態になる。このように、本実施例では、FETのオン/オフのために必要なゲート電圧を外部から供給する必要がない。
電流は接点1で遮断されるので、接点2では遮断能力は要求されないが、連動する遮断機構により、短時間、数100μs、または大型遮断器では数msのアーク通電がある可能性あるが、遮断電圧は接点1と半導体スイッチ4との並列回路(ハイブリッドスイッチ)と分圧するので、交流遮断より責務は軽い。従来の交流用2連接点スイッチの同時動作を調べると、特に遮断時は1ms以内に収まっており、通常0.1ms程度である。もし、接点2が先に開極してアーク通電状態になっても、1ms以内に直列するハイブリッドスイッチで電流遮断されることになるので本来の交流遮断より責務は軽いと言える。
図5は、本発明に係る直流遮断装置の第2実施例を示す回路図である。図5(A)は電流の流れる方向に対して接点2が先にある場合の実施例であり、図2に対応するものである。また、図5(B)は電流の流れる方向に対して接点1が先にある場合の実施例であり、電気的には図5(A)と等価であるので、以下、図5(A)についてのみ説明する。
図5(A)は、遮断器3として2極双投スイッチを用いた場合である。2極双投スイッチとしては、交流用のトグルスイッチ、2極のa接点b接点を持つ制御リレー、b接点が無くてもb接点の代わりをする補助接点を持つ電磁開閉器や、2連のマイクロスイッチ等が考えられる。
接点1のa接点をFETのドレインに接続し、接点1のb接点をFETのゲートに接続し、かつ、接点1のコモン接点をFETのソースに接続する。また、接点1と接点2を直列に接続することは実施例1と同じである。
遮断器3の二つの接点1,2のa接点を同時に開極し、b接点がオンになるまでの遷移時間、半導体スイッチ4は、a接点の開極によるアーク電圧発生でFETがオンし、接点1の電流はFETに転流する。その後、b接点がオンになることにより、FETのゲートとソースが短絡されてFETがオフになる。それまでの間、直列の接点2はアーク通電状態であるが、FETがオフになると電流が遮断されるので、接点2のアークはアーク維持電流(大気中では数Aであるが)以下になって消滅し、完全な遮断状態になる。
この第2実施例は、接点1のb接点を使って、再起電圧を急速に上昇させて、遮断する例である。これは半導体の通電発熱を軽減して、併せて、遮断後のゲート電圧を短絡して維持する効果もある。この場合、C,Rは第1実施例よりも大きくして、再起電圧の上昇を遅くして、接点間の電圧を低くしたまま開極して、b接点がオンすることにより遮断が完了するのが好ましい。この場合、アークが持続する時間はb接点がオンするまでの遷移時間で、これは、トグルスイッチの場合、約3ms程度である。b接点のオン時にチャタリングが発生するが、このb接点回路に直列に数10Ωを追加すると、それも積分効果で緩やかな遮断をすることができる。
図6は、本発明に係る直流遮断装置の第3実施例を示す回路図である。
これは、電流が双方向に流れる場合においても電流を遮断することができる直流遮断装置の実施例である。電流が双方向の場合に対応しているので、交流電流の場合にも適用できることは言うまでもない。
図4の第1実施例と異なる点は、半導体スイッチ4がさらにダイオードブリッジ6を備え、ダイオードブリッジ6の交流端子を接点1に並列に接続するとともに、ダイオードブリッジ6の直流端子の正側をFETのドレインに接続し、ダイオードブリッジ6の直流端子の負側をFETのソースに接続した点である。これにより電流が双方向に流れる場合においても電流を遮断することができる。
半導体スイッチ4が、さらに、サイリスタ7を備え、サイリスタ7がFETのゲート−ソース間に接続され、転流した後の再起電圧が上昇すると自動的にサイリスタ7によってFETのゲート−ソース間がほぼ短絡状態になり、ゲート−ソース間電圧がスレッショルド電圧以下に降下して電流を遮断する。
すなわち、接点1の遮断後、再起電圧が所定の電圧になるとサイリスタ7が時間遅れ回路にてオンすることで、第2実施例のb接点の機能(すなわち、ゲート−ソース間の電圧がゼロになる)を果たすこととなる。
ここではサイリスタを例にして説明したが、リードリレーなどの高速動作の補助スイッチや、電圧によって容量の変わるコンデンサなども可能である。
遅れてゲート抵抗Rを短絡すると急峻に遮断されるので、FETの通電損失が低減する効果があるのは第2実施例と同じである。
交流電流の遮断装置に本発明の第3実施例を適用すれば、アークの通電時間が数msであるから、最大交流半波のアーク時間10msに比べて短くなるので、接点の電気的寿命が長くなる効果がある。
図7は、本発明に係る直流遮断装置の第4実施例を示す回路図である。これは高電圧の直流を遮断する場合の直流遮断装置の実施例である。ここでは、高電圧とは数十kVの電圧を想定している。
接点2は真空遮断器(VCB)など交流電流用のVCBを採用することができる。VCBはアーク電圧が低く、電極消耗が少なく、かつ、絶縁回復が早い特徴があるが、ガス遮断器、空気遮断器、オイル遮断器など、交流遮断器として開発されたものが利用できる。
また、接点1も複数の開閉器を直列に接続した多接点回路で構成している。その理由は以下のとおりである。
すなわち、高電圧の直流を遮断するためには、半導体スイッチ8も高電圧に対応しなければならない。そのため、複数のFETを直列に繋いで構成しているが(図では、電流双方向に対応するため、交互に向きを変えて接続している。)、これにより、FETのオン電圧及びインダクタンスの合計も大きくなり、例えば、接点1が一つしかないと、そこに発生したアーク電圧(約10〜20V)は低く、多数直列の半導体スイッチ8のFETをすべてオンさせ、かつ、すべてのFETのオン電圧合計を超えることができないので、半導体スイッチ8に転流することが出来ない。
数十kVの規模の直流を遮断するためには、数百V程度のアーク電圧を発生させて半導体スイッチ8に印加する必要がある。そこで、接点1を複数の開閉器を直列に接続した多接点回路で構成し、アーク電圧の合計が十分高くなるようにする必要がある。そのために、接点1の開閉器としては、ガス遮断器などアーク電圧を大きくして消弧するタイプの遮断器を用いるとよい。この接点1のアーク時間は半導体スイッチ8に転流が完了するまでの時間であるので、数百μsである。アーク時間が短く、交流電流遮断時の責務より軽いと言える。
第4実施例は半導体スイッチ8も電流双方向に対応する。また、半導体スイッチ8は、再起電圧制御回路(図4のCとRによるミラー積分回路)を付加したFETでは、オン電圧をスレッショルド電圧(3〜5V)にするのみなので、さらにオン電圧、1V以下に下げるために適切なゲート電圧を与えるゲート制御回路を用意するのもよい。ゲート制御回路は接点1のアーク電圧で動作する絶縁ゲート制御回路が必要で信頼性が落ちる欠点がある。
図8は、本発明に係る直流遮断装置の第5実施例を示す回路図である。第4実施例の多接点回路を、接点1と半導体スイッチ4とを並列接続して構成したハイブリッドスイッチ10と高電圧用遮断器(VCB1)とを直列に接続した回路で置き換えたものである。なお、遮断による再起電圧が過大にならないように、接点1にはバリスタ9を並列に接続している。
図8において、通電から全遮断保護までの手順は、次のとおりである
1.全スイッチをオン状態: 通電は接点である、VCB2,VCB1及び接点1で行う。
2.遮断時は、全ての接点(VCB1,VCB2、接点1)を同時に開極すると、まず、接点1のアーク電圧で(低電圧の)半導体スイッチ4へ転流する。
3.半導体スイッチ4が、CとRの積分効果で直線的に上昇する再起電圧で電流が減流してオフになると、VCB1が遮断されるとともに、その発生電圧により高電圧の半導体スイッチ8がオンとなり、半導体スイッチ8に転流する。
4.高電圧半導体スイッチ8にすべての電流が転流後、高電圧半導体スイッチ8がCとRの積分効果でオフとなり、VCB2は、これまでアーク放電で通電していたが、電流が停止したので遮断される。
VCB1,2ともに十分な交流電流でのアーク通電能力を持っているので、上記のシーケンスが可能である。すなわち、接点の同時開極で、その場合でもアーク時間は数msで直流電流が遮断可能である。
直流電力系で保護遮断が必要な場合、単に複数の遮断器を連動して開極するのみで、半導体スイッチにはアーク電圧によって全自動的に電流が流れ、遮断する。従来の交流遮断器と同じ動作で直流の遮断が可能になる。ここでは、高圧遮断器としてVCBを例にしたが、SF6ガス遮断器、空気遮断器、オイル遮断器も使用可能である。
上記は、すべての接点を同時に開極する場合であるが、図9に示す第6実施例では、通電から遮断完了まで、アークを極力発生しないで開極する実施例である。これは、事故遮断ではない通常の負荷開閉時は、開始から遮断までの時間遅れは問題にならないので有効である。
図9は、本発明に係る直流遮断装置の第6実施例を示す回路図である。この実施例では、接点1の電流を検出する電流検出器CT1、半導体スイッチ4の電流を検出する電流検出器CT2、高電圧半導体スイッチ8の電流を検出する電流検出器CT3を備えるとともに、CT1で過電流の検出や外部からの指令を受けて接点1を開極するとともに、CT2〜CT3の電流値がゼロになった時に半導体スイッチ4、高電圧半導体スイッチ8をオフし、各接点(VCB1、VCB2)に対して開極指令を発信する制御部11を備えることを特徴とする。
また、高電圧半導体スイッチ8は、電流が双方向であって、半導体スイッチ(FET)を多数直列接続して高圧化することで実現できる。その例として、図9のように、4つのFETを単相全波整流の構成にして、その直流部にコンデンサを付加したものを多段にする図を示している。この場合、遮断後の高電圧の分圧がコンデンサの値で決まるので分圧が確実である利点がある。
その動作手順は次の通りである。
(1)制御部11が接点1を開極する指令を発信する。
(2)それと同時に半導体スイッチ4をオンにして、電流が半導体スイッチ4に転流する。
(3)CT1の電流値がゼロになると、制御部11が半導体スイッチ4をオフするとともに、CT2の電流値がゼロになるとVCB1を開極する指令を発信する。半導体スイッチ4がオフすると同時に半導体スイッチ8をオンにして、電流は短時間で半導体スイッチ8に転流し、VCB1は電流が無くなってから開極する。この時、低電圧の接点1と半導体スイッチ4に大きな電圧が発生しないようにバリスタ9がある。
(4)VCB1が無電流、無アークで開極して、十分な耐電圧を持つ開極距離になるまで待って後、高電圧半導体スイッチ8を制御部11の指令によるゲート制御でオフにする。
半導体スイッチ8オフの高電圧の再起電圧は主としてVCB1の耐電圧で持って、低電圧の接点1にはバリスタの電圧のみである。
(5)制御部11が半導体スイッチ8のオフでCT3の電流値がゼロになるのを待って、最後にVCB2を開極する指令を発信する。
(6)リーク電流の無い、完全な遮断が完了する。
(7)逆の投入動作では、この時間シーケンスを逆に行うと接点のチャタリング対策になる。
この第6実施例で遮断する場合は、接点1のみ開極時にアーク電圧を発生して低電圧の半導体スイッチ4に転流するが、他の接点は、電流が無くなってから無アークで開極する。その時、接点の開極指令から実際に開極するまでの時間が必要なので、遮断のシーケンスは待ち時間があって、遮断には遅れ時間がある。大型の高電圧、大電流の開閉器は、指令から開極まで駆動機構にもよるが、一般に10ms以上必要である。
また、遅れ時間は変動もするので、制御回路11はその分を勘案して、先に開極指令を出すなどの制御が必要がある。
事故時の緊急遮断は、遮断までの時間が早いことが重要であるので、事故電流が大きくならないうちに遮断したい。高速動作のVCB開極機構などが必要である。第6実施例は交流電流にも応用でき、交流、直流の高電圧、または大電流送電路の負荷開閉器として使用できる。
以上説明したように、本発明に係る直流遮断装置は、従来の交流遮断装置の技術における、交流アーク電流に耐える金属接点の多頻度開閉、高速な絶縁回復遮断、リーク電流の無い高電圧の絶縁維持の特性など確立した技術を直流遮断装置に応用し、直流遮断装置を実現するものであるので、産業上の利用価値の高いものである。
1 第1の金属接点
2 第2の金属接点
3 遮断器
4 半導体スイッチ
5 連動機構
6 ダイオードブリッジ
7 サイリスタ
8 高電圧半導体スイッチ
9 バリスタ
10 低電圧接点と低電圧半導体スイッチ(ハイブリッドスイッチ)
11 制御部
VCB1 第1の真空遮断器
VCB2 第2の真空遮断器
CT1〜CT3 電流検出器

Claims (2)

  1. 直流電流(以下単に「電流」という。)を遮断するための直流遮断装置であって、該直流遮断装置は、
    金属接点(1)と半導体スイッチ(4)とが並列接続されたハイブリッドスイッチ(10)と、前記半導体スイッチが複数個直列に接続されて構成された高電圧半導体スイッチ(8)と、第1の高電圧用遮断器(VCB1)と、第2の高電圧用遮断器(VCB2)とを備え、
    前記ハイブリッドスイッチと前記第1の高電圧用遮断器とが直列に接続されたものに前記高電圧半導体スイッチが並列に接続された回路が構成されるとともに、該並列接続されて構成された前記回路に前記第2の高電圧用遮断器がさらに直列に接続されて構成されたものであることを特徴とする直流遮断装置。
  2. 前記金属接点の電流を検出する第1の電流検出器と、前記半導体スイッチの電流を検出する第2の電流検出器と、前記高電圧半導体スイッチの電流を検出する第3の電流検出器と、制御部とをさらに備えるとともに、
    前記制御部は、外部からの電流遮断指令により前記金属接点の開極指令を発信して前記金属接点を開極すると同時に前記半導体スイッチが前記金属接点に発生するアーク電圧によってオンになり転流した後、前記第1の電流検出器が電流ゼロを検出すると前記半導体スイッチをオフにすると同時に高電圧半導体スイッチをオンにして電流を前記高電圧半導体スイッチに転流させ、さらに、前記第2の電流検出器が電流ゼロを検出すると前記第1の高電圧用遮断器を開極する指令を発し、前記第1の高電圧用遮断器が絶縁耐力を回復した後、前記高電圧半導体スイッチをオフにするとともに、前記第3の電流検出器が電流ゼロを検出すると前記第2の高電圧用遮断器を開極して、無アークにて遮断することを特徴とする請求項1に記載の直流遮断装置。
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