JP6690990B2 - 臭気低減方法、臭気低減用袋および吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、糞尿等の臭気物質を吸収した吸収体から発生する臭気を低減する方法に関する。
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品には、糞尿等の臭気物質を吸収する吸収体が用いられている。吸収性物品はその使用後に強い臭気を発生することがあるので、吸収性物品から発生する臭気を抑制するための臭気低減材として、臭気成分を物理吸着するゼオライトなどの無機系の多孔質消臭粒子を使用することが知られている(特許文献1参照)。
特許第4673908号公報
使い捨ておむつや生理用ナプキン等の吸収性物品においては、一般的に、糞尿や経血などの水分を含む臭気物質が吸収体に付着し、特には吸収される。
このような臭気物質の臭気を低減するために、臭気を物理吸着するゼオライト等の多孔質消臭粒子(特許文献1)を用いることもできるが、このような多孔質消臭粒子は、水分を吸着してしまうと臭気成分を吸着しづらくなる。したがって、このような多孔質消臭粒子は、臭気物質を吸収した吸収体から放出される湿気に起因して、消臭能力が落ちることがある。
本発明の目的は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる吸収体の臭気を、臭気低減材を用いて低減する際に、臭気低減材の臭気低減効果が水分によって低下することを回避可能な、臭気低減方法を提供することである。本発明の別の目的は、上記方法に好適に用いられる臭気低減用袋および吸収性物品を提供することである。
本発明の一態様により、
臭気物質を吸収した吸収体と、両性イオン交換体とを、外界よりも相対湿度が高い空間内に位置させることによって、吸収体から発生する臭気を両性イオン交換体で低減する臭気低減方法であって、
前記両性イオン交換体が、
スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
臭気低減方法が提供される。
本発明の別の態様により、
液不透過性の袋と、
該袋の内面に固定された両性イオン交換体と
を有する臭気低減用袋であって、
前記両性イオン交換体が、
スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
臭気低減用袋が提供される。
本発明の更に別の態様により、
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が配置された吸収性物品において、
吸収体と液不透過性シートとの間に両性イオン交換体が配置され、
前記両性イオン交換体が、
スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
吸収性物品が提供される。
本発明によれば、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられる吸収体の臭気を、臭気低減材を用いて低減する際に、臭気低減材の臭気低減効果が水分によって低下することを回避可能な、臭気低減方法が提供される。また本発明によれば、上記方法に好適に用いられる臭気低減用袋および吸収性物品が提供される。
なお、本発明によれば、臭気低減材の臭気低減効果が水分によって低下することを回避することに留まらず、水分によって臭気低減効果を促進することさえも可能となると考えられる。
本発明の実施の形態に係るおむつの分解概略図である。 本発明の実施の形態に係る臭気低減用袋の内部を示す概略図である。
本発明では、臭気物質を吸収した吸収体と、両性イオン交換体とを、外界(大気)よりも相対湿度が高い空間(以下、この空間を「高湿度空間」と呼ぶことがある)内に位置させる。これによって、吸収体から発生する臭気を両性イオン交換体で低減させることができる。
〔臭気物質〕
臭気物質は、臭気成分を含む。臭気成分の典型例は、アンモニア、酢酸、硫化水素、トリメチルアミン、ピリジン、アセトアルデヒドおよびメチルメルカプタンである。臭気物質の典型例は、糞尿、経血等の***物(ヒトや動物の)である。臭気物質が水分を含むときに本発明の効果が顕著である。
〔吸収体〕
吸収体は、使い捨ておむつ(以下、単に「おむつ」とも呼ぶ)、尿パッドまたは生理用ナプキンなどの吸収性物品の分野で公知の、尿や経血などの臭気物質を吸収可能な吸収体から適宜選ぶことができる。吸収体は、繊維(綿状パルプや合成繊維の単繊維など)および/または高吸収性ポリマー(高吸水性ポリマー)を含むことができる。
おむつ等の場合、通例、吸収体は、液(水)透過性表面シートと液(水)不透過性シートとの間に配置される。おむつ等の使用時には、液透過性表面シートが身体側に配置され、典型的には液透過性表面シートが身体に接触し、外側に配置された液不透過性シートによって***物の漏れが防止される。
〔両性イオン交換体〕
両性イオン交換体は、陽イオン交換基と陰イオン交換基との両方を有するイオン交換体である。両性イオン交換体は、典型的には両性イオン交換樹脂である。両性イオン交換樹脂の形状は任意であるが、例えば粒状、繊維状、シート状である。ここで、「シート状」は、繊維からなる布(織布もしくは不織布)の状態を含む。
両性イオン交換体は、例えば、母体樹脂に陽イオン交換基と陰イオン交換基を導入して得ることができる。両性イオン交換体が、繊維状やシート状の支持体に担持(固定)されていてもよい。例えば両性イオン交換体の粒子が、織布もしくは不織布に固定されていてもよい。支持体の材料は、個々の用途に応じて適宜決められる。
また、両性イオン交換体は、陽イオン交換体と陰イオン交換体を含む混合物からなることができる。例えば、粒状もしくは繊維状の陽イオン交換体と、粒状もしくは繊維状の陰イオン交換体とを混合して両性イオン交換体を得ることができる。例えば粒状陽イオン交換樹脂と粒状陰イオン交換樹脂とを混合してシート状に加工することによって、シート状の両性イオン交換体(支持体が無いもの)を得ることができる。また、粒状陽イオン交換樹脂と粒状陰イオン交換樹脂とを混合して繊維や布状の支持体に付着させ、必要に応じて加工して、シート状の両性イオン交換体(支持体に担持されたもの)を得ることができる。陽イオン交換樹脂および/または陰イオン交換樹脂からなる繊維を、他の繊維状物質と混合して紡糸してもよい。グラフト重合を利用して、繊維や布状の母体樹脂に陽イオン交換基および/または陰イオン交換基を導入することもできる。
また、陽イオン交換体を含む布(例えば、陽イオン交換体からなる繊維からなる布や、陽イオン交換体の粒子を担持した繊維からなる布)に、陰イオン交換体(例えば粒状)を付着させることによって両性イオン交換体(支持体が無いもの、もしくは有るもの)を得ることができる。これとは反対に、陰イオン交換体を含む布に、陽イオン交換体を付着させることによって両性イオン交換体を得ることもできる。
消臭能力の観点から、両性イオン交換体が、強酸性陽イオン交換基および強塩基性陰イオン交換基を含むことが、好ましい。強酸性陽イオン交換基は、通常スルホ基である。強塩基性陰イオン交換基は、通常4級アンモニウム基である。
両性イオン交換樹脂の母体樹脂、強酸性陽イオン交換樹脂の母体樹脂および強塩基性陰イオン交換樹脂の母体樹脂には、アクリル系ポリマーもしくはスチレン系ポリマーを用いることができる。消臭能力の観点から、両性イオン交換体が、スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含むことがより好ましい。スチレン系の母体樹脂は、スチレンモノマーの単重合体またはスチレンモノマーと他のモノマーの共重合体であり、例えば架橋ポリスチレンや、ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体を用いることができる。
消臭能力の観点から、強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形またはNa形であることが更に好ましく、また、強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形、Cl形、炭酸形または重炭酸形であることが更に好ましい。pHのバランスを考えるとNa形とCl形の組合せや、H形とOH形の組合せが脱臭に好適である。特に好ましいのは、強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形であり、強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形であることである。
〔外界よりも相対湿度が高い空間〕
高湿度空間は、液不透過性物体(液不透過性のシートや袋)で囲まれた空間の中に、水分を含む物質を配置することによって形成することができる。
臭気を外界に逃がさない観点から、および、より高湿度な環境を形成する観点から、高湿度空間が密閉されていることが好ましい。つまり、高湿度空間から水分(液体か気体かによらず)が外界に漏れないことが好ましい。ただし、高湿度空間は必ずしも密閉されていなくてもよい。外界と比較して相対湿度が高い空間を作ることができれば、高湿度空間と外界とが連通していてもよい(例えば液不透過性物体が通気性を有する場合(液体や固体は透過しない))。したがって、液不透過性物体で囲まれた空間は、液不透過性物体によって密閉されていてもよいが、密閉されていなくてもよい。
高湿度空間を形成する形態としては、例えば、次の形態1あるいは形態2のような形態がある。形態1と形態2を組み合わせることもできる。
形態1(おむつ等の内側の空間を利用)
***物が付着した吸収体を、おむつの液不透過性シートで囲むようにして、使用済おむつ等を丸めたり折り畳んだりすることによって、高湿度空間を形成する。***物に含まれる水分によって、液不透過性シートの内側の空間の相対湿度が、外界よりも高くなる。
形態2(おむつ等とは別の袋を利用)
おむつ等とは別に液不透過性の袋を用意し、その袋の中に使用済おむつ等を入れることによって、高湿度空間を形成することができる。使用済おむつ等を入れた後、液不透過性袋の口を縛るなどして、高湿度空間を密閉することが好ましい。この場合も、***物に含まれる水分によって、液不透過性の袋の内側の空間の相対湿度が、外界よりも高くなる。
〔吸収体と両性イオン交換体の配置〕
臭気物質を吸収した吸収体と、両性イオン交換体とを、高湿度空間内に位置させる。これらの配置の例を以下に示す。
・配置例1−1
上記形態1(おむつ等の内側の空間を利用)の場合の一例として、使用前のおむつ等に予め両性イオン交換体を組み込んでおくことができる。この例では、両性イオン交換体を含むシート(例えば、支持体に担持されていない両性イオン交換体からなるシート、あるいは両性イオン交換体がシート状支持体に担持されたもの)を用いることが好ましい。予めおむつ等に組み込むのに好適だからである。
例えば、図1の分解概略図に示される構成を有するおむつを利用できる。図1に示すように、おむつは、積層された液透過性表面シート11、吸収体12、両性イオン交換シート13及び液不透過性シート14を有する。使用者がおむつを装着した際、液透過性表面シート11が使用者の肌に接し、液不透過性シート14が使用者の身に着ける衣類等に接する。液透過性表面シート11は液を透過させる性質を有し、不織布等である。例えば、吸収体12は、ポリアクリル酸ナトリウムなどの高吸収性高分子(SAP:superabsorbent polymer)である。両性イオン交換シート13は、不織布状に形成された繊維からなるイオン交換樹脂支持体13a、及びその繊維に対して結合された陰イオン交換樹脂(粒子)13bおよび陽イオン交換樹脂(粒子)13cを有する。液不透過性シート14は液を不透過とする性質を有し、例えば、プラスチックフィルム等である。
おむつ等を使用した後には、吸収体12に***物が吸収されている。このような使用済おむつ等を丸めたり畳んだりすることによって、臭気物質を吸収した吸収体12と両性イオン交換シート13(両性イオン交換体)を高湿度空間内に位置させることができる。この例では、おむつ等の使い勝手は従来と変わらず、消費者は特段の手間を要さずに、消臭効果を享受することができる。
この例においては、吸収体12と液不透過性シート14との間に両性イオン交換シート13(両性イオン交換体)が配置されている。このように両性イオン交換体が吸収体に隣接(液透過性表面シートを介してもよい)するように配置すれば、おむつ等の使用後に吸収体に保持されている臭気を含む水分が、両性イオン交換体に直接触れやすくなるので、優れた脱臭効果が期待できる。おむつ等の使用時に両性イオン交換体と身体との接触を避けつつ、吸収体と両性イオン交換体を隣接配置でき、両性イオン交換体による脱臭効果を効果的に発揮できるからである。この場合、両性イオン交換体を、吸収性物品(おむつ等)の他の部材に固定することが好ましい。
両性イオン交換体が、吸収体に保持された水分に点や面で接触することは、高湿度の臭気を含む気体が樹脂に接触しやすくなるため脱臭効果に効果的である。ただし、両性イオン交換体が直接尿に浸漬することは、回避することが好ましい。尿に含まれる塩類の脱塩にイオン交換基が使われてしまうため、脱臭に使われるイオン交換基が少なくなってしまうからである。上記構成によれば、吸収体が尿を保持するため、液体としての尿がおむつ内に存在しないようにすることが容易であり、したがって両性イオン交換体が尿に浸漬することを容易に防止できる。この利点は、配置例1−1に限らず、両性イオン交換体と吸収体とを組み合わせて使用することによってもたらされ得る。
・配置例1−2
上記形態1の場合の別の例として、おむつ等に両性イオン交換体を組み込むのではなく、おむつ等とは別に両性イオン交換体を用意しておき、両性イオン交換体を使用済おむつ等で包むことができる。例えば両性イオン交換体を、***物を吸収した吸収体に隣接(液透過性表面シートを介してもよい)するように配置し、両性イオン交換体を吸収体より内側にして、使用済おむつ等を丸めたり畳んだりすることができる。これによって、臭気物質を吸収した吸収体と、両性イオン交換体とを、高湿度空間内に位置させることができる。特には、おむつ等の使用後に吸収体に含まれる水分が、両性イオン交換体に直接触れやすくなるので、優れた脱臭効果が期待できる。この例では、従来のおむつ等を利用することができる。
この例では、取り扱いの利便性の観点から、両性イオン交換体を含むシートを用いることが好ましい。
・配置例2−1
上記形態2の場合、液不透過性の袋の中に、使用済おむつ等と、両性イオン交換体とを入れることによって、臭気物質を吸収した吸収体と両性イオン交換体とを高湿度空間内に位置させることができる。両性イオン交換体を前記袋の中に入れるタイミングは、使用済おむつ等を入れるタイミングと同時であってもよいし、前であってもよいし、後であってもよい。この例では、おむつ等とは別途の袋を利用するので、使用済おむつ等をより衛生的に取り扱うことができる。また、袋の口を縛るなどして、高湿度空間を密閉することにより、より効果的に臭気を抑制することができる。
液不透過性の袋の中に、使用済おむつ等と、両性イオン交換体とを入れる際に、両性イオン交換体が吸収体に隣接(液透過性表面シートを介してもよい)するように配置すれば、おむつ等の使用後に吸収体に含まれる水分が、両性イオン交換体に直接触れやすくなるので、優れた脱臭効果が期待できる。
この例では両性イオン交換体を含むシートを用いることが好ましい。取り扱いの利便性に優れるからである。あるいは、粒状の両性イオン交換体を用いれば、使用量の加減が容易である。
・配置例2−2
あるいは上記形態2の場合、両性イオン交換体を予め液不透過性袋の中に入れておいたものを、消費者に提供することができる。この例では、例えば、両性イオン交換体を含むシートが液不透過性袋の内面の一部もしくは全部に貼付された袋を利用することができる。あるいは、粒状もしくは繊維状の両性イオン交換体が、液不透過性袋の内面の一部もしくは全部に固定(例えば接着)された袋を利用することができる。あるいは、両性イオン交換体を含むシート自体が液不透過性の場合、両性イオン交換体を含むシートを袋状に加工してもよい(ただし、袋の内側に両性イオン交換体が存在するように)。
例えば図2に内部の概略構成を示す臭気低減用袋を利用することができる。図2に示すように、臭気低減用袋は、液不透過性の袋21、及びその袋21の内面の一部に固定された両性イオン交換シート22を有する。液不透過性の袋21は液を不透過とする性質を有し、例えば、プラスチックフィルム等である。両性イオン交換シート22は、不織布状に形成された繊維からなるイオン交換樹脂支持体22a、及びその繊維に対して結合された陰イオン交換樹脂(粒子)22bおよび陽イオン交換樹脂(粒子)22cを有する。なお、両性イオン交換シート22は、液不透過性の袋21の全内面に固定されていてもよい。この場合、消費者は、この両性イオン交換体付き液不透過性袋に、使用済おむつ等を入れればよいだけなので、利便性に優れる。
この例でも、両性イオン交換体が吸収体に隣接(液透過性表面シートを介してもよい)するように配置すれば、おむつ等の使用後に吸収体に含まれる水分が、両性イオン交換体に直接触れやすくなるので、優れた脱臭効果が期待できる。
・配置例2−3
配置例1−1または1−2のように配置された使用済おむつ等および両性イオン交換体を、液不透過性袋の中に入れることができる。このとき、液不透過性袋として、配置例2−2のように両性イオン交換体を予め液不透過性袋の中に入れておいたものを用いてもよい。この場合は、液不透過性袋に予め入っていた両性イオン交換体と、おむつ等と共に液不透過性袋に入れられる両性イオン交換体との両方が存在することになる。あるいは、液不透過性袋として、配置例2−1のように、両性イオン交換体が予め入っていない液不透過性袋を用いることもできる。
〔湿度について〕
前記空間の内部の湿度が高い場合、例えば相対湿度が90%以上の場合、本発明の効果が顕著に得られるので好ましい。通常、***物は水分を含むので、その水分によって前記空間内部の相対湿度は自然に相対湿度90%以上になる。場合によっては、前記空間に強制的に水を追加する(例えば、霧吹きで水を噴霧する)ことによって、相対湿度を90%以上にすることも可能である。
〔その他の条件〕
前記空間内部の温度は室温よりある程度高い方がイオン交換樹脂内で水分子が移動しやすく、イオン交換反応が進みやすいため好ましい。温度は樹脂が凍結しない程度の温度である5℃から、OH形のア二オン交換樹脂の最高操作温度である60℃の間が好ましく、特に20℃から40℃までが好ましい。
〔臭気低減用袋、吸収性物品〕
本発明はまた、前記臭気低減方法に有用な袋(臭気低減用袋)に関する。この袋は、液不透過性の袋と、袋の内面の一部もしくは全部に固定された両性イオン交換体とを有する。この袋の構成については、配置例2−2に関して前述される。
液不透過性の袋として、水が透過しない袋を適宜用いることができる。その材料として、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からなるプラスチックフィルムを挙げることができる。
〔吸収性物品〕
本発明はまた、液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が配置された吸収性物品に関する。液透過性表面シートおよび液不透過性シートはそれぞれ、おむつ、尿パッド又は生理用ナプキン等の吸収性物品の分野において公知のものを適宜利用することができる。
通常、液透過性表面シートは直接肌に接し、着用中の快適性を向上させる役割を有する。液透過性表面シートには、例えばポリエステルやポリプロピレンの不織布などを使用できる。
通常、液不透過性シートは吸収性物品の外側を覆う防水シートとして機能し、尿などの漏れを防止する。水(液体)を通さず通気性のある材料が使われてもよく、水(液体)を通さず通気性も無い材料が使われることもある。その材料として、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からなるプラスチックフィルムを挙げることができる。
液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が配置される構成は、公知の吸収性物品の構成を適宜利用できる。
本発明において注目すべきは、吸収体と液不透過性シートとの間に両性イオン交換体が配置されることである。この配置については、配置例1−1に関して前述される。
以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
なお、以下の例において、特に断りのない場合、温度圧力は常温常圧(25℃、0.10MPa)である。
また、表に記載するイオン交換樹脂名称(いずれもダウ・ケミカル社製の商品名)に関する詳細は次のとおりであり、必要に応じて表に示すイオン形に調整したものを用いた(表中「FB形」は遊離塩基形を意味する)。
AMBERJET4400:強塩基性陰イオン交換樹脂、母体構造:スチレン系樹脂、粒状。
AMBERLITE IRA458RF:強塩基性陰イオン交換樹脂、母体構造:アクリル系樹脂、粒状。
AMBERLITE 200CT:強酸性陽イオン交換樹脂、母体構造:スチレン系樹脂、粒状。
〔実施例1〜3、比較例1〕
幼児の便の臭気強度低減試験
各例において、次の操作を行った。表1に示す陽イオン交換樹脂(3g)と陰イオン交換樹脂(3g)と混合して臭気低減材を作製した。また、吸収体として、ポリアクリル酸ナトリウム0.2gを目開き57μm(255メッシュ)、5cm×10cmのティーバッグ用ナイロンメッシュ(5cm×20cmに裁断したものを折り曲げて両端をヒートシールして袋状にしたもの)に投入してヒートシールし、イオン交換水に5分浸漬後、洗濯ばさみで10分水切りしたものを用意した。
幼児の便(採取後2時間)を一定量(20g)分取した。分取した便を吸収体に付着させ、そこに前記臭気低減材を一定量(6g)ふりかけた。容量3Lの密閉袋に、臭気低減材をふりかけた便および吸収体を入れ、無臭空気で満たして密閉した。24時間後、密閉袋内の空気を臭気強度試験用の臭い袋に移し入れ、臭気強度を官能評価した。24時間後の相対湿度は90%であった。
ただし、比較例1においては臭気低減材を使用せず、密閉袋(3L)の密閉袋に、便を付着させた吸収体のみを入れて無臭空気で満たし、密閉した。24時間後、密閉袋内の空気を臭気強度試験用の臭い袋に移し入れ、臭気強度を官能評価した。
官能評価のパネルは6名で、無臭袋を別途用意し、サンプルと比較して評価を行った。なお、各例のサンプルを評価するごとに、3分以上の休憩を取った。
臭気強度は6段階臭気強度表示法にしたがって表示した。臭気強度を示す数値(0〜5)と臭いの程度の関係は以下の通りである。
0:無臭、
1:やっと感知できるにおい、
2:何のにおいか判る弱いにおい、
3:楽に感知できるにおい、
4:強いにおい、
5:強烈なにおい。
Figure 0006690990
評価結果を表1に示す。スチレン系の母体樹脂でH形とOH形の組み合わせ(実施例1)とNa形とCl形の組み合わせ(実施例2)、そしてスチレン系母体樹脂のH形とアクリル系母体樹脂のOH形の組合せ(実施例3)の比較を行っている。
その結果、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂のどちらもスチレン系であってH形とOH形の組み合わせが最も高い臭気低減効果を示した。臭気成分は各種の官能基を有しており、それらの官能基とH形とOH形の官能基が臭気成分と中和、付加、縮合、酸化、還元反応を起こすことによって臭気を低減すると考えられる(参考:今西修三、「繊維の消臭加工について」、繊維製品消費科学、2002、43、10、632−642)。一般的な臭気成分の官能基として、アルデヒド基、カルボニル基、カルビノール基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、エステル基、メルカプト基、ジスルフィド基、アミノ基、不飽和基、シアノ基、チオシアネート基等が挙げられる。便には硫黄系、脂肪酸類の臭気成分が多く含まれているため、これらの官能基、例えばメルカプト基やジスルフィド基などとイオン交換樹脂の官能基が反応したと予想される。
イオン交換樹脂の母体への臭気成分の吸着も起きていると考えられる。スチレン系の母体はアクリル系と比べて疎水性が強く、水と親和性の低い成分が吸着している可能性がある。イオン交換基と臭気成分が反応し、反応後の成分がイオン交換基に吸着することや、母体に吸着することも考えられる。
〔実施例4〜6〕
アセトアルデヒドの吸着性能
表2に示す陽イオン交換樹脂(1g、乾燥前重量)と陰イオン交換樹脂(1g、乾燥前重量)と混合して臭気低減材を作製した。イオン交換樹脂は重量の約50%が水分であるため、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂を乾燥品として合わせて1gになる量を分取した。
表2に示すように臭気低減材の水分を調整した。表2に「乾燥品」と示される場合、臭気低減材を水分含有率が10〜20質量%以下になるように乾燥した。表2に「調湿品」と示される場合、臭気低減材を相対湿度90%以上の密閉用器内で24時間以上保管した。
水分調整した臭気低減材を、0.7%アセトアルデヒド(100μL)を滴下した1gの綿布とともに、密閉袋(容量3L)内に入れ、相対湿度99%の空気で満たし2時間保管した。2時間保管の前後に、検知管(GASTEC社製)を用いて密閉袋内のアセトアルデヒド濃度を測定した。2時間保管後のアセトアルデヒド濃度と、アセトアルデヒド濃度の低減率(%)を表2に示す。
アセトアルデヒド濃度の低減率は次のように求めた:
低減率(%)={(初期濃度)−(2時間後濃度)}/(初期濃度)。
〔比較例2〕
臭気低減材を使用せず、アセトアルデヒドを滴下した綿布のみを密閉袋に入れ、実施例4と同様の試験を行った。その結果を表2に示す。
〔比較例3、4〕
臭気低減材として、ゼオライト(北海道ゼオライト株式会社製、商品名「硬質天然ゼオライト 0−1mm」)1gを用いたこと以外は、実施例4と同様の試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 0006690990
ゼオライト(比較例3、4)の場合、乾燥品は25%程度アセトアルデヒド低減率を示したが、調湿品はアセトアルデヒドを低減しなかった。これはゼオライトの主な臭気低減機構が細孔への吸着であり、比較例4のように先に水分子が細孔に吸着していると臭気物質の吸着が阻害されるためと考えられる。反対に実施例4、5のイオン交換樹脂は、乾燥品か調湿品かに関わらず、80%以上の高いアセトアルデヒド低減率を示した。イオン交換樹脂の主な臭気低減機構はイオン交換基による反応と考えられるので、水分子が存在するとイオン交換基が水和するため、高い湿度によって臭気低減効果が阻害されることは無いと推測される。
アセトアルデヒド除去にはOH形の強塩基性アニオン交換樹脂とH形の強酸性カチオン交換樹脂の組み合わせが最も効果が高かった(実施例4、5)。強塩基性アニオン交換樹脂のOH形の官能基がアセトアルデヒドの構造を変えるような働きをしているか、又はOH形の官能基が強くアセトアルデヒドを引き付けつつ樹脂に保持されていると考えられる。
11 液透過性表面シート、 12 吸収体、13,22 両性イオン交換シート、 14 液不透過性シート、 21 液不透過性の袋

Claims (6)

  1. 気物質を吸収した吸収体と、両性イオン交換体とを、外界よりも相対湿度が高い空間内に位置させることによって、吸収体から発生する臭気を両性イオン交換体で低減する臭気低減方法であって、
    前記両性イオン交換体が、
    スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
    スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
    前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
    臭気低減方法
  2. 液不透過性の袋と、該袋の内面に固定された前記両性イオン交換体とを有する臭気低減用袋を用い、
    前記臭気物質を吸収した前記吸収体を、前記臭気低減用袋の中に入れることによって、前記臭気物質を吸収した前記吸収体と、前記両性イオン交換体とを、前記空間内に位置させる
    請求項1に記載の臭気低減方法。
  3. 前記空間は密閉された空間である
    請求項1又は2に記載の臭気低減方法。
  4. 前記空間の相対湿度が90%以上である
    請求項1から3の何れか一項に記載の臭気低減方法。
  5. 液不透過性の袋と、
    該袋の内面に固定された両性イオン交換体と
    を有する臭気低減用袋であって、
    前記両性イオン交換体が、
    スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
    スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
    前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
    臭気低減用袋。
  6. 液透過性表面シートと液不透過性シートとの間に吸収体が配置された吸収性物品において、
    吸収体と液不透過性シートとの間に両性イオン交換体が配置され
    前記両性イオン交換体が、
    スチレン系の母体樹脂を有する強酸性陽イオン交換樹脂と、
    スチレン系の母体樹脂を有する強塩基性陰イオン交換樹脂とを含み、
    前記強酸性陽イオン交換樹脂のイオン形がH形に調整され、
    前記強塩基性陰イオン交換樹脂のイオン形がOH形に調整されている
    吸収性物品。
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