JP6690667B2 - 金属酸化物分散体、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体 - Google Patents

金属酸化物分散体、熱可塑性樹脂組成物、及び成形体 Download PDF

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Description

本発明は、金属酸化物分散体及びそれを用いてなる熱可塑性樹脂組成物ならびに熱可塑性樹脂組成物より形成されてなる成形体に関する。
一般に、100nmより小さいフィラーはナノフィラーと呼ばれている。ナノフィラーはナノ粒子化することで同じ化学的成分を持つバルク状態にある粒子とは異なった特性を発現しうることが知られている。新たな特徴としては粒子体積が小さくなることで発現した特性、例えば光の波長より小さくなることでバルク時の特性を保持したまま透明な材料を提供できるなど、また粒子の比表面積が増大し表面の活性が増大することで発現した特性、例えば表面原子の比率が内部原子の比率に対して無視できなくなるほど大きくなることで発現する表面プラズモン吸収により特定の光を吸収して金属の種類や大きさで色が異なって見える現象等がある。その他にもナノ粒子化することで磁区より小さくすることで一旦磁気化させれば永久磁石のように磁化がとれなくしたりする技術、ナノフィラーをポリマーに少量分散させることで燃焼発熱量を抑える技術、ポリマーの相溶化剤としてナノフィラーを用いる技術、ナノフィラーにすることで表面積を増大させバルク時の機能を効率的に発現させる技術等様々である。これらの特性からエレクトロニクス、エネルギー、化学、複合材料等様々な分野で応用が期待されている。
しかし、ナノフィラーは一次粒子まで分散されないとその特性は十分に発現されない。また、表面活性が高く凝集しやすいため分散難易度が高く、特にプラスチックへの分散は非常に困難である。一般的なマイクロオーダー以上の金属酸化物で用いられている表面処理技術を用いると、その表面積から均一に表面処理がされず分散が不十分であったり、ナノフィラーの表面活性を抑えきれなかったりする等の不具合が生じた。また、一般的な顔料分散に用いられているワックスに分散させる方法を用いると、特にナノフィラー濃度が高い場合、フィラーの接触頻度が上がり凝集を起こしワックス中での分散が出来なかったり、表面積が上がることでの吸油量上昇による分散不良が起こるなどの不具合があった。
ナノフィラーを分散させる方法として特許文献1では無機微粒子に分子間凝集力以上のせん断応力を与えることで無機微粒子を解砕し、熱可塑性樹脂に微分散させている。また、特許文献2では変性ポリマーをベースポリマーとは別に用いナノフィラーを分散させる技術、特許文献3では金属酸化物粒子を可塑剤とアルコール系溶媒からなる溶媒へ分散させた分散液を樹脂へ練り込む技術がそれぞれ知られている。
しかしこれら従来の技術では、ガラス代替として用いることができるほど、透明性の高い樹脂の成形体を得ることは困難なのが現状である。
特開2004−189814号公報 特開2000−336278号公報 特開2005−187226号公報
本発明は金属酸化物粒子を高分散させた金属酸化物粒子分散液及び当該分散液を配合した樹脂組成物ならびに成形体を提供することを目的とする。とくに、ナノサイズの金属酸化物微粒子を用いた場合にも、高分散、かつ安定化に優れ、衝撃強度等の物性の低下がなく、透明性の高い成形体を形成できる金属酸化物粒子分散液とすることができる。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明の実施態様は、金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物に用いられる金属酸化物粒子分散液であって、前記金属酸化物粒子分散液は、金属酸化物粒子(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とを含み、前記可塑剤(B)は25℃で液体であり、前記熱可塑性樹脂組成物により形成してなる、厚み1.8mmの成形体(X1)のヘイズと、熱可塑性樹脂(D)単体により成形してなる、厚み1.8mmの成形体(X2)のヘイズとのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下であることを特徴とする。
本発明により、金属酸化物粒子(A)を高分散させた金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂組成物により、ガラス代替材料等の高い透明性が求められる用途に使用可能なプラスチック成形品の提供が可能となった。
以下、本発明について詳細に説明する。
《金属酸化物粒子分散液》
本発明の金属酸化物粒子分散液は、金属酸化物粒子(A)を含有する成形体を形成するために用いられるものであって、金属酸化物粒子(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とを含む。そして、この金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を混合してなる熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機等で成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X1)と、熱可塑性樹脂(D)単体により成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X2)とのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下であることを特徴とする。透明性の観点から、ヘイズ差(X1−X2)は、より好ましくは、10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
この範囲にあることで、金属酸化物粒子分散液を安定に作製することができるだけでなく、透明性に優れたものとすることができる。
このような金属酸化物粒子分散液を用いることで、押出機による固体樹脂への無機フィラー分散では到達できなかった、ガラス代替材料等の高い透明性が必要とされる用途に使用できるプラスチック成形体を提供することができる。
尚、本発明におけるヘイズはJIS K7136:2000に準拠して測定した値でありヘイズガードプラス(ガードナー社製)等を用いて測定することができる。
なお、ヘイズ差を求める際に用いる熱可塑性樹脂(D)は、成形体を形成するために、金属酸化物粒子分散液と混合して用いられる熱可塑性樹脂と同じものを用いる。成形体を形成するための熱可塑性樹脂として混合物を用いる場合には、熱可塑性樹脂中の主成分となる熱可塑性樹脂単体のヘイズ値をヘイズ(X2)として用いることができる。
ここで主成分とは熱可塑性樹脂の合計100質量%中、最も多く含有される樹脂のことをいう。
金属酸化物粒子分散液の製造方法は、金属酸化物(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とをハイシェアミキサー、ビーズミル、3本ロール等の分散機にて分散させることで得ることができる。中でも金属酸化物粒子(A)の分散度が最も高くなるためビーズミル等のメディアを用いた分散機を使用することが好ましい。メディアを用いた湿式分散機としては、円筒型分散機の横型、縦型、さらには環状型(アニュラータイプ)等があり、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、振動ミル等のメディアを用いた各種分散機が利用できる。なかでも粒径が1.0mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機を用いることが好ましく、例えばウルトラアペックスミル(コトブキ技研工業社製)、DCP型パールミル(アイリッヒ社製)などが挙げられる。
このような、1.0mmφ以下のメディアを用いた湿式分散機により分散することで、金属酸化物粒子(A)の平均分散粒子径が、0.3μm以下である金属酸化物粒子分散液とすることが容易となり、金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機等で成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X1)と、熱可塑性樹脂(D)単体により成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X2)とのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下とすることが可能となるために好ましい。
また、金属酸化物粒子分散液は、必要に応じて他の任意成分を配合できる。他の任意成分は、例えば有機顔料や無機顔料、染料等の着色剤、ノニオン性やカチオン性、アニオン性界面活性剤等の帯電防止剤、脂肪酸アミドや金属石鹸等の滑剤、消泡剤、離型剤、ハロゲン系やリン系、金属酸化物等の難燃剤、フェノール系やリン酸系等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、体質顔料等の充填剤が挙げられる。他の任意成分の選択およびその使用量は、本実施形態の課題を解決できる範囲内であれば特に限定されず使用できる。
なお、熱可塑性樹脂(D)を含有する場合は、熱可塑性樹脂組成物に該当する。
本発明の金属酸化物粒子分散液は、25℃で液体である。通常成形体を形成する際に、液状組成物を添加すると、成形体の強度を保持することが困難であるが、本発明の金属酸化物微粒子分散液は、分散液中に金属酸化物粒子を高濃度に含有させることが可能であるため、液状組成物を用いても、従来の成形体と同程度の強度を保持することができる。
<金属酸化物粒子(A)>
本発明における金属酸化物粒子(A)は、金属酸化物からなる粒子であれば形状等は特に制限されないが、好ましくは、平均粒子径が100nm以下の金属酸化物からなる粒子である。金属酸化物は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記金属酸化物粒子(A)としては、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)、アルミニウムドープ酸化錫、ガリウムドープ酸化亜鉛、インジウムドープ酸化亜鉛、ニオブドープ酸化チタン、ナトリウムドープ酸化タングステン、タリウムドープ酸化タングステン、ルビシウムドープ酸化タングステン、錫ドープ酸化亜鉛、ケイ素ドープ酸化亜鉛、リンドープ酸化錫、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化ジルコニウム、酸化第一鉄、酸化第二鉄等が挙げられる。
上記金属酸化物粒子(A)は目的に応じて選択され、例えばガラス代替材料として使用する場合、赤外線や紫外線遮蔽機能を付与できることから金属酸化物粒子(A)は、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)、酸化亜鉛、酸化チタンまたは、酸化ジルコニウムであることが好ましい。
上記酸化インジウム錫(ITO)の具体例としては、透明導電粉末E−ITO(三菱マテリアル社製、平均粒子径25〜35nm)、上記ATOの具体例としては、透明導電粉末T−1(三菱マテリアル社製、平均粒子径10〜15nm)、上記酸化亜鉛の具体例としては、FINEX−50W−LP2(堺化学社製、平均粒子径20nm)、上記酸化チタンの具体例としては、TTO−51シリーズ(石原産業社製、平均粒子径10〜30nm)、上記酸化ジルコニウムの具体例としては、UEP−100(第一稀元素化学工業社製、平均粒子径11nm)等が挙げられる。
金属酸化物粒子(A)の平均粒子径は、0.01〜100nmが好ましく、10〜60nmが更に好ましい。平均粒子径が0.01nm以上であれば、表面積が適度であり、活性や凝集力が大きくなりすぎないため、分散が容易となる。また、100nm以下であることでナノフィラー独特の機能を発現することができる。
上記平均粒子径は、マイクロトラックを用いて測定することができ、例えば、粒度分布測定装置(日機装社製「UPA−EX150」)等を用いて求めることができる。
金属酸化物粒子(A)の含有量は、金属酸化物分散液100質量%中、0.1〜60質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%が更に好ましい。金属酸化物粒子(A)の含有量が0.1〜60質量%の範囲にあることで、金属酸化物分散液中の、金属酸化物粒子の平均分散粒径が0.3μm以下といった高い分散性を有する金属酸化物粒子分散液とすることが容易になるために好ましい。
金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物を、射出成形機等で成形した厚み1.8mmの成形体のヘイズ(X1)と、熱可塑性樹脂(D)単体により成形してなる成形体のヘイズ(X2)とのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下とすることが可能となることから、金属酸化物粒子分散液中における金属酸化物粒子(A)の平均分散粒子径は、0.3μm以下が好ましく、0.1μm以下であるが更に好ましい。また、同様の理由で金属酸化物分散液中における金属酸化物粒子(A)は、粒度分布の累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)が、0.5μm以下であることが好ましく、0.3μm以下が更に好ましい。可塑剤(B)の25℃における粘度が1000mPa・s以下である場合や分散剤(C)にリン酸エステル化合物を用いる場合、上記平均分散粒径やD90を達成しやすいため好ましい。
本発明における平均分散粒径及び累積体積百分率は動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(堀場製作所社製)等を用いて測定することが出来る。
<可塑剤(B)>
本発明における可塑剤(B)は、25℃で液体であり、すなわち25℃において流動性を有する可塑剤である。
粘度は、1,000mPa・s以下であることが好ましく、100mPa・s以下であることが更に好ましい。
本明細書における粘度はJIS K7117−1:1999に従ってB型粘度計を用いて25℃で測定した値である。粘度が1000mPa・s以下である可塑剤を用いることで、金属酸化物微粒子分散液中の、金属酸化物微粒子の平均分散粒径が、0.3μm以下という、高い分散性を有する金属酸化物粒子分散液を得ることができるため好ましい。
可塑剤(B)の凝固点は−5℃以下が好ましく、−50℃〜−10℃がより好ましい。
可塑剤(B)の具体例としては脂肪酸ポリエステル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、またはアセチレンクエン酸トリブチル等が挙げられる。
可塑剤(B)と熱可塑性樹脂(D)の相溶性の観点から、可塑剤(B)がポリエステル樹脂である場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂やポリカーボネート樹脂が好ましく、可塑剤(B)がポリアルキレングリコール樹脂の場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂が好ましく、可塑剤(B)がポリエーテルエステル樹脂の場合、熱可塑性樹脂(D)はポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂が好ましい。可塑剤(B)がアセチルクエン酸トリブチルの場合、熱可塑性樹脂(D)はポリエステル樹脂が好ましい。
[脂肪酸ポリエステル樹脂]
脂肪酸ポリエステル樹脂は脂肪族多価カルボン酸と多価アルコールの反応によって得られるポリエステル樹脂である。
脂肪酸ポリエステル樹脂を構成する脂肪族多価カルボン酸は、カルボキシル基を2つ以上有する脂肪酸ポリエステルであれば特に制限されるものではなく、例えば、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、トリカルバリル酸、1,3,6−ヘキサントリカルボン酸、1,3,5−ヘキサントリカルボン酸等の脂肪酸多価カルボン酸が挙げられる。これらの脂肪酸カルボン酸は、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。
脂肪酸ポリエステル樹脂を構成する多価アルコールは、水酸基を2つ以上有するアルコールであれば、特に制限されるものではなく、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−オクタデカンジオール等の脂肪族グリコール及びジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール等が挙げられる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を用いても良い。
脂肪酸ポリエステル樹脂の具体例として、アデカサイザーPN−170(ADEKA社製、粘度800mPa・s、凝固点−15℃、アジピン酸ポリエステル樹脂)、アデカサイザーPN−150(粘度500mPa・s、凝固点−35℃、アジピン酸ポリエステル)、PN−160(粘度160mPa・s、凝固点−48℃、アジピン酸ポリエステル)等が挙げられる。
[ポリアルキレングリコール樹脂]
ポリアルキレングリコール樹脂は一般的には炭素数が1〜6の繰り返し単位を有するアルキレングリコールから構成されることが多いが、25℃における粘度が1,000mPa・s以下である限り、様々なポリアルキレングリコールを使用することができる。相溶性、吸水性の観点から、炭素数が2〜4の繰り返し単位を有するポリアルキレングリコール樹脂が好ましい。
ポリアルキレングリコール樹脂の具体例としては、例えば、いずれも繰り返し単位中の炭素数が2であるポリエチレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が3であるポリトリメチレングリコールおよびポリプロピレングリコールや、いずれも繰り返し単位中の炭素数が4であるポリテトラメチレングリコールおよびポリブチレングリコール等が挙げられる。
ポリアルキレングリコール樹脂の具体例として、PEG300(ADEKA社製、粘度80mPa・s、凝固点−8℃、ポリエチレングリコール樹脂)、ユニオールD−1200(日油社製、粘度200mPa・s、凝固点−30℃、ポリプロピレングリコール樹脂)、アデカプルロニックL−61(ADEKA社製、粘度300mPa・s、凝固点−29℃、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体)等が挙げられる。
[ポリエーテルエステル樹脂]
ポリエーテルエステル樹脂は、上記脂肪族多価カルボン酸と上記アルキレングリコールをエステル化させたものである。
ポリエーテルエステル樹脂の具体例として、アデカサイザーRS‐107(ADEKA社製、粘度20mPa・s、凝固点−47℃、アジピン酸エーテルエステル系樹脂)、アデカサイザーRS−700(ADEKA社製、粘度30mPa・s、凝固点−53℃、ポリエーテルエステル系樹脂)等が挙げられる。
<分散剤(C)>
分散剤(C)は、金属酸化物粒子(A)と相互作用するものであれば特に制限されるものではなく、例えばポリビニルアセタール(PVA樹脂)、ヒンダートアミン化合物(HALS)、リン酸エステル化合物等が挙げられる。これらの分散剤(C)は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
分散剤(C)は金属酸化物粒子(A)との相互作用が強いことからリン酸エステル化合物が好ましい。
このような分散剤(C)を用いることで、金属酸化物粒子分散液を安定に作製することができる。さらに、強度の低下を引き起こすことなく、かつ透明性にも優れた成形体を形成可能な、金属酸化物微粒子分散液とすることができる。
金属酸化物粒子分散液における分散剤(C)の配合量は、金属酸化物粒子(A)の分散性と熱可塑性樹脂(D)の物性の観点から、金属酸化物粒子(A)100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.5〜50質量部が更に好ましい。
[ポリビニルアセタール]
ポリビニルアセタール(PVA樹脂)は、アセタール基、アセチル基、水酸基を有するそれぞれ3種の繰り返し単位からなる高分子化合物である。PVA樹脂は、各種の市販品、合成品を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。また、水酸基をアシル化、ウレタン化反応などの化学修飾法により調整したものも使用することもできる。アセタール基の種類は特に限定されるものではなく、公知の方法で合成された各種ポリビニルアセタール樹脂を使用することができる。中でもブチラール基を有するものが最も一般的で入手しやすく、可塑剤(B)への溶解性が良好なため好ましい。
PVA樹脂の具体例として、エスレックBL−S(積水化学工業社製、ポリビニルブチラール樹脂)等が挙げられる。
[ヒンダートアミン化合物]
ヒンダートアミン化合物(HALS)は、ピペリジン環上の2位および6位に各々2個づつ(計4個)の炭化水素基を有する化合物であり、2,2,6,6−テトラアルキルピペリジン誘導体や2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体、1−アルキル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体または1−ヒドロ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン誘導体等が挙げられる。上記HALSの融点は、50℃〜200℃が好ましく、70℃〜150℃であることが可塑剤(B)への溶解性が良好なため更に好ましい。
ヒンダートアミン化合物(HALS)の具体例としては、キマソーブ944FDL(BASF社製、融点100〜135℃)等が挙げられる。
[リン酸エステル化合物]
リン酸エステル化合物は、例えばトリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリス(β−クロロエチル)ホスフェート、トリス(β−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート等のアルキルホスフェートやトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス(i−プロペルフェニル)ホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート等のフェニルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート等のアルキルポリオキシエチレンリン酸エステル、アルキルフェノールポリオキシエチレンリン酸エステル及びこれらのナトリウム、カリウム、アンモニア及びアミン等の中和塩が挙げられる。また、これらリン酸エステル化合物は酸価やアミン価を有していても良い。これらのリン酸エステル化合物は単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。金属酸化物粒子(A)の分散性の観点からリン酸エステル化合物は、酸価やアミン価を有するアルキルポリオキシエチレンリン酸エステルやアルキルフェノールポリオキシエチレンリン酸エステルであることが好ましい。
リン酸エステル化合物の具体例としては、アデカリアソープPP−70(ADEKA社製、リン酸エステル)、ディスパーBYK−102(ビックケミー社製、酸価101mgKOH/g)、ディスパーBYK−145(ビックケミー社製、酸価76mgKOH/g、アミン価71mgKOH/g)等が挙げられる。
分散剤(C)の酸価は、金属酸化物粒子(A)の分散性と熱可塑性樹脂(D)の物性の観点から、180mgKOH/g以下が好ましく140mgKOH/g以下が更に好ましい。
分散剤(C)のアミン価は、金属酸化物粒子(A)の分散性と熱可塑性樹脂(D)の物性の観点から、180mgKOH/g以下が好ましく140mgKOH/g以下が更に好ましい。
分散剤(C)の配合量は、金属酸化物粒子(A)の分散性と熱可塑性樹脂(D)の物性の観点から、金属酸化物粒子(A)100質量部に対して、0.01〜100質量部が好ましく、0.5〜50質量部が更に好ましい。
《熱可塑性樹脂組成物》
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、金属酸化物粒子(A)と、熱可塑性樹脂(D)を含有する成形体を形成するための樹脂組成物であって、金属酸化物粒子分散液、および熱可塑性樹脂(D)を含有する。
熱可塑性樹脂組成物は、例えば、ペレット状、粉末状、顆粒状あるいはビーズ状等の形状であることが好ましく、ペレット状がより好ましい。
これらの熱可塑性樹脂組成物は例えば、金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)の混合物からなるペレットを、その他の樹脂等により希釈せず、そのまま溶融混練させて、成形体を形成することもできるし、その他の樹脂、なかでも、さらに熱可塑性樹脂(D)と溶融混練し、成形体を形成する方法を用いることもできる。
金属酸化物粒子(A)を高濃度で配合したペレット状のマスターバッチとして製造する場合、金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)を溶融混練し、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物とすることができる。
一旦、マスターバッチとして熱可塑性樹脂組成物中に予備分散した後に、希釈樹脂の熱可塑性樹脂(D)と配合(溶融混錬)して所望の成形体を製造すると、熱可塑性樹脂(D)の加工による熱劣化の影響が少なくなり成形品の物性が維持しやすいために好ましい。
このような熱可塑性樹脂組成物を用いて成形体を形成することで、透明性に優れた成形体とすることができる。
このとき、具体的には、マスターバッチは、加工性の観点から、熱可塑性樹脂(D)100重量部に対して、金属酸化物粒子(A)を0.05〜30質量部配合することが好ましい。より好ましくは0.1〜10質量部である。
金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物であるコンパウンドを用いて、そのまま成形体を形成する場合、加工性と熱可塑性樹脂(D)の物性の点から、熱可塑性樹脂(D)100重量部に対して、金属酸化物粒子(A)を0.01〜5質量部配合することが好ましい。より好ましくは0.05〜1質量部である。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、金属酸化物粒子分散体と熱可塑性樹脂(D)と、更に必要に応じて各種添加剤や着色剤を加え、ヘンシェルミキサーやタンブラー、ディスパー等で混合しニーダー、ロールミル、スーパーミキサー、ハイスピードミキサー、ボールミル、サンドミル、アトライター、バンバリーミキサーのような回分式混練機、単軸押出機、二軸押出機、ローター型二軸混練機等で混合や溶融混練し、ペレット状、粉体状、顆粒状あるいはビーズ状の樹脂組成物とすることが出来る。成形加工が容易なことから二軸押出機にてペレット状の熱可塑性樹脂組成物とすることが好ましい。
熱可塑性樹脂(D)の含有量は、加工性が良好なことから、金属酸化物粒子分散液100質量部に対して、300〜1000,000質量部であることが好ましく、1,000〜100,000質量部が更に好ましい。
<熱可塑性樹脂(D)>
熱可塑性樹脂(D)は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリスチレン樹脂、シクロオレフィン・コポリマー(COC)、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。なかでもアクリル樹脂の場合、ポリメチルメタクリレート樹脂が好ましい。ただし、可塑剤(B)である場合は除く。また、好ましくは熱可塑性樹脂(D)は25℃で固体である。
[ポリカーボネート樹脂]
ポリカーボネート樹脂は、芳香族ジヒドロキシ化合物と、ホスゲン或いは炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体とを反応させることにより容易に製造される。反応は公知の反応、例えば、ホスゲンを用いる場合は界面法により、また炭酸ジエステルを用いる場合は溶融状で反応させるエステル交換法により得ることができる。
上記芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類4,4´−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4´−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4´−ジヒドロキシ−3,3´−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用される。これらの他にピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4´−ジヒドロキシジフェニル類を混合して使用してもよい。更に、フロログルシン等の多官能性化合物を併用した分岐を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を使用することも出来る。
前記芳香族ジヒドロキシ化合物と反応させるカーボネート前駆体としては、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の具体例としては、ユーピロンS−3000(三菱エンジニアリングプラスチック社製)等が挙げられる。
[ポリエステル樹脂]
ポリエステル樹脂は、カルボン酸成分(カルボキシル基を有する化合物)と水酸基成分(水酸基を有する化合物)とを重合することによって得ることができる。
ポリエステル樹脂を構成するカルボン酸成分としては、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトレヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、テトラクロル無水フタル酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸、無水トリメリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水物、無水ピロメリット酸、ε−カプロラクトン等が挙げられる。
ポリエステル樹脂を構成する水酸基成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブチレングリコール、1、6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール、3−メチルペンタンジオール、1、4−シクロヘキサンジメタノール等のジオールの他、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の水酸基を3つ以上有する多官能アルコールが挙げられる。
ポリエステル樹脂の具体例としてはポリエステルMA−2101M(PET樹脂、ユニチカ製、ジュラネックス700FP(ポリプラスチック社製、PBT樹脂)等が挙げられる。
[アクリル樹脂]
アクリル樹脂は、以下に例示する(メタ)アクリル系モノマーを重合することによって得ることができる。モノマーとしては、例えば、アルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、水酸基を有する(メタ)アクリル系モノマー、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、グリシジル基を有する(メタ)アクリル系モノマー、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニル等のビニルエステル、無水マレイン酸、ビニルエーテル、スチレン等が挙げられる。尚、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは「アクリルおよび/またはメタクリル」を、「(メタ)アクリレート」とは「アクリレートおよび/またはメタクリレート」を、それぞれ意味する。なかでも、ポリメチルメタクリレート(PMMA)樹脂が好ましい。
アクリル樹脂の具体例としてはアクリペットVH(ポリメチルメタクリレート樹脂、三菱ケミカル社製)等が挙げられる。
[ポリアミド樹脂]
ポリアミド樹脂は、例えば、上述したカルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物を反応させることによって得ることができる。例えば、カルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物(Am)とを脱水縮合反応させて得ることができる。
アミノ基を2個以上有する化合物(Am)としては、公知のものを使用することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミンを含む脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;1,3−ジアミノ−2−プロパノール、1,4−ジアミノ−2−ブタノール、1−アミノ−3−(アミノメチル)−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン−1−オール、4−(2−アミノエチル)−4,7,10−トリアザデカン−2−オール、3−(2−ヒドロキシプロピル)−o−キシレン−α,α’−ジアミン等のジアミノアルコールが挙げられる。
ポリアミド樹脂の具体例としてはアミランCM3001−N(ポリアミド樹脂、東レ社製)等が挙げられる。
[フッ素樹脂]
フッ素樹脂は含フッ素モノマーの共重合によって得ることができる。含フッ素モノマーとしてはフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ヘキサフルオロイソブチレン、パーフルオロアクリル酸、パーフルオロメタクリル酸、アクリル酸又はメタクリル酸のフルオロアルキルエステル等のフッ素含有エチレン性不飽和化合物や シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル等のフッ素非含有エチレン性不飽和化合物が挙げられる。また含フッ素モノマーと共重合するモノマーとしてはブタジエン、イソプレン、クロロプレン等のフッ素非含有ジエン化合物でもよい。フッ素樹脂としては例えば、フッ化ビニリデンのホモポリマーであるポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF樹脂)、テトラフルオロエチレンのホモポリマーであるポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE樹脂)、エチレンとテトラフルオロエチレンの共重合体であるエチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE樹脂)等が挙げられる。
フッ素樹脂の具体例としてKFポリマーW#1100(クレハ社製、PVDF樹脂)、フルオンPTFE CD123E(旭硝子社製、PTFE樹脂)、フルオンETFE C−55AP(旭硝子社製、ETFE樹脂)等が挙げられる。
《成形体》
本発明の成形体は、本発明の金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物より形成される。
具体的には、例えば、(方法1)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)のペレット等を溶融混練して熱可塑性樹脂組成物とし、成形体を得る方法、(方法2)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)を溶融混練し、マスターバッチとした熱可塑性樹脂組成物を用い、さらに熱可塑性樹脂(D)のペレット等と一緒にを溶融混練して成形体を得る方法、(方法3)金属酸化物粒子分散液と、熱可塑性樹脂(D)を溶融混練し、コンパウンドとし、いったんペレット等にしたものを用い、それをそのまま溶融混練して成形体を得る方法、などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂組成物を、射出成形やブロー成形、押出成形することで成形品を得ることができる。金属酸化物粒子(A)の分散性と熱可塑性樹脂組成物(D)の物性の観点から、金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)の混合物(方法1)、またはマスターバッチを熱可塑性樹脂組成物(D)で希釈する方法(方法2)により成形体を得ることが好ましい。
金属酸化物分散液と熱可塑性樹脂(D)の混合物における、金属酸化物粒子分散液の好ましい配合量は熱可塑性樹脂(D)100質量に対して、5質量部以下であり、1質量部以下が更に好ましい。金属酸化物粒子分散液の配合量が5質量部以下であれば材料が滑る等の不具合が発生せず成形サイクルに影響を与えない。
金属酸化物粒子分散液と熱可塑性樹脂(D)を混合して得られたマスターバッチと熱可塑性樹脂(D)を混合して成形する場合、マスターバッチの好ましい配合量は30質量部以下であり、10質量部以下が更に好ましい。マスターバッチの配合量が30質量部以下であれば成形体の物性低下が起きない。
本発明の成形体は、金属酸化物粒子(A)を高分散させた金属酸化物粒子分散液及びそれを使用した熱可塑性樹脂組成物を使用することで、衝撃強度等の物性の低下も抑制され、従来よりも透明性の高い成形体を得ることができるため、ガラス代替材料として好適に使用できる。
以下、実施例に基づき本発明を更に詳しく説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。実施例中、部および%は、特に断りがない場合は、それぞれ、質量部および質量%を表す。
まず、着色樹脂組成物に使用した材料を以下に列挙する。
<金属酸化物粒子(A)>
A−1:透明導電粉末E−ITO (三菱マテリアル社製、粒径25〜35nm、酸化インジウム錫、以下「E−ITO」と称することがある)
A−2:透明導電粉末T−1(三菱マテリアル社製、粒径10〜15nm、アンチモンドープ酸化錫、以下「T−1」と称することがある)
A−3:セシウムタングステンオキサイド(粒径30〜40nm、セシウムドープ酸化タングステン、以下「CWO」と称することがある)
A−4:FINEX−50W−LP2(堺化学社製、粒径20nm、酸化亜鉛、以下「50W−LP2」と称することがある)
A−5:TTO−51(1)(石原産業社製、粒径10〜30nm、酸化チタン、以下「TTO−51」と称することがある)
A−6:UEP−100(第一稀元素化学工業社製、平均粒子径11nm、酸化ジルコニウム)
<可塑剤(B)>
B−1:アデカサイザーRS−107(ADEKA社製、粘度20mPa・s、ポリエーテルエステル樹脂、アジピン酸エーテルエステル樹脂、凝固点−20℃、以下「RS−107」と称することがある)
B−2:ユニオールD−1200(日油社製、粘度mPa・s、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリプロピレングリコール樹脂、凝固点−30℃、以下「D−1200」と称することがある)
B−3:アデカサイザーPN−170(ADEKA社製、粘度800mPa・s、脂肪酸ポリエステル樹脂、アジピン酸ポリエステル樹脂、凝固点−15℃、以下「PN−170」と称することがある)
B−4:アデカサイザーPN−6810(ADEKA社製、粘度43mPa・s、アセチルクエン酸トリブチル、凝固点−80℃、以下「PN−6810」と称することがある)
<分散剤(C)>
C−1:アデカリアソープPP−70(ADEKA社製、リン酸エステル、以下「PP−70」と称することがある)
C−2:ディスパーBYK−102(ビックケミー社製、リン酸エステル、酸価102mgKOH/g、以下「BYK−102」と称することがある)
C−3:ディスパーBYK−145(ビックケミー社製、リン酸エステル、酸価76mgKOH/g、アミン価71mgKOH/g、以下「BYK−145」と称することがある)
<熱可塑性樹脂(D)>
D−1:ユーピロンS−3000(ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、以下「S−3000」と称することがある)
D−2:ポリエステルMA−2101M(ポリエステル樹脂、ユニチカ製、粘度平均分子量20,000、以下「MA−2101M」と称することがある)
D−3:アクリペットVH(ポリメチルメタクリレート樹脂、三菱ケミカル社製、以下「VH」と称することがある)
D−4:アミランCM3001−N(ポリアミド樹脂、東レ製、以下「CM3001−N」と称することがある)
D−5:KFポリマーW#1100(PVDF樹脂、クレハ社製、以下「W#1000」と称することがある)
<実施例1>
金属酸化物粒子(A−1)50質量部、可塑剤(B−1)35質量部、分散剤(C−1)15質量部をビーズミルにて混合・分散し金属酸化物粒子分散液(X−1)を得た。
続いて、得られた金属酸化物粒子分散液(X−1) 1質量部と熱可塑性樹脂(D−1)100質量部とを混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物により、射出成形機(日精樹脂工業社製)にて縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体を得た。
<実施例2〜15>
まず、表1に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、金属酸化物粒子分散液(X−1)と同様の方法で金属酸化物粒子分散液(X−2〜11)をそれぞれ得た。尚、表1中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
続いて、表3に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、実施例1と同様の方法により、成形体を得た。尚、表3中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
<比較例1>
金属酸化物粒子(A−1)50質量部、可塑剤(B−1)50質量部をビーズミルにて混合し、金属酸化物粒子分散液(XC−1)を得ようとしたが、高粘度のため単離できなかった。
<実施例16>
金属酸化物粒子分散液(X−1)10.5質量部、熱可塑性樹脂(D−1)89.5質量部を二軸押出機(日本製鋼所社製)にて混合溶融混練して、固形状のマスターバッチ(Y−1)を得た。
続いて、得られたマスターバッチ(Y−1)10質量部と、熱可塑性樹脂(D−1)100質量部とを混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物により、射出成形機(日精樹脂工業社製)にて縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体を得た。
<比較例2>
金属酸化物粒子(A−1)10.5質量部、熱可塑性樹脂(D−1)89.5質量部を二軸押出機(日本製鋼所社製)にて混合溶融混練して、固形状のマスターバッチ(YC−1)を得た。
続いて、得られたマスターバッチ(YC−1)5質量部と、熱可塑性樹脂(D−1)100質量部とを混合し、得られた熱可塑性樹脂組成物により、射出成形機(日精樹脂工業社製)にて縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体を得た。
<比較例3〜5>
まず、表2に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、マスターバッチ(YC−1)と同様の方法でマスターバッチ(YC−2〜5)をそれぞれ得た。尚、表2中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
続いて、表3に示す材料と配合量(質量部)にそれぞれ変更した以外は、比較例2と同様の方法により、成形体を得た。尚、表3中に数値が記載されていない項目は、含有していないことを表す。
(金属酸化物粒子分散体、および金属酸化物粒子含有マスターバッチの物性値測定と評価方法)
[金属酸化物粒子分散体中の金属酸化物粒子の平均分散粒子径及び累積体積百分率]
平均分散粒子径及び累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)は、動的光散乱式粒径分布測定装置LB−550(堀場製作所社製)を用いて測定した。
なお、マスターバッチの場合には、マスターバッチを150℃で質量比がフェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン=1/1混合液に溶解させた溶液に調整し、平均分散粒径及びD90を測定した。
[ヘイズ値およびヘイズ差の測定]
作製した縦80mm×横45mmの成形体(X1)を用い、ヘイズを測定した。
また、熱可塑性樹脂(D)単体からなる縦80mm×横45mm×厚み1.8mmの射出成形品である成形体(X2)を形成し、ヘイズを測定した。
これらの値から、ヘイズ差(X1−X2)を求めた。
なお、ヘイズはヘイズガードプラス(ガードナー社製)を用いて測定した。
(多目的試験片の作製)
それぞれ得られた熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機(東芝機械社製)にて縦80mm×横10mm×厚み4mmの多目的試験片を得た。
(透明性評価)
得られた成形体を方眼紙の上に乗せ、方眼紙の升目の見え方によって透明性を目視にて評価した。
◎;良好。方眼紙の線がはっきり目視できる。
〇;実用可。方眼紙の線が読み取りにくい。
×;実用不可。方眼紙の線が読み取れない。
(シャルピー衝撃強度保持率と荷重たわみ温度保持率)
得られた多目的試験片を用いてJIS K7171:2016に従い、ノッチ付きのシャルピー衝撃強度、JIS K7191−1,−2:2015に従い、測定荷重1.80MPaにおける荷重たわみ温度を測定した。得られた各々の測定値から、下記式(1)に従い各々の測定値に対する物性保持率を算出した。物性保持率が高いものほど良好であるが、物性保持率90%以上であれば良好、物性保持率90%未満であれば不良と判断した。
物性保持率の値が高いほど、強度に優れているということがいえる。

式(1) 物性保持率(%)=[金属酸化物分散液またはマスターバッチを含む多目的試験片の物性測定値/熱可塑性樹脂(D)単体の多目的試験片の物性測定値]×100
Figure 0006690667
Figure 0006690667
Figure 0006690667

Claims (9)

  1. 金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物に用いられる金属酸化物粒子分散液であって、
    前記金属酸化物粒子分散液は、金属酸化物粒子(A)と、可塑剤(B)と、分散剤(C)とを含み、
    前記可塑剤(B)は25℃で液体であり、
    前記金属酸化物粒子分散液中、金属酸化物粒子(A)の含有率は30〜50重量%、可塑剤(B)の含有率は35〜67重量%であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物により形成してなる、厚み1.8mmの成形体(X1)のヘイズと、熱可塑性樹脂(D)単体により成形してなる、厚み1.8mmの成形体(X2)のヘイズとのヘイズ差(X1−X2)が、20%以下であることを特徴とする金属酸化物粒子分散液。
  2. 金属酸化物粒子(A)の平均分散粒子径が、0.3μm以下である、請求項1記載の金属酸化物粒子分散液。
  3. 金属酸化物粒子(A)は、累積体積百分率が90%のときの粒径(D90)が、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の金属酸化物粒子分散液。
  4. 金属酸化物粒子(A)は、酸化インジウム錫(ITO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、セシウムドープ酸化タングステン(CWO)、酸化亜鉛、酸化チタン及び酸化ジルコニウムからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜3いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
  5. 可塑剤(B)は、脂肪酸ポリエステル樹脂、ポリアルキレングリコール樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、及びアセチルクエン酸トリブチルからなる群より選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜4いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
  6. 前記分散剤(C)は、リン酸エステル化合物である、請求項1〜5いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液。
  7. 請求項1〜6いずれか1項記載の金属酸化物粒子分散液及び熱可塑性樹脂(D)を含有する熱可塑性樹脂組成物。
  8. 前記熱可塑性樹脂(D)は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂及びフッ素樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかである請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項7または8記載の熱可塑性樹脂組成物より成形されてなる成形体。
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