JP6688464B2 - ナノインプリント転写体の製造方法 - Google Patents

ナノインプリント転写体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6688464B2
JP6688464B2 JP2017027133A JP2017027133A JP6688464B2 JP 6688464 B2 JP6688464 B2 JP 6688464B2 JP 2017027133 A JP2017027133 A JP 2017027133A JP 2017027133 A JP2017027133 A JP 2017027133A JP 6688464 B2 JP6688464 B2 JP 6688464B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block copolymer
nanostructure
component
inorganic
microphase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017027133A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018016067A (ja
Inventor
三浦 篤志
篤志 三浦
有理 佐々木
有理 佐々木
博昭 若山
博昭 若山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to US15/646,724 priority Critical patent/US20180016687A1/en
Publication of JP2018016067A publication Critical patent/JP2018016067A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6688464B2 publication Critical patent/JP6688464B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、ナノインプリント転写体の製造方法に関する。
ナノインプリント法は、表面に微細な凹凸構造を有するマスターモールドと基材とによって樹脂層を挟み、マスターモールド表面の微細な凹凸構造を樹脂層に転写してパターンを形成する技術である。従来のナノインプリント法においては、レジストに露光、現像、エッチング等の処理を施して前記マスターモールドを作製していたため、大規模な装置が必要であったり、大面積の微細凹凸構造パターンを有するマスターモールドを作製する場合には、長時間を要する、等の問題があった。
そこで、比較的簡便な方法で短時間に大面積の微細凹凸構造パターンを有するマスターモールドを作製する方法として、ブロックコポリマーの相分離を利用した方法が提案されている。例えば、国際公開第2011/007878号(特許文献1)には、ブロック共重合体のミクロ相分離構造を形成することにより、表面に凹凸が形成された母型(マスターモールド)が得られることが記載されている。しかしながら、このマスターモールドは、有機成分(ブロック共重合体)により構成されているため、耐溶媒性や強度が十分ではなく、また、マスターモールドから樹脂レプリカモールドを作製する際に、熱や紫外線によって前記有機成分が分解される場合があった。
また、国際公開第2013/161454号(特許文献2)には、ブロック共重合体を相分離させることにより、表面に凹凸構造を有しかつ内部に水平シリンダ構造を有するブロック共重合体膜を形成し、このブロック共重合体膜の凹凸構造上に電鋳により金属層を形成し、この金属層から凹凸構造を有する基材を剥離することによって、モールドが得られることが記載されている。しかしながら、この方法では、ブロック共重合体を相分離させる工程に加えて、金属層を形成する工程が必要であった。さらに、前記凹凸構造を形成している素材が有機成分(ブロック共重合体)であるため、耐溶媒性や強度が十分ではなく、また、前記金属層を形成する際に、熱により前記有機成分が分解される場合があった。
一方、特開2012−64878号公報(特許文献3)、特開2013−63576号公報(特許文献4)及びJpn.J.Appl.Phys.、2013年、第52巻、105201−1〜5頁(非特許文献1)には、ブロックコポリマーの自己組織化を利用して基板上に自己組織化パターンを形成し、この自己組織化パターンを用いて、表面に微細な凹凸構造を有するドットモールドを形成する方法が記載されている。しかしながら、これらの文献に記載の方法においては、ブロックコポリマーとしてポリスチレン−b−ポリジメチルシロキサンが用いられ、ポリジメチルシロキサンからなる自己組織化パターンが形成されているものの、この自己組織化パターンは、前記基板にエッチング処理を施す際のマスクとして利用されているにすぎなかった。
国際公開第2011/007878号 国際公開第2013/161454号 特開2012−64878号公報 特開2013−63576号公報
Y.Ooteraら、Jpn.J.Appl.Phys.、2013年、第52巻、105201−1〜5頁
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ブロックコポリマーの自己組織化によるミクロ相分離を利用してナノ構造体を作製し、このナノ構造体を直接マスターモールドとして使用することが可能なナノインプリント転写体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーと、該ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれている無機前駆体と、からなるミクロ相分離構造体から、有機成分を除去することによって、耐溶媒性や強度に優れた無機成分のナノ構造体(無機ナノ構造体)を形成することができ、さらに、この無機ナノ構造体をそのままナノインプリント転写体を製造する際のマスターモールドとして使用できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のナノインプリント転写体の製造方法は、
ミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーと、該ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれている無機前駆体と、を基板上に成膜する工程と、
前記ブロックコポリマーをミクロ相分離させて、前記ブロックコポリマーと、前記ポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれる前記無機前駆体と、からなるミクロ相分離構造体を形成する工程と、
前記ミクロ相分離構造体から有機成分を除去し、前記無機前駆体を無機成分に変換して、前記無機成分のみからなるナノ構造体を形成する工程と、
前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いてナノインプリント転写体を形成する工程と、
を含むことを特徴とする方法である。
本発明のナノインプリント転写体の製造方法においては、前記ブロックコポリマー(より好ましくは、ポリスチレンとポリジメチルシロキサンとのブロックコポリマー)が前記ポリマーブロック成分(より好ましくは、ポリジメチルシロキサン)中に前記無機前駆体(より好ましくは、Si)を含むものであり、該無機前駆体(より好ましくは、Si)を変換して前記無機成分(より好ましくは、SiOのみからなるナノ構造体を形成することが好ましい。
また、本発明のナノインプリント転写体の製造方法においては、前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いて該ナノ構造体の表面構造が表面に転写された樹脂モールドを形成した後、前記樹脂モールドを用いて該樹脂モールドの表面構造が表面に転写された金属ナノ配列体(好ましくは、Niナノ配列体)を形成することが可能である。
本発明によれば、ナノインプリント転写体を製造する際に、ブロックコポリマーのミクロ相分離を利用して作製したナノ構造体を直接マスターモールドとして使用することが可能となる。
ブロックコポリマーのミクロ相分離条件の相図である。 実施例1で得られたミクロ相分離構造体の表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 図2Aに示す走査型電子顕微鏡写真の拡大写真である。 実施例1で得られたミクロ相分離構造体の表面の2次元フーリエ変換(2D−FFT)像を示す中間調画像である。 実施例1で得られたSiOナノ構造体の表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1で得られた樹脂モールドの表面の状態を示す原子間力顕微鏡写真である。 実施例1で得られたNiナノ配列体の表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 実施例1においてナノインプリントを行なった後のマスターモールドの表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1においてナノインプリントを行なった後のマスターモールドの表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。 比較例1で得られた樹脂モールドの表面の状態を示す走査型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明のナノインプリント転写体の製造方法は、
ミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーと、該ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれている無機前駆体と、を基板上に成膜する工程と、
前記ブロックコポリマーをミクロ相分離させて、前記ブロックコポリマーと、前記ポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれる前記無機前駆体と、からなるミクロ相分離構造体を形成する工程と、
前記ミクロ相分離構造体から有機成分を除去し、無機成分のナノ構造体を形成する工程と、
前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いてナノインプリント転写体を形成する工程と、
を含む方法である。以下、各工程について説明する。
〔成膜工程〕
本発明にかかる成膜工程は、ミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーと無機前駆体とを基板上に成膜する工程である。この工程で形成された膜中におけるブロックコポリマーと無機前駆体との状態としては、
(i)ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分の構造中に無機前駆体が含まれている状態、
(ii)ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分からなるポリマー相中に無機前駆体が含まれている状態、
が挙げられる。
本発明に用いられるブロックコポリマーとしては、自己組織化によりミクロ相分離することが可能なもの、すなわち、ポリマーブロック成分が互いに混和せず、所定のミクロ相分離条件を満たすものであれば特に制限はない。ブロックコポリマーは、2種類以上のポリマー鎖(ポリマーブロック成分)が共有結合した構造を有するものであり、各ポリマーブロック成分からなるポリマー相がマクロスケールで分離することはないが、鎖長程度のミクロスケールで相分離するという特徴を有するものである。このようなミクロスケールで相分離しているポリマー相は、ブロックコポリマーの大きさや組成、ポリマーブロック成分の相互作用、配向制御等によって、ラメラ状、球状、シリンダー状等の様々な規則構造を形成することが可能である。
そこで、以下では、ブロックコポリマーのミクロ相分離構造について、図1に示すブロックコポリマーのミクロ相分離条件の相図(Macromolecules、1996年、第29巻、1092〜1098頁)を用いて説明する。ブロックコポリマーのミクロ相分離構造は、ブロックコポリマーの重合度Nとポリマーブロック成分間のFlory−Huggins相互作用パラメータχに依存する。重合度N及び相互作用パラメータχが大きいほどミクロ相分離が起こりやすくなる傾向にあり、形成されるミクロ相分離構造はポリマーブロック成分の体積分率fに依存して変化する。例えば、互いに混和しない、ポリマーブロック成分Aとポリマーブロック成分Bとが結合してなるブロックコポリマーにおいては、図1に示すように、重合度Nと相互作用パラメータχとの積χNが大きい領域では、χNとポリマーブロック成分Bの体積分率fとに応じて以下のような構造変化が起こる。
(1)ポリマーブロック成分Bからなるマトリックス中に球状のポリマーブロック成分Aが存在。
(2)ポリマーブロック成分Bからなるマトリックス中にシリンダー状のポリマーブロック成分Aが存在。
(3)ポリマーブロック成分Aとポリマーブロック成分Bとが層構造を形成。
(4)ポリマーブロック成分Aからなるマトリックス中に球状のポリマーブロック成分Bが存在。
(5)ポリマーブロック成分Aからなるマトリックス中にシリンダー状のポリマーブロック成分Bが存在。
一方、χNが小さい領域(図1中の領域(6))では、相分離が起こらず、無秩序な状態となる。例えば、ポリマーブロック成分Bの体積分率fが0.5の場合、χNが10.5未満になると、相分離が起こらず、図1中の領域(3)で形成されるような層構造は形成されない。
本発明においては、ブロックコポリマーがミクロ相分離することが必要であるため、図1に示すミクロ相分離条件の相図に基づいて、ポリマーブロック成分の体積分率f、ブロックコポリマーの重合度N、相互作用パラメータχを適宜設定し、所望のブロックコポリマーを選択する。なお、図1に示すミクロ相分離条件の相図(曲線の形状)はブロックコポリマーの種類により変化する。
このようなミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーとしては、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン(PS−b−PDMS)、ポリフッ化ビニリデン−ポリ(t−ブチルアクリレート)(PVDF−b−P(t−BuA))、ポリフッ化ビニリデン−ポリスチレン(PVDF−b−PS)、ポリスチレン−ポリシルセスキオキサン(PS−b−PSSQ)、ポリメチルメタクリレート−ポリシルセスキオキサン(PMMA−b−PSSQ)、ポリ乳酸−ポリジメチルシロキサン−ポリ乳酸(PLA−b−PDMS−b−PLA)、ポリスチレン−ポリフェロセニルジメチルシラン(PS−b−PFS)、ポリフェロセニルジメチルシラン−ポリメチルメタクリレート(PFS−b−PMMA)等の一方のポリマーブロック成分の構造中に無機前駆体が含まれているブロックコポリマー(前記(i)の状態を形成し得るブロックコポリマー);ポリスチレン−ポリメチルメタクリレート(PS−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリエチレンオキシド(PS−b−PEO)、ポリスチレン−ポリビニルピリジン(PS−b−PVP)、ポリスチレン−ポリイソプレン(PS−b−PI)、ポリスチレン−ポリブタジエン(PS−b−PB)ポリエチレンオキシド−ポリイソプレン(PEO−b−PI)、ポリエチレンオキシド−ポリブタジエン(PEO−b−PB)、ポリエチレンオキシド−ポリメチルメタクリレート(PEO−b−PMMA)、ポリエチレンオキシド−ポリエチルエチレン(PEO−b−PEE)、ポリブタジエン−ポリビニルピリジン(PB−b−PVP)、ポリイソプレン−ポリメチルメタクリレート(PI−b−PMMA)、ポリスチレン−ポリアクリル酸(PS−b−PAA)、ポリブタジエン−ポリメチルメタクリレート(PB−b−PMMA)等の構造中に無機前駆体を含まないブロックコポリマー(前記(ii)の状態を形成し得るブロックコポリマー)が挙げられる。このようなブロックコポリマーの中でも、一方のポリマー相中に無機前駆体が含まれているミクロ相分離構造体が得られやすいという観点から、一方のポリマーブロック成分の構造中に無機前駆体(好ましくはSi)を含んでいるブロックコポリマーが好ましく、一方のポリマーブロック成分がポリジメチルシロキサンであるブロックコポリマーがより好ましく、PS−b−PDMSが特に好ましい。また、一方のポリマー相中に無機前駆体を導入しやすいという観点から、ポリマーブロック成分の極性の差が大きいブロックコポリマーが好ましく、PS−b−PVP、PS−b−PEO、PS−b−PAAが特に好ましい。
本発明において、ブロックコポリマー及びそれを構成する各ポリマーブロック成分の分子量は、構造スケールや配置に応じて適宜選択すればよい。例えば、ブロックコポリマーの数平均分子量としては、100〜1000万が好ましく、1000〜100万がより好ましい。なお、ブロックコポリマーの数平均分子量が小さいほど、構造スケールは小さくなる傾向にある。また、各ポリマーブロック成分の数平均分子量については、各ポリマーブロック成分の分子量比等を調整することによって、後述するミクロ相分離構造体形成工程において、自己組織化により所望の構造のミクロ相分離構造体を得ることができ、ひいては、無機成分を所望の形態で配列させることが可能となる。さらに、本発明においては、後述するナノ構造体形成工程で、有機成分を除去し、無機成分のみを残す必要があるため、熱処理(焼成)、紫外線照射、反応性イオンエッチング、酸素プラズマ等により容易に分解することが可能なブロックコポリマーや、溶媒により容易に除去することが可能なブロックコポリマーを用いることが好ましい。
また、前記ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分からなるポリマー相に含有させることが可能な無機前駆体(前記(ii)の状態を形成し得る無機前駆体)としては、各種の塩(例えば、金属又は半金属の炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物等)、各種のアルコキシド(例えば、金属又は半金属を含むメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等)、各種の錯体(例えば、金属又は半金属のアセチルアセトナート錯体等)、及び各種の金属有機化合物(例えば、フェニルトリメトキシシラン、コバルトセン等)からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。このような無機前駆体が変換された後の無機成分としては、後述する酸化物、金属、炭化物、窒化物、硼化物及び塩からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましく、多様な機能の発現が期待できるという観点から、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、テルル(Te)、チタン(Ti)および珪素(Si)からなる群から選択される少なくとも一つの元素を含むことが好ましい。したがって、本発明において好適に用いられる無機前駆体としては、前記元素を含む炭酸塩、硝酸塩、リン酸塩、硫酸塩、塩化物等の塩、前記元素を含むメトキシド、エトキシド、プロポキシド、ブトキシド等のアルコキシド、Fe(acac)、Co(acac)、Pt(acac)、Ni(acac)等のアセチルアセトナート等の錯体、フェニルトリメトキシシラン、コバルトセン等の金属有機化合物が挙げられる。
本発明にかかる成膜工程においては、前記ブロックコポリマーと、前記ブロックコポリマーの構造中に無機前駆体が含まれていない場合には前記無機前駆体と、を溶媒に溶解し、得られた原料溶液を用いて成膜することが好ましい。ここで用いられる溶媒としては、用いるブロックコポリマーと、必要に応じて添加される前記無機前駆体と、を溶解できるものであれば特に制限はなく、例えば、アセトン、テトラヒドロフラン(THF)、シクロヘキサン、トルエン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、クロロホルム、ベンゼン等が挙げられる。これら溶媒は、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において、「溶解」とは、物質(溶質)が溶媒に溶けて均一混合物(溶液)となる現象であって、溶解後、溶質の少なくとも一部がイオンとなる場合、溶質がイオンに解離せず分子状で存在している場合、分子やイオンが会合して存在している場合、などが含まれる。
前記原料溶液における溶質(ブロックコポリマー、無機前駆体)の割合は特に限定されないが、原料溶液の全量を100質量%としたときに、溶質の合計量を0.1〜30質量%程度とすることが好ましく、0.5〜10質量%とすることがより好ましい。また、無機前駆体を添加する場合には、ブロックコポリマーに対する無機前駆体の添加量を調整することにより、最終的に導入される無機成分の量を調整することができ、得られるナノ構造体における無機成分のサイズを所望の程度とすることができる。
成膜方法としては、特に制限はなく、例えば、スピンコーティング、ディップコーティング、インクジェットプリンティング、ドクターブレード法、気相成長法等を適宜用いることができる。均一性の高い膜厚を簡便に得られるという観点から、スピンコーティングが特に好ましい。また、基板としては特に制限はなく、例えば、石英基板、ガラス基板、シリコン基板や、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)やスズドープ酸化インジウム(ITO)等の透明導電材料を製膜した基板等を使用することができる。
〔ミクロ相分離構造体形成工程〕
本発明にかかるミクロ相分離構造体形成工程は、前記ブロックコポリマーをミクロ相分離させて、前記ブロックコポリマーと前記無機前駆体とからなるミクロ相分離構造体を形成する工程である。この工程で形成されたミクロ相分離構造体中におけるブロックコポリマーと無機前駆体との状態としては、
(i)ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分の構造中に無機前駆体が含まれている状態、
(ii)ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分からなるポリマー相中に無機前駆体が含まれている状態、
が挙げられる。
ブロックコポリマーをミクロ相分離させる方法としては、前記成膜工程で得られた膜に電場、磁場、剪断流動による延伸等の外場を印加する方法が挙げられる。これにより、ブロックコポリマーのミクロ相分離が促進され、ミクロ相分離構造体の内部構造を平衡状態にすることができる。また、本発明においては、熱アニール処理、熱勾配処理、溶媒蒸気アニール処理等を施してミクロ相分離を促進させることが好ましい。熱アニール処理においては、ブロックコポリマーのガラス転移温度以上かつ秩序―無秩序相転移温度以下の温度に保持することによって、また、溶媒蒸気アニール処理においては、溶媒雰囲気中に所定時間保持することによって、各ポリマーブロック成分に高い運動性を与え、配向や相分離を促進することができる。これらの促進処理のうち、熱アニールよりも短時間で配列が可能であるという観点から、溶媒蒸気アニール処理(より好ましくは、有機溶媒による蒸気アニール処理)が好ましい。
また、溶媒蒸気アニールにおいては、ブロックコポリマーを溶解させる際に用いた溶媒と同じものを用いることもできるが、ブロックコポリマーの溶解度パラメータに応じて適宜選択することが好ましい。ここで、「溶解度パラメータ」とは、ヒルデブラントによって導入された正則溶液論により定義されたいわゆる「SP値」であり、以下の式:
溶解度パラメータδ[(cal/cm1/2]=(ΔE/V)1/2
(式中、ΔEはモル蒸発エネルギー[cal]、Vはモル体積[cm]を示す。)
に基づいて求められる値である。
ブロックコポリマーを構成するポリマーブロック成分Aとポリマーブロック成分Bのうち、ポリマーブロック成分Aの溶解度パラメータに近い溶媒を用いた場合、溶媒はポリマーブロック成分Aのみに作用し、ポリマーブロック成分Aの見かけ上の体積分率が増加することによって構造が変化する。したがって、所望するミクロ相分離構造に応じて、適宜、有機溶媒を選択し、その蒸気を用いて蒸気アニール処理を施すことが好ましい。また、ブロックコポリマーの分子量や所望するミクロ相分離構造に応じて、適宜、蒸気アニール処理時間を設定することができ、通常、常温で5分から48時間(好ましくは15分から4時間の範囲で蒸気アニール処理を行う。蒸気アニール処理時間が前記下限未満になると、溶媒ブロックコポリマー中に十分に浸透しない場合があり、他方、前記上限を超えると、更なる構造変化が生じにくく、作業時間の浪費に繋がる場合がある。
このようにして形成されるミクロ相分離構造体においては、前記無機前駆体を含有するポリマー相が、柱状、球状、層状、又はシリンダー状等の形状で、他方のポリマー相中に配置されている。
〔ナノ構造体形成工程〕
本発明にかかるナノ構造体形成工程は、前記ミクロ相分離構造体から有機成分を除去し、無機成分のナノ構造体(無機ナノ構造体)を形成する工程である。すなわち、この工程において、無機前駆体が無機成分に変換される。このようにして形成される無機成分の形状は、無機前駆体が含まれていたポリマーブロック成分又はポリマー相の形状(柱状、球状、層状、又はシリンダー状等)に対応する形状であり、得られるナノ構造体は、この無機成分の形状に対応した微細構造(微細凹凸構造)を表面に有している。
ミクロ相分離構造体から有機成分を除去し、無機前駆体を無機成分に変換する方法としては、熱処理(焼成)、紫外線照射、反応性イオンエッチング、酸素プラズマ、電子線照射、溶媒によるウエットエッチング等が挙げられる。これらの方法における処理条件としては、除去する有機成分や変換する無機前駆体の種類や量等に応じて適宜設定される。
このようにして得られたナノ構造体においては、有機成分が含まれていないこと、すなわち無機成分のみからなることが必要である。これにより、基板表面に強固に結合したナノ構造体が得られ、後述するナノインプリント転写体形成工程において、ナノ構造体をマスターモールドとして繰り返し使用することが可能となる。一方、ナノ構造体中に有機成分が残存していると、十分な耐溶媒性や強度(特に、ナノ構造体と基板との結合強度)が得られず、後述するナノインプリント転写体形成工程において、ナノ構造体が崩壊したり、基板から剥離するため、ナノ構造体をマスターモールドとして使用することができず、樹脂モールド等の表面に所望の微細凹凸構造を形成することが困難となる。
本発明においては、得られるナノ構造体に有機成分が含まれていないことが確認できれば、いずれの分析方法を採用してもよい。例えば、ミクロ相分離構造体に上記の処理を施して得られるナノ構造体について、赤外分光分析を行い、得られる赤外吸収スペクトルにおいて、無機成分に由来するピークのみが検出され、有機成分に由来するピークが検出されないことを確認することによって、ミクロ相分離構造体から有機成分が全て除去され、ナノ構造体には無機成分のみが含まれ、有機成分が含まれていないことを確認することができる。より具体的には、ブロックコポリマーとしてポリスチレン−b−ポリジメチルシロキサン(PS−b−PDMS)を用いる場合、SiO、PDMS及びPSのピークは、それぞれ1100cm−1、1260cm−1及び699cm−1に検出されることから、得られるナノ構造体の赤外吸収スペクトルにおいて、1100cm−1のみにピークが検出され、PDMS及びPSのピークが検出されないことを確認すればよい。また、このような有機成分除去の確認方法としては、赤外分光分析の他に、X線光電子分光分析(XPS)、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)等を採用することもできる。
〔ナノインプリント転写体形成工程〕
本発明にかかるナノインプリント転写体形成工程は、前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いてナノインプリント転写体を形成する工程である。
本発明において、ナノインプリント転写体を形成する方法(ナノインプリント法)としては、前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いる限り、特に制限はなく、熱ナノインプリント法、光ナノインプリント法、インキ盛りナノインプリント法等が挙げられる。
例えば、熱ナノインプリント法においては、基板上に熱可塑性樹脂層を形成し、この熱可塑性樹脂層に、ナノ構造体表面の微細構造(微細凹凸構造)が転写されるように、マスターモールドとしての前記ナノ構造体を積層し、ガラス転移温度以上に加熱しながら加圧する。次に、前記熱可塑性樹脂層を冷却して硬化させた後、ナノ構造体(マスターモールド)から離型する。これにより、前記熱可塑性樹脂層表面に前記微細構造(微細凹凸構造)が転写された樹脂モールドが得られる。熱ナノインプリント法における加熱・加圧条件、冷却条件等については特に制限はなく、用いる熱可塑性樹脂の種類等によって適宜設定される。このような熱ナノインプリント法においては、熱履歴が大きく、加圧によるマスターモールドへのダメージやインプリント精度の低下といった不具合を考慮する必要があるが、適用できる熱可塑性樹脂の種類が豊富であり、幅広い樹脂材料のモールドを形成できるという利点がある。
また、光ナノインプリント法においては、基板上にエネルギー線硬化型樹脂層を形成し、このエネルギー線硬化型樹脂層に、ナノ構造体表面の微細構造(微細凹凸構造)が転写されるように、マスターモールドとしての前記ナノ構造体を積層する。次に、前記エネルギー線硬化型樹脂層に、必要に応じて加圧しながら、エネルギー線(紫外線、可視光、電磁波等)を照射して硬化させ、得られた硬化樹脂層をナノ構造体(マスターモールド)から離型する。これにより、前記硬化樹脂層表面に前記微細構造(微細凹凸構造)が転写された樹脂モールドが得られる。光ナノインプリント法におけるエネルギー線の照射条件等については特に制限はなく、用いるエネルギー線硬化型樹脂の種類等によって適宜設定される。このような光ナノインプリント法においては、常温で低粘度の液体樹脂を基板上に塗布し、エネルギー線照射によって樹脂層を硬化させることができるため、より微細な表面凹凸構造を転写させることができるという利点がある。
また、本発明においては、このようにして形成された樹脂モールドを用いて、この樹脂モールドの表面構造が表面に転写された金属ナノ配列体を形成することができる。例えば、前記樹脂モールドの微細構造(微細凹凸構造)を有する表面に金属シード層を形成し、さらに、この金属シード層上に金属層を積層することによって、前記樹脂モールドの微細構造(微細凹凸構造)が表面に転写された金属ナノ配列体が得られる。このような金属ナノ配列体(金属シード層及び金属層を含む)を構成する金属としては特に制限はないが、例えば、ニッケル、銅、金、銀、スズ、及びそれらの合金等が挙げられる。また、金属シード層の形成方法としては、蒸着、吸着、スパッタリング、電子線エピタキシー等が挙げられ、金属層の形成方法としては、電鋳、電解メッキ、無電解メッキ等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<成膜工程>
先ず、構造中に無機前駆体であるSiを含有するブロックコポリマーとしてのポリスチレン−b−ポリジメチルシロキサン(PS−b−PDMS)を、濃度が3質量%となるようにテトラヒドロフラン(THF)5mlに溶解し、得られた原料溶液をシリコン基板上に塗布し、薄膜を形成した。なお、PS−b−PDMSのPSの分子量は31×10、PDMSの分子量は14.5×10であった。
<ミクロ相分離構造体形成工程>
次に、得られた薄膜をクロロホルムの飽和蒸気中で1.5時間保持してPS−b−PDMSのミクロ相分離を促進させ、PSからなるマトリックス中にPDMSが配置しているミクロ相分離構造体をシリコン基板全面に形成させた。
得られたミクロ相分離構造体の表面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。図2Aには、ミクロ相分離構造体表面のSEM像を、図2Bには、その拡大像を示す。図2A及び図2Bに示したように、ミクロ相分離構造体の表面全体において、シリンダー状のパターンが形成されていることが確認された。シリンダーの直径は約30nm、間隔は44nmであった。また、図3には、前記ミクロ相分離構造体表面の2次元フーリエ変換(2D−FFT)像を示す。図3に示したように、2D−FFT像においてヘキサゴナル状のスポットが5次まで明瞭に観察されたことから、得られたミクロ相分離構造体においては、PDMSからなる垂直シリンダーが六方格子状に規則的に配向して形成されていることが確認された。
<ナノ構造体形成工程>
次に、得られたミクロ相分離構造体にCFとOとの混合ガスを用いて反応性イオンエッチング(RIE)処理を施してPSを除去するとともに、PDMSを酸化して、SiOナノ構造体を形成した。具体的には、パワー:100W、チャンバー内圧力:16Paの条件で、CFとOとの混合ガスをCF/O=59/10sccmの流量でチャンバーに導入し、前記ミクロ相分離構造体に40秒間のRIE処理を施した。次に、パワー:100W、チャンバー内圧力:10Paの条件で、Oを10cm/分の流量でチャンバーに導入し、前記RIE処理後の構造体に20秒間の酸化処理を施した。その後、紫外線オゾン発生装置内にOを7cm/分の流量で導入し、前記酸化処理後の構造体に70℃で90分間の紫外線オゾン処理を施し、シリコン基板上にSiOナノ構造体を形成させた。
得られたSiOナノ構造体の表面のSEM観察を行なった。図4には、SiOナノ構造体表面のSEM像を示す。図4に示したように、SiOナノ構造体の表面においても、ミクロ相分離構造体表面のパターン形状が維持され、規則的なヘキサゴナル状のナノドット構造が形成されていることが確認された。
また、得られたSiOナノ構造体の赤外分光分析を行なった。前記SiOナノ構造体をそのままの状態でマクロ透過法により分析し、得られた赤外吸収スペクトルを差スペクトル処理して基板のピークを除き、SiO(ピーク位置:1100cm−1)、PDMS(ピーク位置:1260cm−1)、PS(ピーク位置:699cm−1)のピーク強度を求めた。得られたSiOナノ構造体については、SiOに由来するピークは検出されたが、PS及びPDMSに由来するピークは検出されず、前記ミクロ相分離構造体は、全て無機成分からなるSiOナノ構造体に変換されていることが確認された。
<ナノインプリント工程>
次に、マスターモールドとしての前記SiOナノ構造体上にUV硬化型樹脂を滴下し、その上にアクリル樹脂を密着接合してUV硬化型樹脂を前記SiOナノ構造体表面の微細構造(ヘキサゴナル状のナノドット構造)に十分に浸透させた。その後、アクリル樹脂側から紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させ、樹脂モールドを得た。この樹脂モールドをマスターモールド(前記SiOナノ構造体)から離型し、樹脂モールドのホール構造を有する面上にスパッタリングによりNiのシード層を形成した。このNiシード層上に電鋳(電解メッキ)により更にNi層を積層させた後、Ni層を樹脂モールドから離型し、Niナノ配列体を得た。
得られた樹脂モールドの表面を原子間力顕微鏡(AFM)を用いて観察した。また、得られたNiナノ配列体の表面のSEM観察も行なった。図5には、樹脂モールド表面のAFM像を、図6には、Niナノ配列体表面のSEM像を示す。図5に示したように、樹脂モールドの表面には、前記SiOナノ構造体表面の凹凸構造に対応するホール構造が形成されており、前記SiOナノ構造体表面のナノドット構造が樹脂モールド表面に転写されたことが確認された。また、図6に示したように、Niナノ配列体の表面には、前記SiOナノ構造体(図4)と同じナノドット構造が形成されていることが確認された。このように、本発明によって、無機のマスターモールドからナノインプリント転写体が得られることが確認された。
また、樹脂モールドを離型した後(ナノインプリント後)のマスターモールド(前記SiOナノ構造体)の表面のSEM観察を行なった。図7には、ナノインプリント後のマスターモールド表面のSEM像を示す(右上は拡大したSEM像)。図7に示したように、ナノインプリント後のマスターモールドの表面においても、ナノインプリント前のマスターモールド(前記SiOナノ構造体)表面の微細構造(ヘキサゴナル状のナノドット構造)が明瞭に観察され、ナノインプリント前後でナノドット構造の崩壊やクラック等の欠陥も観察されなかった。
(比較例1)
実施例1と同様にして、PSからなるマトリックス中にPDMSが配置しているミクロ相分離構造体をシリコン基板全面に形成させた。次に、パワー:100W、チャンバー内圧力:16Paの条件で、CFとOとの混合ガスをCF/O=59/10sccmの流量でチャンバーに導入し、前記ミクロ相分離構造体に40秒間のRIE処理を施した。次いで、パワー:50W、チャンバー内圧力:10Paの条件で、Oを10cm/分の流量でチャンバーに導入し、前記RIE処理後の構造体に10秒間の酸化処理を施した。
得られた構造体の赤外分光分析を実施例1と同様にして行なったところ、SiO(ピーク位置:1100cm−1)に由来するピークだけでなく、PDMS(ピーク位置:1260cm−1)及びPS(ピーク位置:699cm−1)に由来するピークも検出され、得られた構造体には、有機成分が残存していることがわかった。このような構造体をマスターモールドとして用いて、実施例1と同様にして樹脂モールドの作製を試みたが、長周期のパターンを樹脂モールドの表面に転写することはできなかった。
そこで、樹脂モールドを離型した後(ナノインプリント後)のマスターモールド(前記SiOナノ構造体)及び樹脂モールドの表面のSEM観察を行なった。図8には、ナノインプリント後のマスターモールド表面のSEM像を、図9には、樹脂モールド表面のSEM像を示す。図8に示したように、ナノインプリント後のマスターモールドの表面には、ナノドット構造体が観察されなかった。一方、図9に示したように、樹脂モールドの表面には、ナノドット構造体が観察された。これらの結果から、有機成分が残存している前記構造体を用いてナノインプリントを実施すると、前記構造体表面のナノドット構造体がシリコン基板から剥離して樹脂モールドに付着することが確認された。これは、有機成分が残存している前記構造体において、ナノドット構造体がシリコン基板に強固に結合していないためと推察される。したがって、有機成分が残存している前記構造体はナノインプリントのマスターモールドとして作用しないことがわかった。
以上の結果より、ナノ構造体をマスターモールドとして用いてナノインプリント転写体を形成する場合には、ブロックコポリマーと、このブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分に含まれる無機前駆体と、からなるミクロ相分離構造体から有機成分を十分に除去して無機ナノ構造体を形成する必要があることが確認された。
また、前記ミクロ相分離構造体から有機成分を十分に除去して無機ナノ構造体を形成することによって、この無機ナノ構造体をマスターモールドとして繰り返し使用できることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、ナノインプリント転写体を製造する際に、ブロックコポリマーのミクロ相分離を利用して作製したナノ構造体を直接マスターモールドとして繰り返し使用することが可能となる。
したがって、本発明のナノインプリント転写体の製造方法は、安価なコストで短時間に大面積の微細凹凸構造パターンを有するナノインプリント転写体を製造することが可能であり、次世代のナノインプリント転写体の製造に有用である。特に、バイオ分野(バイオチップ、感度センサー、バイオ電池)、光学、磁性分野等における応用が期待される微細凹凸構造パターンを有する金属ナノ配列体の製造に有用である。

Claims (7)

  1. ミクロ相分離することが可能なブロックコポリマーと、該ブロックコポリマーを構成する一方のポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれている無機前駆体と、を基板上に成膜する工程と、
    前記ブロックコポリマーをミクロ相分離させて、前記ブロックコポリマーと、前記ポリマーブロック成分又は該ポリマーブロック成分からなるポリマー相に含まれる前記無機前駆体と、からなるミクロ相分離構造体を形成する工程と、
    前記ミクロ相分離構造体から有機成分を除去し、前記無機前駆体を無機成分に変換して、前記無機成分のみからなるナノ構造体を形成する工程と、
    前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いてナノインプリント転写体を形成する工程と、
    を含むことを特徴とするナノインプリント転写体の製造方法。
  2. 前記ブロックコポリマーが、前記ポリマーブロック成分中に前記無機前駆体を含むものであり、
    該無機前駆体を変換して前記無機成分のみからなるナノ構造体を形成する、
    ことを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
  3. 前記無機前駆体がSiであり、前記ナノ構造体を構成する無機成分がSiOである、ことを特徴とする請求項2に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
  4. 前記無機前駆体を含むポリマーブロック成分がポリジメチルシロキサンである、ことを特徴とする請求項3に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
  5. 前記ブロックコポリマーがポリスチレンとポリジメチルシロキサンとのブロックコポリマーである、ことを特徴とする請求項4に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
  6. 前記ナノ構造体をマスターモールドとして用いて該ナノ構造体の表面構造が表面に転写された樹脂モールドを形成した後、前記樹脂モールドを用いて該樹脂モールドの表面構造が表面に転写された金属ナノ配列体を形成することを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
  7. 前記金属ナノ配列体がNiナノ配列体である、ことを特徴とする請求項6に記載のナノインプリント転写体の製造方法。
JP2017027133A 2016-07-13 2017-02-16 ナノインプリント転写体の製造方法 Expired - Fee Related JP6688464B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/646,724 US20180016687A1 (en) 2016-07-13 2017-07-11 Method for producing nanoimprint transfer body

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016138926 2016-07-13
JP2016138926 2016-07-13

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018016067A JP2018016067A (ja) 2018-02-01
JP6688464B2 true JP6688464B2 (ja) 2020-04-28

Family

ID=61075014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017027133A Expired - Fee Related JP6688464B2 (ja) 2016-07-13 2017-02-16 ナノインプリント転写体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6688464B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019144387A (ja) * 2018-02-20 2019-08-29 凸版印刷株式会社 表示体

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8541778B2 (en) * 2009-07-16 2013-09-24 Jx Nippon Oil & Energy Corporation Diffraction grating, organic EL element using the same, and manufacturing methods thereof
US20120135159A1 (en) * 2010-11-30 2012-05-31 Seagate Technology Llc System and method for imprint-guided block copolymer nano-patterning
JP2013142158A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Nippon Shokubai Co Ltd 金属ナノ構造体及びその製造方法
EP3025791A4 (en) * 2013-07-26 2017-04-26 JX Nippon Oil & Energy Corporation Method for manufacturing substrate having textured structure

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018016067A (ja) 2018-02-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Cox et al. Nanoimprint lithography: Emergent materials and methods of actuation
Li et al. Laser nano-manufacturing–state of the art and challenges
Li et al. Physical processes-aided periodic micro/nanostructured arrays by colloidal template technique: fabrication and applications
JP5136999B2 (ja) パターン基板の製造方法、パターン転写体、磁気記録用パターン媒体、及び高分子薄膜
Zhang et al. Colloidal self‐assembly meets nanofabrication: From two‐dimensional colloidal crystals to nanostructure arrays
Huang et al. Printable functional chips based on nanoparticle assembly
AT516559B1 (de) Poly- bzw. Präpolymerzusammensetzung bzw. Prägelack, umfassend eine derartige Zusammensetzung sowie Verwendung derselben
JP2008231233A (ja) 高分子薄膜、パターン基板、磁気記録用パターン媒体及びこれらの製造方法
EP3347303B1 (de) Verfahren zur herstellung von strukturierten oberflächen
JP2015533251A (ja) シリコンオキサイドのナノパターン形成方法、金属ナノパターンの形成方法およびこれを用いた情報貯蔵用磁気記録媒体
KR20090028246A (ko) 블록공중합체의 나노구조와 일치하지 않는 형태의표면패턴상에 형성되는 블록공중합체의 나노구조체 및 그제조방법
JP2010053263A (ja) 微細構造を有する高分子薄膜およびパターン基板の製造方法
Dai et al. Fabrication of surface-patterned ZnO thin films using sol–gel methods and nanoimprint lithography
KR101563231B1 (ko) 나노시트-무기물 적층 다공성 나노구조체 및 이의 제조 방법
Park et al. Fabrication and applications of stimuli‐responsive micro/nanopillar arrays
Ma et al. Fast fabrication of TiO2 hard stamps for nanoimprint lithography
Matsuyama et al. Preparation of hollow ZnO microspheres using poly (methyl methacrylate) as a template with supercritical CO2-ethanol solution
JP6688464B2 (ja) ナノインプリント転写体の製造方法
JP5640099B2 (ja) 微細構造を有する高分子薄膜およびパターン基板の製造方法
CN101837950A (zh) 两嵌段共聚物直接组装纳米结构的装置和方法
Balčas et al. Fabrication of glass‐ceramic 3D micro‐optics by combining laser lithography and calcination
US9456501B2 (en) Nanowire grid structure having grid patterns and a sacrificial layer
Shih et al. Topographic control on silicone surface using chemical oxidization method
JP2010047454A (ja) 表面に規則的な凹凸パターンを有する炭素材およびその製造方法
KR101434463B1 (ko) 소프트 리소그래피를 통한 박막 패턴의 제조방법 및 이에 따라 제조된 박막 패턴

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180726

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190606

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190711

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190904

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200305

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6688464

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees