JP6686909B2 - 立体造形用樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は立体造形用樹脂組成物及びこれを用いた立体造形物の製造方法に関する。
従来、樹脂材料等を積層させて立体造形物を得る方法が知られている。例えば光造形法、粉末焼結法、熱溶解積層(Fused deposition modeling:FDM)法等種々の方法が提案され実用化されている。
例えば光造形法は、細やかな造形や正確なサイズ表現に優れており、広く普及している。この方法は以下のようにして立体造形物を作成するものである。まず液状の光硬化性樹脂を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の光硬化性樹脂に紫外線レーザーを照射して所望のパターンの硬化層を作成する。このようにして硬化層を1層造ると造形ステージを1層分だけ下げて、硬化層上に未硬化の樹脂を導入し、同様にして紫外線レーザーを光硬化性樹脂に照射して前記硬化層上に新たな硬化層を積み上げる。この操作を繰り返すことにより、所定の立体造形物を得る。また、粉末焼結法は、樹脂、金属、セラミックス、ガラスの粉末を満たした槽内に造形ステージを設け、造形ステージ上の粉末に半導体等のレーザーを照射し、軟化変形にて所望のパターンの硬化層を作製するものである。
特開平7−26060号公報
光造形法等で作製される樹脂製の立体造形物は、細やかで精密であるが、機械的強度等に劣ることが指摘されている。そこで特許文献1で提案されているように、光硬化性樹脂に、ビーズ状粒子等を添加することが提案されている。
本発明は、さらに機械的強度を高めることが可能な立体造形用樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、硬化性樹脂と無機充填材粒子とを含む立体造形用樹脂組成物であって、無機充填材粒子が、直径1〜20μm、アスペクト比(径/長さ)0.01〜1の柱状粒子を含むことを特徴とする。ここで「柱状粒子」とは略円柱状又は略角柱状の粒子を意味する。「径」とは、柱状体の断面(長さ方向と直交する断面)の最大径と最小径の和を2で割った値を意味する。また断面の形状や大きさにバラつきがある場合は前記値の平均値とする。「アスペクト比」とは、柱状粒子の長さ(高さ)に対する径の比を意味する。
上記構成を採用することによって、立体造形物の機械的強度を高めることができる。また樹脂組成物の粘度が上昇し過ぎて成形が困難になる事態を回避できる。
さらに適正なアスペクト比を有する柱状粒子を充填材として使用するため、立体造形物表面に充填材が多数突き出すことがない。また熱融解積層法では、造形時にワイヤー状樹脂から充填材が分離することなく造形ができる。
本発明においては、柱状粒子が、ガラスからなることが好ましい。
上記構成を採用すれば、立体造形物に透明感や質感を付与し易くなり、審美性が向上する。また光造形法を使用する場合には、無機充填材粒子によって活性エネルギー線の照射が妨げられることがない。それゆえ無機充填材粒子を硬化性樹脂中に多量に導入することが可能となり、機械的強度の高い立体造形物を得ることが容易になる。
本発明においては、柱状粒子が、ヌープ硬度が200以上のガラスからなることが好ましい。また柱状粒子が、ヤング率が50GPa以上のガラスからなることが好ましい。ここで「ヌープ硬度」はJIS B7734の方法で測定したものであり、「ヤング率」は共振法の方法で測定したものである。
上記構成を採用すれば、機械的強度の高い立体造形物を得ることが容易になる。
本発明においては、柱状粒子が、ガラス組成として、質量%でSiO+Al+B+P 50質量%以上含有するガラスからなることが好ましい。ここで「SiO+Al+B+P」とは、SiO、Al、B及びPの含有量の合量を意味する。
上記構成を採用すれば、ガラスのネットワーク成分が多くなり、ヤング率やヌープ硬度の高いガラスとなる。その結果、機械的強度の高い立体造形物を得ることが容易になる。
本発明においては、体積%で、前記硬化性樹脂10〜99%、前記無機充填材粒子1〜90%を含有することが好ましい。
本発明においては、無機充填材粒子中に占める柱状粒子の割合が、体積%で0.1〜100%であることが好ましい。
上記構成を採用すれば、機械的強度の高い立体造形物を得ることが容易になる。
本発明の立体造形物の製造方法は、樹脂組成物からなる液状層に選択的に活性エネルギー光線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな液状層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返す立体造形物の製造方法であって、前記樹脂組成物として、上記した立体造形用樹脂組成物を使用することを特徴とする。
上記構成によれば、機械的強度の高い立体造形物を容易に作製することができる。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、硬化性樹脂と無機充填材粒子とを含む。硬化性樹脂と無機充填材粒子の混合割合は、体積%で硬化性樹脂が10〜99%、無機充填材粒子が1〜90%であることが好ましい。より好ましくは、硬化性樹脂が20〜95%、30〜90%、40〜85%、特に50〜80%であり、無機充填材粒子が5〜80%、10〜70%、15〜60%、20〜50%、特に25〜45%である。無機充填材粒子の割合が高すぎると、樹脂との接着する表面積が少なく機械的強度が低くなる。また光造形法を使用する場合は、硬化性樹脂の粘度が高くなり過ぎて造形ステージ上に新たな液状層を形成しにくくなる等の不具合が生じる。硬化性樹脂の割合が高すぎると無機充填材粒子の持つ強度や硬度をコンポジットに反映しにくくなる。また相対的に無機充填材粒子の含有量が低下することから造形物の機械的強度が低下する。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、粘度が0.5〜150Pa・s、1.0〜100Pa・s、特に1.5〜50Pa・sとなるように調整することが好ましい。樹脂組成物の粘度が小さすぎると無機充填材粒子が沈降、分離しやすくなることから、造形物にフィラーが入り難くなり、機械的強度の高い造形物を得難くなる。一方、150Pa・sより高いと連続的な積層が困難になる。
本発明で使用する硬化性樹脂は、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂の何れであってもよく、採用する造形法によって適宜選択することができる。例えば光造形法を使用する場合は液状の光硬化性樹脂を選択すればよい。
例えば光硬化性樹脂としては、重合性のビニル系化合物、エポキシ系化合物等種々の樹脂を選択することができる。また単官能性化合物や多官能性化合物のモノマーやオリゴマーが用いられる。これらの単官能性化合物、多官能性化合物は、特に限定されるものではない。例えば、以下に光硬化性樹脂の代表的なものを挙げる。
重合性のビニル系化合物の単官能性化合物としては、イソボルニルアクリレート、イソボルニルメタクリレート、ジンクロペンテニルアクリレート、ボルニルアクリレート、ボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、プロピレングリコールアクリレート、ビニルピロリドン、アクリルアミド、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられる。また多官能性化合物としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジシクロペンテニルジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられる。これらの単官能性化合物や多官能性化合物の1種以上を単独又は混合物の形で使用することができる。
ビニル系化合物の重合開始剤としては、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤としては、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントン、フルオレノン、ベズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、ミヒラーケトン等が代表的なものとして挙げることができ、これらの開始剤を1種または2種以上組み合わせて使用することができる。必要に応じてアミン系化合物等の増感剤を併用することも可能である。これらの重合開始剤の使用量は、ビニル系化合物に対してそれぞれ0.1〜10質量%であることが好ましい。
エポキシ系化合物としては、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート等が挙げられる。これらのエポキシ系化合物を用いる場合には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等のエネルギー活性カチオン開始剤を用いることができる。
さらに光硬化性樹脂には、レベリング剤、界面活性剤、有機高分子化合物、有機可塑剤等を必要に応じて添加してもよい。
また粉末焼結法、熱融解積層法等を採用する場合は、硬化性樹脂に代えて、ポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂を使用すればよい。
なお粉末焼結法では、樹脂粉末と柱状粒子とを混合した混合粉末として使用すればよい。熱融解積層法では、樹脂中に柱状粒子を配合したワイヤー状にして使用すればよい。なお熱融解積層法では、ワイヤーの軸方向に配向性を持たせて柱状粒子を配合することが重要である。
本発明で使用する無機充填材粒子には、柱状粒子を含む。柱状粒子は、直径が1〜20μm、2.5〜17.5μm、5〜15μm、6〜12.5μm、特に7〜10μmであることが好ましく、アスペクト比(径/長さ)が0.01〜1であり、好ましくは0.05〜1、0.1〜1、0.2〜1、特に0.25〜0.8が好ましい。柱状粒子の直径が小さすぎると機械的強度向上の効果が得られ難く、不都合があり、大きすぎると硬化性樹脂の粘度が上昇して立体成形が困難になる不都合がある。また柱状粒子のアスペクト比が小さすぎると硬化性樹脂の粘度が上昇して立体成形が困難になり、柱状粒子のアスペクト比が大きすぎると機械的強度向上効果が小さくなる。
柱状粒子は、立体造形物に透明感や質感を与えたり、光造形法を用いる場合に光効果性樹脂の硬化を妨げない、という観点からガラス製であることが好ましい。ガラス製柱状粒子は、例えばジェットミル粉砕やライカイ機で短時間粉砕する方法によって作製することができる。この方法で作製すれば、粒子端面にエッジが残りにくくなり、柱状粒子同士が絡み合うことを防止しやすくなる。その結果、造形品表面に柱状粒子の先端が突き出る事態を効果的に回避することが可能になる。
柱状粒子を構成するガラスの組成は特に制限されないが、後述するヌープ硬度やヤング率の範囲を満たすガラスを採用することが好ましい。このような特性を得やすい組成条件としては、質量%でSiO+Al+B+P 50質量%以上、52.5質量%以上、特に55質量%以上含有するガラスを選択することが好ましい。SiO+Al+B+Pの含有量が少なすぎると、ガラスのヤング率やヌープ硬度が低下し、立体造形物に対する機械的強度の向上効果が低下する。上記条件を満たすガラスの具体例として、例えば質量%で、SiO 30〜80%、Al 0〜50%、B 0〜50%、P0〜50%、SiO+Al+B+P 50%以上含有するガラスが挙げられる。以下にガラス組成を上記のように限定した理由を説明する。なお以下の説明において特に断りがない限り「%」は質量%を表す。
SiOはガラス骨格を形成する成分である。化学耐久性を向上させやすく、失透性を抑制できる成分である。SiOは、30〜80%、40〜70%、特に45〜65%であることが好ましい。SiOが多いと、溶融性が低下しやすく、柱状粒子成形時に軟化しにくく、製造が困難になる。また、SiOが少ないと、化学耐久性が低下しやすくなったり、ガラスが失透しやすくなり、製造が困難になる。
Alはガラス化安定成分である。化学耐久性を向上させやすく、失透性を抑制できる成分である。Alは、0〜50%、2.5〜40%、特に5〜30%であることが好ましい。Alが多いと、溶融性が低下しやすく、柱状粒子成形時に軟化しにくく、製造が困難になる。また、Alが少ないと、化学耐久性が低下しやすくなったり、ガラスが失透しやすくなり、製造が困難になる可能性がある。
はガラス骨格を形成する成分である。化学耐久性を向上させやすく、失透性を抑制できる成分である。Bは、0〜50%、2.5〜40%、特に5〜30%であることが好ましい。Bが多いと、溶融性が低下しやすく、柱状粒子成形時に軟化しにくく、製造が困難になる。また、Bが少ないと、化学耐久性が低下しやすくなったり、ガラスが失透しやすくなり、製造が困難になる可能性がある。
はガラス骨格を形成する成分である。化学耐久性を向上させやすく、失透性を抑制できる成分である。Pは、0〜50%、2.5〜40%、特に5〜30%が好ましい。Pが多いと、溶融性が低下しやすく、柱状粒子成形時に軟化しにくく、製造が困難になる。また、Pが少ないと、ガラスが失透しやすくなり、製造が困難になる可能性がある。
また上記以外にも、ガラス組成中のMgO、CaO、SrO、BaO及びZnOを合量で0.1〜50質量%、1.0〜40%、さらに2〜30%添加することが好ましい。これらの成分は、ガラスの耐久性を大きく低下させずにガラスの粘度を低下させやすい成分である。
なお着色を抑制するために、ガラス組成中のFe、NiO、Cr及びCuOの含有量が合量で1%以下、0.75%以下、0.50%以下、0.25%以下、0.10%以下、0.05%以下、特に0.01%以下であることが好ましい。またガラス組成中のTiO、WO、La、Gd3、及びBiの含有量は合量で5%以下、2.5%以下、特に1.0%以下とすることが好ましい。これらの成分の範囲を上記のように限定すれば、柱状粒子の着色を抑制し易くなることや屈折率や密度の上昇が抑制できることから、無色透明で均一な立体造形物を容易に得ることができる。また、ガラス組成中のNaO、KO、LiOの含有量は合量で5%以下、2.5%以下、1.0%以下、特に0.5%以下とすることが好ましい。これらの成分の範囲を上記のように限定すれば、ガラスの耐久性を向上でき、樹脂の劣化を抑制することができる。さらに環境上の理由から、ガラス組成中に含まれる鉛、アンチモン、ヒ素、塩素及び硫黄の含有量は合量で1%以下、0.5%以下、特に0.1%以下とすることが好ましい。
さらに、表面に付着するステンレスや鉄が1000μg/g以下、500μg/g以下、特に100μg/g以下であることが好ましい。表面に付着したステンレスや鉄は、造形物を黒化させる着色原因となり、樹脂と混ぜた際に顕著な着色がおこる。表面に付着するステンレスや鉄は、粉砕工程から混入することが多い。そこでガラスファイバーを用いて柱状粒子を作製すれば、粉砕工程が殆ど必要なくなるため、ステンレスや鉄の付着を大幅に低減できる。
柱状粒子は、ヌープ硬度が200以上、300以上、特に350以上のガラスからなることが好ましい。ヌープ硬度が低すぎるガラスを使用すると立体造形物の機械的強度向上効果が小さくなる。また柱状粒子は、ビーズ状粒子に比べると樹脂の粘度を高めやすいことから、含有量が制限される場合がある。このような場合、ヌープ硬度がより高いガラスを選択することが好ましい。
柱状粒子は、ヤング率が50GPa以上、55GPa以上、特に60GPa以上のガラスからなることが好ましい。ヤング率が低すぎるガラスを使用すると立体造形物の機械的強度向上効果が小さくなる。また柱状粒子は、ビーズ状粒子に比べると樹脂の粘度を高めやすいことから、含有量が制限される場合がある。このような場合、ヤング率がより高いガラスを選択することが好ましい。
柱状粒子は、得られる造形物の透明性を高める観点から、可視域(400〜700nm)における平均透過率が30%以上、50%以上、特に70%以上であるガラスからなることが望ましい。
無機充填材粒子は、柱状粒子のみで構成してもよいが、柱状粒子とともに破砕状粒子、ビーズ状粒子、ファイバー状粒子等を用いることができる。またこれらの粒子は、ガラス製、セラミック製等材質は問わないが、ガラス製粒子を採用する場合、立体造形物に透明感や質感を与えたり、光造形法を用いる場合に光効果性樹脂の硬化を妨げない、というメリットを享受できる。またガラス製とする場合、既述の組成、特性を有するガラスで構成することが好ましい。なおビーズ状粒子や破砕状粒子を柱状粒子と同一材質で構成すれば生産コストの面から有利である。またビーズ状粒子は柱状粒子等に比べると樹脂の粘度を高め難いことから、多量に含有できる場合があり、このような場合にはビーズ状粒子は柱状粒子等よりもヌープ硬度やヤング率が低いガラスで形成されていてもよい。
無機充填材粒子中に占める柱状粒子の割合は、体積%で1〜100%、2.5〜90%、特に5〜80%であることが好ましい。柱状粒子の割合が低すぎると機械的強度の向上効果が望めない。
無機充填材粒子は、その表面がシランカップリング剤によって処理されていることが好ましい。シランカップリング剤で処理すれば、無機充填材粒子と硬化性樹脂の結合力を高めることができ、より機械的強度の優れた造形物を得ることが可能になる。さらに、無機充填材粒子と硬化性樹脂のなじみがよくなり、界面の泡が減少でき、光散乱を抑制できる。シランカップリング剤としては、例えばアミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン等が好ましい。なおシランカップリング剤は、用いる硬化性樹脂によって適宜選択すればよく、例えば光硬化性樹脂としてビニル系不飽和化合物を用いる場合にはアクリルシラン系シランカップリング剤が最も好ましく、またエポキシ系化合物を用いる場合にはエポキシシラン系シランカップリング剤を用いることが望ましい。
さらに、無機充填剤や硬化性樹脂に酸化物ナノ粒子を、樹脂組成物に対して1%以下の割合で添加してもよい。酸化物ナノ粒子は、ZrO、Al、SiO等が使用できる。尚、酸化物ナノ粒子は、可視光波長より小さい粒子であり、光散乱を発生しにくい。
次に上記した樹脂組成物を用いた本発明の立体造形物の製造方法を、光造形法を用いて説明する。なお樹脂組成物は既述の通りであり、ここでは説明を省略する。
まず光硬化性樹脂組成物からなる1層の液状層を用意する。例えば液状の光硬化性樹脂組成物を満たした槽内に、造形用ステージを設け、ステージ上面が液面から所望の深さ、(例えば0.2mm程度)となるように位置させる。このようにすることで、ステージ上に厚さ約0.1〜0.2mmの液状層を用意することができる。
次にこの液状層に、活性エネルギー光線、例えば紫外線レーザーを照射して光硬化性樹脂を硬化させ、所定のパターンを有する硬化層を形成する。なお活性エネルギー光線としては、紫外線の他に、可視光線、赤外線等のレーザー光を用いることができる。
次いで形成した硬化層上に、光硬化性樹脂組成物からなる新たな液状層を準備する。例えば、前記した造形用ステージを1層分下降させることにより、硬化層上に光硬化性樹脂を導入し、新たな液状層を用意することができる。
続いて、硬化層上に用意した新たな液状層に活性エネルギー線を照射して、前記硬化層と連続した新たな硬化層を形成し、この操作を繰り返すことによって硬化層を連続的に積層し、所定の立体造形物を得る。
なお無機充填材粒子の充填を均質にしたり、配向性を高める目的で、造形時に振動を付与してもよい。また必要に応じて、得られた立体造形物に対して、その表面の少なくとも一部に研磨や研削等の機械加工を施して最終的な造形物とすることもできる。
以下に本発明の立体造形用樹脂組成物を実施例に基づいて説明する。表1は本発明の実施例(試料No.1〜8)及び比較例(No.9、10)を示している。なおNo.9は無機充填粉末を含まずに作製した参考例である。
Figure 0006686909
(光硬化性樹脂の調製)
まずイソホロンジイソシアネート、モルホリンアクリルアミドおよびジブチル錫ジラウレートをオイルバスで加熱した。グリセリンモノメタクリレートモノアクリレートにメチルヒドロキノンを均一に混合溶解させた液を入れ撹拌混合して、反応させた。ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド4モル付加物(ペンタエリスリトールの4個の水酸基にプロピレンオキサイドをそれぞれ1モル付加したもの)を加え、反応させて、ウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドを含む反応生成物を製造した。
得られたウレタンアクリレートオリゴマーとモルホリンアクリルアミドに、モルホリンアクリルアミド、ジシクロペンタニルジアクリレートを添加した。さらに、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)を添加し、無色透明なアクリル系光硬化性樹脂を得た。このアクリル系光硬化性樹脂は、粘度が1Pa・s、ヌープ硬度が11であった。
(柱状粒子の調製)
まずガラス組成として質量%で、SiO 69%、Al19%、MgO 2%、CaO 6%、SrO 3%、BaO 1%含有するガラスとなるように調合した原料を1500℃で4時間溶融した後、ブッシング炉に供給し、ブッシングノズルから、平均径5μmのファイバー状ガラスを引き出した。このファイバー状ガラスを表中に示す長さに切断することでガラス製の略円柱状の柱状粒子を得た。なお柱状粒子を構成するガラスのヌープ硬度及びヤング率を測定したところ、ヌープ硬度は540、ヤング率は79GPaであった。また、表面に付着するステンレスや鉄のコンタミを測定したところ、10μg/gであった。
(ビーズ状粒子の調製)
柱状粒子と同じガラス組成により溶融したガラスを粉砕し、平均粒径5μmの粉末ガラスを作製した。この粉末を酸素バーナーのフレームに当て、球状(ビーズ状)に成形した。その後、分級をすることで平均粒径5μmのガラス製ビーズ状粒子を得た。
(光造形用樹脂組成物の調製及び硬化)
表1に示す割合で、光硬化性樹脂に無機充填材粒子(柱状粒子及び/又はビーズ状粒子)を添加し、3本ローラーにより混練を行い、均質に無機充填材粒子を分散させたペースト状の光硬化性樹脂を得た。なお光硬化性樹脂(硬化前)の粘度を表1に示す。
このペースト状樹脂をテフロン(登録商標)製の内寸30mm□の型枠に流し入れた。その後、500mW、波長364nmの光を照射して、硬化させ、80℃にてキュアを行った。
(機械的強度の評価)
得られた試料について、ヌープ硬度及び曲げ強度を測定したところ、ヌープ硬度が18以上、曲げ強度が90MPa以上であった。これに対して柱状粒子を含まない試料No.10は、無機充填材粒子の含有量が同じである試料No.5と比べて、ヌープ硬度は同等であったものの、曲げ強度が低かった。
(各種測定)
光硬化性樹脂及び光硬化性樹脂組成物の粘度は、ブルックフィールド粘度計(DV−3)により測定した。
硬化後の光硬化性樹脂、光硬化性樹脂組成物、及び柱状粒子やビーズ状粒子を構成するガラスのヌープ硬度は、表面が鏡面研磨された20mm□、板厚5mmの測定試料を作製し、ヌープ硬度計(松沢製作所製)を用い、荷重50gで測定した。
ヤング率は、共振法(日本テクノプラス製JE−RT)にて測定した。
曲げ強度は、JIS R1601の方法で測定した。
表面に付着するステンレスや鉄のコンタミは、5gの試料に純水30ml、SSG塩酸20mlを加え、180℃―20分間加熱処理を行い、表面付着金属を溶解させた。この溶液中のFe、Ni、Cr濃度を測定した。
本発明の立体造形用樹脂組成物は、無機充填材粒子として柱状粒子を含むため、機械的強度の高い立体造形物を作製することが可能である。また立体造形用途以外にも、エポキシ、ポリウレタン、ポリイミド、不飽和ポリエステル、シリコーン等の熱硬化性樹脂の充填材用途として使用することも可能である。

Claims (6)

  1. 硬化性樹脂と無機充填材粒子とを含む立体造形用樹脂組成物であって、無機充填材粒子が、直径が1〜20μm、アスペクト比(径/長さ)が0.01〜1のガラスからなる柱状粒子を含み、無機充填材粒子中に占める柱状粒子の割合が、体積%で5〜100%であることを特徴とする立体造形用樹脂組成物。
  2. 柱状粒子が、ヌープ硬度が200以上のガラスからなることを特徴とする請求項1に記載の立体造形用樹脂組成物。
  3. 柱状粒子が、ヤング率が50GPa以上のガラスからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体造形用樹脂組成物。
  4. 柱状粒子が、ガラス組成として、質量%でSiO+Al+B+P 50質量%以上含有するガラスからなることを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  5. 体積%で、硬化性樹脂10〜99%、無機充填材粒子1〜90%を含有することを特徴とする請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物。
  6. 樹脂組成物からなる液状層に選択的に活性エネルギー光線を照射して所定のパターンを有する硬化層を形成し、前記硬化層上に新たな液状層を形成した後に活性エネルギー線を照射して前記硬化層と連続した所定パターンを有する新たな硬化層を形成し、所定の立体造形物が得られるまで前記硬化層の積層を繰り返した後、得られた立体造形物の表面の少なくとも一部を機械加工する立体造形物の製造方法であって、前記樹脂組成物として、請求項1〜のいずれか一項に記載の立体造形用樹脂組成物を使用することを特徴とする立体造形物の製造方法。
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