JP6685749B2 - パーキング装置 - Google Patents
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Description
この発明は、パーキング装置に関し、駐停車時においてパーキング装置の凍結を防止し、車両を遅滞なく発進させることができる技術に関する。
電動モータの出力によって車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構とを備えた電動ブレーキ装置が開示されている(特許文献1)。
この電動ブレーキ装置は、外気温度または電動ブレーキ装置の温度が凍結直前の温度に至った場合、または車両の発進状態を表す検出信号を検出した際に外気温度または電動ブレーキ装置の温度が所定値以下の場合等に、ロック機構がロック状態を維持したままロック機構の駆動源に通電を開始しロック機構等が凍結を防止することによって正常にアンロック状態への移行を可能にしている。また、ロック機構の駆動源の一案として複動形のリニアソレノイドを挙げている。
この電動ブレーキ装置は、外気温度または電動ブレーキ装置の温度が凍結直前の温度に至った場合、または車両の発進状態を表す検出信号を検出した際に外気温度または電動ブレーキ装置の温度が所定値以下の場合等に、ロック機構がロック状態を維持したままロック機構の駆動源に通電を開始しロック機構等が凍結を防止することによって正常にアンロック状態への移行を可能にしている。また、ロック機構の駆動源の一案として複動形のリニアソレノイドを挙げている。
特許文献1に記載されている技術では、ロック機構の凍結を防止するためロック機構の駆動源にロック状態を保持するように通電している。ロック機構の駆動源として、複動形のリニアソレノイドを使用する場合においても、ロック状態に切換え駆動するリニアソレノイドにのみ通電し、リニアソレノイドのコイルを熱源としている。
しかし、リニアソレノイドのコイル単体での発熱量は10W程度であり、ロック機構が凍結状態から解消されるまでにはかなりの時間が必要である。つまり、特許文献1に記載されているように、車両の発進操作を表す検出信号を検出してから、凍結防止通電手段によってリニアソレノイドに通電を行っても直ぐにはロック機構の凍結状態が解消されず、ロック機構を解除し車両が走行できるようになるのに数分以上かかってしまい利便性が悪い。
この発明の目的は、駐停車時においてパーキング装置の凍結を防止し、車両を遅滞なく発進させることができるパーキング装置を提供することである。
この発明のパーキング装置は、車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構4と、
この制動力負荷機構4の制動力緩み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構5と、を備え、
前記ロック機構5は、
前記ロック状態と前記アンロック状態とに切換えられるロック部材29と、
このロック部材29を前記ロック状態および前記アンロック状態にそれぞれ切換え駆動する二つの電動アクチュエータ30A,30Bと、を有するパーキング装置であって、
車両の外気温度またはパーキング装置の温度を検出する温度センサ6と、
前記制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構5が前記ロック状態であって、前記温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下のとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、前記ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する制御を行う凍結防止通電手段7と、を有することを特徴とする。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
この制動力負荷機構4の制動力緩み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構5と、を備え、
前記ロック機構5は、
前記ロック状態と前記アンロック状態とに切換えられるロック部材29と、
このロック部材29を前記ロック状態および前記アンロック状態にそれぞれ切換え駆動する二つの電動アクチュエータ30A,30Bと、を有するパーキング装置であって、
車両の外気温度またはパーキング装置の温度を検出する温度センサ6と、
前記制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構5が前記ロック状態であって、前記温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下のとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、前記ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する制御を行う凍結防止通電手段7と、を有することを特徴とする。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
この構成によると、車両の走行時は、ロック機構5のロック部材29を前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力でアンロック状態としておき、制動力負荷機構4により車輪に対して制動力を負荷する。車両の駐停車時には、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、ロック機構5のロック部材29を前記ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力でロック状態とし、且つ、ロック機構5がロック状態で、温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下のとき、凍結防止通電手段7は二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始する制御を行う。
この通電を開始する制御を行う場合に、凍結防止通電手段7は、アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始する。アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように制御されるため、ロック機構5のロック状態は維持され、ロック機構5が不所望にアンロック状態になることを防止することができる。このように二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電することで、ロック機構5のロック状態を維持しつつ、一つの電動アクチュエータのみ通電を開始するよりもパーキング装置の凍結状態を短時間で解消し得る。このようにパーキング装置を凍結防止することが可能となる。これにより、車両の発進時など必要に応じて正常に且つ短時間でロック解除が行える。したがって、車両を遅滞無く発進させることができる。また既存の電動アクチュエータ30A,30Bを用いてパーキング装置の凍結を防止できるため、凍結防止専用の熱源を別途設ける必要がなく構造を簡単化でき製造コストの低減を図ることができる。
前記凍結防止通電手段7は、前記温度センサ6で検出された温度に応じて、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替えるようにしても良い。この場合、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに連続して通電し続けるよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。なお、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへ連続通電し、所定の温度上昇傾向になったとき二つの電動アクチュエータ30A,30Bへ供給する電流を小さくすることも考えられるが、車両の駐車時間が長い場合において、例えば、昼夜で寒暖の差が大きいときには、連続通電しつつ電流制御を行う場合よりも、検出された温度に応じて、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替える方が、バッテリへの負荷を低減でき、且つ、簡単に制御できる。
前記凍結防止通電手段7は、定められた時間毎に前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替えるようにしても良い。この場合にも、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに連続して通電し続けるよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
前記定められた時間は、設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
前記定められた時間は、設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
前記凍結防止通電手段7は、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始後、前記温度センサ6で検出された温度が定められた温度以上となったとき、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する電流につき、前記通電を開始した初期値より小さくしても良い。この場合、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する電流につき、例えば、通電を開始した初期値のまま維持するよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
前記凍結防止通電手段7は、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始後、前記温度センサ6で検出された温度が定められた温度以上となったとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの電流を遮断するようにしても良い。この場合、バッテリの電力消費を一層抑制することができる。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
前記定められた温度は、設計等によって任意に定める温度であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な温度を求めて定められる。
前記車両の発進操作を表す検出信号を検出する発進操作検出手段36を有し、前記凍結防止通電手段7は、前記制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構5が前記ロック状態で、前記発進操作検出手段36から前記検出信号が入力されると、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を行うようにしても良い。
前記発進操作検出手段36は、例えば、車両のドアロック「開」、運転席への「着座有り」、車両のイグニッション「オン」、車両のエンジン「始動」(車両駆動システムの「起動」)を検出信号とする。
車両の駐停車時において、温度検出による二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電でパーキング装置が凍結することを防止し得るが、通電を行う設定温度が高過ぎると、バッテリの電力消費が多くなる。電力消費を抑えるために、設定温度を下げると若干の凍結が生じることがある。このような若干の凍結が生じていても、上記のように、車両の発進操作を表す検出信号が入力されると二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を行うようにしてあると、パーキング装置の凍結を早期に解消できて、車両を遅滞無く発進させることができる。
車両の駐停車時において、温度検出による二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電でパーキング装置が凍結することを防止し得るが、通電を行う設定温度が高過ぎると、バッテリの電力消費が多くなる。電力消費を抑えるために、設定温度を下げると若干の凍結が生じることがある。このような若干の凍結が生じていても、上記のように、車両の発進操作を表す検出信号が入力されると二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を行うようにしてあると、パーキング装置の凍結を早期に解消できて、車両を遅滞無く発進させることができる。
前記凍結防止通電手段7は、前記発進操作検出手段36から前記検出信号が入力後、前記ロック状態を解除する解除指令が定められた時間以上無いとき、前記二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断するようにしても良い。例えば、車両のドアロック「開」等の検出信号が入力されても、車両を発進させる意図が無い場合もある。凍結防止通電手段7は、検出信号の入力後、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を行っている場合に、ロック状態を解除する解除指令が定められた時間以上無いとき、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断することで、バッテリの電力消費を確実に抑制することができる。解除指令が定められた時間以上無いとき車両を即座に発進させる意図が無いものとみなすことができる。
前記定められた時間は、設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
前記定められた時間は、設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
この発明のパーキング装置は、車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、この制動力負荷機構の制動力緩み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構と、を備え、前記ロック機構は、前記ロック状態と前記アンロック状態とに切換えられるロック部材と、このロック部材を前記ロック状態および前記アンロック状態にそれぞれ切換え駆動する二つの電動アクチュエータと、を有するパーキング装置であって、車両の外気温度またはパーキング装置の温度を検出する温度センサと、前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構が前記ロック状態であって、前記温度センサで検出される温度が定められた温度以下のとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータの駆動力よりも、前記ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータの駆動力が大きくなるように、前記二つの電動アクチュエータに通電する制御を行う凍結防止通電手段と、を有するため、駐車時においてパーキング装置の凍結を防止し、車両を遅滞なく発進させることができる。
この発明の実施形態を図1ないし図9と共に説明する。この実施形態に係るパーキング装置は、車両の主に運転時に使用されるサービスブレーキと、車両の駐停車時に使用される駐車ブレーキとを兼ねている。後述するロック機構をアンロック状態にすることで、このパーキング装置をサービスブレーキとして使用でき、ロック機構をロック状態にすることで、このパーキング装置を駐車ブレーキとして使用し得る。
図1に示すように、このパーキング装置は、ハウジング1と、電動モータ2と、この電動モータ2の回転を減速する減速機構3と、制動力負荷機構4と、ロック機構5と、温度センサ6(図5)と、凍結防止通電手段7(図5)とを有する。図1に示すように、ハウジング1の開口端に、ベースプレート8が設けられ、このベースプレート8に電動モータ2が支持されている。ハウジング1内には、制動力負荷機構4が組み込まれている。この制動力負荷機構4は、電動モータ2の出力により、車輪と一体に回転するブレーキディスク9に対して制動力を負荷する。ハウジング1の開口端およびベースプレート8の外側面は、カバー10によって覆われている。
制動力負荷機構4について説明する。
制動力負荷機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換してブレーキディスク9に対して制動力を負荷するいわゆる直動機構である。この制動力負荷機構4は、スライド部材11と、支持部材12と、環状のスラスト板13と、スラスト軸受14と、転がり軸受15,15と、回転軸16と、キャリア17と、すべり軸受18,19とを有する。ハウジング1の内周面に、円筒状のスライド部材11が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。スライド部材11の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起11aが設けられている。この螺旋突起11aに、複数の遊星ローラ20が噛合している。
制動力負荷機構4は、減速機構3で出力される回転運動を直線運動に変換してブレーキディスク9に対して制動力を負荷するいわゆる直動機構である。この制動力負荷機構4は、スライド部材11と、支持部材12と、環状のスラスト板13と、スラスト軸受14と、転がり軸受15,15と、回転軸16と、キャリア17と、すべり軸受18,19とを有する。ハウジング1の内周面に、円筒状のスライド部材11が、回り止めされ且つ軸方向に移動自在に支持されている。スライド部材11の内周面には、径方向内方に所定距離突出し螺旋状に形成された螺旋突起11aが設けられている。この螺旋突起11aに、複数の遊星ローラ20が噛合している。
ハウジング1内におけるスライド部材11の軸方向一端側に、支持部材12が設けられている。この支持部材12は、径方向外方に延びるフランジ部と、ボス部とを有する。ボス部内に転がり軸受15,15が嵌合され、これら転がり軸受15,15の内輪内径面に回転軸16が嵌合されている。よって回転軸16は、支持部材12に転がり軸受15,15を介して回転自在に支持される。
スライド部材11の内周には、回転軸16を中心に回転可能なキャリア17が設けられている。キャリア17は、軸方向に互いに対向して配置されるアウタ側ディスク17a,インナ側ディスク17bと、間隔調整部材17cとを有する。アウタ側ディスク17aのうち、インナ側ディスク17bに臨む側面に、この側面における外周縁部から軸方向に突出する間隔調整部材17cが設けられる。この間隔調整部材17cは、アウタ側ディスク17aとインナ側ディスク17bの間隔を調整するため、円周方向に間隔を開けて複数配設されている。これら間隔調整部材17cにより、アウタ側ディスク17a,インナ側ディスク17bが一体に設けられる。
インナ側ディスク17bは、回転軸16との間に嵌合されたすべり軸受18により、回転自在に支持されている。アウタ側ディスク17aには、中心部に軸挿入孔が形成され、この軸挿入孔にすべり軸受19が嵌合されている。アウタ側ディスク17aは、すべり軸受19により回転軸16に回転自在に支持される。回転軸16の端部には、スラスト荷重を受けるワッシャーが嵌合され、このワッシャーの抜け止め用の止め輪が設けられる。
キャリア17には、複数のローラ軸21が周方向に間隔を空けて設けられている。各ローラ軸21の両端部が、アウタ側ディスク17a,インナ側ディスク17bにわたって支持されている。すなわちアウタ側ディスク17a,インナ側ディスク17bには、それぞれ長孔から成る軸挿入孔が複数形成され、各軸挿入孔に各ローラ軸21の両端部が挿入されてこれらローラ軸21が径方向に移動自在に支持される。複数のローラ軸21の両端には、これらローラ軸21を径方向内方に付勢する弾性リング22が掛け渡されている。
各ローラ軸21に、遊星ローラ20が回転自在に支持され、各遊星ローラ20は、回転軸16の外周面と、スライド部材11の内周面との間に介在される。複数のローラ軸21に渡って掛け渡された弾性リング22の付勢力により、各遊星ローラ20が回転軸16の外周面に押し付けられる。回転軸16が回転することで、この回転軸16の外周面に接触する各遊星ローラ20が接触摩擦により回転する。遊星ローラ20の外周面には、スライド部材11の螺旋突起11aに噛合する螺旋溝、または円周溝が形成されている。
インナ側ディスク17bと、遊星ローラ20の軸方向一端部との間には、ワッシャーおよびスラスト軸受(いずれも図示せず)が介在されている。ハウジング1内において、インナ側ディスク17bと軸受部材12との間には、環状のスラスト板13およびスラスト軸受14が設けられている。
減速機構3について説明する。
図2に示すように減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸16に固定された出力ギヤ23に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列を含む。電動モータ2のロータ軸2aに入力ギヤ24が取付けられている。減速機構3は、入力ギヤ24の回転をギヤ列25,26,27により順次減速して、出力ギヤ23に伝達可能としている。
図2に示すように減速機構3は、電動モータ2の回転を、回転軸16に固定された出力ギヤ23に減速して伝える機構であり、複数のギヤ列を含む。電動モータ2のロータ軸2aに入力ギヤ24が取付けられている。減速機構3は、入力ギヤ24の回転をギヤ列25,26,27により順次減速して、出力ギヤ23に伝達可能としている。
ロック機構5について説明する。
図3に示すように、ロック機構5は、制動力負荷機構4(図2)の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。図3の丸枠A内において、ロック機構5のロック状態を二点鎖線で表し、ロック機構5のアンロック状態を実線で表す。
図3に示すように、ロック機構5は、制動力負荷機構4(図2)の制動力弛み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能に構成されている。図3の丸枠A内において、ロック機構5のロック状態を二点鎖線で表し、ロック機構5のアンロック状態を実線で表す。
図4に示すように、ロック機構5は、ケーシング40と、ロック部材であるロックピン29と、複動形のリニアソレノイド30とを有する。この複動形のリニアソレノイド30は、ロックピン29をロック状態およびアンロック状態にそれぞれ切換え駆動する二つの電動アクチュエータ30A,30Bを含む。ケーシング40は、ベースプレート8(図3)に支持され、このベースプレート8には、ロックピン29の進退を許すピン孔が形成されている。ケーシング40内に、これら電動アクチュエータ30A,30Bが軸方向に互いに離間し且つ同心に設けられている。
電動アクチュエータ30Aは、ロックピン29をロック状態に切換えるアクチュエータであって、コイルボビン42と、このコイルボビン42に巻かれたロック状態切換用コイル43aとを有する。電動アクチュエータ30Bは、ロックピン29をアンロック状態に切換えるアクチュエータであって、コイルボビン42と、このコイルボビン42に巻かれたアンロック状態切換用コイル43bとを有する。各コイルボビン42の孔に、鉄芯から成るロックピン29の一部が摺動自在に設けられる。
ケーシング40における長手方向の基端部40aには、ロックピン29の進退を許す貫通孔が形成されている。ケーシング40内において、ロックピン29の長手方向一端付近部にフランジ状のストッパ部材44が設けられている。電動アクチュエータ30Aによりロックピン29がロック状態に切換えられるとき、ストッパ部材44がケーシング40における基端部40aの内面に当接することで、ロックピン29が軸方向に位置決めされる。
図3に示すように、ギヤ列26の出力側の中間ギヤ28には、複数の係止孔28aが円周方向一定間隔おきに形成されている。これら係止孔28aのピッチ円上の一点に対し、ロックピン29が複動形のリニアソレノイド30により進退可能に設けられている。図4に示すように、ロックピン29がアンロック状態のとき、電動アクチュエータ30Aに通電し、電動アクチュエータ30Bへの通電を解除すると、ロックピン29をロック状態に切換え駆動する。
電動アクチュエータ30Aによりロックピン29を進出させて係止孔28aに係合し、中間ギヤ28の回転を規制することで、ロック機構5をロック状態にする。電動アクチュエータ30Aへの通電を解除し、電動アクチュエータ30Bに通電すると、ロックピン29が係止孔28aから離脱しケーシング40内に退入することで、中間ギヤ28の回転を許す。このようにロックピン29をアンロック状態に切換え駆動する。
制御系について説明する。
図5は、このパーキング装置の制御系のブロック図である。車両には、車両全般を制御する電気制御ユニットであるECU31、および、車両の外気温度またはこのパーキング装置の一部の温度を検出する温度センサ6がそれぞれ取り付けられている。車両の外気温度を検出する場合、温度センサ6は例えば車両本体のナックルアーム等に取り付けられる。パーキング装置の一部の温度を検出する場合、温度センサ6は、例えば、図1に示すハウジング1内の減速機構3付近部または図4に示すロック機構5のリニアソレノイド30近傍に取り付けられる。リニアソレノイド30近傍とは例えばケーシング40等である。但し、これらの箇所に限定されるものではない。温度センサ6として例えばサーミスタ等が適用される。
図5は、このパーキング装置の制御系のブロック図である。車両には、車両全般を制御する電気制御ユニットであるECU31、および、車両の外気温度またはこのパーキング装置の一部の温度を検出する温度センサ6がそれぞれ取り付けられている。車両の外気温度を検出する場合、温度センサ6は例えば車両本体のナックルアーム等に取り付けられる。パーキング装置の一部の温度を検出する場合、温度センサ6は、例えば、図1に示すハウジング1内の減速機構3付近部または図4に示すロック機構5のリニアソレノイド30近傍に取り付けられる。リニアソレノイド30近傍とは例えばケーシング40等である。但し、これらの箇所に限定されるものではない。温度センサ6として例えばサーミスタ等が適用される。
図5に示すように、ECU31は、主に、走行制御部31aと、一般制御部31bとを有する。走行制御部31aは、図示外のアクセルペダルの踏み込み量に応じたセンサ(図示せず)から出力される加速指令と、図示外のブレーキペダルの動作量に応じたセンサ(図示せず)から出力される減速指令等から、加速・減速指令を生成する。
一般制御部31bは、ブレーキ制御部31ba、凍結防止通電手段7、および各種補機システム(図示せず)を制御する機能等を有する。
一般制御部31bは、ブレーキ制御部31ba、凍結防止通電手段7、および各種補機システム(図示せず)を制御する機能等を有する。
ブレーキ制御部31baは、車両の駐停車時にこのパーキング装置を駐車ブレーキとして制御する手段である。このブレーキ制御部31baは、前記ブレーキペダルの動作量に応じたセンサの検出信号、およびロック機構操作部34の操作指令に基づき、駆動回路35,37を介してリニアソレノイド30を駆動可能になっている。
ECU31にインバータ装置39が接続され、インバータ装置39は、各電動モータ2に対して設けられたパワー回路部39aと、このパワー回路部39aを制御するモータコントロール部39bとを有する。モータコントロール部39bは、各パワー回路部39aに対して共通して設けられていても、別々に設けられていても良い。
モータコントロール部39bは、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成される。このモータコントロール部39bは、走行制御部31aまたはブレーキ制御部31baから与えられる減速指令に従い、電流指令に変換して、パワー回路部39aのPWMドライバに電流指令を与える。
モータコントロール部39bは、コンピュータとこれに実行されるプログラム、および電子回路により構成される。このモータコントロール部39bは、走行制御部31aまたはブレーキ制御部31baから与えられる減速指令に従い、電流指令に変換して、パワー回路部39aのPWMドライバに電流指令を与える。
凍結防止通電手段7は、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態で、温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下のとき、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始するように制御する。この通電を開始する制御を行う場合に、凍結防止通電手段7は、アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始する。
前記定められた温度は、例えば、パーキング装置の凍結直前の温度であり、温度0℃を基準として任意に定めることが可能である。なお、温度センサ6で外気温度を検出する場合において、ハウジング1(図1)内の温度が、外気温度よりも比較的高く保持される場合には、パーキング装置の凍結直前の温度を、温度センサ6で検出された外気温度よりも低く補正しても良い。
ここで図6は、リニアソレノイドの一般的な吸引力特性を示す図である。コイルに電流を流し磁力によって可動鉄心(プランジャー)を固定鉄心に吸引するようなリニアソレノイドにおいて、その吸引力は、電流に比例し、鉄心間距離に反比例する。前記鉄心間距離とは、固定鉄心と可動鉄心との間の距離である。前記吸引力はリニアソレノイドの駆動力に相当する。リニアソレノイドは、コイルに流す電流が大きくなる程吸引力つまり駆動力が大きく、鉄心間距離が大きくなる程吸引力つまり駆動力が小さくなる。
図7は、ロック機構の位置と両電動アクチュエータの吸引力との関係を示す図である。
同図における縦軸の吸引力は、それぞれの電動アクチュエータにおいて切換え駆動する方向へ発生する力を示している。ロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30A(図4)の場合は、アンロック状態からロック状態へ切換え駆動する力を示し、アンロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30B(図4)の場合は、ロック状態からアンロック状態へ切換え駆動する力を示している。
同図における縦軸の吸引力は、それぞれの電動アクチュエータにおいて切換え駆動する方向へ発生する力を示している。ロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30A(図4)の場合は、アンロック状態からロック状態へ切換え駆動する力を示し、アンロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30B(図4)の場合は、ロック状態からアンロック状態へ切換え駆動する力を示している。
図5および図7に示すように、凍結防止通電手段7は、前述の三つの条件すなわち(1)制動力負荷機構4が制動力を負荷している、(2)ロック機構5がロック状態にある、(3)温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下である、を全て満たすと、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始するように制御する。ロックピン29がロック位置にあるロック状態において、凍結防止通電手段7は、ロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30Aの吸引力を、アンロック状態切換え駆動用の電動アクチュエータ30Bの吸引力より大きくなるように通電すれば、ロック状態を維持しつつパーキング装置を凍結防止し得る。
図8は、この電動アクチュエータへの通電、遮断を温度によって切り替える制御を行うフローチャートである。図5も適宜参照しつつ説明する。凍結防止通電手段7は、例えば、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態にある場合に本処理を開始し、温度センサ6で検出される温度T(ステップa1)が定められた温度以下(通電開始判定温度T1以下)であるか否かを判定する(ステップa2)。温度Tが通電開始判定温度T1以下であるとの判定で(ステップa2:yes)、凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37をそれぞれオンにして二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始するように制御する(ステップa3)。その後本処理を終了する。通電においては、アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する。
温度Tが通電開始判定温度T1より大きいとの判定で(ステップa2:no)、凍結防止通電手段7は、温度センサ6で検出される温度Tが通電終了判定温度T2以上か否かを判定する(ステップa4)。通電終了判定温度T2は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を終了させる判定基準となる温度であり、実験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により、通電開始判定温度T1よりも高い適切な温度に設定される。
検出される温度Tが通電終了判定温度T2未満であるとの判定で(ステップa4:no)、ステップa3に移行する。検出される温度Tが通電終了判定温度T2以上であるとの判定で(ステップa4:yes)、凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37をそれぞれオフにして二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断する(ステップa5)。なお二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断しても、図4に示すように、ロックピン29が係止孔28aに係合してこの係止孔28aとの摩擦力でロック状態に保持されているため、前記ロック状態が解除されることはない。後述する図10のステップb6等においても同じである。その後本処理を終了する。
図9は、この電動アクチュエータへの通電,遮断と検出温度との関係を示す図である。
図5および図9に示すように、凍結防止通電手段7は、温度センサ6で検出された温度T1,T2に応じて、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替えることで、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに連続して通電し続けるよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
図5および図9に示すように、凍結防止通電手段7は、温度センサ6で検出された温度T1,T2に応じて、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替えることで、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに連続して通電し続けるよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
以上説明したパーキング装置によれば、車両の駐停車時には、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態で、温度センサ6で検出される温度が定められた温度以下のとき、凍結防止通電手段7は二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始する制御を行う。この通電を開始する制御を行う場合に、凍結防止通電手段7は、アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始する。
アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの駆動力よりも、ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Aの駆動力が大きくなるように制御されるため、ロック機構5のロック状態は維持され、ロック機構5が不所望にアンロック状態になることを防止することができる。このように二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始することで、ロック機構5のロック状態を維持しつつ、一つの電動アクチュエータのみ通電を開始するよりもパーキング装置の凍結状態を短時間で解消し得る。このようにパーキング装置を凍結防止することが可能となる。これにより、車両の発進時など必要に応じて正常に且つ短時間でロック解除が行える。したがって、車両を遅滞無く発進させることができる。
他の実施形態について説明する。
図10は、電動アクチュエータへの通電、遮断を時間によって切り替える制御を行うフローチャートである。図5も適宜参照しつつ説明する。凍結防止通電手段7は、例えば、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態にある場合に本処理を開始し、温度センサ6で温度Tを検出(ステップb1)する。その後、凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37がそれぞれオンであるか否か判定する(ステップb2)。
図10は、電動アクチュエータへの通電、遮断を時間によって切り替える制御を行うフローチャートである。図5も適宜参照しつつ説明する。凍結防止通電手段7は、例えば、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態にある場合に本処理を開始し、温度センサ6で温度Tを検出(ステップb1)する。その後、凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37がそれぞれオンであるか否か判定する(ステップb2)。
駆動回路35,37がそれぞれオンであるとの判定で(ステップb2:yes)、凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電開始後、通電タイマー32(図5参照)で計時された時間tONが定められた通電時間tON1以上であるか否かを判定する(ステップb3)。定められた通電時間tON1は設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
計時された時間tONが定められた通電時間tON1未満であるとの判定で(ステップb3:no)、凍結防止通電手段7は、通電タイマー32で計時する時間tONを加算する(ステップb4)。すなわち凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへ通電し続ける。その後本処理を終了する。ステップb3において、計時された時間tONが定められた通電時間tON1以上であるとの判定で(ステップb3:yes)、凍結防止通電手段7は、通電タイマー32で計時している時間tONをリセットする(ステップb5)。次に凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37をそれぞれオフにして二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断する(ステップb6)。その後本処理を終了する。
ステップb2において、駆動回路35,37がオフとの判定で(ステップb2:no)、凍結防止通電手段7は、ステップb1で検出した温度Tが定められた温度以下(通電開始判定温度T1以下)であるか否かを判定する(ステップb7)。否との判定で(ステップb7:no)、本処理を終了する。
温度Tが通電開始判定温度T1以下であるとの判定で(ステップb7:yes)、凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの電流遮断後、遮断タイマー33(図5参照)で計時された時間tOFFが定められた遮断時間tOFF1以上であるか否かを判定する(ステップb8)。定められた遮断時間tOFF1は設計等によって任意に定める時間であって、例えば、試験およびシミュレーションのいずれか一方または両方により適切な時間を求めて定められる。
計時された時間tOFFが定められた遮断時間tOFF1未満であるとの判定で(ステップb8:no)、凍結防止通電手段7は、遮断タイマー33で計時する時間tOFFを加算する(ステップb9)。すなわち凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの電流遮断を継続する。その後本処理を終了する。ステップb8において、計時された時間tOFFが定められた遮断時間tOFF1以上であるとの判定で(ステップb8:yes)、凍結防止通電手段7は、遮断タイマー33で計時している時間tOFFをリセットする(ステップb10)。次に凍結防止通電手段7は、駆動回路35,37をそれぞれオンにして二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を行う(ステップb11)。その後本処理を終了する。
図11は、この電動アクチュエータへの通電,遮断と検出温度との関係を示す図である。図5および図11に示すように、凍結防止通電手段7は、定められた通電時間tON1、定められた遮断時間tOFF1毎に二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電と遮断を切り替えることで、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに連続して通電し続けるよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
図5に示すように、車両の発進操作を表す検出信号を検出する発進操作検出手段36を設け、凍結防止通電手段7は、制動力負荷機構4が制動力を負荷し、且つ、ロック機構5がロック状態で、発進操作検出手段36から前記検出信号が入力されると、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を行うようにしても良い。
発進操作検出手段36は、例えば、以下の検出信号を検出可能である。但し、これらの例に限定されるものではない。
・車両のドアロック「開」
・運転席への「着座有り」
・車両のイグニッション「オン」
・車両のエンジン「始動」(車両駆動システムの「起動」)
・車両のドアロック「開」
・運転席への「着座有り」
・車両のイグニッション「オン」
・車両のエンジン「始動」(車両駆動システムの「起動」)
車両の駐停車時において、温度検出による二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電でパーキング装置が凍結することを防止し得るが、通電を行う設定温度が高過ぎると、バッテリの電力消費が多くなる。電力消費を抑えるために、設定温度を下げると若干の凍結が生じることがある。このような若干の凍結が生じていても、上記のように車両の発進操作を表す検出信号が発進操作検出手段36から凍結防止通電手段7に入力されると、凍結防止通電手段7は二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を行うようにしてあると、パーキング装置の凍結を早期に解消できて、車両を遅滞無く発進させることができる。なお、発進操作検出手段36から凍結防止通電手段7に入力されると電動モータ2に通電を行うようにしてもよい。
図5に示すように、発進操作検出手段36を設けた構成において、凍結防止通電手段7は、発進操作検出手段36から検出信号が入力後、ロック機構操作部34からロック状態を解除する解除指令が定められた時間以上無いとき、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断しても良い。例えば、発進操作検出手段36から車両のドアロック「開」等の検出信号が凍結防止通電手段7に入力されても、車両を発進させる意図が無い場合もある。
凍結防止通電手段7は、検出信号の入力後、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を行っている場合に、ロック状態を解除する解除指令が定められた時間以上無いとき、二つの電動アクチュエータ30A,30Bへの通電を遮断することで、バッテリの電力消費を確実に抑制することができる。解除指令が定められた時間以上無いとき車両を即座に発進させる意図が無いものとみなすことができる。
凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始後、温度センサ6で検出された温度が定められた温度以上となったとき、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する電流につき、前記通電を開始した初期値より小さくしても良い。この場合、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電する電流につき、例えば、通電を開始した初期値のまま維持するよりも、バッテリへの負荷を低減しつつパーキング装置の凍結を防止し得る。
凍結防止通電手段7は、二つの電動アクチュエータ30A,30Bに通電を開始後、温度センサ6で検出された温度が定められた温度以上となったとき、アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータ30Bの電流を遮断するようにしても良い。この場合、バッテリの電力消費を一層抑制することができる。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2…電動モータ
4…制動力負荷機構
5…ロック機構
6…温度センサ
7…凍結防止通電手段
29…ロックピン(ロック部材)
30A,30B…電動アクチュエータ
34…ロック機構操作部
35,37…駆動回路
36…発進操作検出手段
39…インバータ装置
4…制動力負荷機構
5…ロック機構
6…温度センサ
7…凍結防止通電手段
29…ロックピン(ロック部材)
30A,30B…電動アクチュエータ
34…ロック機構操作部
35,37…駆動回路
36…発進操作検出手段
39…インバータ装置
Claims (7)
- 車輪に対して制動力を負荷する制動力負荷機構と、
この制動力負荷機構の制動力緩み動作を阻止するロック状態と許容するアンロック状態とにわたって切換え可能なロック機構と、を備え、
前記ロック機構は、
前記ロック状態と前記アンロック状態とに切換えられるロック部材と、
このロック部材を前記ロック状態および前記アンロック状態にそれぞれ切換え駆動する二つの電動アクチュエータと、を有するパーキング装置であって、
車両の外気温度またはパーキング装置の温度を検出する温度センサと、
前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構が前記ロック状態であって、前記温度センサで検出される温度が定められた温度以下のとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータの駆動力よりも、前記ロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータの駆動力が大きくなるように、前記二つの電動アクチュエータに通電する制御を行う凍結防止通電手段と、
を有することを特徴とするパーキング装置。 - 請求項1に記載のパーキング装置において、前記凍結防止通電手段は、前記温度センサで検出された温度に応じて、前記二つの電動アクチュエータへの通電と遮断を切り替えるパーキング装置。
- 請求項1または請求項2に記載のパーキング装置において、前記凍結防止通電手段は、定められた時間毎に前記二つの電動アクチュエータへの通電と遮断を切り替えるパーキング装置。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のパーキング装置において、前記凍結防止通電手段は、前記二つの電動アクチュエータに通電を開始後、前記温度センサで検出された温度が定められた温度以上となったとき、前記二つの電動アクチュエータに通電する電流につき、前記通電を開始した初期値より小さくするパーキング装置。
- 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のパーキング装置において、前記凍結防止通電手段は、前記二つの電動アクチュエータに通電を開始後、前記温度センサで検出された温度が定められた温度以上となったとき、前記アンロック状態に切換え駆動する電動アクチュエータの電流を遮断するパーキング装置。
- 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載のパーキング装置において、前記車両の発進操作を表す検出信号を検出する発進操作検出手段を有し、前記凍結防止通電手段は、前記制動力負荷機構が制動力を負荷し、且つ、前記ロック機構が前記ロック状態で、前記発進操作検出手段から前記検出信号が入力されると、前記二つの電動アクチュエータに通電を行うパーキング装置。
- 請求項6に記載のパーキング装置において、前記凍結防止通電手段は、前記発進操作検出手段から前記検出信号が入力後、前記ロック状態を解除する解除指令が定められた時間以上無いとき、前記二つの電動アクチュエータへの通電を遮断するパーキング装置。
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