JP6684607B2 - カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物 - Google Patents

カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物 Download PDF

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Description

本発明は、カーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物に関する。
ゴム補強用のカーボンブラックとしては、具備特性に応じた多様な品種があり、これらの具備特性がゴムの諸性能を決定付けるための主要な因子となるため、ゴム組成物への配合にあたっては、部材用途に適合する特性を有するカーボンブラックが選定されている。
例えば、タイヤトレッド部のような高度の補強性が要求されるゴム部材には、従来よりSAF(N110)、ISAF(N220)などの、一次粒子径が小さく、比表面積が大きい、高ストラクチャーのハード系カーボンブラックが使用されている(特許文献1(特開平10−130424号公報)等参照)。
特開平10−130424号公報
上記カーボンブラックを配合してなるゴム組成物から得られるゴムは、タイヤトレッド部に使用した場合、高度の補強性が付与される反面、発熱特性が増大し易く燃費の向上を図り難いばかりか、上記カーボンブラックは粒子径が小さく、比表面積が大きいためにゴム配合時の混練過程においてゴム成分が高粘度化して硬度が増大し、ゴム成分中へ均質に分散させることが困難となるため、ゴム組成物の品質特性、特にタイヤトレッドとして重要な耐摩耗性が低下し易くなる。
上記カーボンブラックの配合量を増大することにより耐摩耗性の向上を図る方法も考えられるが、ゴム組成物の弾性率が高くなり加工性が損なわれるばかりか、タイヤ走行時の耐カット性や耐チッピング性の低下を招き易くなる。
このような状況下、本発明は、ゴム成分に配合したときに補強性、低発熱性を付与することができるとともに優れた耐摩耗性を付与することができ、特に苛酷な走行条件下に使用されるタイヤトレッドゴム用に好適なカーボンブラック、カーボンブラックの製造方法およびゴム組成物を提供することを目的とするものである。
上記技術課題を解決するために本発明者が鋭意検討した結果、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/m、強酸性基濃度が0〜0.115μmol/mであるカーボンブラックにより、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/m、強酸性基濃度が0〜0.115μmol/mであることを特徴とするカーボンブラック、
(2)窒素吸着比表面積が80〜200m/g、24M4DBP吸収量が50〜130cm/100gである上記(1)に記載のカーボンブラック、
(3)上記(1)に記載のカーボンブラックを製造する方法であって、
ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および界面活性剤導入帯域が順次設けられた反応炉を用い、
前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料炭化水素を導入し、次いで界面活性剤導入帯域で界面活性剤を導入して反応させることによりカーボンブラック含有ガスを生成する
ことを特徴とするカーボンブラックの製造方法、
(4)ゴム成分100質量部に対し、上記(1)または(2)に記載のカーボンブラックを20〜150質量部含むことを特徴とするゴム組成物、
を提供するものである。
本発明によれば、ゴム成分に配合したときに補強性、低発熱性を付与することができるとともに優れた耐摩耗性を付与することができ、特に苛酷な走行条件下に使用されるタイヤトレッドゴム用に好適なカーボンブラックを提供することができるとともに、上記カーボンブラックを簡便に製造する方法およびゴム組成物を提供することができる。
本発明に係るカーボンブラックの製造に使用される反応炉の形態例を示す概略断面図である。 本発明の実施例および比較例で得られたカーボンブラックにおいて、損失係数(tanδ)に対する摩耗量の関係を示す図である。 本発明の実施例および比較例で得られたカーボンブラックにおいて、損失係数(tanδ)に対する動的貯蔵弾性率E’の関係を示す図である。
先ず、本発明に係るカーボンブラックについて説明する。
本発明に係るカーボンブラックは、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/m、強酸性基濃度が0〜0.115μmol/mであることを特徴とするものである。
本発明に係るカーボンブラックにおいて、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγは、50〜200mJ/mであり、55〜195mJ/mであることがより好ましく、50〜190mJ/mであることがさらに好ましい。
本発明に係るカーボンブラックにおいて、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが上記範囲内にあることにより、ゴム組成物に補強性、低発熱性を付与することができるとともに、カーボンブラック粒子同士の凝集力が小さくなり、ゴム成分との混練時に容易に分散させることができ、耐摩耗性を容易に向上させることができる。
逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50mJ/m未満である場合には、ゴム組成物が所望の耐摩耗性を発揮し難くなるとともにゴム成分との相互作用が低下して補強性が低下し易くなり、また、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが200mJ/m超である場合には、ゴム組成物の損失係数(tanδ)値が大きくなり、反発弾性や発熱特性が低下し易くなる。
本発明者の検討によれば、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められるカーボンブラックの表面自由エネルギーγは、カーボンブラック粒子の表面性状の活性度、すなわちゴム分子との化学反応性の速度や強弱の程度を示すパラメータとなるものであり、また表面自由エネルギーγの大きさはカーボンブラック粒子の粒子径や比表面積とも関連し、例えば比表面積の値が大きくなれば表面自由エネルギーγの値も大きな値を示す。
そして、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/mという、通常のカーボンブラックと比較して相対的に低い範囲内にある場合には、ゴム組成物の耐摩耗性が向上することを見出した。
これは、比表面積(窒素吸着比表面積)が同じ場合には化学反応性に富む活性点が少ないことで粒子同士の凝集力が小さくなり、ゴムとの混練時における分散が容易となるので耐摩耗性の向上がもたらされるためと考えられる。
また、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが上記範囲内にある場合には、カーボンブラックがゴム成分と一定の相互作用を発揮してゴム組成物において所定の補強性を発揮し得るとともに、ゴム組成物の損失係数(tanδ)の上昇を抑制して、高い反発弾性や低発熱特性を低減し易くなると考えられる。
本出願書類において、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγは、以下の方法により測定される値を意味する。
(表面自由エネルギーγの測定方法)
カーボンブラックの表面自由エネルギーγは、カーボンブラックを外径4mm、内径3mm、長さ80mmのステンレス鋼(SUS)管に充填して測定用のカラムとし、測定試料であるカーボンブラックの全表面積を10mとして、以下の条件下で逆相ガスクロマトグラフィ分析法により測定する。
測定装置 :島津製作所社製GC−8A
検出器 :FID(Flame Ionization Detector,水素炎イオン型検出器)
インジェクション温度:200℃
カラム内温度 :100℃
検出器温度 :200℃
キャリアーガス :窒素ガス(セッケン膜流量計で測定した流速が30mL/分になるように調整)
プルーブ :C5(n−ペンタン)、C6(n−ヘキサン)
上記条件下、マイクロシリンジにより各プルーブを各々0.5μL、0.4μL、0.3μL、0.2μL、0.1μL、0.05μL、0.02μL、0.01μL注入したときの各リテンションタイムを測定する。測定されたリテンションタイムにキャリアーガス流量を乗じて、サンプルの保持容積を算出し、4次の多項式により各プルーブの無限希釈保持容積(V)を推算する。プルーブ分子の炭素数を1個増やすことによる自由エネルギーの増加分、即ちメチル基(CH基)1モル当たりの吸着エネルギーの変化量(ΔG(CH2))は下記式(1)で表される。ただし、下記式(1)において、VN(n+1)はVN(n)より炭素数が1つ多い直鎖のアルカンの無限希釈保持容積である。
また、Fowkesによって提案された幾何平均式を用いると、メチル基(CH基)1モル当たりの吸着エネルギーの変化量(ΔG(CH2))は、下記式(2)で表わされる。ただし、下記式(2)において、Nはアボガドロ数(6.022×1023mol−1)、a(CH2)はCH基1個当たりの接触面積(0.06×10−18)、γ (CH2)はCH基の表面自由エネルギーの分散力成分、γ は吸着層の表面自由エネルギーの分散力成分である。
ここで、CH基から成るポリエチレン(PE)を用い、当該ポリエチレンを構成するCH基の表面自由エネルギーの分散力成分をγ PEとし、γ (CH2)=γ PEとすると、下記式(3)が導かれる。
γ PE(文献値)及びPEとカーボンブラック試料の無限希釈保持容積を代入することにより、目的とする表面自由エネルギーを算出する。
本発明に係るカーボンブラックは、強酸性基濃度が、0〜0.115μmol/mであるものであり、0〜0.113μmol/mであるものが好ましく、0〜0.112μmol/mであるものがより好ましい。
本発明に係るカーボンブラックの強酸性基濃度が上記範囲内にあることによりゴム成分との相互作用が強くなり、ゴム組成物に対する耐摩耗性を一層向上させることができる。
カーボンブラックの強酸性基濃度は、カーボンブラック粒子表面の官能基量、すなわちゴム分子との化学反応性を示すパラメータとなるものであり、本発明者の検討によれば、上記強酸性基濃度の大きさはカーボンブラック粒子の粒子径や比表面積とも関連し、例えば比表面積が大きくなれば強酸性基濃度も大きくなることが判明した。
そして、強酸性基濃度が一定範囲にあるカーボンブラックは、通常のカーボンブラックに比較して比表面積(窒素吸着比表面積)に対する強酸性基濃度が相対的に低いレベルにあり、このために上記比表面積が同じ場合にはカーボンブラックとゴムとの相互作用を阻害する表面官能基が少ないことでゴムとの相互作用が強くなり耐摩耗性の向上がもたらされると考えられる。
なお、本出願書類において、強酸性基濃度は、カーボンブラック試料5gを精秤して粉砕し、0.1(mol/L)の炭酸水素ナトリウム溶液50mLを加え、室温で4時間振とうした後、その上澄み液20mLを0.025(mol/L)の硫酸で滴定するとともに、空試験を並行して行い、両者の差と窒素吸着比表面積(NSA)から求められる単位比表面積当たりの全酸性官能基量(μmol/m)を意味する。
本発明に係るカーボンブラックは、窒素吸着比表面積(NSA)が、80〜200m/gであるものが好ましく、90〜190m/gであるものがより好ましく、95〜185m/gであるものがさらに好ましい。
本発明に係るカーボンブラックの窒素吸着比表面積が上記範囲内にあることにより、ゴム組成物の配合成分として使用したときに、得られるゴム組成物において、発熱性の増大をより好適に抑制することができ、さらには耐摩耗性を容易に向上させることができる。
上記窒素吸着比表面積が80m/g未満である場合には、耐摩耗性を向上させ難く、上記窒素吸着比表面積が200m/g超である場合には、発熱性が増大し易くなる。
なお、本出願書類において、窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2 2001「ゴム用カーボンブラックの基本性能の試験方法」に規定される方法に準拠して、窒素吸着量により測定される値を意味する。
本発明に係るカーボンブラックは、24M4DBP(Dibutylphthalate)吸収量が、50〜130cm/100gであるものが好ましく、60〜125cm/100gであるものがより好ましく、65〜120cm/100gであるものがさらに好ましい。
本発明に係るカーボンブラックの24M4DBP吸収量が上記範囲内にあることによっても、ゴム組成物の配合成分として使用したときに、得られるゴム組成物において、発熱性の増大をより好適に抑制することができ、さらには加工性や耐摩耗性を容易に向上させることができる。
上記24M4DBP吸収量が50cm/100g未満である場合には耐摩耗性を向上させ難く、上記24M4DBP吸収量が130cm/100g超である場合には加工性が低下し易くなる。
なお、本出願書類において、24M4DBP吸収量は、JIS K6214−4に規定された方法に準拠して測定される圧縮試料についてのDBP吸収量を意味する。
次に、本発明に係るカーボンブラックの製造方法について説明する。
本発明に係るカーボンブラックの製造方法は、上述した本発明のカーボンブラックを製造する方法であって、ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および界面活性剤導入帯域が順次設けられた反応炉を用い、前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料炭化水素を導入し、次いで界面活性剤導入帯域で界面活性剤を導入して反応させることによりカーボンブラック含有ガスを生成することを特徴とするものである。
本発明に係るカーボンブラックの製造方法においては、反応炉として、ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および界面活性剤導入帯域が順次設けられたものを使用する。このような反応炉としては、例えば、図1に模式的に示すような広径円筒反応炉を挙げることができる。
以下、本発明のカーボンブラックの製造方法を、図1に示す反応炉を適宜例にとって説明する。
図1に示す反応炉には、炉内に形成されたガス流路の上流から下流方向に向かって連通する、燃料燃焼帯域3、原料導入帯域5、界面活性剤導入帯域8および反応帯域9が順次設けられている。
すなわち、図1に示す反応炉において、燃料燃焼帯域3は、炉軸方向に垂直な方向から空気等の酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入口1と、炉軸方向に燃料を供給する燃焼用バーナー2とを備えている。また、原料導入帯域5は、炉軸方向に垂直な方向から原料炭化水素を供給する原料導入ノズル4を備え、燃料燃焼帯域3と同軸的に連通して設けられている。さらに、界面活性剤導入帯域8は、炉軸方向に垂直な方向から界面活性剤を供給する界面活性剤導入ノズル6を備え、原料導入帯域5に同軸的に連通して設けられている。反応帯域9は、界面活性剤導入帯域8に同軸的に連通して設けられている。図1に示す反応炉においては、反応帯域9に同軸的に連通して反応停止帯域も設けられており、同反応停止帯域には、炉軸方向に垂直な方向から冷却液を噴霧する冷却液導入ノズル7が設けられている。
図1に示す反応炉は、燃料燃焼帯域3から原料導入帯域5に向かって縮管するとともに、原料導入帯域5から界面活性剤導入帯域8に向かって拡管する鼓状形状を有しているが、反応炉形状はこのような形状に限定されず、種々の形状を採ることができる。
本発明のカーボンブラックの製造方法においては、燃料燃焼帯域3に酸素含有ガスと燃料を導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させる。
酸素含有ガスとしては、酸素、空気またはこれらの混合物からなるガスを挙げることができ、燃料としては、水素、一酸化炭素、天然ガス、石油ガス、FCC残渣油等、重油等の石油系液体燃料、クレオソート油等の石炭系液体燃料を挙げることができる。
燃料燃焼帯域3における酸素含有ガスの供給量は、2000Nm/h〜5000Nm/hであることが好ましく、2500Nm/h〜4500Nm/hであることがより好ましく、3000Nm/h〜4000Nm/hであることがさらに好ましい。また、燃料燃焼帯域3における燃料の供給量は、50kg/h〜400kg/hであることが好ましく、100kg/h〜300kg/hであることがより好ましく、150kg/h〜200kg/hであることがさらに好ましい。
燃料燃焼帯域3においては、例えば、400℃〜500℃に予熱した酸素含有ガスを供給しつつ燃料を供給することにより、両者を混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させることができる。
本発明のカーボンブラックの製造方法においては、上記高温燃焼ガス流を原料導入帯域5に導入しつつ、当該原料導入帯域5に原料油導入ノズル4から原料炭化水素を導入する。
原料導入帯域5で供給する原料油(原料炭化水素)としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族炭化水素、クレオソート油、カルボン酸油等の石炭系炭化水素、エチレンヘビーエンドオイル、FCC残渣油等の石油系重質油、アセチレン系不飽和炭化水素、エチレン系炭化水素、ペンタンやヘキサン等の脂肪族飽和炭化水素などを挙げることができる。
また、上記原料油導入ノズルとしては一流体ノズルを挙げることができる。
原料炭化水素の導入量は、特に制限されないが、300kg/時間〜2000kg/時間であることが好ましく、500kg/時間〜1500kg/時間であることがより好ましく、750kg/時間〜1250kg/時間であることがさらに好ましい。
本発明に係る界面活性剤の製造方法においては、上記原料導入帯域5に原料炭化水素を導入した後、界面活性剤導入帯域8で界面活性剤を導入する。
界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤が好ましく、非イオン性エーテル型界面活性剤、非イオン性エステル型界面活性剤、非イオン性アミン型界面活性剤から選ばれる一種以上がより好ましく、非イオン性エーテル型界面活性剤がより好ましい。
これ等の界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
界面活性剤導入帯域における界面活性剤の導入量は、30〜300L/時間であることが好ましく、50〜250L/時間であることがより好ましく、100 〜200L/時間であることがさらに好ましい。
界面活性剤の導入量が30L/時間未満である場合は、表面自由エネルギーγおよび強酸性基濃度が十分に低減されたカーボンブラックを得難くなる。また、界面活性剤の導入量が300/時間超である場合は、炉内の急激な温度低下を招き易く、反応炉の操業性が低下し易くなる。
本発明のカーボンブラックの製造方法において、原料導入帯域で供給する一定重量の原料炭化水素に対する界面活性剤導入帯域で供給する界面活性剤の供給量(界面活性剤の導入量/原料炭化水素導入量)は、0.01(L/時間)/1(kg/時間)〜0.6(L/時間)/1(kg/時間)であることが好ましく、0.05(L/時間)/1(kg/時間)〜0.4(L/時間)/1(kg/時間)であることがより好ましく、0.1(L/時間)/1(kg/時間)〜0.3(L/時間)/1(kg/時間)であることがさらに好ましい。
このように、本発明に係るカーボンブラックの製造方法においては、上記原料導入帯域に原料炭化水素を導入した後、界面活性剤導入帯域で界面活性剤を導入することにより、原料炭化水素と酸素との接触を抑制し、このために表面自由エネルギーγと強酸性基濃度が所望範囲となるように十分に低減されたカーボンブラックを得ることができると考えられる。
本発明のカーボンブラックの製造方法において、図1に示す反応炉を用いた場合、原料導入帯域5や界面活性剤導入帯域8においても原料炭化水素の反応が一定程度進行するが、生成したカーボンブラック含有ガスを反応帯域9に導入してさらに十分に反応させることができる。本発明のカーボンブラックの製造方法においては、反応帯域9を有さない反応炉を用いてもよい。
図1に示す反応炉においては、上記カーボンブラック含有ガスが反応停止帯域に導入され、冷却液が噴霧される。
冷却液としては水等を挙げることができ、冷却液を噴霧することにより、高温燃焼ガス中に浮遊懸濁したカーボンブラック粒子が冷却される。冷却液の噴霧は、例えば図1に示す冷却液導入ノズル7から冷却液を噴霧することにより行うことができる。
次いで、冷却されたカーボンブラック粒子は、煙道等を経て、サイクロンやバッグフィルター等の捕集系(分離捕集装置)により分離捕集することにより、目的とするカーボンブラックを回収することができる。
本発明の製造方法により得られるカーボンブラックとしては、本発明のカーボンブラックの説明で詳述したものと同様のものを挙げることができる。
本発明の製造方法により得られるカーボンブラックにおいて、表面自由エネルギーγおよび強酸性基濃度は、界面活性剤導入帯域に導入する界面活性剤量を調整したりすることにより制御することができる。
本発明によれば、ゴム成分に配合したときに補強性、低発熱性を付与することができるとともに優れた耐摩耗性を付与することができ、特に苛酷な走行条件下に使用されるタイヤトレッドゴム用に好適なカーボンブラックを簡便に製造する方法を提供することができる。
次に、本発明に係るゴム組成物について説明する。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、本発明に係るカーボンブラックを20〜150質量部含むことを特徴とするものである。
本発明に係るゴム組成物において、ゴム成分としては、例えば、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ポリブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系ゴムから選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
本発明に係るゴム組成物は、本発明に係るカーボンブラックを含むものであり、ゴム組成物中に含まれるカーボンブラックの詳細については上述したとおりである。
そして、本発明に係るカーボンブラックは、所定の表面自由エネルギーγおよび強酸性基濃度を有するために、ゴム組成物に補強性、低発熱性を付与することができるとともに優れた耐摩耗性を付与することができる。
本発明に係るゴム組成物において、本発明に係るカーボンブラックの含有割合は、ゴム成分100質量部に対して20〜150質量部であり、ゴム成分100質量部に対して25〜145質量部であることが好ましく、ゴム成分100質量部に対して30〜140質量部であることがより好ましい。
本発明に係るゴム組成物において、本発明に係るカーボンブラックの含有割合が上記範囲内にあることにより、優れた補強性、低発熱性および耐摩擦性を発揮することができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴム成分および本発明に係るカーボンブラックを、合計で、60〜100質量%含むものであることが好ましく、60〜99質量%含むものであることが好ましく、70〜98質量%含むものであることがより好ましく、75〜97質量%含むものであることがさらに好ましい。
また、本発明に係るゴム組成物は、常用される、無機補強材、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、加硫助剤、軟化剤、可塑剤などの必要成分を含んでもよい。
本発明に係るゴム組成物は、これ等の成分を、合計で、1〜40質量%含むものであることが好ましく、2〜30質量%含むものであることがより好ましく、3〜25質量%含むものであることがさらに好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、上記カーボンブラックの所望量と、必要に応じ、無機補強材、シランカップリング剤、加硫剤、加硫促進剤、老化防止剤、加硫助剤、軟化剤、可塑剤等の所望量とを、ゴム成分と混練することにより得ることができる。上記混練は、公知のミキサーやミル等の混練機を用いて行うことができる。
本発明に係るゴム組成物は、所定形状に成形した後、適宜、130〜180℃で加温して硬化することにより、所望のゴム成形体を得ることができる。
本発明に係るゴム組成物は、得られるゴムの発熱特性を向上させることができ、補強性および発熱性がバランスよく改良されていることから、タイヤトレッド用のゴム組成物として好適に使用することができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
図1に示すような概略円筒形状を有する反応炉を用いてカーボンブラックを作製した。
図1に示す反応炉には、炉内に形成されたガス流路の上流から下流方向に向かって連通する、燃料燃焼帯域3、原料導入帯域5、界面活性剤導入帯域8、反応帯域9および反応停止帯域が順次設けられている。
図1に示す反応炉において、燃料燃焼帯域3(内径500mm、長さ1200mm)は、炉軸方向に垂直な方向から空気等の酸素含有ガスを導入する酸素含有ガス導入口1と、炉軸方向に燃料を供給する燃焼用バーナー2とを備えている。また、原料導入帯域5(内径200mm、長さ700mm)は、炉軸方向に垂直な方向から原料炭化水素を供給する原料油導入ノズル4である一流体ノズルを備え、燃料燃焼帯域3と同軸的に連通して設けられている。界面活性剤導入帯域8は、炉軸方向に垂直な方向から界面活性剤を供給する界面活性剤導入ノズル6である一流体ノズルを備え、原料導入帯域5と同軸的に連通して設けられており、さらに、反応帯域9は、界面活性剤導入帯域8に同軸的に連通して設けられている(界面活性剤導入帯域および反応帯域の内径700mm、長さ10,000mm)。また、反応停止帯域は、炉軸方向に垂直な方向から冷却水を供給する図の上下方向に位置変更可能な冷却液導入ノズル7(水冷クエンチ)を備え、反応帯域9に同軸的に連通して設けられている。
図1に示すように、上記反応炉は、原料導入帯域5の前後において、燃料燃焼帯域3から原料導入帯域5に向かって緩やかに縮管するとともに、原料導入帯域5から界面活性剤導入帯域8に向かってテーパー状に拡管する鼓状絞り形状を成している。
燃料燃焼帯域3においては、酸素含有ガス導入口1から、500℃に予熱した空気4000Nm/hを供給するとともに、燃焼用バーナー2から燃料油としてFCC残渣油(石油系残渣油)150kg/hを噴射供給し、混合燃焼させて、炉軸方向に流通する高温燃焼ガス流を形成した。
原料供給帯域5に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ、原料油導入ノズル4である一流体ノズルから、原料油としてクレオソート油850kg/hを供給し、次いで、界面活性剤導入帯域において、界面活性剤導入ノズル6から界面活性剤として、非イオン性エーテル型界面活性剤を35L/h供給し、順次反応させることにより、カーボンブラック含有ガスを生成した。
次いで、原料導入帯域5および界面活性剤導入帯域8で生成したカーボンブラック含有ガスを反応帯域9に導入してさらに十分に反応させた後、反応停止帯域に導入して、冷却液導入ノズル7から冷却水を噴霧した。冷却されたカーボンブラック粒子は、煙道等を経て、図示しない分離捕集装置により捕集され、目的とするカーボンブラックを回収した。
得られた各カーボンブラックにおいて、表面自由エネルギーγ(mJ/m)、強酸性基濃度(μmol/m)、窒素吸着比表面性(m/g)、24M4DBP吸収量(cm/100g)を測定した結果を製造条件とともに表1に示す。
(実施例2〜実施例8、比較例1〜比較例3)
表1および表2に示すとおり、空気供給量、燃料油供給量、原料供給量および界面活性剤供給量を変更した以外は、実施例1と同様にしてカーボンブラックを製造した。
得られた各カーボンブラックにおいて、表面自由エネルギーγ(mJ/m)、強酸性基濃度(μmol/m)、窒素吸着比表面性(m/g)、24M4DBP吸収量(cm/100g)を測定した結果を製造条件とともに表1および表2に示す。
表1および表2より、界面活性剤の添加量を制御することによって、所望の表面自由エネルギーγおよび強酸性基濃度を有するカーボンブラックを製造し得ることが分かる。
(ゴム組成物の製造例)
表3に示すように、ゴム成分である天然ゴム(RSS#1)100質量部、上記実施例および比較例で得られた何れかのカーボンブラック45質量部、ステアリン酸3質量部、老化防止剤(川口化学(株)製 アンテージ6C)1質量部、亜鉛華4質量部とを、密閉型ミキサー(神戸製鋼(株)製MIXTRON BB−2)で混練した後、得られた混練物に対し、加硫促進剤(川口化学工業(株)製アクセルNS)0.5質量部と、硫黄1.5質量部とをオープンロールで混練することにより、各々表3に示す組成を有するゴム組成物を得た。
次いで、得られた各ゴム組成物を145℃の温度条件下、45分間加硫して加硫ゴムを形成した。
得られた加硫ゴムを用い、以下に示す方法により、摩耗量、動的貯蔵弾性率E’、損失係数(tanδ)を測定した。結果を表4に示す。
なお、表4においては、使用した各カーボンブラックが得られた実施例および比較例毎に、摩耗量(g/5min)、動的貯蔵弾性率E’、損失係数(tanδ)の結果を示している。
<摩耗量>
ランボーン摩耗試験機(機械スリップ機構)を用い、以下の条件で摩耗量(g/5min)をJIS K6264「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐摩耗性の求め方-」に規定される方法に準拠して測定した。なお、摩耗量が少ないほど耐摩耗性に優れていることを示す。
試験片 :厚さ5mm、外径48mm
エメリーホイール :GCタイプ(緑色炭化珪素)、粒度#80、硬度H
添加炭化珪素粉 :粒度F80、添加量9g/min
スリップ率 :18%
試験片回転数 :480ppm
試験荷重 :3kg
<動的貯蔵弾性率E’、損失係数(tanδ)>
得られた各加硫ゴムから切り出した、厚さ2mm、長さ35mm、幅5mmの試験片を用い、粘弾性スペクトロメータ((株)上島製作所製VR−7110)を用い、周波数50Hz、動的歪率1.26%、測定温度60℃の測定条件で、動的貯蔵弾性率E’(MPa)および損失係数(tanδ)をJIS K6394「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム- 動的性質の求め方-」に規定される方法に準拠して測定した。
なお、動的貯蔵弾性率E’は値が大きいほど補強性が高いことを示し、損失係数(tanδ)は、値が小さいほど発熱性が低いことを示している。
表1および表4より、実施例1〜実施例8で得られた本発明のカーボンブラックを含むゴム組成物は、逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/m、強酸性基濃度が0〜0.115μmol/mであるカーボンブラックを含むものであることから、摩耗量が少なく耐摩耗性に優れるとともに、動的貯蔵弾性率E’は値が大きいために補強性に優れ、損失係数(tanδ)は、値が小さいために発熱性が低いことが分かる。
図2は、表4に示す各損失係数(tanδ)に対する摩耗量のデータをプロットした図であり、図2に示す矢印方向にプロットされたデータ点ほど耐摩耗性および発熱特性に優れることを示すが、同図からも実施例1〜実施例8で得られた本発明のカーボンブラックを含むゴム組成物は、耐摩耗性および発熱特性に優れることが分かる。
また、図3は、表4に示す各損失係数(tanδ)に対する動的貯蔵弾性率E’のデータをプロットした図であり、図3に示す矢印方向にプロットされたデータ点ほど補強性および発熱特性に優れることを示すが、同図からも実施例1〜実施例8で得られた本発明のカーボンブラックを含むゴム組成物は、補強性および発熱特性に優れることが分かる。
一方、表2および表4より、比較例1〜比較例3で得られたカーボンブラックを含むゴム組成物は、表面自由エネルギーγが50〜200mJ/mの範囲外であるか(比較例3)、強酸性基濃度が0〜0.115μmol/mの範囲外である(比較例1、比較例2)カーボンブラックを含むものであることから、摩耗量が多く耐摩耗性に劣っていたり(比較例2、比較例3)、動的貯蔵弾性率E’が小さいために補強性に劣る(比較例1)ものであることが分かる。
本発明によれば、ゴム成分に配合したときに補強性、低発熱性を付与することができるとともに優れた耐摩耗性を付与することができ、特に苛酷な走行条件下に使用されるタイヤトレッドゴム用に好適なカーボンブラックを提供することができるとともに、上記カーボンブラックを簡便に製造する方法およびゴム組成物を提供することができる。
1 酸素含有ガス導入口
2 燃焼用バーナ
3 燃料燃焼帯域
4 原料油導入ノズル
5 原料導入帯域
6 界面活性剤導入ノズル
7 冷却液導入ノズル
8 界面活性剤導入帯域
9 反応帯域

Claims (4)

  1. 逆相ガスクロマトグラフィ分析法により求められる表面自由エネルギーγが50〜200mJ/m、炭酸水素ナトリウムを用いて測定される強酸性基濃度が0〜0.115μmol/m 、窒素吸着比表面積が80m /g以上200m /g未満であることを特徴とするカーボンブラック。
  2. 4M4DBP吸収量が50〜130cm/100gである請求項1に記載のカーボンブラック。
  3. 請求項1に記載のカーボンブラックを製造する方法であって、
    ガス流路の上流から下流方向に向かって、燃料燃焼帯域、原料導入帯域および界面活性剤導入帯域が順次設けられた反応炉を用い、
    前記燃料燃焼帯域に酸素含有ガスと燃料とを導入し混合燃焼させて高温燃焼ガス流を発生させ、前記原料導入帯域に上記高温燃焼ガス流を導入しつつ原料炭化水素を導入し、次いで界面活性剤導入帯域で界面活性剤を導入して反応させることによりカーボンブラック含有ガスを生成する
    ことを特徴とするカーボンブラックの製造方法。
  4. ゴム成分100質量部に対し、請求項1または請求項2に記載のカーボンブラックを20〜150質量部含むことを特徴とするゴム組成物。
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