JP6684169B2 - ガスセンサ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の内燃機関に用いられるガスセンサ制御装置に関するものである。
従来、自動車に使用されるセンサとして、排気中の酸素濃度を検出するA/Fセンサ等が知られている。A/Fセンサは、センサ素子を流れる電流の大きさが排気中の酸素濃度に応じて変化することを利用して、酸素濃度の検出、ひいては排気の空燃比を検出するものである。空燃比の検出結果はエンジンECU等により構成される空燃比制御システムにて用いられ、空燃比をストイキ(理論空燃比)近傍でフィードバック制御するストイキ燃焼制御等が実現される。
空燃比の検出には、センサ素子が有する電圧−電流(V−I)特性が利用される。すなわち、V−I特性の限界電流域における素子電流の値が、排気の空燃比の増減に伴って増減することを利用して、排気の空燃比の算出の際には、限界電流域で電圧を印加し、センサ素子に流れる電流を検出する。
また、センサ素子は、空燃比の検出に際して活性状態となるように、ヒータによって加熱されている。ヒータによる加熱は、ヒータへの通電量によって制御されている。ヒータへの通電量は、素子抵抗値とセンサ素子の活性化温度に対応する抵抗である目標値との偏差をなくすように制御されている。すなわち、素子抵抗フィードバック制御が実施される。
ここで、センサ素子が劣化すると、素子抵抗は増大する。その結果、V−I特性の抵抗支配域の傾きが小さくなり、限界電流域に変化が生じる。かかる場合、空燃比の検出に悪影響を及ぼすおそれがある。そのため、従来の技術では、素子抵抗フィードバック制御において、目標とする素子抵抗値を一定にすることで、限界電流域の電圧幅の変化を防ぎ、空燃比の検出精度を維持している(例えば、特許文献1)。
特開平9−292364号公報
しかしながら、センサ素子の劣化が進行した状況下において、素子抵抗フィードバック制御での目標値を一定にして制御を行う場合には、センサ素子の温度が上昇してしまうことが懸念される。そして、素子温度の上昇により、センサ素子の劣化がさらに促進され、センサの寿命が短くなるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、酸素濃度の検出精度を確保しつつ、センサ素子の温度上昇を抑制することができるガスセンサ制御装置を提供することを主目的とする。
本発明は、固体電解質層と一対の電極とを有する限界電流式のセンサ素子と、前記センサ素子を加熱するヒータとを備えるガスセンサに適用され、前記一対の電極に電圧を印加した状態で、内燃機関の排気中の酸素濃度に応じた限界電流を出力する一方で、前記センサ素子の素子抵抗値と前記センサ素子の温度との相関を用い、素子抵抗値を目標値にフィードバック制御することで、前記センサ素子における素子温度制御を実施するガスセンサ制御装置であって、前記センサ素子の劣化度合が所定レベル以下であることを判定する劣化判定部と、前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベル以下であると判定された場合に、前記センサ素子の劣化に伴い縮小される限界電流域の幅を所定範囲内としつつ、前記目標値を、前記センサ素子の劣化度合に基づいて大きくする側に変更する目標設定部と、を備えることを特徴とする。
限界電流式のガスセンサにおいては、センサ素子の劣化に伴い素子抵抗値の増加が生じることが考えられ、素子抵抗値が増加している状況下で、素子抵抗値の目標値を一定にしてフィードバック制御を行う場合には、素子温度の上昇が懸念される。また、素子抵抗値が増加している状況下では、ガスセンサのV−I特性(限界電流特性)における抵抗支配域の傾きが小さくなるため、限界電流域が狭くなることが考えられる。
具体的には、ガスセンサのV−I特性において、限界電流域の高電圧側の境界電圧(すなわち水分解域との境界電圧)は、素子劣化が生じても概ね不変であるのに対し、低電圧側の境界電圧(すなわち抵抗支配域との境界電圧)は、センサ素子の劣化に伴い高電圧側に変化する。そのため、素子抵抗値が増加している状況下では限界電流域が狭くなる。
この点、上記構成では、センサ素子の劣化度合が所定レベル以下である場合において、限界電流域の幅を所定範囲内としつつ、目標値を、センサ素子の劣化度合に基づいて大きくする側に変更するようにした。かかる場合、限界電流域の幅が確保されつつ、目標値が変更されるため、限界電流域を用いた酸素濃度の検出が可能である。一方、素子抵抗値の目標値が大きくする側に変更されることで、フィードバック制御下で、センサ素子が劣化した場合に生じるセンサ素子の温度上昇を抑制することができる。これにより、酸素濃度の検出精度を確保しつつ、センサ素子の温度上昇を抑制することができる。
センサ素子を示す構成図。 センサ制御回路の電気的構成を示す構成図。 センサ素子のV−I特性を示す図。 センサ素子の等価回路を示す図。 センサ素子の劣化時のV−I特性を示す図。 素子抵抗値の対数値と素子温度との関係を示す図。 素子抵抗値の対数値と素子温度との関係を示す図。 目標値設定の処理手順を示すフローチャート。 ヒータデューティ値と直流抵抗Riとの関係を示す図。 ΔZacとΔVPとの関係を示す図。 目標値Zactgの推移を説明するための説明図。 素子温度と時間との関係を示す図。 第2実施形態における目標値設定の処理手順を示すフローチャート。 目標値Zactgの推移を説明するための説明図。 目標値Zactgの推移を説明するための説明図。
(第1実施形態)
以下、本実施形態に係る制御システムを図面に従って説明する。本実施形態は、車両に搭載されるエンジンにより排出される排気を被検出ガスとし、同排気中の酸素濃度(空燃比:A/F)を検出するA/Fセンサの制御システムを具体化している。
まず、A/Fセンサ10の構成について図1を用いて説明する。本A/Fセンサ10は積層型構造のセンサ素子20を有している。図1はそのセンサ素子20の断面構成を示す。実際には当該センサ素子20は図1の紙面直交方向に延びる長尺状をなし、素子全体がハウジングや素子カバー内に収容される構成となっている。センサ素子20は、固体電解質層21、拡散抵抗層22、遮蔽層23及び絶縁層24を有し、これらが図の上下に積層されて構成されている。同素子の周囲には図示しない保護層が設けられている。長方形板状の固体電解質層21は部分安定化ジルコニア製のシートであり、その固体電解質層21を挟んで上下一対の電極25,26が対向配置されている。拡散抵抗層22は電極25へ排気を導入するための多孔質シートからなり、遮蔽層23は排気の透過を抑制するための緻密層からなる。拡散抵抗層22には、電極25を囲むようにして排気チャンバ27が設けられている。
絶縁層24はアルミナ等の高熱伝導性セラミックスからなり、電極26に対面する部位には大気ダクト28が形成されている。また、同絶縁層24にはヒータ29が埋設されている。ヒータ29は、バッテリ電源からの通電により発熱する線状の発熱体よりなり、その発熱により素子全体を加熱する。そして、センサ素子20が活性状態を保つように、ヒータ29への通電量がデューティ制御されている。
上記構成のセンサ素子20において、その周囲の排気は拡散抵抗層22の側方部位から導入された後、拡散抵抗層22内を経由して排気チャンバ27に流れ込み、電極25に達する。排気がリーンの場合、排気中の酸素が電極25で分解され、電極26より大気ダクト28に排出される。また、排気がリッチの場合、逆に大気ダクト28内の酸素が電極26で分解され、電極25側に排出される。
次に、センサ制御回路30の具体的な構成について図2を用いて説明する。センサ制御回路30は、マイコン40と検出回路部とを有している。検出回路部は、センサ素子20に流れる素子電流IL、及びセンサ素子20のインピーダンスZacを検出し、その検出結果をマイコン40に対して出力する。マイコン40は、CPU、各種メモリ等を備える周知の論理演算回路にて構成されている。また、マイコン40は、素子電流ILの検出結果に基づいて排気の空燃比を把握し、空燃比フィードバック制御等を適宜実施する他、インピーダンスZacの検出結果に基づいてヒータ29の通電制御を実施する。
センサ制御回路30において、センサ素子20の正側端子にはオペアンプ41及び電流検出抵抗42を介して基準電圧電源43が接続され、同センサ素子20の負側端子には印加電圧制御回路44が接続されている。この場合、電流検出抵抗42の一端のA点は基準電圧Vf(例えば2.2V)と同じ電圧に保持される。素子電流は電流検出抵抗42を介して流れ、素子電流に応じてB点の電圧が変化する。例えば排気がリーンの場合、センサ素子20においてS+端子からS−端子に電流が流れるためB点電圧が上昇し、リッチの場合、S−端子からS+端子に電流が流れるためB点電圧が低下する。
印加電圧制御回路44では、基本構成として、B点電圧をモニタするとともにその電圧値に応じてセンサ素子20に印加すべき電圧を決定し、S−側の電圧を制御する。また、電流検出抵抗42の両端のA点及びB点には増幅回路が接続されており、その増幅回路の出力であるA/F出力電圧がマイコン40のA/D入力端子に取り込まれる。
また、インピーダンスZacの検出時には、所定周波数の交流信号が、基準電圧電源43と合成されてインピーダンス検出回路45に対して出力される。この場合、B点電圧は基準電圧電源43を中心に交流変化する。そして、インピーダンス検出回路45では、交流信号の振幅を検出するとともに、その振幅に相当する信号をインピーダンス検出信号として出力する。なおこの場合、マイコン40では、交流電圧の変化量と交流電流の変化量とからインピーダンスZacが算出される。
ここで、A/F値の検出には、図3に示す電圧−電流特性(V−I特性)が利用される。図3では、センサ素子20の印加電圧VPを横軸に示し、素子電流ILを縦軸に示している。図3の特性線において、横軸である電圧軸に平行な直線部分(フラット部分)は限界電流としての素子電流ILを特定する限界電流域である。限界電流域での素子電流ILの増減は、空燃比の増減(すなわち、リーン・リッチの程度)に対応している。つまり、空燃比がリーン側になるほど素子電流ILは増大し、空燃比がリッチ側になるほど素子電流ILは減少する。なお、限界電流域の低電圧側には、センサ素子20の直流抵抗Riを比例係数とする抵抗支配域があり、限界電流域の高電圧側には、排気中の水が分解される水分解域がある。すなわち、限界電流域は、抵抗支配域との境界電圧と、水分解域との境界電圧との間の電圧範囲として定められている。
ここで、図4の等価回路を用いて、センサ素子20の素子抵抗について説明する。固体電解質層21は、固体電解質層21の粒子内の抵抗であるバルク抵抗R1と、粒子間の抵抗である粒界抵抗R2とを有している。一方、固体電解質層21と電極25,26との境界面である電極界面は、電極界面の物質の通過を妨げる界面抵抗R3を有している。また、C2は固体電解質層21の粒子間の静電容量(粒界容量)であり、C3は固体電解質層21と電極25,26との間の静電容量(界面容量)である。すなわち、センサ素子20の等価回路は、バルク抵抗R1と、粒界抵抗R2及び粒界容量C2の並列接続体と、界面抵抗R3及び界面容量C3の並列接続体とを、直列接続したものとして表すことができる。なお、インピーダンスZacは、固体電解質層21の抵抗分、すなわちバルク抵抗R1と粒界抵抗R2の合計に近似した値を示している。また、直流抵抗Riは、バルク抵抗R1と、粒界抵抗R2と、界面抵抗R3との合計を示している。なお、低周波数(例えば、0.1Hz)の交流電圧を印加した場合のセンサ素子20の素子抵抗値は、直流抵抗Riと近似した値となる。
なお、直流抵抗Riは、周知の方法で取得される。例えば、エンジン停止後に低周波数(例えば、0.1Hz)で電圧を印加して、その印加電圧に応じて検出される電流値とその電圧値とに基づいて、直流抵抗Riを取得することができる。また、その他の方法として、素子電流ILが検出されない状況下(例えば、0.2V)における電圧値と電流値との関係から直流抵抗Riを取得することも可能である。
ところで、空燃比の検出に際しては、センサ素子20が活性状態となるようにセンサ素子20はヒータ29によって加熱されている。ヒータ29の通電は、インピーダンスZacとセンサ素子20の活性化温度に対応するインピーダンスである目標値Zactgとの偏差をなくすように制御されている。つまり、素子抵抗フィードバック制御が行われている。
従来の素子抵抗フィードバック制御では、目標値Zactgを一定にして制御している。しかしながら、かかる場合には、センサ素子20の劣化に伴って素子抵抗値が増大することにより、素子温度が上昇する。その結果、センサ素子20の劣化をさらに促進させてしまうおそれがある。そこで、マイコン40における制御では、センサ素子20の劣化度合に基づいて、目標値Zactgを大きくする側に変更することとした。具体的には、センサ素子20が劣化した場合であっても、素子温度がセンサ素子20を活性化する目標温度で一定となるか、又はその目標温度から所定内の温度となるように、目標値Zactgを変更する。
図5には、センサ素子20が劣化した際のV−I特性を示す。図5中、初期の状態のV−I特性を実線で、劣化した状態のV−I特性を破線で示している。センサ素子20が劣化した場合、直流抵抗Ri、すなわちセンサ素子20の素子抵抗値の増大に伴って、抵抗支配域における一次直線の傾きは小さくなる。かかる場合、限界電流域の低電圧側の境界点VAは、高電圧方向のVA1にシフトするのに対し、限界電流域の高電圧側の境界点VBの位置は、センサ素子の劣化によっても概ね変化しない。その結果、センサ素子20の劣化に伴って、限界電流域における横軸に平行な直線部分の幅は狭くなる。
ここで、本実施形態における制御によって、目標値Zactgを大きくする側に変更する場合には、目標値Zactgの増大に伴って直流抵抗Riは大きくなる。その結果、V−I特性における限界電流域の電圧幅が狭くなることとなる。そしてこの場合、空燃比検出の精度が低下してしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態では、限界電流域の幅を所定範囲内としつつ、目標値Zactgを大きくする側に変更するようにしている。すなわち、限界電流域の幅を所定以上とすることにより、空燃比の検出が可能な限界電流域の幅を確保しつつ、目標値Zactgを大きくして素子温度の上昇を抑制する。目標値Zactgの設定において、センサ素子20の素子温度と空燃比検出の精度とはトレードオフの関係にあり、本実施形態では、両者のバランスを考慮しつつ、素子抵抗フィードバック制御における目標値Zactgを設定する。
ここで、目標値Zactgの設定について詳しく説明する。図6及び図7は、横軸を素子温度、縦軸を素子抵抗値の対数値として、これら両者の関係を示す図である。図6では、電解質抵抗と電極反応抵抗とを含む全抵抗(直流抵抗Ri)と、電解質抵抗(インピーダンスZac)とについて、初期特性と劣化特性とが示されている。この場合、劣化状態では、初期状態と比べて各抵抗の対数値が増加している。また、センサ素子20において活性化に必要な活性化エネルギは劣化の有無にかかわらず不変であるため、素子温度に対する各抵抗の対数値の傾きは劣化前後で同じになっている。図6では、各抵抗の対数値は、素子温度に対して一次関数として表されている。なお、目標抵抗値を一定にして素子抵抗フィードバック制御が実施される場合には、劣化に伴い素子温度が初期の目標温度T0からT1にシフトする。
また、直流抵抗Riが過大になると、V−I特性における抵抗支配域の傾きが過小になり、限界電流域が過度に狭くなる。そのため、空燃比の検出精度に悪影響が及ぶことが懸念される。そのため、図6では、全抵抗において劣化許容の上限値として劣化許容値が定められ、さらに、全抵抗の劣化許容値に基づいて、電解質抵抗の劣化許容値が定められている。
そして、本実施形態では、素子温度と素子抵抗値の対数値との相関において目標値Zactgを大きくしても素子温度が一定であるようにして、センサ素子20の劣化度合に応じて、目標値Zactgを大きくする側に変更する。つまり本実施形態では、センサ素子20の劣化度合として素子抵抗値の対数値を用いて、目標値Zactgを設定することとしている。目標値Zactgの設定手順を図7を用いて説明する。図7では、初期状態として、素子温度と素子抵抗値の対数値との相関が特性線L0で表され、その特性線L0上において、目標温度T0に対応するZac0が初期の目標値Zactgとして定められている。そして、センサ素子20が劣化すると、特性線がL0からL1にシフトする。この場合、目標値ZactgをZac0にしたままでフィードバック制御を実施すると、素子温度が初期の目標温度T0からT1に上昇するが、本実施形態では、特性線L1上で新たな目標値Zactgを設定することとしている。具体的には、素子温度を目標温度T0のまま維持し、その上で目標値ZactgをZac0からZac1に変更する。
図7において、「ZacH」は、電解質抵抗の劣化許容値に相当する値であって、素子抵抗値がZacH以下で制限されることにより、V−I特性における限界電流域が所定範囲内となり、限界電流域が過度に狭くなることが抑制されている。この場合、素子抵抗値がZacH以下であることにより、センサ素子20の劣化度合が所定レベル以下であることが判定されるようになっている。そして、素子抵抗値がZacH以下である状態において、素子温度の上昇を抑制しつつ多段階で目標値Zactgの増加側への変更を実施する。
具体的には、フィードバック制御を実施している状態でのヒータ通電量(例えばデューティ値)を取得し、目標値Zactgを一定にした状態下でヒータ通電量が所定値よりも大きくなる都度、目標値Zactgを、センサ素子20の劣化度合に基づいて大きくする側に変更する。この場合、ヒータ通電量が所定値よりも大きくなることは、Zactgを一定とした状態下において、素子劣化に伴い徐々に素子温度が上昇していることを意味し、その素子温度の上昇を抑制すべく、Zactgを大きくする側に更新する。これは、センサ素子20の劣化度合に基づいて、目標値Zactgを大きくする側に変更する処理に相当する。
また本実施形態では、素子抵抗値がZacH以下であれば、すなわちセンサ素子20の劣化度合が所定レベル以内であれば、目標値Zactgを大きくする側に変更する一方で、素子抵抗値がZacHよりも大きくなれば、すなわち劣化度合が所定レベルを超えれば、目標値Zactgを所定の上限値に維持するようにしている。つまり、素子抵抗値がZacHに達するまでは素子温度の上昇を抑制しつつヒータ制御を実施し、素子抵抗値がZacHに達すると素子温度の上昇を許容しつつヒータ制御を実施する。
次に、目標値Zactgの設定処理について、図8のフローチャートを用いて説明する。本処理は、マイコン40により所定周期で繰り返し実施される。
図8において、まずステップS11では、エンジンが停止しているか否かを判定する。ステップS11がYESであればステップS12へ進み、NOであればそのまま本処理を終了する。ステップS12では、素子抵抗値であるインピーダンスZacを算出する。インピーダンスZacの算出に際しては、周知のインピーダンス検出法を用いることができる。具体的には、所定の交流周波数(例えば、5kHz)でセンサ素子20の印加電圧VPを一時的に変化させ、それに応答して変化する電流値Iを検出する。そして、その電流値Iに基づいて、インピーダンスZacを算出する。
続いて、ステップS13では、センサ素子20の温度上昇を示すパラメータとして、例えばヒータ29の通電量(デューティ値)を取得する。ヒータ29のデューティ値は、素子抵抗フィードバック制御下において、ヒータ29の通電量が安定している状態から算出される。図9には、ヒータ29のデューティ値と直流抵抗Riとの関係を示す。図9では、直流抵抗Riが大きくなるにつれて、デューティ値が大きくなる。これは、センサ素子20の劣化の進行に伴って素子温度が高くなり、その結果ヒータ29の通電量が大きくなるためである。つまり、ヒータ29のデューティ値はセンサ素子20の温度上昇を示すパラメータとなっている。
ステップS14では、デューティ値が所定の閾値Dthよりも大きいか否かを判定する。なお、閾値Dthは、センサ素子20の温度上昇が判定できる値であればよく、例えば現時点の目標値Zactgでフィードバック制御が実施される状況下での基準デューティ値に基づいて設定される。そして、ステップS14がNOである場合、目標値Zactgを変更する必要がないとして、ステップS15に進む。ステップS15では、目標値Zactgを現時点の設定のままに維持して、本処理を終了する。
ステップS14がYESであればステップS16へ進み、素子温度が予め定めた上限温度に達しているか否かを判定する。つまり、素子抵抗フィードバック制御を実施している状況下で、目標値Zactgを一定にし、その上で素子温度の上昇を許容している場合には、素子劣化に伴いデューティ値が徐々に増加し、それに応じて素子温度が上昇する。これを想定して、ステップS16では、デューティ値が、素子上限温度に対応する所定の上限閾値Dhよりも小さいか否かを判定する。ここで、ステップS16がNOであればステップS22へ進む。ステップS22では、センサ素子20が異常であると判定し、所定のダイアグ処理を実行する。例えば、ダイアグデータの保存や、ダイアグランプの点灯、警報装置の作動を実行する。
一方、ステップS16がYESであればステップS17へ進む。ステップS17では、センサ素子20の劣化度合に基づいて、素子抵抗フィードバック制御における新たな目標値Zactgを算出する。図7の説明で示すとおり、目標値Zactgの算出に際しては、素子抵抗値の対数値と素子温度との相関関係を利用している。ここでは、劣化度合に応じて、素子温度を一定とした状態で目標値Zactgを大きくし、新たな目標値ZactgとしてZacxを算出する。
続いて、ステップS18では、センサ素子20の劣化度合が所定レベル以下であるか否かを判定する。具体的には、算出された新たな目標値Zactgが、電解質抵抗の劣化許容値ZacHよりも小さいか否かを判定する。Zacxが劣化許容値ZacHよりも小さければ(ステップS18:YES)、ステップS19へ進む。ステップS19では、Zacxを新たな目標値Zactgに設定する。かかる場合、次回のドライブサイクル時における素子抵抗フィードバック制御は、Zacxを目標値Zactgとして実施される。
一方、ステップS18がNOであればステップS21へ進み、目標値Zactgを劣化許容値ZacHに設定する。すなわち、センサ素子20の劣化度合が所定レベルを超えた場合は、目標値Zactgを劣化許容値ZacHに維持することで、空燃比検出における検出精度を担保している。劣化許容値ZacHは、限界電流域の電圧幅によって定められる全抵抗の劣化許容値に基づいて定められる。
続いて、ステップS20では、目標値Zactgの変更量に応じて限界電流域の印加電圧VPの補正を実行する。具体的には、限界電流域の低電圧側の境界点が高電圧方向にシフトすることに合わせて、印加電圧VPを高電圧側に補正する。ここで、目標値Zactgの変化量ΔZacと補正量ΔVPとは、例えば図10に示すような相関関係を有する。図10より、変化量ΔZacが大きいほど、補正量ΔVPは大きい値として算出される。なお、補正後の電圧値は、限界電流域のシフト後の低電圧側の境界点と、高電圧側の境界点との中間点となるように設定されるとよい。
図11は、センサ素子20の劣化度合に基づく目標値Zactgの設定を説明するための説明図である。図11では、センサ素子20の初期状態での素子温度と素子抵抗値の対数値との相関を特性線L0で表している。特性線L0は、センサ素子20の劣化が進むにつれて、L0→L1→L2→L3→L4へとシフトしていく。図11では、目標温度T0を維持しつつ、目標値Zactgを変更する構成について例示する。
まず、センサ素子20の初期状態では、目標温度T0に対応するZac0を目標値Zactgとして、素子抵抗フィードバック制御が行われる。その後、特性線L1の状態になると、目標値Zactgが、特性線L1上で素子温度が目標温度T0のままとなるP1のZac1に変更される。また、特性線L2の状態になると、目標値Zactgが、特性線L2上で素子温度が目標温度T0のままとなるP2のZac2に変更される。Zac1への変更、Zac2への変更は、ヒータデューティ値が閾値Dthよりも大きくなったことに基づいて実施される。なお、Zac1及びZac2はともに、劣化許容値ZacHよりも小さい値である。
その後、センサ素子20の劣化がさらに進行し、特性線L3の状態になると、P3AのZac3Aは、劣化許容値ZacHよりも大きい値となる。この場合、目標値Zactgを劣化許容値であるZacHに変更する。これによって、センサ素子20の素子温度は、T0からT3へ上昇する。そして、さらに劣化が進んだ特性線L4の状態では、目標値ZactgをZacHに維持する。かかる場合、センサ素子20の素子温度は、T3からT4に上昇する。
図12には、素子抵抗フィードバック制御におけるセンサ素子20の素子温度と時間との関係を示す。図12に示すように、従来制御では、時間の経過に伴って素子温度が顕著に上昇していくのに対し、本実施形態における制御では、素子温度の温度上昇を抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
限界電流式のA/Fセンサ10においては、センサ素子20の劣化に伴い素子抵抗値の増加が生じることが考えられ、素子抵抗値が増加している状況下で、素子抵抗値の目標値Zactgを一定にしてフィードバック制御を行う場合には、素子温度の上昇が懸念される。また、素子抵抗値が増加している状況下では、A/Fセンサ10のV−I特性における抵抗支配域の傾きが小さくなるため、限界電流域が狭くなることが考えられる。
この点を考慮し、センサ素子20の劣化度合が所定レベル以下である場合において、限界電流域の幅を所定範囲内としつつ、目標値Zactgを、センサ素子20の劣化度合に基づいて大きくする側に変更するようにした。かかる場合、限界電流域の幅が確保されつつ、目標値Zactgが変更されるため、限界電流域を用いた酸素濃度の検出が可能である。一方、素子抵抗値の目標値Zactgが大きくする側に変更されることで、フィードバック制御下で、センサ素子20が劣化した場合に生じるセンサ素子20の温度上昇を抑制することができる。これにより、酸素濃度の検出精度を確保しつつ、センサ素子20の温度上昇を抑制することができる。
具体的には、素子抵抗値と素子温度との相関に基づいて、素子温度を一定又は所定の範囲内となるように、目標値Zactgを大きくする側に変更した。これにより、センサ素子20の温度上昇をできる限り抑えることができる。
素子抵抗フィードバック制御を実施している状態でのヒータ通電量を取得し、目標値Zactgを一定にした状態下でヒータ通電量が所定値よりも大きくなる都度、目標値Zactgを、センサ素子20の劣化度合に基づいて大きくする側に変更する構成とした。この場合、ヒータ通電量により素子温度の上昇を監視することで、その素子温度が過剰に上昇しないようにしつつ適正に目標値Zactgを更新することができる。
また、センサ素子20の劣化度合が所定レベル以下であれば、目標値Zactgを大きくする側に変更し、所定レベルを超えれば、目標値Zactgを劣化許容値ZacHに維持するようにした。劣化度合が所定レベルを超えた場合であっても、目標値として所定の上限値を維持することで、限界電流域の幅は確保される。これにより、酸素濃度の検出精度を確保することができる。
さらに、センサ素子20の劣化が一層進行したことに基づいて、劣化限界に達しているかを判定する異常判定部を設けた。この場合、劣化が深刻に進んだ状況下で、A/Fセンサ10の更なる使用を防ぐことができる。これにより、適正な状態のセンサ素子20を用いて、フィードバック制御等を行うことができる。
インピーダンスZacの対数値は、素子温度との関係において所定の相関を有し、例えば素子温度に対して一次関数として表すことができる。この点を考慮し、インピーダンスZacの対数値を求め、その対数値と素子温度との相関に基づいて、目標値Zactgを設定するようにした。この場合、センサ素子20の都度の劣化度合に則して素子抵抗値と素子温度との関係を容易に求めることができる。これにより、素子温度を所定温度にするための素子抵抗値の目標値Zactgを適正に求めることができる。
目標値Zactgを大きくする側に変更することで、V−I特性における限界電流域の電圧幅は狭くなる。排気の酸素濃度を精度よく検出するためには、限界電流域で安定して電圧を印加する必要がある。この点を考慮し、目標値Zactgを大きくする側に設定した場合に、その変更量に応じて印加電圧の値を大きくするようにした。かかる場合、限界電流域の電圧幅の変動に合わせて、センサ素子20に印加する電圧値を補正することができ、酸素濃度の検出を精度よく行うことができる。
(第2実施形態)
以下に、第2実施形態について第1実施形態との相違点を中心に説明する。本実施形態では、センサ素子20の劣化度合が所定レベルよりも劣化度合の小さい所定の中間レベルに達したことを判定するとともに、センサ素子20の劣化度合が中間レベルに達したと判定された場合に、素子温度の想定温度を上昇させるべくフィードバック制御のゲインを大きくすることとしている。
本実施形態における目標値Zactgの設定処理を、図13のフローチャートを用いて説明する。本処理は、図8の処理に置き換えて、マイコン40により所定周期で繰り返し実施される。なお、図8と同じステップについては同じステップ番号を付すとともに説明を簡略する。
図13では、ステップS11〜S16を経て、ステップS17において、センサ素子20の劣化度合に基づいてZacxを算出する。そして、続くステップS31では、センサ素子20の劣化度合を示すZacxが、電解質抵抗の劣化許容値ZacHよりも小さい値として定められている中間値ZacMよりも小さいか否かを判定する。このとき、センサ素子20の劣化度合が所定の中間レベルに達したか否かが判定される。Zacxが中間値ZacMよりも小さければ(ステップS31:YES)、ステップS19へ進む。ステップS19では、その時のZacxを新たな目標値Zactgに設定する。
また、Zacxが中間値ZacM以上であれば(ステップS31:NO)、ステップS32へ進む。ステップS32では、Zacx≧ZacMとなってから初回の処理であるか否かを判定し、YESであればステップS33に進み、フィードバックゲインを大きくする側に変更する。このとき、例えば比例項ゲインがアップされる。フィードバックゲインを大きくすることで、仮に素子抵抗偏差が同じであっても、ヒータデューティ値が大きくなり、その分素子温度の上昇が見込まれる。なお、ここでの温度上昇は例えば20〜50℃程度であるとよい。
その後、ステップS18では、Zacxが、電解質抵抗の劣化許容値ZacHよりも小さいか否かを判定する。このとき、センサ素子20の劣化度合が所定レベル以下であるか否かが判定される。ZacxがZacHよりも小さければ(ステップS18:YES)、ステップS19へ進む。ステップS19では、その時のZacxを新たな目標値Zactgに設定する。
また、ステップS18がNOであればステップS21へ進み、目標値Zactgを劣化許容値ZacHに設定する。その後、ステップS20では、目標値Zactgの変更量に応じて限界電流域の印加電圧VPの補正を実行する。
図14は、センサ素子20の劣化度合に基づく目標値Zactgの設定を説明するための説明図である。図14では、上述の図11と同様、センサ素子20の初期状態での素子温度と素子抵抗値の対数値との相関を特性線L0で表し、その特性線L0が、センサ素子20の劣化に伴いL0→L1→L2→L3→L4へとシフトするものとしている。
図14において、センサ素子20の劣化に伴い、特性線がL0→L1→L2にシフトした後、さらに中間値ZacMを超えて特性線L3の状態になると、素子温度の想定温度がT0からT5に変更される。この場合、フィードバックゲインを変更することにより、素子温度をT5とした上で、素子抵抗フィードバック制御が継続される。そして、センサ素子20のさらなる劣化に応じて、すなわち特性線がL3→L4→…にシフトするのに応じて、目標値Zactgの更新が行われる。目標値Zactgは、ZacxがZacHに達するまで多段階で実施される。
以上本実施形態では、センサ素子20の劣化度合を判定する判定閾値として、中間値ZacMと劣化許容値ZacHとを用い、センサ素子20の劣化度合が中間値ZacMに達した際に、フィードバックゲインを大きくして素子温度の想定温度を上昇させるようにした。この場合、素子温度の上昇を制限しつつ、素子抵抗値を適正に制御することができる。したがって、上記同様、酸素濃度の検出精度を確保することができる。
本発明は上記実施形態に限らず、例えば次のように実施されてもよい。
・上記実施形態では、目標値Zactgを大きくする場合に、素子温度が一定となるようにして目標値Zactgを算出した。この点、素子温度の上昇が所定以内となるようにして、目標値Zactgを算出してもよい。例えば、素子温度の温度上昇と素子抵抗値の対数値とが所定の相関となるように、目標値Zactgを算出する構成であってもよい。図15には、かかる場合における目標値Zactgの推移を示す。
図15では、図11と同様にセンサ素子20の劣化度合に応じた特性線L0〜L4を示す。なお、図13では、上述の図11とは異なり、劣化の進行に伴い素子温度を所定以内で上昇させつつ、目標値Zactgを大きくする側に変更している。センサ素子20の初期状態では、Zac0を目標値Zactgとして、素子抵抗フィードバック制御が行われる。その後、特性線L1の状態になると、目標値Zactgを、特性線L1上であって、かつ素子温度が目標温度T0から所定温度上昇したT1xとなるZac1xに変更する。かかる場合、素子温度は、例えば一次関数からなる特性線LXに沿って変更され、T0からT1xに上昇する。また、特性線L2の状態になると、目標値Zactgを、特性線L2上であって、かつ素子温度がT1xから所定温度上昇したT2xとなるZac2xに変更する。かかる場合、素子温度はT1xからT2xに上昇する。その後、特性線L3の状態になると、目標値Zactgを劣化許容値であるZacHに変更する。これに伴って、素子温度はT2xからT3xに上昇する。そして、特性線L4の状態では、目標値ZactgをZacHに維持する。この構成によれば、センサ素子20の温度上昇を許容しつつも、従来の一定制御に比べて温度上昇の上昇幅を小さくすることができる。これにより、センサ素子20の温度上昇を抑制することができる。
・上記実施形態では、エンジン停止時に目標値Zactgの設定処理を実施する構成としたが、センサ素子20の劣化度合が判断できる状態であれば、特に限定されない。例えば、エンジン始動直後に本処理を実施する設定であってもよい。なお、この構成によれば、目標値Zactgを新たに設定した場合には、目標値Zactgはそのドライブサイクル時の素子抵抗フィードバック制御に直ちに用いられる。
・上記実施形態では、目標値Zactgを、素子抵抗値の対数値と素子温度との相関を用いることで算出した。この点、センサ素子20の劣化度合いに基づいて、目標値Zactgを算出できる構成であれば特に制限されない。目標値Zactgは、例えば、ヒータ29のデューティ値に応じて予め設定されたマップを用いて取得される。
・上記第2実施形態において、センサ素子20の劣化度合を判定する中間レベルを複数設定してもよい。この場合、センサ素子20の劣化度合が中間レベル1に達した時に、素子温度の上昇を見込んでフィードバックゲインを大きくするとともに、その後、センサ素子20の劣化度合が中間レベル2に達した時に、再び素子温度の上昇を見込んでフィードバックゲインを大きくするとよい。
・ガスセンサは、上記実施形態のA/Fセンサ10以外に、起電力セルとポンプセルとを備える、いわゆる2セル構造のガスセンサであってもよい。また、排気中のNOx濃度を検出するNOxセンサであってもよい。さらに、センサ素子20として、積層型構造のもの以外に、コップ型構造のものを用いることも可能である。
10…A/Fセンサ、20…センサ素子、21…固体電解質層、25,26…電極、29…ヒータ、40…マイコン。

Claims (8)

  1. 固体電解質層(21)と一対の電極(25,26)とを有する限界電流式のセンサ素子(20)と、前記センサ素子を加熱するヒータ(29)とを備えるガスセンサ(10)に適用され、
    前記一対の電極に電圧を印加した状態で、内燃機関の排気中の酸素濃度に応じた限界電流信号を出力する一方で、前記センサ素子の素子抵抗値と前記センサ素子の温度である素子温度との相関を用い、素子抵抗値を目標値にフィードバック制御することで、前記センサ素子における素子温度制御を実施するガスセンサ制御装置(40)であって、
    前記素子抵抗値に基づいて算出される前記センサ素子の劣化度合が所定レベル以下であることを判定する劣化判定部と、
    前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベル以下であると判定された場合に、前記目標値を、前記センサ素子の劣化度合に基づいて大きくする側に変更する目標設定部と、
    を備え、
    前記センサ素子では、前記限界電流信号の出力が可能な電圧域である限界電流域の高電圧側の境界電圧は、前記センサ素子の劣化によらず不変であり、前記限界電流域の低電圧側の境界電圧は、前記センサ素子の劣化に伴い高電圧側に変化し、前記センサ素子の劣化に伴い前記限界電流域の幅が縮小し、前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベル以下であることにより、前記限界電流域の幅が所定以上となり、
    前記目標設定部は、前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベル以下であると判定された場合に、前記目標値を、前記センサ素子の劣化度合に基づいて大きくする側に変更するガスセンサ制御装置。
  2. 前記目標設定部は、前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベルを超えたと判定された場合に、前記目標値を前記所定レベルに対応する所定の上限値に維持する請求項1に記載のガスセンサ制御装置。
  3. 前記目標設定部により前記目標値が前記上限値に維持された状態下で、前記センサ素子の劣化度合がさらに進行したことに基づいて、前記センサ素子が劣化限界に達している旨を判定する異常判定部を備える請求項2に記載のガスセンサ制御装置。
  4. 前記目標設定部は、前記目標値の変更に際し、前記素子抵抗値と前記素子温度との相関において、前記目標値を大きくしても前記素子温度が一定であるか、又は前記素子温度の上昇が所定以内であるようにして前記目標値を大きくする側に変更する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。
  5. 前記フィードバック制御を実施している状態での前記ヒータの通電量を取得する通電量取得部を備え、
    前記目標設定部は、前記目標値を一定にした状態下で前記通電量が所定値よりも大きくなる都度、前記目標値を、前記センサ素子の劣化度合に基づいて大きくする側に変更する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。
  6. 前記センサ素子の劣化度合が前記所定レベルよりも劣化度合の小さい所定の中間レベルに達したことを判定する第2判定部と、
    前記センサ素子の劣化度合が前記中間レベルに達したと判定された場合に、前記素子温度の想定温度を上昇させるべく前記フィードバック制御のゲインを大きくするゲイン変更部と、
    を備える請求項1乃至5のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。
  7. 前記一対の電極に対して所定周波数の交流電圧を印加することに伴い、前記素子抵抗値として、前記固体電解質層の抵抗値である電解質抵抗値を算出する抵抗算出部と、
    前記電解質抵抗値の対数値を、前記劣化度合として算出する劣化度合算出部と、
    を備え、
    前記目標設定部は、前記対数値と前記素子温度との相関に基づいて、前記目標値を設定する請求項1乃至6のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。
  8. 前記目標設定部により前記目標値を大きくする側に設定された場合に、前記目標値の変更量に応じて、前記センサ素子に印加する電圧を大きくする側に補正する電圧補正部を備える請求項1乃至7のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。
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