このタスクは、請求項1に係るシステムによって解決される。
したがって、本発明の目的は、システムであり、繰り返しの連続で1つのタイムスロットサイクルにつき複数のタイムスロットが通信のために設けられ、各タイムスロットに一義的なタイムスロット記号が付けられているタイムスロット通信方法を用いて、複数の無線タグと通信するための通信ステーションを含むシステムであって、上記通信ステーションは、目下のタイムスロットのためにそのタイムスロット記号を含む同期化データ信号を発信するように構成されており、無線タグは、ウェークアップ時刻に、スリープ状態からアクティブ状態に切り替え、アクティブ状態で、同期化データ信号を受信し、受信したタイムスロット記号が、無線タグに指定されたタイムスロットを表示する場合に、目下のタイムスロットサイクルの後続のタイムスロットサイクルに、指定されているタイムスロットの次の出現に対応する新ウェークアップ時刻を定義するように構成されている、システムである。
本発明に係る処置では、通信ステーションと無線タグとの同期状態ができるだけ簡単でそれにもかかわらず最も頑丈なやり方で、認識され、維持され、システムの運転中に保証される、という利点が同時に現れる。公知の処置と違って、ここでは、通信ステーションによって定義されたタイムスロット通信方法の時間走査と同期したままにするために、もはや、すべての無線タグが指定の時刻と同時にアクティブ状態にある必要はない。同様に、このデータの処理に関して、および、通信ステーションとの通信時のデータ総量についても、非常に費用のかかる、基準時刻からの時間的な誤差を通知するデータの受信および評価を省略できることがわかった。本発明によれば、通信ステーションとの通信に参加する各無線タグは、通知に対して指定されたタイムスロットを示すタイムスロット記号を介して通知をすることで足りる。それゆえ、無線タグのそれぞれは、通知に対して重要なタイムスロット記号の出現に個々に対応し、通知に対して重要なタイムスロット記号を確認し、その次のウェークアップ時刻を、それを用いて通信ステーションによって設定されたタイムスロット通信方法のタイミングで定義する。それによって、例えば各タイムスロットに対して個々のタイムスロット識別信号を用いて、タイムスロット記号が各タイムスロットを一義的に確認することで、完全に足りる。通信ステーションと無線タグの同期を取るために、同期データ信号にてコード化された、ならびに、公知の処置に関して説明された、さらなる情報は不要である。無線タグは、その無線タグによって予想される時刻にまたはその予想期間に、出現し、その無線タグに対して指定されるタイムスロットを示す、タイムスロット記号の識別状況によって、単独で、通信ステーションとの同期状態を確認する。
これまでに説明されたように無線タグがその同期状態を確認した後、無線タグが再度スリープ状態に切り替えると、次のウェークアップ時刻が自動的に、無線タグに知られている、タイムスロット通信方法の時間走査で知られるので、基本的に十分である。したがって、新しいウェークアップ時刻の定義は、無線タグの一つの例えば時間操作ステージ(例えばタイマー)が、すでに以前にスリープ状態からアクティブ状態への切り替えに利用するタイミングパラメータを用いて新しく開始されることによって、限定される。その後、無線タグは再度スリープ状態へ切り替え、そこで、時間操作によって作動し、再度、ウェークアップと、スリープ状態からアクティブ状態への切り替えとが、次のタイムスロットサイクルにおける新しいウェークアップ時刻に実行されるまでとどまる。しかし、無線タグは、スリープ状態でそれに対して指定されるタイムスロットの残りの間、強いてとどまる必要はなく、タイムスロットの間またはタイムスロットサイクルの間、アクティブ状態でさらなるタスクを処理することもできる。また、これまでに説明した時間操作は、他の活動から独立してバックグラウンドで動作する。新しいウェークアップ時刻の定義は、絶対的または相対的な時間タスクの指定によって実現され、例えば、同期化データ信号の出現の時刻に対して相対的に、または、アクティブ状態の後、その時刻までさらにスリープ状態をとるような時刻に対して相対的に、または、その時刻まで同期化データ信号の端が生じるような時刻に対して相対的である。しかし、新しいウェークアップ時刻の定義は、タイムスロット記号が受信される、アクティブ状態の後のそれに続くスリープ状態の期間、または、スリープ状態とアクティブ状態の期間の合計、または、いろいろなそのような状態の列の期間の合計が、新しいウェークアップ時刻を指定するように解釈することもできる。各無線タグはその固有の時間操作ステージを運転させ、また、各電子部品の動きの模範的なばらつきは排除されないので、新しいウェークアップ時刻の定義は、各無線タグに対し個々に存在する、その時間ベースのドリフトを含むこともできる。この目的のために、例えば、無線タグでは、各無線タグに対して指定されるタイムスロットを示すタイムスロット記号を有する同期化データ信号の予想される出現と実際の出現との時間差が測定され、訂正のための時間操作ステージによって出現のタイミングが評価される。しかし、補償は、確認された同期状態のときのみ使用される。しかし、予想されるタイムスロット記号の位置で、他のタイムスロット記号が受信されたら、同期状態は存在せず、無線タグは、続いてさらに取り上げられる新しい同期を行わなければならない。
タイムスロット通信方法時には、例えばn秒以内、例えば15秒に、m個のタイムスロット、例えば255個のタイムスロットが使用される。それゆえ、このタイムスロット通信方法では、一つの通信に対して一つのタイムスロットサイクル以内のm個のタイムスロットが、無線タグを用いて使用される。無線タグのそれぞれは、タイムスロットの一つに分類されることができ、ここで、より多くの無線タグを、指定されたタイムスロットに分類することもできる。
基本的に、一つの無線タグは、トランシーバーとも呼ばれる一つの無線通信ステージ、および、それと共同する論理ステージを有する。論理ステージは、例えば、完全にハードウェアによって実現されることができ、または、一つのマイクロプロセッサおよび保存素子または集積された保存素子を有する一つのマイクロコントローラによって実現されることができ、その保存素子では、保存されたソフトウェアが動作可能である。一つのタグは、その無線通信ステージを用いて無線信号を受信でき、この無線信号に含まれる受信データを論理ステージを用いて処理でき、および場合によっては論理ステージを用いて返信データを生成でき、また、これは、無線通信ステージを介して再度無線信号として発せられる。無線通信ステージは、無線通信のための手段とアナログ信号をデジタル信号にまたは逆に変換するための手段を有する。
このような無線タグは、そのエネルギー供給のために、エネルギー保存素子、例えばバッテリーまたは、充電可能なバッテリーと結合されたソーラーパネルを有することができる。最大のエネルギー効率で稼働するために、無線タグは、いくつかの運転状態を有する。一つの無線タグは、アクティブ状態のときに比較的高いエネルギー消費を有する。アクティブ状態は、データの送受信時、表示のアップデート、バッテリー電圧測定時などに存在する。それに対して、スリープ状態では、エネルギー消費が比較的低い。好ましくは、電流供給を切断するまたは暗くするまたは少なくとも、できるだけわずかなエネルギー必要量のモードで、できるだけ多くの電子部品が運転される。アクティブ状態は、主として、無線タグのために指定された、通信ステーションとの通信のためのタイムスロットを有する。アクティブ状態では、コマンドや場合によっては通信ステーションからの受信データを受信するために、および、論理ステージを用いて処理するために、無線タグは、例えば受信準備を有する。アクティブ状態では、また、論理ステージを用いて、送信データを生成し、通信ステーションと通信することができる。無線タグのために指定されたタイムスロットの外部では、無線タグは主として、エネルギーを節約するスリープ状態で運転される。スリープ状態では、論理ステージまたは時間操作ステージは、ちょうどよい時のウェークアップのためのタイミングのために必要な活動のみを行い、それによって、無線タグは、同期化データ信号の受信のために、および/または、通信ステーションとの通信のために、その無線タグのために指定された次のタイムスロットの準備ができている。高エネルギー効率で動作するために、および、それによって無線タグのできるだけ長い寿命を達成するために、同期した無線タグをできるだけ長くスリープ状態に保ち、できるだけ短いアクティブ状態の期間での通信ステーションとのデータ伝送のために絶対に必要な場合にだけ運転する、という基本的な運転戦略がある。
通信ステーションは、サーバ機能を持った自律的な装置としてあることができる。好ましくは、通信ステーションは、例えば情報処理装置(例えばサーバ)とケーブル接続された通信と、無線タグを用いたケーブルのない無線に基づいた通信との間の切断部位を結合する。
通信ステーションとの通信を自由に使えるようにするために、まず、無線タグは、通信ステーションによって登録、または、分類される。
さらに、本発明の特に好ましい形態およびさらなる構成は、従属請求項ならびに以下の記載によって明らかになる。
本発明に係る処置を用いて、通信ステーションと無線タグとの間の同期状態を簡単な方法で保障できるだけではなく、非同期状態に入っている無線タグは、問題なく、再度、タイムスロット通信方法の時間的な図式に戻し、それゆえ、再度同期させることができる。この目的のために、このような非同期の無線タグは、これが同期状態にあるのが実情である場合のような定期的切り替えはせず、例えば任意の時刻にそのスリープ状態から一度そのアクティブ状態に切り替えし、受信準備でアクティブ状態にとどまる。例えばタイムスロット期間のような指定された期間で、何も受信されなければ、再度スリープ状態にとどまり、他の時刻まで受信の試みを繰り返す。同期化データ信号を受信したらすぐに、タイムスロット記号を活用する。それによって、受信したタイムスロット記号は、最も高い可能性で、指定されないタイムスロットを表示し、これは、無線タグによって自律的に確認される。無線タグは、タイムスロット記号の出現の体系を知っており、受信したタイムスロット記号の評価にならって、存在しているタイムスロットサイクルでも(第1回)、それとも、その次のタイムスロットサイクルで初めて(第2回)、指定されるタイムスロットを見込むことができるかを、自主的に決定する。最初の場合、無線タグは、現在存在するタイムスロットサイクルにおいて、それに対して指定される、対応する新しいウェークアップ時刻のタイムスロットの次の出現までの1つを定義するように構成される。無線タグは、受信したタイムスロット記号の評価によって、また、タイムスロット記号の出現の体系の知識により、指定されるタイムスロットがまだ、現在存在するタイムスロットサイクルに出現するであろうことを確認する。2回目の場合、無線タグは、現在存在するタイムスロットサイクルに続くタイムスロットサイクルにおいて、それに対して指定される、対応する新しいウェークアップ時刻のタイムスロットの次の出現までの1つを定義するように構成される。無線タグは、受信したタイムスロット記号の評価によって、また、タイムスロット記号の出現の体系の知識によって、このタイムスロットサイクルではこれはすでに過去に出現しているので指定されるタイムスロットが現在存在するタイムスロットサイクルにもはや出現しないであろうことを確認する。冒頭で同期状態について説明したように、この新しいウェークアップ時刻の定義の技術についても、上述の時間操作が使用され、ここで、その時間操作は、タイミングパラメータで運転され、そのパラメータで、同期状態への望ましい開始が達成される。選択されるべきタイミングパラメータは、無線タグに対し、次のタイムスロット通信方法の使用のための固有の知識に由来しており、それゆえ、パラメータは、論理ステージによって指定される。
各無線タグに対して正しいウェークアップ時刻の定義は、無線タグによって、タイムスロット通信方法のパラメータの知識に基づいて行われる。このパラメータは、通信ステーションのその登録時に、無線タグによって調べられる、あるいはそこに伝送されることができ、または、すでに前もって無線タグにプログラムされていることができる。どちらの場合にも、無線タグが、タイムスロット通信方法のパラメータの保存のための保存ステージを有し、かつ、新しいウェークアップ時刻の定義のためのこのパラメータへのアクセスおよび評価するように無線タグが構成されていれば、目的にかなう。このパラメータは、タイムスロット通信方法のタイミングのすべての詳細を提示することができ、それは例えば、通信ステーションと無線タグとの間の通信に対する時間経過に関係するパラメータ、あらかじめ定義された時刻または時間区間に関係するパラメータ、タイムスロット通信方法の基本構造に関係するパラメータ、例えば、タイムスロットの総数、タイムスロットの期間、タイムスロットサイクルの期間、または、単独のタイムスロットの確認のための詳細に述べたタイムスロット記号またはそのタイムスロット記号の算定のためのアルゴリズムに関係するパラメータである。このパラメータを用いて、非同期の無線タグは、たった今受信したタイムスロット記号に基づいて、指定されるタイムスロットがまだ、現在存在するタイムスロットサイクルの内部に予想されうるかどうか、または、指定されるタイムスロットがすでに過去であることがわかっていてそれゆえ次の指定されるタイムスロットが次のタイムスロットサイクルに出現するであろうかどうかを、自律的かつ自動的に容易に明らかにすることができる。関係する無線タグは、アクティブ状態において新しいウェークアップ時刻を算定し、スリープ状態に切り替え、算定されたウェークアップ時刻にアクティブ状態に切り替え、指定されるタイムスロットのタイムスロット記号を受信し、その後再度同期状態になる。存在するタイムスロットにてそこからのさらなる活動が予想されない限り、指定されるタイムスロットで同期化データ信号を受信するために、無線タグは、まず、再度、次のタイムスロットサイクルにて、アクティブ状態に切り替える。
本発明のさらなる態様によれば、無線タグは、指定されるタイムスロットを示すタイムスロット記号の提示の保存のための保存ステージを有する。
両方の保存ステージ(パラメータの保存のための保存ステージおよび提示の保存のための保存ステージ)は、単独の保存チップによってまたは異なる保存チップによって実現することができる。両方の保存ステージは、異なる保存領域上のこの保存チップに組み込むことができ、また、異なるアクセス権に従うことができる。しかし、両方の保存ステージは、安全技術上の考慮に基づいて、異なる保存素子で実現することもできる。
無線タグを一義的に確認する無線タグのハードウェアアドレスを用いてタイムスロット記号の提示を構成し、第2の保存ステージにて不変化なようにプログラムすれば有利であることが明らかである。それによって、無線タグの好ましくない偽りの操作が確実に回避される。各無線タグは一つの一義的なハードウェアアドレスを有するので、一つのタイムスロットに対し、厳密で干渉しにくい図式に従う分類を作り出すことができる。
特に好ましくは、上述したタイムスロット記号の提示は、ハードウェアアドレスの最下位ビットまたは最下位バイトによって実現され、ここで、使用されるビットのこのグループを用いて、少なくとも、タイムスロットサイクルに存在するタイムスロットの総数をコピー可能であるようにする必要がある。したがって、例えば256個のタイムスロットのときには、ハードウェアアドレスの、最下位の8ビットまたは最下位の1バイトのみが、また、128個のタイムスロットの場合は、最下位の7ビットのみが、必要である。これに関連して述べると、タイムスロットの総数が2の累乗に対応すれば有利である。
タイムスロット記号の提示またはタイムスロット記号自体も、上述のハードウェアアドレスとプログラムされた他の数値から構成されることができる。
無線タグは、それに知られた、同期化データ信号の受信時に存在するタイムスロット記号が、それぞれと一致するかどうかを確認するように構成されている。確認は、例えば、アルゴリズムを記述するソフトウェアの作動時に無線タグのプロセッサに確認結果を供給するアルゴリズムを用いて行える。アルゴリズムは、例えば、受信タイムスロット記号から、無線タグに知られた提示へ換算することができ、それから比較を行うことができる。しかし、無線タグは、無線タグに知られた提示から、予想されるタイムスロット記号へ、逆に出て行く方向に換算することもでき、それから、受信されたタイムスロット記号を、予想されるタイムスロット記号と比較することもできる。しかし、これが簡単な登録比較によってプロセッサレベルまで非常に迅速に、かつ、比較的低いエネルギー必要量であるので、2つのまたは2値のコード化された記号間の比較を簡単に行えば有利である。
基本的に、各タイムスロットに対し、前もってシステムに定義されて一義的な、使用のための確認を行うことができる。しかし、通信ステーションが、タイムスロットサイクルにおけるタイムスロットの順番での出現に応じて、各タイムスロットの連続する番号(「スロットID」とも)としてタイムスロット記号を生成するように構成されることが特に好ましい。それゆえ、各タイムスロットサイクルにおいて、番号1が第1のタイムスロットに分類され、番号2が第2のタイムスロットに分類され、などのようになる。無線タグに対する通信ステーションからのデータ伝送においても最小のデータ通行が提供されることによって、費用のかかるアルゴリズムを回避して、できるだけ簡単な方法でタイムスロット記号を生成することができる。同期のために用いられる一つのデータパケットだけを発信すればよい。したがって、全体の、タイムスロットあたりまたはタイムスロットサイクルあたりの、使用のためにあるタイムスロット記号の伝送のデータ量もまた、ほとんど影響を受けない。したがって、同期に必要なタイムスロットあたりまたはタイムスロットサイクルあたりのデータパケットの総数が、できるだけ小さくなるので、チャンネル登録が最適化される。タイムスロットサイクルに起こるタイムスロットの総量は、タイムスロットの各数の生成に必要で、同期に必要なデータパケットを作る、最終的にビットの総量を決定する。各ビットが2つの状態を示すので、タイムスロットサイクルあたりのタイムスロットの総数が2の累乗であれば有利である。したがって、タイムスロット記号の受信のための時間期間もそれに応じて短くすることができ、無線タグのエネルギー収支に有利に働く。そのとき特に、無線タグに知られたタイムスロット記号の提示としてのハードウェアアドレスの部分が、無線タグの側で使用されれば、受信されたタイムスロット記号と保存されるタイムスロット記号との一致の確認も迅速かつ簡単に行える。無線タグは、タイムスロットの数に基づいてできるだけ簡単な方法で、通信ステーションと、またはそれによって定義されたタイムスロット通信方法の時間走査と、同期する。
基本的に、同期化データ信号は、もっぱら、タイムスロット記号を介して構成されることができ、例えば、タグのアドレス処理のためのアドレスデータまたは同期化データ信号からのコマンドの送信のためのコマンドデータのような、通信ステーションと無線タグとの間の通信のために必要なさらなる通信パラメータは、除外することができる。これまでに説明したように、タイムスロット記号は、システムにおいて通信の同期のためのきわめてコンパクトな指標であるので、タイムスロット記号に加えて、同期化データ信号にさらなる情報を埋め込むことが考えられ、これについては後で取り上げる。
それゆえ、本発明のさらなる態様によれば、通信ステーションが同期化データ信号でのアドレスデータを埋め込むように構成され、それを用いて、前述の無線タグに対して指定されるタイムスロットあたりの複数の無線タグが個々にアドレスされ、また、受信されるタイムスロット記号がその指定されるタイムスロットを通知すれば、無線タグは、含まれるアドレスデータに関して同期化データ信号を評価するように、および、無線タグが個々にアドレスされるかどうかを確認するように、構成される。
タイムスロット記号と関連した無線タグのハードウェアアドレスの使用と同様に、通信ステーションが、特に、最下位ビットまたは最下位バイトを省略して、無線タグを一義的に確認する無線タグのハードウェアアドレスの一つまたは複数のビットまたはバイトを使用して、アドレスデータを生成するように構成するのも有利である。それゆえ、存在するシステムでは、各無線タグの一義的なアドレス処理のための無線タグのハードウェアアドレスが利用される。一方では、無線タグのためのどのタイムスロットが指定されるかが、最下位ビットまたは最下位バイトにて定義される。したがって、このタイムスロットを同期して保持するために、また、このタイムスロットにて個々にアドレス可能であるようにするために、比較的多数の複数の無線タグが、ただ一つのタイムスロットに、正確に分類される。ここで、この無線タグの個々のハードウェアアドレスのさらなるビットまたはバイトを用いて、特別な無線タグの個々のアドレス処理が行われる。そのうえ、タイムスロット記号を受信するためにちょうどアクティブ状態にある関係する無線タグが、その間にスリープ状態に切り替える必要はなく、アドレスデータが存在するかどうかの確認のために、存在するタイムスロットにおいて、より遅い時刻に再度アクティブ状態に切り替える必要があるので、この処置は、システム効率のための著しい貢献を示す。より正確に言えば、アクティブ状態のこの相対的に短い位相において同期化データ信号を同時に聞き取ろうとするすべての無線タグに対して、無線タグがアドレスされるかどうかが明白になる。
アドレスデータの埋め込みについて述べたのと同様に、通信ステーションが、同期化データ信号にコマンドデータを埋め込むように構成されると、システム効率のためにさらなる著しい貢献があり、それを用いて前述の無線タグのために指定されたタイムスロットの無線タグにてコマンドが送信可能であり、また、無線タグは、受信されるタイムスロット記号がその指定されるタイムスロットを通知すると、含まれるコマンドデータに関して同期化データ信号を評価するように、また、コマンドを実行するように、構成される。したがって、例えば、個々にアドレスせずに、相対的に大きい無線タグのグループによって実行される、指定されたタイムスロットに埋め込まれるすべての無線タグにコマンドを送信することができる。
基本的に、無線タグはすでに、明確なコマンドの受信を要せずに、個々のアドレス処理の識別によって、標準化された(あらかじめ定義された)タスクを実行することもできる。しかし、個々の無線タグをアドレスするためのアドレスデータおよびこの個々の無線タグにてコマンド送信のためのコマンドデータが送信されて、無線タグがコマンドデータを評価するようにおよびコマンドを実行するように構成されて、アドレスデータを用いて無線タグが個々にアドレスされると、特に好ましいことがわかる。したがって、ときとして相対的に大きい無線タグのグループにおいて、個々の無線タグに対するコマンドが送信される。
システムのさらなる態様によれば、無線タグが、単タイムスロットコマンドとしてのコマンドを実行するように、および、コマンドが受信されたただ一つのタイムスロットの内部で実行されたコマンドを終了させるように、構成されていることが有利である。これは、通信ステーションを介して無線タグに申し出られるような依頼の、迅速でコンパクトな取り扱いを可能にする。このような単タイムスロットコマンドは、例えば、いわゆる「PING」コマンドとすることができ、それを用いて、指定されるタイムスロットが存在するかどうか、または、例えば、ある保存ページまたはサイトから、他の保存ページまたはサイトへの切り替えのための切り替えコマンドのような、引き起こす外部へのデータ通行をできるだけ少なくするような内部処理コマンドが存在するかどうか、だけが確認される。保存ページは、保存素子における、例えば一つの画像等に対するデータを配置するまたは保存する、論理領域(一つのアドレス領域)である。単タイムスロットコマンドを用いて、無線タグによる処理のためのデータ(例えば、ディスプレイを用いて表示を行うなどのデータ)を無線タグに伝送するのではなく、場合によっては、データの内部処理を行うコマンド、または、通信ステーションに情報を伝送するように無線タグに指示するコマンドだけを伝送する。
これと関連して、実行されたコマンドの終了時に、コマンドが受信される各タイムスロットにおいて、確認データを生成するように、および、確認データを送信するように、無線タグが構成されることが有利である。したがって、さらに、その確認によって発生するデータ通行が、コマンドが送信される各タイムスロットに限定されたままである。次のタイムスロットは、データに従って無負荷のままであり、これは、システム能力に有利に働く。
さらに、無線タグは、タイムスロットの第1の部分(例えば2分の1のうちの1番目または3分の1のうちの1番目)の確認データを送信するように構成されることができ、この第1の部分は、同期化データ信号において時間的に次に位置して次のタイムスロットの同期化データ信号の出現の前の、それに引き続くタイムスロットの第2の部分に触れない。この構造的または時間的なタイムスロットの2分割は、確認データがしばしば、短い伝送だけを必要とすること、およびそれゆえ、さらなるデータ通行のための、関係するタイムスロットの残る部分すなわち第2の部分(例えば2分の1のうちの2番目または3分の1のうちの2番目および3番目)が、邪魔されずに使用される、という状況を顧慮する。
タイムスロットのそれぞれの部分の期間は、不変に設定された数値で定義されていなくてもよく、動的な方法で、タイムスロットのそれぞれの構成または使用から由来ことが可能であることが、ここに全般的に述べられる。
システムにおいては、例えば15秒のタイムスロットサイクルの間に256個のタイムスロットで、58.6ミリ秒ずつ存在し、タイムスロットあたり2ないし5個の問題ない無線タグを個々にアドレスすることができ、単タイムスロットコマンドでの個々のタスクをそれに委任することができる。タイムスロットあたりいくつかの無線タグに依頼を課して、また、したがって、存在するタイムスロットにおいてこのすべての無線タグに前述の確認データを連絡することが予想されるならば、各無線タグが一つの配列原則に従うのが有利である。この目的のために、無線タグは、自分のアドレス以外に、アドレスデータを用いていくつかの無線タグをアドレスすると、他のアドレスされる無線タグのものも評価するように、また、確認されたアドレスによって確定された、アドレスされた無線タグのグループの順番に対応する時刻に、確認データの送信のために指定されている期間の内部の確認データを送信するように、構成されている。タスクの依頼者としての通信ステーションは、アドレスされる無線タグを知っているので、確認データの送信には、最小限のデータ通行だけが必要であり、これは、配列原則を含んだ通信ステーションが、どの順番でしたがってさらにどの時刻にまでまたはどの時間期間の間、含まれる確認データのどれを送信するかを正確に知っているからである。
また、無線タグは、そのデータ量伝送にタイムスロットの期間が足りないような、通信ステーションと無線タグとの間のより大きなデータ量を送信するために、いくつかのタイムスロットにわたるマルチタイムスロットコマンドとしてコマンドを実行するように構成されている。このようなコマンドの処理は、相並んで隣接するタイムスロットにて、または、間接的に隣接するタイムスロットにて生じうる。したがって、例えばコマンドの成分は、使用されるタイムスロットの総数や、使用されるタイムスロットの確認や、タイムスロットグループとすることができる。使用されるタイムスロットは、タイムスロットサイクルにおいて限定されることもできるが、また、いくつかのタイムスロットサイクルに飛び移りながら位置することもできる。このようなマルチタイムスロットコマンドは、無線タグの視点から、例えば、通信ステーションからのより大きなデータ量のダウンロードや、通信ステーションへのこのようなデータ量のアップロードに関係する。単タイムスロットコマンドと同様に、マルチタイムスロットコマンドによっても、無線タグによる処理のためのデータ(例えば、ディスプレイを用いて表示を行うなどのデータ)を無線タグに伝送するのではなく、場合によっては、データの内部処理を指示するコマンド、および/または、より遅い時刻にデータを受信またはデータを送信するように無線タグに指示するコマンドだけを伝送する。マルチタイムスロットコマンドの受信の後、無線タグは、自律的に時間操作して、データ伝送が行われる時刻にアクティブ状態へ切り替えするために、再度、エネルギーを節約するスリープ状態に切り替えることができる。ここで、データ伝送の枠において、新たなコマンド通信、特に、無線タグの新たなアドレス処理は不要であり、これは、通信ステーションがすでにまえもって、マルチタイムスロットコマンドの送信によって、無線タグまでのデータ伝送の体系を定義したからである。それゆえ、例えばディスプレイを有する無線タグでは、通知すべきデータを受信するための無線タグのアドレス処理の時刻が、通知すべきデータの実際の伝送時刻から、完全に時間的に切り離される。通知すべきデータの伝送は、その時刻に、現在のまたは他のタイムスロットにおいて開始することができる。通知すべきデータの伝送は、タイムスロットサイクルの、異なるタイムスロットにわたって延長でき、また、いくつかのタイムスロットサイクルにわたって延長できる。
マルチタイムスロットコマンドが、通信ステーションから無線タグへのデータ伝送に該当する場合、通信ステーションが、いくつかのタイムスロットに分配される全体のデータを伝送するように構成されていれば有利であり、ここで、タイムスロットあたり、全体のデータの一部分としての一つまたはいくつかのデータパケットが伝送され、各タイムスロットから、タイムスロットの第1の部分に隣接した第2のタイムスロット部分がデータ伝送に利用される。ある事例では、単タイムスロットコマンドに対する説明と同様に、他の活動のためのタイムスロットの他のすなわち第1の部分に触れないようにするために、タイムスロットの第2の部分(例えば2分の1のうちの2番目)だけが利用される。同じことは、必要な変更を加えて、無線タグから通信ステーションへのデータ伝送に対しても有効である。
マルチタイムスロットコマンドの処理に必要なタイムスロットシリーズにおいて各タイムスロットにおいて部分タスクの処理が行われることを、通信パートナーに通知するために、無線タグが、マルチタイムスロットコマンドが実行される各タイムスロットで部分確認データを生成および送信するように構成されていれば有利である。
本システムの特に好ましい構成において、無線タグは、受信されるデータパケットに引き続いていて各タイムスロットの端の前の、前述の第2の部分において、部分確認データを送信するように構成されている。したがって、マルチタイムスロットコマンドによって発生する全体のデータ通行は、タイムスロットの第2の部分に統合されている。
システムに含まれる無線タグの構成に対応して、さらに、通信ステーションは、そのために指定された受信期間において確認データを受信および処理するように構成されている。それゆえ、各タイムスロットの第1の部分に対応する期間において、単タイムスロットコマンドのための確認データが受信され、各タイムスロットの第2の部分に対応する期間において、マルチタイムスロットコマンドのための確認データが受信される。
本システムの好ましい一形態では、上述して説明されたコマンド処理方法が組み合わせられており、したがって、通信ステーションは、第1無線タグが行うマルチタイムスロットコマンドの処理に指定されたタイムスロットのために第2無線タグを、アドレスデータを用いてアドレスし、コマンドデータを用いて単タイムスロットコマンドを第2無線タグに伝送するように構成されている。このことは、通信ステーションと第1無線タグとの間のより大きいデータ量の伝送に加えて、通信装置との通信に小さいデータ量しか発生させない活動またはタスクを第2無線タグに割り当てることを可能にする。この場合に、各無線タグとのデータ通信はそれぞれのタイムスロットの様々な部分において処理される。
本システムのさらなる一局面によれば、通信ステーションは、無線タグをその無線タグに指定されたタイムスロットに、コマンドを用いて、無線タグの通常の指定されたタイムスロットに対応しないさらなるウェークアップ時刻について命令するように構成されており、これにより、この無線タグは、タイムスロット通信方法の中の、無線タグの通常のタイムスロットと違うタイムスロットに、通信ステーションとのデータ伝送に使用できるようになっている。これに補足的に、無線タグはこのコマンドを処理し、通信ステーションによって強制されたウェークアップ時刻にアクティブ状態に切り替えるように構成されている。この処置は、指定された無線タグとの通信が通信ステーションに(最も)高い優先度で推し進められている場合に重要である。次に該当する無線タグは、通常にはその無線タグに指定されていないタイムスロットを示すタイムスロット記号を用いて自ら同期化する。通常でないタイムスロットにもらったタスクの処理後に該当する無線タグは、再びその無線タグの通常のタイムスロットに順応し、再び自ら同期化した後に同期化した状態で通信ステーションとの通信のための準備ができている。
通信ステーションを独立して探すことを可能にするために、無線タグは、タイムサイクルの期間に相当する、特に、その期間に一部で延長された期間に、同期化データ信号を受信できるかを複数回確認し、同期化データ信号が来なければ無線チャンネルを切り替えた上で受信確認を再び実行するように構成されている。各通信ステーションは、異なる無線チャンネルを占めているので、検索するタグに関して同期化データ信号が存在しないことの結果は、該当する無線チャンネルのための通信ステー所がないか、または、そのような通信ステーションが無線タグの範囲の外にあり、したがって、他の通信ステーションは探さなければならない。この方法は、通信ステーションとの通信の方法が見つけられてそのステーションに無線タグが登録されてシステム内に使用可能になるまで続けられうる。
無線タグが同期化データ信号の検索を予めして設定された無線チャンネルのグループに限定することで上記検索は平易化でき、その無線チャンネルは、特に、無線タグが通信ステーションに接続していた時にそのステーションが前もって伝送したものである。この処置は、新たにシステムに統合した無線タグには合理的であり、また、移動されて、移動の結果として通信ステーションとの通信上の接続が切られた、既に統合された無線タグにはとりわけ合理的である。既知の無線チャンネルの限定は省エネルギーの方法であり、さらに、主に他の機械、例えば、在来のWLAN(Wireless Local Area Network、drahtloses lokales Netzwerk)に取られている無線チャンネルの衝突を防ぐことに役立つ。
通信ステーションは、運転開始時にすべての使用できる、特にその通信ステーションの運転のために前以てプログラムに組み入れられた無線チャンネルを、それぞれの無線チャンネルが他の通信ステーションに使われているかまたはその無線チャンネルが使われていないかに関して確認し、このような使用されていない無線チャンネルがあればこの無線チャンネルを通信ステーションに割り当てられたまたは割り当てなければならない無線タグとの通信に使うように構成されていることは、既存のシステムに新しい通信ステーションをできるだけ簡単かつ自動的に取付けるのに有利な点である。既に示されている無線チャンネルは、他の通信装置の同期化データ信号がその無線チャンネルに現れることで分かる。
本発明のシステムは、例えば、空間的に様々な場所にあって複数の通信ステーションを含むことができ、各通信ステーションは、無線タグのグループが通信ステーションに割り当てられている無線チャンネルの選択で指定できる。よって、簡単かつ頑丈な方法で無線タグのグループをシステムにおいて管理することは可能であり、無線タグの各グループには、同じタイムスロット通信方法が、グループによって異なっているチャンネルで使用される。
本システムの好ましい一形態では、無線タグには画像を示すための表示ユニットがあり、その画像は、画像平面から構造され、各画像平面は画像平面データにより表されており、無線タグが画像平面データの個別的な受信と、画像平面を重ねることにより画像を組み合わせるために構成されており、通信ステーションは、タイムスロットを用いて無線タグと通信する間に各画像平面データを伝送するために構成されている。この処置に伴う有利な点は、変更が生じる画像平面のみを選別的に通信ステーションから無線タグに伝送すればよいことである。伝送しなければならないデータ量は、全画像内容の場合に伝送しなければならないデータ量に比べて比較的小さいので、上記処置はシステム効率およびエネルギー効率に相当に貢献する。さらに、伝送しなければならない各画像平面の画像データの圧縮は最適化でき、したがって、伝送しなければならデータ量を最小限にすることが可能である。このことは、伝送しなければなら画像平面に、通常、非常に高い圧縮率が達成される大きい“白い”または“透明の”部分があるので可能である。よって、画像の更新を行うために伝送しなければならないデータ量が最小限に減少されるので、この処置は、無線タグのエネルギー必要量またはエネルギー消費ができるだけ少ない活動を通じて低く維持されることで、無線タグの寿命に非常に有利に影響する。
この状況では、無線タグは、画像の少なくとも1つの新しい画像平面の受信と、画像の既存の画像平面をちょうどその時に受信したばかり画像平面に取り替えることとで既存の画像を変更するために構成されうる。この場合には、上述したコマンドが使用きる。このようにして、例えば、該当する画像平面の画像データは無線タグの中の新しいメモリページに保存される、画像平面の画像データのダウンロードは通信ステーションから無線タグまでマルチタイムスロットコマンドを用いて処理されうる。ダウンロードが完成した後には、その他の画像平面と画像を組合せるのに上記画像平面を使うために、以前に画像の上記画像平面の作成に使用された他のメモリページから新しいメモリページに単タイムスロットコマンドで切り替えられうる。
好ましい一実施形態によれば、無線タグは、画像平面が次の意味を持っている画像の処理のために構成されている:画像内容の変更の第1または第2頻度;画像内容の第1または第2色;画像内容の第1または第2情報カテゴリ。したがって、システムの各使用分野に適した実装を実現でき、ここに、平面の意味の組合せも可能である。また、画像平面は2つより多い、例えば、3つ、4つまたは5つの画像平面が可能である。
このような好ましい一実施形態によれば、本システムは電子価格表示システムを実現し、無線タグの表示ユニットは商品情報または価格情報などの表示のために用いられうる。
表示ユニットが使われている各場合に、その表示ユニットは、例えば、LCD技術、好ましくは電子インク技術(電子紙の同義語としたE−Inkとも称される)をも用いて、実現することが可能である。
本システムのさらなる一局面によれば、無線タグは、スリープ状態からアクティブ状態への切り替えを、同期化データ信号の出現前のリードタイムを持っているウェークアップ時刻に実施するように構成されている。この処置は、無線タグの全体が、言い換えれば同期化データ信号の受信および処理に必要なその無線タグのすべての部材が、完全に運転可能になっていることと、したがって有意に評価できない可能性が高い同期化データ信号の部分的受信が避けられることとを確実なものにする。
この場合には、リードタイムの期間は、タイムスロットのタイムスロット期間の第1小部分となるように選択できる。リードタイムは、例えば、タイムスロットの期間の0.1%と10%との間にあってよい。
本システムのさらなる一局面によれば、無線タグは、同期化データ信号の送信期間より長い受信期間の間にアクティブ状態に入っているように構成されている。この処置に伴う有利な点は、同期化データ信号の全体が確実に受信可能であることが保証されていることである。目下に使用しなければならない受信期間は各受信方法に関して同期化した状態に固定したように設定できる。しかし、同期化データ信号の出現に基づいて確認された無線タグのタイムベースのドリフトを基にして、アクティブ状態の期間は、場合によって上述したリードタイムを含めて、動的にそれぞれのドリフトに合わせることも可能である。受信期間は、同期化データ信号の消失の検出によって限定されることも可能である。
最適化した受信条件を保証するために、このようなシステムにおいて無線タグは、同期化データ信号の受信のために入ったアクティブ状態を、同期化データ信号の受信後の追従期間を含めて維持するように構成されていることも可能である。この追従期間は、例えば、アクティブ状態の予め決められた期間に定義されているか、または、目下のドリフト状態または受信状態に応じて場合によって動的に合わせられうる。
この場合には、追従期間の期間は追従期間がタイムスロットの期間の第2小部分となるように選択できる。追従期間の期間は、例えば、タイムスロットの期間の0.1%と10%との間にあってよい。追従期間の期間は、リードタイムの期間と一致するかまたは異なっていてもよい。
通信ステーションは各タイムスロットの始まりに同期化データ信号を送信するように構成されていることはとりわけ有利であることが判明した。この処置は、無線タグに関してタイムスロットの始まりが非常に正確に確認できるようになっていることと、無線タグの内部タイムベースのドリフトの補正がもはやタイムスロットの始まりに行われることが可能であることと、よって、無線タグのすべてのさらなるタスクがそれぞれのタイムスロットの間に通信ステーションのタイムベースに対してできるだけ好適な同期化をして進行できることと、タイムスロットの残った全長が上記さらなるタスクに使用可能であるようになっていることとを確実なものとする。
通信ステーションは、無線タグの確認データが予期されている確認時刻をタイムスロットの間に設定できるようにすることに用いられる確認期間データを同期化データ信号に埋め込むように構成されていることと、無線タグは確認データを指定された時刻に送信するように構成されていることとは、通信ステーションと無線タグとの間にできるだけ系統的かつ柔軟な通信方法に関して有利であることを判明した。このことは、1つのタイムスロットに複数の無線タグがアドレスされた上に、各無線タグに個別的な確認時刻が伝えらえられる場合に特に有利である。そうして、各無線タグは、例えば、同期化データ信号の受信後にコマンドを実行でき、省エネルギーのスリープ状態に切り替え、無線タグに関して個別的に決められた確認時刻になって初めて再びアクティブ状態に切り替え、無線タグの確認データを送信し、次にできるだけ早く再びスリープ状態に切り替えることができる。よって、同期化データ信号において行われた確認時刻の決定は、無線タグのエネルギー効率を向上する処置と、衝突の回避のための処置であり、したがって、無線タグの寿命に持続的影響を及ぼす。確認事項データは、絶対的時刻をタイムスロットの始まりから測ってそのタイムスロットにおける絶対的時刻か、または、例えば以前のイベントに関してスリープ状態の滞留期間を示すことができ、その以前のイベントは、例えば、無線タグの場合に確認できる同期化データ信号の終了またはアクティブ状態の終りである。
本発明のさらなる一局面は、複数の通信ステーションに対する複数の無線タグの割り当てに関する。無線タグと通信ステーションとの割り当てに関して可能限りバランスの取れた分布を得るためには、データ処理装置、例えば、サーバは、どの無線タグがどの通信ステーションに接続してよいかについて決定するように構成されていることが有利であることが判明した。この決定の根拠は、システムにおける接続の既存の分布であってよく、この分布は、新たに加わる無線タグの観点から最適化しなければならない。しかし、前以て定義して実現された、固定して設定した接続パターンがあってもよい。
データ処理装置、例えば、サーバが、通信ステーションとの既存の接続を終え他の通信ステーションに接続することを無線タグにさせるように構成されていることは、できるだけダイナミックなシステムを可能にするために有利となりうる。この場合に、上記サーバは、無線タグの不均衡な分布に反応し、最適化した負荷平衡(load balancing)の実現のために無線タグと通信ステーションの割り当てに積極的影響を及ぼして割り当てを変更することができる。
本発明のこの局面およびさらなる局面は以下に説明される図面により明らかになる。