JP6681722B2 - 成形用金型、成形用金型の製造方法、および成形用金型の再生方法 - Google Patents
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Description
図1はこの発明の実施の形態1に係る成形用金型における金型母材を示す断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る成形用金型における金型母材にレジストを塗布した状態を示す断面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る成形用金型における金型母材に保護膜、剥離膜および離型膜を形成した状態を示す断面図、図4は図3のA部拡大図、図5はこの発明の実施の形態1に係る成形用金型を示す断面図である。
このように、離型膜5の材料は、複数の金属種から選択できるため、使用できる成形品を構成する成形材料の幅が広がる。
ついで、図2に示されるように、金型母材2の側面2bにレジスト21を塗布する。
ついで、図3に示されるように、金型母材2の成形面2aに保護膜3を形成し、保護膜3上に剥離膜4を形成し、剥離膜4上に離型膜5を形成する。ついで、レジスト21を除去し、図5に示される成形用金型1が作製される。ここで、保護膜3は、スパッタ、真空蒸着などの乾式成膜技術により形成することができる。剥離膜4と離型膜5は、スパッタ、真空蒸着などの乾式成膜技術、または電気めっき、無電解めっきによる湿式成膜技術により形成することができる。
また、保護膜3が金型母材2に形成されているので、離型膜5を化学的に除去する際に剥離液による金型母材2の損傷発生を抑制できるとともに、金型母材2と剥離膜4との密着性が高められる。
上記実施の形態1では、ニッケル(Ni)、金(Au)の単一金属、またはその化合物からなる剥離膜4を用いているが、この実施の形態2では、クロムまたはクロム酸化物(Cr2O3)からなる剥離膜4を用いている。
なお、他の構成は、上記実施の形態1の成形用金型1と同様に構成されている。
離型膜5としてクロム膜を用いた場合、クロム膜の剥離液として希塩酸または希硫酸を使用する。使用済みの成形用金型1を希塩酸または希硫酸に浸漬することで剥離膜4のクロム膜が溶解し、離型膜5が剥離する。保護膜3のタングステン(W)は希塩酸と反応しない。成形用金型1の希塩酸への浸漬時間は、金型のサイズ、剥離膜4のクロム膜の膜厚により、適宜設定することができる。また、希硫酸は保護膜3のタングステン(W)に若干の損傷を与えるため、浸漬時間と液温を調整することで使用することが可能である。ついで、剥離膜4と離型膜5が剥離された成形用金型1、すなわち保護膜3が形成された金型母材2を希塩酸または希硫酸から取り出し、水洗を室温で1分程度行い、希塩酸または希硫酸を除去する。なお、希塩酸または希硫酸を用いたクロム膜の剥離方法に替えて、水酸化ナトリウム水溶液を使用した陽極電解によるクロム膜の剥離方法を用いてもよい。
この実施の形態2によれば、剥離膜4としてクロム又はクロム化合物を用いている。クロム(Cr)はタングステン(W)と同じ6族元素であるため、結晶構造や線膨張率を考慮すると、タングステン(W)との相性がよい。つまり、保護膜3と剥離膜4との密着力が高められ、金型使用時の密着不良の発生を抑制することができる。
図6はこの発明の実施の形態3に係る成形用金型における金型母材に第1レジストを塗布した状態を示す断面図、図7はこの発明の実施の形態3に係る成形用金型における金型母材に保護膜を形成した状態を示す断面図、図8はこの発明の実施の形態3に係る成形用金型における保護膜が形成された金型母材に第2レジストを塗布した状態を示す断面図、図9はこの発明の実施の形態3に係る成形金型における金型母材に保護膜、剥離膜および離型膜を形成した状態を示す断面図、図10はこの発明の実施の形態3に係る成形用金型を示す断面図である。
ついで、図7に示されるように、保護膜3はスパッタ、真空蒸着などの乾式成膜技術により保護膜3を金型母材2に形成する。ついで、第1レジスト22を取り除き、図8に示されるように、第2レジスト23を、保護膜11の周縁部を全周に渡って覆うように金型母材2に塗布する。ついで、図9に示されるように、スパッタ、真空蒸着などの乾式成膜技術、または電気めっきによる湿式成膜技術を用いて、剥離膜4と離型膜5を金型母材2の保護膜11上に形成する。さらに、第2レジスト23を除去し、図10に示される成形用金型10が作製される。
なお、保護膜11と剥離膜12の具体的な成膜方法については、上記実施の形態1,2と同様である。
実施例1、2は上記実施の形態1に基づくものである。
具体的には、図2に示されるように、成膜面がφ30mmである、タングステンカーバイド製の金型母材2の成形面2aが露出するように、金型母材2の側面2bにレジスト21を塗布した。ついで、脱脂剤ELC−400((株)ワールドメタル製)を用いて脱脂処理を実施し、有機物を除去した。ついで、純水に金型母材2を浸漬し、1分間放置した後取出した。
実施例3〜5は上記実施の形態2に基づくものである。
実施例3〜5では、成膜面がφ30mmである、タングステンカーバイド製の金型母材2を用い、上記実施例1,2と同様に、レジスト21を塗布し、脱脂処理、酸電解エッチング処理、およびエッチング処理を施し、その後スパッタ装置を用いてタングステンの保護膜3を金型母材2の表面に形成した。
実施例6、7は上記実施の形態3に基づくものである。
図6に示されるように、成膜面がφ30mmである、タングステンカーバイド製の金型母材2の成形面2aおよび側面2bが露出するように、第1レジスト22を金型母材2に塗布する。ついで、脱脂剤ELC−400((株)ワールドメタル製)を用いて脱脂処理を実施し、有機物を除去した。ついで、純水に金型母材2を浸漬し、1分間放置した後取出した。
実施例8〜10は、上記実施の形態3に基づくものである。
実施例8〜10では、成膜面がφ30mmである、タングステンカーバイド製の金型母材2を用い、上記実施例6,7と同様に、第1レジスト22を塗布し、脱脂処理、酸電解エッチング処理、およびエッチング処理を施し、その後スパッタ装置を用いてタングステンの保護膜11を金型母材2の表面に形成した。ついで、第1レジスト22を除去し、図8に示されるように、第2レジスト23を保護膜11の周縁部を覆うように金型母材2に塗布した。
比較例1〜4では、上記実施例1〜10と同様の金型母材2を用い、実施例1〜5と同様に、金型母材2の成形面2aが露出するように、金型母材2の側面2bにレジスト21を塗布した。そして、実施例1〜10と同様に、金型母材2に、脱脂処理、酸電解エッチング処理、およびエッチング処理を施した。ついで、実施例1〜10と同様に、白金めっき膜からなる離型膜5を、金型母材2の成形面2aの表面に形成した。その後、レジスト21を剥離、除去し、比較例1〜4の成形用金型を作製した。なお、比較例1〜4の成形用金型では、保護膜および剥離膜が省略されている。
しかし、これに対し、本願発明では、金型母材に保護膜と剥離膜を形成した実施例1〜10に示すように、薬液処理による離型膜の剥離が可能であり、剥離液による金型母材の損傷も生じなかった。このように本願発明の明らかな効果を確認することができた。
Claims (6)
- 金型母材と、上記金型母材の成形面を覆った状態で上記金型母材に形成された保護膜と、上記保護膜上に形成され、上記金型母材および上記保護膜より化学反応性の高い材料からなる剥離膜と、上記剥離膜上に形成され、上記剥離膜より化学反応性の低い材料からなる離型膜と、を備え、
上記保護膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆った状態で上記金型母材に形成され、
上記剥離膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆った状態で上記保護膜上に形成され、
上記離型膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆った状態で上記剥離膜上に形成され、
上記保護膜の周縁部は、全周に渡って露出している成形用金型。 - 上記保護膜は、タングステンからなる請求項1記載の成形用金型。
- 上記剥離膜は、単層または複層に構成され、各層は、ニッケル、ニッケルーリン、金、クロム、酸化クロムから選択された一つからなる請求項1または請求項2記載の成形用金型。
- 上記離型膜は、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムから選択された一つの金属または複数の金属を組み合わせた合金からなる請求項1または請求項2記載の成形用金型。
- 金型母材と、上記金型母材の成形面を覆った状態で上記金型母材に形成された保護膜と、上記保護膜上に形成された剥離膜と、上記剥離膜上に形成された離型膜と、を備えた成形用金型の製造方法であって、
上記金型母材の成形面を超える領域が露出するように第1レジストを上記金型母材の表面に塗布する工程と、
上記第1レジストが塗布された上記金型母材の表面に乾式成膜技術を用いて上記保護膜を形成する保護膜形成工程と、
第1レジストを除去し、上記保護膜がその周縁部を除いて露出するように第2レジストを上記金型母材に塗布する工程と、
上記第2レジストが塗布された上記金型母材に湿式成膜技術または乾式成膜技術を用いて剥離膜を形成する剥離膜形成工程と、
上記剥離膜が形成された上記金型母材に湿式成膜技術または乾式成膜技術を用いて離型膜を形成する離型膜形成工程と、
上記第2レジストを除去する工程と、
を備えた成形用金型の製造方法。 - 金型母材と、上記金型母材の成形面を覆った状態で上記金型母材に形成された保護膜と、上記保護膜上に形成された剥離膜と、上記剥離膜上に形成された離型膜と、を備え、上記保護膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆った状態で上記金型母材に形成され、上記剥離膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆い、かつ少なくとも保護膜の周縁部を全周に渡って露出した状態で上記保護膜上に形成され、上記離型膜は、上記金型母材の上記成形面を超える領域を覆った状態で上記剥離膜上に形成されている成形用金型の再生方法であって、
上記成形用金型を剥離液に浸漬し、上記剥離膜を溶解除去するとともに、上記離型膜を除去する離型膜除去工程と、
上記保護膜が上記周縁部を除いて露出するようにレジストを上記金型母材に塗布する工程と、
上記レジストが塗布された上記金型母材に湿式成膜技術または乾式成膜技術を用いて剥離膜を再形成する剥離膜再形成工程と、
上記剥離膜が形成された上記金型母材に湿式成膜技術または乾式成膜技術を用いて離型膜を再形成する離型膜再形成工程と、
上記レジストを除去する工程と、
を備えた成形用金型の再生方法。
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