JP6679334B2 - 動力発生装置およびそれを用いたショベル - Google Patents
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Description
図1は、第1の実施の形態に係る動力発生装置100のブロック図である。動力発生装置100は、エンジン102、電動アシストモータ104、変速機(減速機)106、エンジンコントローラ108、モータ駆動装置110を備える。
TM 電動アシストモータのトルク
ωM 電動アシストモータの回転数 (θM’)
θM 電動アシストモータのロータの位置
JM 電動アシストモータの慣性モーメント
DM 電動アシストモータの粘性摩擦係数
TE エンジンのトルク
ωE エンジンの回転数 (θE’)
θE エンジンの位置
JE エンジンの慣性モーメント
DE エンジンの粘性摩擦係数
「’」は、時間微分を表す。
x’=Ax+Bu …(3)
y =Cx …(4)
uはシステムへの入力であり、図2のモデルではトルク[TM TE]Tである。xは状態変数であり、ここでは電動アシストモータ104およびエンジン102の状態[θM’ θM θE’ θE]Tである。出力yはたとえばエンジン102の回転数θE’とすることができる。なお当業者によれば、動力発生装置100の機械系のモデルが図2のそれに限定されず、考慮する物理現象に応じて、より複雑に、あるいはよりシンプルに構成しうることが理解される。
(第1の利用方法)
センサレス推定部120による電動アシストモータ104の状態の推定値は、必ずしも正確であるとは限らない。たとえばノイズが大きな環境下では精度は大きく低下する。また大きな負荷変動やモータパラメータの変動が生ずると、センサレスによる推定値の誤差は大きくなる。またセンサレス方式は、ロータが静止状態(あるいはそれに近い状態)で逆起電力が得られない状態では、位置を推定できず、あるいは推定精度が低い。
^θ=f(^θSL,^θEB)
ここにfは所定の関数である。
^θ=^θSL+θCMP
センサレス推定値S3の信頼性が高い状況では第1の利用方法と同様である。第2の利用方法では、モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサレス推定値S3の信頼性が低いとき(|Δθ1|>θTH1)、所定のエラー処理を行う。エラー処理は、(i)センサレス推定値S3の精度低下の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限、(iii)センサレスの推定値の精度が高まるように、センサレス推定部120の演算処理を変更(たとえば推定速度の低下と引きかえに)、などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100の信頼性を高めることができる。
第1の利用方法では、誤差Δθ1を所定のしきい値θTH1と比較し、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち以下のような関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(^θSL,^θEB)
ただし、Δθ1=^θSL−^θEB=0のとき、h(^θSL,^θEB)=^θSL
|Δθ1|≫0のとき、h(^θSL,^θEB)=^θEB
図5は、第2の実施の形態に係る動力発生装置100aのブロック図である。第1の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。モータ駆動装置110aは、レゾルバやロータリエンコーダなどのセンサ130を備える。センサ130は、電動アシストモータ104のロータの状態(回転数および/または位置)を監視し、センサ検出値S6を生成する。以下では、オブザーバ122およびセンサ130は、電動アシストモータ104のロータの位置を推定、検出するものとし、オブザーバ推定値S4が示す電動アシストモータ104のロータの推定位置を^θEBと表記し、センサ検出値S6が示す電動アシストモータ104のロータの検出位置をθRと表記する。
動力発生装置100aを長期的に運用すると、センサ130に異常が発生する場合がある。たとえばセンサ130の異常は、センサ130自体の故障や、センサ130の取り付け位置のずれなどを含む。あるいはセンサ検出値S6に電気的なノイズが重畳する場合も、ここでいうセンサ130の異常に含まれる。センサ130が異常な状態は、センサ検出値S6の信頼性が低い状態と把握することができる。
^θ=f(θR,^θEB)
ここにfは所定の関数である。
^θ=θR+θCMP
センサ検出値S6の信頼性が高い状況では第1の利用方法と同様である。第2の利用方法では、モータコントローラ112の制御信号生成部124は、センサ検出値S6の信頼性が低いとき(|Δθ2|>θTH2)、所定のエラー処理を行う。エラー処理は、(i)センサ130の故障の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100aの信頼性を高めることができる。
第1の利用方法では、誤差Δθ2を所定のしきい値θTH2と比較し、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち以下のような関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(θR,^θEB)
ただし、Δθ=θR−^θEB=0のとき、h(θR,^θEB)=θR
|Δθ2|≫0のとき、h(θR,^θEB)=^θEB
図7は、第3の実施の形態に係る動力発生装置100bのブロック図である。第1、第2の実施の形態と共通の構成については説明を省略する。第3の実施の形態は、第1および第2の実施の形態の組み合わせである。すなわち、モータ駆動装置110bは、レゾルバやロータリエンコーダなどのセンサ130を備え、さらにセンサレス方式による駆動もサポートしている。
(第1の利用方法)
制御信号生成部124は、センサレス推定値S3とオブザーバ推定値S4の少なくとも一方にもとづいて、センサ検出値S6の信頼性を判定する。そして制御信号生成部124は、センサ検出値S6の信頼性が高いときは、センサ検出値S6にもとづいて駆動制御信号S5を生成する。
たとえば、関数fは、第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明したように、
^θ=f(^θSL,^θEB)
^θ=f(θR,^θEB)
であってもよい。
第3の実施の形態において、センサレス推定値S3とセンサ検出値S6の両方の信頼性が低い場合(S310のN)、所定のエラー処理を行ってもよい。エラー処理は、(i)センサ130の故障の上位コントローラ(あるいはユーザ)への通知、(ii)電動アシストモータ104の回転の停止、あるいはそのトルクの制限などが例示される。この利用方法によっても動力発生装置100aの信頼性を高めることができる。
第1の利用方法では、センサレス推定値S3、センサ検出値S6それぞれについて、信頼性が高い領域と低い領域を区分したが、それらを連続的に扱うことも可能である。すなわち関数hを定義し、関数hにもとづいて得られる^θにもとづいて、駆動制御信号S5を生成してもよい。
^θ=h(θR,^θSL,^θEB)
センサ検出値S6の信頼性を評価する際に、センサ検出値S6とオブザーバ推定値S4の誤差θ2を指標として用いてもよい。あるいはセンサ検出値S6、センサレス推定値S3、オブザーバ推定値S4のすべてを考慮して、センサ検出値S6の信頼性を表す指標を定義してもよい。
第4の実施の形態では、センサレス推定部120およびセンサ130は用いずに、オブザーバ122のみが設けられる。そして制御信号生成部124は常時、オブザーバ推定値S4が示す推定位置^θEBにもとづいて、駆動制御信号S5を生成する。第4の実施の形態によれば、センサ130およびセンサレス推定部120が不要となるため、コストおよびサイズを削減できる。
アシスト用のインバータ18Aの2次側(出力)端には、電動発電機12が接続される。インバータ18Aは、コントローラ30の一部であるアシスト用インバータコントローラからの指令にもとづき、電動発電機12の運転制御を行う。
旋回用電動機21、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、旋回減速機24、旋回用インバータ18Cおよびコントローラ30の一部である旋回用のインバータコントローラは、電動旋回装置を構成する。
旋回用電動機21は、PWM(Pulse Width Modulation)制御指令により旋回用インバータ18Cによって交流駆動される。旋回用電動機21としては、例えば、磁石埋込型のIPMモータが好適である。
蓄電手段40とコントローラ30の一部であるコンバータコントローラは、電源装置を構成する。蓄電手段40は、例えば蓄電池であるバッテリと、バッテリの充放電を制御する昇降圧コンバータ(双方向DC/DCコンバータ)と、正極及び負極の直流配線からなるDCバスとを備えている(図示せず)。蓄電器としては、リチウムイオン電池等の充電可能な2次電池、キャパシタ、そのほか電力の授受が可能なその他の形態の電源を用いてもよい。DCバスには、インバータ18A,18Cそれぞれの1次側(直流入力)が接続されている。コントローラは、DCバスに生ずるDCリンク電圧が所定の電圧レベルとなるように、双方向DC/DCコンバータを制御する。電源装置は、電動発電機12等が力行運転する際には、双方向DC/DCコンバータを昇圧動作させ、電動発電機12等が回生運転する際には、双方向DC/DCコンバータを降圧動作させ、電動発電機12が発生した電力を蓄電器に回収する。
Claims (11)
- エンジンと、
電動アシストモータと、
前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
を備え、
前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
前記モータ駆動装置は、
前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
を備え、
前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータのロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
前記モータコントローラは、センサレス方式によって前記ロータの状態を示すセンサレス推定値を生成し、前記オブザーバ推定値と前記センサレス推定値にもとづいて前記センサレス推定値の信頼性を判定することを特徴とする動力発生装置。 - 前記モータコントローラは、(i)前記センサレス推定値の信頼性が高いとき、前記センサレス推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、(ii)前記センサレス推定値の信頼性が低いとき、少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の動力発生装置。
- 前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサレス推定値の誤差が所定のしきい値より大きいとき、信頼性が低いと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の動力発生装置。
- 前記電動アシストモータの前記ロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサをさらに備え、
前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサ検出値にもとづいて前記センサの異常を検出することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動力発生装置。 - エンジンと、
電動アシストモータと、
前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
を備え、
前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
前記モータ駆動装置は、
前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
前記電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサと、
を備え、
前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータの前記ロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
前記モータコントローラは、前記オブザーバ推定値と前記センサ検出値にもとづいて前記センサの異常を検出することを特徴とする動力発生装置。 - 前記モータコントローラは、(i)前記センサが正常であるとき、前記センサ検出値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、(ii)前記センサが異常であるとき、前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項4または5に記載の動力発生装置。
- エンジンと、
電動アシストモータと、
前記エンジンを制御するエンジンコントローラと、
前記電動アシストモータを駆動するモータ駆動装置と、
を備え、
前記エンジンと前記電動アシストモータが連結され、それらのトルクが負荷に伝達され、
前記モータ駆動装置は、
前記電動アシストモータの駆動制御信号を生成するモータコントローラと、
前記駆動制御信号にもとづいて前記電動アシストモータを駆動するインバータと、
前記電動アシストモータのロータの状態を監視し、センサ検出値を生成するセンサと、
を備え、
前記モータコントローラは、前記エンジンの状態を示す情報にもとづいてオブザーバにより前記電動アシストモータの前記ロータの状態を示すオブザーバ推定値を生成し、前記オブザーバ推定値を前記電動アシストモータの制御に反映させ、
前記モータコントローラは、
センサレス方式によって前記ロータの状態を示すセンサレス推定値を生成し、
前記オブザーバ推定値および前記センサレス推定値の少なくとも一方にもとづいて、前記センサ検出値の信頼性を判定し、
少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて、前記センサレス推定値の信頼性を判定することを特徴とする動力発生装置。 - 前記モータコントローラは、
(i)前記センサ検出値の信頼性が高いときは、前記センサ検出値にもとづいて前記駆動制御信号を生成し、
(ii)前記センサ検出値の信頼性が低く、前記センサレス推定値の信頼性が高いときは、前記センサレス推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項7に記載の動力発生装置。 - 前記モータコントローラは、
(iii)前記センサ検出値および前記センサレス推定値の信頼性が低いときは、少なくとも前記オブザーバ推定値にもとづいて前記駆動制御信号を生成することを特徴とする請求項7または8に記載の動力発生装置。 - 前記エンジンの状態を示す情報は、少なくとも前記エンジンの回転数を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の動力発生装置。
- メインポンプと、
前記メインポンプを駆動する請求項1から10のいずれかに記載の動力発生装置と、
を備えることを特徴とするショベル。
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---|---|---|---|
JP2016020977A JP6679334B2 (ja) | 2016-02-05 | 2016-02-05 | 動力発生装置およびそれを用いたショベル |
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