JP6678420B2 - 袋織エアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、袋織により膨張可能な袋状に形成された自動車用エアバッグに関するものであって、特に、ラミネート加工された袋織エアバッグの裁断面からのガス漏れを防ぎ、内圧維持性能を向上するものである。
自動車の安全装置として搭載されているエアバッグに関して、袋織により作製されるエアバッグは、2枚の基布を織組織によって接合して膨張可能な膨張部を形成し、気密性を付与するために外表面にシリコーン樹脂などの被覆材を塗布している。
しかし、このような方法で良好な内圧維持性能を得ようとした場合、シリコーン樹脂の塗布量を増加させる必要があり、厚みや重量が増え、収納性が悪くなる場合があった。また、膨張部の外周に位置している外周接合部は、膨張時に基布の織組織ずれ(目ずれ)が発生し易く、シリコーンコーティング加工による袋織エアバッグでは、その目ずれ箇所から生じるガス漏れがエアバッグの内圧維持性能に大きく影響することが知られている。
そのため、内圧維持性能を向上させるための方法の一つとして、ラミネート加工による袋織エアバッグが研究されている。ラミネート加工によれば、外周接合部の目ずれによる内圧維持性能の低下が改善される。しかし、外周接合部の目ずれからのガス漏れが抑制されたことにより裁断面からのガス漏れが生じて、十分な内圧維持性能が得られない場合があった。
このようなラミネート加工された袋織エアバッグの裁断面からのガス漏れに対応するための十分な研究は行われていない。
例えば、特許文献1には、袋部に隣接し2以上の織組織からなる閉部を有し、該閉部が袋部側から第1織組織とその反袋部側に隣接する第2織組織で構成された袋織エアバッグにおいて、第1織組織を第2織組織よりもルーズなものとすることにより、展開時の応力が集中せず、目開きを抑制する技術が開示されている。しかし、本文献では裁断面からのガス漏れについては考慮されておらず、特にラミネート加工された袋織エアバッグからのガス漏れを抑制する技術としては十分とはいえない。
また、特許文献2では、多重布を構成する上布構成糸と下布構成糸が、袋体として膨張しない部分と膨張する部分との境界部の組織において、上布構成糸は下布構成糸の下に、下布構成糸は上布構成糸の上に1回以上浮沈を繰り返す組織を有することで、境界部の目ずれを小さくする技術が開示されている。接合部の織り密度が高いことで目ずれによるガス漏れ抑制には効果があると考えられるが、特許文献1と同じく、裁断面からのガス漏れについては考慮されていない。
以上のように、これらの先行文献には、本発明が目的とするエアバッグの外周を形成する裁断面からのガス漏れに対する有効な対策は示唆されていない。
特開2003−267176号公報 特開2003−312424号公報
本発明の目的は、ラミネート加工された袋織エアバッグの膨張部の外側領域の少なくとも一部に、被覆材が基布内部に浸透し易い部分を連続的に形成する綾織状構造域を設けることによってガス抜けを抑止する遮蔽部を設け、裁断面からのガス漏れを抑制し、内圧維持性能を向上させることができるエアバッグを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は、少なくとも2枚の基布が製織により膨張可能な袋状に形成された袋織エアバッグであって、前記袋織エアバッグは、膨張部の外周に位置する外周接合部、および、外周接合部の外側に延在する外縁部を含み、
前記外周接合部および/または前記外縁部の少なくとも一部には、一重織組織からなる綾織状構造域が設けられており、
前記綾織状構造域は、織組織図の最小単位図内において、浮き沈みが同じ組織点を上、下、左、右のいずれかに結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、前記連結線が、全体的に見て前記織組織図の対角方向に延在し得るように構成されており、
前記袋織エアバッグの外表面がラミネート加工されている。
また、本発明の別の実施形態では、前記綾織状構造域において、隣接する前記最小単位図の前記連結線を接続して形成される集合連結線が、全体的に見て前記膨張部の外周形状に沿って延在している。
また、本発明の別の実施形態では、前記綾織状構造域が、前記外周接合部の外側に延在する前記外縁部に位置しており、前記外周接合部に沿った形状で全周に亘って連続している。
また、本発明の別の実施形態では、前記綾織状構造域が、経糸または緯糸10〜100本の幅である。
従来技術による一例(通常の外周接合部および外縁部の場合)を示す図である。 本発明の実施例の一例(綾織状構造域を外周接合部に設けた場合)を示す図である。 本発明の実施例の一例(綾織状構造域を外周接合部に連接した外縁部に設けた場合)を示す図である。 本発明の実施例の一例(綾織状構造域を外周接合部から乖離した外縁部に設けた場合)を示す図である。 本発明の綾織状構造域において接着層が基布内部にまで浸透することができる部分が連続していることの一例を示す図である。 本発明以外の織組織において接着層が基布内部にまで浸透することができる部分が不連続となっていることの一例を示す図である。 本発明の綾織状構造域において集合連結線が膨張部の外周形状に沿って延在していることの一例を示す図である。 本発明の綾織状構造域において集合連結線が膨張部の外周形状に沿って延在していないことの一例を示す図である。 本発明の綾織状構造域に好適な織組織の最小単位図およびそれらを複合させた組織図の例を示す図である。 組織点の浮き沈みが織組織図の対角方向に連続していることの一例を示す図である。 組織点の浮き沈みが織組織図の対角方向に連続していないことの一例を示す図である。 組織点の浮き沈みが織組織図の対角方向に連続していることの一例を示す図である。 従来技術の外周接合部に用いられる織組織の一例を示す図である。
本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、少なくとも2枚の基布が製織により膨張可能な袋状に形成された袋織エアバッグであって、袋織エアバッグは、膨張部の外周に位置する外周接合部、および、外周接合部の外側に延在する外縁部を含み、外周接合部および/または外縁部の少なくとも一部には、一重織組織からなる綾織状構造域が設けられており、綾織状構造域は、織組織図の最小単位図内において、浮き沈みが同じ組織点を上、下、左、右のいずれかに結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、連結線が、全体的に見て織組織図の対角方向に延在し得るように構成されており、袋織エアバッグの外表面がラミネート加工されている、袋織エアバッグである。
図1は、従来技術による一例を示す。図2〜図4は、本発明の実施例の一例を示す。図1〜図4の(A)は全体図を示し、(B)は全体図の1−1‘断面の図である。図1〜図4に示すように、エアバッグ10は、袋織によって膨張可能な袋状に形成された膨張部11と、膨張部の外側に位置する外側領域12とからなる。外側領域12は、2枚の布が織組織によって接合された外周接合部13と、外周接合部の外側に延在する外縁部14とからなる。基布表面は、被覆層19と、被覆層19と基布を接着している接着層18とからなる被覆材20で覆われている。前述のように、ラミネート加工を施した袋織エアバッグでは、膨張部と外周接合部との境界部からのガス抜けが生じ難い。そのため、膨張部へ充填されたガスは、基布の繊維あるいは組織の隙間を通り、平面的に拡散していき、最終的に被覆層に覆われていない裁断面17へと流出しようとする。参照数字21は、膨張部から裁断面へのガスの流れを表している。
本発明の袋織エアバッグは、外側領域12の少なくとも一部に綾織状構造域15を有している。図2に示す例では、外周接合部13は、複数の織組織部13a〜13cからなっており、織組織部13bと13cとの間において、外周接合部に綾織状構造域15を設けている。図3に示す例では、外周接合部13は、複数の織組織部13a〜13dからなっており、外周接合部の外側に綾織状構造域15を設けている。図4に示す例では、外周接合部13と綾織状構造域15との間に織組織部16を設け、綾織状構造域15を外周接合部13から乖離させている。従来技術の図1の例では、綾織状構造域15は設けられていない。
この綾織状構造域15には、図5の例に示すように、ラミネート加工の際にかかる圧力によって接着層が基布内部にまで浸透することができる浸透部分31が連続しており、浸透した接着層により遮蔽部が堰のように連続して形成されている。したがって、膨張部11から裁断面17への空気漏れを抑制できるため、エアバッグ10の内圧維持性を向上させることができる。
また、図6に示す例のように、袋織エアバッグの外周接合部に通常用いられる斜子織などの織組織では、ラミネート加工の際にかかる圧力によって接着層材料が基布内部にまで浸透することができる浸透部分32が島のように不連続となっており、裁断面からのガス漏れを抑制する効果は得られ難い。
本発明では、膨張部の外側に位置する外側領域(すなわち、外周接合部、および/または外周接合部の外側に延在する外縁部)の少なくとも一部に、気密性を付与するための被覆材が基布内部に浸透し易い部分が連続する綾織状構造域を設けることが肝要である。該綾織状構造域を設けることで被覆材が基布内部に浸透する部分が連続し、膨張部からのガス抜け、特に基布の断面内部を通り抜けてエアバッグの裁断面から漏れるガスを遮断することが可能となる。
該綾織状構造域は、膨張部に隣接する外周接合部の少なくとも一部または外周接合部の外側から裁断面まで延在する外縁部の少なくとも一部、あるいはこれら双方の少なくとも一部に設けることができる。
外周接合部が複数の織組織から構成される場合は、膨張部と隣接する外周接合部の最内層部位、該外周接合部の中間層部位、あるいは最外層部位のいずれかに該綾織状構造域を設ければよい。要望される特性、特に気密性を向上することができる部位であれば特に限定するものでないが、膨張部から離れた部位、例えば最外層部位に設けることが好ましい。
外周接合部の少なくとも一部に該綾織状構造域を設ける場合は、ガス漏れの流量が多くなる膨張部に隣接する外周接合部の内側よりも、基布断面組織の抵抗によりガス流が阻止され易くなる外周接合部外側に設定する方が、基布断面からのガス漏れを効率よく遮断することが可能となる。
また、外周接合部の外側に延在する外縁部に該綾織状構造域を設ける場合も、要望される特性に応じて設定すればよい。例えば、外周接合部に接続する形で連続して設けてもよく、外周接合部と該綾織状構造域との間に織組織部を設けて外周接合部と該綾織状構造域とを乖離する形にしてもよい。
本発明において、該綾織状構造域は、織組織図の最小単位図内において、浮き沈みが同じ組織点を上、下、左、右のいずれかに結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、連結線が、全体的に見て織組織図の対角方向に延在し得るように構成されていることが必須である。
本発明では、該綾織状構造域を構成する織組織として、綾織組織、繻子織組織が好ましい。さらに、これらの織組織の単独または複合により、経糸または緯糸10〜100本の幅で組織点の浮き沈みを連続させることは、被覆材が基布内部に浸透する部分が連続性を保持しやすいため好ましい。これらの織組織を用いることにより、被覆材が該綾織状構造域の織組織内部に浸透する部分が連続し、基布断面を抜けて行くガス流を阻止してエアバッグからのガス漏れを最小限に抑えることができる。
本発明の綾織状構造域は、一重織組織であることが必須である。袋織や風通織などの二重織組織では2枚の基布間の空隙が広くなる。そのため、基布内部を通り抜けるガス流を阻止するためには多量の被覆材が必要となり、気密性の確保が難しくなる。また、当該部の硬さ、重量なども高くなり、好ましくない。
本発明の実施において、外周接合部に使用する、綾織状構造域を除いた織組織は、膨張部の圧力に耐え得るなど、求める性能に応じて適宜選択すればよい。例えば、通常、袋織エアバッグの外周接合部に用いられている平織、斜子織(2/2、3/3)、畝織などの一重織組織、および、風通織や袋織などの二重織組織などを、単独あるいは複合させて用いればよい。このような組織の一例を図13に示す。図13(A)は、2/2斜子織を示す。図13(B)は、風通織を示す。図13(C)は、3/3斜子織を示す。図13(D)は、平織を示す。図13(E)は、畝織を示す。図13(F)は、袋織(二重平織)を示す。
これらの組織は、本発明の綾織状構造域に関して規定する織組織図とは異なるため、本発明の綾織状構造域に用いる織組織の対象にはならない。
また、本発明の実施において、外縁部に使用する、綾織状構造域を除いた織組織は、製織性や十分な強度を有することなど、求める性能に応じて適宜選択すればよい。例えば、二重織組織を部分的に接結させた部分接結組織や本発明の他の一重織組織などを適宜選択すればよく、外縁部をすべて本発明の綾織状構造域としてもよい。
本発明の該綾織状構造域に好適な織組織の最小単位図の例を、図9(A)〜(G)に示す。図9(A)は、6枚斜文を示す。図9(B)は、7枚斜文を示す。図9(C)は、8枚斜文を示す。図9(D)は、4枚斜文(2本引き揃え)を示す。図9(E)は、7枚朱子を示す。図9(F)および(G)は、8枚朱子を示す。
該綾織状構造域に用いる織組織は、図9(A)〜(G)に示す最小単位図を回転または反転させたり、浮き沈みを入れ替えたり、あるいは織組織の開始点を変更した織組織としてもよい。また、場合によっては、これらを複合させたものを含むものとする。例えば、図9(H)〜(J)がこれに該当する。図9(H)および(I)は、山形斜文を示す。図9(J)は、山形斜文(2本引き揃え)を示す。
織物は、経糸と緯糸とが交錯する組織点によって形成される組織体である。この組織点の組み合わせを織組織といい、織組織を表現した方眼図を織組織図という。
本発明の説明に用いる織組織図の構成を以下に示す。方眼の縦1行を経糸1本、方眼の横1段を緯糸1本とし、方眼の1目は組織点とする。織組織の経糸が上になった組織点を浮いた点といい(方眼を塗り潰して示される)、織組織の緯糸が上になった組織点を沈んだ点という(方眼を塗り潰さないで示される)。
本発明における、「織組織図の最小単位図内において、浮き沈みが同じ組織点を上、下、左、右のいずれかに結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、連結線が、全体的に見て織組織図の対角方向に延在し得るように構成されて」いることの一例を、図を用いて説明する。
図10の例では、浮いた点5cに隣接する5dは、5cと同じ浮いた点である。5c−5d−6d−6e−7e−7f…というように、浮き沈みが同じ組織点を結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、連結線は、全体的に見て織組織図の対角方向に延在している。
これに対して、図11の例では、沈んだ点5cに隣接する5dは、5cと同じ沈んだ点であるが、連結線は5c−5d−6d−7d−8dまでで途切れており、対角方向には延在していない。
また、図12の例では、沈んだ点5cの垂直方向(上方向)への連続は、5dで途切れる。しかし、5c−5d−6d−6e−7e−7f−7g…というように、浮き沈みが同じ組織点を結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、連結線は、全体的に見て織組織図の対角方向に延在している。
本発明では、該綾織状構造域がこのような組織点の浮き沈みが対角方向に連続している一重織組織からなることが必須である。
本発明の前記綾織状構造域に用いる織組織は、例えば、綾織(4枚斜文、5枚斜文、6枚斜文、7枚斜文、8枚斜文、2本引き揃えた4枚斜文)、繻子織(5枚繻子、7枚繻子、8枚繻子、9枚繻子)などがあり、これらを単独あるいは複合させて用いることができる。
これらの織組織を用いるにあたり製織性を考慮して適宜選択することは好ましい。
製織性を向上させるために、例えば2/2の4枚斜文織の経糸緯糸を2本引揃えて織るなどしてもよい。また、浮き沈みの連続が途切れなければ一部の組織点の浮き沈みを反転させてもよい。
本発明による綾織状構造域は、気密性を付与するための被覆材を有効に活用してガス漏れの抑制効果を最大限に高めることができる。コーティング法により袋織エアバッグに被覆材を付与した場合、膨張部と外周接合部との織構造の違いにより、境界部の基布表面の凹凸が大きくなり、当該部での被覆材の厚みが不均一になりやすい。そして、エアバッグがガスにより膨張した際、膨張部と膨張部に隣接する外周接合部との境界部での織物の組織ずれ(目ずれ)により小さな間隙が生じる。そのため、当該箇所の被覆材が、エアバッグ内圧により伸ばされて破損しやすくなり、当該部からのガス漏れが多くなる。しかし、ラミネート法により被覆材を付与した場合、コーティング法の場合と比較して、基布表面に付与された被覆材の厚さがほぼ加工前の材料厚みを保っており、膨張部と外周接合部との境界部での被覆材の破損が起こり難いため、当該箇所からの漏れはほとんど無い。しかし、上記目ずれ部からの抜け道を塞がれたガスは、膨張部からのガス圧により基布の断面内部を基布が拡がる平面方向に抜けて行き、最終的にエアバッグ基布の最端部である裁断面から漏れる。
本発明では、被覆材料が該綾織状構造域において十分に基布内部にまで浸透することができる部分が連続するため、基布組織断面を通り抜けようとするガス流を抑止し、ガス漏れを防ぐことができる。
また、本発明の別の実施形態では、被覆材料が該綾織状構造域において十分に基布内部にまで浸透することができる部分が膨張部の外周形状から裁断面へ向かうガスの流れを遮る方向で連続するため、基布組織断面を通り抜けようとするガス流をより効果的に抑止することができる。
本発明の別の実施形態における、「隣接する前記最小単位図の前記連結線を接続して形成される集合連結線が、全体的に見て前記膨張部の外周形状に沿って延在している」ことの一例を図7に示す。また、理解を容易にするため、図7の例に対照的な本発明の綾織状構造域の一例を図8に示す。図7〜図8の(A)は全体図を示し、(B)は全体図の2で示す領域の織組織図である。
図7の例では、綾織状構造域において、前記遮蔽部が接続して形成される織構造線41が、全体的に見て膨張部の外周形状に沿って延在している。したがって、膨張部11から裁断面17へのガス漏れを効果的に抑制し、内圧維持性をより向上させることができるため好ましい。
図8の例では、綾織状構造域において、図7の例とは対照的に、前記遮蔽部が接続して形成される織構造線42が、全体的に見て膨張部の外周形状に直交して延在している。
図7、図8の例のいずれの場合でも本発明によるガス漏れ抑制の効果は有効であるため、求める性能に応じて適宜選択すればよい。
本発明により、コーティング法とは異なる被覆方法であるラミネート法でのガス漏れ対策が得られ、ラミネート法による製品の内圧保持性能を更に高めることができる。
本発明で用いる該綾織状構造域の形状は、要望される特性に応じて選定すればよいが、外周接合部にほぼ沿った形状で全周に亘って連続するように設けてもよい。外周接合部に沿い、且つ全周に亘って連続した形状に設けることにより、基布組織内部を通って発生するガス抜けをエアバッグの全外周で抑止することができ、極めて高い内圧保持性を得ることができる。
また、該綾織状構造域の幅も、綾織状構造域の織組織、織密度、使用する糸繊度、要望される特性などに応じて選定すればよく、経糸または緯糸10〜100本、好ましくは経糸または緯糸30〜80本の範囲から適宜選定すればよい。なお、前記本数は、使用する糸の繊度をナイロン470dtexに換算した場合であり、用いる糸の繊度が470dtexより大きい場合ならびに小さい場合は、係数=(470÷使用糸の繊度)を掛けた本数とすればよい。繊維材料の比重がナイロンと異なる場合は、比重を換算した繊度とすればよい。
具体的な綾織状構造域の幅は3〜30mm程度とすることができる。
更に、外周接合部および/または外周接合部の外側に延在する外縁部に設けた該綾織状構造域の面積割合は、それぞれの部位において適宜設定すればよい。例えば、それぞれの部位の全面積に対して5〜100%、好ましくは10〜80%の範囲とすればよい。
本発明の袋織エアバッグに用いる経糸及び緯糸の素材は、天然繊維、化学繊維、無機繊維など特に限定するものではない。なかでも、汎用性があり、基布の製造工程、基布物性などの点から合成繊維が好ましい。例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン612などの単独またはこれらの共重合、混合により得られる脂肪族ポリアミド繊維、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロン9Tに代表される脂肪族アミンと芳香族カルボン酸の共重合ポリアミド繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの単独またはこれらの共重合、混合によって得られるポリエステル繊維、超高分子量ポリオレフィン系繊維、ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどの含塩素系繊維、ポリテトラフルオロエチレンを含む含フッ素系繊維、ポリアセタール系繊維、ポリサルフォン系繊維、ポリフェニレンサルファイド系繊維(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン系繊維(PEEK)、全芳香族ポリアミド系繊維、全芳香族ポリエステル系繊維、ポリイミド系繊維、ポリエーテルイミド系繊維、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール系繊維(PBO)、ビニロン系繊維、アクリル系繊維などから適宜選定すればよい。なかでも、物理特性、耐久性、耐熱性などの点から、ナイロン66繊維が好ましい。また、リサイクルの観点からはポリエステル系繊維やナイロン6繊維も好ましい。
本発明に用いる繊維糸条には、紡糸性や加工性、耐久性などを改善するために通常使用されている各種の添加剤、例えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などの一種又は2種以上を使用してもよい。また、加撚、嵩高加工、捲縮加工、捲回加工、糊付け加工などの加工を施してもよい。さらに、糸条の形態は、長繊維フィラメント以外に、短繊維の紡績糸、これらの複合糸などを用いてもよい。
本発明で使用する繊維糸条の繊度は、通常エアバッグ基布に用いられている太さの糸、すなわち150〜1000dtexの範囲から選定すればよく、好ましくは235〜700dtexの範囲とすればよい。繊度が150dtexより細いと、エアバッグに求められる強度が得られにくい傾向にあり、1000dtexを超えると、目付けが大きくなりすぎる傾向にある。また、これらの糸条の単糸繊度は、0.5〜8dtex、好ましくは0.5〜4dtexの範囲で適宜選定すればよい。
本発明で使用する繊維糸条の強度は、5〜15cN/dtexの範囲であれば好ましく、さらに6〜10cN/dtexの範囲であれば好ましい。この範囲内であれば高速展開した際の衝撃を受けてもエアバッグ基布を構成する繊維糸条が破断することなく、乗員保護性能を十分発揮することができる。
本発明の袋織エアバッグ用基布を製織する場合の織機は特に制限を受けないが、例えば、ウォータージェットルーム、エアジェットルーム、レピアルーム、プロジェクタイルルームなどが使用できる。中でも、生産性、経糸へのダメージや糸汚れの低減などを考慮すると、ウォータージェットルームやエアジェットルームが好ましい。また、膨張部の形成にはジャカード装置やドビー装置が用いられる。特に複雑な組織とするには、ジャカード装置(電子式または機械式)が好ましく、生産性や組織変更の容易さの点で電子式ジャカード装置がより好ましい。
本発明の袋織エアバッグの膨張部基布の二重織組織は、通常のエアバッグ用基布に用いられているものなかから適宜選定すればよく、例えば、平織、斜子織、畝織、綾織あるいはこれらの混合組織などいずれでもよい。
また、基布の織密度も要望されるエアバッグ用基布の物理特性が得られる範囲で選定すればよく、例えば、経糸密度および緯糸密度を25〜80本/2.54cmとすればよい。また。織密度は、経と緯を同じにしても、異なるものにしても、いずれでもよい。
本発明の袋織エアバッグは、用いる糸繊度、織密度から算出されるカバーファクターとして1250〜2500の範囲にあればよく、エアバッグとして要望される特性に応じて選定すればよい。
なお、カバーファクターは下式によって算出することができる。
CF=Nw×√Dw+Nf×√Df
ここで、Nw、Nfは経糸及び緯糸の織密度(本/2.54cm)
Dw、Dfは経糸及び緯糸の総繊度(detx)
本発明の構造を持つ基布は精練により製織時に用いた糊剤を除くことは好ましく、バッチ式や連続式など既知の方法が利用可能である。更に、加工時や製品としての寸法安定性を付与するために150〜200℃で熱セットを行ってよい。
また、本発明では、エアバッグの外表面に被覆材がラミネート加工されていることが肝要である。ラミネート加工されたエアバッグでは、外周接合部と膨張部の境界に発生する目ずれによる空気漏れが少なくなり、裁断面からの空気漏れが生じるため、本発明の綾織状構造域による抑制効果が得られやすい。
ラミネート加工法の場合、その加工方法については特に限定されるものではなく、a)ドライラミネート法(接着剤を塗布、乾燥して溶剤を蒸発させた後に熱圧着)、b)ウェットラミネート法(水溶性の接着剤を塗布して貼り合わせた後に乾燥)、c)押出しラミネート法(溶融した樹脂を基布面に吐出)、d)サーマルラミネート法(あらかじめ成膜した被覆材を積層、熱圧着)、などの既知の方法が利用可能であるが、加工コストおよび環境面の観点からするとサーマルラミネート法が好ましい。サーマルラミネート法の被覆材に用いる熱可塑性材料としては、ガスの透過を防ぐ被覆層と、基布と被覆層との密着を高める接着層との複合により構成されているものが好ましい。サーマルラミネート法の場合、加工温度は被覆材料のうちの接着層の融点よりも高い温度であればよいが、10℃以上、好ましくは20℃以上高い温度、例えば100〜200℃に設定することで接着層を確実に溶融させ、基布との密着性を向上させることができる。加熱時間は設定加工温度によって適宜選定すればよいが、少なくとも30秒以上、好ましくは40秒〜180秒加熱することが好ましい。接着時の圧力は、基布と溶融した接着層を密着させることができる圧力を適宜選定すればよいが、面圧では4N/cm2以上、線圧では30N/cm以上に設定することが好ましい。更に接着力を向上させる目的で、サーマルラミネート法とドライラミネート法などの加工方法を組み合わせてラミネートすることも好ましい。
ラミネート加工する被覆材については、熱可塑性材料が好ましく、被覆材を構成する被覆層としては、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、ポリカーボネート(PC)系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等のホモポリマーまたはコポリマー、および他種材料との共重合体、変性体等、既知の物質が使用可能である。
また接着層に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル(EVA)系樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、メラミン系樹脂のホモポリマーまたはコポリマー、および他種材料との共重合体、変性体等が挙げられるが、以上のものに限定されない。
ラミネート加工に用いる前記被覆材の厚みについても特に限定されることはないが、10〜100μmの間で目的に応じて適宜設定すればよい。一般的には、例えば、側面衝突用のカーテンエアバッグでは、自動車の初期衝突対応の仕様では10〜40μmが好ましく、自動車の横転対応の仕様では40〜100μmが好ましい。
また、ラミネート加工に用いる被覆材のうち気密性を確保する被覆層の厚みは、カーテンエアバッグの用途に応じて適宜選定すればよいが、初期衝突対応の仕様では2〜32μmが好ましく、自動車の横転対応の仕様では、8〜80μmが好ましい。さらに、被覆層と基布とを接着する接着層の厚みは、接着強度などに応じて適宜選定すればよいが、前記被覆材の全体厚みのうち接着層の厚みが20〜80%になるように設定することが好ましい。20%未満であると、接着層が基布内部へ充分に浸透できず、所望の接着強度及びエアバッグの内圧維持性を達成できない恐れがある。また、80%を超えると、被覆層の厚さが不足して気密性が未達となりやすい。
また、前記材料には、主たる材料の他、加工性、接着性、表面特性あるいは耐久性などを改良するために、通常使用される各種の添加剤、例えば、架橋剤、接着付与剤、反応促進剤、反応遅延剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、耐光安定剤、老化防止剤、潤滑剤、平滑剤、粘着防止剤、顔料、撥水剤、撥油剤、酸化チタンなどの隠蔽剤、光沢付与剤、難燃剤、可塑剤などのうちの1種または2種以上を選択して、混合してもよい。
また、前記材料には基布との密着性を向上させるための各種前処理剤、接着向上剤などを添加してもよいし、予め基布表面にプライマー処理などの前処理を施してもよい。さらに、前記材料の物理特性を向上させたり、耐熱性、老化防止性、耐酸化性などを付与するため、前記材料を基布に付与した後、熱風処理、加圧熱処理、高エネルギー処理(高周波、電子線、紫外線など)などにより乾燥、架橋、加硫などを行ってもよい。
以下に本発明の実施例を示す。
(1)内圧維持性試験
試験用エアバッグに内圧測定用のセンサーを取り付け、エアバッグ内圧が50kPaになるよう空気を入れ、その後バルブを閉止してエアバッグ内圧の変化を記録し、バルブ閉止6秒後のエアバッグ内圧を評価した。
(2)厚み測定
ISO 5084に準じて測定を行い、結果を実施例1の厚みを100とした場合の値で示す。
(3)重量測定
ISO 3801に準じて測定を行い、結果を実施例1の重量を100とした場合の値で示す。
[実施例1]
Hailide社製、ポリエステル原糸の繊度466dtex、単糸数96本の糸を、水溶性ポリエステルを主成分とするサイジング剤でサイジングし、これを経糸として使用した。緯糸として、経糸と同じポリエステル原糸を使用した。ジャカード機(ストーブリー社製)を搭載したエアージェット織機(ドルニエ社製)により、膨張部を二重平織組織とし、外周接合部の組織は、膨張部側より2/2斜子織(図13−A)(13a)、風通織(図13−B)(13b)、3/3斜子織(図13−C)(13c)の順とし、外周接合部に連接した外縁部に8枚斜文織(図9−C)(15)を12mmの幅で設け、仕上がり密度が経57本/2.54cm、緯49本/2.54cmになるように袋織基布を製織した。
製織した袋織基布を連続精練機により精練し、乾燥後ピンテンターによりヒートセット(セット温度150℃×30秒間)を行った。次にサーマルラミネート法によって多層フィルム(厚さ40μm、接着層:ポリオレフィン、保護層:ポリエーテルブロックアミド)をロール温度150℃、線圧50N/cmでラミネート加工した。
次いで、レーザー裁断機(レクトラ社製)により所定の形状に裁断し、自動車車体への取付け部の補強縫いを行い、試験用エアバッグを作製した。作製したエアバッグを用いて重量、厚み及び内圧維持性を評価した。その結果を表1に示す。
外周接合部に連接した外縁部に本発明の綾織状構造域を設けた袋織エアバッグは、軽量で薄く内圧維持性に優れていた。
[実施例2]
外周接合部の組織を膨張部側より2/2斜子織(図13−A)(13a)、風通織(図13−B)(13b)、3/3斜子織(図13−C)(13c)の順とし、外周接合部から乖離した外縁部に山形斜文織(図9−I)(15)を12mmの幅で設けて製織した以外は、実施例1に準じて袋織基布を作製した。
評価した結果を表1に示す。
外周接合部に乖離した外縁部に本発明の綾織状構造域を設けた袋織エアバッグは、軽量で薄く内圧維持性に極めて優れていた。
[実施例3]
外周接合部の組織を膨張部側より2/2斜子織(図13−A)(13a)、風通織(図13−B)(13b)、3/3斜子織(図13−C)(13c)の順とし、外周接合部に連接した外縁部に8枚斜文織(図9−C)または山形斜文織(図9−I)(15)を12mmの幅で織構造線が膨張部の外周形状に沿って延在するように設けて製織した以外は、実施例1に準じて袋織基布を作製した。
評価した結果を表1に示す。
外周接合部に連接した外縁部に本発明の綾織状構造域を設けた袋織エアバッグは、軽量で薄く内圧維持性に極めて優れていた。
[比較例1]
外周接合部の組織を膨張部側より2/2斜子織(図13−A)(13a)、風通織(図13−B)(13b)、3/3斜子織(図13−C)(13c)の順になるように製織した以外は、実施例1に準じて袋織基布を作製した。
評価した結果を表1に示す。
外周接合部に綾織状構造域を設けない場合は、内圧維持性が著しく不足していた。
[比較例2]
外周接合部の組織を膨張部側より2/2斜子織(図13−A)(13a)、風通織(図13−B)(13b)、3/3斜子織(図13−C)(13c)の順になるようにした以外は、実施例1に準じて袋織基布を製織した。
製織した袋織基布を連続精練機により精練し、乾燥後ピンテンターによりヒートセット(セット温度150℃×30秒間)を行った。次に、基布表面にナイフコーティングによりベースコート84g/m、トップコート10g/mでシリコーン樹脂を施した。それぞれの加熱条件は、180℃×2分、200℃×1分とした。
評価した結果を表1に示す。
コーティング加工した場合は、ラミネート加工に比べ重く、厚いうえ、内圧維持性が不足した。
10 袋織エアバッグ
11 膨張部
12 膨張部の外側領域
13 外周接合部
13a〜d 織組織部
14 外縁部
15 綾織状構造域
16 織組織部
17 裁断面
18 接着層
19 被覆層
20 被覆材
21 ガスの流れ
31 接着層が連続して浸透した部分
32 接着層が不連続で浸透した部分
41 膨張部の外周形状に沿って延在している集合連結線
42 膨張部の外周形状に沿って延在していない集合連結線

Claims (4)

  1. 少なくとも2枚の基布が製織により膨張可能な袋状に形成された袋織エアバッグ(10)であって、前記袋織エアバッグ(10)は、膨張部(11)の外周に位置する外周接合部(13)、および、外周接合部(13)の外側に延在する外縁部(14)を含み、
    前記外周接合部(13)は複数の織組織から構成されており、
    前記外縁部(14)と隣接し前記膨張部(11)と隣接しない、前記外周接合部(13)の最外層部位の少なくとも一部には、一重織組織からなる綾織状構造域(15)が設けられており、
    前記綾織状構造域(15)は、織組織図の最小単位図内において、浮き沈みが同じ組織点を上、下、左、右のいずれかに結んでいくことによって、連続的な連結線を形成したときに、前記連結線が、全体的に見て前記織組織図の対角方向に延在し得るように構成されており、
    前記膨張部(11)と隣接する前記外周接合部(13)の最内層部位には、前記綾織状構造域(15)に関して規定された織組織とは異なる織組織が用いられており、
    前記袋織エアバッグ(10)の外表面がラミネート加工されている、袋織エアバッグ。
  2. 前記綾織状構造域(15)において、隣接する前記最小単位図の前記連結線を接続して形成される集合連結線が、全体的に見て前記膨張部(11)の外周形状に沿って延在している、請求項1に記載の袋織エアバッグ。
  3. 前記綾織状構造域(15)、前記外周接合部(13)全周に亘って連続している、請求項1または2に記載の袋織エアバッグ。
  4. 前記綾織状構造域(15)が、経糸または緯糸10〜100本の幅を有する、請求項1〜3までのいずれか一項に記載の袋織エアバッグ。
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