JP6676858B2 - 打込み工具 - Google Patents

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Description

本発明は、打込み材を打ち出すことで、打込み材を被加工物に打込む打込み工具に関する。
釘等の打込み材を木材等の被加工物に打込む打込み工具が知られている。例えば、特許文献1には、ドライバと、ドライバを戻し位置から延出位置へ直線状に移動させることで、ドライバに打込み材を打ち出させるフライホイールおよびローラと、ドライバを延出位置から戻し位置へと復帰させる戻し機構とを備えた打込み工具が開示されている。戻し機構は、ドライバの両側に延在するレールと、レールに外装された圧縮コイルバネを含む。戻し機構は、ドライバが延出位置へ移動するときに圧縮された圧縮コイルバネの弾性力を利用して、ドライバを戻し位置に移動させるように構成されている。
米国特許出願公開許第2013/0233903号明細書
上記戻し機構のような、圧縮コイルバネが高速で圧縮される機構では、サージングが発生し、線材同士が衝突することによって、圧縮コイルバネの耐久性が低下する可能性がある。そこで、上記戻し機構の圧縮コイルバネは、耐久性の低下を抑えるために、数本のワイヤを縒り合せて形成された縒り線バネで構成されている。しかしながら、戻し機構の耐久性の更なる向上の観点から、上記の打込み工具には改善の余地がある。
本発明は、ドライバによって打込み材を打ち出すことで、打込み材を被加工物に打込む打込み工具において、ドライバを初期位置に復帰させる機構の耐久性の向上に資する技術を提供することを課題とする。
本発明の一態様によれば、打込み材を打ち出すように構成された打込み工具が提供される。なお、打込み材として、例えば、釘、鋲、ピン、ステープルが挙げられ、打込み工具として、例えば、釘打ち機、タッカ、ステープルガンが挙げられる。この打込み工具は、ドライバと、第一移動機構と、第二移動機構とを備えている。
ドライバは、所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されている。第一移動機構は、ドライバを初期位置から打込み位置へ移動させることで、ドライバに打込み材を打ち出させるように構成されている。第二移動機構は、ドライバを打込み位置から初期位置へ復帰させるように構成されている。第二移動機構は、捩りコイルバネと、バネ保持部材と、可撓性部材とを備える。捩りコイルバネは、線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有する。捩りコイルバネは、ドライバの打込み位置への移動と連動した作動端部の作動で生じる弾性力によって、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。バネ保持部材は、捩りコイルバネを保持し、且つ、中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されている。可撓性部材は、ドライバとバネ保持部材とを接続する
捩りコイルバネの作動端部は、バネ保持部材に接続されている。バネ保持部材は、可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備えるとともに、ドライバの打込み位置への移動に連動して回転軸周りの所定方向に回転されることで作動端部を作動させ、且つ、捩りコイルバネの弾性力によって所定方向とは反対方向に回転されるように構成されている。可撓性部材は、ドライバの前記打込み位置への移動によって巻取り部から引き出されることで、バネ保持部材を所定方向に回転させ、且つ、弾性力によるバネ保持部材の反対方向への回転によって巻取り部に巻き取られることで、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。
可撓性部材は、金属製のワイヤ、あるいは、繊維製の紐状または帯状部材である。可撓性部材の一端部は、巻取り部に接続され、可撓性部材の他端部は、緩衝材を介してドライバに接続されている。
かかる構成の打込み工具によれば、作動端部が中心軸と交差する方向に作動されることでコイルの中心軸周りに捩りモーメントを受ける捩りコイルバネでは、線材同士の衝突が起こらないため、第二移動機構の耐久性を向上させることができる。また、バネの耐久性を向上させるための対策として、縒り線バネのような特殊な部品を使用する必要がなく、コスト増加を抑制することができる。
また、捩りコイルバネを保持し、バネの作動端部が接続されたバネ保持部材の回転をドライバの移動と連動させることで、ドライバの打込み位置への移動によって捩りコイルバネに弾性力を生じさせ、その弾性力によってドライバを初期位置へ復帰させる機能をシンプル且つコンパクトな構成で実現することができる
更に、バネ保持部材に巻取り可能な可撓性部材によってドライバとバネ保持部材とを接続することで、ドライバの移動とバネ保持部材の回転をシンプル且つコンパクトな構成で連動させることができる。
本発明の一態様によれば、打込み材を打ち出すように構成された打込み工具が提供される。この打込み工具は、ドライバと、第一移動機構と、第二移動機構とを備えている。
ドライバは、所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されている。第一移動機構は、ドライバを初期位置から打込み位置へ移動させることで、ドライバに打込み材を打ち出させるように構成されている。第二移動機構は、ドライバを打込み位置から初期位置へ復帰させるように構成されている。第二移動機構は、捩りコイルバネと、バネ保持部材と、可撓性部材とを備える。捩りコイルバネは、線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有する。捩りコイルバネは、ドライバの打込み位置への移動と連動した作動端部の作動で生じる弾性力によって、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。バネ保持部材は、捩りコイルバネを保持し、且つ、中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されている。可撓性部材は、ドライバとバネ保持部材とを接続する。
捩りコイルバネの作動端部は、バネ保持部材に接続されている。バネ保持部材は、可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備えるとともに、ドライバの打込み位置への移動に連動して回転軸周りの所定方向に回転されることで作動端部を作動させ、且つ、捩りコイルバネの弾性力によって所定方向とは反対方向に回転されるように構成されている。可撓性部材は、ドライバの打込み位置への移動によって巻取り部から引き出されることで、バネ保持部材を所定方向に回転させ、且つ、弾性力によるバネ保持部材の反対方向への回転によって巻取り部に巻き取られることで、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。
打込み工具は、第1ストッパ部と、第2ストッパ部とを更に備える。第1ストッパ部は、ドライバが打込み位置に移動された場合に、ドライバに当接することで、ドライバの移動を停止させるように構成されている。第2ストッパ部は、ドライバが打込み位置に移動された場合に、バネ保持部材に設けられた係止部に当接し、バネ保持部材の回転を停止させるように構成されている。
本発明の一態様によれば、打込み材を打ち出すように構成された打込み工具が提供される。この打込み工具は、ドライバと、第一移動機構と、第二移動機構とを備えている。
ドライバは、所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されている。第一移動機構は、ドライバを初期位置から打込み位置へ移動させることで、ドライバに打込み材を打ち出させるように構成されている。第二移動機構は、ドライバを打込み位置から初期位置へ復帰させるように構成されている。第二移動機構は、捩りコイルバネと、バネ保持部材とを備える。捩りコイルバネは、線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有する。捩りコイルバネは、ドライバの打込み位置への移動と連動した作動端部の作動で生じる弾性力によって、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。バネ保持部材は、捩りコイルバネを保持し、且つ、中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されている。
捩りコイルバネの作動端部は、バネ保持部材に接続されている。バネ保持部材は、ドライバの前記打込み位置への移動に連動して回転軸周りの所定方向に回転されることで作動端部を作動させ、且つ、捩りコイルバネの弾性力によって所定方向とは反対方向に回転されることで、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されている。
バネ保持部材は、円筒状の本体部を含む。捩りコイルバネは、バネ保持部材の本体部の内部に収容されている。
本態様において、第二移動機構は、ドライバとバネ保持部材とを接続する可撓性部材を更に備え、バネ保持部材は、可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備えてもよい。そして、可撓性部材は、ドライバの打込み位置への移動によって巻取り部から引き出されることで、バネ保持部材を所定方向に回転させ、且つ、捩りコイルバネの弾性力によるバネ保持部材の反対方向への回転によって巻取り部に巻き取られることで、ドライバを初期位置へ復帰させるように構成されていてもよい。このように、バネ保持部材に巻取り可能な可撓性部材によってドライバとバネ保持部材とを接続することで、ドライバの移動とバネ保持部材の回転をシンプル且つコンパクトな構成で連動させることができる。
本発明に係る打込み工具の一態様として、可撓性部材は、前記動作線を挟んで対状に配置されていてもよい。この場合、バネ保持部材が対状に配置された可撓性部材を巻き取るのに伴って、ドライバを動作線に沿って安定して移動させることができる。
本発明に係る打込み工具の一態様として、バネ保持部材の回転軸は、ドライバが初期位置に配置されたときにドライバの基端と先端の間に配置されてもよい。なお、ドライバの先端とは、打込み材に接触する端である。ドライバの基端とは、動作線の延在方向において先端とは反対側の端である。上記の配置関係は、ドライバが初期位置にあるとき、動作線の延在方向に関して、バネ保持部材とドライバは互いに少なくとも一部が重なって配置される、とも言い換えることができる。この場合、ドライバの動作線の延在方向に関し、可撓性部材によって接続されたドライバとバネ保持部材の全体としての長さをできるだけ短くすることができる。
本発明に係る打込み工具の一態様として、巻取り部の外周長は、初期位置と打込み位置との間のドライバの移動距離よりも長く設定されていてもよい。初期位置と打込み位置との間のドライバの移動距離は、巻取り部に巻き取られる可撓性部材の長さに対応する。よって、巻取り部の外周長がドライバの移動距離よりも長ければ、可撓性部材が巻取り部に重ねて巻かれることがないため、摩擦による可撓性部材の劣化を抑制することができる。
本発明に係る打込み工具の一態様として、第二移動機構は、バネ保持部材を打込み工具の工具本体に対して回転可能に支持し、バネ保持部材の回転を案内するように構成された支持部材を更に備えてもよい。捩りコイルバネの固定端部は、支持部材に接続されることで、支持部材を介して工具本体に対して固定されていてもよい。この場合、支持部材によって、バネ保持部材の回転案内と捩りコイルバネの固定端部の工具本体への固定という2つの機能を実現することができる。
ドライバが初期位置に配置されているときの釘打ち機の全体構成を示す説明図である。 ドライバが初期位置に配置されているときの戻し機構の斜視図である。 ドライバが初期位置に配置されているときの戻し機構と戻し機構収容部を示す、図1のIII−III線における断面図である(但し、係止部と回転ストッパ部の図示は省略されている)。 ドライバが打込み位置に配置されているときの釘打ち機の全体構成を示す説明図である。 ドライバが打込み位置に配置されているときの戻し機構と戻し機構収容部を示す、図4のV−V線における断面図である(但し、係止部と回転ストッパ部の図示は省略されている)。 戻し機構の分解斜視図である(但し、ワイヤの図示は省略されている)。 戻し機構の別の分解斜視図である。 バネ保持ドラムの縦断面図である。 バネ保持ドラムの側面図である。 ドライバが初期位置にあるときのドライバ案内部とドライバの位置関係を示す断面図である。 戻し機構の正面図である(但し、ドライバの図示は省略されている)。 変形例に係るワイヤの説明図である。 変形例に係るドライバの説明図である。 図13のXIV―XIV線における断面図である。 図13のXV―XV線における断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、実施形態では、打込み工具の一例として、電動式の釘打ち機1を挙げて説明する。釘打ち機1は、釘9を直線状に打ち出すことで、被加工物100(例えば、木材)に釘9を打込む釘打ち作業を行うことが可能な工具である。
まず、図1を参照して、釘打ち機1の概略構成について説明する。図1に示すように、釘打ち機1は、本体部10と、ノーズ部12と、ハンドル13と、マガジン17とを主体として構成されている。
本体部10は、ハウジング11と、ドライバ3と、打出し機構5と、戻し機構7とを含む。ハウジング11は、本体部10の外郭を形成し、ドライバ3、打出し機構5、および戻し機構7を収容する。ドライバ3は、所定の動作線Lに沿って直線状に移動することで、釘9を釘打ち機1から打ち出す。打出し機構5は、釘9を打ち出す方向にドライバ3を移動させる機構であり、戻し機構7は、釘9を打ち出した後のドライバ3を元の位置に復帰させる機構である。なお、ドライバ3、打出し機構5、および戻し機構7の詳細については後述する。ノーズ部12は、動作線Lの延在方向(以下、単に動作線L方向という)におけるハウジング11の一端に連結されており、動作線L方向にノーズ部12を貫通するドライバ通路(図示せず)を有する。ドライバ通路の一端はハウジング11の内部に開口し、他端は、釘9が打ち出される射出口123として、釘打ち機1の外部に開口している。
ハンドル13は、動作線L方向においてハウジング11の中央部から動作線Lと交差する方向に延びる。ハンドル13は、作業者によって把持される部位である。ハンドル13の基端部(ハウジング11に接続された端部)には、作業者によって操作されるトリガ14が設けられている。また、ハンドル13の先端部(基端部とは反対側の端部)には、端子等を備えたバッテリ装着部15を介してバッテリ19が取り外し可能に装着されている。なお、図示は省略するが、ハンドル13内部には、打出し機構5を制御するためのコントローラ等が配置されている。マガジン17は、複数の釘9を充填可能に構成されており、ノーズ部12に装着されている。マガジン17に充填された釘9は、釘送り機構(図示せず)によって、ドライバ通路に一本ずつ供給される。
なお、以下の説明では、便宜上、ドライバ3の動作線L方向(図1の左右方向)を釘打ち機1の前後方向と規定し、射出口123が設けられている側を釘打ち機1の前側(図1の右側)、反対側(図1の左側)を後側と規定する。また、動作線L方向に直交し、ハンドル13の延在方向に対応する方向(図1の上下方向)を釘打ち機1の上下方向と規定し、ハンドル13が本体部10(ハウジング11)に接続されている側(図1の上側)を上側、ハンドル13の先端部(バッテリ19が装着される端部)が配置される側(図1の下側)を下側と規定する。
次に、図1〜図11を参照して、ドライバ3、打出し機構5、および戻し機構7の詳細構成について、順に説明する。
以下、図1〜図5を参照して、ドライバ3について説明する。図1に示すように、ドライバ3は、長尺状の部材として形成されている。ドライバ3は、その長軸が動作線Lと一致し、釘打ち機1の前後方向に延在するように配置される。本実施形態では、ドライバ3は、長軸(動作線L)に関して左右対称形状に形成されている。このため、ドライバの重心は長軸上に位置する。このように、ドライバ3の重心を動作線L上に配置することで、動作線Lに沿ったドライバ3の移動動作を安定化させることができる。
ドライバ3の前端31は、釘9を打撃する打撃部として機能する部位である。ドライバ3の後端32は、後述する後方ストッパ部116に当接してドライバ3の初期位置を規定する部位である。図2および図3に示すように、ドライバ3の前後方向中央部と後端32との間には、左右に突出する一対の係止アーム部35が設けられている。係止アーム部35は、後述する前方ストッパ部119に当接することで、ドライバ3の前方への移動を規制する部位である。また、係止アーム部35には、後述するワイヤ79の係止端部794が係止されるワイヤ接続部37が形成されている。
ドライバ3は、動作線L上に沿って(釘打ち機1の前後方向に、またはドライバ3の長軸方向にとも言い換えられる)、初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されている。詳細には、本実施形態では、ドライバ3は、後述するフライホイール53および戻し機構7によって、動作線L上に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されている。
ここで、ドライバ3の初期位置および打込み位置について説明する。初期位置とは、打出し機構5が作動していない状態でドライバ3が保持される位置である。本実施形態では、ドライバ3の初期位置は、図1および図3に示すように、ドライバ3の後端32が、ハウジング11の後端部内面に設けられた後方ストッパ部116に当接する位置に設定されている。打込み位置とは、打出し機構5によって前方へ移動されたドライバ3が釘9を被加工物に打ち込む位置である。本実施形態では、ドライバ3の打込み位置は、図4に示すように、ドライバ3の前端31が射出口123から僅かに突出した位置に設定されている。なお、ドライバ3の打込み位置は、図4および図5に示すように、ドライバ3の一対の係止アーム部35の前端が、ハウジング11前端部の内部に固定された一対の前方ストッパ部119に後方から当接する位置である。上記の配置から、本実施形態では、初期位置と打込み位置は、動作線Lに沿って移動するドライバ3の移動範囲の両端を規定する位置であると言い換えることもできる。なお、本実施形態では、前方ストッパ部119は、ドライバ3が衝突したときの衝撃を和らげるために、緩衝材で形成されている。
以下、図1を参照して、打出し機構5について説明する。図1に示すように、打出し機構5は、モータ51と、フライホイール53と、押圧ローラ57とを含む。
駆動源としてのモータ51は、その出力軸が釘打ち機1の左右方向(図1の紙面に直交する方向)に延在するように配置されている。モータ51の出力軸にはプーリ52が連結されている。
フライホイール53は、モータ51によって回転駆動されるように構成されている。フライホイール53は、その回転軸がモータ51の出力軸と平行に(つまり左右方向に)延在するように、モータ51の前方で回転可能に支持されている。フライホイール53の回転軸にはプーリ54が連結されている。プーリ52とプーリ54にはベルト55が架け渡されている。よって、モータ51が駆動されると、モータ51の回転がベルト55を介してフライホイール53に伝達され、フライホイール53は、図1の時計回り方向に回転する。なお、詳細は図示しないが、本実施形態では、ノーズ部12の前端部には、前後方向に進退可能な接触アームが設けられている。接触アームが被加工物100に押し付けられ、接触アームに接続されたスイッチがONとされると、モータ51が駆動され、フライホイール53が回転される。
押圧ローラ57は、フライホイール53と協働してドライバ3を移動させるように構成されている。押圧ローラ57は、その回転軸がフライホイール53の回転軸と平行に(左右方向に)延在するように、フライホイール53の上方で回転可能に支持されている。また、詳細は図示しないが、本実施形態では、押圧ローラ57は、ドライバ3に上から当接してドライバ3をフライホイール53に対して押し付ける押圧位置と、ドライバ3から離間する離間位置との間で上下方向に移動可能に構成されている。より詳細には、押圧ローラ57は、常時には離間位置に保持されているが、モータ51が駆動された状態でトリガ14が引き操作され、トリガ14に接続されたスイッチがONとされると、離間位置から押圧位置に移動される。このとき、フライホイール53が図1の時計回り方向に回転されていると、フライホイール53および押圧ローラ57に挟持されたドライバ3は、後述する戻しバネ71の弾性力に抗して打込み位置まで移動され、釘9を打撃して射出口123から打ち出す。
ここで、戻し機構7の説明に先立って、図1および図3を参照して、戻し機構7が配置される戻し機構収容部110について説明する。図1に示すように、戻し機構収容部110は、ハウジング11の後端部上部に設けられている。戻し機構収容部110は、第一固定部111と、第二固定部113と、後方ストッパ部116と、回転ストッパ部117とを含む。
図3に示すように、第一固定部111はハウジング11後端部の左上部に形成された部位である。第二固定部113は、ハウジング11後端部の右上部に形成された部位である。第一、第二固定部111、113は、後述の第一、第二支持部材75、77が夫々固定される部位であり、左右対称に形成されている。第一、第二固定部111、113は、夫々、第一、第二支持部材75、77(詳細には本体固定部752、772)に係合可能に構成されると共に、ネジ759、779が螺合されるネジ穴112、114を有する。
図1および図3に示すように、後方ストッパ部116は、ドライバ3が初期位置に配置されているときにドライバ3の後端32が当接する部位であり、ドライバ3が初期位置よりも後方へ移動するのを規制するように構成されている。後方ストッパ部116は、ドライバ3の初期位置を規定する部位であるということもできる。本実施形態では、ハウジング11の後端部においてドライバ3の後方に位置する領域は、前方に向けて突出するように形成されており、後方ストッパ部116はその前面に配置されている。本実施形態では、後方ストッパ部116は、ドライバ3が衝突したときの衝撃を和らげるために、緩衝材で形成されている。
図4に示すように、回転ストッパ部117は、ドライバ3が打込み位置に配置されているときに、後述するバネ保持ドラム73の係止部745が当接する部位であり、バネ保持ドラム73が、ワイヤ79が引き出される方向(以下、引出し方向という)に回転するのを規制するように構成されている。本実施形態では、回転ストッパ部117は、ハウジング11の後端部から前方へ突出する突出部として形成されている。回転ストッパ部117は、バネ保持ドラム73の一対の係止部745に対応して、係止部745の後方の2箇所に配置されている。
以下、図1〜図3、図6〜図11を参照して、戻し機構7について説明する。戻し機構7は、戻しバネ71と、バネ保持ドラム73と、ワイヤ79と、第一支持部材75と、第二支持部材77とを含む。
戻しバネ71は、金属製の線材を所定の中心軸A1周りに螺旋状に巻回することで形成された捩りコイルバネである。捩りコイルバネとは、コイルの中心軸A1周りに捩りモーメントを受けるコイルバネであり、バネに荷重が加わると、線材に曲げ応力を発生する。
図6に示すように、戻しバネ71は、コイル部711と、固定端部713と、作動端部715とを含む。コイル部711は、戻しバネ71のコイルを構成する部分である。固定端部713は、戻しバネ71を構成する線材の一端部であって、後述する第一支持部材75を介してハウジング11に対して固定される端部である。本実施形態では、固定端部713は、コイル部711の一端(より詳細には左端)からコイル部711の直径に対応するように延在している。作動端部715は、戻しバネ71を構成する線材のもう一方の端部であって、ドライバ3の移動に連動して、中心軸A1に交差する方向に作動するように構成された端部である。本実施形態では、作動端部715は、コイル部711の他端(より詳細には右端)からコイル部711の接線方向に延びている。詳細は後述するが、本実施形態では、作動端部715は、ドライバ3が前方へ移動するのに連動してコイルを巻き込む方向(図1の反時計回り方向。以下、単に巻込み方向という)に作動されるように構成されている。
バネ保持ドラム73は、戻しバネ71を保持し、且つ、戻しバネ71の中心軸A1と同軸状に延在する回転軸A2周りに回転可能に構成されている。図6に示すように、本実施形態では、バネ保持ドラム73は、本体部731と、巻取り部733とを含む。
図8に示すように、本体部731は、回転軸A2方向に延在する円筒状の部位である。本体部731の内部空間は、戻しバネ71のコイル部711を収容するコイル収容空間732として構成されている。本体部731の回転軸A2方向における両端部は、夫々、回転案内部741として形成されている。回転案内部741は、後述の第一支持部材75および第二支持部材77の回転支持部751、771に支持されて、バネ保持ドラム73の回転を案内するように構成されている。図9に示すように、回転案内部741の外周面は、回転軸A2に直交する断面形状が円弧状の曲面部742と、回転軸A2に直交する断面形状が直線状の平面部743とを含む。本実施形態では、4組の曲面部742と平面部743が、回転案内部741の周方向に交互に配置されている。曲面部742は、回転支持部751、771の内周面に接触して摺動する摺動面として構成されている。一方、平面部743は、回転支持部751、771の内周面と離間して配置されるように構成されている。また、図7に示すように、回転案内部741のうち一方(より詳細には、右側の回転案内部741)は、外周の一部が分断された分断部744を有する。
図6〜図8に示すように、巻取り部733は、本体部731の径方向外側に突出する一対のフランジ状の部位であって、本体部731両端部の回転案内部741に隣接して設けられている。巻取り部733は、外周にワイヤ79を巻き取り可能に構成されている。より詳細には、巻取り部733の外周には、回転軸A2の周方向の全周に亘って巻取り溝734が形成されている。巻取り部733の外周長(つまり、巻取り溝734の全長)は、初期位置と打込み位置との間のドライバ3の移動距離よりも若干長く設定されている。巻取り溝734の1箇所には、後述するワイヤ79の係止端部792が係止されるワイヤ接続部735が形成されている。また、一対の巻取り部733のうち一方(より詳細には右側の巻取り部733)の外側の面(右面)には、径方向内側の端から径方向外側に向けて延びる係止溝739が形成されている。係止溝739の径方向内側の端は、回転案内部741の分断部744と対応する位置にある。係止溝739には、コイル収容空間732に収容されたコイル部711からコイル部711の接線方向に突出する作動端部715が嵌合される。
更に、本実施形態では、図7に示すように、本体部731には、係止部745およびドライバ案内部747が設けられている。係止部745およびドライバ案内部747は、いずれも本体部731の外周面から径方向外側に突出する一対の突出部として形成されている。
係止部745は、回転軸A2方向において一対の巻取り部733の内側に連続して形成されている。係止部745の突出量は、巻取り部733の突出量と等しい。係止部745は、ドライバ3が打込み位置に到達したときに、ハウジング11に設けられた回転ストッパ部117(図4参照)に係止することで、バネ保持ドラム73が、引出し方向に回転することを規制するように構成された部位である。
ドライバ案内部747は、回転軸A2方向における本体部731の中央部に、左右方向に間隔をあけて並設されている。ドライバ案内部747は、ドライバ3が初期位置に配置されているときに、ドライバ3を上下方向に安定した姿勢で保持するように構成されている。このため、ドライバ案内部747の突出量は、本体部731の外周面と初期位置に配置されたドライバ3との距離に対応するように設定されている(図10参照)。
ワイヤ79は、バネ保持ドラム73とドライバ3とを接続する金属製の可撓性部材である。図1および図7に示すように、本実施形態では、バネ保持ドラム73に接続されるワイヤ79の一端部は、球体がかしめられた係止端部792として構成されている。また、ドライバ3に接続される他端部は、球体と矩形体とがかしめられた係止端部794として構成されている。
図1に示すように、係止端部792の球体は、巻取り部733のワイヤ接続部735に設けられた球形穴(図8参照)に嵌合される。そして、係止端部792の球体に連続するワイヤ部分が、球形穴と巻取り溝734を接続する細溝(図8参照)に挟持されている。この細溝は、作動端部715の巻込み方向に沿って径方向外側に延び、巻取り溝734に接続している。係止端部792は、かかる構成によってワイヤ接続部735に係止されている。また、図2および図5に示すように、もう一方の係止端部794の球体は、係止アーム部35のワイヤ接続部37に設けられた球形穴に嵌合されている。係止端部794の矩形体は、球体に対し、ワイヤ接続部37に設けられた壁部を隔てて後方に配置され、球体と矩形体の間のワイヤ部分が、壁部の前後方向に延びる細溝に挟持されている。係止端部794は、かかる構成によってドライバ3に係止されている。
なお、図5に示すように、バネ保持ドラム73の回転軸A2方向における中心線から各巻取り部733までの距離は、ドライバ3の左右方向の中心線(ドライバ3の長軸)からワイヤ接続部37までの距離と等しくなるように設定されている。
第一支持部材75および第二支持部材77は、戻しバネ71を保持するバネ保持ドラム73をハウジング11に対して回転可能に支持し、バネ保持ドラム73の回転を案内するように構成されている。より詳細には、第一支持部材75と第二支持部材77は、ハウジング11に設けられた戻し機構収容部110に固定され、回転軸A2が左右方向に延在するように、バネ保持ドラム73を左右から回転可能に支持している。なお、バネ保持ドラム73は、バネ保持ドラム73の回転軸A2方向における中心線が動作線Lに一致するように配置されている。これにより、フランジ状の巻取り部733は、ドライバ3の動作線Lに関して左右対称に配置されている。
本実施形態では、第一支持部材75と第二支持部材77とは、概ね左右対称の同一形状に形成されているが、第一支持部材75のみが戻しバネ71の固定端部713を固定する構成を有する点において異なっている。以下、第一支持部材75および第二支持部材77について順に説明する。
図7に示すように、第一支持部材75は、回転支持部751と、バネ固定部757と、本体固定部752と、ワイヤ案内部755とを含む。
回転支持部751は、バネ保持ドラム73の左側の回転案内部741を回転可能に支持するように構成されている。図2および図7に示すように、回転支持部751は、有底の円筒状に形成されており、バネ保持ドラム73の回転案内部741の外径とほぼ同一の内径を有する。回転支持部751の深さ(開口から底までの距離)は、巻取り部733からの回転案内部741の突出量(回転軸A2方向の長さ)とほぼ同一である。回転支持部751は、左側の回転案内部741の外部に左方から嵌め込まれている。これにより、コイル収容空間732は、回転支持部751によって左側から塞がれている。前述したように、回転案内部741の外周面は、曲面部742と平面部743とを含む。回転案内部741は、回転支持部751の内周面に曲面部742が摺動しながら回転可能である。また、回転支持部751の内周面と平面部743との間の隙間には、潤滑剤としてのグリスが充填されている。
バネ固定部757は、バネ保持ドラム73に保持された戻しバネ71の固定端部713を固定するように構成されている。図3および図7に示すように、本実施形態では、バネ固定部757は、有底円筒状の回転支持部751の円形の底部(右面)の中央部から右方へ突出し、上下方向に延在する溝を挟んで対向する2つの突片として形成されている。バネ固定部757は、この溝内に配置された固定端部713を挟み込むことで、固定端部713を第一支持部材75に対して固定する。
本体固定部752は、ハウジング11に固定可能に構成された部位である。図3、図6および図7に示すように、本実施形態では、本体固定部752は、前後方向に延在する円筒状に形成されており、回転支持部751の外面(左面)に配置されている。本体固定部752は、内部にネジ穴753を有する。本体固定部752が戻し機構収容部110の第一固定部111に係合されると、本体固定部752のネジ穴753と第一固定部111のネジ穴112とが、同軸状に前後方向に連通される。第一支持部材75は、ネジ穴753、112の順にネジ759が螺合されることで、第一固定部111に固定されている。これにより、バネ固定部757によって第一支持部材75に固定された戻しバネ71の固定端部713は、第一支持部材75を介してハウジング11に固定されている。
ワイヤ案内部755は、巻取り部733から引き出される、または巻取り部733に巻き取られるワイヤ79を、前後方向に安定して案内するように構成されている。図7に示すように、本実施形態では、ワイヤ案内部755は、回転支持部751の下端に接続されており、前後方向に延在する板状部を有する。この板状部の上面には、前後方向に延在するワイヤ案内溝756が形成されている。図11に示すように、ワイヤ案内溝756は、左側の巻取り部733の下方で巻取り溝734に対向配置され、巻取り溝734との間に配置されたワイヤ79を前後方向に案内する。
前述の通り、第二支持部材77の構成は、バネ固定部757を有しないこと以外、第一支持部材75とほぼ同一であるため、以下に簡単に説明する。図3および図6に示すように、第二支持部材77は、回転支持部771と、本体固定部772と、ワイヤ案内部775とを含む。回転支持部771は、回転支持部751と同様、有底の円筒状であるが、回転支持部751とは異なり、底部(左面)には突出部は設けられていない。本体固定部772は、本体固定部752と同様、内部にネジ穴773を有する円筒状に形成されている。第二支持部材77は、ネジ穴773、第二固定部113のネジ穴114の順にネジ779が螺合されることで、第二固定部113に固定されている。ワイヤ案内部775は、ワイヤ案内部755と同様に、回転支持部771の下端に接続されており、ワイヤ案内溝776を有する。図11に示すように、ワイヤ案内溝776は、右側の巻取り部733の下方で巻取り溝734に対向配置され、巻取り溝734との間に配置されたワイヤ79を前後方向に案内する。
本実施形態では、上記構成の第一、第二支持部材75、77によって、バネ保持ドラム73の回転案内と戻しバネ71の固定端部713のハウジング11への固定という2つの機能が実現されている。
ここで、戻し機構7およびドライバ3の初期状態について説明する。図1に示すように、初期状態にある戻し機構7では、巻取り部733には、作動端部715の巻き込み方向(図1の反時計回り方向)にワイヤ79がほぼ一周分巻回されている。ワイヤ79は、巻取り部733の下端とワイヤ案内部755、775(図11参照)の間を通って前方へ延び、係止端部794でドライバ3に接続されている。また、戻しバネ71は、第一支持部材75を介して固定端部713がハウジング11に対して固定され、且つ、巻込み方向の荷重がかけられた状態でバネ保持ドラム73に収容され、保持されている。このため、戻しバネ71の弾性力によって、バネ保持ドラム73は、作動端部715を巻き戻す方向(図1の時計回り方向)、つまり、ワイヤ79を巻取り部733に巻き取る方向(以下、巻取り方向という)に付勢されている。
ドライバ3は、初期状態において、戻しバネ71の弾性力によってワイヤ79を介して後方に付勢され、ドライバ3の後端32が後方ストッパ部116に当接する初期位置で保持されている。図3に示すように、このとき、バネ保持ドラム73は、ドライバ3の後端部の上方に配置されている。このため、バネ保持ドラム73の回転軸A2は、動作線L方向において、ドライバ3の前端31と後端32の間に配置されている。また、ドライバ3は、前後方向における中央部分と前端31との間でフライホイール53によって下方から支持されている。更に、ドライバ3の後端部の上方にはバネ保持ドラム73のドライバ案内部747が当接し、ドライバ3の後端部が上方へ向けて傾斜することを規制している。これにより、ドライバ3は、上下方向において、動作線L上に安定した姿勢で保持されている。
以下、図1、図4および図5を参照して、釘打ち機1の動作について説明する。前述した通り、釘打ち機1では、ノーズ部12の前端部の接触アーム(図示せず)が被加工物100に押し付けられた状態で作業者がトリガ14を引き操作することで、打出し機構5が作動する。より詳細には、モータ51が駆動されてフライホイール53が回転し、押圧ローラ57が押圧位置に移動される。これにより、初期位置に配置されたドライバ3は、押圧ローラ57およびフライホイール53に上下から挟持され、後方への付勢力に抗して、打込み位置へ向けて動作線Lに沿って前方へ移動される。
ドライバ3の前方への移動に連動して、係止アーム部35に接続されたワイヤ79が前方へ引っ張られることで、ワイヤ79が巻取り部733から引き出される。これに伴い、バネ保持ドラム73は、戻しバネ71の弾性力に抗して回転軸A2周りに引き出し方向(図1の反時計回り方向)に回転される。このため、バネ保持ドラム73の係止溝739に係止された作動端部715が巻き込み方向に作動され、戻しバネ71に更なる弾性力を生じさせる。なお、バネ保持ドラム73の引き出し方向への回転に伴い、ドライバ案内部747は、ドライバ3が上下方向に安定した姿勢で前方へ移動するように案内する。
図4に示すように、ドライバ3は、釘9を打撃して射出口123から打ち出し、打込み位置に達する。ドライバ3の係止アーム部35の前端が前方ストッパ部119に後方から当接し、バネ保持ドラム73の係止部745が回転ストッパ部117に上方から当接することで、ドライバ3の移動とバネ保持ドラム73の回転が停止される。図5に示すように、ドライバ3が打込み位置に配置されると、巻取り部733から引き出されたワイヤ79は、動作線Lに関して左右対称に、且つ動作線Lに概ね平行に延びる。
この状態で作業者がトリガ14の引き操作を中止する、または接触アームの被加工物100への押し付けを解除すると、打出し機構5は動作を停止する。これに伴い、戻し機構7が作動し、ドライバ3を初期位置に復帰させる。より詳細には、ドライバ3の打込み位置への移動に伴って生じた戻しバネ71の弾性力によって、バネ保持ドラム73が巻取り方向(図4の時計回り方向)に回転される。これに伴って、ワイヤ79が巻取り部733に巻き取られることで、ドライバ3はワイヤ79によって後方に引っ張られ、後端32が後方ストッパ部116に当接する初期位置に復帰する。
以上に説明したように、本実施形態の釘打ち機1は、動作線Lに沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されたドライバ3と、ドライバ3を初期位置から打込み位置へ移動させることで、ドライバ3に釘9を打出させるように構成された打出し機構5と、ドライバ3を打込み位置から初期位置へ復帰させるように構成された戻し機構7とを備えている。戻し機構7は、捩りコイルバネである戻しバネ71の弾性力を利用して、ドライバ3を打込み位置から初期位置へ復帰させるように構成されている。戻しバネ71は、作動端部715が中心軸A1に交差する巻込み方向に作動されると、コイルの中心軸A1周りに捩りモーメントを受ける。かかる構成の戻しバネ71では、圧縮コイルバネで問題となるような線材同士の衝突が起こらない。よって、圧縮コイルバネを使用する場合に比べ、釘9を打ち出した後のドライバ3を初期位置に復帰させる戻し機構7の耐久性を向上させることができる。また、バネの耐久性を向上させるための対策として、縒り線バネのような特殊な部品を使用する必要がなく、コスト増加を抑制することができる。
更に、コイルの中心軸方向に伸縮する圧縮コイルバネに比べると、戻しバネ71の中心軸A1方向における伸縮量は極小である。よって、圧縮コイルバネを使用する場合に比べ、バネの伸縮量を空間マージンとして必要とせず、また、圧縮コイルバネと併用されることが多い筒状の案内部も不要となる。よって、戻し機構7を小型化、軽量化することができる。
また、本実施形態では、戻しバネ71は、バネ保持ドラム73によって保持されており、戻しバネ71の作動端部715は、バネ保持ドラム73の係止溝739に接続されている。バネ保持ドラム73は、戻しバネ71の中心軸A1と同軸状に延在する回転軸A2周りに、ハウジング11に対して回転可能に支持されている。そして、バネ保持ドラム73は、打出し機構5によってドライバ3が打込み位置へ移動されるのに連動して、回転軸A2周りの引出し方向に回転されることで作動端部715を作動させ、戻しバネ71の弾性力によって引出し方向とは反対の巻取り方向に回転されることで、ドライバ3を初期位置へ復帰させるように構成されている。このように、戻しバネ71を保持し、作動端部715が接続されたバネ保持ドラム73の回転をドライバ3の移動と連動させることで、ドライバ3の打込み位置への移動によって戻しバネ71に弾性力を生じさせ、その弾性力によってドライバ3を初期位置へ復帰させる機能をシンプル且つコンパクトな構成で実現することができる。
また、本実施形態では、ドライバ3とバネ保持ドラム73とは、ワイヤ79によって接続されており、バネ保持ドラム73には、ワイヤ79を巻き取り可能な巻取り部733が設けられている。そして、ワイヤ79は、ドライバ3の打込み位置への移動に伴って巻取り部733から引き出されることで、バネ保持ドラム73を引出し方向に回転させる一方、バネ保持ドラム73の巻取り方向への回転によって巻取り部733に巻き取られることで、ドライバ3を初期位置へ復帰させるように構成されている。このように、バネ保持ドラム73に巻取り可能なワイヤ79によってドライバ3とバネ保持ドラム73とを接続することで、ドライバ3の移動とバネ保持ドラム73の回転とをシンプルな構成で連動させることができる。
更に、本実施形態では、一対のワイヤ79は、ドライバ3の動作線Lを挟んで配置されている。これにより、ドライバ3が打出し機構5によって前方へ移動されてバネ保持ドラム73からワイヤ79を引き出すとき、および、バネ保持ドラム73に巻き取られたワイヤ79によって後方へ移動されるときのいずれにおいても、動作線Lに沿ったドライバ3の移動を安定化することができる。特に、本実施形態では、前後方向に延びる動作線Lを挟んで左右対称に一対のワイヤ79が配置されているため、一層の安定化が実現できる。
また、本実施形態では、巻取り部733の外周長(つまり、巻取り溝734の全長)は、初期位置と打込み位置との間のドライバ3の移動距離よりも若干長く設定されている。初期位置と打込み位置との間のドライバ3の移動距離は、巻取り部733に巻き取られるワイヤ79の長さに対応する。本実施形態では、ワイヤ79はドライバ3が初期位置まで戻されても、巻取り部733に重ねて巻かれることがない。よって、摩擦によるワイヤ79の劣化を抑制することができる。
更に、本実施形態では、ドライバ3が初期位置に配置されているとき、バネ保持ドラム73の回転軸A2は、動作線L方向において、ドライバ3の前端31と後端32の間に配置されている。具体的には、バネ保持ドラム73は、ドライバ3の後端部の上方に配置されており、動作線L方向においてドライバ3と重なって配置されている。このような配置により、ドライバ3の動作線L方向に関し、ワイヤ79によって接続されたドライバ3とバネ保持ドラム73の全体としての長さをできるだけ短くすることができる。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る打込み工具は、例示された釘打ち機1の構成に限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す釘打ち機1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
打ち込み工具は、釘9以外の打込み材を打出す工具であってもよい。例えば、鋲、ピン、ステープル等を打出すタッカ、ステープルガンとして具現化されてもよい。また、打出し機構5は、ドライバ3を初期位置から打込み位置へ移動させるように構成されていればよく、上記実施形態のようにモータ51とフライホイール53を含む構成に限られない。例えば、打出し機構5は、モータと複数のギア等で構成された機構であってもよいし、圧縮空気により駆動される機構であってもよい。
ドライバ3を初期位置に復帰させるための弾性力を発揮する部材として、戻しバネ71(捩りコイルバネ)以外の弾性部材が採用されてもよい。この場合、捩りコイルバネと同様に、軸周りに作用する捩りモーメントに応じて弾性力を生じる弾性部材が採用されればよい。そして、弾性部材は、ドライバ3の打込み位置への移動と連動して弾性部材に捩りモーメントが作用することで生じる弾性力によって、ドライバ3を初期位置に復帰させるように構成されていればよい。かかる弾性部材として、例えば、捩り棒バネを採用することができる。この場合、例えば、捩り棒バネの一端は、ハウジング11(またはハウジング11に対して相対移動しない内部構造)に対して固定され、他端は、ドライバ3の打込み位置への移動に連動して軸周り方向に捩られるように、ドライバ3と接続されていればよい。
戻しバネ71は、固定端部713が固定され、作動端部715が、ドライバ3の打込み位置への移動に連動して中心軸A1と交差する方向に作動して戻しバネ71に弾性力を生じさせるように構成されている限り、コイル部711、固定端部713、作動端部715の形状等は適宜変更が可能である。また、上記実施形態では、戻しバネ71の作動端部715がコイルを巻き込む方向に作動される例が挙げられているが、作動端部715が作動される方向は、コイルを巻き戻す方向であってもよい。固定端部713は、ハウジング11(またはハウジング11に対して相対移動しない内部構造)に対して直接または間接的に固定されていればよい。また、上記実施形態では、戻しバネ71は、初期状態において、ドライバ3を初期位置に安定して保持するために、巻き込み方向の荷重がかけられた状態で保持されているが、自由状態で保持されていてもよい。
戻しバネ71は、必ずしもバネ保持ドラム73によって保持されている必要はない。例えば、戻しバネ71は、固定端部713がハウジング11に固定された状態で、コイル部711に左右方向に挿通されたシャフトによって支持されていてもよい。そして、作動端部715とドライバ3とが、1本のワイヤ79で接続されていてもよい。この場合も、ドライバ3が打込み位置へ移動されることで、作動端部715が中心軸A1と交差する方向に作動され、戻しバネ71に弾性力を生じさせることができる。なお、ワイヤ79は、例えばプーリを介して適切な方向に案内されればよい。
バネ保持ドラム73は、戻しバネ71を保持し、且つ、中心軸A1と同軸状に延在する回転軸A2周りに回転可能に構成されていればよく、必ずしも実施形態の構成を有する必要はない。例えば、戻しバネ71のコイル部711に同軸状に挿通されるシャフト部と、所定方向に回転したときに作動端部715が中心軸A1と交差する方向(例えば、コイルの巻込み方向)に作動するように接続される接続部とを有するバネ保持部材が採用されてもよい。
バネ保持ドラム73は、必ずしも第一、第二支持部材75、77によって支持される必要はなく、例えば、ハウジング11に設けられた支持構造によって直接支持されてもよい。この場合、固定端部713は、直接ハウジング11(またはハウジング11に対して相対移動しない内部構造)に固定されればよい。第一、第二支持部材75、77は、必ずしも別個に形成された2つの部材である必要はなく、バネ保持ドラム73を回転可能に支持し、且つ、固定端部713をハウジング11に対して固定可能に構成された1つの部材であってもよい。
ドライバ3と戻し機構7の動作線L方向の全長をできるだけ短くするためには、上記実施形態のように、バネ保持ドラム73は、ドライバ3が初期位置に配置されているときに、動作線L方向において回転軸A2がドライバ3の前端31と後端32との間に位置するように配置されることが好ましい。しかしながら、ドライバ3が初期位置に配置されているときに、回転軸A2がドライバ3の後端32よりも後方に配置されることが排除されるものではない。
また、例えば、バネ保持ドラム73とワイヤ79との接続構造や、ドライバ3とワイヤ79との接続構造は、適宜変更されてもよい。以下に、図12〜図15を参照して、ドライバ3とワイヤ79との接続構造の変形例について説明する。
本変形例に係るワイヤ790は、2つの端部のうち、バネ保持ドラム73に接続される側の係止端部792は上記実施形態と同一である(図1参照)。一方、図12に示すように、他方の係止端部795は、上記実施形態の係止端部794(図7参照)とは異なっている。具体的には、係止端部795は、ワイヤ790の先端にかしめられた金属製の球体796と、球体796に被せられたカバー797とを含む。なお、図12では、一方のワイヤ790の係止端部795は、カバー797が被せられていない状態で図示されている。本実施形態では、カバー797はゴム製であって、概ね立方体状に形成されている。カバー797は、中心部に形成された球状の空洞と、カバー797の外面から空洞まで切り込まれた細溝798を有する。細溝798を広げた状態で、ワイヤ790の球体796が空洞に嵌め込まれた後、ゴムの復元力で細溝798が閉じられると、球体796はカバー797に覆われた状態で保持される。
一方、図13〜図15に示すように、本変形例に係るドライバ30は、係止アーム部350に設けられたワイヤ接続部370の構成が上記実施形態のワイヤ接続部37(図5参照)とは異なっている。具体的には、ワイヤ接続部370は、各係止アーム部350の側面から動作線L方向に凹んだ矩形状の凹部として形成されている。ワイヤ接続部370の上下方向の高さは、ワイヤ790の係止端部795のカバー797の高さと概ね等しく、ワイヤ接続部370の深さ(左右方向の長さ)は、カバー797よりも長い。また、係止アーム部350の後端部(ワイヤ接続部370の後側の部分)は、係止アーム部350の側面から動作線L方向に切り込まれた細溝371を有する。細溝371は、ワイヤ接続部37と連通している。
係止端部795(カバー797)は、係止アーム部350の側面に形成されたワイヤ接続部370の開口部からワイヤ接続部370に嵌め込まれている。そして、細溝371を通して、係止端部795から後方にワイヤ790が延在している。係止端部795は、かかる構成によってドライバ30に係止されている。本変形例の係止端部795とワイヤ接続部370によれば、簡便な構成でワイヤ790を確実にドライバ30に接続することができる。また、戻しバネ71による後方への付勢力に抗してドライバ30が打込み位置へ向けて前方へ移動を開始するときに係止端部795にかかる衝撃を、ゴム製のカバー797が緩衝することができる。これにより、ワイヤ790とドライバ30との接続構造の耐久性を高めることができる。
上記実施形態および変形例では、ドライバ3、30とバネ保持ドラム73とを接続し、且つ、バネ保持ドラム73に巻取り可能なワイヤ79、790によって、ドライバ3、30の移動とバネ保持ドラム73の回転とが連動されている。しかしながら、金属製の可撓性部材であるワイヤ79、790に代えて、他の可撓性部材が採用されてもよい。例えば、引っ張り強度の高い繊維製の紐状部材や、帯状部材が採用されてもよい。また、ワイヤ79、790または他の可撓性部材は、必ずしも動作線Lを挟んで対状に設けられる必要はなく、1本のみが設けられても良い。この場合、ワイヤ79、790または他の可撓性部材は、ドライバ3、30の移動を安定化させるために、ドライバ3、30の重心を通るドライバ3、30の動作線L上に延在するように配置されることが好ましい。この変更に伴い、ドライバ3、30の形状等も適宜変更されればよい。ワイヤ79、790または他の可撓性部材が動作線Lを挟んで対状に設けられる場合であっても、必ずしも対称状に配置される必要はなく、ドライバ3、30の重心位置に応じて配置が決定されればよい。
また、ワイヤ79、790または他の可撓性部材の摩擦による劣化を抑制するためには、巻取り部733の外周長(巻取り溝734の全長)は、初期位置と打込み位置との間のドライバ3、30の移動距離よりも長く設定されていることが好ましい。しかしながら、巻取り部733の外周長(巻取り溝734の全長)が移動距離以下に設定されることが排除されるものではない。
更に、本発明および上記実施形態の趣旨に鑑み、以下の構成(態様)が構築される。以下の構成のうちいずれか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す釘打ち機1、あるいは各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記バネ保持部材は、径方向外側に突出する係止部を備え、
前記打込み工具は、前記第一移動機構によって前記ドライバが前記打込み位置に移動された場合に前記係止部に当接することで、前記バネ保持部材の回転を規制する回転ストッパ部を更に備えていてもよい。
[態様2]
前記バネ保持部材は、径方向外側に突出するドライバ案内部を備え、
前記ドライバ案内部は、前記ドライバが初期位置に配置されている場合に、前記ドライバに当接し、前記ドライバが初期位置から前記打込み位置へ向けて移動されるときに、前記ドライバの移動を案内するように構成されていてもよい。
[態様3]
前記支持部材は、巻取り部に対向して配置されるワイヤ案内部を備え、
前記ワイヤ案内部は、前記可撓性部材が前記巻取り部から引き出される、または前記巻取り部に巻き取られる場合に、前記可撓性部材を巻取り部との間で案内するように構成されていてもよい。
上記実施形態および変形例の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。釘打ち機1、本発明の「打込み工具」に対応する構成例である。釘9は、本発明の「打込み材」に対応する構成例である。ドライバ3、30は、本発明の「ドライバ」に対応する構成例である。ドライバ3、30の前端31および後端32は、夫々、本発明の「先端」、「基端」に対応する構成例である。打出し機構5は、本発明の「第一移動機構」に対応する構成例である。戻し機構7は、本発明の「第二移動機構」に対応する構成例である。戻しバネ71、固定端部713、作動端部715は、夫々、本発明の「捩りコイルバネ」、「固定端部」、「作動端部」に対応する構成例である。バネ保持ドラム73、巻取り部733は、夫々、本発明の「バネ保持部材」、「巻取り部」に対応する構成例である。第一、第二支持部材75、77は、本発明の「支持部材」に対応する構成例である。ワイヤ79、790は、本発明の「可撓性部材」に対応する構成例である。
1:釘打ち機
10:本体部
11:ハウジング
110:戻し機構収容部
111:第一固定部
112:ネジ穴
113:第二固定部
114:ネジ穴
116:後方ストッパ部
117:回転ストッパ部
119:前方ストッパ部
12:ノーズ部
123:射出口
13:ハンドル
14:トリガ
15:バッテリ装着部
17:マガジン
19:バッテリ
3、30:ドライバ
31:前端
32:後端
35、350:係止アーム部
37、370:ワイヤ接続部
371:細溝
5:打出し機構
51:モータ
52:プーリ
53:フライホイール
54:プーリ
55:ベルト
57:押圧ローラ
7:戻し機構
71:戻しバネ
711:コイル部
713:固定端部
715:作動端部
73:バネ保持ドラム
731:本体部
732:コイル収容空間
733:巻取り部
734:巻取り溝
735:ワイヤ接続部
739:係止溝
741:回転案内部
742:曲面部
743:平面部
744:分断部
745:係止部
747:ドライバ案内部
75:第一支持部材
751:回転支持部
752:本体固定部
753:ネジ穴
755:ワイヤ案内部
756:ワイヤ案内溝
757:バネ固定部
759:ネジ
77:第二支持部材
771:回転支持部
772:本体固定部
773:ネジ穴
775:ワイヤ案内部
776:ワイヤ案内溝
779:ネジ
79、790:ワイヤ
792:係止端部
794、795:係止端部
796:球体
797:カバー
798:細溝
9:釘
100:被加工物

Claims (8)

  1. 打込み材を打ち出すように構成された打込み工具であって、
    所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されたドライバと、
    前記ドライバを前記初期位置から前記打込み位置へ移動させることで、前記ドライバに前記打込み材を打ち出させるように構成された第一移動機構と、
    前記ドライバを前記打込み位置から前記初期位置へ復帰させるように構成された第二移動機構とを備え、
    前記第二移動機構は、
    線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、前記中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有し、前記ドライバの前記打込み位置への移動と連動した前記作動端部の作動で生じる弾性力によって、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成された捩りコイルバネと、
    前記捩りコイルバネを保持し、且つ、前記中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されたバネ保持部材と、
    前記ドライバと前記バネ保持部材とを接続する可撓性部材とを備え、
    前記捩りコイルバネの前記作動端部は、前記バネ保持部材に接続されており、
    前記バネ保持部材は、前記可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備えるとともに、前記ドライバの前記打込み位置への移動に連動して前記回転軸周りの所定方向に回転されることで前記作動端部を作動させ、且つ、前記捩りコイルバネの前記弾性力によって前記所定方向とは反対方向に回転されるように構成され、
    前記可撓性部材は、前記ドライバの前記打込み位置への移動によって前記巻取り部から引き出されることで、前記バネ保持部材を前記所定方向に回転させ、且つ、前記弾性力による前記バネ保持部材の前記反対方向への回転によって前記巻取り部に巻き取られることで、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成されており、
    前記可撓性部材は、金属製のワイヤ、あるいは、繊維製の紐状または帯状部材であって、
    前記可撓性部材の一端部は、前記巻取り部に接続され、前記可撓性部材の他端部は、緩衝材を介してドライバに接続されていることを特徴とする打込み工具。
  2. 打込み材を打ち出すように構成された打込み工具であって、
    所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されたドライバと、
    前記ドライバを前記初期位置から前記打込み位置へ移動させることで、前記ドライバに前記打込み材を打ち出させるように構成された第一移動機構と、
    前記ドライバを前記打込み位置から前記初期位置へ復帰させるように構成された第二移動機構とを備え、
    前記第二移動機構は、
    線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、前記中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有し、前記ドライバの前記打込み位置への移動と連動した前記作動端部の作動で生じる弾性力によって、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成された捩りコイルバネと、
    前記捩りコイルバネを保持し、且つ、前記中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されたバネ保持部材と、
    前記ドライバと前記バネ保持部材とを接続する可撓性部材とを備え、
    前記捩りコイルバネの前記作動端部は、前記バネ保持部材に接続されており、
    前記バネ保持部材は、前記可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備えるとともに、前記ドライバの前記打込み位置への移動に連動して前記回転軸周りの所定方向に回転されることで前記作動端部を作動させ、且つ、前記捩りコイルバネの前記弾性力によって前記所定方向とは反対方向に回転されるように構成され、
    前記可撓性部材は、前記ドライバの前記打込み位置への移動によって前記巻取り部から引き出されることで、前記バネ保持部材を前記所定方向に回転させ、且つ、前記弾性力による前記バネ保持部材の前記反対方向への回転によって前記巻取り部に巻き取られることで、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成されており、
    前記打込み工具は、
    前記ドライバが前記打込み位置に移動された場合に、前記ドライバに当接することで、前記ドライバの移動を停止させるように構成された第1ストッパ部と、
    前記ドライバが前記打込み位置に移動された場合に、前記バネ保持部材に設けられた係止部に当接し、前記バネ保持部材の回転を停止させるように構成された第2ストッパ部とを更に備えたことを特徴とする打込み工具。
  3. 打込み材を打ち出すように構成された打込み工具であって、
    所定の動作線に沿って初期位置と打込み位置との間で直線状に移動可能に保持されたドライバと、
    前記ドライバを前記初期位置から前記打込み位置へ移動させることで、前記ドライバに前記打込み材を打ち出させるように構成された第一移動機構と、
    前記ドライバを前記打込み位置から前記初期位置へ復帰させるように構成された第二移動機構とを備え、
    前記第二移動機構は、
    線材を所定の中心軸周りに螺旋状に巻回することで形成され、固定端部と、前記中心軸と交差する方向に作動するように構成された作動端部とを有し、前記ドライバの前記打込み位置への移動と連動した前記作動端部の作動で生じる弾性力によって、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成された捩りコイルバネと、
    前記捩りコイルバネを保持し、且つ、前記中心軸と同軸状に延在する回転軸周りに回転可能に構成されたバネ保持部材とを備え、
    前記捩りコイルバネの前記作動端部は、前記バネ保持部材に接続されており、
    前記バネ保持部材は、前記ドライバの前記打込み位置への移動に連動して前記回転軸周りの所定方向に回転されることで前記作動端部を作動させ、且つ、前記捩りコイルバネの前記弾性力によって前記所定方向とは反対方向に回転されることで、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成され、
    前記バネ保持部材は、円筒状の本体部を含み、
    前記捩りコイルバネは、前記バネ保持部材の前記本体部の内部に収容されていることを特徴とする打込み工具。
  4. 請求項3に記載の打込み工具であって、
    前記第二移動機構は、前記ドライバと前記バネ保持部材とを接続する可撓性部材を更に備え、
    前記バネ保持部材は、前記可撓性部材を外周に巻取り可能に構成された巻取り部を備え、
    前記可撓性部材は、
    前記ドライバの前記打込み位置への移動によって前記巻取り部から引き出されることで、前記バネ保持部材を前記所定方向に回転させ、且つ、
    前記弾性力による前記バネ保持部材の前記反対方向への回転によって前記巻取り部に巻き取られることで、前記ドライバを前記初期位置へ復帰させるように構成されていることを特徴とする打込み工具。
  5. 請求項1、2および4の何れか1つに記載の打込み工具であって、
    前記可撓性部材は、前記動作線を挟んで対状に配置されていることを特徴とする打込み工具。
  6. 請求項1、2、4および5の何れか1つに記載の打込み工具であって、
    前記ドライバは、前記打込み材に接触する端である先端と、前記動作線の延在方向において前記先端とは反対側の端である基端とを有し、
    前記バネ保持部材の前記回転軸は、前記ドライバが前記初期位置に配置されたときに前記基端と前記先端の間に配置されることを特徴とする打込み工具。
  7. 請求項1、2および4〜6の何れか1つの何れか1つに記載の打込み工具であって、
    前記巻取り部の外周長は、前記初期位置と前記打込み位置との間の前記ドライバの移動距離よりも長く設定されていることを特徴とする打込み工具。
  8. 請求項1〜7の何れか1つに記載の打込み工具であって、
    前記第二移動機構は、前記バネ保持部材を前記打込み工具の工具本体に対して回転可能に支持し、前記バネ保持部材の回転を案内するように構成された支持部材を更に備え、
    前記捩りコイルバネの前記固定端部は、前記支持部材に接続されることで、前記支持部材を介して前記工具本体に対して固定されていることを特徴とする打込み工具。
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