JP6676626B2 - アシルチオウレア化合物のメシル酸塩の結晶及びその製造方法 - Google Patents

アシルチオウレア化合物のメシル酸塩の結晶及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、溶解性及び経口吸収性に優れ、抗腫瘍剤として有用なアシルチオウレア化合物のメシル酸塩に関し、特に結晶である該メシル酸塩に関する。また、本発明はアシルチオウレア化合物のメシル酸塩を含有する医薬組成物、特に経口投与用の医薬組成物に関する。さらには、アシルチオウレア化合物のメシル酸塩またはその結晶の製造方法にも関する。
一般的に、経口投与用の医薬組成物においては、有効成分の優れた溶解性、安定性、経口吸収性、大量製造可能な方法などが求められる。有効成分が有機化合物の場合、溶解性などを改善するために有効成分の塩を検討するが、最適な塩を予測することは困難である。
また、化合物に結晶多形が存在する場合、結晶多形は、同一分子であって結晶中の原子や分子の配列が異なるものを示すが、粉末X線回折測定(XRD測定)で得られるピークは結晶多形の間で異なる。また、それぞれの結晶多形の間で溶解性、安定性、経口吸収性などが異なることが知られており、医薬品を開発する上で、様々な観点から最適な結晶形を見出すことが求められる。
現在、抗腫瘍剤として複数のc−Met/VEGFR2を合わせ持つ阻害剤が報告されている。優れたc−Met/VEGFR2阻害作用を有し、抗腫瘍活性を示す化合物として4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミド(以下、「化合物1」とも言う)が報告されている(特許文献1、2及び非特許文献1、2)。また、化合物1が骨粗鬆症治療剤として有用であることも報告されている(特許文献3)。
国際公開第2009/125597号 国際公開第2013/100014号 国際公開第2015/046484号
Molecular Cancer Therapeutics;12(12);p2685−96,2013 European Journal of Cancer;48(6);p94;2012
しかし、これらの報告には、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミド(化合物1)の塩及び塩の結晶について溶解性、安定性や経口吸収性に関する記載はされておらず、それらの製造方法についても全く記載も示唆もない。
一方、化合物1は、塩を形成しないフリー体は、溶解性、経口吸収性が低いことが判明した。
そこで本発明は、抗腫瘍剤及び骨粗鬆症治療剤として有用であり、溶解性、安定性及び経口吸収性に優れ、大量製造可能な化合物1の塩及びその結晶を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩が、溶解性及び経口吸収性に優れ、該メシル酸塩の結晶が、溶解性、安定性、経口吸収性に優れ、大量製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[23]に係るものである。
[1] 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩。
[2] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[1]に記載の塩。
[3] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[1]に記載の塩。
[4] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[1]に記載の塩。
[5] 示差熱分析において、217±5℃に吸熱ピークを有する前記[1]〜[4]のいずれか1に記載の塩。
[6] 前記[1]〜[5]のいずれか1に記載の塩を含有する医薬組成物。
[7] 前記[1]〜[5]のいずれか1に記載の塩を含有する経口投与用の医薬組成物。
[8] 工程(1) 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドとメシル酸を溶媒に添加する工程、及び
工程(2) 前記工程(1)で得られた溶媒を攪拌して、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩を析出させる工程
を含む、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩またはその結晶の製造方法。
[9] 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩またはその結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有する前記[8]に記載の製造方法。
[10] 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩またはその結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する前記[8]に記載の製造方法。
[11] 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩またはその結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°に特徴的なピークを有する前記[8]に記載の製造方法。
[12] 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩またはその結晶が、示差熱分析において、217±5℃に吸熱ピークを有する前記[8]〜[11]のいずれか1に記載の製造方法。
[13] 前記工程(1)における溶媒が、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒、又はこれらの混合溶媒である前記[8]〜[12]のいずれか1に記載の製造方法。
[14] 前記工程(1)における溶媒が、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、又はこれらの混合溶媒である前記[8]〜[13]のいずれか1に記載の製造方法。
[15] 前記工程(1)における溶媒が、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はアセトン−水の混合溶媒である前記[8]〜[14]のいずれか1に記載の製造方法。
[16] 工程(1) 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドとメシル酸を溶媒に添加する工程、及び
工程(2) 前記工程(1)で得られた溶媒を攪拌して、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩を析出させる工程
を含む製造方法により製造された4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩。
[17] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[16]に記載の塩。
[18] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[16]に記載の塩。
[19] 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°に特徴的なピークを有する結晶を含む前記[16]に記載の塩。
[20] 示差熱分析において、217±5℃に吸熱ピークを有する前記[16]〜[19]のいずれか1に記載の塩。
[21] 前記工程(1)における溶媒が、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒、又はこれらの混合溶媒である前記[16]〜[20]のいずれか1に記載の塩。
[22] 前記工程(1)における溶媒が、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、又はこれらの混合溶媒である前記[16]〜[21]のいずれか1に記載の塩。
[23] 前記工程(1)における溶媒が、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はアセトン−水の混合溶媒である前記[16]〜[22]のいずれか1に記載の塩。
本発明によれば、化合物1のメシル酸塩は、溶解性、経口吸収性に優れ、また、本発明に係る化合物1のメシル酸塩の結晶は、溶解性、安定性、経口吸収性に優れ、さらに大量製造が可能であることから、医薬品、とりわけ経口投与用の医薬品として利用が期待できる。
図1は、化合物1のメシル酸塩の粉末X線回折スペクトルを示す(縦軸は強度(cps)、横軸は回折角(2θ)を表す)。 図2は、化合物1のp−トシル酸塩の粉末X線回折スペクトルを示す(縦軸は強度(cps)、横軸は回折角(2θ)を表す)。 図3は、化合物1の塩酸塩の粉末X線回折スペクトルを示す(縦軸は強度(cps)、横軸は回折角(2θ)を表す)。 図4は、化合物1の結晶Iの粉末X線回折スペクトルを示す(縦軸は強度(cps)、横軸は回折角(2θ)を表す)。 図5は、化合物1の結晶IIの粉末X線回折スペクトルを示す(縦軸は強度(cps)、横軸は回折角(2θ)を表す)。 図6は、化合物1のメシル酸塩の示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示す(左縦軸はTG曲線における重量(mg)、右縦軸はDTA曲線における熱流束(μV)、横軸は温度(℃)を表す)。 図7は、化合物1のp−トシル酸塩の示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示す(左縦軸はTG曲線における重量(mg)、右縦軸はDTA曲線における熱流束(μV)、横軸は温度(℃)を表す)。 図8は、化合物1の塩酸塩の示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示す(左縦軸はTG曲線における重量(mg)、右縦軸はDTA曲線における熱流束(μV)、横軸は温度(℃)を表す)。 図9は、化合物1の結晶Iの示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示す(左縦軸はTG曲線における重量(mg)、右縦軸はDTA曲線における熱流束(μV)、横軸は温度(℃)を表す)。 図10は、化合物1の結晶IIの示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)の結果を示す(左縦軸はTG曲線における重量(mg)、右縦軸はDTA曲線における熱流束(μV)、横軸は温度(℃)を表す)。
本発明においてメシル酸塩を形成する化合物は、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミド(化合物1)である。構造を以下に示す。
化合物1は、c−Met/VEGFR阻害活性を有し、優れた抗腫瘍活性を示すことが知られているアシルチオウレア化合物のひとつである。
Figure 0006676626
一般的に、有機化合物の塩は有機化合物そのものよりも水への溶解性が優れていることが知られている。有機化合物そのものが塩基性の場合、様々な酸と塩を形成できる。同様に、有機化合物が酸性の場合、様々な塩基と塩を形成できるほか、遊離可能な水素がアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、遷移金属イオンなどと置換することで塩を形成できる。このようにして形成された有機化合物の塩は、通常、液体、又は固体として得ることができる。医薬品を開発する上で有機化合物そのものに課題がある場合、最適な塩を見出し、当該課題を克服することが求められる。
結晶は、原子や分子が規則的な繰り返し構造を配置している固体を示し、繰り返し構造を持たないアモルファス(非晶質)の固体とは異なる。粉末X線回折測定(XRD測定)、示差走査熱量測定(DSC測定)、示差熱熱重量同時測定(TG−DTA)、赤外分光法(IR)などの方法により、結晶、又はアモルファスの固体を調べることができる。
結晶多形は、同一分子であって結晶中の原子や分子の配列が異なるものを示し、XRD測定で得られるピークが結晶多形の間で異なることが知られている。また、それぞれの結晶多形の間で溶解性、経口吸収性、安定性などが異なることが知られており、様々な観点から医薬品を開発する上で最適な結晶を見出すことが求められる。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、化合物1がメシル酸と良好な塩を形成し、当該化合物1のメシル酸塩が溶解性及び経口吸収性、において非常に優れた塩であることを見出した。さらに、化合物1のメシル酸塩の結晶が溶解性、安定性、経口吸収性及び大量製造可能な製法において非常に優れた結晶であることを見出した。
以下、詳細に説明する。
先述したように、本明細書中における、化合物1とは4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドであるが、これは塩を形成していないフリー体を言う。
化合物1は特許文献1に記載の製造方法に基づき合成することができる。
化合物1には、2つの結晶多形(結晶I、結晶II)が存在する。
化合物1の結晶Iは、下記の参考例1に示すように、化合物1にN,N−ジエチルアセトアミドとイソプロパノールの混合溶媒を添加することにより得られる。
また、化合物1の結晶IIは、下記の比較例3に示すように、化合物1にエタノールを添加することにより得られる。しかし、化合物1の結晶I、及び結晶IIは、医薬品として満足できる溶解性、経口吸収性が得られなかった。
化合物1は塩基性であることから、酸と塩を形成する。一般的に薬学的に許容される酸の塩としては塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アスコルビン酸、イソアスコルビン酸、マンデル酸、フマル酸、アスパラギン酸塩、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、馬尿酸、グルタル酸塩、アジピン酸塩、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸(メシル酸)、p−トルエンスルホン酸(p−トシル酸)、グルタミン酸等の有機酸など、多数の塩が挙げられる。
上記酸による塩のうち、下記の試験例1に示すように、シュウ酸塩、マロン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マンデル酸塩、フマル酸塩、アスパラギン酸塩、硫酸塩、リンゴ酸塩、馬尿酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、コハク酸塩、アスコルビン酸塩、マレイン酸塩、及びイソアスコルビン酸塩は、メシル酸塩、p−トシル酸塩、塩酸塩に比べて水に対する溶解度が非常に低くなると示唆された。
更に上記酸の中でもp−トシル酸、及び塩酸塩は医薬品としてよく用いられる塩であるが、下記の試験例2に示すように、溶解度が化合物1のメシル酸塩よりも劣り、医薬品開発の際には経口吸収性が低くなる可能性が高い。
それに対して、本発明に係る化合物1のメシル酸塩(以下、単に「本発明のメシル酸塩」と称することがある。)は、溶解性及び経口吸収性に優れ、該メシル酸塩の結晶とした場合に溶解性、安定性及び経口吸収性に優れ、大量製造が可能であるため、医薬品開発の塩として適している。
本発明のメシル酸塩は、メシル酸と化合物1のモル比が1:1の塩であり、H−NMRなどの分析により決定することができる。通常、有機化合物のメシル酸塩において、メシル酸と有機化合物のモル比は、メシル酸のメチルのプロトンの積分値と有機化合物の少なくとも1つ以上のプロトンの積分値を比較して決定できる。プロトンの積分値はH−NMRチャートのベースライン等の補正により誤差が生じることが知られているため、メシル酸と有機化合物のモル比が0.8:1〜1.2:1の範囲では1:1とみなすことができる。
本発明のメシル酸塩は、単一の結晶、2以上の結晶多形の混合物、非晶質、又はこれらの混合物のいずれでもよいが、結晶を含むメシル酸塩が好ましく、重量比で50%以上の結晶を有するメシル酸塩がより好ましく、重量比で90%以上の結晶を有するメシル酸塩がさらに好ましい。なお、本発明のメシル酸塩に含まれる結晶は、後述する粉末X線回折スペクトルにおける特徴的なピークを有することがよりさらに好ましい。
本発明のメシル酸塩の結晶は、結晶面の成長の違いにより外形が異なる晶癖も含まれる。そのため、該結晶のXRD測定で得られる回折角2θのピークのパターンは同じでも、ピークの相対強度が異なるものも含まれる。ここでいう相対強度とは、粉末X線回折スペクトルにおける回折角2θのピークのうち、ピーク面積が最大のものを100とした際の、各ピーク面積の相対値である。
加えて、本発明における粉末X線回折スペクトルにおける回折角2θのピークの誤差は約±0.2°である。これは、測定に用いられた機器、試料調製、データ解析の方法などにより生じる誤差である。よって、本発明における結晶をXRD測定した際には、得られた回折角2θの誤差±0.2°を考慮する。
本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有することが好ましい。より好ましい実施形態において、本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する。さらに好ましい実施形態において、本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°の回折角に特徴的なピークを有する結晶である。特に好ましい実施形態において、本発明のメシル酸塩の結晶は、回折角(2θ)が6.7°、7.9°、9.6°、11.6°、12.5°、13.2°、13.8°、14.8°、15.7°、19.8°、21.2°、23.0°、24.5°及び26.1°のピークを有する結晶である。
DTA測定のDTA曲線において測定される吸熱ピークの測定温度は、昇温速度や試料の純度等により誤差を生じる。よって、本発明の結晶をDTA測定した際には、吸熱ピーク(ピークトップ値)の誤差は±5.0℃を考慮する。その際に使用する「付近」という用語は±5.0℃を意味する。なお、DTA測定はDTA測定単独でも、示差熱熱重量同時測定であるTG−DTA測定でもよいが、本明細書における示差熱分析における吸熱ピークの値とは、TG−DTA測定におけるDTA曲線で得られる吸熱ピークのピークトップの値±5.0℃を意味する。
典型的な実施形態において、本発明のメシル酸塩の結晶は、DTA曲線において、図6で示す示差熱熱重量同時測定の結果のとおり、217℃付近(212〜222℃)に吸熱ピークを有する。なお、先述したように、本明細書における吸熱ピークとは、ピークのトップの値を意味する。
また、本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有し、かつDTA曲線において、212〜222℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を有することが好ましい。本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有し、かつDTA曲線において、212〜222℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を有することがより好ましい。本発明のメシル酸塩の結晶は、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°の回折角に特徴的なピークを有し、かつDTA曲線において、212〜222℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を有することがさらに好ましい。本発明のメシル酸塩の結晶は、回折角(2θ)が6.7°、7.9°、9.6°、11.6°、12.5°、13.2°、13.8°、14.8°、15.7°、19.8°、21.2°、23.0°、24.5°及び26.1°のピークを有し、かつ、DTA曲線において、212〜222℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を有することが特に好ましい。
本発明のメシル酸塩またはその結晶は、化合物1とメシル酸を特定の溶媒に添加し、撹拌して析出させることにより得ることができる。従って、本発明は、
(1) 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミド(化合物1)とメシル酸を溶媒に添加する工程、及び
(2) 前記工程(1)で得られた溶媒を攪拌して、化合物1のメシル酸塩を析出させる工程
を含む、化合物1のメシル酸塩またはその結晶の製造方法も提供する。
また本発明は、前記製造方法により製造された化合物1のメシル酸塩またはその結晶も提供する。
本発明のメシル酸塩またはその結晶の製造方法に用いられる化合物1は、非晶質、結晶I、結晶II、その他の結晶形、又はこれらの混合物のいずれでもよい。
また、本発明のメシル酸塩またはその結晶の製造方法において添加するメシル酸の量は、モル比で化合物1の0.1〜30倍であり、好ましくは1〜10倍であり、より好ましくは1.1倍〜5倍である。
本発明のメシル酸塩またはその結晶の製造方法において使用できる溶媒は、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒などが挙げられ、これらの混合溶媒も用いることが出来る。
アルコールは、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールなどが挙げられ、好ましくはエタノール、イソプロパノールである。
脂肪族カルボン酸エステルは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどが挙げられ、好ましくは酢酸エチルである。
ケトンは、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられ、好ましくはアセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンである。
エーテルは、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンなどが挙げられる。
炭化水素は、n−ヘキサン、n−ペンタン、n−ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、石油エーテルなどが挙げられる。
非プロトン性極性溶媒は、アセトニトリル、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
本発明のメシル酸塩またはその結晶の製造方法において使用できる溶媒は、上記の溶媒、又はこれらの混合溶媒が挙げられ、好ましくは、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、又はこれらの混合溶媒である。より好ましくは、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はアセトン−水の混合溶媒である。特に好ましくは、アセトン−水の混合溶媒である。
アセトン−水の混合溶媒における、それぞれの溶媒の比は水1容量に対してアセトンが0.1〜50容量が好ましく、より好ましくは1〜20容量であり、さらに好ましくは2〜10容量である。
本発明のメシル酸塩またはその結晶の製造方法において使用できる溶媒量は、化合物1の0.1〜100(容量/重量)倍である。好ましくは1〜50(容量/重量)倍であり、より好ましくは5〜30(容量/重量)倍である。
本発明のメシル酸塩を析出させる工程における温度は、用いる溶媒によって適宜設定され、0℃から溶媒の沸点の間で設定される。また、析出させる工程における温度は一定である必要はなく、0℃から溶媒の沸点の間で加熱又は冷却することができる。
本発明のメシル酸塩を析出させる工程における撹拌は、撹拌機、撹拌羽根、マグネチックスターラーなど、溶媒量や反応釜の大きさに応じて適宜用いて行う。撹拌速度は1〜600rpmであり、好ましくは10〜300rpmである。
また、一般的に塩や結晶などの析出における撹拌時間は、短すぎると析出が十分に進まず、高収率で塩や結晶が得られない。一方、長すぎると有効成分の分解が起こり、収率が低下するため、適切な時間が設定される。本発明のメシル酸塩を析出させる工程における撹拌時間は、1分〜120時間が挙げられ、好ましくは1時間〜72時間であり、より好ましくは3時間〜48時間である。
本発明のメシル酸塩を析出させる工程において、種晶として化合物1のメシル酸塩の結晶を加えてもよい。加える種晶は、結晶化における化合物1のメシル酸塩の理論収量の0.1〜10重量%であり、好ましくは1〜3重量%である。
溶媒中に析出した本発明のメシル酸塩は、例えば、濾取、有機溶媒による洗浄、減圧乾燥等の公知の分離精製手段によって、単離精製することができる。洗浄に使用される有機溶媒としては、上記製造に使用可能な溶媒と同じ溶媒が挙げられる。
減圧乾燥における気圧は0.1気圧(atm)以下であり、0.05気圧以下が好ましい。また、減圧乾燥における温度は0℃〜200℃であり、好ましくは25℃〜100℃である。
本発明は、化合物1のメシル酸塩を含有する医薬組成物にも関する。中でも、化合物1が優れたc−Met阻害活性及びVEGFR2阻害活性を有することから、本発明のメシル酸塩は抗腫瘍剤として有用である。対象となる癌は特に制限されないが、頭頚部癌、消化器癌(食道癌、胃癌、消化管間質腫瘍、十二指腸癌、肝臓癌、胆道癌(胆嚢・胆管癌など)、膵臓癌、小腸癌、大腸癌(結腸直腸癌、結腸癌、直腸癌など)など)、肺癌、乳癌、卵巣癌、子宮癌(子宮頚癌、子宮体癌など)、腎癌、膀胱癌、前立腺癌、尿路上皮癌、骨・軟部肉腫、血液癌(B細胞リンパ腫、慢性リンパ性白血病、末梢性T細胞性リンパ腫、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病など)、多発性骨髄腫、皮膚癌、中皮腫等が挙げられる。
本発明のメシル酸塩を含む医薬組成物は、必要に応じて薬学的担体を配合し、予防又は治療目的に応じて各種の投与形態を採用可能である。該形態としては、例えば、経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤等のいずれでもよく、好ましくは、経口剤である。すなわち、本発明に係る医薬組成物は、経口投与用の医薬組成物であることが好ましい。なお、これらの種々の投与形態は、各々当業者に公知慣用の製剤方法により製造できる。
薬学的担体としては、製剤素材として慣用の各種有機或いは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。また、必要に応じて防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、安定化剤等の製剤添加物を用いることもできる。
経口用固形製剤を調製する場合は、本発明のメシル酸塩に賦形剤、必要に応じて賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。
注射剤を調製する場合は、本発明のメシル酸塩にpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内及び静脈内用注射剤を製造することができる。
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明のメシル酸塩の量は、これを適用すべき患者の症状により、あるいはその剤形等により一定ではないが、一般に投与単位形態あたり、経口剤では0.05〜1000mg、注射剤では0.01〜500mg、坐剤では1〜1000mgとするのが望ましい。
また、上記投与形態を有する薬剤の1日あたりの投与量は、患者の症状、体重、年齢、性別等によって異なり一概には決定できないが、本発明のメシル酸塩として通常成人(体重50kg)1日あたり0.05〜5000mg、好ましくは0.1〜1000mgとすればよく、これを1日1回又は2〜3回程度に分けて投与するのが好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。本発明は実施例により十分に説明されているが、当業者により種々の変更や修飾が可能であろうことは理解される。したがって、そのような変更や修飾が本発明の範囲を逸脱するものでない限り、それらは本発明に包含される。
実施例で用いた各種試薬は、特に記載の無い限り市販品を使用した。
<粉末X線回折測定(XRD測定)>
粉末X線回折は、試験物質適量を必要に応じてメノウ製乳鉢で軽く粉砕した後、次の試験条件に従って測定した。
装置:Xpert PRO MPD(スペクトリス社製)
ターゲット:CuKα
走査範囲:5.0〜35.0°
ステップサイズ:0.02°
スキャンスピード:0.2°/秒
データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順に従った。
<示差熱熱重量同時測定(TG−DTA測定)>
TG−DTA測定は、次の試験条件に従って測定した。
装置:Thermo Plus TG8120(リガク社製)
試料:およそ5mg
昇温速度:5℃/分
データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順に従った。
<プロトン核磁気共鳴(H−NMR)測定>
H−NMR測定は、AL400(400MHz;日本電子(JEOL))、Mercury400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータ、又は400MNMRプローブ(Protasis)を装備したInova400(400MHz;アジレント・テクノロジー)型スペクトロメータを使用し、重溶媒中にテトラメチルシランを含む場合は内部基準としてテトラメチルシランを用い、それ以外の場合には内部基準としてNMR溶媒を用いて測定した。得られたH−NMRチャートは全δ値をppmで示した。
略号の意味を以下に示す。
s:シングレット
d:ダブレット
t:トリプレット
q:カルテット
dd:ダブル ダブレット
dt:ダブル トリプレット
td:トリプル ダブレット
tt:トリプル トリプレット
ddd:ダブル ダブル ダブレット
ddt:ダブル ダブル トリプレット
dtd:ダブル トリプル ダブレット
tdd:トリプル ダブル ダブレット
m:マルチプレット
br:ブロード
brs:ブロードシングレット
<液体クロマトグラフィー(HPLC)測定>
液体クロマトグラフィーによる測定は、次の試験条件に従って測定した。
装置:Hitachi L−2455
移動相A:10mM NaHPO水溶液(pH6.5)
移動相B:アセトニトリル
グラジエント:表1に記載
カラム:GL Science Inertsil ODS−3 4.6×150mm S=5μm
測定波長:220nm
データ処理を含む装置の取り扱いは、各装置で指示された方法及び手順に従った。
Figure 0006676626
<実施例1 化合物1のメシル酸塩>
特許文献1に記載の方法によって得られた化合物1(10.0g)にアセトン(80mL)、水(40mL)及びメシル酸(3.71g)を投入して、1.5時間加熱環流した。その後、アセトンを30mL投入して15時間室温撹拌し、続いて0℃で3時間撹拌した。その際に析出した不溶物を濾取することにより、化合物1のメシル酸塩の結晶(8.25g、収率69%)を得た。
得られた化合物1のメシル酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルを図1に示す。すなわち、回折角(2θ)が、6.7°、7.9°、9.6°、11.6°、12.5°、13.2°、13.8°、14.8°、15.7°、19.8°、21.2°、23.0°、24.5°及び26.1°の回折角にピークが観測された。またTG−DTA測定におけるDTA曲線を図6に示す。DTA曲線では217℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を示した。
また、得られた化合物のH−NMRスペクトルは以下の通りであった。
H−NMR(400MHz、DMSO−d):δppm 12.56(1H、s)、11.87(1H、s)、8.98(1H、d、J=6.34Hz)、8.69(1H、s)、8.49(1H、d、J=4.39Hz)、8.13(1H、d、J=11.47Hz)、7.66〜7.59(3H、m)、7.39〜7.28(5H、m)、6.93(1H、d、J=6.10Hz)、4.07(3H、s)、3.84(3H、s)、2.83(3H,d,J=3.90Hz)、2.33(3H、s)
加えて、本実施例において、当該結晶が反応容器に固く付着することはなく、濾取における濾紙への目詰まりも確認されなかった。また、化合物1を100g用いた際も、同様に実施することが可能であったため、化合物1のメシル酸塩は大量合成可能である。
本実施例において、アセトン及び水の混合溶媒の代わりに、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトンを用いた際も、同様の化合物1のメシル酸塩が得られた。
<比較例1 化合物1のp−トシル酸塩>
特許文献1に記載の方法によって得られた化合物1(964mg)にクロロホルム(100mL)及びメタノール(100mL)、p−トルエンスルホン酸・1水和物(354mg)を投入して、室温にて撹拌したのちに、溶媒を減圧濃縮で留去した。その後、残渣に酢酸エチルを投入し、不溶物を濾取することにより、化合物1のp−トルエンスルホン酸(p−トシル酸)塩の結晶(1.24g、収率97%)を得た。
得られた化合物1のp−トシル酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルを図2に示す。すなわち、回折角(2θ)が、12.6°、14.9°、20.7°、22.3°、24.7°、25.4°、25.7°、26.2°、29.2°、及び31.1°の回折角に特徴的なピークを示した。またTG−DTA測定におけるDTA曲線を図7に示す。DTA曲線では214℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を示した。
また、得られた化合物のH−NMRスペクトルは以下の通りであり、p−トシル酸由来のピークの積分値より、化合物1とp−トシル酸のモル比は1:1であると判断した。
H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δppm 12.56(1H、s)、11.87(1H、s)、8.98(1H、d、J=6.34Hz)、8.69(1H、s)、8.49(1H、d、J=4.39Hz)、8.15〜8.10(1H、m)、7.66〜7.59(3H、m)、7.48(2H、d、J=8.05Hz)、7.39〜7.29(4H、m)、7.11(2H、d、J=7.81Hz)、6.92(1H、d、J=6.10Hz)、4.07(3H、s)、3.84(3H、s)、2.84(3H、d、J=4.88Hz)、2.28(3H、s)
<比較例2 化合物1の塩酸塩>
比較例1の方法と同様に、化合物1(1.02g)、6N塩酸水溶液(361μL)を用いることにより、化合物1の塩酸塩の結晶を得た。
得られた化合物1の塩酸塩の結晶の粉末X線回折スペクトルを図3に示す。すなわち、回折角(2θ)が、5.2°、14.9°、17.5°、19.6°、22.5°、23.3°、25.5°、26.2°及び28.5°の回折角に特徴的なピークを示した。またTG−DTA測定におけるDTA曲線を図8に示すが、DTA曲線では複数の重なった微小な吸熱ピークが得られ、低結晶性であることが分かった。
また、得られた化合物のH−NMRスペクトルは以下の通りであった。
H−NMR(400MHz、DMSO−d6):δppm 12.54(1H、s)、11.85(1H、s)、8.93(1H、d、J=6.10Hz)、8.66(1H、s)、8.50〜8.45(1H、m)、8.10(1H、d、J=13.17Hz)、7.67(1H、s)、7.64〜7.57(2H、m)、7.37〜7.27(4H、m)、6.87(1H、d、J=6.34Hz)、4.06(3H、s)、3.83(3H、s)、2.83(3H、d、J=4.64Hz)
<参考例1 化合物1の結晶I>
特許文献1に記載の方法によって得られた化合物1(3.00g)にN,N−ジエチルアセトアミド(18mL)を投入して50℃で5分間撹拌した。その後イソプロパノール(54mL)を投入して室温にて3時間撹拌し、析出物を濾取することにより、化合物1の結晶I(2.41g、収率80%)を得た。
得られた化合物1の結晶Iの粉末X線回折スペクトルを図4に示す。すなわち、回折角(2θ)が、6.1°、13.9°、23.2°及び24.9°の回折角に特徴的なピークを示した。またTG−DTA測定におけるDTA曲線を図9に示す。DTA曲線では199℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を示した。
<比較例3 化合物1の結晶II>
参考例1で得られた化合物1の結晶I(2.20g)にエタノール(26.4mL)を投入して、2時間加熱環流した。その後、室温まで放冷して析出物を濾取することにより、化合物1の結晶II(1.91g、収率87%)を得た。
得られた化合物1の結晶IIの粉末X線回折スペクトルを図5に示す。すなわち、回折角(2θ)が、7.3°、18.3°、18.8°、21.6°、24.7°及び25.3°の回折角に特徴的なピークを示した。またTG−DTA測定におけるDTA曲線を図10に示す。DTA曲線では211℃に吸熱ピーク(ピークトップ値)を示した。
<試験例1>
化合物1と塩を形成する酸のうち、溶解度の改善が期待される酸をスクリーニングする目的で液体クロマトグラフィーによる測定を行った。化合物1(5mg)及び酸(5mg)を水(5mL)に投入し、室温にて1時間撹拌し、液体クロマトグラフィーにて化合物1の溶液中の酸濃度を、得られたクロマトグラムのピークのエリア面積を比較することにより測定した。酸として、メシル酸、p−トシル酸、塩酸、シュウ酸、マロン酸、酒石酸、クエン酸、マンデル酸、フマル酸、アスパラギン酸、硫酸、リンゴ酸、馬尿酸、グルタル酸、アジピン酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、及びイソアスコルビン酸を用いた。ただし、塩酸の場合は、化合物1(5mg)を0.1N塩酸水溶液(5mL)に投入した。
その結果、メシル酸、p−トシル酸、及び塩酸のみのエリア面積が他の酸に比べて極めて大きいことから、化合物1の塩とした際に、溶解度の改善が期待される酸であると判断した。
<試験例2 溶解度測定>
メシル酸、p−トシル酸、及び塩酸を用いた化合物1の塩について溶解度測定を行った。具体的には、日本薬局方溶解性測定法に従って、実施例1で作製した化合物1のメシル酸塩の結晶、比較例1で作成した化合物1のp−トシル酸塩の結晶、比較例2で作成した化合物1の塩酸塩の結晶、及び化合物1の結晶IIを試料とし、日本薬局方に準拠した溶出試験第2液、精製水、20mMタウロコール酸水溶液及びFeSSIF(Pharm Res.1998 May;15(5):698−705.)に対する溶解度を測定した。結果を表2に示す。この結果より、化合物1のメシル酸塩が、他の塩やフリー体に比べて溶解性に優れることが分かった。特に腸内に存在する溶液のひとつであるFeSSIFに対する溶解度が高いことから、腸内における吸収性も高くなる可能性が示唆されており、医薬品開発に適していると判断した。
Figure 0006676626
<試験例3 固体安定性試験>
実施例1で作製した化合物1のメシル酸塩の結晶を40℃(開放系)、40℃(湿度75%)、又は60℃(開放系)の条件下にて1ヶ月放置した。その後、液体クロマトグラフィーにて純度を測定したところ、いずれの条件においても試験前後における純度変化は0.1%以下であった。また、XRD測定、TG−DTA測定に顕著な変化は見られなかった。
以上の結果より、化合物1のメシル酸塩の結晶は、固体としての安定性に優れた結晶であると判断した。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2015年4月30日出願の日本特許出願(特願2015−092815)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明における化合物1はc−Met/VEGFR阻害活性を有し、優れた抗腫瘍活性を示す化合物であり、そのメシル酸塩は溶解性及び経口吸収性に優れ、また、該塩の結晶は溶解性、安定性、経口吸収性に優れ、かつ大量製造が可能である。そのため、化合物1のメシル酸塩又は該塩の結晶は、医薬品、とりわけ経口投与用の医薬品、中でも経口投与用の抗腫瘍剤として利用が期待できる。

Claims (12)

  1. 粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有する、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩の結晶
  2. 前記結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する請求項1に記載の結晶
  3. 前記結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°に特徴的なピークを有する請求項1に記載の結晶
  4. 示差熱分析において、217±5℃に吸熱ピークを有する請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶を含有する医薬組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の結晶を含有する経口投与用の医薬組成物。
  7. 工程(1) 4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドとメシル酸を溶媒に添加する工程、及び
    工程(2) 前記工程(1)で得られた溶媒を攪拌して、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩を析出させる工程
    を含み、
    前記工程(1)における溶媒が水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、エーテル、炭化水素、非プロトン性極性溶媒、又はこれらの混合溶媒であり、
    粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が、6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも3つ以上の回折角に特徴的なピークを有する、4−(2−フルオロ−4−(3−(2−フェニルアセチル)チオウレイド)フェノキシ)−7−メトキシ−N−メチルキノリン−6−カルボキサミドのメシル酸塩の結晶の製造方法。
  8. 前記メシル酸塩の結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°から選択される少なくとも5つ以上の回折角に特徴的なピークを有する請求項に記載の製造方法。
  9. 前記メシル酸塩の結晶が、粉末X線回折スペクトルにおいて、回折角(2θ±0.2°)が6.7°、7.9°、9.6°、12.5°、13.8°、19.8°、21.2°、及び26.1°に特徴的なピークを有する請求項に記載の製造方法。
  10. 前記メシル酸塩の結晶が、示差熱分析において、217±5℃に吸熱ピークを有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
  11. 前記工程(1)における溶媒が、水、アルコール、脂肪族カルボン酸エステル、ケトン、又はこれらの混合溶媒である請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
  12. 前記工程(1)における溶媒が、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、又はアセトン−水の混合溶媒である請求項7〜10のいずれか1項に記載の製造方法。
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