JP6674755B2 - インクセット及びそれを用いた印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクセット及び該インクセットを用いた印刷方法に関し、特には、着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成することが可能なインクセットに関するものである。
近年、インクの濡れ性を向上させる目的で、着色インクの単独での使用に代えて、着色インクと着色剤を含まないクリアインクを組み合わせたインクセットの使用が提案されている。
例えば、特開2015−067766号公報(特許文献1)は、顔料、カーボネート基を複数有するウレタン樹脂を含む樹脂の分散液及び水溶性溶剤を含む水系着色インク組成物と、着色剤を含まず、樹脂及び水溶性溶剤を含む水系クリアインク組成物とを組み合わせてなるインクセットを開示しており、ここで、水系クリアインク組成物中における樹脂の質量パーセント濃度に対する水系着色インク組成物中における樹脂の質量パーセント濃度の比を特定の範囲に規定することで、インクセットを構成するインク組成物の濡れ性を向上でき、インク液滴がよく濡れ広がり、また、吐出安定性も向上できることを記載している。
特開2015−067766号公報
上述のように、特許文献1に記載されるインクセットによれば、インクセットを構成するインク組成物の濡れ性が良好であり、インク液滴がよく濡れ広がり、また、吐出安定性も良好である。しかしながら、本発明者は、複数種の水系着色インクを備えるインクセットを用いて印刷を行うと、着色インク層中に滲みが生じる問題があることに気付いた。
そこで、本発明の目的は、上記従来技術の問題を解決し、2色以上の水系着色インクを用いた印刷であっても、着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成することが可能なインクセットを提供することにある。また、本発明の他の目的は、着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成することが可能な印刷方法を提供することにある。
本発明者は、水系着色インク中における顔料の分散性が着色インク層における滲みの発生に関与しているものと考える。水系着色インクの組成は、顔料分散性等を考慮して決定されるため、2種以上の水系着色インクを用いて印刷を行う場合、一のインク中に含まれる顔料は、他のインク中でも良好に分散できる場合が多く、例えば基材上に着弾した隣接するインク液滴同士に含まれる顔料の色が異なると、インク液滴の境界部分でインクが混ざり合う際に、インクの滲みが発生するものと推定される。
そこで、本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価との差の大きさが特定の範囲内にある酸価を有する樹脂を含むコーティング層を基材上に形成させることで、水系着色インクの液滴中に含まれる顔料の分散性をコーティング層への着弾後に低下させることができ、延いては着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のインクセットは、二色以上の水系着色インクと水系コーティング液とを含むインクセットであり、
前記水系着色インクが、それぞれ独立して、水、顔料、水溶性溶剤及び樹脂を含み、
前記水系コーティング液が、水、水溶性溶剤及び樹脂を含み、
前記水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価と、前記水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価の差の大きさが40〜240であることを特徴とする。
本発明のインクセットの好適例においては、前記水系着色インク及び前記水系コーティング液中に含まれる樹脂の少なくとも一方が、カーボネート基を複数有するウレタン樹脂を含む。
本発明のインクセットの他の好適例においては、前記水系着色インク及び前記水系コーティング液中に含まれる水溶性溶剤が、アミン化合物を含む。
また、本発明の印刷方法は、上記のインクセットを用いたインクジェットプリンタによってコーティング層と着色インク層とを備える印刷層を基材上に形成する印刷方法であって、
前記水系コーティング液をプリントヘッドから吐出させて、コーティング液滴を基材上に付着させることによりコーティング層を形成させる工程と、前記水系着色インクをプリントヘッドから吐出させて、インク液滴を前記コーティング層上に付着させることにより着色インク層を形成させる工程とを含むことを特徴とする。
本発明のインクセットによれば、着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成することが可能なインクセットを提供することができる。
本発明の印刷方法によれば、着色インク層での滲みの発生を抑えると共に発色性が良好な着色インク層を形成することが可能な印刷方法を提供することができる。
以下に、本発明のインクセットを詳細に説明する。本発明のインクセットは、二色以上の水系着色インクと水系コーティング液とを含むインクセットであり、前記水系着色インクが、それぞれ独立して、水、顔料、水溶性溶剤及び樹脂を含み、前記水系コーティング液が、水、水溶性溶剤及び樹脂を含み、前記水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価と、前記水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価の差の大きさが40〜240であることを特徴とする。
本発明のインクセットは、二色以上の水系着色インクと水系コーティング液とを含むインクセットであり、ここで、「二色以上の水系着色インク」とは、異なる色を発する2種類以上の水系着色インクを意味する。
本発明のインクセットにおいて、水系着色インクは、それぞれが独立して、水、顔料、水溶性溶剤及び樹脂を含むインクであり、インクジェットインクであることが好ましい。なお、インクジェットインクとは、インクジェットプリンタ用のインク組成物である。また、本発明のインクセットにおいて、水系コーティング液は、基材を被覆するための液であり、水、水溶性溶剤及び樹脂を含むものであり、インクジェットプリンタに使用可能なコーティング液であることが好ましい。なお、本発明においては、着色剤を0.1質量%を超える量で含む組成物を「インク」とし、着色剤を含まない又は着色剤を0.1質量%以下含む組成物を単に「液」として表現している。
本発明のインクセットにおいて、水系着色インク及び水系コーティング液は樹脂を含み、ここで、水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価と水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価の差の大きさが40〜240であることを要し、40〜230であることが好ましい。水系着色インクと水系コーティング液に含まれる樹脂の酸価の差の大きさが40以上である場合、水系コーティング液と水系着色インクが混ざると、着色インク中の樹脂とコーティング液中の樹脂は安定性を保てなくなり、凝集する。そして、着色インク中の樹脂の凝集が起こると、顔料の分散安定性が低下し、顔料も凝集する。よって、この場合、水系コーティング液より得られるコーティング層上に水系着色インクが着弾すると、水系着色インクがコーティング層に接触する部分で該インク中の顔料の凝集が起こり、着色インク層での滲みの発生を抑えることができる。一方、水系着色インクと水系コーティング液に含まれる樹脂の酸価の差の大きさが240を超えると、着色インク層での滲みの発生を抑えることができるものの、発色性や付着性が低下する。発色性の低下は、酸価の差が大きすぎると顔料の凝集が著しくなり、基材等の下地の色が露出することが原因であると考えられる。また、付着性の低下は、酸価の差が大きすぎると顔料や樹脂の凝集が著しくなり、不連続の層が形成されることが原因であると考えられる。
本発明において、樹脂の酸価とは、樹脂1gを中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を意味する。水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価は、水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価より大きくても小さくてもよいが、水系着色インクが顔料を含むため、本発明のインクセットを調製する観点から、水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価の方が大きいことが好ましい。
上記水系着色インク及び水系コーティング液に用いる樹脂は、カルボキシル基のような酸基を有する。ここで、上記水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価は、10〜20であることが好ましく、一方、上記水系コーティング液中に含まれる樹脂の酸価は、40〜250であることが好ましい。上記水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価が上記特定した範囲から外れると、顔料の分散性が低下する場合がある。
上記水系着色インク中において、樹脂の含有量は、1〜5質量%であることが好ましい。また、上記水系コーティング液中において、樹脂の含有量は、5〜10質量%であることが好ましい。
また、上記水系着色インク及び水系コーティング液中に含まれる樹脂としては、酸基を有する限り特に限定されるものではなく、インク業界において通常使用されている樹脂を用いることができ、例えば、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、スチレンアクリル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ロジン樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、セルロース樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、ブチラール樹脂、マレイン酸樹脂、フマル酸樹脂、ビニル樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のインクセットにおいては、上記水系着色インク及び水系コーティング液中に含まれる樹脂の少なくとも一方が、カーボネート基を複数有するウレタン樹脂を含むことが好ましく、上記水系着色インク及び水系コーティング液中に含まれる樹脂の両方が、カーボネート基を複数有するウレタン樹脂を含むことが更に好ましい。カーボネート基を複数有するウレタン樹脂は、付着性に優れる樹脂である。なお、上記水系着色インク及び水系コーティング液中において、カーボネート基を複数有するウレタン樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。
上記カーボネート基を複数有するウレタン樹脂は、例えば、通常のウレタン樹脂の合成手段を利用することにより、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート及び鎖伸長剤を反応させて得ることができる。ポリイソシアネート、ポリオール及び鎖伸長剤を反応させてブロック構造にすることでウレタン樹脂の水への分散安定性が向上する。なお、ポリカーボネートポリオール、ポリイソシアネート及び鎖伸長剤のいずれかに、酸基を有する化合物を用いることで、ウレタン樹脂に酸基を導入することができ、合成容易性の観点から、酸基を有する鎖伸長剤(具体的にはジメチロールアルカン酸類等)を用いることが好ましい。
ポリカーボネートポリオールは、特に制限はなく、例えば、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートポリオール、1,4−ブタンジオールポリカーボネートポリオール及びポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンカーボネートジオール等を挙げることができる。
ポリイソシアネート成分は、その化合物中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であり、例えば、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)及びノルボルナンジイソシアネート等からなるポリイソシアネート化合物が挙げられる。これらのポリイソシアネート成分中、好ましくは、キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)又はノルボルナンジイソシアネートである。これらのポリイソシアネート成分は、1種を単独で使用することもでき、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
鎖伸長剤としては、例えば、低分子量の多価アルコール及び低分子量のポリアミンを挙げることができる。低分子量の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールブタン酸及びジメチロールプロピオン酸等のジメチロールアルカン酸類等が挙げられる。低分子量のポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノシクロヘキシルメタン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びイミノビスプロピルアミン等が挙げられる。これらの鎖伸長剤は、1種を単独で使用することもでき、また2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記水系着色インクに用いる顔料は、特に限定されず、インク業界において着色剤として通常使用されている有機顔料、無機顔料等の顔料を用いることができる。有機顔料としては、例えば、ピグメントイエロー12、13、14、17、20、24、31、42、53、55、74、83、86、93、109、110、117、120、122、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、166、168、180、181、184、185、213;ピグメントオレンジ16、36、38、43、51、55、59、61、64、65、71;ピグメントレッド9、48、49、52、53、57、97、101、122、123、149、168、177、180、192、202、206、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、244、254;ピグメントバイオレット19、23、29、30、32、37、40、50;ピグメントブルー15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、30、60、64、80;ピグメントグリーン7、36;ピグメントブラウン23、25、26;及びピグメントブラック1、7、26、27、28等が挙げられるが、樹脂ビーズを有機顔料として用いてもよい。また、無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、水酸化鉄、ジルコニア、アルミナ、群青、黄鉛、硫化亜鉛、コバルトブルー、硫酸バリウム、ジルコニア、アルミナ及び炭酸カルシウム等を挙げることができる。なお、これら顔料は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記水系着色インク中において、顔料の含有量は、使用する顔料の種類等により任意に決定できるが、水系着色インク中0.5〜10質量%であることが好ましい。
上記水系着色インク及び水系コーティング液に用いる水溶性溶剤は、特に限定されるものではなく、インク業界において通常使用されている水溶性溶剤を用いることができる。なお、上記水系着色インク及び水系コーティング液中において、上記水溶性溶剤の含有量は、例えば5質量%以上で且つ60質量%以下であることが好ましい。
上記水溶性溶剤は、インク及びコーティング液の吐出安定性、濡れ性及び保存安定性をより良好にする観点から、一般式(1):
HO−(X−O)−R ・・・(1)
[式中、Xは炭素数が2又は3のアルキレン基であり、nは1〜3の整数であり、Rは炭素数が1〜6のアルキル基である]で表されるグリコールエーテル、三〜五員環のラクトン化合物、アミン化合物、アミド化合物及びアルカンジオールよりなる群から選択される少なくとも1種類を含むことが好ましく、後述するように、少なくともアミン化合物を含むことが更に好ましい。
上記式(1)において、Xは、炭素数が2又は3のアルキレン基であり、具体的には、−C−、−C−等が挙げられる。また、Rは、炭素数が1〜6のアルキル基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。更に、上記式(1)において、nは、1〜3の整数である。
上記式(1)で表されるグリコールエーテルの具体例としては、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、エチレングリコールブチルエーテル、エチレングリコールペンチルエーテル、エチレングリコールヘキシルエーテル、エチレングリコールシクロヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、エチレングリコールターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテル、ジエチレングリコールプロピルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールペンチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルエーテル、ジエチレングリコールシクロヘキシルエーテル、ジエチレングリコールフェニルエーテル、ジエチレングリコールベンジルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールエチルエーテル、トリエチレングリコールプロピルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールペンチルエーテル、トリエチレングリコールヘキシルエーテル、トリエチレングリコールシクロヘキシルエーテル、トリエチレングリコールフェニルエーテル、トリエチレングリコールベンジルエーテル及びトリエチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールエーテル類、並びにプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールペンチルエーテル、プロピレングリコールヘキシルエーテル、プロピレングリコールシクロヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、ジプロピレングリコールペンチルエーテル、ジプロピレングリコールヘキシルエーテル、ジプロピレングリコールシクロヘキシルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールエチルエーテル、トリプロピレングリコールプロピルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールペンチルエーテル、トリプロピレングリコールヘキシルエーテル及びトリプロピレングリコールシクロヘキシルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類等が挙げられる。これらの中でも、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、エチレングリコールターシャリブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル及びトリエチレングリコールモノブチルエーテルが好ましい。
上記水溶性溶剤は、アミン化合物を含むことが好ましく、沸点が70〜270℃であるアミン化合物を含むことが更に好ましい。アミン化合物は、インク組成物中のpHを適切に調整し、樹脂の凝集を防ぐ効果がある。また、上記水系着色インク及び水系コーティング液に含まれる樹脂はカルボキシル基のような酸基を有しており、インクジェットプリンタのプリントヘッドを腐食させる恐れがあるが、アミン化合物をインク又はコーティング液に配合することで、腐食を起こり難くすることが可能である。更に、アミン化合物の沸点が70〜270℃の範囲であれば、蒸発し難く、アミン化合物が水系着色インク又は水系コーティング液中に長期にわたって留まることになり、水系着色インク又は水系コーティング液の吐出安定性が長期に亘って優れ、画像の光沢が高くなる傾向がある。沸点70〜270℃のアミン化合物の具体例としては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン等が挙げられる。これらアミン化合物は、一種単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記水系着色インク及び水系コーティング液中において、アミン化合物の含有量は、0.1〜1.0質量%が好ましい。
三〜五員環のラクトン化合物は、−C(=O)−O−を一部に含むラクトン環を有する化合物のうち、環を構成する原子数が3である三員環、原子数が4である四員環又は原子数が5である五員環の化合物である。具体例としては、α−アセトラクトン、β−プロピオンラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。これらの中でも、γ−ブチロラクトンが好ましい。
アミド化合物は、非環状のアミド化合物が好ましく、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、スルファニルアミド、トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−2−エチルヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−オクトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ペントキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘキソキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ヘプトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−オクトキシプロピオンアミド等が挙げられる。これらの中でも、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジメチル−β−ブトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−メトキシプロピオンアミド、N,N−ジエチル−β−ブトキシプロピオンアミドが好ましい。
アルカンジオールは、2つの水素原子が2つの水酸基で置換されているアルカン化合物であり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオールが好ましい。
上記水系着色インクには、必要に応じて湿潤分散剤を配合してもよい。湿潤分散剤としては、特に制限はなく、通常のインクに用いられている湿潤剤、一般には、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤又はノニオン系界面活性剤を使用できる。具体的には、アルカンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アシルメチルタウリン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、アルキル硫酸エステル塩、硫酸化オレフィン、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、モノグリセライトリン酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、アルキルピリジウム塩、アルキルアミノ酸塩、アルキルジメチルベタイン等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル等のノニオン性界面活性剤が挙げられる。
上記水系着色インク及び水系コーティング液は、当然ながら水が含まれており、使用される水としては、イオン交換水や蒸留水等の純水、超純水等が挙げられる。また、インクやコーティング液を長期保存する場合には、カビやバクテリアの発生を防止するため、紫外線照射等により滅菌処理した水を用いてもよい。更に、インクジェットプリンタによる印刷条件に合わせてインクやコーティング液を水で希釈することも可能である。上記水系着色インク及び水系コーティング液中において、水の含有量は、例えば20〜70質量%の範囲であることが好ましい。
上記水系着色インク及び水系コーティング液には、更に必要に応じて、表面調整剤、消泡剤、保湿剤、防腐剤・防かび剤、pH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、金属トラップ剤等を、本発明の目的を害しない範囲内で適宜選択して配合してもよい。
本発明のインクセットにおいて、上記水系着色インク及び水系コーティング液は、必要に応じて適宜選択される各種成分を混合することにより調製できる。
本発明のインクセットは、種々のインクジェットプリンタに使用できる。このようなインクジェットプリンタは、プリントヘッドを備えており、該プリントヘッドのノズルから、インクセットを構成するインク及びコーティング液を液滴状で吐出させる。
次に、本発明の印刷方法を詳細に説明する。本発明の印刷方法は、上述した本発明のインクセットを用いたインクジェットプリンタによってコーティング層と着色インク層とを備える印刷層を基材上に形成する印刷方法であって、前記水系コーティング液をプリントヘッドから吐出させて、コーティング液滴を基材上に付着させることによりコーティング層を形成させる工程と、前記水系着色インクをプリントヘッドから吐出させて、インク液滴を前記コーティング層上に付着させることにより着色インク層を形成させる工程とを含むことを特徴とする。本発明の印刷方法によれば、上記水系コーティング液から得られるコーティング層上に、上記水系着色インクの液滴を着弾させるため、水系着色インクがコーティング層に接触する部分で該インク中の顔料の凝集が起こり、着色インク層での滲みの発生を抑えることができる。また、本発明の印刷方法によれば、顔料の凝集が著しくならないよう樹脂の酸価を調整しているため、発色性が良好な着色インク層を形成することができる。
本発明の印刷方法において、基材は、特に限定されるものではなく、基材の用途に応じて、様々な形状の基材を選択することができるが、本発明のインクセットを用いれば、サインディスプレイ等の屋外用物品も好適に使用できる。なお、基材は、印刷層との付着性を向上させるため、プライマー等により一般的な表面処理がされていてもよい。
本発明の印刷方法においては、コーティング層を乾燥させずに水系着色インクのインク液滴を該コーティング層上に付着させることができる。本発明の印刷方法においては、各層の乾燥工程を行わなくてもよい。なお、本発明の印刷方法においては、印刷直後(即ち水や水溶性溶剤が蒸発する前)のコーティング層及び着色インク層の厚みは、それぞれが独立して、5〜20μmの範囲内にあることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の実施例に何ら限定されるものではない。
<ポリカーボネート基含有ウレタン樹脂分散液Aの調製>
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素導入管を付した四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオールポリカーボネートポリオール(平均分子量2000)100.0質量部、ネオペンチルグリコール4.0質量部、トリメチロールプロパン1.0質量部、1,4−シクロヘキサンジメタノール10.0質量部、ジメチロールプロピオン酸8.0質量部、ジブチル錫ジラウレート0.001質量部及びメチルエチルケトン110.0質量部を仕込み、均一に混合した。その後、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)80.0質量部を加え、70℃で6時間反応させて、ポリカーボネート基含有イソシアネート基末端ウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。前記溶液を40℃以下に冷却した後、トリエチルアミン6.0質量部を加え、40℃で30分間中和反応を行った。
次に、中和を行なった溶液を30℃以下に冷却し、ディスパー羽根を用いて水430.0質量部を徐々に加えてポリカーボネート基含有イソシアネート基末端ウレタン樹脂中和物を分散させて分散液を得た。そして、ジエチレントリアミン1.35質量部を水20.0質量部に溶解したアミン水溶液を上記分散液に滴下し、更に、50質量%ヒドラジン水溶液5.0質量部を加え、2時間反応させた。その後、30℃で減圧し脱溶剤処理を行い、固形分35質量%、粘度40mPa・s、酸価=15、平均粒子径(d50)=30nm、ガラス転移温度Tg=45℃のポリカーボネート基含有ウレタン樹脂分散液Aを得た。
<スチレンアクリル共重合樹脂分散液Bの調製>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を付した四つ口フラスコに、水60質量部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩0.6質量部及びポリオキシアルキレンアルキルエーテル2質量部を加え70℃に加熱し、過硫酸カリウム0.2質量部を加えた。次に、アクリル酸ブチル7.0質量部、アクリル酸2.7質量部、スチレン24.0質量部及びメタクリル酸メチル46.3質量部を混合したものを滴下した。その後、水60質量部を加え、アンモニア水でpH=9になるように調整し、スチレンアクリル共重合樹脂分散液Bを調製した。該分散液は、固形分=41質量%であり、該分散液中の樹脂は、平均粒子径(d50)=75nm、Tg=81℃、酸価=25であった。
<スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Aの調製>
温度計、攪拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部入れ、80〜90℃に昇温させ、ここにメチルメタクリレート29.3質量部、N−ブチルアクリレート30質量部、スチレン13質量部、N−nブトキシメチルアクリルアミド10質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、アクリル酸7.7質量部及びアゾビスイソブチロニトリル1質量部の混合物を3時間にわたり滴下した。その後同温度で1時間熟成した後、アゾビスブチロニトリル1質量部を追加触媒として配合し、更に2時間熟成して、樹脂固形分=50質量%、樹脂酸価=60のスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液を得た。
次いで、得られたスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液をステンレスバットに移し、真空乾燥機中で130℃にて5時間放置し、固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を得た。
得られた固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を粉砕し、これを含有量が25質量%になるまで脱イオン水とトリエチルアミンの混合溶液(脱イオン水:トリエチルアミンの質量比=100:1)中に撹拌しながら徐々に滴下し、スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Aを得た。
<スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Bの調製>
温度計、攪拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部入れ、80〜90℃に昇温させ、ここにメチルメタクリレート30質量部、N−ブチルアクリレート30質量部、スチレン13質量部、N−nブトキシメチルアクリルアミド9.8質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、アクリル酸27.2質量部及びアゾビスイソブチロニトリル1質量部の混合物を3時間にわたり滴下した。その後同温度で1時間熟成した後、アゾビスブチロニトリル1質量部を追加触媒として配合し、更に2時間熟成して、樹脂固形分=50質量%、樹脂酸価=210のスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液を得た。
次いで、得られたスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液をステンレスバットに移し、真空乾燥機中で130℃にて5時間放置し、固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を得た。
得られた固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を粉砕し、これを含有量が34質量%になるまで脱イオン水とトリエチルアミンの混合溶液(脱イオン水:トリエチルアミンの質量比=100:1)中に撹拌しながら徐々に滴下し、スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Bを得た。
<スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Cの調製>
温度計、攪拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテル100質量部入れ、80〜90℃に昇温させ、ここにメチルメタクリレート20質量部、N−ブチルアクリレート20質量部、スチレン9質量部、N−nブトキシメチルアクリルアミド9.9質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10質量部、アクリル酸31.1質量部及びアゾビスイソブチロニトリル1質量部の混合物を3時間にわたり滴下した。その後同温度で1時間熟成した後、アゾビスブチロニトリル1質量部を追加触媒として配合し、更に2時間熟成して、樹脂固形分=50質量%、樹脂酸価=240のスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液を得た。
次いで、得られたスチレンアクリル共重合樹脂有機溶剤溶液をステンレスバットに移し、真空乾燥機中で130℃にて5時間放置し、固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を得た。
得られた固体状のスチレンアクリル共重合樹脂を粉砕し、これを含有量が34質量%になるまで脱イオン水とトリエチルアミンの混合溶液(脱イオン水:トリエチルアミンの質量比=100:1)中に撹拌しながら徐々に滴下し、スチレンアクリル共重合樹脂水溶液Bを得た。
<ポリアクリル酸水溶液の調製>
温度計、攪拌機、冷却器及び滴下ロートを備えた4つ口フラスコに、イオン交換水を100質量部仕込み、200ml/minの流量の窒素ガスを吹き込みながら昇温した。液温が温度80℃に達した時点で、あらかじめ0.5質量部のアゾビスシアノ吉草酸を溶解させた99.5質量部のアクリル酸を、約100g/hrで連続的に投入し重合させた。その後2時間熟成し、樹脂固形分=20質量%、樹脂酸価=779のポリアクリル酸水溶液を得た。
<水系コーティング液>
表1に示す配合処方に従い、調製した樹脂、水溶性溶剤及びイオン交換水を公知の方法により混合し、水系コーティング液を調製した。
<水系着色インク>
表2に示す配合処方に従い、顔料、調製した樹脂、水溶性溶剤、表面調整剤、消泡剤、湿潤分散剤及びイオン交換水を公知の方法により混合し、水系着色インクを調製した。
Figure 0006674755
Figure 0006674755
上記表2に記載される配合剤は、下記の通りである。
*1 シアンインクの顔料は、フタロシアニンブルー(銅フタロシアニン,C.I.ピグメントブルー15:3)であり、マゼンタインクの顔料は、ジクロロキナクリドン(C.I.ピグメントレッド202)であり、イエローインクの顔料は、キノキサリンジオン(C.I.ピグメントイエロー213)であり、ブラックインクの顔料は、カーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)である。
*2 ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル)
*3 SNデフォーマー1312(サンノプコ(株)社製)
*4 TSF4446(モメンティブ社製、ポリエーテル変性シリコーンオイル)
4色の水系着色インクと水系コーティング液を組み合わせてなるインクセットを用いて印刷を行い、各種評価を行った。なお、いずれのインクセットも、4色の水系着色インクを備えており、表3に示されるような組み合わせで水系コーティング液を用いた。また、4色の水系着色インク中に含まれる樹脂の酸価はいずれも15である。
<着色インクとコーティング液の混合時における顔料の凝集の有無>
シアンインクと水系コーティング液を質量比1:1で混合して混合液を調製した。粒度計(日機装社製microtrac upa)を用い、混合液中の顔料の平均粒子径を測定した。得られた値をシアンインク中の顔料の平均粒子径と比較して凝集の有無について評価した。
凝集有:着色インクの顔料平均粒子径と比較して、混合液の顔料平均粒子径の増加率が10%以上。
凝集無:着色インクの顔料平均粒子径と比較して、混合液の顔料平均粒子径の増加率が10%未満。
<印刷時の滲み>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXを用いて、まず、塩化ビニルシート表面にコーティング液を吐出させ、ベタ印刷を行い、コーティング層を形成させた。次いで、コーティング層を乾燥させずに、該コーティング層上にJIS X 9201 2001 「N2A.TIF」で規定される画像を印刷し、滲みの程度を目視で評価した。
○:滲みがない
△:少し滲んでいる
×:滲んでいる
<発色性>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXを用いて、まず、白色塩化ビニルシート表面にコーティング液を吐出させ、ベタ印刷を行い、コーティング層を形成させた。次いで、コーティング層を乾燥させずに、該コーティング層上にJIS X 9201 2001 「N2A.TIF」で規定される画像を印刷し、発色性を目視により評価した。
○:塩化ビニルシートが印刷層に覆われ、発色が良い
×:塩化ビニルシートの色が露出している部分があり、発色が悪い
<付着性>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXを用いて、まず、塩化ビニルシート表面にコーティング液を吐出させ、ベタ印刷を行い、コーティング層を形成させた。次いで、コーティング層を乾燥させずに、該コーティング層上にシアンインクを吐出させ、ベタ印刷を行った。印刷部分に幅24mmのセロテープ(登録商標、NICHIBAN社製)を密着させ、その後、テープを剥がし、剥離部分の状態を目視により下記の評価基準で評価した。
○:剥離しなかった
△:一部が剥離した
<耐水性>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXを用いて、まず、白色塩化ビニルシート表面にコーティング液を吐出させ、ベタ印刷を行い、コーティング層を形成させた。次いで、コーティング層を乾燥させずに、該コーティング層上にシアンインクを吐出させ、ベタ印刷を行った。印刷層の表面を水に浸したキムワイプ(日本製紙クレシア製)で10回こすり、耐水性を下記の基準で評価した。
○:塩化ビニルシートが見えない
△:塩化ビニルシートが見える
<光沢値>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXを用いて、まず、白色塩化ビニルシート表面にコーティング液を吐出させ、ベタ印刷を行い、コーティング層を形成させた。次いで、コーティング層を乾燥させずに、該コーティング層上にシアンインクを吐出させ、ベタ印刷を行った。印刷部分の光沢値を日本電色工業社製 光沢計VG 2000を用いて測定した。
<プリントヘッドの腐食性>
武藤工業社製ラミレスPJ−1304NXに用いられるプリントヘッドを2つ用意し、それぞれをコーティング液と着色インクに1週間浸漬し、液滴が吐出されるノズル近傍の変化を顕微鏡で観察した。
○:コーティング液と着色インクの両方でノズル近傍に初期から変化なし
×:コーティング液と着色インクの両方でノズル近傍に腐食あり
Figure 0006674755

Claims (4)

  1. 二色以上の水系着色インクと水系コーティング液とを含むインクセットであり、
    前記水系着色インクが、それぞれ独立して、水、顔料、水溶性溶剤及びポリカーボネート基含有ウレタン樹脂を含み、
    前記水系コーティング液が、水、水溶性溶剤及びスチレンアクリル共重合樹脂を含み、
    前記水系着色インク中に含まれるポリカーボネート基含有ウレタン樹脂の酸価と、前記水系コーティング液中に含まれるスチレンアクリル共重合樹脂の酸価の差の大きさが40〜240であり、
    前記水系コーティング液中に含まれるスチレンアクリル共重合樹脂の酸価の方が、前記水系着色インク中に含まれるポリカーボネート基含有ウレタン樹脂の酸価より大きい、インクセット。
  2. 前記水系着色インク及び前記水系コーティング液中に含まれる水溶性溶剤が、アミン化合物を含む、請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記水系着色インク中に含まれるポリカーボネート基含有ウレタン樹脂の酸価及び前記水系コーティング液中に含まれるスチレンアクリル共重合樹脂の酸価が0より大きい、請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載のインクセットを用いたインクジェットプリンタによってコーティング層と着色インク層とを備える印刷層を基材上に形成する印刷方法であって、
    前記水系コーティング液をプリントヘッドから吐出させて、コーティング液滴を基材上に付着させることによりコーティング層を形成させる工程と、前記水系着色インクをプリントヘッドから吐出させて、インク液滴を前記コーティング層上に付着させることにより着色インク層を形成させる工程とを含む、印刷方法。
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