[実施形態の概要]
通信装置を備える車両がサイドリンク上で車車間(V2V:Vehicle−to−Vehicle)通信を実行する場合、例えば、車両の位置に対応する無線リソースを使用することが検討されている。
例えば、車両に備えられた通信装置は、現在位置を示す位置情報を取得する。通信装置は、現在位置に対応付けられた無線リソースに基づいて、サイドリンク上で無線信号を送信することが想定されている。
しかしながら、通信装置が位置情報を取得できないケースについて想定されていない。このため、地理的な位置に対応付けられた無線リソースをV2V通信に使用する技術が導入された場合、問題が発生する可能性がある。
一の実施形態に係る通信装置は、他の通信装置に対して直接的に無線信号を送信する送信部を備える。前記送信部は、前記通信装置の地理的な位置を示す第1の位置情報が取得された場合、前記第1の位置情報が示す位置と対応付けられた第1の無線リソースに基づいて、前記無線信号を送信する。前記送信部は、前記第1の位置情報を前記通信装置が取得不可能である場合、第2の無線リソースに基づいて、前記無線信号を送信する。前記第2の無線リソースは、前記第1の位置情報を用いて前記第1の無線リソースを決定する方法とは異なる方法に基づいて決定される。
前記第2の無線リソースは、前記第1の位置情報が取得されない場合にのみ利用可能な無線リソースの情報に基づいて決定されてもよい。
前記送信部は、前記通信装置が前記第1の位置情報を取得できないことを示す情報をネットワークへ送信してもよい。前記通信装置は、前記ネットワークにより決定された前記第2の無線リソースの情報を前記基地局から受信する受信部をさらに備えてもよい。
前記通信装置の地理的な位置を予想する制御部をさらに備えてもよい。前記第2の無線リソースは、前記予想した位置に基づいて決定されてもよい。
前記送信部は、前記第2の位置情報をネットワークへ送信してもよい。前記通信装置は、前記ネットワークにより決定された前記第2の無線リソースの情報を前記基地局から受信する受信部をさらに備えてもよい。
前記通信装置は、他の通信装置から第2の無線信号を直接的に受信する受信部と、前記所定情報に基づいて、前記第2の無線信号の送信に用いられた送信リソースに基づいて、第2の無線リソースを決定する制御部と、をさらに備えてもよい。
前記第2の無線リソースの使用条件を記憶する制御部をさらに備えてもよい。前記送信部は、前記使用条件が満たされた場合に、前記第2の無線リソースに基づいて、前記無線信号を送信してもよい。
前記通信装置における前記第1の位置情報の受信状況に応じた値が閾値を超えた場合に、前記使用条件が満たされてもよい。
前記第1の位置情報の精度が閾値を超えた場合に、前記使用条件が満たされてもよい。
一の実施形態に係る基地局は、地理的な位置に対応付けられた第1の無線リソースの情報を通信装置へ送信する送信部を備える。前記第1の無線リソースの情報は、前記通信装置の地理的な位置を示す第1の情報が取得された場合に、前記通信装置が他の通信装置に対して直接的に無線信号を送信するために用いられる。前記送信部は、第2の無線リソースの情報を前記通信装置へ送信する。前記第2の無線リソースの情報は、前記通信装置の地理的な位置を示す第1の位置情報を取得不可能である場合に、前記無線信号を送信するために用いられる。前記第2の無線リソースは、前記第1の位置情報を用いて前記第1の無線リソースを決定する方法とは異なる方法に基づいて決定される。
前記送信部は、前記通信装置が前記第1の位置情報を取得不可能なエリアに入る場合に、前記第2の無線リソースの情報を送信してもよい。
前記送信部は、前記通信装置が前記基地局と接続を確立している場合にのみ前記第2の無線リソースの情報を前記通信装置へ送信してもよい。
前記第2の無線リソースは、前記通信装置が前記基地局と接続を確立している間にのみ利用可能であってもよい。
一の実施形態に係る通信装置は、前記通信装置の地理的な位置を示す位置情報を取得する制御部と、前記位置情報を含む第1の報告を基地局へ送信する送信部と、を備える。前記送信部は、前記位置情報の精度が閾値未満である場合には、前記第1の報告の送信がトリガされたとしても、前記第1の報告を前記基地局へ送信することを中止する。
前記送信部は、前記位置情報の精度が閾値未満である場合には、前記第1の報告の代わりに、前記位置情報の精度が閾値未満であることを示す情報を前記基地局へ送信してもよい。
前記制御部は、前記通信装置の地理的な位置を予想してもよい。前記送信部は、前記位置情報の精度が閾値未満である場合には、前記第1の報告の代わりに、前記予想した位置を示す第2の位置情報を含む第2の報告を基地局へ送信してもよい。
前記第2の報告は、前記第2の報告に含まれる位置情報が予想した位置を示すことを示す情報を含んでもよい。
本明細書(及び特許請求の範囲)において、「無線リソース」は、複数の時間・周波数リソース(時間リソース及び/又は周波数リソース)により構成されるものであってもよい。「無線リソース」は、複数の時間・周波数リソースにより構成されるリソースプールであってもよい。
(移動通信システム)
実施形態に係る移動通信システムであるLTEシステムについて説明する。図1は、LTEシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、LTEシステムは、UE(User Equipment)100、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)10、及びEPC(Evolved Packet Core)20を備える。
UE100は、通信装置(例えば、無線端末)に相当する。UE100は、移動型の通信装置である。UE100は、通信機能を有する車両(VUE(Vehicle UE)100)であってもよい。従って、UE100は、車両そのもの(例えば、自動車、バイク等)であってもよい。UE100は、車両に着脱可能な通信モジュールであってもよい。
UE100は、セル(後述するeNB200)と無線通信(Uplink/Downlink)を行う。UE100は、他の通信装置と直接的なシグナリングの送信及び/又は受信を実行できる。例えば、UE100は、V2X(Vehicle−to−Everything)通信(例えば、車車間通信(V2V:Vehicle−to−Vehicle)、路車間通信(V2I:Vehicle−to−Infrastructure)を実行することができる。
E−UTRAN10は、無線アクセスネットワークに相当する。E−UTRAN10は、eNB200(evolved Node−B)を含む。eNB200は、基地局に相当する。eNB200は、X2インターフェイスを介して相互に接続される。
eNB200は、1又は複数のセルを管理する。eNB200は、eNB200が管理するセルとの接続を確立したUE100との無線通信を行う。eNB200は、無線リソース管理(RRM)機能、ユーザデータ(以下、「データ」と称することがある)のルーティング機能、モビリティ制御・スケジューリングのための測定制御機能等を有する。「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される。「セル」は、UE100との無線通信を行う機能を示す用語としても使用されてもよい。
EPC20は、コアネットワークに相当する。EPC20は、E−UTRAN10と共にネットワークを構成してもよい。EPC20は、MME(Mobility Management Entity)300、及びSGW(Serving Gateway)400を含む。
MME300は、例えば、UE100に対する各種モビリティ制御を行う。SGW400は、例えば、データの転送制御を行う。MME300及びSGW400は、S1インターフェイスを介してeNB200と接続される。
EPC20は、Server600を含んでいてもよい。Server600は、例えば、ProSe機能を管理するProSeサーバであってもよい。Server600は、V2X(V2V/V2I)機能を管理するV2Xサーバであってもよい。Server600は、EPC20内ではなく、外部ネットワークに設けられていてもよい。
図2は、LTEシステムにおける無線インターフェイスのプロトコルスタック図である。図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルの第1層乃至第3層に区分されている。第1層は、物理(PHY)層である。第2層は、MAC(Medium Access Control)層、RLC(Radio Link Control)層、及びPDCP(Packet Data Convergence Protocol)層を含む。第3層は、RRC(Radio Resource Control)層を含む。
物理層は、符号化・復号化、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。UE100の物理層とeNB200の物理層との間では、物理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
MAC層は、データの優先制御、ハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理、及びランダムアクセス手順等を行う。UE100のMAC層とeNB200のMAC層との間では、トランスポートチャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。eNB200のMAC層は、スケジューラ(MAC スケジューラ)を含む。スケジューラは、上下リンクのトランスポートフォーマット(トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS))及びUE100への割当リソースブロックを決定する。
RLC層は、MAC層及び物理層の機能を利用してデータを受信側のRLC層に伝送する。UE100のRLC層とeNB200のRLC層との間では、論理チャネルを介してデータ及び制御信号が伝送される。
PDCP層は、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRC層は、制御信号を取り扱う制御プレーンでのみ定義される。UE100のRRC層とeNB200のRRC層との間では、各種設定のためのメッセージ(RRCメッセージ)が伝送される。RRC層は、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がある場合、UE100は、RRCコネクティッド状態である。UE100のRRCとeNB200のRRCとの間にRRC接続がない場合、UE100は、RRCアイドル状態である。
RRC層の上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)層は、例えば、セッション管理及びモビリティ管理を行う。
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成図である。LTEシステムにおいて、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用される。上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)が適用される。
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成される。各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msである。各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数のリソースブロック(RB:Resource Block)を含む。各サブフレームは、時間方向に複数のシンボルを含む。各リソースブロックは、周波数方向に複数のサブキャリアを含む。1つのシンボル及び1つのサブキャリアにより、1つのリソースエレメント(RE:Resource Element)が構成される。UE100には、無線リソース(時間・周波数リソース)が割り当てられる。周波数方向において、無線リソース(周波数リソース)は、リソースブロックにより構成される。時間方向において、無線リソース(時間リソース)は、サブフレーム(又はスロット)により構成される。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、下りリンク制御信号を伝送するための物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink. Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームの残りの部分は、下りリンクデータを伝送するための物理下りリンク共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)として使用可能な領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、上りリンク制御信号を伝送するための物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)として使用可能な領域である。各サブフレームにおける残りの部分は、上りリンクデータを伝送するための物理上りリンク共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)として使用可能な領域である。
(近傍サービス)
近傍サービス(ProSe:Proximity−based Services)について説明する。近傍サービスは、互いに近傍にある通信装置(例えば、UE100)に基づいて3GPPシステムにより提供され得るサービスである。
ProSeでは、ネットワーク(例えば、eNB200)を経由せずにノード間(例えば、UE間)で直接的な無線リンクを介して各種の無線信号が直接的に送受信される。ProSeにおける直接的な無線リンクは、「サイドリンク(Sidelink)」と称される。
サイドリンクは、サイドリンク通信及びサイドリンクディスカバリのためのインターフェイス(例えば、UEとUEとの間のインターフェイス)であってもよい。サイドリンク通信は、ProSe直接通信(以下、「直接通信」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。サイドリンクディスカバリは、ProSe直接ディスカバリ(以下、「直接ディスカバリ」と適宜称する)を可能にする機能(AS functionality)である。
サイドリンクは、PC5インターフェイスに対応する。PC5は、ProSe直接ディスカバリ、ProSe直接通信及びProSe UE・ネットワーク中継のための制御プレーン及びユーザプレーンのために用いられるProSe使用可能なUE(ProSe−enabled UE)間の参照ポイントである。
ProSeは、「直接ディスカバリ(Direct Discovery)」及び「直接通信(Direct Communication)」及び「Relay」のモードが規定されている。「Relay」については後述する。
直接ディスカバリは、例えば、特定の宛先を指定しないディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)をUE間で直接的に伝送することにより、相手先を探索するモードであってもよい。直接ディスカバリは、PC5を介してE−UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)における直接無線信号を用いて、UEの近傍における他のUEを発見するための手順であってもよい。直接ディスカバリは、E−UTRA技術で2つのUE100の能力のみを用いて、近傍サービスを実行可能な他のUE100を発見するために近傍サービスを実行可能なUE100によって採用される手順であってもよい。直接ディスカバリは、UE100がE−UTRAN(eNB200(セル))によってサービスが提供される場合にのみ、サポートされてもよい。UE100は、セル(eNB200)に接続又はセルに在圏している場合、E−UTRANによってサービスが提供されてもよい。
ディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)の送信(アナウンスメント)のためのリソース割り当てタイプには、「タイプ1」と「タイプ2(タイプ2B)」とがある。タイプ1では、UE100が無線リソースを選択する。タイプ1では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。タイプ2では、eNB200が無線リソースを割り当てる。
「Sidelink Direct Discovery」プロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、及びProSeプロトコルを含む。
直接通信は、例えば、特定の宛先(宛先グループ)を指定してデータをUE間で直接的に伝送するモードであってもよい。直接通信は、いずれのネットワークノードを通過しない経路を介してE−UTRA技術を用いたユーザプレーン伝送による、近傍サービスを実行可能である2以上のUE間の通信であってもよい。
直接通信のリソース割り当てタイプには、「モード1」と、「モード2」と、がある。モード1では、直接通信の無線リソースをeNB200が指定する。モード2では、直接通信の無線リソースをUE100が選択するモード2では、UE100は、eNB200から提供されたリソースプールの中から無線リソースを選択してもよい。
PC5におけるサイドリンク通信(直接通信)におけるユーザプレーンのプロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びPDCP層を含む。PC5におけるサイドリンクブロードキャスト制御チャネル(SBCCH)のための制御プレーンのプロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、及びRRC層を含む。1対1サイドリンク通信のための制御プレーンのプロトコルスタックは、物理(PHY)層、MAC層、RLC層、PDCP層、及びPC5シグナリングプロトコルを含む。
サイドリンクでは、以下のチャネルを用いることによって各種情報が伝送される。
サイドリンクに関する物理チャネルには、物理サイドリンクブロードキャストチャネル(PSBCH)、物理サイドリンクディスカバリチャネル(PSDCH)、物理サイドリンク制御チャネル(PSCCH)及び物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)がある。
PSBCHは、システム及び同期関連情報(例えば、同期信号)を伝送するためのチャネルである。PSDCHは、UEからのサイドリンクディスカバリメッセージ(ディスカバリ信号)を伝送するためのチャネルである。PSCCHは、サイドリンク通信のためにUEからの制御情報を伝送するためのチャネルである。PSSCHは、サイドリンク通信のためにUEからのデータを伝送するためのチャネルである。
サイドリンクに関するトランスポートチャネルには、サイドリンクブロードキャストチャネル(SL−BCH)、サイドリンクディスカバリチャネル(SL−DCH)、及びサイドリンク共有チャネル(SL−SCH)がある。SL−BCHは、PSBCHにマッピングされる。SL−DCHは、PSDCHにマッピングされる。SL−SCHは、PSSCHにマッピングされる。
サイドリンクに関する論理チャネル(制御チャネル、トラフィックチャネル)には、サイドリンクブロードキャスト制御チャネル(SBCCH)及びサイドリンクトラフィックチャネル(STCH)がある。
SBCCHは、1のUEから他のUE(s)へサイドリンクシステム情報をブロードキャストするためのサイドリンクチャネルである。STCHは、1のUEから他のUE(s)へユーザ情報(データ)を転送するためのポイントツーマルチポイントチャネルである。STCHは、サイドリンク通信が可能なUEでのみ使用される。STCHは、2つのサイドリンク通信可能なUE間でのポイントツーポイント通信に使用されてもよい。STCHは、SL−SCHにマッピングされる。SBCCHは、SL−BCHにマッピングされる。
(無線端末)
実施形態に係るUE100(無線端末)について説明する。図4は、UE100のブロック図である。図4に示すように、UE100は、レシーバ(Receiver:受信部)110、トランスミッタ(Transmitter:送信部)120、及びコントローラ(Controller:制御部)130を備える。レシーバ110とトランスミッタ120とは、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ110は、コントローラ130の制御下で各種の受信を行う。レシーバ110は、アンテナを含む。レシーバ110は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ110は、ベースバンド信号をコントローラ130に出力する。
トランスミッタ120は、コントローラ130の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ120は、アンテナを含む。トランスミッタ120は、コントローラ130が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ130は、無線信号をアンテナから送信する。
コントローラ130は、UE100における各種の制御を行う。コントローラ130は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPU(Central Processing Unit)とを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。プロセッサは、音声・映像信号の符号化・復号化を行うコーデックを含んでもよい。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
UE100は、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機を備えていてもよい。GNSS受信機は、UE100の地理的な位置を示す位置情報を得るために、GNSS信号を受信できる。GNSS受信機は、GNSS信号をコントローラ130に出力する。UE100は、UE100の位置情報を取得するためのGPS(Global Positioning System)機能を有していてもよい。UE100は、電子コンパス、加速度センサなどの位置を予想する機能を有していてもよい。
UE100は、他の通信装置と直接的なシグナリングの送信及び/又は受信を実行可能な機能を有する通信装置である。このため、UE100は、その他の構成(例えば、機能、部材等)を有していてもよいことは勿論である。
本明細書では、UE100が備えるレシーバ110、トランスミッタ120及びコントローラ130の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、UE100が実行する処理(動作)として説明する。
(基地局)
実施形態に係るeNB200(基地局)について説明する。図5は、eNB200のブロック図である。図5に示すように、eNB200は、レシーバ(受信部)210、トランスミッタ(送信部)220、コントローラ(制御部)230、及びネットワークインターフェイス240を備える。レシーバ210とトランスミッタ220は、一体化されたトランシーバ(送受信部)であってもよい。
レシーバ210は、コントローラ230の制御下で各種の受信を行う。レシーバ210は、アンテナを含む。レシーバ210は、アンテナが受信する無線信号をベースバンド信号(受信信号)に変換する。レシーバ210は、ベースバンド信号をコントローラ230に出力する。
トランスミッタ220は、コントローラ230の制御下で各種の送信を行う。トランスミッタ220は、アンテナを含む。トランスミッタ220は、コントローラ230が出力するベースバンド信号(送信信号)を無線信号に変換する。トランスミッタ220は、無線信号をアンテナから送信する。
コントローラ230は、eNB200における各種の制御を行う。コントローラ230は、プロセッサ及びメモリを含む。メモリは、プロセッサにより実行されるプログラム、及びプロセッサによる処理に使用される情報を記憶する。プロセッサは、ベースバンドプロセッサとCPUとを含む。ベースバンドプロセッサは、例えば、ベースバンド信号の変調・復調及び符号化・復号化等を行う。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行することにより各種の処理を行う。プロセッサは、後述する各種の処理及び上述した各種の通信プロトコルを実行する。
ネットワークインターフェイス240は、X2インターフェイスを介して隣接eNB200と接続される。ネットワークインターフェイス240は、S1インターフェイスを介してMME300及びSGW400と接続される。ネットワークインターフェイス240は、例えば、X2インターフェイス上で行う通信及びS1インターフェイス上で行う通信に使用される。
本明細書では、eNB200が備えるトランスミッタ210、レシーバ220、コントローラ230、及びネットワークインターフェイス240の少なくともいずれかが実行する処理を、便宜上、eNB200が実行する処理(動作)として説明する。
[第1実施形態]
(第1実施形態に係る動作概要)
第1実施形態に係る動作概要について、図6から図8を用いて、説明する。図6は、第1実施形態に係る動作環境の一例を説明するための図である。図7は、第1実施形態に係る無線リソースの一例を説明するための図である。図8は、第1実施形態に係る動作環境の一例を説明するための図である。
図6に示すように、UE(VUE)100−1(及びUE(VUE)100−2)は、トンネル外に位置する。一方で、UE(VUE)100−3は、トンネル内に位置する。
UE100−1は、GNSS信号を受信することによって、UE100−1の地理的な位置を示す位置情報を取得することができる。UE100−1は、取得した位置情報に対応付けられた無線リソースに基づいて、他のUEへ無線信号を直接的に送信することができる。
例えば、図7に示すように、ゾーンコンセプト(Zone Concept)により区画された地理的な位置(ゾーン)と無線リソースとが対応付けられる。ゾーンコンセプトでは、地理情報に応じて、ゾーンが規定される。
ネットワーク(例えば、eNB200)は、予め規定されたゾーンと異なるゾーンを設定してもよい。ネットワークは、セル毎にゾーンを設定してもよい。eNB200は、ゾーンを決定(算出)するためのゾーン情報(予め規定されたゾーン情報/ネットワークが規定したゾーン情報)をUE100−1へブロードキャスト(例えば、SIBメッセージ)又はユニキャスト(例えば、RRC接続(再)設定メッセージ)により送信してもよい。UE100−1に、ゾーン情報が予め設定(プレコンフィグ)されてもよい。
ゾーン情報は、ゾーンの長さ(Length)及びゾーンの幅(Width)を示す情報を含んでいてもよい。ゾーン情報は、参照ポイント(例えば、(0,0))を示す情報を含んでいてもよい。
UE100−1は、ゾーン情報に基づいて、UE100−1自身が位置するゾーンを決定(算出)する。具体的には、UE100は、取得した位置情報が示す現在位置を含むゾーンを決定する。UE100は、参照ポイントから、ゾーンを決定してもよい。
UE100−1は、決定したゾーン(すなわち、UE100−1が位置するゾーン)に対応付けられた無線リソースを決定する。具体的には、UE100−1は、例えば、地理的な位置と無線リソースとが対応付けられた無線リソース情報を記憶している。無線リソース情報では、地理的な位置(のセット)と無線リソース(のセット)とがマッピングされている。UE100−1は、無線リソース情報に基づいて、決定したゾーンに対応付けられた(マッピングされた)無線リソースを決定する。UE100−1は、決定した無線リソースが、UE100−1が位置するゾーンにおいて使用可能な無線リソースであると判定する。
UE100−1は、決定された無線リソースに基づいて、他のUEへ無線信号を直接的に送信できる。UE100−1は、決定された無線リソース(リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択してもよい。UE100−1は、選択した時間・周波数リソースを用いて、他のUEへ無線信号を直接的に送信してもよい。
UE100−1は、UE100−1の地理的な位置を示す情報をeNB200へ送信してもよい。ここで、位置情報は、取得した位置情報(GNSS信号に基づく位置情報)であってもよい。位置情報は、UE100−1が決定したゾーンを示す情報であってもよい。eNB200は、UE100−1から位置情報を取得する。eNB200は、地理的な位置と無線リソースとが対応付けられた無線リソース情報とUE100−1からの位置情報とに基づいて、UE100−1が位置するゾーンを決定できる。eNB200は、決定したゾーンに対応付けられた無線リソース(リソースプール)を決定する。eNB200の上位のネットワーク装置(例えば、Server600)に、位置情報が転送されてもよい。当該ネットワーク装置が、取得した位置情報に基づいて、無線リソースを決定してもよい。当該ネットワーク装置は、決定された無線リソースの情報をeNB200へ送ってもよい。
eNB200は、決定した無線リソースをUE100−1へ割り当てる。eNB200は、決定した無線リソース(リソースプール)の中から、UE100−1へ割り当てる時間・周波数リソースを決定してもよい。eNB200は、決定したリソースプールをUE100−1へ割り当ててもよい。eNB200は、割り当てた無線リソース(時間・周波数リソース/リソースプール)を示す割当情報をUE100へ送信する。
UE100は、割当情報により示される割り当てられた無線リソース(時間・周波数リソース/リソースプール)に基づいて、他のUEへ無線信号を直接的に送信できる。上述と同様に、UE100−1は、決定された無線リソース(リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択してもよい。
このように、地理的な位置に対応付けられた無線リソースを、V2X(例えば、V2V通信)で使用する場合、UE100が位置情報を取得できることが前提である。一方で、UE(VUE)100が、位置情報を取得するための能力(例えば、GNSS受信機)を有していたとしても、位置情報を常に取得できるとは限らない。例えば、図6に示すように、UE100−3は、トンネル内に位置するため、GNSS信号を受信できない可能性がある。図8に示すように、UE100が、高層ビル群が密集する地域に位置する場合、GNSS信号が受信できない可能性がある。
そこで、UE100が位置情報を取得できない場合であっても、以下の少なくともいずれかの方法に基づいて、V2X通信で使用する無線リソースを特定(決定)することができる。
「位置情報」は、無線リソースに対応付けられた地理的な位置を決定するために規定されている手段により取得された位置情報である。例えば、位置情報は、GNSSとは異なる手段により取得された位置情報であってもよい。例えば、位置情報は、GNSSと同等の手段により取得された位置情報であってもよい。
(1)リソース特定方法
リソース特定方法として、動作パターン1−3を説明する。
(A)動作パターン1
動作パターン1について、図9−11を用いて説明する。図9は、動作パターン1を説明するための図(その1)である。図10は、動作パターン1を説明するための図(その2)である。図11は、動作パターン1を説明するためのシーケンス図である。
動作パターン1では、位置情報が取得できない場合にのみ利用可能な無線リソース(例外的な無線リソース/特別な無線リソース)が用いられる。
図9は、カバレッジ外(Out of Coverage:圏外)のケースを示す。UE100は、トンネル内に位置する。このため、UE100は、位置情報を取得できないと仮定して説明を進める。カバレッジ外であるため、UE100は、eNB200(セル(サービングセル/PCell(Primary Cell))からの無線信号を受信できない。
カバレッジ外のケースでは、UE100は、UE100自身の位置情報を取得できない場合、位置情報が取得できない場合にのみ利用可能な無線リソース(以下、特別な無線リソースと適宜称する)を用いて、直接的な無線信号の送信を行う。特別な無線リソースの情報は、UE100に予め設定されてもよい。ネットワーク(例えば、eNB200(セル)、Server600など)が、UE100がカバレッジ外になる前に、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信してもよい。これにより、UE100に特別な無線リソース(の情報)が設定されてもよい。ネットワークは、後述するように、UE100が位置情報を取得不可能なエリアにUE100が入る場合に、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信してもよい。
特別な無線リソースは、位置情報が取得できない場合にのみ利用可能な無線リソースである。従って、特別な無線リソースは、地理的な位置と対応付けられていなくてもよい。すなわち、特別な無線リソースは、UE100の位置に関係なく利用可能な無線リソースであってもよい。
UE100は、位置情報が取得できない場合にのみ、特別な無線リソースの情報により示される特別な無線リソースを、V2X通信で使用すべき無線リソースとして決定する。UE100は、特別な無線リソースに基づいて、V2X通信により無線信号を送信できる。これにより、UE100は、カバレッジ外において、UE100自身の位置情報を取得できない場合であっても、V2X通信により無線信号を送信できる。UE100は、特別な無線リソース(リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択してもよい。
図10は、カバレッジ内(In Coverage:圏内)のケースを示す。図9と同様に、UE100は、トンネル内に位置する。このため、UE100は、位置情報を取得できない。一方で、トンネル内には、eNB200が設置されている。このため、UE100は、eNB200(セル(サービングセル/PCell(Primary Cell))からの無線信号を受信できる。
カバレッジ内のケースでは、例えば、図11に示すように、ステップS10において、UE100は、位置情報の取得が不可能であると判定する。判定方法については、後述する(「(2)判定方法」参照)。
ステップS20において、UE100は、位置情報が取得不可能であることに応じて、シグナリングをeNB200へ送信してもよい。
ステップS30において、eNB200は、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信する。eNB200は、UE100からのシグナリングに応じて、特別な無線リソースの情報(Special resources)をUE100へ送信してもよい。
ステップS40において、UE100は、特別な無線リソースに基づいて、V2X通信により無線信号(V2X signaling)を送信できる。
eNB200は、UE100からのシグナリングにより、UE100の位置情報を取得できないことを示す情報をUE100から取得した場合に、当該UE100に対して個別に特別な無線リソースの情報を送信してもよい。UE100の位置情報を取得できないことを示す情報は、例えば、GNSS信号の受信ができないことを示すものであってもよい。当該情報は、GNSS信号の受信能力があるにも関わらず、GNSS信号の受信ができないことを示すものであってもよい。GNSS信号の受信能力があるUE100のみ、当該情報をeNB200(セル(サービングセル/PCell)へ送信できてもよい。当該情報は、位置情報を報告するメッセージにおいて、位置情報が格納されるフィールドがブランクであるものであってもよい。
eNB200が無線リソースをUE100へ割り当てるモード1のケースでは、特別な無線リソースの情報は、UE100へ割り当てた無線リソースを示す割当情報であってもよい。eNB200がリソースプールをUE100に提供するモード2のケースでは、特別な無線リソースの情報は、UE100へ割り当てたリソースプールを示す割当情報であってもよい。UE100は、割り当てられたリソースプールの中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択できる。eNB200は、UE100が位置情報を取得できないと判定した場合、V2X通信のためにUE100へ割り当てるべき無線リソースを特別な無線リソースに決定する。
eNB200は、モード2のケースにおいて、特別な無線リソースの情報をブロードキャストにより送信してもよい。これにより、アイドル状態であるUE100であっても、特別な無線リソースの情報を取得することができる。UE100は、特別な無線リソースの情報を取得した場合に、eNB200から特別な無線リソースを使用することが許可されたと判定してもよい。eNB200は、特別な無線リソースの情報の使用許可(例えば、SL−grant)をUE100へ個別に送信してもよい。例えば、eNB200は、UE100の位置情報を取得できないことを示す情報を送信したUE100に対して、使用許可を送信してもよい。使用許可は、予め設定(プレコンフィグ)された特別な無線リソースの情報の使用を許可するものであってもよい。UE100は、インカバレッジである場合であっても、eNB200から使用許可を受信に応じて、予め設定(プレコンフィグ)された特別な無線リソースを使用できてもよい。
eNB200は、UE100がeNB200と接続(RRC接続)を確立している場合にのみ、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信してもよい。すなわち、eNB200は、RRC接続状態のUE100にのみ特別な無線リソースの情報を提供してもよい。従って、eNB200は、特別な無線リソースの情報をブロードキャストしなくてもよい。これにより、eNB200は、RRC接続状態でのV2X通信を促してもよい。eNB200が、RRC接続が確立されている場合に、UE100へ割り当てた特別な無線リソース(リソースプール)は、UE100がeNB200とRRC接続を確立している間にのみ利用可能であってもよい。
UE100は、特別な無線リソースの情報がブロードキャストされていない場合、RRC接続状態でのみ特別な無線リソースが利用可能であると判定してもよい。これにより、eNB200が十分に制御できないアイドル状態(RRCアイドル状態)であるUE100が特別な無線リソースを使用できないため、特別な無線リソースの利用によるV2X通信に基づく無線信号の衝突及び干渉を回避することができる。UE100は、V2X通信に興味があり、かつ、位置情報を取得できない場合、RRC接続状態へ遷移してもよい。すなわち、UE100は、eNB200とのRRC接続を確立するための手順を開始してもよい。RRC接続状態であるUE100は、特別な無線リソースの情報をeNB200へ要求してもよい。例えば、UE100は、サイドリンクUE情報メッセージに、特別な無線リソース(の送信/受信)に興味があること/特別な無線リソース(の送信/受信)を要求することを示す情報を含めて、当該メッセージをeNB200へ送信してもよい。eNB200は、当該メッセージの受信に応じて、UE100へ特別な無線リソースの情報を送信してもよい。
モード2において、UE100は、特別な無線リソースの情報をeNB200から受信した場合であっても、特別な無線リソースを使用できるかどうかを判定してもよい。UE100は、位置情報を取得できない場合にのみ、特別な無線リソースを使用できると判定できる。
eNB200を例に挙げて説明したが、ネットワーク(例えば、上位レイヤ、Server600など)が、eNB200の動作を実行してもよい。具体的には、ネットワークが、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信するか否かを決定してもよい。eNB200は、UE100からのシグナリングに含まれる少なくとも一部の情報(例えば、UE100の位置情報を取得できないことを示す情報)をネットワークへ転送してもよい。ネットワークは、転送された情報に基づいて、特別な無線リソースをV2X通信で使用すべき無線リソースとして決定してもよい。
(B)動作パターン2
動作パターン2について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、動作パターン2を説明するための図である。図13は、動作パターン2を説明するためのシーケンス図である。
動作パターン2では、予想されるUE100の地理的な位置に基づいてUE100がV2Xに使用すべき無線リソースが決定される。
図12のCaseAは、UE100(UE100−1、UE100−2)が位置情報を取得できるケースである。一方、図12のCaseBでは、UE100が位置情報を取得できないケースである。
UE100は、例えば、GNSSにより位置情報を取得できない場合、例えば、位置予想機能(位置予想機器)などを用いて、UE100自身の地理的な位置を予想する。ここで、位置予想機能は、GNSS及びGNSSと同等の位置特定手段と異なる手段により、UE100の位置を特定する機能を示す。位置予想機能は、例えば、電子コンパス、加速度センサなどである。UE100は、GNSS履歴を用いて、現在のUE100自身の地理的な位置を予想してもよい。例えば、UE100は、最後に受信した位置情報を基準として、位置を予想してもよい。
カバレッジ外のケースでは、UE100は、予想したUE100自身の地理的な位置を示す予想位置情報に基づいて、直接的な無線信号の送信を行うための無線リソースを決定する。UE100は、eNB200から予め許可を受けている場合にのみ、予想位置情報に基づいて、無線リソースを決定してもよい。
UE100は、予め設定されているV2X用の設定リソース((複数の)無線リソース/(複数の)リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる使用リソース(時間・周波数リソース/リソースプール)を決定できる。
設定リソースは、位置情報が取得できる場合に利用可能な無線リソース(通常リソース)と同様に、ゾーン(地理的な位置)と対応付けられている(マッピングされている)。従って、UE100は、予想位置情報を、使用リソース(リソースプール)を決定するために用いられる位置情報とみなして、使用リソースを決定することができる。
設定リソースは、通常リソースそのものであってもよい。設定リソース(位置情報が取得できない場合に利用可能な無線リソース)は、通常リソース(位置情報が取得できる場合に利用可能な無線リソース)とは異なる無線リソースであってもよい。すなわち、通常リソースと設定リソースとが分けられていてもよい。この場合、設定リソースは、ゾーン(地理的な位置)と対応付けられている(マッピングされている)ものの、通常リソースとは異なるように対応付けられていてもよい。例えば、設定リソースと対応付けられるゾーンは、通常リソースと対応付けられるゾーンよりも大きく区画されていてもよい。例えば、図12のCaseAとCaseBとで、UE100−1とUE100−2とが同じ位置に存在すると仮定する。位置情報が取得できる場合には、UE100−1とUE100−2とが異なるゾーンに位置する(図12のCaseA)一方で、位置情報が取得できない場合には、UE100−1とUE100−2とが同じゾーンに位置してもよい(図12のCaseB)。
UE100は、予想位置情報により決定された無線リソース(リソースプール)に基づいて、直接的な無線信号の送信を行うことができる。上述と同様に、UE100−1は、決定された無線リソース(リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択してもよい。
これにより、UE100は、予想位置情報を用いることによってゾーンと対応付けられている無線リソースを使用することができる。一方で、予想位置情報の精度が低い場合であっても、設定リソースと通常リソースとを分けておくことで、無線信号の衝突及び干渉を低減することができる。
予想位置情報は、例えば、GNSSに基づく位置情報のうち、精度が低い位置情報であってもよい。
カバレッジ内のケースでは、例えば、図13に示すように、ステップS110において、UE100が、位置情報を取得したか否かを判定する。UE100は、位置情報を取得したと判定した場合、位置情報をeNB200へ送る。eNB200は、位置情報に基づいて、UE100の地理的な位置に対応する無線リソース(リソースプール)をUE100へ割り当てる。一方、UE100は、位置情報を取得できないと判定した場合、ステップS120の処理を実行できる。
ステップS120において、UE100は、予想位置情報を取得する。
ステップS130において、UE100は、取得した予想位置情報をeNB200(ネットワーク)へ送信してもよい。UE100は、予想位置情報により特定されたゾーンを示す情報をeNB200へ送信してもよい。この場合、UE100は、ゾーンが予想位置情報に基づくことをeNB200へ示すことができる。eNB200は、予想位置情報が示す位置が含まれるゾーンに対応する無線リソース(リソースプール)をUE100へ割り当てる。eNB200は、通常の位置情報(例えば、GNSSに基づく位置情報)に対応付けられるゾーンと異なるゾーンと対応付けられた無線リソース(リソースプール)の中から、UE100へ割り当てる無線リソース(リソースプール)を決定してもよい。すなわち、この場合に割り当てる無線リソースは、通常リソースと異なる領域に配置されたリソースであってもよい。
ステップS140において、eNB200は、割り当てた無線リソース(リソースプール)をUE100へ送信する。
ステップS150は、ステップS40と同様である。
モード2のケースにおいて、eNB200は、予想位置情報に基づいて利用可能なリソースプールの情報を、アイドル状態のUE100のためにブロードキャストしてもよい。これにより、アイドル状態であるUE100であっても、予想位置情報に基づいて、使用すべきリソースプールを決定できる。eNB200は、当該リソースプールの情報の使用許可(例えば、SL−grant)をUE100へ個別に送信してもよい。eNB200は、UE100からのシグナリング(例えば、ステップS20、ステップS130参照)により、使用許可をUE100へ個別に送信してもよい。
eNB200を例に挙げて説明したが、上述と同様に、ネットワーク(例えば、上位レイヤ、Server600)が、eNB200の動作を実行してもよい。
(C)動作パターン3
動作パターン3について、図14を用いて説明する。図14は、動作パターン3を説明するための図である。
動作パターン3では、他のUEが使用する送信リソースに基づいて、UE100自身が使用すべき無線リソースを決定する。
図14では、UE100−1(及びUE100−3)は、トンネル内に位置する。UE100−1は、位置情報を取得できない。一方で、UE100−2は、トンネル外に位置する。UE100−2は、位置情報を取得できる。UE100−1は、取得された位置情報に基づいて決定された無線リソース(リソースプール)に基づいて、V2X通信で無線信号を送信する(S210)。
UE100−1は、V2X通信により、UE100−2からの無線信号を直接的に受信する。UE100−1は、UE100−1が記憶している無線リソースの情報に基づいて、V2X通信による無線信号の受信を試みる時間・周波数領域(サーチスペース)を制限してもよい。
UE100−1は、無線信号の送信に用いられた送信リソース(すなわち、無線信号の受信に成功した時間・周波数領域)に基づいて、UE100−1がV2X通信において使用すべき送信リソースプールを決定する。具体的には、UE100−1は、記憶している無線リソースの情報に基づいて、使用された送信リソースを含む送信リソースプールを、使用すべき送信リソースプールとみなす。すなわち、UE100−1は、UE100−2が利用した送信リソースプールを流用する。UE100−1は、送信リソースプールに対応付けられたゾーンを特定してもよい。UE100−1は、無線リソースの情報に基づいて、特定したゾーンに対応付けられた無線リソース(リソースプール)を使用すべき無線リソース(リソースプール)を決定してもよい。
ステップS220において、UE100−1は、決定した送信リソースプールの中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択できる。UE100−1は、選択した時間・周波数リソースを用いて、V2X通信により無線信号を直接的に送信する。このように、UE100−1は、位置情報を取得できない場合であっても、無線信号を直接的に送信するUE100−2が存在する場合、送信リソースプールを決定することができる。
UE100−2は、位置情報に基づいて使用すべき無線リソースとして、SA(Scheduling Assignment)プール(SA Pool♯1)とデータプール(Data Pool♯1)を決定する。UE100−1は、SA Pool♯1の中から使用すべき制御リソースを決定する。UE100−1は、Data Pool♯1の中から使用すべきデータリソースを決定する。UE100−2は、SA Pool♯1内の無線リソースを用いて制御情報を送信する。制御情報は、UE100−2が送信するデータ(データリソース)の位置を示す情報を含む。UE100−2は、制御情報を送信した後に、制御情報によって示されるデータリソースを用いて、データを送信する。一方、UE100−1は、UE100−2から制御情報を直接的に受信する。UE100−1は、制御情報が示すデータリソースを用いて、UE100−2からデータを直接的に受信する。この動作は、本明細書において、UE100がV2X通信を行う場合に実行されてもよい。
UE100−2は、セルカバレッジ外に位置する場合に、動作パターン2の動作を実行してもよい。UE100−2は、セルカバレッジ内に位置する場合に、動作パターン2の動作を実行してもよい。この場合、UE100−2は、eNB200から許可を受けた場合にのみ、動作パターン2の動作を実行してもよい。
UE100−1は、制御情報及び/又はデータに、位置情報に基づいて特定された無線リソースを用いていることを示す情報を含めてもよい。UE100−2は、当該情報が含まれている場合にのみ、送信リソースプールを流用してもよい。UE100−1は、UE100−1自身の位置情報(取得した位置情報及び/又はゾーンを示す情報)を制御情報及び/又はデータに含めてもよい。UE100−2は、当該情報が含まれている場合にのみ、送信リソースプールを流用してもよい。
UE100−2は、制御情報及び/又はデータに、送信リソースプールを流用していることを示す情報を含めてもよい。UE100−3は、当該情報が含まれる場合には、UE100−3自身は、送信リソースプールを流用できなくてもよい。UE100−2は、制御情報及び/又はデータに、送信リソースプールを流用している回数を示す情報を含めてもよい。UE100−3は、当該回数が閾値を超えている場合には、送信リソースプールを流用できなくてもよい。
(2)判定方法
判定方法について、図15−17を用いて、説明する。図15は、判定方法を説明するための図(その1)である。図16は、判定方法を説明するための図(その2)である。図17は、判定方法を説明するための図(その3)である。
UE100は、以下の少なくともいずれかの方法により、上述の動作パターン1−3の少なくともいずれかを実行可能か否かを判定する。すなわち、UE100−1は、位置情報を取得できないと判定する。
UE100は、動作パターン1−3で使用する無線リソース(以下、特別な無線リソースと適宜称する)の使用条件を記憶していてもよい。UE100は、使用条件が満たされた場合に、上述の動作パターン1−3の少なくともいずれかを実行可能であると判定してもよい。UE100は、使用条件が満たされない場合、位置情報が取得できる場合に利用可能な通常リソースを使用可能と判定してもよい。
使用条件は、UE100に予め設定されていてもよい。eNB200(セル)が、使用条件を示す情報をブロードキャスト(例えば、SIBメッセージ)又はユニキャスト(例えば、RRC接続(再)設定メッセージ)により送信してもよい。eNB200は、特別な無線リソースと共に使用条件をUE100へ送信してもよい。使用条件を示す情報は、後述する閾値の情報を含んでいてもよい。使用条件は、ネットワーク(例えば、MME、上位レイヤ、Server600など)から提供されてもよい(例えば、NASシグナリング)。
UE100は、使用条件を満たす状態に遷移した場合、特別な無線リソースの情報をアクティベートに変更してもよい。UE100は、アクティベートである場合にのみ、特別な無線リソースを使用できてもよい。一方、UE100は、使用条件を満たす状態から使用条件を満たさない状態へ遷移した場合、特別な無線リソースの情報をアクティベートからディアクティベートに変更してもよい。UE100は、使用条件を満たす状態から使用条件を満たさない状態へ遷移した場合、特別な無線リソースの情報を破棄(又は解放)してもよい。
第1に、UE100は、GNSS信号の受信状況に応じて判定する。
図15に示すように、UE100は、トンネル外からトンネル内に移動する。これにより、UE100は、GNSS信号を受信できなくなる。UE100は、GNSS信号を受信できない場合に、位置情報を取得できないと判定する。一方、図16に示すように、UE100は、トンネル内からトンネル外に移動する。これにより、UE100は、GNSS信号を受信可能になる。UE100は、GNSS信号を受信できた場合に、位置情報を取得できたと判定する。
UE100は、GNSS信号の受信時間が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。そうでない場合、UE100は、位置情報を取得できないと判定してもよい。UE100は、GNSS信号を一度又は何度か受信できたとしても、GNSS信号の受信時間が閾値を超えない場合には、位置情報を取得できないと判定してもよい。
図17に示すように、UE100は、GNSS信号が一定時間連続して成功した場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。すなわち、UE100は、GNSS信号の連続受信時間が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。この場合、UE100は、GNSS受信状態へ遷移してもよい。UE100は、GNSS受信状態である場合に、特別な無線リソースを使用可能であってもよい(すなわち、使用条件が満たされてもよい)。UE100は、GNSS信号の連続受信時間が閾値を満たさない場合に、位置情報を取得できない(GNSS未受信状態)と判定してもよい。UE100は、単位時間当たりの受信時間が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。そうでない場合、UE100は、位置情報を取得できないと判定してもよい。
図17に示すように、UE100は、GNSS信号が連続して受信に成功した場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。すなわち、UE100は、GNSS信号の連続受信回数が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。UE100は、GNSS信号の連続受信回数が閾値を満たさない場合、位置情報を取得できないと判定してもよい。UE100は、単位時間当たりの受信回数が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定してもよい。そうでない場合、UE100は、位置情報を取得できないと判定してもよい。
このように、UE100は、GNSS信号(位置情報)の受信状況に応じた値が閾値を超えた場合に、使用条件が満たされると判定する。これにより、例えば、短い間隔で複数のトンネルが連続する場合において、使用すべき無線リソースの変更が頻発することを抑制できる。
UE100は、UE100が位置を特定するために用いる他の信号の受信状況に応じて、上述の判定を実行してもよい。
第2に、UE100は、位置情報の精度に応じて判定する。
UE100は、例えば、GNSS信号を受信できた(受信に成功した)場合であっても、位置情報の精度が閾値を超えた(又は閾値以上)場合にのみ、位置情報を取得できたと判定してもよい。UE100は、位置情報の精度が閾値未満(又は閾値以下)である場合には、位置情報を取得できないと判定してもよい。
UE100は、位置情報(例えば、経度及び緯度)の不確実さ(Uncertainty)を示す値に基づいて、判定してもよい。例えば、以下の式に従って、不確実さを算出できる。
rは、算出された現在位置からの不確実さ(誤差距離)を示す値(m)である。
Cは、信頼性(Confidence)を示す値である。Cは、誤差を算出する際に利用するパラメータの値である。Cの値が大きいほど誤差が大きくなる。
x、Kは、所定値である。例えば、C=10であり、x=0.1であり、Kは、下記範囲を満たす値である。
閾値は、rと比較される値(誤差距離)であってもよい。閾値は、Kと比較される値であってもよい。
Kとrとの関係は、例えば、以下の表により示される。
UE100は、位置情報の精度(例えば、r、K、Cなど)が閾値を超えた場合に、位置情報を取得できたと判定できる。一方、UE100は、位置情報の精度が閾値以下である場合には、位置情報を取得できないと判定できる。例えば、UE100は、上述の式に基づいて、取得した位置情報が示す値と実際の位置との誤差距離を算出する。UE100は、誤差距離が閾値(例えば、5m)以内である場合、位置情報を取得できたと判定できる。一方、UE100は、誤差距離が閾値(例えば、5m)を超えた場合、位置情報を取得できないと判定する。
GNSS信号ではなく、他の位置を特定する手段において、この動作が実行されてもよい。
第3に、UE100は、eNB200からのシグナリングに応じて判定する。
UE100は、例えば、eNB200からの所定のシグナリングを受信できない場合に、使用条件が満たされたと判定してもよい。UE100は、eNB200からの所定のシグナリングを受信できた場合に、使用条件が満たされないと判定してもよい。
例えば、UE100は、eNB200から、特別な無線リソース(リソースプール)が割り当てられた場合に、使用条件が満たされたと判定してもよい。すなわち、UE100は、eNB200から特別な無線リソースの情報を受信した場合に、使用条件が満たされたと判定してもよい。UE100は、eNB200から、特別な無線リソースの使用許可を受信した場合に、使用条件が満たされたと判定してもよい。
eNB200(ネットワーク)は、UE100が位置情報を取得不可能なエリア(特別エリア)にUE100が入る場合に、特別な無線リソースの情報/使用許可をUE100へ送信してもよい。eNB200(ネットワーク)は、GNSS信号の受信感度が低い地域/GNSS信号を受信できない地域(特別エリア)を予め記憶しておいてもよい。例えば、特別エリアは、トンネル内のエリアである。eNB200は、UE100から報告された位置情報などに基づいて、UE100が特別エリアに入るか否かを判定できる。UE100が特別エリアに入るタイミングに応じて、eNB200(ネットワーク)は、特別な無線リソースの情報/使用許可をUE100へ送信してもよい。
eNB200は、所定のシグナリングとして、通常リソースが使用可能であること(使用許可)を示すシグナリングを送信してもよい。UE100は、当該シグナリングの受信に成功しない場合、特別な無線リソースの使用条件が満たされたと判定してもよい。UE100は、当該シグナリングの受信に成功した場合、特別な無線リソースの使用条件が満たされないと判定してもよい。
第4に、UE100は、特別な無線リソースに対応付けられた(関連付けられた)使用条件に基づいて判定してもよい。
例えば、特別な無線リソースは、有効期限が対応付けられていてもよい。UE100は、有効期限内である特別な無線リソースのみ使用可能であってもよい。有効期限は、絶対時刻(日時)であってもよい。有効期限は、UE100が、特別な無線リソースの情報を受信してからカウントされる相対的な値であってもよい。例えば、UE100は、特別な無線リソースの情報を受信してから所定期間が経過する前であれば、特別な無線リソース使用可能であってもよい。UE100は、所定期間が経過した場合、特別な無線リソースを使用不可能であってもよい。
UE100が予想位置情報に基づいてゾーンを算出するケースでは、ゾーンを算出するためのパラメータ(使用すべき無線リソースを決定するためのパラメータ)に時間パラメータを含めてもよい。例えば、時間パラメータは、UE100が特別な無線リソースの情報を受信してからの経過時間である。UE100は、例えば、トンネルに入る前に、特別な無線リソースの情報を受信した場合、経過時間に応じて、UE100の現在位置が変化する。このため、UE100は、時間パラメータを用いてゾーンを算出する(すなわち、特別な無線リソースを決定する)ことにより、適切な特別な無線リソースを決定することができる。
時間パラメータに基づいて同じ特別な無線リソース(リソースプール)が継続して使用できるようなゾーンが算出されてもよい。すなわち、特別エリアにおいて、移動中のUE100は、同じ特別な無線リソース(リソースプール)を継続して使用できてもよい。結果として、特別エリアにおいて、UE100により算出されたゾーンは、UE100の移動と共に移動してもよい。
UE100が予想位置情報に基づいてゾーンを算出するか否かにかかわらず、ゾーンを算出するためのパラメータ(使用すべき無線リソースを決定するためのパラメータ)に時間パラメータを含めてもよい。例えば、時間パラメータは、UE100が特別エリアに入るタイミングで、特別な無線リソースを使用可能になるようなパラメータである。
eNB200(セル/ネットワーク)は、例えば、UE100の位置情報により、UE100が特別エリアに入るタイミングを考慮した上で、特別な無線リソースの情報をUE100へ送信(設定)をしてもよい。これにより、UE100がカバレッジ外に移動する前に、UE100が特別エリアに入ってから使用可能な特別な無線リソースの情報をUE100へ設定できる。
eNB200(セル/ネットワーク)は、UE100が特別エリアに存在する場合、UE100が特別エリアに存在する経過時間に応じた異なる特別な無線リソースの情報をUE100へ送信(設定)をしてもよい。例えば、特別エリアに設置されたeNB200は、基準タイミングからの経過時間(時間パラメータ)に応じて決定される特別な無線リソースの情報をUE100へ送信してもよい。基準タイミングは、例えば、UE100が所定地点を経過したタイミング及び/又はUE100の位置情報に応じたオフセット値により算出されるタイミングなどである。一般的に、UE100の経過時間が大きくなるほど、UE100の移動距離が増加する。このため、eNB200は、時間パラメータに応じて、特別な無線リソースを決定することにより、特別な無線リソースを適切にUE100へ割り当てることができる。結果として、特別エリアにおいて、UE100が特別エリアに入ったときからの経過時間に応じた位置に、UE100が位置するゾーンが配置されているとみなされてもよい。
以上のように、UE100は、上述の方法により、特別な無線リソースを使用できるか否かを適切に判定することができる。
[第2実施形態]
第2実施形態について、図18を用いて説明する。図18は、第2実施形態に係る動作を説明するためのシーケンス図である。
第2実施形態では、UE100の位置情報の報告について説明する。当該報告の方法は、上述の第1実施形態で用いられてもよい。
下記において、UE100からeNB200へのシグナリングが示されているが、UE100からネットワーク(例えば、MME、Server600など)へのシグナリングであってもよい。
図18に示すように、ステップS310において、UE100において、UE100の位置情報の報告がトリガされる。このトリガは、eNB200により設定されてもよい。
ステップS320において、UE100は、UE100が保持する位置情報の精度が閾値以上であるか否かを判定する。判定方法は、上述と同様である。
UE100は、位置情報の精度が閾値以上である場合、ステップS330の処理を実行する。UE100は、位置情報の精度が閾値未満である場合、ステップS340の処理を実行する。UE100は、位置情報を取得できない(例えば、GNSS信号の受信に失敗した)場合に、位置情報の精度が閾値未満であると判定してもよい。
ステップS330において、UE100は、位置情報を報告する。具体的には、UE100は、閾値以上であると判定した位置情報を含む第1の報告をeNB200へ送信する。第1の報告において、位置情報は、例えば、GNSS信号に基づく位置情報である。位置情報は、(他の手段により取得された)詳細位置情報であってもよい。
ステップS340において、UE100は、第1の報告と異なる第2の報告をeNB200へ送信する。従って、UE100は、報告(第1の報告)の送信がトリガされたとしても、第1の報告をeNB200へ送信することを中止する。UE100は、第1の報告を送信することを中止した場合、処理を終了してもよい。UE100は、第1の報告の代わりに、第2の報告をeNB200へ送信してもよい。
UE100は、第1の報告の代わりに、位置情報の精度が閾値未満であることを示す情報をeNB200へ送信する。UE100は、当該情報と位置情報とを含む第2の報告をeNB200−2へ送信してもよい。eNB200は、位置情報の精度が低いことを知ることができる。第2の報告に含まれる位置情報は、第1の報告に含まれる位置情報よりも精度が低い情報である。
UE100は、位置情報を含まない第2の報告をeNB200−2へ送信してもよい。
当該情報は、位置情報を含まない理由を示すものであってもよい。これにより、メッセージサイズを削減することができる。
UE100は、上述の予想位置情報を取得している場合、第2の報告に予想位置情報を含めてもよい。UE100は、GNSS信号を受信できない(と判定した)場合にのみ、第2の報告に予想位置情報を含めてもよい。第2の報告は、予想位置情報であることを示す情報(例えば、1ビットのフラグ情報)を含めてもよい。
第2の報告は、第1の報告と異なるメッセージフォーマットであってもよい。eNB200は、メッセージフォーマットに基づいて、第1の報告か第2の報告かを判定してもよい。第1の報告と第2の報告とは同じフォーマットであってもよい。eNB200は、報告に含まれるフラグ(例えば、1ビット情報)に基づいて、第1の報告か第2の報告かを判定してもよい。
以上により、UE100は、位置情報の精度が低い場合には、精度の低い位置情報をeNB200へ報告することを中止できる。これにより、eNB200が、誤差の大きい位置情報に従った制御を実行することを回避することができる。UE100は、位置情報の精度が低いことをeNB200へ示すことにより、eNB200が、位置情報の精度が低いと認識した上で、位置情報を活用することができる。
[その他の実施形態]
上述した各実施形態によって、本出願の内容を説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本出願の内容を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
上述の第1実施形態において、特別な無線リソースは、送信リソースプールのみであってもよい。特別な無線リソースは、受信リソースプールに適用されなくてもよい。UE100は、特別な無線リソースを送信リソースプールと認識した上で、受信リソースプールとして用いてもよい。
UE100(及びeNB200/ネットワーク)は、特別な無線リソースとして決定された無線リソース(リソースプール)の中から、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースを選択する場合、さらに別のパラメータに応じて選択してもよい。例えば、別のパラメータは、UE100の識別子(例えば、UE ID、C−RNTI(Cell−Radio Network Temporary Identifier)など)である。これにより、複数のUE100が、特別な無線リソースとして、同じ無線リソース(リソースプール)を決定した場合でも、実際に無線信号の送信に用いる時間・周波数リソースが同じになることを低減することができる。その結果、V2X通信による無線信号の衝突を低減することができる。
上述において、上述のeNB200からUE100へのシグナリングに含まれる情報(例えば、特別な無線リソースの情報、使用許可、使用条件、閾値など)は、他のeNB200(隣接eNB)から提供されてもよい。
例えば、図19に示すように、eNB200−1は、例えば、通常リソースが使用可能であること(使用許可)及び/又は閾値(GNSS利用閾値)を示す情報をeNB200−2へ送っていてもよい。トンネル外に設置されたeNB200−1が、トンネル内に設置されたeNB200−2へ、当該情報を送ってもよい。
例えば、eNB200−2(サービング)からeNB200−1(ターゲット)へUE100がハンドオーバする場合、eNB200−2からeNB200−1へのハンドオーバ要求肯定応答(HO Request ACK)メッセージに含めてもよい。ハンドオーバ要求肯定応答は、ターゲットeNBで準備されたリソースについてソースeNBへ知らせるために送られるメッセージである。ハンドオーバ要求肯定応答は、ソースeNBからのハンドオーバ要求への応答メッセージである。eNB200−1は、UE100がハンドオーバするセルにおける設定情報を当該情報としてeNB200−2へ送ってもよい。
eNB200−2は、eNB200−1から受信した当該情報を自セル内のUE100へ送信することができる。eNB200−2は、例えば、ハンドオーバコマンドにより、UE100へ当該情報を送信してもよい。UE100−1は、eNB200−1における当該情報をいち早く受信できるため、遅延なく判定することができる。
上述において、ゾーンを算出するためのパラメータ(使用すべき無線リソースを決定するためのパラメータ)は、時間パラメータを含んでいたが、これに限られない。ゾーンを算出するためのパラメータは、UE100の速度のパラメータ(速度パラメータ)を含んでいてもよい。UE100又はeNB200(ネットワーク)が、時間パラメータと速度パラメータとを用いて、使用すべき無線リソースを決定することにより、地理的な位置と使用すべき無線リソースとの対応関係の精度を高めることができる。
上述した各実施形態に係る動作は、適宜組み合わせて実行されてもよい。上述した各シーケンスにおいて、必ずしも全ての動作が必須の構成ではない。例えば、各シーケンスにおいて、一部の動作のみが実行されてもよい。
上述した各実施形態では特に触れていないが、上述した各ノード(UE100、eNB200など)のいずれかが行う各処理をコンピュータに実行させるプログラムが提供されてもよい。プログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。
コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにプログラムをインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROM等の記録媒体であってもよい。
UE100及びeNB200のいずれかが行う各処理を実行するためのプログラムを記憶するメモリ及びメモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサによって構成されるチップが提供されてもよい。
上述した実施形態では、移動通信システムの一例としてLTEシステムを説明したが、LTEシステムに限定されるものではなく、LTEシステム以外のシステムに本出願に係る内容を適用してもよい。
日本国特許出願第2016−147249号(2016年7月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。