JP6670207B2 - 穿刺デバイス - Google Patents

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Description

本発明は穿刺デバイスに関する。特に、穿刺する際に患者が受ける痛みを緩和することができる穿刺デバイスに関する。
蚊に刺されても痛みを感じない理由には、様々な説があり、蚊の口器の細さ、形状及び穿刺時の動きなどが挙げられる。蚊の口器は7個のパーツでできており、そのうち上唇、および上唇の両側に備えた一対の小顎の計3本の針は、穿刺において重要な役割を果たしている。上唇は血液を吸い上げる針である。小顎の先端には10μm程度のトゲが配置され、穿刺部位を交互に打ち込みながら穿刺部位を固定することにより、上唇の穿刺抵抗力を低減している。さらに、下唇は穿刺部位の皮膚組織を伸張し、張力を与えることにより針の穿刺を容易にしている。
医療用穿刺デバイスにおいては、穿刺時の痛みを軽減するため、針の細さ、針先の形状、針芯の形状、および材質など様々な開発が進められている。
一般的に、穿刺時の痛みは針が細くなるほど軽減すると考えられている。例えば、蚊の上唇は0.03mmである。特許文献1には、穿刺時の痛みを低減したより細い注射針が開示されている。従来の注射針よりも外径を細くすることにより、穿刺時の皮膚組織等との間に生じる摩擦力が小さくなり、痛みを低減できるとされている。また、細ければ細いほど、皮膚組織に存在する痛点を刺激する可能性は低くなる。
特許文献2には、蚊の上唇および小顎の機能を模した、針と、針の径方向の外側に突起部を配置した補助針とを備える穿刺ユニットが開示されている。補助針の突起部先端が皮膚組織と接触することから、接触面積が小さくなり、穿刺時の皮膚組織との間に生じる摩擦力が小さくなり、痛みを低減できるとされている。
特開2008−43583号公報 特開2012−245028号公報
しかしながら、特許文献1のように注射針の外径を細くすることは、強度、構造、製造上の問題から限界がある。また特許文献2の穿刺ユニットは、針及び補助針のそれぞれを交互に軸心方向に往復動させる複雑な動きから、特別な制御手段を必要とする。
一方で、蚊の下唇のように、物理的に穿刺部位の皮膚組織を伸張し、張力を与える装置に関しては、いまだ開発の余地がある。
特に、日々の自己穿刺、自己注射を必要とする糖尿病患者が使用する穿刺デバイスは、できるだけ快適、簡便、且つ安全に使用できるよう設計されることが望まれる。また近年では、遺伝子検査等の検査方法の開発も進んでおり、自己穿刺による血液採取には広い分野での需要がある。
本発明は、そのような課題に鑑みてなされたものであり、穿刺する際に患者が受ける痛みを緩和し、かつ、簡便、安全に穿刺できる穿刺デバイスを提供することを目的とする。
本発明の一実施形態によると、針と保持部材とを含む皮膚穿通部材と、皮膚接触部材と皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁とを含む皮膚伸張部材を有し、皮膚穿通部材は皮膚伸張部材の皮膚接触面とは反対側に配置され、皮膚穿通部材と皮膚伸張部材とは可動的に係合し、複数の弾発性弁は皮膚穿通部材を皮膚接触面の方向に押圧することにより押し開かれ、複数の弾発性弁の先端部と針とが皮膚接触面から突出することを特徴とする穿刺デバイスが提供される。
また、皮膚接触部材は筒状であり、複数の弾発性弁は皮膚接触部材の内側に配置され、複数の弾発性弁の先端部は皮膚接触部材の一端に位置してもよい。
また、皮膚穿通部材の動きと連動する外筒をさらに含んでもよい。
また、皮膚穿通部材と外筒とは一体であってもよい。
また、皮膚穿通部材の押圧を解放することにより、皮膚穿通部材が引き戻される装置をさらに含み、皮膚穿通部材が引き戻され、次に複数の弾発性弁が閉じてもよい。
また、皮膚接触部材および皮膚伸張部材は透明であってもよい。
また、皮膚穿通部材は、薬剤を有するカートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含んでもよい。
また皮膚穿通部材は、シリンジ部に引圧カートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含んでもよい。
また皮膚穿通部材は、色素を有するカートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含んでもよい。
また皮膚穿通部材は、保持部材に対するシリンジの円筒軸方向の位置を調整できる装置をさらに含み、皮膚接触面から突出する針の長さが調整できてもよい。
皮膚穿通部材と、プランジャーとの動きを連動させる、キャップ部材をさらに含んでもよい。
本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスによれば、穿刺する際に患者が受ける痛みを緩和し、かつ、簡便、安全に穿刺できる穿刺デバイスを提供することができる。
本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの上面図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスのA−A’断面図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの上面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスのA−A’断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの上面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスのA−A’断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの全体構成を示す斜視図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの上面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスのA−A’断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。 本発明の変形例に係る穿刺デバイスの針の構造を示す斜視図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス、及び穿刺デバイスを用いた穿刺方法について説明する。但し、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス、及び穿刺デバイスを用いた穿刺方法は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
〈実施形態1〉
図1〜図3を用いて、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの構成及び構造と、穿刺方法の概要を説明する。
[穿刺デバイスの概要]
図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスの構成及び構造を説明する。図1は、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの一例を示す斜視図である。図2Aは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの一例を示す上面図である。図2Bは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスの一例を示すA−A’断面図である。
図1および図2に示すように、穿刺デバイス100は、皮膚穿通部材120と皮膚伸張部材140とを備える。皮膚穿通部材120は、取り外し可能な針122と保持部材124とを含む。ここで、図1および図2においては、1本の針122を示したが、これに限定されない。後述する弾発性弁144に接しないかぎり、複数の針を含んでもよい。針122は、中空であっても、中実であってもよい。針122は、外径0.05mm以上0.23mm以下の範囲で適宜選択することができる。
皮膚伸張部材140は、皮膚接触部材142と、複数の弾発性弁144とを含む。図1および図2に示すように、皮膚接触部材142は中空構造であり、内側に複数の弾発性弁144を有する。複数の弾発性弁144は、通常、皮膚接触面Bの方向に閉じた状態であり、先端は皮膚接触部材142の一端である皮膚接触面Bに位置する。皮膚伸張部材140は、弾発性樹脂で一体形成される。特に、弾発性弁144の一部は板厚が薄く、屈曲性および弾発性を有する。このため、複数の弾発性弁144は、皮膚接触部材142とのなす角度θ146が、0度から45度の範囲で屈曲性を有する。さらに、複数の弾発性弁144は屈曲時、形状復元性によって伸展方向へ弾発性を有する。一方、弾発性弁144のその他の部分、および皮膚接触部材142は所定の板厚を備え、十分な剛性を有する。
図1および図2では、皮膚接触部材142は円筒型で示したが、この限りではない。穿刺中、穿刺デバイス100を穿刺部位に安定に支持できればよい。すなわち穿刺部位の外周において、少なくとも、3点以上で皮膚と接していればよい。また図1および図2では、2枚の弾発性弁144を示したが、これに限定されない。後述する動作ができるかぎり、3枚以上の弾発性弁を含んでもよい。
皮膚接触部材142と、複数の弾発性弁144とは透明であってもよい。これによって、穿刺部位および針が視認可能となる。
複数の弾発性弁144の先端部は、摩擦係数の高い材料を含んでもよい。これによって、穿刺部位の皮膚伸張が容易にできる。皮膚接触部材142の一端である皮膚接触部は、摩擦係数の低い材料を含んでもよい。これによって、皮膚伸張部位に隣接する皮膚接触部材142との間の圧力や皮膚のたるみを解消することができる。
図2に示すように、皮膚穿通部材120は、皮膚伸張部材140の内側であり、皮膚接触面Bとは反対側に突出した状態で配置される。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
図2では、複数の弾発性弁144と保持部材124とは、皮膚接触面Bと略垂直方向に隣接して配置されているが、一定のスペースを介して配置されてもよい。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100は、針122を保持する保持部材124と、皮膚接触部材142と、を備えた2重筒構造を有する。皮膚接触部材142の円筒内側と、保持部材124の円筒外側とは、可動的に摩擦係合する。しかし係合方法はこれに限定されず、皮膚穿通部材120は、皮膚伸張部材140の内側において、皮膚接触面Bと略垂直方向に可動的に係合すればよい。
皮膚穿通部材120を皮膚接触面Bの方向に押圧することにより、皮膚穿通部材120は皮膚伸張部材140の内側で皮膚接触面Bの方向にスライドする。皮膚接触面Bの方向に移動する皮膚穿通部材120により、複数の弾発性弁144は押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端と、針122とは、皮膚接触面Bから突出する。
皮膚穿通部材120を皮膚接触面Bとは反対の方向に引くことにより、皮膚穿通部材120は皮膚伸張部材140の内側で皮膚接触面Bとは反対の方向にスライドし、複数の弾発性弁144は弾発性により閉じる。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
[穿刺動作の概要]
次に図3を用いて、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100を用いた穿刺方法について詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス100の穿刺動作を示す断面図である。図3では、円筒の皮膚接触部材142、2枚の弾発性弁144、および1本の針122を備える穿刺デバイス100の一例を示したが、この構成に限定されず、他の形状の皮膚接触部材142、3枚以上の弾発性弁144、および複数の針122を備える構成でも同じ原理が適用できる。
図3Aは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100を用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100は、皮膚接触部材142と、複数の弾発性弁144とが透明であり、皮膚接触部材142を穿刺部位に当接しても穿刺部位を視認できる。皮膚接触部材142を穿刺部位に当接することで、穿刺デバイス100を穿刺角度が皮膚接触面に対して略垂直の状態に安定して支持することができる。このとき、複数の弾発性弁144の先端は穿刺部位に接触している。針122は、皮膚接触面の方向に閉じた2枚の弾発性弁144の内側に位置することから、誤刺防止ができる。また穿刺部位が皮膚接触部材142で覆われていることから、異物の侵入、および付着を防ぐことができる。
図3Bは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100は、皮膚穿通部材120を皮膚接触面の方向に押圧することにより、複数の弾発性弁144が押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端は、皮膚接触面から突出し、穿刺部位を拡張する方向に開き張力を加える。皮膚接触部材142によって穿刺デバイス100が皮膚接触面に対して略垂直に支持されていることから、複数の弾発性弁144の張力は均等に穿刺部位に掛かる。複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142の内側で可動であり、省スペース化が可能である。また複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142によって覆われていることから、より耐久性にすぐれている。
図3Cは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100は、皮膚穿通部材120を皮膚接触面方向にさらに押圧することにより、針122が皮膚接触面から突出する。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスにおいて、シリンジおよび薬剤等を含むカートリッジを配置した場合、採血または穿刺部位に薬剤等を注入することができる。
図3Dは、本発明の実施形態1に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態1に係る穿刺デバイス100は、穿刺部位から離すことにより抜針できる。皮膚穿通部材120を引くことにより、複数の弾発性弁144は閉じ、針122は、皮膚接触面の方向に閉じた2枚の弾発性弁144の内側に位置することから、誤刺防止ができる。穿刺部位から直接採血することで所定の量の血液を得ることができる。
以上の構成および構造とすることにより、本実施形態に係る穿刺デバイスは、穿刺による痛みを緩和することができる。さらには安全性、簡便性、小型化、耐久性を備えた穿刺デバイスを提供することができる。
〈実施形態2〉
図4〜図6を用いて、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの構成及び構造と、穿刺方法の概要を説明する。なお皮膚伸張部材140の構成および構造は、本発明の実施形態1と同じであり、その繰り返しの説明は省略する。
[穿刺デバイスの概要]
図4及び図5を用いて、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスの構成及び構造を説明する。図4は、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの一例を示す斜視図である。図5Aは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの一例を示す上面図である。図5Bは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスの一例を示すA−A’断面図である。
図4および図5に示すように、穿刺デバイス200は、皮膚穿通部材120と、外筒160と、皮膚伸張部材140とを備える。皮膚穿通部材120は、取り外し可能な針122と保持部材124とを含む。ここで、図4および図5においては、1本の針122を示したが、これに限定されない。後述する弾発性弁144に接しないかぎり、複数の針を含んでもよい。保持部材124は中空構造であり、さらに内側に薬剤を有するカートリッジを装着したシリンジ180とプランジャー182とを備える。針122は中空であり、シリンジ180に装着される。針122は、外径0.05mm以上0.23mm以下の範囲で適宜選択することができる。図示していないが、薬剤の液量を制御する装置を含んでもよい。またカートリッジは、薬剤を有するものに限定されない。シリンジ180は、例えば抗凝固薬等を含む引圧カートリッジ等を装着してもよい。シリンジ180の容量は0.05ml以上2ml以下の範囲で適宜選択することができる。
図5に示すように、皮膚穿通部材120は、皮膚伸張部材140の内側であり、皮膚接触面Bとは反対側に突出した状態で配置される。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
図5では、複数の弾発性弁144と保持部材124とは、皮膚接触面Bとは略垂直方向に隣接して配置されているが、一定のスペースを介して配置されてもよい。図5において、保持部材124はさらに、皮膚伸張部材140を覆う外筒160と針122とは反対側の一端において係合している。なお図5において、保持部材124と、外筒160とは一体の構成としたが、この構成に限定されず、保持部材124と、外筒160とが別体として形成され、ねじ等で一体に固定される構造であってもよい。
本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、針122、カートリッジを装着したシリンジ180、およびプランジャー182を内側に保持する保持部材124と、皮膚接触部材142と、皮膚接触部材142を覆う外筒160と、を備えた3重筒構造を有する。皮膚接触部材142と、外筒160とは、コイルばね162により可動的に係合する。しかし係合方法はこれに限定されず、外筒160の円筒内側と、皮膚伸張部材140の円筒外側において、皮膚接触面Bと略垂直方向に可動的に係合すればよい。外筒160と係合する皮膚穿通部材120の円筒外側と、皮膚伸張部材140の円筒内側において、皮膚接触面Bと略垂直方向に可動的に係合してもよい。
外筒160を皮膚接触面Bの方向に押圧することにより、外筒160と係合する皮膚穿通部材120は連動する。皮膚穿通部材120は、コイルばね162により可動的に係合する皮膚伸張部材140の内側で皮膚接触面Bの方向にスライドする。皮膚接触面Bの方向に移動する皮膚穿通部材120により、複数の弾発性弁144は押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端と、針122とは、皮膚接触面Bから突出する。
さらにプランジャーを押圧することにより、薬剤が針122より流出する。
外筒160の押圧を解放することで、コイルばね162の弾発性により、皮膚穿通部材120は皮膚伸張部材140の内側で皮膚接触面Bとは反対の方向にスライドし、皮膚穿通部材120は引き戻される。さらに複数の弾発性弁144は弾発性により閉じる。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
[穿刺動作の概要]
次に図6を用いて、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200を用いた穿刺方法について詳細に説明する。図6は、本発明の実施形態に係る穿刺デバイス200の穿刺動作を示す断面図である。図6では、円筒の皮膚接触部材142、2枚の弾発性弁144、および1本の針122を備える穿刺デバイス200の一例を示したが、この構成に限定されず、他の形状の皮膚接触部材142、3枚以上の弾発性弁144、および複数の針122を備える構成でも同じ原理が適用できる。
図6Aは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200を用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、皮膚接触部材142と、複数の弾発性弁144とが透明であり、皮膚接触部材142を穿刺部位に当接しても穿刺部位を視認できる。皮膚接触部材142を穿刺部位に当接することで、穿刺デバイス200を穿刺角度が皮膚接触面に対して略垂直の状態に安定して支持することができる。このとき、複数の弾発性弁144の先端は穿刺部位に接触している。針122は、皮膚接触面の方向に閉じた2枚の弾発性弁144の内側に位置することから、誤刺防止ができる。また穿刺部位が皮膚接触部材142で覆われていることから、異物の侵入、および付着を防ぐことができる。
図6Bは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、外筒160を皮膚接触面の方向に押圧することにより、複数の弾発性弁144が押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端は、皮膚接触面から突出し、穿刺部位を拡張する方向に開き張力を加える。皮膚接触部材142によって穿刺デバイス200が皮膚接触面に対して略垂直に支持されていることから、複数の弾発性弁144の張力は均等に穿刺部位に掛かる。複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142の内側で可動であり、省スペース化が可能である。また複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142によって覆われていることから、より耐久性にすぐれている。
図6Cは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、外筒160を皮膚接触面方向にさらに押圧することにより、針122が皮膚接触面から突出する。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。
図6Dは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。プランジャー182を押圧することにより、薬剤が穿刺部位に注入される。
図6Eは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、外筒160の押圧を解放することで、コイルばね162の弾発性により皮膚穿通部材120は引き戻されることで抜針される。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、抜針による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、抜針による痛みを軽減することができる。
図6Fは、本発明の実施形態2に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。本発明の実施形態2に係る穿刺デバイス200は、外筒160の押圧をさらに解放することで、複数の弾発性弁144は弾発性により閉じる。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
以上の構成および構造とすることにより、本実施形態に係る穿刺デバイスは、穿刺および抜針による痛みを緩和することができる。さらには安全性、簡便性、小型化、耐久性を備えた穿刺デバイスを提供することができる。
〈実施形態3〉
図7〜図9を用いて、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの構成及び構造と、穿刺方法の概要を説明する。なおキャップ部材164の構成および構造以外は、本発明の実施形態2と同じであり、その繰り返しの説明は省略する。
[穿刺デバイスの概要]
図7及び図8を用いて、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスの構成及び構造を説明する。図7は、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの一例を示す斜視図である。図8Aは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの一例を示す上面図である。図8Bは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスの一例を示すA−A’断面図である。
図7および図8に示すように、穿刺デバイス300は、外筒160と、皮膚穿通部材120と、プランジャー182との動きを連動させる、キャップ部材をさらに備える。プランジャー182の摩擦係数は、コイルばね162の弾性係数よりも高く、これによってコイルばね162の圧縮の次にプランジャーの押圧という段階的な動作が可能になる。
図8において、キャップ部材164は、プランジャー182を覆うように配置されるが、この形状に限定されない。キャップ部材164は、外筒160をさらに覆うような形状であってもよい。キャップ部材164が配置されることによって、外筒160の押圧と、プランジャーの押圧とを1ステップで行うことができ、穿刺から薬剤投与の動作がより簡便になる。
[穿刺動作の概要]
図9を用いて、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300を用いた穿刺方法について詳細に説明する。図9は、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス300の穿刺動作を示す断面図である。図9では、円筒の皮膚接触部材142、2枚の弾発性弁144、および1本の針122を備える穿刺デバイス300の一例を示したが、この構成に限定されず、他の形状の皮膚接触部材142、3枚以上の弾発性弁144、および複数の針122を備える構成でも同じ原理が適用できる。
図9Aは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300を用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300は、皮膚接触部材142と、複数の弾発性弁144とが透明であり、皮膚接触部材142を穿刺部位に当接しても穿刺部位を視認できる。皮膚接触部材142を穿刺部位に当接することで、穿刺デバイス300を穿刺角度が皮膚接触面に対して略垂直の状態に安定して支持することができる。このとき、複数の弾発性弁144の先端は穿刺部位に接触している。針122は、皮膚接触面の方向に閉じた2枚の弾発性弁144の内側に位置することから、誤刺防止ができる。また穿刺部位が皮膚接触部材142で覆われていることから、異物の侵入、および付着を防ぐことができる。
図9Bは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300は、キャップ部材164を皮膚接触面の方向に押圧することにより、複数の弾発性弁144が押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端は、皮膚接触面から突出し、穿刺部位を拡張する方向に開き張力を加える。皮膚接触部材142によって穿刺デバイス300が皮膚接触面に対して略垂直に支持されていることから、複数の弾発性弁144の張力は均等に穿刺部位に掛かる。複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142の内側で可動であり、省スペース化が可能である。また複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142によって覆われていることから、より耐久性にすぐれている。
図9Cは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300は、キャップ部材164を皮膚接触面方向にさらに押圧することにより、針122が皮膚接触面から突出する。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。
図9Dは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。キャップ部材164をさらに押圧することにより、薬剤が穿刺部位に注入する。
図9Eは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300は、キャップ部材164の押圧を解放することで、コイルばね162の弾発性により、皮膚穿通部材120は引き戻されることで抜針される。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、抜針による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、抜針による痛みを軽減することができる。
図9Fは、本発明の実施形態3に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。本発明の実施形態3に係る穿刺デバイス300は、キャップ部材164の押圧をさらに解放することで、複数の弾発性弁144は弾発性により閉じる。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
以上の構成および構造とすることにより、本実施形態に係る穿刺デバイスは、穿刺および抜針による痛みを緩和することができる。さらにはより安全性、簡便性、小型化、耐久性を備えた穿刺デバイスを提供することができる。
〈実施形態4〉
図10〜図12を用いて、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスの構成及び構造と、穿刺方法の概要を説明する。なおシリンジ180および保持部材124の構造以外は、本発明の実施形態2と同じであり、その繰り返しの説明は省略する。
[穿刺デバイスの概要]
図10及び図11を用いて、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイスの構成及び構造を説明する。図10は、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスの一例を示す斜視図である。図11Aは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスの一例を示す上面図である。図11Bは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスの一例を示すA−A’断面図である。
図10および図11に示すように、穿刺デバイス400は、皮膚穿通部材120と、外筒160と、皮膚伸張部材140とを備える。皮膚穿通部材120は、取り外し可能な針122と保持部材124とを含む。保持部材124は中空構造であり、さらに内側に薬剤を有するカートリッジを装着したシリンジ180とプランジャー182とを備える。針122は中空であり、シリンジ180に装着される。針122は、外径0.05mm以上0.23mm以下の範囲で適宜選択することができる。図示していないが、薬剤の液量を制御する装置を含んでもよい。またカートリッジは、薬剤を有するものに限定されない。例えば、色素を有するカートリッジを装着してもよい。この場合、美容のための色素注入や、皮膚へのプリントなど、新たな分野での利用が期待できる。シリンジ180の容量は0.05ml以上2ml以下の範囲で適宜選択することができる。
図11に示すように、シリンジ180は、保持部材124の内側であり、皮膚接触面Bとは反対側に突出した状態で配置される。このとき針122は、皮膚伸張部材140の皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
本実施形態において、シリンジ180と保持部材124とはねじによって係合する。シリンジ180が雄ねじで、保持部材124が雌ねじの関係となる。シリンジ180と保持部材124とはそれぞれ円筒軸方向の一部にねじを備える。この場合、シリンジ180と保持部材124との間にはひっかかりの高さ分の隙間を有し、シリンジ180は円筒外周側に突出したねじ山を備え、保持部材124は円筒内周側に突出したねじ山を備える。しかしながらこれに限定されず、シリンジ180と保持部材124とのどちらか一方が円筒軸方向の全長にねじを有してもよい。また、シリンジ180と保持部材124とのそれぞれが円筒軸方向の全長におよんでねじを備えてもよい。
シリンジ180は、皮膚接触面Bとは反対側に突出した端部を回すことで保持部材124に装着することができる。また、図には示さなかったが、シリンジ180の皮膚接触面Bとは反対側の端部には所定の装着位置を示す目盛を有してもよい。シリンジ180と保持部材124とがねじにより係合することによって、保持部材124に対するシリンジ180の円筒軸方向の位置を任意の位置で固定することが可能となる。すなわち、シリンジ180に装着する針122の長さが同じであっても、皮膚接触面Bから突出する針122の長さを適宜調節することが可能となる。針の長さが調節できることで、より穿刺時の安全性が確保でき、また深さに対する選択的な穿刺が可能となる。
図11に示すように、皮膚穿通部材120は、皮膚伸張部材140の内側であり、皮膚接触面Bとは反対側に突出した状態で配置される。本実施形態において、保持部材124に対するシリンジ180の円筒軸方向の位置が変化しても、皮膚穿通部材120と皮膚伸張部材140との位置関係および動作に影響はない。
[穿刺動作の概要]
図12を用いて、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400を用いた穿刺方法について詳細に説明する。図12は、本発明の一実施形態に係る穿刺デバイス400の穿刺動作を示す断面図である。図12では、円筒の皮膚接触部材142、2枚の弾発性弁144、および1本の針122を備える穿刺デバイス400の一例を示したが、この構成に限定されず、他の形状の皮膚接触部材142、3枚以上の弾発性弁144、および複数の針122を備える構成でも同じ原理が適用できる。
図12Aは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400を用いた穿刺動作において、皮膚接触時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400は、保持部材124に対するシリンジ180の円筒軸方向の位置を調節することが可能である。図12Aにおいて、シリンジ180は皮膚接触面とは反対側の方向に所定の距離だけ突出した状態である。しかしながらこれに限定されず、シリンジ180の円筒軸方向の位置は適宜調節することができる。このとき、複数の弾発性弁144の先端は穿刺部位に接触している。針122は、皮膚接触面の方向に閉じた2枚の弾発性弁144の内側に位置することから、誤刺防止ができる。また穿刺部位が皮膚接触部材142で覆われていることから、異物の侵入、および付着を防ぐことができる。
図12Bは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、皮膚伸張時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400は、外筒160を皮膚接触面の方向に押圧することにより、複数の弾発性弁144が押し開かれる。複数の弾発性弁144の先端は、皮膚接触面から突出し、穿刺部位を拡張する方向に開き張力を加える。皮膚接触部材142によって穿刺デバイス400が皮膚接触面に対して略垂直に支持されていることから、複数の弾発性弁144の張力は均等に穿刺部位に掛かる。複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142の内側で可動であり、省スペース化が可能である。また複数の弾発性弁144は皮膚接触部材142によって覆われていることから、より耐久性にすぐれている。
図12Cは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400は、外筒160を皮膚接触面方向にさらに押圧することにより、針122が皮膚接触面から突出する。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、穿刺による痛みを軽減することができる。
図12Cにおいて、保持部材124に対するシリンジ180の位置はねじによって固定されているため、図12Aにおいて調節した位置を維持する。すなわち、保持部材124に対するシリンジ180の円筒軸方向の位置を調節することで、穿刺の深さを適宜調整することができる。
図12Dは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、薬物投与時の状態を示す断面図である。プランジャー182を押圧することにより、薬剤が穿刺部位に注入する。
本実施形態においては、穿刺の深さが調節できることで、穿刺目的に見合った選択的な穿刺および注入が可能となる。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスは、例えば、美容整形を目的とした皮膚への着色にも用いることができる。この場合、皮膚表面から0.1〜0.3mmの角質層より深い部分の表皮層に穿刺することで、表皮層に選択的な着色材の注入が可能となる。着色材を蛍光色素にすると通常では発色しないため、皮膚内の2次元バーコードなどのデジタルIDとして特殊な光線を照射したときのみ発色することで人体認証等に用いることも可能となる。さらに本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスは、シミ対策や予防を目的とした、メラニンの生成を阻害するためビタミンC、システイン、アミノ酸、コラーゲン等の薬剤の注入にも用いることができる。この場合、皮膚表面から0.2〜0.3mmの表皮層のより深い部分に穿刺することで、基底層付近に選択的に薬剤を注入することが可能となる。しかしながらこれに限定されず、穿刺の深さが調節できることで、真皮層(皮膚表面から2〜3mm)より表層側で、様々な用途に簡易に利用することが可能となる。
図12Eは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、抜針時の状態を示す断面図である。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400は、外筒160の押圧を解放することで、コイルばね162の弾発性により皮膚穿通部材120は引き戻されることで抜針される。複数の弾発性弁144により穿刺部位の皮膚を伸張させて針122による皮膚の弾性変形を抑制させることで、抜針による痛みを軽減することができる。また、複数の弾発性弁144および皮膚接触部材142を皮膚に押し当て知覚を分散させることで、抜針による痛みを軽減することができる。
図12Fは、本発明の実施形態4に係る穿刺デバイスを用いた穿刺動作において、穿刺後の状態を示す断面図である。本発明の実施形態4に係る穿刺デバイス400は、外筒160の押圧をさらに解放することで、複数の弾発性弁144は弾発性により閉じる。このとき針122は、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁144の内側に位置する。これによって、針122による誤刺防止ができる。
以上の構成および構造とすることにより、本実施形態に係る穿刺デバイスは、穿刺および抜針による痛みを緩和することができる。さらにはより安全性、簡便性、小型化、耐久性を備えた穿刺デバイスを提供することができる。
〈変形例〉
図13を用いて、本発明の変形例に係る穿刺デバイスの構成及び構造を説明する。
図13は、実施形態1乃至実施形態4の変形例に係る穿刺デバイスの針122の一例を示す図である。なお針122の構造以外は、本発明の実施形態1乃至実施形態4と同じであり、その繰り返しの説明は省略する。
図13に示すように、本発明の変形例に係る穿刺デバイスの針122は複数の針を備える。本変形例において針122は、100本の針がマトリックス状に配置される。
しかしながらこれに限定されず、前述した弾発性弁144に接しないかぎり、何本の針を含んでもよい。針122は、中空であっても、中実であってもよい。針122は、外径0.05mm以上0.23mm以下の範囲で適宜選択することができる。
なお本発明は上記の実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
100:穿刺デバイス
120:皮膚穿通部材
122:針
124:保持部材
140:皮膚伸張部材
142:皮膚接触部材
144:弾発性弁
146:皮膚接触部材と複数の弾発性弁とのなす角度θ
160:外筒
162:コイルばね
164:キャップ部材
180:シリンジ
182:プランジャー

Claims (11)

  1. 針と保持部材とを含む皮膚穿通部材と、
    皮膚接触部材と、皮膚接触面の方向に閉じた複数の弾発性弁とを含む皮膚伸張部材を有し、
    前記皮膚穿通部材は、前記皮膚伸張部材の前記皮膚接触面とは反対側に配置され、
    前記皮膚穿通部材と、前記皮膚伸張部材とは可動的に係合し、
    前記複数の弾発性弁は、前記皮膚穿通部材を前記皮膚接触面の方向に押圧することにより押し開かれ、
    前記複数の弾発性弁の先端部と、前記針とが、前記皮膚接触面から突出することを特徴とする穿刺デバイス。
  2. 前記皮膚接触部材は筒状であり、
    前記複数の弾発性弁は前記皮膚接触部材の内側に配置され、
    前記複数の弾発性弁の先端部は、前記皮膚接触部材の一端に位置することを特徴とする請求項1に記載の穿刺デバイス。
  3. 前記皮膚穿通部材の動きと連動する外筒をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に記載の穿刺デバイス。
  4. 前記皮膚穿通部材と前記外筒とは一体であることを特徴とする請求項3に記載の穿刺デバイス。
  5. 前記皮膚穿通部材の押圧を解放することにより、前記皮膚穿通部材が引き戻される装置をさらに含み、前記皮膚穿通部材が引き戻され、次に前記複数の弾発性弁が閉じることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  6. 前記皮膚接触部材および前記皮膚伸張部材は透明であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  7. 前記皮膚穿通部材は、薬剤を有するカートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  8. 前記皮膚穿通部材は、シリンジ部に引圧カートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  9. 前記皮膚穿通部材は、色素を有するカートリッジを装着したシリンジとプランジャーとをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  10. 前記皮膚穿通部材は、前記保持部材に対する前記シリンジの円筒軸方向の位置を調整できる装置をさらに含み、
    前記皮膚接触面から突出する前記針の長さが調整できることを特徴とする請求項7乃至9の何れか1項に記載の穿刺デバイス。
  11. 前記皮膚穿通部材と、前記プランジャーとの動きを連動させる、キャップ部材をさらに含むことを特徴とする請求項7乃至10の何れか1項に記載の穿刺デバイス。


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