JP6666796B2 - 人口推計システムおよび人口推計方法 - Google Patents

人口推計システムおよび人口推計方法 Download PDF

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Description

本発明は、対象範囲の人口を推計する人口推計システムおよび人口推計方法に関する。
国勢調査をはじめとする人口統計情報は、国や地方公共団体における、街づくりおよび防災計画といった分野での施策の高度化に貢献してきた。近年では、人口統計情報は、高解像化によって応用の幅を広げ、不動産開発および販売促進、携帯電話ネットワークの置局設計といった分野での利用・検討が進められている。人口統計情報は、高解像化するほど応用先の幅が広がり、多様な分野の高度化に寄与することが可能である。このような観点から、より解像度の高い人口統計情報の実現に向けて、下記の特許文献1、2に次のような手法が開示されている。
特許文献1には、対象エリアの人口を推計するシステムとして、携帯電話ネットワークにおいて、各基地局のセクタに対して位置登録された携帯端末の端末数に基づいて、各セクタに在圏している携帯端末の端末数(人口)を推計するシステムが開示されている。
また、特許文献2では、地図の施設名称から当該施設の種別を推定し,施設種別ごとに調査された人口および人口の時間的な変動パターンをもとに,施設単位の人口を推計する手法が開示されている。
特開2003−122877号公報 特開2010−200283号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、携帯電話ネットワークを利用するという原理上、人口推計が可能な対象エリアの解像度は、各基地局のセクタの大きさに依存するため、数百メートル程度に留まってしまう。
また、特許文献2の方法は、特許文献1の方法よりも空間解像度が高い人口推計統計情報を提供可能なものの、施設の利用人口推計値をもとに対象エリアの人口を推計するため、特許文献2の方法が定める施設以外の人口を考慮することができない。加えて、施設種別ごとの調査実績値に対し、地域に応じた係数により補正を行っているものの、近隣に新設された他の施設、対象施設の改築、対象施設運営事業者の事業計画といった対象施設固有の要因による人口変動を考慮できない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、既存の人口推計方法が対象とする施設以外にいる人の数を考慮し、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口推計情報を提供することを目的とする。また、対象施設固有の要因による人口変動を考慮した人口推計情報を提供する。
本発明の一態様に係る人口推計システムは、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、エリアごとに対応付けられた人口統計値を格納する人口統計情報格納手段と、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納手段と、一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けた表を格納する人数期待値格納手段と、入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する認識手段と、人数期待値格納手段に格納された表を参照し、認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値を割り当てる割当手段と、対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を人口統計情報格納手段から取得し、割当手段によって割り当てられた対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値が取得した人口統計値と一致するように、当該一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる補正手段と、補正手段によって補正された、鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を集計する集計手段と、を備える。
本発明の一態様に係る人口推計方法は、エリアごとに対応付けられた人口統計値を格納する人口統計情報格納部と、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納部と、一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けた表を格納する人数期待値格納部と、を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する認識ステップと、人数期待値格納部に格納された表を参照し、認識ステップで認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値を割り当てる割当ステップと、対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を人口統計情報格納部から取得し、割当ステップで割り当てられた対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値が取得した人口統計値と一致するように、当該一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる補正ステップと、補正ステップで補正された、鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を集計する集計ステップと、を含む。
上記の人口推計システムまたは人口推計方法によれば、人口を推計しようとする対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値が割り当てられ、割り当てられた人数期待値の合計値が鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値と一致するように補正された後、人数期待値が集計される。このように補正された人数期待値を集計することによって、一般物体(たとえば種々の施設)以外にいる人の数を考慮し、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
人数期待値格納手段に格納された表は、さらに、一般物体が予め選択された一般物体であるか否かを示すフラグを一般物体および人数期待値と対応付けており、補正手段は、人数期待値格納手段に格納された表のフラグを参照し、予め選択された一般物体の人数期待値についてはその値を維持し、合計値から予め選択された一般物体の人数期待値を減算した値が、取得した人口統計値と一致するように、予め選択された一般物体以外の一般物体の人数期待値に補正係数を乗じてもよい。たとえば、滞在している人の数がおよそ決まっているような(取り得る人数が確からしい)一般物体を予め選択された一般物体としておけば、そのような一般物体の人数期待値を補正の対象から外すことで、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
上記の人口推計システムでは、補正手段は、対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体が対象範囲またはエリアの境界をまたいで位置している場合には、鳥瞰画像において当該一般物体のうちの境界の内側に位置する部分の面積を、当該一般物体の全体の面積で除算した値を、当該一般物体の人数期待値に乗じてもよい。これにより、対象範囲の境界をまたがる一般物体が存在した場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
上記の人口推計システムでは、人数期待値格納手段に格納された表は、さらに、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、一般物体と対応付けており、割当手段は、人数期待値格納手段に格納された表を参照し、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に割り当ててもよい。これにより、時間と場所によって一般物体に滞在する人の数が変化し得る場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
上記の人口推計システムでは、人数期待値格納手段に格納された表は、さらに、予め定められた一般物体について定義された単位面積当たりの人数期待値を、当該予め定められた一般物体と対応付けており、割当手段は、人数期待値格納手段に格納された表を参照し、単位面積当たりの人数期待値を用いて算出した人数期待値を、鳥瞰画像に含まれる一般物体のうち予め定められた一般物体に割り当ててもよい。これにより、一般物体の面積によって一般物体に滞在する人の数が変化し得る場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
本発明の一態様に係る人口推計システムは、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納手段と、車を含む一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けて記述する表を格納する人数期待値格納手段と、駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けた表を格納する付属駐車場情報格納手段と、付属駐車場情報格納手段に格納された表を参照し、入力手段によって入力された対象範囲内の施設に付属する駐車場の有無を判定する判定手段と、判定手段によって対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定された場合、入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる施設に付属する駐車場内の車を認識する認識手段と、人数期待値格納手段に格納された表を参照し、認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる車に、人数期待値を割り当てる割当手段と、割当手段によって割り当てられた車の人数期待値を集計することによって、施設の人口推計値を算出する算出手段と、を備える。
本発明の一態様に係る人口推計方法は、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納部と、車を含む一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けて記述する表を格納する人数期待値格納部と、駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けた表を格納する付属駐車場情報格納部と、を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、付属駐車場情報格納部に格納された表を参照し、入力ステップで入力された対象範囲内の施設に付属する駐車場の有無を判定する判定ステップと、判定ステップで対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定された場合、入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる施設に付属する駐車場内の車を認識する認識ステップと、人数期待値格納部に格納された表を参照し、認識ステップで認識された鳥瞰画像に含まれる車に、人数期待値を割り当てる割当ステップと、割当ステップで割り当てられた車の人数期待値を集計することによって、施設の人口推計値を算出する算出ステップと、を含む。
上記の人口推計システムまたは人口推計方法によれば、対象範囲内の施設に付属駐車場が有ると判定された場合、対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる施設に付属する駐車場内の車に人数期待値が割り当てられ、割り当てられた人数期待値が集計されることによって、施設の人口推計値が算出される。これにより、付随する駐車場が有るか否かおよびその駐車場に駐車している車が有るか否かといった施設に固有の要因による人の数の変動を考慮しつつ、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
本発明の一態様に係る人口推計システムは、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、同一のエリアについての異なる時刻において取得された複数の人口統計値を、エリアごとに対応付けられた人口統計値として格納する人口統計情報格納手段と、同一のエリアについての異なる時刻において撮像された複数の鳥瞰画像を、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像として格納する鳥瞰画像格納手段と、入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数の鳥瞰画像を鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した複数の鳥瞰画像を時系列で比較することによって鳥瞰画像における存在の有無に変化のあった特定物体を認識する認識手段と、人口統計情報格納手段に格納された人口統計値を参照し、認識手段によって認識された特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、当該特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算することで、対象範囲の人口推計値を算出する算出手段と、を備える。
本発明の一態様に係る人口推計方法は、同一のエリアについての異なる時刻において取得された複数の人口統計値を、エリアごとに対応付けられた人口統計値として格納する人口統計情報格納部と、同一のエリアについての異なる時刻において撮像された複数の鳥瞰画像を、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像として格納する鳥瞰画像格納部と、を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数の鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部から取得し、取得した複数の鳥瞰画像を時系列で比較することによって鳥瞰画像における存在の有無に変化のあった特定物体を認識する認識ステップと、人口統計情報格納部に格納された人口統計値を参照し、認識ステップで認識された特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、当該特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算することで、対象範囲の人口推計値を算出する算出ステップと、を含む。
上記の人口推計システムまたは人口推計方法によれば、特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算することで、対象範囲の人口推計値が算出される。これにより、たとえば、対象範囲内に新たに特定物体が建設されたといった特定物体に固有の要因による人の数の変動を考慮しつつ、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
本発明によれば、既存の人口推計方法が対象とする対象施設以外にいる人の数を考慮し、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口推計情報を提供することが可能になる。また、対象施設固有の要因による人口変動を考慮した人口推計情報を提供することが可能になる。
第1実施形態および第2実施形態に係る人口推計システムの概略構成を示す図である。 人数期待値格納部に格納される表の例を示す図である。 人口推計システムのハードウェア構成の例を示す図である。 第1実施形態に係る人口推計システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。 人口推計システムにおいて実行される処理の例を概念的に説明するための図である。 人口推計システムにおいて実行される処理の例を概念的に説明するための図である。 第2実施形態に係る人口推計システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る人口推計システムの概略構成を示す図である。 第3実施形態に係る人口推計システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る人口推計システムの概略構成を示す図である。 第4実施形態に係る人口推計システムにおいて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態および後述の第2実施形態に係る人口統計システムの概略構成を示す図である。図1に示されるように、人口推計システム100は、入力デバイス10と、出力デバイス20と、制御ユニット30と、記憶部40とを含む。たとえば、入力デバイス10、出力デバイス20、制御ユニット30および記憶部40が一つの端末装置に実装されることによって、人口推計システム100が構成されてよい。
まず、入力デバイス10および出力デバイス20について説明する。入力デバイス10は、人口推計システム100における、人口を推計しようとする対象範囲を入力する部分(入力手段)である。入力デバイス10は、たとえばキーボードおよびマウスなどの操作デバイスからなる。そのような操作デバイスを人口推計システム100のユーザが用いることによって、対象範囲が指定される。入力デバイス10は、指定された対象範囲を、制御ユニット30に入力する。制御ユニット30は、後述の原理により、対象範囲の人口を推計する。出力デバイス20は、たとえばディスプレイからなり、制御ユニット30による対象範囲の人口の推計の結果を表示する。
入力デバイス10によって入力される対象範囲の指定の例について説明する。対象範囲は、地図上の座標(経度緯度など)を用いて指定することができる。たとえば、地図上の複数の座標を指定することによって、当該座標で囲まれた部分(たとえば、2つの座標を対角線の頂点とする長方形の部分、座標同士を結んだ直線を辺とする多角形の部分など)を対象範囲とすることができる。出力デバイス20に地図が表示されている場合には、ユーザ操作によって地図上の一部の範囲を選択し、その選択範囲を対象範囲として指定することもできる。その他に、住所を入力することによってその住所に対応する地図上の部分を対象範囲として指定することもできる。
また、対象範囲の人口は、時間帯によって異なる場合もある。そのため、入力デバイス10は、対象範囲とともに、人口を推計しようとする対象範囲の時刻または時間帯を入力することもできる。時刻の例は、年月日、時分などである。時間帯の例は、「平日」または「休日」のいずれかの時間帯を示す「明け方」、「日中」などである。時間帯の指定は、ユーザが入力デバイス10を用いて行うことができる。なお、入力された時刻から当該時刻に対応する時間帯が指定されてもよい。
制御ユニット30は、記憶部40と協働して、入力デバイス10によって入力された対象範囲の人口を推計する。具体的に、制御ユニット30は、その機能ブロックとして、認識部31と、割当部32と、補正部33と、集計部34とを含む。また、記憶部40は、人口統計情報格納部41と、鳥瞰画像格納部42と、人数期待値格納部43とを含む。まず、記憶部40に含まれる各要素について説明し、その後、制御ユニット30に含まれる各要素について説明する。
人口統計情報格納部41は、エリアごとに対応付けられた人口統計値を格納する部分(人口統計情報格納手段)である。エリアは、たとえば、数百メートル〜数キロメートル程度のメッシュとして定められてもよいし、あるいは市区町村単位で定められてもよい。その場合、人口統計値は、数百メートル〜数キロメートル程度のメッシュの人口統計値、あるいは市区町村単位での人口統計値である。人口統計情報は、時刻に関する情報と、場所に関する情報とを対応付けている。時刻に関する情報は、たとえば、年月日、時分秒を用いて表される。時刻に関する情報は、経度緯度、または市区町村別メッシュコードといった情報である。たとえば、エリアごとに対応付けられた人口統計値を提供可能なデータサーバが人口推計システム100の外部に存在し、人口統計情報格納部41は、そのデータサーバにアクセスすることによって人口統計値を取得することができる。データサーバの人口統計値は最新のものに更新されるようになっていてもよく、それによって、人口統計情報格納部41は、入力デバイス10によって対象範囲が入力された時刻を基準とした最新(その時刻に最も近い時刻の)の人口統計値を取得して格納することもできる。
鳥瞰画像格納部42は、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する部分(鳥瞰画像格納手段)である。鳥瞰画像は、航空写真や衛星写真といった鳥瞰画像からなり、撮像時刻に関する情報と、撮像対象の場所に関する情報とを対応付けている。撮像時刻に関する情報は、たとえば、年月日、時分秒を用いて表される。撮像対象の場所に関する情報は、経度緯度、または市区町村別メッシュコードといった情報である。たとえば、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を記憶しているデータサーバが人口推計システム100の外部に存在し、鳥瞰画像格納部42は、そのデータサーバにアクセスすることによって鳥瞰画像を取得することができる。データサーバの鳥瞰画像は最新のものに更新されるようになっていてもよく、それによって、鳥瞰画像格納部42は、入力デバイス10によって対象範囲が入力された時刻を基準とした最新(その時刻に最も近い撮像時刻の)鳥瞰画像を取得して格納することもできる。
人数期待値格納部43は、一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けた表を格納する部分(人数期待値格納手段)である。この表は、予め作成されていてよい。一般物体は、後述の制御ユニット30の認識部31が鳥瞰画像を用いて認識することが可能なあらゆる物体を含む。たとえば鳥瞰画像に対して種々の公知の画像認識技術を用いて、その一般名詞を認識することが可能な物体であれば、一般物体となり得る。人数期待値格納部43が格納する表は、一般物体の名称と、人数期待値とを対応付けている。人数期待値格納部43が格納する表は、さらに、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、一般物体と対応付けている。また、人数期待値格納部43が格納する表は、予め定められた一般物体について定義された単位面積当たりの人数期待値を、当該予め定められた一般物体と対応付けている。予め定められた一般物体については後述の第2実施形態で詳述する。
ここで、図2を参照して、人数期待値格納部43に格納される表の例について説明する。図2に示される例では、表43aは、「一般物体」と「時間帯」と「場所」と「選択フラグ」と「人数期待値」とを対応付けている。「一般物体」は、先に説明した一般物体であり、この例では、乗用車、戸建住宅、ビルおよびショッピングセンターといった名称を用いて表されている。ビルおよびショッピングセンターのような建物の人数期待値は、その建物のサイズによって異なり得るので、この例では、サイズに応じて人数期待値を定めることができるように、単位面積当たり(つまり/m)の人数期待値とされている。「時間帯」は、その一般物体の人数期待値を時間帯に応じて区別するための属性である。この例では時間帯は「平日・明け方」などである。「場所」は、その一般物体の人数期待値を場所に応じて区別するための属性である。この例では場所は「国道」などである。「選択フラグ」は、一般物体が予め定められた一般物体であるか否かを示すフラグである。選択フラグが「True」の場合、当該一般物体は選択対象の一般物体であり、選択フラグが「False」の場合、当該一般物体は非選択対象の一般物体である。選択対象の一般物体は、人数期待値がおよそ決まっているような(取り得る人数が確からしい)一般物体である。この例では、乗用車および戸建住宅が選択対象の一般物体であり、それ以外のビルおよびショッピングセンターが非選択対象の一般物体である。
再び図1に戻り、次に、制御ユニット30に含まれる各要素について説明する。認識部31は、入力デバイス10によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部42から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する部分(認識手段)である。鳥瞰画像に含まれる一般物体の認識手法はとくに限定されず、種々の公知の手法を用いることができる。たとえば、予めさまざまな一般物体の画像と、一般物体の名称とを対応付けて記述したデータベースが用意されており、鳥瞰画像とデータベースに含まれる一般物体の画像とを照合することによって、鳥瞰画像に含まれる一般物体の名称を認識することができる。このデータベースは人口推計システム100内に設けられてもよいし、人口推計システム100外に設けられてもよい。また、認識部31は、一般物体の位置(場所)を認識する。一般物体の位置の例は、先に図2を参照して説明した人数期待値格納部43に示される「場所」である。たとえば、上述の鳥瞰画像の撮像対象の場所に関する情報(経度緯度または市区町村別メッシュコード)と、鳥瞰画像中における一般物体の位置(たとえば鳥瞰画像中の一般物体の座標情報)とに基づいて、一般物体の位置(経度緯度など)を特定し、一般物体の位置を認識することができる。また、認識部31は、一般物体の面積を認識することもできる。たとえば、一般物体の輪郭上の各位置(経度緯度など)を特定することによって、当該輪郭で囲まれた面積を一般物体の面積として認識できる。
割当部32は、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、認識部31によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値を割り当てる部分(割当手段)である。つまり、先に図2を参照してしたように、人数期待値格納部43に格納された表43aは「一般物体」の名称と「人数期待値」とを対応付けているので、認識部31によって認識された一般物体の名称に対応する人数期待値を取得することができる。割当部32は、取得した人数期待値を一般物体と対応付けることによって人数期待値を割り当てる。
先に説明したように、人数期待値格納部43に格納された表は、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を一般物体と対応付けている。この場合、割当部32は、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、認識部31によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に割り当てることもできる。また、先に説明したように、人数期待値格納部43に格納された表は、予め定められた一般物体について定義された単位面積当たりの人数期待値をその一般物体と対応付けている。この場合、割当部32は、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、単位面積当たりの人数期待値を用いて算出した人数期待値を、鳥瞰画像に含まれる一般物体のうち予め定められた一般物体に割り当てることもできる。たとえば、上述のように認識部31によって認識された一般物体の面積に、単位面積当たりの人数期待値を乗算することによって、その一般物体の人数期待値を算出できる。
補正部33は、割当部32によって一般物体に割り当てられた人数期待値を補正する部分(補正手段)である。まず、補正部33は、対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を人口統計情報格納部41から取得する。上述のように人口統計情報格納部41は最新の人口統計値を取得して格納しているので、補正部33は、たとえば、最新の人口統計値を人口統計情報格納部41から取得する。そして、補正部33は、割当部32によって割り当てられた対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値が、人口統計情報格納部41から取得した人数統計値と一致するように、当該一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる。たとえば、ある一般物体の人数期待値をE、対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値をP、当該エリアに含まれるすべての一般物体の人数期待値の合計をPとする。この場合、補正部33は、(P/P)を補正係数とし、E=E×(P/P)として、人数期待値をEからEに補正する。
また、補正部33は、鳥瞰画像において対象範囲の境界線またはエリアの境界線をまたいで位置する一般物体が存在するか否かを判断する。そのような一般物体が存在している場合には、補正部33は、鳥瞰画像における、一般物体のうちの境界線の内側に位置する部分の面積(有効面積S)と、一般物体の全体の面積(全体面積S)とを算出する。そして、算出した有効面積Sを全体面積Sで除算し、その値を、その一般物体の人数期待値に乗ずる。これにより、一般物体の人数期待値が、有効面積S分の人数期待値に補正される。
集計部34は、補正部33によって補正された、鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を集計する部分(集計手段)である。具体的に、集計部34は、鳥瞰画像に含まれる一般物体のうちの対象範囲に含まれる一般物体の人数期待値の合計値を算出する。これにより、補正後の人数期待値を用いて、対象範囲に含まれる一般物体の人数期待値が推計される。
図3は、人口推計システムのハードウェア構成の例を示す図である。図2に示されるように、人口推計システム100は、物理的には、1または複数のCPU(Central Processing Unit)101、主記憶装置であるRAM(Random Access Memory)102およびROM(Read Only Memory)103、データ送受信デバイスである通信モジュール104、半導体メモリなどの補助記憶装置105、ユーザ操作の入力を受け付ける入力装置106、ディスプレイといった出力装置107などを備えるコンピュータとして構成され得る。記憶装置としてはHDD(Hard Disc Drive)またはSSD(Solid State Drive)が用いられてもよい。先に図1を参照して説明した人口推計システム100の各機能は、たとえば、CPU101、RAM102などのハードウェア上に1または複数の所定のコンピュータソフトウェア(プログラム)を読み込ませて実行させることにより、CPU101の制御のもとで通信モジュール104、入力装置106、出力装置107などを動作させるとともに、RAM102および補助記憶装置105におけるデータの読み出しおよび書き込みを行うことで実現することができる。後述の人口推計システム110、人口推計システム200、人口推計システム300についても、人口推計システム100と同様のハードウェア構成とすることができる。
次に、人口推計システム100の動作の例を、図4および図5を用いて説明する。図4は、人口推計システム100において実行される処理(人口推計方法)の一例を示すフローチャートである。図5は、人口推計システム100において実行される処理を概念的に説明するための図である。なお、図4のフローチャートの処理に先立って、記憶部40の人口統計情報格納部41、鳥瞰画像格納部42および人数期待値格納部43には、先に説明した人口統計値、鳥瞰画像および人数期待値が予め格納されているものとする。また、図4のフローチャートのステップS12(後述)の処理においてもそれらの各情報の最新の情報が取得される。
ステップS11において、人口推計システム100は、対象範囲を入力する(入力ステップ)。具体的に、入力デバイス10が、先に説明したように、操作デバイスによって指定された対象範囲を制御ユニット30に入力する。対象範囲とともに時刻または時間帯も入力される。
ステップS12において、人口推計システム100は、各種情報を記憶部へ格納する。具体的に、記憶部40の人口統計情報格納部41が、先のステップS11の処理が実行された時点での最新の人口統計情報であって未だ人口統計情報格納部41に格納されていない人口統計情報が先に説明した外部のデータサーバに存在する場合には、その最新の人口統計情報を取得して格納する。同様に、鳥瞰画像格納部42が、先のステップS11の処理が実行された時点での最新の鳥瞰画像であって未だ鳥瞰画像格納部42に格納されていない鳥瞰画像が外部のデータサーバに存在する場合には、その最新の鳥瞰画像を取得して格納する。
ステップS13において、人口推計システム100は、鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する(認識ステップ)。具体的に、制御ユニット30の認識部31が、先のステップS11で入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部42から取得する。たとえば図5の(a)に示されるような鳥瞰画像が取得される。そして、認識部31は、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体の名称、位置を認識する。たとえば、図5の(b)に示されるように、鳥瞰画像に含まれる各一般物体の名称が認識される。なお、一般物体の面積も認識され得る。
ステップS14において、人口推計システム100は、人数期待値を割り当てる(割当ステップ)。具体的に、制御ユニット30の割当部32が、人数期待値格納部43に格納された表43a(図2)を参照し、先のステップS13で認識された一般物体の名称と一致する(合致する)名称の一般物体の数期待値を表43aから取得する。そして、先のステップS13で認識された一般物体に、取得した人数期待値を割り当てる。人数期待値が時間帯または場所ごとに定義されている場合には、時間帯または場所ごとに定義された人数期待値が割り当てられる。たとえば図5の(c)に示されるように、鳥瞰画像に含まれる各一般物体に人数期待値が割り当てられる。ここで人数期待値が割り当てられる一般物体は、先のステップS13で認識された名称に一致する名称が表43a中に発見された一般物体のみであり、一致する名称が表43a中に発見されなかった一般物体については人数期待値の割り当ては行われない。
ステップS15において、人口推計システム100は、人口統計による人数補正を行う(補正ステップ)。具体的に、制御ユニット30の補正部33が、先のステップS11で入力された対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を、人口統計情報格納部41から取得する。取得される人口統計値は、対象範囲が入力された時刻に最も近い時刻の人口統計値を用いるとよい。そして、補正部33は、先のステップS14で人数期待値が割り当てられた一般物体の人数期待値の合計値が、取得した人口統計値と一致するように、先のステップS14で割り当てられた人数期待値に、先に説明した補正係数を乗ずる。たとえば、図5の(d)に示されるように、鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値が補正される。なお、一般物体が対象範囲の境界をまたいで位置している場合には、先に説明したように補正部33は、鳥瞰画像における有効面積Sを全体面積Sで除算し、その値を、その一般物体の人数期待値に乗ずる。たとえば図6の(a)に示されるように破線で示される対象範囲の境界をまたいでビル(人数期待値は30人)が位置している場合には、そのビルの有効面積Sを全体面積Sで除算した値(この例では0.5)を、そのビルの人数期待値(30人)に乗じた値(15人)が、そのビルの人数期待値とされる。
ステップS16において、人口推計システム100は、対象範囲での人数期待値の集計を行う(集計ステップ)。具体的に、制御ユニット30の集計部34が、先のステップS15で補正された後の一般物体の人数期待値のうち、先のステップS11で入力された対象範囲に含まれる一般物体の人数期待値の合計値を算出する。たとえば図5の(e)に示されるように、対象範囲での人数期待値(3人、1.5人および1.5人)の合計値(6人)が算出される。
以上説明した人口推計システム100によると、人口を推計しようとする対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値が割り当てられ(ステップS14)、割り当てられた人数期待値の合計値が鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値と一致するように補正された後(ステップS15)、人数期待値が集計される(ステップS16)。このように補正された人数期待値を集計することによって、既存の人口推計方法の対象となる一般物体(たとえば種々の施設)以外にいる人の数を考慮し、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
ここで、上述のステップS15において、制御ユニット30の補正部33が、先に説明したように、対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体が対象範囲またはエリアの境界をまたいで位置している場合には、鳥瞰画像において当該一般物体のうちの境界の内側に位置する部分の面積(有効面積S)を、当該一般物体の全体の面積(全体面積S)で除算した値を、当該一般物体の人数期待値に乗じてもよい。これにより、対象範囲の境界をまたがる一般物体が存在した場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
また、上述のステップS14において、制御ユニット30の割当部32が、先に説明したように、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、認識部31によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に割り当ててもよい。これにより、時間と場所によって一般物体に滞在する人の数が変化し得る場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
また、上述のステップS14において、制御ユニット30の割当部32が、先に説明したように、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、単位面積当たりの人数期待値を用いて算出した人数期待値を、鳥瞰画像に含まれる一般物体のうち予め定められた一般物体に割り当ててもよい。これにより、一般物体の面積によって一般物体に滞在する人の数が変化し得る場合でも、対象範囲の人口の推計を精度良く行うことができる。
以上、第1実施形態について説明したが、第1実施形態に係る本発明は上記の内容に限定されるものでなく、たとえば次のような変形例が採用されてもよい。
上記第1実施形態では、人口推計システム100は、記憶部40の人数期待値格納部43が一般名詞の一般物体の人数期待値を格納する例について説明したが、人数期待値格納部43は、さらに固有名詞によって特定される一般物体の人数の期待値を格納してもよい。固有名詞によって特定される一般物体の人数期待値は、たとえばWEB上に公開されている施設の利用者数、催し物(イベント)の来場者数、特定の施設について調査・計測された来場者数といった情報を用いることができる。このような構成を採用することによって、一般物体に割り当てられる人数期待値の精度が向上し、対象範囲について、より精度の高い人口推計値を得ることが可能になる。
また、人数期待値格納部43が格納する各一般物体の人数期待値うち、建物などの人が集まる施設の人数期待値については、人口推計システム100の外部に存在する既存のデータベースから取得してもよい。この場合、たとえば、人数期待値格納部43が格納する表43aのうち、施設の人数期待値としては、外部の既存のデータベースで作成された期待値を用いることができるので、人口推計システム100内では、施設以外の一般物体についての人数期待値のみを作成しておけばよい。
また、上記第1実施形態では、制御ユニット30の補正部33が、入力デバイス10によって対象範囲が入力された時刻に最も近い時刻の人口統計値を記憶部40の人口統計情報格納部41から取得し、取得した人口統計値を用いて鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を補正する例について説明した。ただし、これに代えて、補正部33は、入力デバイス10によって入力された時刻に近い複数の時刻での人口統計値を人口統計情報格納部41から取得し、取得したそれらの人口統計値の平均値を上述の補正における人口統計値として用いてもよい。このような処理を行うことで、求める対象範囲の人口推計値を与える時刻と、最も近い時刻との間に生じた突発的な人口変動による人口の推計精度の劣化を抑制することができる。
また、先に説明したように制御ユニット30の割当部32が一般物体の単位面積当たりの人数期待値を用いて算出した人数期待値を鳥瞰画像に含まれる一般物体のうち予め定められた一般物体に割り当てるのではなく、一般物体の容積に応じて割り当ててもよい。鳥瞰画像は一般物体を斜め上から見下ろす図であるので、鳥瞰画像に基づけば、一般物体の面積だけでなく高さをも認識でき、その結果、一般物体の容積を認識することもできるためである。このような処理を行うことによって、対象範囲またはエリアにまたがって位置している一般物体に割り当てられる人数期待値の精度が向上し、より精度の高い対象範囲の人口推計値を得ることが可能になる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る人口推計システムについて、先に説明した第1実施形態に係る人口推計システムと相違する点について主に説明する。再び図1に戻り、第2実施形態に係る人口推計システム110は、第1実施形態に係る人口推計システム100と比較して、補正部33に代えて補正部36を含む点において相違する。
先に説明したように、人数期待値格納部43に格納されている表は、一般物体が予め選択された一般物体(人数期待値が確からしい一般物体)であるか否かを示す選択フラグを、一般物体および人数期待値と対応付けている。そこで、補正部36は、人数期待値格納部43に格納されている表の選択フラグを参照し、予め選択された一般物体の人数期待値についてはその値を維持する。そして、割当部32によって割り当てられた対象範囲を含む鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値から予め選択された一般物体の人数期待値を減算した値を求める。さらに、補正部36は、求めた値が、人口統計情報格納部41から取得した人口統計値から予め選択された一般物体の人数期待値の合計値を減算した値と一致するように、非選択対象の一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる。たとえば、非選択対象の一般物体の人数期待値をE、対象範囲を含む鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計情報の人口統計値をP、同エリアに含まれる選択対象の一般物体、非選択対象の一般物体の人数期待値の合計をそれぞれP、Pとすると、ステップS23による補正後の一般物体の人数期待値Eafは、Eaf=E×((P−P)/P)として算出される。
図7は、補正部36によって実行される処理(人口推計方法)の一例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理は、図4のステップS15に代えて実行される。また、図7のフローチャートの処理は、図4のステップS14において人数期待値が割り当てられた各一般物体のそれぞれについて実行される。
ステップS21において、補正部36は、人数期待値格納部43に格納された表43aから、一般物体の人数期待値および選択フラグを取得する。
ステップS22において、補正部36は、選択フラグがTrueまたはFalseのいずれであるかを判断する。選択フラグがTrueの場合、人口推計システム110はステップS23に処理を進める。選択フラグがFalseの場合、人口推計システム110はステップS24およびステップS25に処理を進める。
選択フラグがTrueの場合、ステップS23において、補正部36は、当該一般物体が選択対象の一般物体であると判断し、その人数期待値を維持する。つまり、選択対象の一般物体の人数期待値が割り当てられる。
選択フラグがFalseの場合、ステップS24において、補正部36は、非選択対象の一般物体の人数期待値を補正する。すなわち、補正部36は、先のステップS14(図4)で割り当てられた一般物体の人数期待値の合計値から、先のステップS21で選択された一般物体の人数期待値を減算した値が、人口統計情報格納部41から取得した人口統計値から予め選択された一般物体の人数期待値の合計値を減算した値と一致するように、非選択対象の人数期待値に補正係数を乗ずる。その結果、ステップS25において、先のステップS24で補正された人数期待値が、非選択対象の一般物体の人数期待値として割り当てられる。
このように、人数期待値が確からしい一般物体を選択対象の一般物体として補正処理の対象から除外することで(ステップS22:True)、より精度の高い対象範囲の人口推計値を得ることが可能になる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る人口推計システムについて、先に説明した第1実施形態に係る人口推計システムと相違する点について主に説明する。図8は、第3実施形態に係る人口推計システムの概略構成を示す図である。第3実施形態に係る人口推計システム200は、第1実施形態に係る人口推計システム100と比較して、制御ユニット30に代えて制御ユニット50を含み、記憶部40に代えて記憶部60を含む点において相違する。
まず、記憶部60について説明する。記憶部60は、記憶部40と比較して、人口統計情報格納部41に代えて付属駐車場情報格納部61を含む点において相違する。付属駐車場情報格納部61は、駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けた表(付属駐車場情報を記述する表)を格納する部分(付属駐車場情報格納手段)である。表において、駐車場は名称、位置情報(経度緯度)などを用いて特定されてよい。駐車場が付属する施設についても同様である。たとえば、駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けて記憶しているデータサーバが人口推計システム200の外部に存在し、付属駐車場情報格納部61は、そのデータサーバにアクセスすることによって、付属駐車場情報を取得することができる。データサーバの付属駐車場情報は最新のものに更新されるようになっていてもよく、それによって、付属駐車場情報格納部61は、入力デバイス10によって対象範囲が入力された時刻を基準とした最新(その時刻に最も近い時刻の)付属駐車場情報を取得して格納することもできる。
次に、制御ユニット50について説明する。制御ユニット50は、判定部51と、認識部52と、割当部53と、算出部54とを含む。
判定部51は、付属駐車場情報格納部61に格納された表を参照し、入力デバイス10によって入力された対象範囲内の施設に付属する駐車場の有無を判定する部分(判定手段)である。上述のように付属駐車場情報格納部61に格納された表には施設に付属する駐車場の位置情報が示されているので、判定部51はその位置情報から、当該表において、対象範囲内に位置している駐車場が存在している場合には、対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定する。
認識部52は、判定部51によって対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定された場合、入力デバイス10によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部42から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる施設に付属する駐車場内の車を認識する部分(認識手段)である。認識の手法は認識部31(図1)のものと同様であってよい。
割当部53は、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、認識部52によって認識された鳥瞰画像に含まれる車に、人数期待値を割り当てる部分(割当手段)である。割当の手法は割当部32(図1)のものと同様であってよい。ここで割り当てられる人数期待値は、後述の算出部54が、駐車場が付属する施設の人口推計値を算出するため用いる。この場合、単に人数期待値格納部43に格納された表を参照するだけでは、先に図2を参照して説明したように、車(乗用車)の人数期待値は場所が「施設付属の駐車場」の場合には0.0人となっており、駐車場が付属する施設の人数期待値としては適切でない。そこで、割当部53は、場所が「施設付属の駐車場」ではなくその付近の道路の場合の人数期待値を用いる。図2に示される例では、場所「国道」の1.0人、場所「娯楽施設周辺」の4.0人などが、人数期待値として用いられる。
算出部54は、割当部53によって割り当てられた車の人数期待値を集計することによって、施設の人口推計値を算出する部分(算出手段)である。より具体的に、算出部54は、駐車場に含まれる車の人数期待値の合計値を、施設の人口推計値として算出する。
図9は、人口推計システム200において実行される処理(人口推計方法)の一例を示すフローチャートである。なお、図9のフローチャートの処理に先立って、記憶部60の付属駐車場情報格納部61、鳥瞰画像格納部42および人数期待値格納部43には、先に説明した付属駐車場情報、人口統計値および鳥瞰画像が予め格納されているものとする。また、図9のフローチャートのステップS32(後述)の処理においてもそれらの各情報の最新の情報が取得される。
ステップS31の処理は、先に図4を参照して説明したステップS11の処理と同様である。すなわち、人口推計システム200は、対象範囲を入力する(入力ステップ)。
ステップS32において、人口推計システム200は、各種情報を記憶部へ格納する。具体的に、記憶部60の付属駐車場情報格納部61が、先のステップS11の処理が実行された時点での最新の付属駐車場情報であって未だ付属駐車場情報格納部61に格納されていない付属駐車場情報が外部のデータサーバに存在する場合には、その最新の付属駐車場情報を取得して格納する。鳥瞰画像格納部42の鳥瞰画像および人数期待値格納部43の人数期待値についても同様である。
ステップS33において、人口推計システム200は、付属駐車場が有るか否かを判断する(判定ステップ)。具体的に、制御ユニット50の判定部51が、付属駐車場情報格納部61に格納された表を参照し、先のステップS31で入力された対象範囲内の施設に付属する駐車場(付属駐車場)の有無を判定する。付属駐車場が有る場合(ステップS33:YES)、人口推計システム200はステップS34〜S36に処理を進める。そうでない場合(ステップS33:NO)、人口推計システム200はステップS34〜S36の処理を実行せずにフローチャートの処理を終了する。
ステップS34において、人口推計システム200は、車画像を認識する(認識ステップ)。具体的に、認識部52が、先のステップS31で入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部42から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる施設に付属する駐車場内の車を認識する。
ステップS35において、人口推計システム200は、人数期待値を割り当てる(割当ステップ)。具体的に、制御ユニット50の割当部53が、人数期待値格納部43に格納された表を参照し、先のステップS34で認識された車に、人数期待値を割り当てる。先に説明したように、ここで用いられる人数期待値は場所が「施設付属の駐車場」ではなくその付近の道路、たとえば「国道」、「娯楽施設周辺」の人数期待値である。
ステップS36において、人口推計システム200は、駐車場内での集計を行う(算出ステップ)。具体的に、制御ユニット50の算出部54が、先のステップS35で割り当てられた車の人数の期待値の合計値を、施設の人口推計値として算出する。
このように駐車場に駐車された車の台数から施設を利用している(施設に滞在している)人の数を推計することによって(ステップS36)、付随する駐車場が有るか否かおよびその駐車場に駐車している車が有るか否かといった施設に固有の要因による人の数の変動を考慮しつつ(ステップS33)、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る人口推計システムについて、先に説明した第1実施形態に係る人口推計システムと相違する点について主に説明する。図10は、第4実施形態に係る人口推計システムの概略構成を示す図である。第4実施形態に係る人口推計システム300は、第1実施形態に係る人口推計システム100と比較して、制御ユニット30に代えて制御ユニット70を含み、記憶部40に代えて記憶部80を含む点において相違する。
まず、記憶部80について説明する。記憶部80は、記憶部40と比較して、人口統計情報格納部41および鳥瞰画像格納部42に代えて、人口統計情報格納部81および鳥瞰画像格納部82を含み、さらにキャッシュ83を含む点において相違する。人口統計情報格納部81は、同一のエリアについての異なる時刻において取得された複数の人口統計値を、エリアごとに対応付けられた人口統計値として格納する部分(人口統計情報格納手段)である。つまり、人口統計情報格納部81は、最新の人口統計値だけでなく、過去の人口統計値も格納している。人口統計値の取得方法については、人口統計情報格納部41(図1)と同様に、外部のデータサーバにアクセスすることによって行われてよい。その場合、人口統計情報格納部81は、たとえば一定の周期で外部のデータサーバにアクセスすることで、異なる時刻で統計がなされた複数の人口統計値を各人口統計値の取得時刻と対応付けて格納する。つまり、複数の人口統計値が時系列で格納される。
鳥瞰画像格納部82は、同一のエリアについての異なる時刻において撮像された複数の鳥瞰画像を、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像として格納する部分(鳥瞰画像格納手段)である。つまり、鳥瞰画像格納部82は、最新の鳥瞰画像だけでなく、過去の鳥瞰画像も格納している。鳥瞰画像の取得方法については、鳥瞰画像格納部42(図1)と同様に、外部のデータサーバにアクセスすることによって行われてよい。その場合、鳥瞰画像格納部82は、たとえば一定の周期で外部のデータサーバにアクセスすることによって、異なる時刻で撮像された複数の鳥瞰画像を各鳥瞰画像の撮像時刻と対応付けて格納する。つまり、複数の鳥瞰画像が時系列で格納される。
キャッシュ83は、後述の制御ユニット70の処理に必要な情報を一時的に記憶する部分である。
次に、制御ユニット70について説明する。制御ユニット70は、認識部71および算出部72を含む。認識部71は、入力デバイス10によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像中の特定物体を認識する部分(認識手段)である。具体的に、制御ユニット70は、対象範囲を含む鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数の鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部82から取得する。取得した各鳥瞰画像は、キャッシュ83に記憶される。算出部72は、キャッシュ83を参照し、取得した複数の鳥瞰画像を時系列で比較することによって鳥瞰画像における存在の有無に変化のあった一般物体を、特定物体として認識する。たとえば、建設前後のビルは、鳥瞰画像を時系列で比較した場合に鳥瞰画像における存在の有無に変化があるので、特定物体として認識される。
算出部72は、特定物体の影響を考慮して、対象範囲の人口推計値を算出する部分(算出手段)である。具体的に、算出部72は、人口統計情報格納部81に格納された人口統計値を参照し、認識部71によって認識された特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、当該特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算する。なお、撮像時刻における人口統計値は、当該撮像時刻に最も近い時刻(直近の時刻)の人口統計値であってよい。そして、減算した人口統計値を、対象範囲の人口推計値として算出する。たとえば、まず、対象範囲を含み、かつ鳥瞰画像の撮像時刻に最も近い時刻の人口統計値Pを、人口統計情報格納部81から取得する。また、対象範囲を含み、かつ特定物体が存在しないと判定された鳥瞰画像の撮像時刻に最も近い時刻の人口統計値Pを、人口統計情報格納部81から取得する。そして、PからPを減算した値を、対象範囲の人口推計値として算出する。
図11は、人口推計システム300において実行される処理(人口推計方法)の一例を示すフローチャートである。なお、図11のフローチャートの処理に先立って、記憶部80の人口統計情報格納部81、鳥瞰画像格納部82および人数期待値格納部43には、先に説明した人口統計値、鳥瞰画像および人数期待値が予め格納されているものとする。また、図11のフローチャートのステップS42(後述)の処理においてもそれらの各情報の最新の情報が取得される。
ステップS41の処理は、先に図4を参照して説明したステップS11の処理と同様である。すなわち、人口推計システム300は、対象範囲を入力する(入力ステップ)。
ステップS42において、人口推計システム300は、各情報を記憶部へ格納する。具体的に、記憶部80の人口統計情報格納部81が、先のステップS31の処理が実行された時点での最新の人口統計値であって未だ人口統計情報格納部81に格納されていない人口統計値が先に説明した人口推計システム300の外部のデータサーバに存在する場合には、その最新の人口統計値を取得して格納する。鳥瞰画像格納部82の鳥瞰画像および人数期待値格納部43の人口期待値についても同様である。
ステップS43において、人口推計システム300は、対象範囲の画像を抽出する。具体的に、制御ユニット70の認識部71が、先のステップS41で入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を鳥瞰画像格納部82から取得し、取得した鳥瞰画像のうちの対象範囲の部分(対象範囲画像)を抽出して、抽出した対象範囲画像をキャッシュ83に記憶する。なお、このときに取得される鳥瞰画像および抽出される対象範囲画像は、最新の撮像時刻の画像(現在の画像)であってよい。
次のステップS44〜S46においては、先のステップS43で抽出された対象範囲の画像と、記憶部80の鳥瞰画像格納部82に格納された鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数鳥瞰画像とを、順番に(時系列で)比較することによって、特定物体の有無が認識される(認識ステップ)。すなわち、制御ユニット70の認識部71が、先のステップS43で取得された鳥瞰画像の撮像時刻よりも前の時刻に撮像された鳥瞰画像であって、先のステップS41で入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を、鳥瞰画像格納部82から取得する(ステップS44)。そして、認識部71は、先のステップS43でキャッシュ83に記憶された対象範囲画像と、先のステップS44で取得した鳥瞰画像とを比較することによって、鳥瞰画像中に特定物体が存在しているか否かを判断する(ステップS45、S46)。たとえば、鳥瞰画像中の対象範囲画像の部分において存在の有無に変化のあった一般物体が有る場合には、当該一般物体が特定物体に該当するため、特定物体が存在していると判断される。特定物体が存在している場合には(ステップS46:YES)、人口推計システム300はステップS47に処理を進める。そうでない場合(ステップS46:NO)、人口推計システム300はステップS44に再び処理を戻す。なお、再び処理が戻された後のステップS44で取得される鳥瞰画像は、その前の同ステップで取得された鳥瞰画像の撮像時刻よりも前の時刻に撮像された鳥瞰画像とされる。なお、ステップS46にてYesとの判断が繰り返しなされ、予め定められた数のループ回数(ステップS44〜S46)を上回ったときには、人口推計システム300はステップS47の処理を実行することなくフローチャートの処理を終了してもよい。
ステップS47において、人口推計システム300は、2つの画像の時刻に基づいて人口の差を算出する(算出ステップ)。具体的に、制御ユニット70の算出部72が、先のステップS43で取得された鳥瞰画像の撮像時刻における人口統計値Pと、先のステップS46で特定物体が存在すると判断された鳥瞰画像の撮像時刻における人口統計値Pとを人口統計情報格納部81から取得し、PからPを減算した値を対象範囲の人口推計値として算出する。
このように、特定物体が存在する時刻の人口統計値から特定物体が存在しない時刻の人口統計値を減算して対象範囲の人口推計値を算出することによって(ステップS47)、たとえば、対象範囲内に新たに特定物体が建設されたといった特定物体に固有の要因による人の数の変動を考慮しつつ(ステップS46)、既存の人口統計情報より空間解像度が高い、対象範囲の人口の推計を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。たとえば、上記第1および第2実施形態では入力デバイス10、出力デバイス20、制御ユニット30、記憶部40を一つの端末装置に実装した場合を例に挙げて説明した。ただし、入力デバイス10および出力デバイス20を備える端末装置と、制御ユニット30を備えるサーバと、記憶部40を有する記憶装置との間で、通信ネットワークを介して情報をやり取りする形態が採用されてもよい。さらに、記憶部40に含まれる人口統計情報格納部41、鳥瞰画像格納部42および人数期待値格納部43をそれぞれ有する記憶装置が個別に設けられていてもよい。これにより、端末装置側では、記憶装置の設置・維持コストを低減することが可能となる。上記第3および第4実施形態についても同様である。
また、上記実施形態では、鳥瞰画像として衛星写真や航空写真といった写真のみを用いることが想定されていた。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)による空撮写真や監視カメラによる写真により、雲の影や物影となっていた範囲の情報、および鳥瞰画像では空間・時間解像度の制約から取得することができなかった情報を取得し、鳥瞰画像と組み合わせて、対象範囲の人口推計システムに利用してもよい。このようにすると、鳥瞰画像に不足していた情報が補足され、より精度の高い対象範囲の人口推計値を得ることが可能となる。
以上のように、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態にしめされる全構成要素から幾つかの構成要素を消去してもよい。さらに、異なる実施形態に亘構成要素を適宜組み合わせてもよい。
10…入力デバイス、20…出力デバイス、30、50、70…制御ユニット、31、71…認識部(認識手段)、32…割当部(割当手段)、33、36…補正部(補正手段)、34…集計部(集計手段)、40、60、80…記憶部、41、81…人口統計情報格納部(人口統計情報格納手段)、42、82…鳥瞰画像格納部(鳥瞰画像格納手段)、43…人数期待値格納部(人数期待値格納手段)、43a…表、72…算出部(算出手段)、83…キャッシュ。

Claims (10)

  1. 人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、
    エリアごとに対応付けられた人口統計値を格納する人口統計情報格納手段と、
    エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納手段と、
    一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けた表を格納する人数期待値格納手段と、
    前記入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する認識手段と、
    前記人数期待値格納手段に格納された前記表を参照し、前記認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値を割り当てる割当手段と、
    前記対象範囲を含む前記鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を前記人口統計情報格納手段から取得し、前記割当手段によって割り当てられた前記対象範囲を含む前記鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値が前記取得した人口統計値と一致するように、当該一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる補正手段と、
    前記補正手段によって補正された、前記鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を集計する集計手段と、
    を備える、人口推計システム。
  2. 前記人数期待値格納手段に格納された前記表は、さらに、一般物体が予め選択された一般物体であるか否かを示すフラグを一般物体および人数期待値と対応付けており、
    前記補正手段は、前記人数期待値格納手段に格納された前記表の前記フラグを参照し、前記予め選択された一般物体の人数期待値についてはその値を維持し、前記合計値から前記予め選択された一般物体の人数期待値を減算した値が、前記取得した人口統計値から当該人口統計値に対応付けられたエリア内での前記予め選択された一般物体の人数期待値の合計値を減算した値と一致するように、前記予め選択された一般物体以外の一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる、
    請求項1に記載の人口推計システム。
  3. 前記補正手段は、前記対象範囲を含む前記鳥瞰画像に含まれる一般物体が前記対象範囲またはエリアの境界をまたいで位置している場合には、前記鳥瞰画像において当該一般物体のうちの前記境界の内側に位置する部分の面積を、当該一般物体の全体の面積で除算した値を、当該一般物体の人数期待値に乗ずる、請求項1または2に記載の人口推計システム。
  4. 前記人数期待値格納手段に格納された前記表は、さらに、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、一般物体と対応付けており、
    前記割当手段は、前記人数期待値格納手段に格納された前記表を参照し、時間帯および場所の組み合わせに応じた人数期待値を、前記認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に割り当てる、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の人口推計システム。
  5. 前記人数期待値格納手段に格納された前記表は、さらに、予め定められた一般物体について定義された単位面積当たりの人数期待値を、当該予め定められた一般物体と対応付けており、
    前記割当手段は、前記人数期待値格納手段に格納された前記表を参照し、前記単位面積当たりの人数期待値を用いて算出した人数期待値を、前記鳥瞰画像に含まれる一般物体のうち前記予め定められた一般物体に割り当てる、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の人口推計システム。
  6. 人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、
    エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納手段と、
    車を含む一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けて記述する表を格納する人数期待値格納手段と、
    駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けた表を格納する付属駐車場情報格納手段と、
    前記付属駐車場情報格納手段に格納された表を参照し、前記入力手段によって入力された前記対象範囲内の施設に付属する駐車場の有無を判定する判定手段と、
    前記判定手段によって前記対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定された場合、前記入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる前記施設に付属する駐車場内の車を認識する認識手段と、
    前記人数期待値格納手段に格納された前記表を参照し、前記認識手段によって認識された鳥瞰画像に含まれる車に、人数期待値を割り当てる割当手段と、
    前記割当手段によって割り当てられた車の人数期待値を集計することによって、前記施設の人口推計値を算出する算出手段と、
    を備える、人口推計システム。
  7. 人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力手段と、
    同一のエリアについての異なる時刻において取得された複数の人口統計値を、エリアごとに対応付けられた人口統計値として格納する人口統計情報格納手段と、
    同一のエリアについての異なる時刻において撮像された複数の鳥瞰画像を、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像として格納する鳥瞰画像格納手段と、
    前記入力手段によって入力された対象範囲を含む鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数の鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納手段から取得し、取得した複数の鳥瞰画像を時系列で比較することによって鳥瞰画像における存在の有無に変化のあった特定物体を認識する認識手段と、
    前記人口統計情報格納手段に格納された人口統計値を参照し、前記認識手段によって認識された特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、当該特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算することで、前記対象範囲の人口推計値を算出する算出手段と、
    を備える、人口推計システム。
  8. エリアごとに対応付けられた人口統計値を格納する人口統計情報格納部と、
    エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納部と、
    一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けた表を格納する人数期待値格納部と、
    を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、
    人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納部から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる一般物体を認識する認識ステップと、
    前記人数期待値格納部に格納された前記表を参照し、前記認識ステップで認識された鳥瞰画像に含まれる一般物体に人数期待値を割り当てる割当ステップと、
    前記対象範囲を含む前記鳥瞰画像に対応するエリアの人口統計値を前記人口統計情報格納部から取得し、前記割当ステップで割り当てられた前記対象範囲を含む前記鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値の合計値が前記取得した人口統計値と一致するように、当該一般物体の人数期待値に補正係数を乗ずる補正ステップと、
    前記補正ステップで補正された、前記鳥瞰画像に含まれる一般物体の人数期待値を集計する集計ステップと、
    を含む、人口推計方法。
  9. エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像を格納する鳥瞰画像格納部と、
    車を含む一般物体と、当該一般物体に滞在していることが期待される人の数を示す人数期待値とを対応付けて記述する表を格納する人数期待値格納部と、
    駐車場と当該駐車場が付属する施設とを対応付けた表を格納する付属駐車場情報格納部と、
    を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、
    人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、
    前記付属駐車場情報格納部に格納された表を参照し、前記入力ステップで入力された前記対象範囲内の施設に付属する駐車場の有無を判定する判定ステップと、
    前記判定ステップで前記対象範囲内の施設に付属する駐車場が有ると判定された場合、前記入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納部から取得し、取得した鳥瞰画像に含まれる前記施設に付属する駐車場内の車を認識する認識ステップと、
    前記人数期待値格納部に格納された前記表を参照し、前記認識ステップで認識された鳥瞰画像に含まれる車に、人数期待値を割り当てる割当ステップと、
    前記割当ステップで割り当てられた車の人数期待値を集計することによって、前記施設の人口推計値を算出する算出ステップと、
    を含む、人口推計方法。
  10. 同一のエリアについての異なる時刻において取得された複数の人口統計値を、エリアごとに対応付けられた人口統計値として格納する人口統計情報格納部と、
    同一のエリアについての異なる時刻において撮像された複数の鳥瞰画像を、エリアごとに対応付けられた鳥瞰画像として格納する鳥瞰画像格納部と、
    を備えた人口推計システムによって実行される人口推計方法であって、
    人口を推計しようとする対象範囲を入力する入力ステップと、
    前記入力ステップで入力された対象範囲を含む鳥瞰画像であって異なる時刻に撮像された複数の鳥瞰画像を前記鳥瞰画像格納部から取得し、取得した複数の鳥瞰画像を時系列で比較することによって鳥瞰画像における存在の有無に変化のあった特定物体を認識する認識ステップと、
    前記人口統計情報格納部に格納された人口統計値を参照し、前記認識ステップで認識された特定物体が存在している鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値から、当該特定物体が存在していなかった鳥瞰画像の撮像時刻における当該鳥瞰画像に対応する人口統計値を減算することで、前記対象範囲の人口推計値を算出する算出ステップと、
    を含む、人口推計方法。
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