JP6665376B2 - 揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法 - Google Patents

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Description

本発明は、揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を利用した荷役方法に関し、より詳細にはランプウェイを備え、接岸またはビーチングしてランプウェイを陸地に向けて転倒させることで、このランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、高い岸壁にもランプウェイを架け渡すことが可能であり、しかも船舶の重心が低い揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法に関する。
従来、貨物を積んだ自動車やトラック(以下、車両という)を輸送する貨物船として、自動車運搬船やカーフェリーやRORO船が知られている。このRORO船は、船舶から岸壁や海岸(以下、陸地という)に架け渡すことで船体と陸地を結ぶ出入路となるランプウェイを備えており、このランプウェイを通じて車両を自走で乗下船させることができる。このように、ランプウェイを備えることで迅速な荷役が可能となるため、ランプウェイは貨物輸送を目的とした多くの船舶に採用されている(例えば、特許文献1参照)。
従来、可働ブリッジ(ランプウェイ)で船首部の一部を形成して、この可働ブリッジを船首部の前に転倒して陸地に架け渡せるように、船首部の外板部分を可働ブリッジで構成する構造の揚陸用の船舶が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
このような構造を有する従来の揚陸用の船舶では、図5に示すように、車両甲板が計画喫水と略平行な平行面で構成され、車両甲板とランプウェイとが接続する部分のヒンジ部が同じ高さに配置されており、車両甲板とランプウェイの車両甲板側となる搬送口とが直結した構造になっている。このように、車両甲板とランプウェイの搬送口とが直結することで、車両甲板からランプウェイの搬送口まで直接車両が自走で移動できるようになるので、荷役作業の効率化および迅速化を図ることができる。
しかし、このような従来のランプウェイを備えた揚陸用の船舶では、ヒンジ部の高さ位置が固定されているため、ランプウェイを高い陸地に架け渡すことが困難であるという課題がある。
つまり、ランプウェイを高い陸地に架け渡すために、ランプウェイを架け渡す際のランプウェイの傾斜角度を大きくする方法が考えられる。しかし、ランプウェイから陸地へ車両が安全に走行できるように、車両が自走する道程における傾斜角度の変化量を所定の角度範囲内にする必要があるため、ランプウェイの傾斜角度を大きくする方法を採用することはできない。
この許容できる傾斜角度の変化量は、ランプウェイを通行する車両の種類等によっても条件は異なるが、具体的には、災害救助などで使用する救急車両などの関しては、下方に傾斜角度が変化する場合には、傾斜角度の変化が例えば、16度以下である必要がある。角度が16度以上になると、傾斜角度の変化によって生じる凸部に車両の底部が腹打ちしてしまう恐れがある。一方、ランプウェイを高い陸地に架け渡した際に、ランプウェイと陸地とのなす角度が16度以上になると車両が走行できない場合が生じる。一方、上方に傾斜角度が変化する場合には、傾斜角度の変化が例えば、25度以下である必要がある。角度が25度以上になると、傾斜角度の変化によって生じる凹部付近で車両の底部をこすってしてしまう恐れが生じるからである。
また、ランプウェイを高い陸地に架け渡す他の方法として、ランプウェイの長さを長くする方法が考えられる。しかし、この場合には、ランプウェイの重量が重くなってしまうという問題が生じる。
また、別の方法としては、ランプウェイの船尾側となる搬送口の高さを高くする方法が考えられる。しかし、従来の揚陸用の船舶では、車両甲板の高さとランプウェイの搬送口の高さが同じであるため、ランプウェイの搬送口の高さを高くすると、車両甲板も高い位置に配置される構成になり、船舶の重心が高い位置になってしまうので船舶の復原力が減少し安定性が悪化するという問題が生じる。また、ランプウェイの搬送口の高さを高くすると、今度は低い海岸に架け渡した時に、ランプウェイが大きな傾斜角度の下り坂になってしまうという問題が生じる。
このように、図5に示すような従来のランプウェイを備えた揚陸用の船舶では、荷役作業の効率化や迅速化の観点では優れているものの、ランプウェイを架け渡すことが可能な陸地側の高さ範囲を広くし難いという問題がある。
特表2011−521836号公報 特開2002−114191号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ランプウェイを備え、接岸またはビーチングしてランプウェイを陸地に向けて転倒させることで、このランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、高い岸壁にもランプウェイを架け渡すことが可能であり、しかも船舶の重心が高くなるのを抑制できて船舶の復原力を良好に維持できる揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の揚陸用の船舶は、ランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、車両を搭載する車両甲板と前記ランプウェイとの間に、昇降甲板と、この昇降甲板を船体に対して上下移動させる昇降機構とを有し、前記ランプウェイが前記昇降甲板の一端部に設けられた第1のヒンジ部の周りに回転可能に接続されていると共に、前記昇降甲板の高さ位置に応じて、前記昇降甲板を上方に移動させた場合に、船体の重心位置が高くなることを抑制して船体の復原性を確保するように、当該船舶のバラスト水の注水量を制御するバラスト水制御装置を備えていることを特徴とする。
このように、本発明の揚陸用の船舶では、車両甲板とランプウェイとの間に設けた昇降甲板を上下移動させることにより、第1のヒンジ部(ランプ用ヒンジ部)の上下位置を変更することが可能となる。即ち、荷役作業時に、昇降甲板を上方に移動させて第1のヒンジ部の位置を高くすることで、ランプウェイを架け渡すことができる最高地点(最も高い位置)を高くすることができる。つまり、ランプウェイの長さが同じであっても、従来の揚陸用の船舶よりも、高い陸地(岸壁)に架け渡すことが可能になる。言い換えると、揚陸用の船舶に要求されるランプウェイを架け渡すことができる最高地点の条件が同じであるならば、本発明の揚陸用の船舶は、従来の揚陸用の船舶に比して、ランプウェイの長さを短くすることができる。
さらに、車両を搭載する車両甲板を低い位置に配置することができるため、船舶の重心を低くすることができ、復原力の大きい安定性のある揚陸用の船舶にすることができる。
さらに、本発明の船舶では、第1のヒンジ部の位置を上下方向に移動させることができるので、ランプウェイの傾斜角度を所定の角度範囲内に収めながら、ランプウェイを架け渡すことができる上下範囲を著しく広範囲にすることができ、汎用性の高い揚陸用の船舶にすることができる。
さらに、昇降甲板の上下移動による昇降甲板とランプウェイの高さによって船舶の重心は変化するが、昇降甲板の高さに応じてバラスト水調整装置によってバラスト水の注水量を制御することで、船舶の重心を常に低い位置に維持することができる。つまり、荷役時において、昇降甲板を上方に移動させた場合においても、上方にあるバラストタンクから下方にあるバラストタンクにバラスト水を移したり、下方にあるバラストタンクのバラスト水の量を増加したりすることで、船舶の重心の上昇を抑制できるので、船舶の復原力を維持して、安定性を確保することができる。
上記の揚陸用の船舶において、前記車両甲板の一部または全部で形成される傾斜車両甲板が前記昇降甲板の他端部に設けられた第2のヒンジ部の周りに回動可能に接続されて、前記昇降甲板の上下移動に追従して前記傾斜車両甲板の傾斜角度が変化する構成にすると、前記車両甲板と前記甲板部と前記ランプウェイとが常に連続した状態になるので、昇降甲板が上下移動した場合においても、ランプウェイを陸地に架け渡した際に、車両甲板から陸地までが常に連続した状態になる。従って、車両甲板の高さと昇降甲板との高さの間に差が生じている場合においても、傾斜車両甲板と甲板部とは第2のヒンジ部(傾斜車両甲板用ヒンジ)により連続しており段差が生じない。そのため、車両が車両甲板と陸地との間を自由に走行することが可能となり、一度の昇降甲板の上下移動で多くの台数の車両の荷役を迅速に行うことができるようになる。
上記のような目的を達成するための本発明の揚陸用の船舶を使用した荷役方法は、ランプウェイを有し、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶を使用する荷役方法において、
車両を搭載する車両甲板と前記ランプウェイとの間に設けた昇降甲板を、昇降機構を用いて船体に対して上下移動させて、前記昇降甲板の一端部の第1のヒンジ部の周りに前記ランプウェイを回転可能に接続し、前記ランプウェイを架け渡す陸地の高さに対応して、前記昇降甲板を上下移動して、前記第1のヒンジ部の高さを変更することで陸地に架け渡した前記ランプウェイの傾斜角度を調整すると共に、前記昇降甲板の高さ位置に応じて、当該船舶のバラスト水の注水量を制御して、前記昇降甲板を上方に移動させた場合に、船体の重心位置が高くなることを抑制して船体の復原性を確保することを特徴とする。
この方法によれば、ランプウェイを架け渡す陸地の高さに応じて、第1のヒンジ部の高さを変更することができるので、ランプウェイを架け渡すことができる上下範囲を著しく広範囲にできる。そのため、様々な高さの陸地にランプウェイを架け渡すことが可能になる。
また、ランプウェイの長さが同じであっても、従来の揚陸用の船舶よりも、高い陸地に架け渡すことが可能になる。言い換えると、揚陸用の船舶に要求されるランプウェイを架け渡すことができる最高地点の条件が同じであるならば、本発明の揚陸用の船舶は、従来の揚陸用の船舶に比して、ランプウェイの長さを短くすることができる。
さらに、車両を搭載する車両甲板を低い位置に配置することができるので、船舶の重心が低くすることができ、復原力を維持して安定性を確保した状態で荷役作業を行なうことができる。
さらに、昇降甲板の上下移動による昇降甲板とランプウェイの高さによって船舶の重心は変化するが、昇降甲板の高さに応じてバラスト水調整装置によってバラスト水の注水量を制御することで、船舶の重心を常に低い位置に維持できる。つまり、昇降甲板を上方に移動させた場合においても、バラスト水の注水量を増やすことで、船舶の重心を下げることができるので、復原力の低下を抑制でき、安定性を確保した状態で荷役作業を行なうことができる。
本発明の揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法によれば、車両甲板とランプウェイとの間に昇降甲板を設け、ヒンジ部を介して昇降甲板とランプウェイとを接続した構成にし、ランプウェイを架け渡す陸地の高さに応じて、このヒンジ部の高さを変更できる構成にしているので、ランプウェイを架け渡すことが可能な陸地の高さの範囲を著しく広範囲にすることができ、しかも船舶の重心を低く維持して復原力の低下を抑制し、十分な安定性を確保しながら揚陸の荷役作業をすることができる。
本発明に係る実施の形態の船舶を模式的に示す側断面図である。 図1の船舶の航行時の状況を例示する正面図である。 図1の船舶の荷役作業中の状況を例示する正面図である。 本発明に係る別の実施の形態の船舶を模式的に示す側断面図である。 従来のランプウェイを備えた船舶を模式的に示す側断面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の揚陸用の船舶及び揚陸用の船舶を使用した荷役方法を図面を参照しながら説明する。この本発明に係る実施の形態の揚陸用の船舶は、海岸や川岸等の陸地に対して接岸した状態、または、船首側から乗り上げるようにしてビーチング(揚陸)し、船首部が海岸や川岸に乗り上げた状態で搭乗員および/または搭載車両を揚陸させる揚陸艇や揚陸艦、揚陸船等にする場合において採用することができる。
図1〜図3に示すように、本発明に係る実施の形態の揚陸用の船舶1(以下、船舶1)は、ランプウェイ(バウランプ)7と、自動車やトラック等の車両20を搭載する車両甲板(船倉)4とを備えている。この実施の形態では、ランプウェイ7は船首2側に設けられ、車両甲板4は船体内の計画喫水DWLからH1高い位置に配置されている。
船舶1は、車両甲板4とランプウェイ7との間に、昇降甲板5と、この昇降甲板5を船体に対して上下移動させる昇降機構6とを有している。また、ランプウェイ7は昇降甲板5の一端部に設けられた第1のヒンジ部(ランプ用ヒンジ部)8の周りに回転可能に接続されている。即ち、昇降甲板5を昇降機構6によって船体に対して上下移動させることにより、昇降甲板5ごと第1のヒンジ部8の高さ位置を変更できる構成になっている。
この実施の形態の船舶1では、昇降甲板5の下方に船体に対して固定された基台11が設けられ、この基台11に柱リフト型の昇降機構6が設置されている。昇降甲板5は、この柱リフト型の昇降機構6に接続されており、車両甲板4と同じ高さ(計画喫水DWLからH1高い位置)から車両甲板4よりもH2高い位置まで上下移動できる構成になっている。なお、昇降機構6は柱リフト型の昇降機構6に限らず、他にも例えば、ジャッキ型の昇降機構6やワイヤとウインチで構成された吊り上げ式の昇降機構6等、他にも様々な構成の昇降機構6を採用することもできる。
ランプウェイ7を荷役設備として使用しない航行中には、昇降甲板5を車両甲板4と同じ高さにし、図2に示すように、ランプウェイ7を閉じた状態にすることで、ランプウェイ7は船首2の外板部分の一部として機能する。
この実施の形態の船舶1のように、ランプウェイ7が船首2の外板部分の一部を構成している場合には、昇降甲板5を上方に移動させて第1のヒンジ部8を上方に移動させると、図3に示すように、第1のヒンジ部8の下方に開口が生じる。そのため、計画喫水DWLからランプウェイ7を閉じた状態での第1のヒンジ部8の位置までの上下距離(高さ)H1、言い換えると、計画喫水DWLから車両甲板4までの上下距離H1は、0.5m以上で、かつ、3.0m以下の範囲にするとよい。このようにすると、第1のヒンジ部8が上方に移動した場合においても、第1のヒンジ部8の下方に生じる開口の下端が波の高さよりも高い位置になるため、この開口から船体内に水が入り難くなる。なお、必要に応じて、この開口からの波の進入を防ぐためのスクリーンなどの浸水防止構造を設けることが好ましい。
この実施の形態の船舶1は、さらに、バラストタンク10と、昇降甲板5の高さ位置に応じて、船舶1のバラスト水BWの注水量を制御するバラスト水制御装置9を備えている。具体的には、バラスト水制御装置9は、昇降甲板5の高さ位置(車両甲板4と昇降甲板5との高さの差H2)を検知し、昇降甲板5の高さ位置に応じて、バラストタンク10内のバラスト水BWの注水量や注水位置を変更できる機能を有している。
次に、この船舶1を使用して荷役を行なう方法を説明する。なお、以下の説明では、船舶1の車両甲板4に搭載した車両20を陸地(岸壁Qや海岸B)に揚陸させる場合を例示して説明する。
図1に示すように、船舶1が陸地に船首2側から接岸または揚陸(ビーチング)し、ランプウェイ7を荷役設備として使用する時には、まず、車両甲板4に搭載している車両20を昇降甲板5の上に移動させる。そして、ランプウェイ7を架け渡す陸地の高さに対応して、昇降甲板5を上下移動して、第1のヒンジ部8の高さを変更することで陸地に架け渡したランプウェイ7の傾斜角度θ1を調整する。そして、車両20が自走する道程における傾斜角度の変化量が所定の角度範囲内(−16度≦θ1≦16度)になった状態で、車両20を昇降甲板5からランプウェイ7を通じて陸地に揚陸させる。
言い換えると、ランプウェイ7を陸地に架け渡した際に、昇降甲板5から陸地までの車両20が自走する道程における傾斜角度の変化量が所定の角度範囲内になるように、ランプウェイ7を架け渡す陸地の高さに応じて昇降甲板5を昇降機構6によって上下移動させることにより、陸地と第1のヒンジ部8との高低差を小さくする。そして、陸地と第1のヒンジ部8との高低差、すなわち、傾斜角度θ1の変化量が小さくなった状態で、ランプウェイ7を陸地に架け渡す。
さらに、この実施の形態では、荷役を行なう時に、上下移動させる昇降甲板5の高さに応じて、船舶1のバラスト水BWの注水量をバラスト水調整装置9によって制御することにより、昇降甲板5の上昇により船体の重心位置が高くなることを抑制して船体の復原性を確保する。
つまり、昇降甲板5の上下移動による昇降甲板5とランプウェイ7の高さの変化によって船体の重心位置は変化するが、バラスト水調整装置9によって昇降甲板5の高さ位置を検知して、検知した昇降甲板5の高さに応じてバラスト水BWの注水量や注水位置を変化させることで、船体の重心を常に低い位置に維持する。
具体的には、昇降甲板5を上方に移動させた場合には、上方にあるバラストタンク10から下方にあるバラストタンク10にバラスト水BWを移したり、下方にあるバラストタンク10のバラスト水BWの量を増加させたりする。逆に、昇降甲板5を下方に移動させた場合には、必要に応じて、下方にあるバラストタンク10から上方にあるバラストタンク10にバラスト水BWを移したり、下方にあるバラストタンク10のバラスト水BWの量を減少させたりする。
このように、本発明の船舶1では、車両甲板4とランプウェイ7との間に設けた昇降甲板5を上下移動させることにより、第1のヒンジ部8の上下位置を変更することができる。即ち、荷役を行う時に、昇降甲板5を上方に移動させて第1のヒンジ部8の位置を高くすることで、ランプウェイ7を架け渡すことができる最高地点(最も高い位置)を高くすることができる。
つまり、ランプウェイ7の長さが同じであっても、図5に示すような従来の揚陸用の船舶1X(以下、船舶1X)よりも、高い陸地に架け渡すことが可能になる。言い換えると、要求されるランプウェイ7を架け渡すことができる最高地点の条件が同じであるならば、本発明の船舶1は、従来の船舶1Xに比して、ランプウェイ7の長さを短くすることができる。
さらに、本発明の船舶1では、第1のヒンジ部8の位置を上下方向に移動させることができるので、ランプウェイ7の傾斜角度θ1を所定の角度範囲内に収めながら、ランプウェイ7を架け渡すことができる上下範囲を著しく広範囲にすることができ、汎用性の高い揚陸用の船舶1にすることができる。
つまり、従来の船舶1Xでは、ランプヒンジ部8の位置を高くすると、ランプウェイ7の下方側に架け渡せる最低地点(最も低い位置)は第1のヒンジ部8を上方側に移動させた高さの分だけ高くなってしまうため、ランプウェイ7を低い陸地に架け渡すことが難しくなるが、本発明の船舶1では、第1のヒンジ部8(ランプヒンジ部)を低い位置に移動させることでランプウェイ7を低い位置にも架け渡すことが可能になる。
また、本発明の船舶1では、車両20を搭載する車両甲板4を低い位置に配置することができるため、船舶1の重心を低くすることができ、復原力の大きい安定性のある船舶1にすることができる。
つまり、従来の船舶1Xでは、ランプウェイ7をより高い位置に架け渡すことができるようにランプヒンジ部8の位置を高い位置に配置すると、車両甲板4も高い位置に配置することになるため、船舶1Xの重心が高くなり、船舶1Xの復原力が小さくなるという問題が生じるが、本発明の船舶1では、車両甲板4を低い位置に配置した状態で、荷役を行う時には第1のヒンジ部8の位置を高くすることができるので、船舶1の重心を低い位置に保ちつつ、ランプウェイ7をより高い位置に架け渡すことが可能な構成にできる。
さらに、この実施の形態の船舶1では、昇降甲板5の高さ位置に応じて、船舶1のバラスト水BWの注水量を制御するバラスト水制御装置9を備えているので、昇降甲板5を上方に移動した場合においても船舶1の重心を常に低い位置に維持し、復原力の低下を抑制できる。そのため、安定性を確保した状態で荷役作業を行なうことができる。
なお、この実施の形態の船舶1では、バラスト水制御装置9によって、昇降甲板5の高さ位置に応じて、船舶1のバラスト水BWの注水量を制御する方法を採用しているが、例えば、バラスト水制御装置9を用いずに、荷役作業時にバラスト水BWの注水量を人為的に一定量増やすことで船舶1の重心位置を下げることもできる。この方法では、バラスト水の制御を行わずに簡易な作業で荷役時の船舶1の重心位置を低くできるという利点がある。ただし、この実施の形態のようにバラスト水制御装置9によって、昇降甲板5の高さ位置に応じて、船舶1のバラスト水の注水量を制御すると、船舶1の重心位置の変化をより少なくすることができるので、荷役作業時の重心の上下変動による船舶1の横揺れ状態の変動を減少でき、作業性の悪化を防止できる。
図1〜3に示す実施の形態の船舶1では、車両甲板4と昇降甲板5は接続されていないため、昇降甲板5が上下移動すると、車両甲板4と昇降甲板5との間には段差が生じるが、図4に示す本発明に係る別の実施の形態の船舶1Aのように、車両甲板4と昇降甲板5とを接続することにより、車両甲板4と昇降甲板5が常に連続する構成にすることもできる。
この別の実施の形態の船舶1Aは、車両甲板4の一部で形成される傾斜車両甲板4aが昇降甲板5の他端部に設けられた第2のヒンジ部(傾斜車両甲板用ヒンジ)4cの周りに回動可能に接続されて、昇降甲板5の上下移動に追従して傾斜車両甲板4aの傾斜角度θ2が変化するように構成されている。
言い換えると、船舶1Aの車両甲板4は、一定位置に固定されている固定車両甲板4bと、昇降甲板5の上下移動に追従して傾斜角度θ2が変化する傾斜車両甲板4aで構成されている。固定車両甲板4bと傾斜車両甲板4aは第3のヒンジ部(車両甲板用ヒンジ)4dを介して回動可能に接続されており、傾斜車両甲板4aと昇降甲板5の他端部(第1のヒンジ部8とは反対側の端部)は、第2のヒンジ部4cを介して回動可能に接続されている。
つまり、昇降甲板5が上下移動して、昇降甲板5と固定車両甲板4bの高さに差が生じると、第2のヒンジ部4cおよび第3のヒンジ部4dの周りに傾斜車両甲板4aが回動し、傾斜車両甲板4aの昇降甲板5(固定車両甲板4a)に対する傾斜角度θ2が変化し、傾斜車両甲板4aは昇降甲板5と固定車両甲板4aとを連続的に繋ぐ傾斜面として機能する。
昇降甲板5が上下移動すると、第2のヒンジ部4cと第3のヒンジ部4dとの間の距離は変化するため、傾斜車両甲板4aには、傾斜車両甲板4aの長さを伸縮させる機構を有する伸縮部4eが設けられている。
昇降甲板5に対する傾斜車両甲板4aの可動範囲は、傾斜角度θ2が、−16度以上で、かつ、16度以下の範囲にすることが望ましい。傾斜角度θ2を16度以下にすることで、車両20の腹打ちのリスクを低くすることができる。
この実施の形態の船舶1Aのように、昇降甲板5の上下移動に追従して傾斜角度θ2が変化する傾斜車両甲板4aを設ける構成にすると、昇降甲板5が上下移動した場合においても、車両甲板4と昇降甲板5とランプウェイ7とが常に連続した状態になる。つまり、傾斜車両甲板4aと昇降甲板5との間に段差が生じない。そのため、昇降甲板5が車両甲板4に対して上下移動した場合においても、車両20が車両甲板4と陸地との間を自由に走行することが可能となり、一度の昇降甲板5の上下移動で多くの台数の車両20の荷役を迅速に行うことができるようになる。
なお、この実施の形態の船舶1Aでは、車両甲板4の一部を傾斜車両甲板4aで構成しているが、車両甲板4のすべてを傾斜車両甲板4aで構成することもできる。即ち、昇降甲板5が上下移動した際に、車両甲板4全体が傾斜する構成にすることもできる。
また、上記の図1〜3および図4で示した実施の形態の船舶1及び船舶1Aでは、ランプウェイ7が船首2の外板部分の一部を構成している場合を例示しているが、ランプウェイが外板部分を構成しない船舶、具体的には、例えば、船体内にランプウェイが収納されており、バウドアを開口することでランプウェイを架け渡すことが可能になるような構成の船舶においても本発明の構成を採用することができる。また、ランプウェイを船尾側に設ける場合においても採用することができる。
1、1A 船舶(揚陸用の船舶)
1X 従来の船舶(揚陸用の船舶)
2 船首
3 船尾
4 車両甲板(船倉)
4a 傾斜車両甲板
4b 固定車両甲板
4c 第2のヒンジ部(傾斜車両甲板用ヒンジ)
4d 第3のヒンジ部(車両甲板用ヒンジ)
4e 伸縮部
5 昇降甲板
6 昇降機構
7 ランプウェイ
8 第1のヒンジ部(ランプ用ヒンジ部)
9 バラスト水制御装置
10 バラストタンク
11 基台
20 車両(トラック)
DWL 計画喫水
Q 岸壁
B 海岸
BW バラスト水

Claims (3)

  1. ランプウェイを備え、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶において、
    車両を搭載する車両甲板と前記ランプウェイとの間に、昇降甲板と、この昇降甲板を船体に対して上下移動させる昇降機構とを有し、前記ランプウェイが前記昇降甲板の一端部に設けられた第1のヒンジ部の周りに回転可能に接続されていると共に、
    前記昇降甲板の高さ位置に応じて、前記昇降甲板を上方に移動させた場合に、船体の重心位置が高くなることを抑制して船体の復原性を確保するように、当該船舶のバラスト水の注水量を制御するバラスト水制御装置を備えていることを特徴とする揚陸用の船舶。
  2. 前記車両甲板の一部または全部で形成される傾斜車両甲板が前記昇降甲板の他端部に設けられた第2のヒンジ部の周りに回動可能に接続されて、前記昇降甲板の上下移動に追従して前記傾斜車両甲板の傾斜角度が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の揚陸用の船舶。
  3. ランプウェイを有し、接岸またはビーチングして前記ランプウェイを船体と陸地との間に架け渡す揚陸用の船舶を使用する荷役方法において、
    車両を搭載する車両甲板と前記ランプウェイとの間に設けた昇降甲板を、昇降機構を用いて船体に対して上下移動させて、前記昇降甲板の一端部の第1のヒンジ部の周りに前記ランプウェイを回転可能に接続し、
    前記ランプウェイを架け渡す陸地の高さに対応して、前記昇降甲板を上下移動して、前記第1のヒンジ部の高さを変更することで陸地に架け渡した前記ランプウェイの傾斜角度を調整すると共に、
    前記昇降甲板の高さ位置に応じて、当該船舶のバラスト水の注水量を制御して、前記昇降甲板を上方に移動させた場合に、船体の重心位置が高くなることを抑制して船体の復原性を確保することを特徴とする揚陸用の船舶を使用した荷役方法。
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