本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による無線通信システムの概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による無線通信システム10は、基地局1と、端末装置2〜6とを備える。
基地局1および端末装置2〜6は、無線通信空間に配置される。より具体的には、端末装置2〜6は、基地局1の通信範囲REG内に配置される。
基地局1は、GFDMを用いて端末装置2〜4との間で無線通信を行い、GFDMとOFDMとを同時に用いて端末装置2〜4との間で無線通信を行い、OFDMを用いて端末装置2〜4との間で無線通信を行う。
そして、基地局1は、後述する方法によって、GFDMを用いて無線通信を行う端末装置2〜4が使用する電力および周波数を割り当てる。
端末装置2〜4の各々は、GFDMを用いて基地局1との間で無線通信を行い、GFDMとOFDMとを同時に用いて基地局1との間で無線通信を行い、OFDMを用いて基地局1との間で無線通信を行う。従って、端末装置2〜4の各々を「5G端末」と呼ぶ。
端末装置5,6の各々は、OFDMを用いて基地局1との間で無線通信を行う。従って、端末装置5,6の各々を「4G端末」と呼ぶ。
そして、OFDMは、直交マルチキャリアを用いた無線通信方式であり、GFDMは、非直交マルチキャリアを用いた無線通信方式である。
図2は、図1に示す基地局1の概略図である。図2を参照して、基地局1は、アンテナ11と、受信機12と、送信機13と、送受信手段14と、ホストシステム15とを含む。ホストシステム15は、割当装置151を含む。
受信機12は、OFDMによる波形、GFDMによる波形、およびOFDMによる波形とGFDMによる波形とが加算された波形のいずれかを示す波形情報IF_WVをホストシステム15から受ける。また、受信機12は、アンテナ11を介して電波を受信する。そして、受信機12は、その受信した受信電波および波形情報IF_WVに基づいて後述する方法によって受信データを検出し、その検出した受信データをホストシステム15へ出力する。
送信機13は、UEカテゴリー情報CTG_4G(またはCTG_5G)と、OFDM単独による無線通信、GFDM単独による無線通信、およびOFDMとGFDMとを同時に用いた無線通信のいずれかを指示する指示信号INSTとをホストシステム15から受ける。また、送信機13は、OFDMによって基地局1−端末装置2〜6間で無線通信を行うためのサブキャリアSC_4G(OFDMサブキャリア)と、GFDMによって基地局1−端末装置2〜4間で無線通信を行うためのサブキャリアSC_5G(GFDMサブキャリア)とをホストシステム15の割当装置151から受ける。更に、送信機13は、GFDMによって基地局1−端末装置2〜4間で無線通信を行うための電力をホストシステム15の割当装置151から受ける。更に、送信機13は、送信データをホストシステム15から受ける。
そうすると、送信機13は、UEカテゴリー情報CTG_4G(またはCTG_5G)に基づいて、基地局1−端末装置2〜4間で無線通信が行われるか基地局1−端末装置5,6間で無線通信が行われるかを判定する。
基地局1−端末装置2〜4間で無線通信が行われると判定されたとき、送信機13は、GFDM単独による無線通信を行うための指示信号INSTに応じて、送信データを送信シンボルに変調し、その変調した送信シンボルをサブキャリアSC_5Gに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換してサブキャリアSC_5Gのグループに分配し、その分配した複数のデータブロック構造に対して、パルス整形および対応するサイズの逆フーリエ変換を順次実行するGFDM処理を行い、逆フーリエ変換された信号をアンテナ11を介して同時に送信する。
また、基地局1−端末装置2〜4間で無線通信が行われると判定されたとき、送信機13は、OFDM単独による無線通信を行うための指示信号INSTに応じて、送信データを送信シンボルに変調し、その変調した送信シンボルをサブキャリアSC_4Gに対応する周波数時間領域のデータブロック構造に変換してサブキャリアSC_4Gのグループに分配し、その分配した複数のデータブロック構造に対して、対応するサイズの逆フーリエ変換を実行するOFDM処理を行い、逆フーリエ変換された信号をアンテナ11を介して同時に送信する。
更に、基地局1−端末装置2〜4間で無線通信が行われると判定されたとき、送信機13は、OFDMとGFDMとを同時に用いた無線通信を行うための指示信号INSTに応じて、GFDM処理とOFDM処理とを並行して行い、GFDM処理によって得られた信号とOFDM処理によって得られた信号とを加算してアンテナ11を介して送信する。
一方、基地局1−端末装置5,6間で無線通信が行われると判定されたとき、送信機16は、OFDM処理を実行し、逆フーリエ変換された信号をアンテナ11を介して同時に送信する。
送受信手段14は、制御チャネルCh_CTLを予め保持している。そして、送受信手段14は、基地局1−端末装置2〜6間で無線通信を行うためのサブキャリアSC_4G(OFDMサブキャリア)と、GFDMによって基地局1−端末装置2〜4間で無線通信を行うためのサブキャリアSC_5G(GFDMサブキャリア)と、GFDMによる無線通信を行うための電力との割当を示す割当情報IF_ALLCをホストシステム15の割当装置151から受ける。そして、送受信手段14は、制御チャネルCh_CTLを用いて割当情報IF_ALLCをアンテナ11を介して端末装置2〜6へ送信する。
また、送受信手段14は、制御チャネルCh_CTLを用いて、基地局1から端末装置2〜6への無線通信に用いられるチャネルの割当要求(チャネル割当要求)を端末装置2〜6から受信し、その受信したチャネル割当要求をホストシステム15へ出力する。
ホストシステム15は、波形情報IF_WVを受信機12へ出力する。また、ホストシステム15は、受信機12から受信データを受ける。更に、ホストシステム15は、受信機12からUEカテゴリー情報CTG_4G,CTG_5Gを受ける。更に、ホストシステム18は、チャネル割当要求を送受信手段14から受ける。更に、ホストシステム18は、送信データを生成する。
そうすると、ホストシステム15は、UEカテゴリー情報CTG_4G(またはCTG_5G)および送信データを送信機13へ出力する。また、ホストシステム15は、UEカテゴリー情報CTG_4G,CTG_5Gとチャネル割当要求とを割当装置151へ出力する。
割当装置151は、無線通信システム10において用いられる周波数帯域であるシステム周波数帯域BWを予め保持している。割当装置151は、UEカテゴリー情報CTG_4G,CTG_5Gおよびチャネル割当要求をホストシステム15から受ける。そして、割当装置151は、チャネル割当要求を受けると、UEカテゴリー情報CTG_4G,CTG_5Gに基づいて、4G端末の台数および5G端末の台数をカウントする。引き続いて、割当装置151は、4G端末の台数および5G端末の台数に基づいて、後述する方法によって、端末装置2〜4、および端末装置5,6が無線通信を行うためのサブキャリアSC_5G,SC_4Gを割り当てる。
また、割当装置151は、端末装置2〜4がGFDMによって無線通信を行うための電力P_GFDMを後述する方法によって決定する。
そうすると、割当装置151は、サブキャリアSC_5G,SC_4Gを送信機13へ出力する。また、割当装置151は、割り当てられたサブキャリアSC_5G,SC_4Gおよび電力P_GFDMとを示す割当情報IF_ALLCを生成し、その生成した割当情報IF_ALLCを送受信手段14へ出力する。
図3は、図1に示す端末装置2の概略図である。図3を参照して、端末装置2は、アンテナ21と、受信機22と、送信機23と、ホストシステム24とを含む。
受信機22は、制御チャネルCh_CTLを予め保持している。そして、受信機22は、制御チャネルCh_CTLにおいてアンテナ21を介して割当情報IF_ALLCを受信し、その受信した割当情報IF_ALLCをホストシステム24へ出力する。
受信機22は、ホストシステム24から波形情報IF_WVを受ける。また、受信機22は、アンテナ21を介してOFDM単独による電波、GFDM単独による電波、OFDMとGFDMとを同時に用いたときの電波のいずれかの電波を受信する。そして、受信機22は、その受信した受信電波および波形情報IF_WVに基づいて、後述する方法によって受信データを検出し、その検出した受信データをホストシステム24へ出力する。
送信機23は、割当情報IF_ALLC、波形情報IF_WV、電力P_GFDMおよび送信データをホストシステム24から受ける。そして、送信機23は、割当情報IF_ALLC、送信データおよび波形情報IF_WVに基づいて、OFDM単独方式、GFDM単独方式およびOFDMとGFDMとを同時に用いた方式のいずれかの方式によって送信信号を生成し、その生成した送信信号を電力P_GFDMでアンテナ21を介して送信する。
より具体的には、送信機23は、波形情報IF_WVがGFDMA単独方式による波形を示す場合、上述したGFDM処理を実行し、逆フーリエ変換された信号をアンテナ21を介して同時に送信する。
また、波形情報IF_WVがOFDM単独方式による波形を示す場合、送信機23は、上述したOFDM処理を実行し、逆フーリエ変換された信号をアンテナ21を介して同時に送信する。
更に、波形情報IF_WVがOFDMとGFDMとを同時に用いたときの波形を示す場合、送信機23は、GFDM処理とOFDM処理とを並行して実行し、GFDM処理によって得られた信号とOFDM処理によって得られた信号とを加算してアンテナ21を介して送信する。
更に、送信機23は、UEカテゴリー情報CTG_5Gをホストシステム24から受け
、その受けたUEカテゴリー情報CTG_5Gをアンテナ21を介して送信する。
更に、送信機23は、チャネル割当要求をホストシステム24から受け、その受けたチャネル割当要求をアンテナ21を介して送信する。
ホストシステム24は、割当情報IF_ALLCおよび受信データを受信機22から受ける。
ホストシステム24は、送信データを生成する。そして、ホストシステム24は、送信データをOFDM単独方式によって送信する場合、OFDM単独方式による波形を示す波形情報IF_WVを生成し、送信データをGFDM単独方式によって送信する場合、GFDM単独方式による波形情報IF_WVを生成し、送信データをOFDMとGFDMとを同時に使用して送信する場合、OFDM単独方式による波形とGFDM単独方式による波形とが加算された波形を示す波形情報IF_WVを生成する。
そうすると、ホストシステム24は、波形情報IF_WVを受信機22へ出力する。また、ホストシステム24は、送信データ、波形情報IF_WVおよび割当情報IF_ALLCを送信機23へ出力する。
なお、図1に示す端末装置3,4は、図3に示す端末装置2と同じ構成からなる。
図4は、図1に示す端末装置5の概略図である。図4を参照して、端末装置5は、アンテナ51と、受信機52と、送信機53と、ホストシステム54とを含む。
受信機52は、制御チャネルCh_CTLを予め保持している。そして、受信機52は、制御チャネルCh_CTLにおいて、割当情報IF_ALLCをアンテナ51を介して受信し、その受信した割当情報IF_ALLCをホストシステム54へ出力する。
また、受信機52は、OFDM単独方式による電波をアンテナ51を介して受信し、その受信した受信電波に基づいて、後述する方法によって受信データを検出し、その検出した受信データをホストシステム54へ出力する。
送信機53は、割当情報IF_ALLCおよび送信データをホストシステム54から受ける。そして、送信機53は、割当情報IF_ALLCによって示されるサブキャリアSC_4Gにおいて送信データをOFDM単独方式によって変調等して送信する。より具体的には、送信機53は、上述したOFDM処理を実行し、逆フーリエ変換された信号をアンテナ51を介して同時に送信する。
また、送信機53は、UEカテゴリー情報CTG_4Gをアンテナ51を介して送信する。
ホストシステム54は、割当情報IF_ALLCおよび受信データを受信機52から受ける。
ホストシステム54は、UEカテゴリー情報CTG_4Gを送信機53へ出力する。
ホストシステム54は、送信データを生成する。そして、ホストシステム54は、送信データおよび割当情報IF_ALLCを送信機53へ出力する。
なお、図1に示す端末装置6は、図4に示す端末装置5と同じ構成からなる。
図5は、図2に示す送信機13の構成を示す概略図である。図5を参照して、送信機13は、シンボルマッパ131と、リソーススケジューラ132と、波形割当部133と、送信処理ユニットUnit_5G_T1,Unit_4G_T1と、加算器144と、DA変換器145と、無線ユニット146とを含む。
送信処理ユニットUnit_5G_T1は、GFDMによる送信処理を行う。そして、送信処理ユニットUnit_5G_T1は、シリアルパラレル変換器134と、アップサンプリング処理部135−1〜135−K(Kは、1以上の整数)と、波形整形フィルタ136−1〜136−Kと、サブキャリアアップコンバータ137−1〜137−Kと、加算器138と、ガードインターバル挿入器139とを含む。
送信処理ユニットUnit_4G_T1は、OFDMによる送信処理を行う。そして、送信処理ユニットUnit_4G_T1は、シリアルパラレル変換器140と、IFFT141と、パラレルシリアル変換器142と、ガードインターバル挿入器143とを含む。
シンボルマッパ131は、符号情報ビットをホストシステム15から受け、その受けた符号情報ビットを複素数データからなる送信シンボルに変調する。そして、シンボルマッパ131は、その変調した送信シンボルを波形割当部133へ出力する。
リソーススケジューラ132は、UEカテゴリー情報CTG_5G(またはCTG_4G)および指示信号INSTをホストシステム15から受ける。リソーススケジューラ132は、UEカテゴリー情報CTG_5G(またはCTG_4G)および指示信号INSTに基づいて、指示信号INT_5G、指示信号INT_4Gおよび指示信号INST_5G+4Gのいずれかを生成し、その生成した指示信号INT_5G、指示信号INT_4Gおよび指示信号INST_5G+4Gのいずれかを波形割当部133へ出力する。
指示信号INT_5Gは、GFDM単独方式による無線通信を指示する指示信号であり、指示信号INT_4Gは、OFDM単独方式による無線通信を指示する指示信号であり、指示信号INT_5G+4Gは、GFDMとOFDMとを同時に用いた無線通信を指示する指示信号である。
この場合、リソーススケジューラ132は、UEカテゴリー情報がUEカテゴリー情報CTG_5Gであり、指示信号INSTがGFDM単独方式による無線通信を指示するとき、指示信号INT_5Gを生成する。また、リソーススケジューラ132は、UEカテゴリー情報がUEカテゴリー情報CTG_5Gであり、指示信号INSTがGFDMとOFDMとを同時に用いた無線通信を指示するとき、指示信号INT_5G+4Gを生成する。更に、リソーススケジューラ132は、UEカテゴリー情報がUEカテゴリー情報CTG_4Gであり、指示信号INSTがOFDM単独方式による無線通信を指示するとき、指示信号INT_4Gを生成する。
波形割当部133は、シンボルマッパ131から送信シンボルを受け、リソーススケジューラ132から指示信号INT_5G、指示信号INT_4Gおよび指示信号INT_5G+4Gのいずれかを受ける。そして、波形割当部133は、指示信号INT_5Gを受けると、送信シンボルをシリアルパラレル変換器134へ出力し、指示信号INT_4Gを受けると、送信シンボルをシリアルパラレル変換器140へ出力し、指示信号INT_5G+4Gを受けると、送信シンボルをサブキャリアSC_5Gで送信する送信シンボルSYB_5GとサブキャリアSC_4Gで送信する送信シンボルSYB_4Gとに分割し、その分割した送信シンボルSYB_5Gをシリアルパラレル変換器134へ出力し、その分割した送信シンボルSYB_4Gをシリアルパラレル変換器140へ出力する。
シリアルパラレル変換器134は、送信シンボルを波形割当部133から受け、その受けた送信シンボルをK個のサブキャリアとM(Mは、1以上の整数)個のタイムスロットに分配する。このようにして分配されたデータは、ブロック構造によって次式(1)によって表される。
ここで、複素数データの送信シンボルdk[m]は、k(kは、1≦k≦Kを満たす整数)番目のサブキャリアで、m番目のタイムスロット中で送信されるデータシンボルである。
従って、送信処理ユニットUnit_5G_T1では、各サブキャリアに対応して、K個の同様の処理系統が構成される。
送信処理ユニットUnit_5G_T1のこのようなk番目の処理系統に注目すると、複素数データの送信シンボルdk[m](m=0,1,・・・,M−1)は、アップサンプリング処理部135−kによってN倍にアップサンプリングされ、次式(2)で表される信号に変換される。
ここで、δ[・]は、ディラック関数である。
従って、次式(3)が成り立つ。
続いて、波形整形フィルタ136−kは、フィルタ長さL(≦M)のパルス整形フィルタg[n](n=0,1,・・・,(LN−1))をデータシーケンスdN k[n]に適用する。
ここで、フィルタリングによる伝送レートの低下は、以下の公知文献1に記述されるテイルバイティング技術およびそれに続くディジタル・サブキャリアアップコンバートにより回避される。
公知文献1:G. Fettweis, M. Krondorf, and S. Bittner,”Gfdm - Generalized Freq
uency Division Multiplexing,” in Vehicular Technology Conference, 2009. VTC Spr
ing 2009 IEEE 69th, april 2009, pp. 1 -4.
従って、サブキャリアアップコンバータ137−kから出力されるサブキャリア送信信号xk[n]は、次式(4)によって表すことができる。
ここで、○内にXの記号は、巡回畳込を表示し、wknは、次式(5)によって表される。
Nは、サブキャリアの各々のパルス波形に必要なアップサンプリングファクタであり、この実施の形態においては、N=Kとする。
式(1)と同様に、送信信号xk[n]も、次式(6)のようなブロック構造で表現することができる。
その後、加算器138は、サブキャリア信号を全て加算することにより、データブロックDの送信信号を、次式(7)のように生成する。
そして、加算器138は、式(6)により表されるデータブロックDの送信信号をガードインターバル挿入器139へ出力する。
ガードインターバル挿入器139は、データブロックDの送信信号にガードインターバルを挿入して加算器144へ出力する。
シリアルパラレル変換器140は、送信シンボルを波形割当部133から受け、その受けた送信シンボルをシリアルパラレル変換し、パラレル系列の送信シンボルをIFFT141へ出力する。
IFFT141は、パラレル系列の送信シンボルをシリアルパラレル変換器140から受け、その受けたパラレル系列の送信シンボルを逆高速フーリエ変換する。そして、IFFT141は、逆高速フーリエ変換したパラレル系列の送信シンボルをパラレルシリアル変換器142へ出力する。
パラレルシリアル変換器142は、パラレル系列の送信シンボルをIFFT141から受け、その受けたパラレル系列の送信シンボルをパラレルシリアル変換し、シリアル系列の送信シンボルをガードインターバル挿入器143へ出力する。
ガードインターバル挿入器143は、シリアル系列の送信シンボルをパラレルシリアル変換器142から受け、その受けたシリアル系列の送信シンボルにガードインターバルを挿入して送信信号を生成する。そして、ガードインターバル挿入器143は、送信信号を加算器144へ出力する。
加算器144は、ガードインターバル挿入器139およびガードインターバル挿入器143から送信信号を受け、その受けた2つの送信信号を加算する。この場合、加算器1844は、ガードインターバル挿入器139のみから送信信号を受けたとき、ガードインターバル挿入器139から受けた送信信号をDA変換器145へ出力し、ガードインターバル挿入器143のみから送信信号を受けたとき、ガードインターバル挿入器143から受けた送信信号をDA変換器145へ出力し、ガードインターバル挿入器139,143の両方から送信信号を受けとき、ガードインターバル挿入器139から受けた送信信号とガードインターバル挿入器143から受けた送信信号とを加算し、その加算結果をDA変換器145へ出力する。
DA変換器145は、送信信号を加算器144から受け、その受けた送信信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、その変換したアナログ信号からなる送信信号を無線ユニット146へ出力する。
無線ユニット146は、DA変換器145から送信信号を受け、ホストシステム15から電力P_GFDMを受ける。そして、無線ユニット146は、その受けた送信信号をベースバンド信号に変換し、その変換したベースバンド信号を電力P_GFDMでアンテナ11を介して送信する。
図6は、図2に示す受信機12の構成を示す概略図である。図6を参照して、受信機12は、無線ユニット121と、AD変換器122と、切替器123と、受信処理ユニットUnit_5G_R1,Unit_4G_R1とを含む。
受信処理ユニットUnit_5G_R1は、GFDMによって送信された信号の受信処理を行う。そして、受信処理ユニットUnit_5G_R1は、ガードインターバル除去器124と、等化器125と、チャネル推定器126と、サブキャリアダウンコンバータ127−1〜127−Kと、マッチドフィルタ128−1〜128−Kと、ダウンサンプリング処理部129−1〜129−Kと、パラレルシリアル変換器130と、シンボルデマッパ161と、デコーダ162とを含む。
受信処理ユニットUnit_4G_R1は、OFDM方式によって送信された信号の受信処理を行う。そして、受信処理ユニットUnit_4G_R1は、ガードインターバル除去器163と、シリアルパラレル変換器164と、高速フーリエ変換器(FFT:Fast Fourier Transform)165と、チャネル推定器166と、シンボルデマッパ167−1〜167−J(Jは、1以上の整数)と、パラレルシリアル変換器168と、デコーダ169とを含む。
無線ユニット121は、アンテナ21を介して電波を受信し、その受信した電波のうち、ベースバンド信号の周波数を有する電波(=ベースバンド信号)をAD変換器122へ出力する。
AD変換器122は、無線ユニット121からベースバンド信号を受け、その受けたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換し、その変換したベースバンド信号を切替器123へ出力する。
切替器123は、スイッチ1231と、端子1232,1233とを含む。スイッチ1231は、AD変換器122に接続される。端子1232は、ガードインターバル除去器124に接続される。端子1233は、ガードインターバル除去器163に接続される。
切替器123は、AD変換器122からベースバンド信号を受け、ホストシステム15から波形情報IF_WVを受ける。
そして、切替器123は、波形情報IF_WVがGFDMによる波形を示すとき、スイッチ1231を端子1232に接続し、端子1232を介してベースバンド信号をガードインターバル除去器124へ出力する。
また、切替器123は、波形情報IF_WVがOFDMによる波形を示すとき、スイッチ1231を端子1233に接続し、端子1233を介してベースバンド信号をガードインターバル除去器163へ出力する。
更に、切替器123は、波形情報IF_WVがOFDMとGFDMとを同時に用いたときの波形を示すとき、スイッチ1231を端子1232,1233の両方に接続し、端子1232,1233を介してベースバンド信号をそれぞれガードインターバル除去器124,163へ出力する。
ガードインターバル除去器124は、ベースバンド信号からガードインターバルを除去し、ガードインターバルを除去した信号(=受信信号)を等化器125およびチャネル推定器126へ出力する。
等化器125は、受信信号をガードインターバル除去器124から受け、受信信号の周波数特性をチャネル推定器126から受ける。そして、等化器125は、伝搬チャネルの周波数特性に基づいて受信信号を等化する。その後、等化器125は、等化器出力y[n]をサブキャリアダウンコンバータ127−1〜127−Kへ出力する。
チャネル推定器126は、受信信号をガードインターバル除去器124から受け、その受けた受信信号の周波数特性を検出して等化器125へ出力する。
GFDMは、送信データを変調し、その変調した送信データをKM個の複素データシンボルのシーケンスに分割し、その分割したKM個の複素データシンボルの各々を処理して同時に送信する方式である。そして、このシーケンスは、K個のサブキャリアとM個のタイムスロットとに分配される。
サブキャリアダウンコンバータ127−1〜127−Kは、K個のサブキャリアに対応して設けられる。
サブキャリアダウンコンバータ127−kは、対応するサブキャリアへ受信信号y[n]をデジタルダウンコンバートし、次式(8)によって表されるサブキャリア受信信号を得る。
そして、サブキャリアダウンコンバータ127−kは、サブキャリア受信信号をマッチドフィルタ128−kへ出力する。
マッチドフィルタ128−1〜128−Kは、それぞれ、サブキャリアダウンコンバータ127−1〜127−Kに対応して設けられる。
マッチドフィルタ128−kは、サブキャリア受信信号をサブキャリアダウンコンバータ127−kから受け、その受けたサブキャリア受信信号に対して受信機整合フィルタg[n]により畳み込み演算を行う。そして、畳み込み演算後の信号は、次式(9)によって定義されるものとする。
従って、サブキャリアダウンコンバータ127−kおよびマッチドフィルタ128−kにおける処理は、それぞれ、式(10),(11)によって示される。
そして、マッチドフィルタ128−kの出力は、上記式(9)によって表される。
ダウンサンプリング処理部129−kは、マッチドフィルタ128−kの出力(=式(9))を受け、その受けた出力をダインサンプリングすることにより、次式(12)によって表されるダウンサンプリング受信データシンボルが得られる。
このダウンサンプリングは、次式(13)のような処理である。
パラレルシリアル変換器130は、ダウンサンプリング処理部127−1〜127−KからK個のダウンサンプリング受信データシンボル(式(13))を受け、その受けたK個のダウンサンプリング受信データシンボルをパラレルシリアル変換し、その変換後のシリアル系列のデータシンボルをシンボルデマッパ161へ出力する。
シンボルデマッパ161は、パラレルシリアル変換器130からシリアル系列のデータシンボルを受け、その受けたシリアル系列のデータシンボルから復調系列を抽出し、その抽出した復調系列をデコーダ162へ出力する。
デコーダ162は、復調系列をシンボルデマッパ161から受け、その受けた系列を復号して復号系列を得る。そして、デコーダ162は、復号系列をホストシステム15へ出力する。
ガードインターバル除去器163は、端子1233を介してベースバンド信号を受け、その受けたベースバンド信号からガードインターバルを除去し、ガードインターバルを除去した信号(=受信信号)をシリアルパラレル変換器164へ出力する。
シリアルパラレル変換器164は、受信信号をガードインターバル除去器163から受け、その受けた受信信号をシリアルパラレル変換し、その変換したパラレル系列の受信信号をFFT165へ出力する。
FFT165は、パラレル系列の受信信号を高速フーリエ変換し、その変換後の受信信号をシンボルデマッパ167−1〜167−Jへ出力する。
シンボルデマッパ167−1〜167−Jは、チャネル推定器166で推定した周波数応答に基づいて復調系列をパラレルシリアル変換器168へ出力し、パラレルシリアル変換器168は、復調系列をパラレルシリアル変換して、シリアル系列をデコーダ169に入力し、デコーダ169は、シリアル系列を復号して復号系列を得る。
なお、端末装置2〜4の送信機23は、図5に示す送信機13と同じ構成からなり、端末装置2〜4の受信機22は、図6に示す受信機12と同じ構成からなる。
図7は、図5に示す受信機52の構成を示す概略図である。図7を参照して、受信機52は、無線ユニット521と、AD変換器522と、受信処理ユニットUnit_4G_R1とを含む。
無線ユニット521は、アンテナ51を介して電波を受信し、その受信した電波のうち、ベースバンド信号の周波数を有する電波(=ベースバンド信号)をAD変換器522へ出力する。
AD変換器522は、無線ユニット521からベースバンド信号を受け、その受けたベースバンド信号をアナログ信号からデジタル信号へ変換し、その変換したベースバンド信号を受信処理ユニットUnit_4G_R1のガードインターバル除去器163へ出力する。
受信処理ユニットUnit_4G_R1については、図6において説明したとおりである。
図8は、図5に示す送信機53の構成を示す概略図である。図8を参照して、送信機53は、シンボルマッパ131と、送信処理ユニットUnit_4G_T1と、DA変換器145と、無線ユニット146とを含む。
シンボルマッパ131は、符号情報ビットをホストシステム54から受け、その受けた符号情報ビットを複素数データからなる送信シンボルに変調する。そして、シンボルマッパ131は、その変調した送信シンボルを送信処理ユニットUnit_4G_T1のシリアルパラレル変換器140へ出力する。
送信処理ユニットUnit_4G_T1は、変調された送信シンボルをシンボルマッパ131から受け、その受けた送信シンボルを上述した方法によってOFDM処理し、そのOFDM処理した送信信号をDA変換器145へ出力する。
DA変換器145は、送信信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、その変換した送信信号を無線ユニット146へ出力する。
無線ユニット146は、DA変換器145から受けた送信信号をアンテナ51を介して送信する。
図9は、図2に示す割当装置151の概略図である。図9を参照して、割当装置151は、演算手段1511と、割当手段1512とを含む。
ベースバンド信号における1ビット当たりの信号エネルギーEbは、既知である。従って、ホストシステム15は、信号エネルギーEbを保持している。また、ホストシステム15は、ベースバンド信号をOFDMによって変調したときの変調シンボル当たりのビット数Nb_OFDMと、ベースバンド信号をGFDMによって変調したときの変調シンボル当たりのビット数Nb_GFDMとをカウントする。
そして、ホストシステム15は、信号エネルギーEb、ビット数Nb_OFDM,Nb_GFDMを演算手段1511へ出力する。
演算手段1511は、信号エネルギーEb、ビット数Nb_OFDM、およびビット数Nb_GFDMをホストシステム15から受ける。
演算手段1511は、信号エネルギーEbにビット数Nb_OFDMを乗算して、OFDMの変調シンボル当たりのエネルギーESOを演算する。また、演算手段1511は、信号エネルギーEbにビット数Nb_GFDMを乗算して、GFDMの変調シンボル当たりのエネルギーESGを演算する。
そして、演算手段1511は、エネルギーESOに対するエネルギーESGの比γ=ESG/ESOを演算する。
その後、演算手段1511は、γ=ESG/ESOに相関係数cを乗算して相互干渉cγ=cESG/ESOを演算する。
また、演算手段1511は、4G端末宛てのOFDMの所要ESO/NO=xを演算する。ここで、NOは、OFDMにおける雑音電力である。
そうすると、演算手段1511は、相互干渉cγ=cESG/ESOと、x=ESO/NOとを割当手段1512へ出力する。
割当手段1512は、相互干渉cγ=cESG/ESOと、x=ESO/NOとを演算手段1511から受ける。
OFDMにおける信号対雑音電力比SINROFDMは、次式(14)によって表される。
割当手段1512は、信号対雑音電力比SINROFDMが式(15)を満たすように、つまり、式(16)を満たすようにエネルギーESGを決定する。
この場合、割当手段1512は、エネルギーESO,NOを既知とし、相関係数cを定数として式(16)を満たすようにエネルギーESGを決定する。そして、割当手段1512は、その決定したエネルギーESGを5G端末である端末装置2〜4の送信電力P_GFDMとして割り当てる。
また、割当手段1512は、OFDMの周波数帯域とGFDMの周波数帯域との周波数間隔がΔfGになるように、OFDMのサブキャリアSC_4GとGFDMのサブキャリアSC_5Gとを割り当てる。
そうすると、割当手段1512は、OFDMのサブキャリアSC_4Gと、GFDMのサブキャリアSC_5Gと、送信電力P_GFDMとを含む割当情報IF_ALLCを生成し、その生成した割当情報IF_ALLCを送受信手段14へ出力する。
図10は、OFDMの信号対雑音電力比SINROFDMと、γと、OFDMの干渉による信号対雑音電力比SINR’OFDMとの関係を示す図である。
なお、図10は、相関係数cが0.2であるときのOFDMの信号対雑音電力比SINROFDMと、γと、OFDMの干渉による信号対雑音電力比SINR’OFDMとの関係を示す。
図10を参照して、OFDMの信号対雑音電力比SINROFDM=xが−7〜4までの範囲において、γの取り得る範囲は、1〜0.0625となる。γ=ESG/ESOであるので、γが小さくなると、エネルギーESG、即ち、端末装置2〜4の送信電力P_GFDMが小さくなる。
従って、割当手段1512は、γができるだけ大きい範囲において、エネルギーESG、即ち、端末装置2〜4の送信電力P_GFDMを決定する。
x=−7[dB]、かつ、γ=1において、OFDMの干渉による信号対雑音電力比SINROFDM=x’は、−7.2[dB]であるので、5G端末である端末装置2〜4がγ=1を満たす範囲の送信電力P_GFDMで無線通信を行った場合、4G端末である端末装置5,6に与える干渉は、0.2[dB]である。
また、x=−2[dB]、かつ、γ=0.5において、OFDMの干渉による信号対雑音電力比SINROFDM=x’は、−2.3[dB]であるので、5G端末である端末装置2〜4がγ=0.5を満たす範囲の送信電力P_GFDMで無線通信を行った場合、4G端末である端末装置5,6に与える干渉は、0.3[dB]である。
xが、その他の値である場合についても、同様である。
従って、図10に示す結果から、5G端末である端末装置2〜4がγを満たす範囲の送信電力P_GFDMで無線通信を行った場合、4G端末である端末装置5,6に与える干渉は、0.1〜0.3[dB]に抑え得ることが分かった。
その結果、端末装置5,6がOFDMによって無線通信を行っている場合に、端末装置2〜4が送信電力P_GFDMで無線通信を行っても、端末装置5,6に与える干渉を抑制できることが分かった。
xが大きくなることは、OFDMの信号対雑音電力比SINROFDMが大きくなることを意味するので、xが大きくなると、γが小さくなり、送信電力P_GFDMを抑制しなければならないことを意味する。つまり、端末装置5,6がOFDMを用いて通信特性が良い環境で無線通信を行っている場合、端末装置2〜4は、送信電力P_GFDMを抑制して無線通信を行わなければならないことを意味する。
図11は、周波数帯域の割当の例を示す概念図である。図11を参照して、OFDMの送信シンボルは、OFDMの周波数帯域において全体的に分散配置されている。
このような場合、割当手段1512は、OFDMの周波数帯域よりも高周波数側にGFDMの周波数帯域を割り当ててもよく(図11の(a)参照)、OFDMの周波数帯域よりも低周波数側にGFDMの周波数帯域を割り当ててもよい(図11の(b)参照)。
また、割当手段1512は、OFDMの送信シンボルがOFDMの周波数帯域の一方側(例えば、低周波数側)に偏って配置されている場合、OFDMの周波数帯域よりも高周波数側にGFDMの周波数帯域を割り当てる。
一方、割当手段1512は、OFDMの送信シンボルがOFDMの周波数帯域の他方側(例えば、高周波数側)に偏って配置されている場合、OFDMの周波数帯域よりも低周波数側にGFDMの周波数帯域を割り当てる。
このようにすることによって、端末装置2〜4から端末装置5,6への干渉を抑制できるので、端末装置2〜4の送信電力P_GFDMをより高く設定できる。
図12は、割当手段1512における送信電力を割り当てる動作を説明するためのフローチャートである。
図12を参照して、送信電力P_GFDMを割り当てる動作が開始されると、割当手段1512は、他のユーザを選択する(ステップS1)。そして、割当手段1512は、他のユーザが5Gユーザであるか否かを判定する(ステップS2)。この場合、割当手段1512は、カテゴリー情報CTG_4G(またはCTG_5G)に基づいて、他のユーザが5Gユーザであるか否かを判定する。カテゴリー情報がCTG_4Gである場合、割当手段1512は、他のユーザが5Gユーザでないと判定し、カテゴリー情報がCTG_5Gである場合、割当手段1512は、他のユーザが5Gユーザであると判定する。
ステップS2において、他のユーザが5Gユーザでないと判定されたとき、割当手段1512は、上述した方法によって相互干渉cESG/ESOを演算し(ステップS3)、1/x=NO/ESOを演算する(ステップS4)。なお、NO/ESOは、OFDMの信号対雑音電力比の逆数である。
その後、割当手段1512は、相互干渉がOFDMの信号対雑音電力比の逆数(=1/x=NO/ESO)よりも十分に小さくなるようにエネルギーESG(=送信電力P_GFDM)を決定する(ステップS5)。
ここで、相互干渉がOFDMの信号対雑音電力比の逆数(=1/x=NO/ESO)よりも十分に小さくなるとは、例えば、図10に示すように、OFDMの干渉による信号対雑音電力比x’が0.1〜0.3dB程度の範囲になることを言う。
そして、ステップS2において、ユーザが5Gユーザであると判定されたとき、またはステップS5の後、一連の動作が終了する。
ステップS2において、ユーザが5Gユーザであると判定されたときに終了することにしたのは、他のユーザが5Gユーザであれば、干渉が生じないので、送信電力P_GFDMを調整する必要がないからである。
上述したように、この発明の実施の形態においては、4G端末である端末装置5,6と5G端末である端末装置2〜4とが無線通信を行う場合に、端末装置2〜4と端末装置5,6との相互干渉がOFDMの信号対雑音電力比の逆数よりも十分に小さくなるように端末装置2〜4の送信電力P_GFDMおよび周波数を割り当てる。
従って、相互干渉を抑えるように端末装置2〜4の電力および周波数を割り当てることができる。
上記においては、相関係数cは、固定であることを前提として送信電力P_GFDMおよび周波数の割当について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、相関係数cを変えてもよい。
図13は、周波数帯域の概念図である。図13を参照して、OFDMの周波数帯域とGFDMの周波数帯域とが通常配置である場合、OFDMの周波数帯域とGFDMの周波数帯域との間の周波数間隔は、ΔfGである((a)参照)。
割当手段1512は、5Gユーザに応じて、相関係数cを変化させる。より具体的には、割当手段1512は、ある5Gユーザに対しては、GFDMの周波数帯域のうち、OFDMの周波数帯域と反対側の周波数帯域に配置された送信シンボルを高次変調し、OFDMの周波数帯域側に配置された送信シンボルを低次変調するように相関係数cを低く設定し(図13の(b)参照)、送信電力P_GFDMおよび周波数を決定する。
また、割当手段1512は、別の5Gユーザに対しては、OFDMの周波数帯域とGFDMの周波数帯域との間の周波数間隔Δfが周波数間隔ΔfGよりも大きくなるように相関係数cを低く設定し(図13の(c)参照)、送信電力P_GFDMおよび周波数を決定する。相関係数cは、周波数間隔Δfに応じて変化し、周波数間隔Δfが大きくなれば、低くなり、周波数間隔Δfが小さくなれば、高くなる。
相関係数cがc1からc2に低くなれば、式(16)を満たすエネルギーESG(=送信電力P_GFDM)は、相関係数cがc1であるときのエネルギーESG_c1よりも大きくなり得る。その結果、端末装置2〜4に割り当てる送信電力P_GFDMをより大きくできる。
なお、図13の(c)に示すように、周波数間隔Δfを大きくすると、周波数利用効率が低下するが、この発明の実施の形態においては、常時、周波数間隔Δfを大きくのではなく、ある5Gユーザに対してだけ、周波数間隔Δfを大きくするので、無線通信全体で考えた場合、周波数利用効率が低下することはない。
また、割当手段1512は、4G端末と5G端末との割合を求め、その求めた割合に応じて相関係数cを変化させる。
例えば、割当手段1512は、5G端末の割当が0.5よりも大きい場合、相関係数cを標準値c0よりも小さく設定し、送信電力P_GFDMを決定し、5G端末の割当が0.5以下である場合、相関係数cを標準値c0以上に設定し、送信電力P_GFDMを決定する。
このように、この発明の実施の形態においては、5Gユーザに応じて、相関係数cを変化させてもよい。これにより、相関係数cを固定したときの問題点である「5Gユーザの送信電力P_GFDMが低く抑えられる」という問題を解決できる。
この発明の実施の形態においては、割当装置151の動作をソフトウェアによって実現してもよい。
この場合、割当装置151は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。そして、ROMは、図12に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProgを記憶する。
CPUは、ROMからプログラムProgを読み出し、その読み出したプログラムProgを実行して、5Gユーザの送信電力P_GFDMおよび周波数を割り当てる。
また、プログラムProgは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProgを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProgを読み出して実行し、5Gユーザの送信電力P_GFDMおよび周波数を割り当てる。
従って、プログラムProgを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
上記においては、非直交マルチキャリアの無線通信方式としてGFDMを用いて説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、非直交マルチキャリアの無線通信方式は、FBMC(Filter Bank Multi-Carrier)またはUFMC(Universal Filtered Multi-Carrier)であってもよく、非直交マルチキャリアであれば、どのような無線通信方式であってもよい。
また、上記においては、直交マルチキャリア方式(OFDM)の無線通信方式と、非直交マルチキャリア方式(GFDM)の無線通信方式とが混在する場合について説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、第1の無線通信方式と、第1の無線通信方式よりも次世代用の無線通信方式である第2の無線通信方式とが混在する場合に、割当手段1512が第2の無線通信方式によって無線通信を行う端末装置に上述した方法によって送信電力および周波数を割り当てるようにしてもよい。
従って、この発明の実施の形態による割当装置は、第1の無線通信方式によって無線通信を行う第1の端末装置と、第1の無線通信方式よりも次世代用の無線通信方式である第2の無線通信方式によって無線通信を行う第2の端末装置とが混在する無線通信環境において第2の端末装置が使用する電力および周波数を割り当てる割当装置であって、第1の無線通信方式におけるチャネルにおける変調シンボル当たりのエネルギーに対する、第2の無線通信方式におけるチャネルにおける変調シンボル当たりのエネルギーの比に相関係数を乗算した相互干渉を演算するとともに、第1の無線通信方式によって無線通信を行うときの信号対雑音電力比の逆数を演算する演算手段と、相互干渉が信号対雑音電力比の逆数よりも十分に小さくなるように第2の端末装置が使用する電力および周波数を割り当てる割当手段とを備えていればよい。
また、この発明の実施の形態によるコンピュータに実行させるためのプログラムは、第1の無線通信方式によって無線通信を行う第1の端末装置と、第1の無線通信方式よりも次世代用の無線通信方式である第2の無線通信方式によって無線通信を行う第2の端末装置とが混在する無線通信環境において第2の端末装置が使用する電力および周波数の割当をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、 第1の無線通信方式によって無線通信を行う第1の端末装置と、前記第1の無線通信方式よりも次世代用の無線通信方式である第2の無線通信方式によって無線通信を行う第2の端末装置とが混在する無線通信環境において前記第2の端末装置が使用する電力および周波数の割当をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、演算手段が、第1の無線通信方式におけるチャネルにおける変調シンボル当たりのエネルギーに対する、第2の無線通信方式におけるチャネルにおける変調シンボル当たりのエネルギーの比に相関係数を乗算した相互干渉を演算するとともに、第1の無線通信方式によって無線通信を行うときの信号対雑音電力比の逆数を演算する第1のステップと、割当手段が、相互干渉が信号対雑音電力比の逆数よりも十分に小さくなるように第2の端末装置が使用する電力および周波数を割り当てる第2のステップとをコンピュータに実行させればよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。