JP6663267B2 - 鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法及び装置 - Google Patents

鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明は、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する荷重のうち、車両進行方向の前後方向の荷重、すなわち縦クリープ力を測定する方法、及びこの測定方法を実施する装置に関するものである。
車輪と車軸が一体の輪軸を備えた台車の場合、曲線区間を通過する際に、後軸の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力は、台車をヨー方向に回転する力を発生させて先頭軸外軌側の横圧を増加させる方向に作用する(非特許文献1)。
前記横圧が増加すると、曲線区間を通過する際に脱線しやすくなる。従って、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する荷重のうち、前記縦クリープ力を測定することは、鉄道車両の曲線通過性能を向上するうえで大変有用である。
また、車輪が摩耗して曲線通過時に輪径差がとれなくなった場合は縦クリープ力が変化する。従って、縦クリープ力を測定することによって、車輪の摩耗状況を評価することもできる(非特許文献2)。
さらに、操舵台車では、操舵が適切に行われる場合は作用する縦クリープ力が小さいが、操舵が適切に行われない場合は作用する縦クリープ力が大きくなる。従って、縦クリープ力を測定することで操舵台車における操舵装置の異常を検知することができる(非特許文献3)。
また、操舵を行わない通常の台車の場合も、例えば軸箱の前後方向の支持装置が破断して異常が発生すると、走行条件、走行速度が同一であっても縦クリープ力が大きく変化する。従って、通常の台車の場合も、縦クリープ力を測定することで、異常を検知することができる。特に直線区間では、軸箱の前後支持が正常でない場合は、軸箱の前後支持が正常な場合と比較して作用する縦クリープ力が大きくなるので、直線区間で地上側から縦クリープ力を測定することは有効である。
この鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力を測定する方法として、車輪に発生するひずみや、モノリンク式軸箱支持装置を備えた台車におけるモノリンク力から測定する方法が開示されている(例えば特許文献1、非特許文献4)。
特許文献1、非特許文献4に開示されているように、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力の測定は、従来、車上側から行われていた。そのため、レールと車輪間の潤滑条件を地上側から変更した場合も、縦クリープ力の変化の確認を車上側で行わなければならず、変更した潤滑条件が最適かどうかの確認をタイムリーに行うことができなかった。また、縦クリープ力から車輪摩耗状況や軸箱の前後方向の支持を行うモノリンクの異常を検知しようとする場合、車両毎にモノリンクの荷重を測定する必要があった。
特許第5034666号公報
「後軸に独立車輪を用いた非対称台車の運動性能に関する基礎研究」、技術誌住友金属、Vol.50 No.3(1998)、p4〜8 「車輪およびレールの摩耗形状が急曲線通過性能に及ぼす影響」、第19回鉄道技術連合シンポジウム講演論文集、2012.12、p677〜680 「地下鉄用新操舵台車の開発」、第17回鉄道技術連合シンポジウム講演論文集、2010.12、p191〜194 「車輪接線力モニタリングによる摩擦調整材噴射制御システム(軸箱支持装置に作用する荷重を利用したフィードバック制御)」、Research & Development、社団法人日本鉄道車両機械技術協会、2010.6、p10〜14
本発明が解決しようとする問題点は、従来は、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力を地上側から測定する技術は提案されていなかったという点である。
本発明の目的は、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力を地上側から測定可能にすることである。
鉄道車両の走行時に車輪がレールに接触した際、レールに発生する応力には、輪重による応力、横圧による応力、縦クリープ力による応力、スピンによる応力の4つがある。
上記応力のうち、スピンによる応力の影響は元々少ないので、無視することができる。また、横圧による応力の影響がある場合は、例えば図8(a)に示す位置にひずみゲージ4a,4bを貼付し、このひずみゲージ4a,4bを図8(b)に示すように結線してホイートストンブリッジ回路Bを組むことで、除去することができる。すなわち、レール1のウェブ1aの表裏面の、レール1の横断面における幅方向中心線CLに対して線対称となる位置にひずみゲージ4a,4bを貼付することで、横圧による応力の影響を除去することができる。なお、図8中のRはダミー抵抗である。
従って、車輪がレールに接触した際にレールに発生する応力のうちの、輪重による応力と縦クリープ力による応力を分離することができれば、レールに発生する応力から縦クリープ力を測定することができる。
本発明は上記考えに基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、レールを支える枕木の隣り合う枕木間の中間位置に輪重を負荷し、前記中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ等間隔隔てた2か所においてレールに発生する主応力方向の応力(主応力)を測定する。
負荷した輪重により発生する応力の場はレールの敷設方向前後で対称になるため、輪重によるレールの主応力は同一となる。従って、レールの敷設方向前後2か所の測定位置で輪重によりレールに発生する主応力を測定し、これら測定した主応力の差をとることで輪重による主応力が除去され、残った主応力差は縦クリープ力によるものとなる。
よって、前記2か所の測定位置において測定された主応力の、輪重を隣り合う枕木間の中間に負荷した場合の差(以下、前後の主応力差という)と、縦クリープ力を負荷した場合の前後の主応力差の関係を理論解析又は有限要素解析(以下、FEM解析という。)により予め求めておけば、この予め求めておいた関係と前記測定した縦クリープ力による主応力から縦クリープ力を得ることができる。これが本発明の縦クリープ力測定方法である。
上記本発明では、前記主応力の測定を、レールの横断面の幅方向中心線に対して線対称となるレールのウェブの表裏面で行えば、これら測定子を結線したブリッジ回路を組むことで、横圧による応力の影響を除去することができる。
上記本発明方法は、
レールを支える枕木の隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ等間隔隔てた2か所で、前記敷設方向の前後対称に貼付されてレールの主応力を測定する測定子と、
鉄道車両の車輪が、前記中間位置を通過することを検知する手段と、
前記車輪が前記中間位置を通過したときに、前記測定子によって測定した、前後2か所の測定位置における主応力の平均と差をとることで、前記主応力の平均である輪重による主応力と、前記主応力の差である縦クリープ力による主応力に分離し、この分離した縦クリープ力による主応力を、予め求めておいた輪重を等分に負荷した場合の主応力の前後差と、縦クリープ力を負荷した場合の主応力の前後差の関係から換算して縦クリープ力を得る演算器と、
を備えた本発明の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置を用いて実施する。
本発明において、車輪が隣り合う枕木間の中間位置を通過したときに、従来の輪重測定や横圧測定のようなせん断ひずみではなく、レールの主応力を測定するのは、輪重と縦クリープ力は作用方向が垂直であり、この場合、測定応力が輪重による主応力であれば、縦クリープ力による応力も主応力となって、測定が困難なせん断応力成分が含まれず、平均演算処理、差分演算処理をそのまま実施することができるからである。
但し、レールの主応力を測定する場合、平均をとると輪重の比例応力に、差をとると縦クリープ力の比例応力に分離できるのは、前記中間位置のみとなる。
本発明において、鉄道車両の車輪が隣り合う枕木間の中間位置を通過することの検知は、例えば、前記中間位置のレール底部に単軸のひずみゲージをレールの敷設方向に貼付して、車輪通過時の応力のピーク値で判断したり、通過する車輪をレーザ変位計で検知すればよい。
また、測定現場で、縦クリープ力による主応力の実測値を得るには、較正のため、車輪とレールの接触位置にせん断荷重を負荷する必要があるが、レールに対してせん断方向に荷重を負荷するのは困難である。
本発明では、輪重によりレールに発生する主応力と、縦クリープ力によりレールに発生する主応力の関係を、理論解析又はFEM解析により事前に演算しておく。これにより、現場で輪重を較正することで、事前に演算しておいた関係に基づき、縦クリープ力の較正値を現場で得ることができる。
例えば、「在来鉄道運転速度向上試験マニュアル・解説(運輸省鉄道局監修 鉄道総合技術研究所編)」の102〜112頁に記載されている既知の輪重較正方法を用いて、車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力の較正が行え、縦クリープ力の測定が可能になる。
本発明では、車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力の測定において、レールに輪重方向の荷重を負荷することで、縦クリープ力の較正結果を得ることができるので、地上から車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力の測定が可能になる。
従って、地上側からレールの踏面に油や潤滑材の塗布を行う場合、地上側で縦クリープ力を測定することができるので、タイムリーにその測定結果をフィードバックして油や潤滑材の塗布量を最適に制御することができる。また、縦クリープ力を測定する地点上を通過する全ての車両における軸箱の前後方向の支持を行うモノリンクの状態を、地上側からモニタリングすることができる。
また、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等の車用識別装置と一体で使用することで、レール上を走行する全車両の踏面状態、軸箱前後支持状態を、より効率的にモニタリングすることができる。
本発明の縦クリープ力測定方法とその装置の第1の例を説明する図で、(a)はレールの側面から見た図、(b)は斜め上方から見た図である。 (a)は本発明において縦クリープ力を測定する時のホイートストンブリッジ回路を示した図、(b)は本発明において、縦クリープ力の較正のために負荷したレールへの垂直荷重を測定する時のホイートストンブリッジ回路の一例を示した図である。 隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向前方に0.2m隔てた位置での輪重による最大主応力の一例を示した図である。 隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向後方に0.2m隔てた位置での輪重による最大主応力の一例を示した図である。 隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向前方に0.2m隔てた位置での縦クリープ力による最大主応力の一例を示した図である。 隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向後方に0.2m隔てた位置での縦クリープ力による最大主応力の一例を示した図である。 (a)(b)は、本発明において、隣り合う枕木間の中間位置を車輪が通過したことの検知手段の他の例を説明するレールの側面から見た図である。 (a)はレールに発生する横圧による応力の影響を除去するためのひずみゲージの貼付位置の一例を示した図、(b)は(a)のひずみゲージを結線したホイートストンブリッジ回路の一例を示した図である。
本発明では、鉄道車両の車輪とレールの接触部に作用する縦クリープ力を地上側から測定可能にすることを目的としている。そして、その目的を、地上側に設置した測定子によってレールに発生する主応力を測定し、予め求めておいた輪重と縦クリープ力による前後の主応力差の関係から換算して縦クリープ力を得ることで実現した。
以下、本発明の着想から課題解決に至るまでの経過について説明した後、本発明の第1の実施例を図1及び図2を用いて説明する。
ロングレールに発生する軸力を測定する技術は従来から存在する。この軸力は鉄道車両の通過によって発生するものではないので、その測定は地上側から行っている。
一方、鉄道車両の通過により車輪とレールの接触位置に荷重が加わったときにレールに発生する応力も、例えばレールにひずみゲージを貼付することで地上側から測定することができる。
しかしながら、レールにひずみゲージを貼付し、地上側から車輪とレールの接触位置に加わった荷重を測定する場合、現場において実際に油圧ジャッキ等を用いて荷重を負荷し、較正を行わないと正確な値は分からない。
レールに対して垂直方向に作用する輪重(荷重)は、先に説明した「在来鉄道運転速度向上試験マニュアル・解説」の105頁に記載されているように、現場で荷重を負荷して較正することができる。一方、縦クリープ力の作用方向は、レールに対してせん断方向になるため、油圧ジャッキ等を用いて荷重を負荷することができず、現場で較正することができない。
しかしながら、輪重によりレールに発生する主応力と、縦クリープ力によりレールに発生する主応力の関係は、理論解析又はFEM解析で求めることができる。従って、前記関係を予め理論解析又はFEM解析により求めておけば、縦クリープ力によりレールに発生する主応力を、輪重の較正と同様に、レールの垂直方向から油圧ジャッキ等を用いて現場で負荷して較正することができる。
本発明は、発明者らの上記考えに基づいてなされたものである。
例えば、図1に示すように、レール1を支える枕木2の、隣り合う枕木2の間の中間位置Pcからレール1の敷設方向の前方及び後方に向かってそれぞれ等間隔、例えば0.2m隔てた位置P1,P2で、鉄道車両の車輪3が前記中間位置Pcを通過したときのレールの主応力を測定する。
前記位置P1,P2における主応力の測定は、例えば、図1(b)に示すように、前記敷設方向の前後対称に、かつ、レール1を横断面した場合のレール1の幅方向の中心線CLに対して線対称となるウェブ1aの表裏面に、単軸のひずみゲージ4A1,4B1と4A2,4B2を貼付して行う。
図1では、前記ひずみゲージ4A1,4B1と4A2,4B2を輪重作用時の主応力方向に貼付してレール1に発生する主応力を測定する例を示している。その際、前記ひずみゲージ4A1,4B1と4A2,4B2は、それぞれ中間位置Pc方向に例えば45°斜め上向きに貼付している。これは、実作業においては、45°斜め上向きの場合、作業性が良いためである。
また、図1では、このひずみゲージ4A1,4B1と4A2,4B2を、レール1のウェブ1aの高さ方向中心位置付近に貼付している。これは、垂直荷重によってレール1に作用する曲げ応力が小さく、曲げ応力によるノイズの影響を小さくできるからである。
また、図1では、鉄道車両の車輪3が前記中間位置Pcを通過したことをレーザ変位計5で検知するものを示している。そして、この車輪3の通過を検知したときに、前記ひずみゲージ4A1,4B1と4A2,4B2によってそれぞれの位置P1,P2におけるレールの主応力を測定し、この測定した主応力を演算器6に入力する。
この演算器6に入力する主応力は、位置P1と位置P2で測定した主応力の差をとったもので、図2(a)に示すホイートストンブリッジ回路Bを組むことで得ることができる。このように位置P1と位置P2で測定した主応力の差をとることで輪重による主応力が除去され、残った主応力差は縦クリープ力によるものとなる。
その理由は、前記中間位置Pcからレール1の敷設方向前後にそれぞれ等間隔隔てた位置P1,P2では、鉄道車両の車輪3が前記中間位置Pcを通過する際の輪重Pは同一である。一方、縦クリープ力Tによるレールひずみは、位置P1と位置P2においてその向き、すなわち符号が異なるからである。
演算器6は、前記縦クリープ力による主応力を、予め求めておいた、輪重Pによってレールに発生する主応力と、縦クリープ力Tによってレールに発生する主応力の関係から換算して縦クリープ力を求める。
この輪重Pによってレールに発生する主応力と、縦クリープ力Tによってレールに発生する主応力の関係は、理論解析又はFEM解析により演算しておくことができる。
例えば、位置P1におけるひずみゲージ4A1,4B1が水平線となす敷設方向後側の角度をθ1、位置P1におけるひずみゲージ4A1,4B1から隣り合う枕木2間の中間位置Pcにおけるレール1の頭頂面の車輪3との接触位置までの距離をr1とする。また、位置P2におけるひずみゲージ4A2,4B2が水平線となす敷設方向後側の角度をθ2、位置P2におけるひずみゲージ4A2,4B2から前記接触位置までの距離をr2とする。このようにした場合、位置P1,P2における応力場の式は以下のように表すことができる。
(輪重Pによる主応力)
σr=(2P/π)×(sinθ/r)=εP・E
(縦クリープ力Tによる主応力)
σr=(2T/π)×(cosθ/r)=εQ・E
すなわち、位置P1では、輪重Pによるひずみ、縦クリープ力Tによるひずみは以下のようになる。
ε1P=(2P/πE)×(sinθ1/r1)=K1・P・sinθ1
ε1Q=(2T/πE)×(cosθ1/r1)=K1・Q・cosθ1
但し、K1=2/πr1
また、位置P2では、輪重によるひずみ、縦クリープ力によるひずみは以下のようになる。
ε2P=(2P/πE)×(sinθ2/r2)=K2・P・sinθ2
ε2Q=(2T/πE)×(cosθ2/r2)=K2・T・cosθ2
但し、K2=2/πr2
よって、位置P1,P2にひずみゲージを貼付したときのそれぞれの測定値(主応力)は、下記式で表すことができる。
ε1=K1・P・sinθ1+K1・T・cosθ1
ε2=K2・P・sinθ2+K2・T・cosθ2
位置P1,P2における測定値を求める式において、r1=r2=r、θ1=θ、θ2=π−θのとき、輪重Pと縦クリープ力Tは、以下の式で求めることができる。
P=(1/Ksinθ)×(ε1+ε2
T=(1/Kcosθ)×(ε1−ε2
従って、上記した式により、輪重Pによる主応力と、縦クリープ力Tによる主応力の関係を、予め求めておくことができる。
この輪重Pと縦クリープ力Tによる主応力の関係は、縦クリープ力による主応力を縦クリープ力に換算するだけでなく、図2(b)に示すホイートストンブリッジ回路Bに変更することで、現場で輪重を較正して縦クリープ力を現場で較正することもできる。
図3〜図6は30kNの輪重を作用させたときのレールに発生する主応力をFEM解析した結果を示した図である。このFEM解析に使用したレールは、50kgNレールで、道床のヤング率はコンクリート直結道床を想定して19600MPaとし、レールのヤング率は206GPaとした。
前記条件で行ったFEM解析によれば、主応力が45°の方向となるのは、図3〜図6に示したように、荷重点から前後方向に90mmの点であった。
道床をバラスト道床と想定し、ヤング率を27.9〜47.9MPaとして同様のFEM解析を行ったところ、荷重点から前後方向に85〜120mmの範囲で主応力がほぼ45°の方向となった。
このFEM解析の結果より、位置P1,P2は、中間位置Pcからレールの敷設方向前後にそれぞれ85〜120mmの範囲内に設定することが望ましいことがわかる。
また、下記表1は、図1に示したように、位置P1と位置P2において前後対称に、中間位置Pcに向けて45°上向き方向にひずみゲージを貼付し、中間位置Pcに以下の荷重を作用させたときの45°方向の主応力を示したものである。
(作用させた荷重)
・30kNの輪重
・10kNの縦クリープ力
・30kNの輪重と10kNの縦クリープ力の合成荷重
Figure 0006663267
上記表1より、30kNの輪重と10kNの縦クリープ力の合成荷重を作用させた時の、位置P1と位置P2の平均は−10.75MPaで、位置P1と位置P2の差は3.5MPaである。これらの値は、それぞれ30kNの輪重を作用させた場合と10kNの縦クリープ力を作用させた場合の主応力に対応していることがわかる。
本発明は上記の例に限らず、各請求項に記載された技術的思想の範疇であれば、適宜実施の形態を変更しても良いことは言うまでもない。
上記の実施例では単軸のひずみゲージを用いて主応力を測定しているが、2軸のひずみゲージや3軸のひずみゲージを用いて主応力を測定してもよい。2軸のひずみゲージや3軸のひずみゲージを採用する場合、測定出力から主応力を求めてもよいし、位置P1,P2に貼付するひずみゲージの位置を主応力向きになるように調整し、単軸のひずみゲージとして使用してもよい。
また、鉄道車両の車輪3が中間位置Pcを通過したことの検知はレーザ変位計5に限らず、図7に示すように、隣り合う枕木間の中間位置のレール1にひずみゲージ4Cを貼付し、測定応力のピーク値で車輪の通過を検知してもよい。この場合、ひずみゲージ4Cは、図7(a)に示すように、レール1のウェブ1aの高さ方向中心位置に高さ方向に貼付しても、図7(b)に示すように、レール1の底面にレール1の敷設方向に貼付してもよい。
また、上記の実施例では、主応力を測定して縦クリープ力を得ているが、主ひずみから縦クリープ力を得るようにしてもよい。
また、上記の実施例では、ひずみゲージを用いて主応力を測定しているが、主応力又は主ひずみを測定できるものであれば、光ファイバーセンサーや表面弾性波センサー等、ひずみゲージ以外の測定子を使用してもよい。
また、本発明を用いて曲線区間走行中の縦クリープ力を地上から測定することで、レール上を走行する車両の車輪の踏面摩耗をモニタリングすることもできる。
また、本発明を用いて直線区間走行中の縦クリープ力を地上から測定することで、走行する車両の軸箱の前後指示状態をモニタリングすることもできる。
1 レール
2 枕木
3 車輪
4A1,4B1,4A2,4B2 ひずみゲージ
4C ひずみゲージ
5 レーザ変位計
6 演算器
Pc 中間位置
P1 敷設方向前方の位置
P2 敷設方向後方の位置
B ホイートストンブリッジ回路
P 輪重
T 縦クリープ力
CL レールの幅方向中心線

Claims (14)

  1. レールを支える枕木の隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ等間隔隔てた2か所において、鉄道車両の車輪が前記中間位置を通過したときに、レールに発生する主応力又は主ひずみを測定し、
    これら測定した2か所における前記主応力又は主ひずみの差を、理論解析又は有限要素解析により事前に求めておいた、輪重により発生する主応力又は主ひずみと、縦クリープ力により発生する主応力又は主ひずみの関係に基づき、縦クリープ力に換算することを特徴とする鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  2. 前記2か所における主応力又は主ひずみの測定は、レールを横断面した場合の幅方向中心線に対して線対称となるレールのウェブの表裏面の位置で行うことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  3. 前記輪重を較正することで、前記事前に求めておいた前記関係に基づき、前記縦クリープ力を較正することを特徴とする請求項1又は2に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  4. 前記2か所の位置は、前記中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ85〜120mm隔てた位置であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  5. 前記主応力又は主ひずみの測定は、前記2か所の位置のレールの高さ方向中心位置において、前記中間位置におけるレールの頭頂面に向かう45°斜め上向き方向に貼付したひずみゲージで行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  6. 前記ひずみゲージは、単軸、2軸、3軸の何れかであることを特徴とする請求項5に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  7. 鉄道車両の車輪が隣り合う枕木間の中間位置を通過したことの検知は、レーザ変位計で行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  8. 鉄道車両の車輪が隣り合う枕木間の中間位置を通過したことの検知は、前記中間位置でレールのウェブに高さ方向に又はレールの底面にレールの敷設方向に貼付したひずみゲージを用いて検知した車輪通過時の応力のピーク値で行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定方法。
  9. レールを支える枕木の隣り合う枕木間の中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ等間隔隔てた2か所で、前記敷設方向の前後対称に貼付されてレールの主応力又は主ひずみを測定する測定子と、
    鉄道車両の車輪が、前記中間位置を通過することを検知する手段と、
    前記車輪が前記中間位置を通過したときに、前記測定子によって測定した、前後2か所の測定位置における主応力又は主ひずみの平均と差をとることで、前記主応力又は主ひずみの平均である輪重による主応力又は主ひずみと、前記主応力又は主ひずみの差である縦クリープ力による主応力又は主ひずみに分離し、この分離した縦クリープ力による主応力又は主ひずみを、予め求めておいた輪重により発生する主応力又は主ひずみと、縦クリープ力により発生する主応力又は主ひずみの関係から換算して縦クリープ力を得る演算器と、
    を備えたことを特徴とする鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
  10. 前記2か所の位置は、前記中間位置からレールの敷設方向前後にそれぞれ85〜120mm隔てた位置であることを特徴とする請求項9に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
  11. 前記測定子は、単軸、2軸、3軸の何れかのひずみゲージであることを特徴とする請求項9又は10に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
  12. 前記測定子は、レールを横断面した場合の幅方向中心線に対して線対称となるレールのウェブの表裏面の位置に貼付されていることを特徴とする請求項11に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
  13. 前記測定子は、前記2か所の位置におけるレールの高さ方向中心位置から前記中間位置におけるレールの頭頂面に向かう45°斜め上向き方向に貼付されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
  14. 鉄道車両の車輪が隣り合う枕木間の中間位置を通過したことを検知する手段は、レーザ変位計、前記中間位置でレールのウェブに高さ方向に貼付したひずみゲージ、前記中間位置でレールの底面にレールの敷設方向に貼付したひずみゲージの何れかであることを特徴とする請求項9〜13の何れかに記載の鉄道車両の車輪とレール間の縦クリープ力測定装置。
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