JP6660906B2 - 乗用管理機 - Google Patents

乗用管理機 Download PDF

Info

Publication number
JP6660906B2
JP6660906B2 JP2017056452A JP2017056452A JP6660906B2 JP 6660906 B2 JP6660906 B2 JP 6660906B2 JP 2017056452 A JP2017056452 A JP 2017056452A JP 2017056452 A JP2017056452 A JP 2017056452A JP 6660906 B2 JP6660906 B2 JP 6660906B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
boom
nozzle
controller
valve
lever
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017056452A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018157775A (ja
Inventor
大悟 鈴木
大悟 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maruyama Manufacturing Co Inc
Original Assignee
Maruyama Manufacturing Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Maruyama Manufacturing Co Inc filed Critical Maruyama Manufacturing Co Inc
Priority to JP2017056452A priority Critical patent/JP6660906B2/ja
Publication of JP2018157775A publication Critical patent/JP2018157775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6660906B2 publication Critical patent/JP6660906B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Catching Or Destruction (AREA)
  • Special Spraying Apparatus (AREA)

Description

本発明は、ブームスプレーヤ等の乗用管理機に関する。
この分野の技術として、特許文献1に記載されるように、散布作業車のブーム伸縮装置が知られている。散布作業車は左右の散布ブームを備えており、各散布ブームは、固定散布ブームと、この固定散布ブームに対して長手方向に移動自在に取り付けられた移動散布ブームとを備えている。固定散布ブームおよび移動散布ブームには、所定間隔をおいて複数の散布ノズルが設けられている。ブーム伸縮装置は、固定散布ブームの側端の散布ノズルよりも突出する移動散布ブームの散布ノズルの個数を増減させることができるノズル設定手段を備えている。操縦席の側方に設けられた操作パネルには、伸縮スライドスイッチ、増スイッチ及び減スイッチ等が設けられている。
特開2012−90593号公報
上記した従来の技術では、作業者は、伸縮スライドスイッチを操作して、ブームを伸縮させる。これにより、薬剤の散布幅(作業幅)を圃場の幅に合わせて防除作業が行われる。しかし、作業車は、スイッチを調整しながら散布幅を変更する必要がある。すなわち、作業機の中央から左右のブームの先端を見ながら調整を行うため、散布幅を確認しにくい。調整を失敗した場合には、必要な箇所に薬剤が散布されず、その結果、未防除箇所が発生し得る。これとは逆に、不要な箇所に薬剤が散布されると、薬害が発生したり、防除計画に基づき調合された薬剤が不足したりといった事象を招き得る。
これらを避けるため、たとえば、長さ確認用のポールが圃場に設置されることがある。また、慣れない作業者であれば、いったん作業機を降り、ブームの先端まで行って散布幅を確認したり、他の作業者に散布幅を確認してもらったりといった煩わしい作業を行わねばならない。
本発明は、散布幅を容易に調整することができる乗用管理機を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、車両(2)に対して取り付けられたサイドブーム(50)と、サイドブーム(50)に沿って設けられ、複数のノズル(90)が取り付けられた送液管(60)とを備え、薬剤タンク(10)から薬剤を吸引し送液管(60)に圧送してノズル(90)から薬剤を噴射させる乗用管理機(1)において、サイドブーム(50)は、車両(2)に対して取り付けられた第一ブーム(51)と、第一ブーム(51)に取り付けられて第一ブーム(51)の長手方向に延在し、第一ブーム(51)に対して長手方向に移動可能である第二ブーム(52)とを有し、送液管(60)は、第一ブーム(51)に沿って設けられた第一送液管(61)と、第二ブーム(52)に沿って設けられた第二送液管(62)とを有し、ノズル(90)は、第一送液管(61)に取り付けられた複数の第一ノズル(91)と、第二送液管(62)に取り付けられた複数の第二ノズル(92)とを有し、第一ブーム(51)に対して第二ブーム(52)を移動させるための駆動機構(100)と、第二ブーム(52)が後退した初期位置に位置することを検出するための初期位置センサ(112)と、第一ブーム(51)に対する第二ブーム(52)の変位量を検出するための変位量センサ(111)と、初期位置センサ(112)および変位量センサ(111)からの入力に基づいて駆動機構(100)を制御するコントローラ(201)と、を備え、第一送液管(61)および第二送液管(62)が重なり得る範囲に設けられた第一ノズル(91)または第二ノズル(92)には、薬剤の噴射経路を開閉する開閉弁(94)が設けられ、開閉弁(94)には、先端部(96e)が長手方向に移動されることで開閉弁(94)を開閉させるレバー(96)が連結され、第一ブーム(51)および第二ブーム(52)の何れか一方は、開閉弁(94)が設けられた何れか他方に向けて延びるアーム部(53)と、アーム部(53)の先端に設けられ、第二ブーム(52)が長手方向に移動する際にレバー(96)の先端部(96e)に当接可能な作動部(54)とを有し、コントローラ(201)は、作動部(54)がレバー(96)の先端部(96e)を乗り越えた位置で第二ブーム(52)が停止するように駆動機構(100)を制御する
この乗用管理機(1)によれば、サイドブーム(50)は、第一ブーム(51)の長手方向に移動可能な第二ブーム(52)を有することにより、全体として伸縮自在である。第一ブーム(51)には第一送液管(61)および第一ノズル(91)が設けられており、第二ブーム(52)には第二送液管(62)および第二ノズル(92)が設けられている。したがって、第二ブーム(52)を移動させることにより、薬剤の散布幅が調節可能になっている。第二ブーム(52)を移動させるための駆動機構(100)は、コントローラ(201)によって制御される。この制御は初期位置センサ(112)および変位量センサ(111)からの入力に基づいて行われるので、所望の散布幅を確実に実現できる。作業者の目視による散布幅の確認等は不要であり、散布幅を容易に調整することができる。また、第二ブーム(52)の移動に伴って開閉弁(94)が開閉するので、重なる範囲における重複散布が回避される。第二ブーム(52)が第一方向に移動して、作動部(54)がレバー(96)の先端部(96e)に当接した状態で第二ブーム(52)が停止したとする。その場合、第一方向とは逆の第二方向に再度第二ブーム(52)を移動させても、開閉弁(94)が閉じたまま、或いは開いたままになってしまい、所望の開閉動作が行われない。作動部(54)がレバー(96)の先端部(96e)を乗り越えた位置で第二ブーム(52)が停止するようコントローラ(201)による制御が行われるので、第二方向に第二ブーム(52)を移動した場合には、作動部(54)はレバー(96)の先端部(96e)に再度当接して先端部(96e)は第二方向に移動される。よって、開閉弁(94)の開閉が確実に切り替わり、上記したような不具合は回避される。
乗用管理機(1)が、第二ブーム(52)の進出量または進出量によって決まるサイドブーム(50)の長さに関する指示値を入力するための入力装置(210,220)を更に備え、コントローラ(201)は、第二ブーム(52)の進出量またはサイドブーム(50)の長さが、指示値に応じた値となるように駆動機構(100)を制御する。この場合、入力装置(210,220)を用い、コントローラ(201)に対して任意の数値を指示値として入力することで、サイドブーム(50)の長さを意図した長さに容易に調整することができる。
乗用管理機(1)が、第二ブーム(52)の進出量または進出量によって決まるサイドブーム(50)の長さに関する情報を表示する表示装置(80)を更に備える。この場合、作業者は表示装置(80)を見るだけで、サイドブーム(50)の長さを容易に確認することができる。
本発明のいくつかの態様によれば、散布幅を容易に調整することができる。
本発明のブームスプレーヤの一実施形態を示す右側面図である。 図1のブームスプレーヤを示す平面図である。 図1のブームスプレーヤにおける配管系統の概略構成を示す図である。 サイドブームを示す斜視図である。 サイドブームの駆動機構の概略構成を示す図である。 アーム部および作動部の周辺構造を示す図である。 制御システムの構成例を示すブロック図である。 図8(a)および図8(b)は、開閉弁が閉じられた状態および開かれた状態をそれぞれ示す図である。 ユーザインターフェースの一例を示す図である。 制御システムによる基本制御の一例を示すフロー図である。 制御システムによるサイドブームの伸長制御の一例を示すフロー図である。 制御システムによるサイドブームの縮退制御の一例を示すフロー図である。 図13(a)〜図13(d)は、レバーに対する作動部の動きをそれぞれ示す図である。 制御システムによる基本制御の別の例を示すフロー図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1および図2を参照して、一実施形態に係るブームスプレーヤ1の基本構成について説明する。ブームスプレーヤ1は、車両2と、薬液散布装置であるブームノズル装置3とを備えた自走式の乗用管理機である。ブームスプレーヤ1は、圃場において車両2を走行させながら、薬液タンク10に貯留された薬液(薬剤)を散布する。以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」は、特に断らない限り、ブームスプレーヤ1を基準とする。
車両2は、前後方向に長い矩形状の車体フレーム4を有している。車体フレーム4の前部および後部のそれぞれには、車両2の幅方向に延びるフロントアクスル(前車軸)8およびリアアクスル(後車軸)9が取り付けられている。フロントアクスル8およびリアアクスル9のそれぞれには、上下方向に延びるナックル8a,9aを介して、前輪6および後輪7が取り付けられている。ブームスプレーヤ1では、これらの前輪6および後輪7の駆動回転により、四輪駆動の走行が可能となっている。
前輪6および後輪7としては、細幅の車輪が用いられる。ナックル8a,9aとしては、ロングタイプのナックルが用いられている。ブームスプレーヤ1は、いわゆるハイクリアランス型のブームスプレーヤであり、圃場において作物を跨いで走行することが可能になっている。フロントアクスル8およびリアアクスル9の長さ、および、前輪6と後輪7の左右方向の間隔は、圃場の畝間の大きさに応じて、適宜決定される。
車体フレーム4には、その前後方向の中央部において、薬液タンク10が配設されている。薬液タンク10は、フロントアクスル8とリアアクスル9との間に配置されている。薬液タンク10の上面の中央には、薬液投入口の蓋10aが設けられている。薬液タンク10の前端部の中央には、凹部が形成されており、この凹部に、運転者が着座する運転席11が設けられている。薬液タンク10の後方には、エンジンルーム13が設けられている。車体フレーム4の左側の端部には、下方に向けて延びる乗降用ステップ20が固定されている。
車体フレーム4の前端部には、運転席11の前側に間隔をおいて、運転操作のための操作機器および薬液(薬液)散布のための操作機器を備えた操作機器部12が配設されている。操作機器部12は、車両2の操舵を行うためのハンドル23と、ブームノズル装置3を操作するためのブーム操作部24と、後述する調圧弁16を制御し薬液の圧力を調整するための調圧ハンドル26とを有する。ブーム操作部24および調圧ハンドル26は、たとえば、ハンドル23の右側に配置されている。ブーム操作部24は、サイドブーム50の開閉操作を行うためのブーム移動レバー27と、サイドブーム50の伸縮操作を行うためのブーム伸縮スイッチ28とを含む。ブーム伸縮スイッチ28は、左右一対のサイドブーム50にそれぞれ対応する2つのスイッチを含む。
車体フレーム4には、操作機器部12の前方に、上記したブームノズル装置3が取り付けられている。ブームノズル装置3の左右方向の中央部は車体フレーム4によって支持されており、ブームノズル装置3は振り子状に揺動可能になっている。より詳細には、車体フレーム4の前端部には、四節リンク装置41が前方に延びるように設置されている。ブームノズル装置3は、四節リンク装置41およびブーム吊下機構42を介して、車体フレーム4によって支持されている。この四節リンク装置41が昇降用シリンダ43の伸縮動作により作動されることにより、四節リンク装置41の前側リンクに固定されたブームノズル装置3のセンターブーム40が昇降移動されるようになっている。これにより、ブームノズル装置3の上下方向の位置が調節される。
運転席11の前方には、表示装置80が設けられている。表示装置80は、液晶表示装置等からなるディスプレイ81(図9参照)を有している。ディスプレイ81は、7セグメントディスプレイ等を含んでもよい。表示装置80には、第二ブーム52の進出量または第二ブーム52の進出量によって決まるサイドブーム50の長さに関する情報が表示される。図9に示される例では、左右のサイドブーム50の長さがそれぞれ表示されている。また、センターブーム40と一対のサイドブーム50,50とを含むブームノズル装置3の幅方向の全長が表示されている。なお、表示装置80がユーザインターフェースとして用いられる場合は、ディスプレイ81にサイドブーム50の指示値が表示されてもよい。その場合、表示装置80は、運転席11に着座した作業者の手が届く範囲に設けられる。表示装置80がユーザインターフェースとしては用いられず単に表示機能のみを有する場合に、ディスプレイ81に現在の情報のみが表示されてもよい。ブーム伸縮スイッチ28を用いたサイドブーム50の伸縮操作が行われる場合、現在の情報の表示は、散布幅の容易な調整を可能とする。
サイドブーム50の長さに関する情報は、第一ブーム51および第二ブーム52を含むサイドブーム50の長さであってもよい。サイドブーム50の長さに関する情報は、もっとも先端に設けられた第二ノズル92の位置から求められる散布幅であってもよい。
ブームノズル装置3は、左右方向に延びるセンターブーム40と、センターブーム40の左右両端部に連結された一対のサイドブーム50,50とを有する。
ブームノズル装置3には、センターブーム40に対してサイドブーム50,50をそれぞれ開閉するための開閉機構70,70が設けられている。開閉機構70は、センターブーム40の両端部を中心にしてサイドブーム50を回転させると共に、サイドブーム50の基端部を中心にしてサイドブーム50を回転させる。ブーム移動レバー27が操作され、サイドブーム50の開閉および上下動が順次または同時に行われることにより、サイドブーム50の展開および格納が可能になっている。
開閉機構70により、サイドブーム50は、使用状態においてセンターブーム40と一直線状となるように展開される。ブーム移動レバー27の操作により、左右のサイドブーム50は独立に開閉されることができる。
センターブーム40には、左右方向に延びるブームパイプ46が取り付けられている。ブームパイプ46は、たとえば、アルミニウムからなる押出成形品である。このブームパイプ46には、噴霧管46a(図3参照)が埋め込まれており、この噴霧管46aに、複数のノズル46bが等間隔に取り付けられている。
サイドブーム50は、車両2に対して取り付けられている。車両2とサイドブーム50との間には、四節リンク装置41、ブーム吊下機構42、センターブーム40、および開閉機構70が介在している。なお、これらが設けられず、車両2にサイドブーム50が直接に取り付けられてもよい。これらの一部が省略されて、サイドブーム50が車両2に取り付けられてもよい。
図3を参照して、ブームスプレーヤ1における配管系統について説明する。図3に示されるように、ブームスプレーヤ1は、薬液を圧送するための圧送ポンプ19を備える。薬液タンク10と圧送ポンプ19とを接続する第一供給ラインL1には、送液バルブ17、ドレンプラグ18、およびストレーナ21がこの順に設けられている。圧送ポンプ19の吐出側に接続された第二供給ラインL2には、調圧弁16が設けられている。調圧弁16には、センターブーム40の噴霧管46aにつながるセンター送液ラインL3と、サイドブーム50の送液管60につながる一対のサイド送液ラインL4,L4とが接続されている。また、調圧弁16は、第一戻りラインL5および第二戻りラインL6を介して薬液タンク10に接続されている。第一戻りラインL5にはコック15aが設けられている。第二戻りラインL6は、ジェットポンプ15の吐出側に接続されている。第二戻りラインL6にはフート弁15bが設けられる。ジェットポンプ15の吐出側であってフート弁15bの上流側に、第一戻りラインL5が合流している。
続いて、図3〜図6を参照して、サイドブーム50に係る構成について説明する。図3および図4に示されるように、ブームノズル装置3は、左右一対のサイドブーム50と、各サイドブーム50に沿って設けられた送液管60と、各送液管60に取り付けられた複数のノズル90とを備える。ブームスプレーヤ1は、薬液タンク10から薬液を吸引し送液管60に圧送して、その薬液をノズル90から噴射させる。
サイドブーム50は、基端側の第一ブーム51と先端側の第二ブーム52とを有している。第一ブーム51は、車両2に対して取り付けられている。第一ブーム51は、真っ直ぐに延びる部材であり、その断面は長手方向において略一定である。第二ブーム52は、第一ブーム51に取り付けられている。第二ブーム52は、真っ直ぐに延びる部材であり、その断面は長手方向において略一定である。
第二ブーム52は、第一ブーム51の長手方向に延在する。すなわち第二ブーム52は、第一ブーム51に隣接して、第一ブーム51に平行に設けられる。サイドブーム50が展開された状態で、第二ブーム52は、第一ブーム51の後ろ側に位置する。そして、第二ブーム52は、第一ブーム51に対して長手方向に移動可能である。これにより、サイドブーム50は全体として、伸縮自在とされている。
図5は、サイドブーム50の駆動機構100の概略構成を示す図である。駆動機構100は、第一ブーム51の基端部51aに設けられたスプロケット101と、第一ブーム51の先端部51bに設けられたワイヤローラ102と、スプロケット101に係合するチェーン103と、ワイヤローラ102に掛けられたワイヤ104とを有する。チェーン103の基端103aは、ターンバックル107を用いて第二ブーム52の基端部52aに連結されている。チェーン103の先端103bとワイヤ104の基端104aとは、ジョイント106を用いて連結されている。ワイヤ104の先端104bは、基端部52aに固定されている。
スプロケット101には、第一ブーム51の基端部51aに設けられたモータ110の出力軸が接続されており、モータ110によって、スプロケット101は回転する。スプロケット101、ワイヤローラ102、チェーン103、ワイヤ104、ジョイント106、およびターンバックル107は、モータ110および第二ブーム52を連結する連結部120を構成している。モータ110が駆動力を発生させることにより、第二ブーム52が進出または後退する。これにより、サイドブーム50が伸長または縮退する。
図4に示されるように、送液管60は、第一ブーム51に沿って設けられた第一送液管61と、第二ブーム52に沿って設けられた第二送液管62とを有する。ノズル90は、第一送液管61に取り付けられた複数の第一ノズル91と、第二送液管62に取り付けられた複数の第二ノズル92とを有する。第一ノズル91および第二ノズル92は、等間隔に取り付けられている。
第一送液管61は、第一ブーム51に埋め込まれている。たとえば、第一送液管61の半分(半円筒部分)が、第一ブーム51の側部に埋め込まれている。第一送液管61は、サイドブーム50が展開された状態で、第一ブーム51の前側に配置される。したがって、第一ノズル91は、第一ブーム51の前側に配置される。
第二送液管62は、第二ブーム52に埋め込まれている。第二送液管62の半分(半円筒部分)が、第二ブーム52の側部に埋め込まれている。第二送液管62は、サイドブーム50が展開された状態で、第二ブーム52の後ろ側に配置される。したがって、第二ノズル92は、第二ブーム52の前側に配置される。
なお、上記構成とは逆に、第一ブーム51および第一ノズル91が第一ブーム51の後ろ側に配置され、第二ブーム52および第二ノズル92が第二ブーム52の前側に配置されてもよい。第二ブーム52は第一ブーム51に対してスライドするため、ノズル同士の干渉を避けるため、第一ノズル91および第二ノズル92は、前後における逆の位置に配置される。
図3および図4に示されるように、第二送液管62には、圧送ポンプ19と第一送液管61との間のサイド送液ラインL4から分岐して設けられたコイルホース64が接続されている。コイルホース64は、螺旋状をなしており、第一ブーム51の長手方向に伸縮自在である。コイルホース64の基端部は、送液管60の基端部に設けられた薬液供給管66から分岐しており、コイルホース64の先端部は、第二送液管62の基端部に接続されている。コイルホース64は、サイドブーム50の伸縮状態に関わらず、支障なく、第二送液管62に薬液を供給する。
ブームスプレーヤ1では、第二ブーム52が移動可能であることにより、所定幅の範囲でサイドブーム50は伸縮自在である。サイドブーム50が伸縮自在であることにより、ブームスプレーヤ1における散布幅は、所定幅の範囲で調節可能になっている。ブーム伸縮スイッチ28の操作により、左右のサイドブーム50は独立に伸縮されることができる。
ここで、図7を参照して、ブームスプレーヤ1が備える伸縮制御システム200の構成例について説明する。図7に示されるように、伸縮制御システム200は、コントローラ201と、指示値を含む操作信号をコントローラ201に出力するブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220とを備える。ブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220は、第二ブーム52の進出量または第二ブーム52の進出量によって決まるサイドブーム50の長さに関する指示値を入力するための入力装置である。ブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220は、たとえば、ブーム伸縮スイッチ28に備わっている。
なお、これらのブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220は、表示装置80のディスプレイ81に表示されてもよい。すなわち、表示装置80が、第二ブーム52の進出量または第二ブーム52の進出量によって決まるサイドブーム50の長さに関する指示値を入力するための入力装置を兼ねていてもよい。
伸縮制御システム200は、第二ブーム52がもっとも後退した初期位置に位置することを検出するためのリミットスイッチ(初期位置センサ)112と、第一ブーム51に対する第二ブーム52の変位量を検出するためのロータリーエンコーダ(変位量センサ)111とを備える。リミットスイッチ112およびロータリーエンコーダ111は、それぞれ、検出結果を示す信号をコントローラ201に出力する。ロータリーエンコーダ111は、上記のモータ110に取り付けられている。
リミットスイッチ112は、たとえば第一ブーム51の基端部51aに取り付けられており(図5参照)、第二ブーム52が完全に後退したことを検出する。なお、初期位置センサとして、近接センサ等が用いられてもよい。
ロータリーエンコーダ111は、モータ110の回転を検出することにより、第一ブーム51に対する第二ブーム52の変位量を検出する。ロータリーエンコーダ111は、第二ブーム52の変位量を検出するためのパルスを出力する。1パルスあたりの第二ブーム52の変位は、モータ110からスプロケット101までの減速比と、スプロケット101の歯数およびチェーン103のリンク長さによって一意に決まる。コントローラ201は、モータ110を駆動させた方向にパルス数を積算(加算または減算)することで、初期状態(第二ブーム52が初期位置に位置した時点)から現在までに変化したサイドブーム50の長さを把握することができる。第二ブーム52の初期位置からの変位量は、第二ブーム52の進出量に相当する。なお、変位量センサとして、スプロケット101の歯を検出する近接センサ等が用いられてもよい。
伸縮制御システム200は、コントローラ201から出力される制御信号を入力するモータ駆動回路202と、モータ駆動回路202によって駆動されるモータ110とを備える。コントローラ201は、リミットスイッチ112およびロータリーエンコーダ111からの入力に基づいて、制御信号を生成し、その制御信号をモータ駆動回路202に出力することにより、モータ110を駆動させる。コントローラ201は、第二ブーム52の進出量またはサイドブーム50の長さが、指示値に応じた値となるように駆動機構100を制御する。コントローラ201は、左右のサイドブーム50を独立して伸縮制御することができる。
図3、図4、図6および図8を参照して、ノズル90(第一ノズル91および第二ノズル92)に係る構成について説明する。図4に示されるように、第一送液管61および第二送液管62が重なり得る範囲に設けられた第一ノズル91には、薬液の噴射経路を開閉する開閉弁94が設けられている。第二ブーム52が車両2側に移動されてサイドブーム50が縮退した状態において、第一送液管61および第二送液管62の大部分は重なり得る。よって、たとえば、第一送液管61において基端側に位置する一または複数の第一ノズル91を除き、すべての第一ノズル91に開閉弁94が設けられている。たとえば、第一送液管61および第二送液管62が重なり得る範囲Rに設けられた第一ノズル91(図では10個)には、開閉弁94が設けられている。第一送液管61および第二送液管62が重ならない範囲に設けられた第一ノズル91(図では2個)には、開閉弁94は設けられない。
開閉弁94として、たとえばボールコックが用いられる。開閉弁94は、第一送液管61の前方に突出する。開閉弁94は、第一ブーム51の長手方向に垂直な方向であって、サイドブーム50が展開された状態で水平な方向に延びる管状部の一部をなす。
図6に示されるように、第二ブーム52は、第一ブーム51に向けて延びるアーム部53と、アーム部53の先端に設けられたドッグプレート(作動部)54とを有する。アーム部53は、第一ブーム51の上面を横断するように設けられる。ドッグプレート54は、第一ブーム51の前側の位置に設けられる。ドッグプレート54は、長手方向の先端側に面する第一作動面54aと、長手方向の基端側に面する第二作動面54bとを含む。第一作動面54aおよび第二作動面54bは、たとえばV字状をなす。
一方、開閉弁94の上部には、開閉弁94を開閉させるレバー96が連結されている。図8に示されるように、レバー96は、サイドブーム50が展開された状態で水平に延在する板片96aと、板片96aの基端側に形成された孔96fの内部に配置された回転力伝達片96cと、回転力伝達片96cを貫通して回転力伝達片96cに固着された軸96bとを含む。鉛直方向に延びる軸96bは、開閉弁94内に挿入されており、開閉弁94内の弁体に係合または連結されている。軸96bは、回転することにより、弁体を回転させる。弁体の回転により、噴射経路を開閉する。
レバー96は、軸96bを中心に回転する。レバー96の先端側には、ローラ(先端部)96eが設けられている。ローラ96eの回転軸線は、軸96bに平行である。レバー96は、ローラ96eが長手方向に移動されることで、開閉弁94を開閉させる。たとえば、図8(a)に示されるように、軸96bが開閉弁94を閉じる位置にある場合に、ローラ96eが長手方向先端側(図における上方)に移動されると、回転力伝達片96cは孔96fの平坦な周縁部に押圧されて、軸96bと一緒に(図において反時計回りに)回転する。これにより、開閉弁94が開く。図8(b)に示されるように、軸96bが開閉弁94を開く位置にある場合に、ローラ96eが長手方向基端側(図における下方)に移動されると、回転力伝達片96cは孔96fの平坦な周縁部に押圧されて、軸96bと一緒に(図において時計回りに)回転する。これにより、開閉弁94が閉じる。
第二ブーム52に設けられた上述のドッグプレート54は、長手方向に離間しつつ一直線上に並ぶローラ96eに当接可能な位置に設けられる。すなわち、ドッグプレート54の移動軌跡は、すべてのローラ96eに重なる。ドッグプレート54は、第二ブーム52が長手方向に移動する際にレバー96のローラ96eに当接してローラ96eを移動させ、開閉弁94を開閉させる。
軸96bと板片96aとの間には、軸96bに巻き付けられたねじりバネ96d(図6参照)が取り付けられている。ねじりバネ96dの付勢力により、板片96aは、常に基準位置(図8(a)および図8(b)参照)に戻るように構成されている。一方、孔96fは、回転力伝達片96cよりも大きく形成されている。孔96fの平坦な周縁部と回転力伝達片96cとの間には、常に間隙が形成される。板片96aは常に基準位置に戻るが、板片96aは、孔96f内において、回転力伝達片96cが上記した2つの位置で停止することを許容する。
第二ブーム52が進出してサイドブーム50が伸長する際、ドッグプレート54の第一作動面54aがローラ96eに当接し、レバー96を動かす(図8(a)参照)。これにより、ドッグプレート54が通過後の第一ノズル91において、開閉弁94は開かれる。第二ブーム52が後退してサイドブーム50が縮退する際、ドッグプレート54の第二作動面54bがローラ96eに当接し、レバー96を動かす(図8(b)参照)。これにより、ドッグプレート54が通過後の第一ノズル91において、開閉弁94は閉じられる。
図4に示されるように、第一送液管61および第二送液管62が重なる範囲Rbに設けられた第一ノズル91の開閉弁94は閉じられる。一方、第一送液管61および第二送液管62が重なる範囲Rbに設けられた第二ノズル92に対しては、噴射経路の開閉構造は設けられていないので、第二ノズル92の噴射経路は常に開放されている。第一送液管61および第二送液管62が重ならない範囲Raに設けられた第一ノズル91の開閉弁94は開かれる。これにより、サイドブーム50全体における重複散布が防止されている。このように、開閉弁94が開いた状態の第一ノズル91と第二ノズル92とによって、常に等間隔にノズルが配置される機構が備わっている。
第一ノズル91および第二ノズル92として、同一のノズルが用いられている。第一ノズル91および第二ノズル92は、サイドブーム50の長手方向に垂直な方向であって、サイドブーム50が展開された状態で水平な方向に延びる管状部によって、第一送液管61に接続される。たとえば、第一ノズル91に関しては、上記開閉弁94が、管状部の一部をなす。なお、開閉弁94が設けられない場合でも、第一ノズル91は管状部95によって第一送液管61に接続される。同様にして、第二ノズル92は、管状部95によって第二送液管62に接続される。
次に、伸縮制御システム200によって行われる制御の手順について説明する。図10は伸縮制御システム200による基本制御の一例を示すフロー図であり、図11はサイドブーム50の伸長制御の一例を示すフロー図であり、図12はサイドブーム50の縮退制御の一例を示すフロー図である。
図10に示されるように、電源が投入されると(またはエンジンが始動すると)、コントローラ201は、初期位置センサがONであるか否かを判断する(ステップS101)。コントローラ201は、リミットスイッチ112から出力された検出結果を示す信号を入力することにより、第二ブーム52が初期位置に位置するか否かを判断する。初期位置センサがONであると判断すると、すなわち第二ブーム52が初期位置に位置すると判断すると(ステップS101:YES)、コントローラ201は、サイドブーム50の長さをリセットする(ステップS102)。コントローラ201は、第二ブーム52がもっとも後退している旨、すなわちサイドブーム50の長さが最短である旨を記憶する。このとき、第二ブーム52の進出量はゼロである。これは、散布幅がもっとも小さいことを意味する。なお、コントローラ201は、電源投入またはエンジン始動の際、第二ブーム52が初期位置に位置することを検出するまでは第二ブーム52を後退させるようにモータ110を駆動する。第二ブーム52が初期位置に位置すると、伸縮制御システム200は待機状態となる。
一方、作業者は、待機状態において、ブーム伸長スイッチ210またはブーム縮退スイッチ220を用いて、サイドブーム50を伸ばす、またはサイドブーム50を縮めるための操作を行う。なお、第二ブーム52が初期位置に位置する状態では、コントローラ201は、サイドブーム50を縮める操作は無効とし、サイドブーム50を伸ばす操作のみを有効とする。
続いて、コントローラ201は、変位量センサがONであり且つモータ110がサイドブーム50を伸長させる方向に駆動しているか否かを判断する(ステップS103)。コントローラ201は、変位量センサがONであり且つモータ110がサイドブーム50を伸長させる方向に駆動していると判断すると(ステップS103:YES)、サイドブーム50の長さカウントを1つ増やす(インクリメントする)(ステップS104)。サイドブーム50の長さカウントは、第二ブーム52の進出量に対応する。
続いて、コントローラ201は、変位量センサがONであり且つモータ110がサイドブーム50を縮退させる方向に駆動しているか否かを判断する(ステップS105)。コントローラ201は、変位量センサがONであり且つモータ110がサイドブーム50を縮退させる方向に駆動していると判断すると(ステップS105:YES)、サイドブーム50の長さカウントを1つ減らす(デクリメントする)(ステップS106)。
図11に示されるように、サイドブーム50の伸長制御において、コントローラ201は、サイドブーム50を伸長させるためのモータ110に対する出力をOFFする(ステップS111)。コントローラ201は、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力がONであるか否かを判断する(ステップS112)。コントローラ201は、サイドブーム50を縮退させるための出力がONであると判断すると(ステップS112:YES)、ステップS111の処理に戻る。コントローラ201は、サイドブーム50を縮退させるための出力がONではないと判断すると(ステップS112:NO)、サイドブーム50の長さカウントが最大であるか否かを判断する(ステップS113)。この処理のために、コントローラ201は、第二ブーム52のもっとも進出した位置に対応するサイドブーム50の長さカウントの最大値を記憶している。
コントローラ201は、サイドブーム50の長さカウントが最大であると判断すると(ステップS113:YES)、ステップS112の処理に戻る。コントローラ201は、サイドブーム50の長さカウントが最大ではないと判断すると(ステップS113:NO)、ブーム伸長スイッチ210がONであるか否かを判断する(ステップS114)。コントローラ201は、ブーム伸長スイッチ210がONであると判断すると(ステップS114:YES)、サイドブーム50を伸長させるためのモータ110に対する出力をONする(ステップS115)。これにより、モータ110はサイドブーム50を伸長させる方向に駆動され、第二ブーム52が進出する。そして、ステップS112の処理に戻る。
一方、ブーム伸長スイッチ210がONではないと判断すると(ステップS114:NO)、コントローラ201は、サイドブーム50を伸長させるためのモータ110に対する出力をOFFする(ステップS116)。そして、ステップS112の処理に戻る。
図12に示されるように、サイドブーム50の縮退制御において、コントローラ201は、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をONする(ステップS121)。次に、コントローラ201は、初期位置センサがONであるか否かを判断する(ステップS122)。コントローラ201は、初期位置センサがONではないと判断すると(ステップS122:NO)、ステップS121の処理に戻る。
初期位置センサがONであると判断すると(ステップS122:YES)、コントローラ201は、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をOFFする(ステップS123)。これらの制御により、コントローラ201は、第二ブーム52が初期位置に位置することを検出するまでは第二ブーム52を後退させるようにモータ110を駆動する。
続いて、コントローラ201は、ブーム縮退スイッチ220がONであり且つ初期位置センサがOFFであるか否かを判断する(ステップS124)。コントローラ201は、ブーム縮退スイッチ220がONであり且つ初期位置センサがOFFであると判断すると(ステップS124:YES)、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をONする(ステップS125)。コントローラ201は、ブーム縮退スイッチ220がONではないか、または、初期位置センサがOFFではないと判断すると(ステップS124:NO)、初期位置センサがONであるか否かを判断する(ステップS126)。コントローラ201は、初期位置センサがONであると判断すると(ステップS126:YES)、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をOFFする(ステップS128)。
一方、初期位置センサがONではないと判断すると(ステップS126:NO)、コントローラ201は、サイドブーム50の長さカウントがNG位置か否かを判断する(ステップS127)。ここで、サイドブーム50の長さカウントがNG位置であるとは、ドッグプレート54がレバー96に重なる位置、すなわちドッグプレート54がレバー96に当接する位置であることを意味する。コントローラ201は、開閉弁94が設けられた第一ノズル91の数量および第一ノズル91が設けられた間隔に応じて、長さカウントのNG位置を記憶している。
コントローラ201は、サイドブーム50の長さカウントがNG位置ではないと判断すると(ステップS127:NO)、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をOFFする(ステップS128)。一方、サイドブーム50の長さカウントがNG位置であると判断すると(ステップS127:YES)、コントローラ201は、ステップS124の判断を行った上で、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力をONする(ステップS125)。
この一連の処理により、ドッグプレート54がレバー96に重なる位置で停止させるような指示になるときは、コントローラ201は、ドッグプレート54がレバー96を乗り越えるまでサイドブーム50の伸縮を進めるように駆動機構100を制御する。
図13(a)に示されるように、第二ブーム52が後退している場合、ドッグプレート54はレバー96に近づく。図13(b)に示されるように、ドッグプレート54の第二作動面54bがローラ96eに当接することで、回転力伝達片96cおよび軸96bが時計回りに回転し、開閉弁94が閉じる。
さらに、図13(c)に示されるように、ドッグプレート54はローラ96eを乗り越える位置まで移動し、停止する。このとき板片96aは、基準位置に戻っている。図13(d)に示されるように、第二ブーム52が進出してドッグプレート54が再度移動した際には、ドッグプレート54は逆側からレバー96に近づく。ドッグプレート54の第一作動面54aがローラ96eに当接することで、回転力伝達片96cおよび軸96bが反時計回りに回転し、開閉弁94が開く。
このように、ドッグプレート54がレバー96のローラ96eを乗り越えた位置で第二ブーム52が停止するように、コントローラ201が駆動機構100を制御することにより、開閉弁94の開閉が確実に切り替わる。
本実施形態のブームスプレーヤ1によれば、サイドブーム50は、第一ブーム51の長手方向に移動可能な第二ブーム52を有することにより、全体として伸縮自在である。第一ブーム51には第一送液管61および第一ノズル91が設けられており、第二ブーム52には第二送液管62および第二ノズル92が設けられている。したがって、第二ブーム52を移動させることにより、薬剤の散布幅が調節可能になっている。第二ブーム52を移動させるための駆動機構100は、コントローラ201によって制御される。この制御はリミットスイッチ112およびロータリーエンコーダ111からの入力に基づいて行われるので、所望の散布幅を確実に実現できる。作業者の目視による散布幅の確認等は不要であり、散布幅を容易に調整することができる。作業者が熟練者であるか非熟練者であるかに関係なく、容易かつ確実に所定の作業幅を設定することができる。これにより、ブーム長の調整ミスによる薬害が防止され、無駄に散布される薬剤は削減される。さらには、散布幅の確認時間が短縮する。散布幅の確認を不要とすることもできる。
入力装置であるブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220を用い、コントローラ201に対して任意の数値を指示値として入力することで、サイドブーム50の長さを意図した長さに容易に調整することができる。
第二ブーム52の移動に伴って開閉弁94が開閉するので、重なる範囲における重複散布が回避される。第二ブーム52が第一方向に移動して、ドッグプレート54がレバー96のローラ96eに当接した状態(たとえば図13(b)に示される状態)で第二ブーム52が停止したとする。その場合、第一方向とは逆の第二方向に再度第二ブーム52を移動させても、開閉弁94が閉じたままになってしまい、開動作が行われない。開閉弁94が閉じたまま噴霧作業を行うと、その箇所に対応する第二ノズル92からは薬液が噴射されないことになり、散布むらが生じることになる。そこで本実施形態では、ドッグプレート54がレバー96のローラ96eを乗り越えた位置で第二ブーム52が停止するようコントローラ201による制御が行われるので(図13(c)参照)、第二方向に第二ブーム52を移動した場合には、ドッグプレート54はレバー96のローラ96eに再度当接してローラ96eは第二方向に移動される(図13(d)参照)。よって、開閉弁94の開閉が確実に切り替わり、上記したような不具合は回避される。
表示装置80を備える場合、作業者は表示装置80を見るだけで、サイドブーム50の長さを容易に確認することができる(図9参照)。たとえば、ブーム伸縮スイッチ28を用いたサイドブーム50の伸縮操作が行われる場合、現在の情報の表示は、散布幅の容易な調整を可能とする。
ブーム伸長スイッチ210およびブーム縮退スイッチ220が、ユーザインターフェースではなく従来と同様のブーム伸縮スイッチ28に備わっている場合でも、コントローラ201はこれらのスイッチのONを検出してモータ110を駆動させる。また、ドッグプレート54とレバー96のローラ96eとが重なる位置にある場合には、駆動をOFFさせるまでの時間をずらす(第二ブーム52を余分に移動させる)ことで、第二ノズル92に設けられた開閉弁94の開閉失敗を防ぐことが可能になっている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
ブームスプレーヤ1が、図9に示されるようなユーザインターフェースを備えてもよい。ディスプレイ81に左数値増加スイッチ82、左数値減少スイッチ83、右数値増加スイッチ84、および右数値減少スイッチ85が表示されてもよい。左数値増加スイッチ82および左数値減少スイッチ83を用いて、左側のサイドブーム50の長さに関する指示値を入力することができる。右数値増加スイッチ84および右数値増加スイッチ84を用いて、右側のサイドブーム50の長さに関する指示値を入力することができる。左側のサイドブーム50の指示値(X(m))および右側のサイドブーム50の指示値(Y(m))は、任意の数値とすることができる。
ユーザインターフェースを用いた場合、図14に示されるように、まず作業者によって、サイドブーム50の長さが設定される(ステップS141)。その後、コントローラ201によって、実際のサイドブーム50の長さが設定値よりも大きいか(ステップS142)、設定値よりも小さいか(ステップS144)の判断がなされる。これらの判断結果に応じて、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力がONされ(ステップS143)、または、サイドブーム50を伸長させるためのモータ110に対する出力がONされ(ステップS145)、または、サイドブーム50を伸長させるためのモータ110に対する出力がOFFされる(ステップS146)と共に、サイドブーム50を縮退させるためのモータ110に対する出力がOFFされる(ステップS147)。
また、コントローラ201は、GPS等の測位信号をもとに作業履歴を作成し、この作業履歴を参照して、薬液等の散布の重複や欠けが無いように、駆動機構100を制御してもよい。この場合、測位位置に基づき自動で第二ブーム52が移動する構成とすることができる。GPSとの連動により、上記実施形態と同等の機能を安価に実現することが可能になる。
また、スイッチ等の入力装置により、第二ブーム52を予め決められた長さ単位(たとえば第二ノズル92が取り付けられた間隔)で進出させたり、後退させたりする構成とすることができる。
ブーム伸長スイッチ210やブーム縮退スイッチ220が省略されてもよい。コントローラ201は所定のブーム長を記憶しており、そのブーム長が実現されるようにサイドブーム50が自動で伸長してもよい。
コントローラ201は、作動部がレバーを乗り越えたところで第二ブームを停止させる場合に限られない。コントローラ201は、作動部がレバーに当接した状態で第二ブームを停止させてもよい。開閉弁94が設けられなくてもよい。表示装置80が設けられなくてもよい。
第一ノズル91に開閉弁94が設けられる場合に限られず、第二ノズル92に開閉弁94が設けられてもよい。その場合、開閉弁94にレバーが設けられ、第一ブーム51に、レバーを作動させるアーム部および作動部が設けられる。アーム部および作動部は動かず、これらに対して開閉弁94およびレバーが移動する。
上記実施形態では、二段階に伸縮するスライド式サイドブームについて説明したが、三段階に伸縮するスライド式サイドブームが用いられてもよい。その場合、第二ブームに対して移動可能な第三ブームが更に設けられる。薬液以外の薬剤が散布されてもよい。
伸縮自在な多段式のサイドブームを1つのみ備え、そのサイドブームが左右方向に反転可能になっている乗用管理機に、本発明が適用されてもよい。
1…ブームスプレーヤ(乗用管理機)、2…車両、10…薬液タンク、50…サイドブーム、51…第一ブーム、52…第二ブーム、53…アーム部、54…ドッグプレート(作動部)、60…送液管、61…第一送液管、62…第二送液管、80…表示装置、90…ノズル、91…第一ノズル、92…第二ノズル、94…開閉弁、96…レバー、96e…ローラ(先端部)、100…駆動機構、111…ロータリーエンコーダ(変位量センサ)、112…リミットスイッチ(初期位置センサ)、200…伸縮制御システム、201…コントローラ、210…ブーム伸長スイッチ(入力装置)、220…ブーム縮退スイッチ(入力装置)。

Claims (3)

  1. 車両(2)に対して取り付けられたサイドブーム(50)と、前記サイドブーム(50)に沿って設けられ、複数のノズル(90)が取り付けられた送液管(60)とを備え、薬剤タンク(10)から薬剤を吸引し前記送液管(60)に圧送して前記ノズル(90)から前記薬剤を噴射させる乗用管理機(1)において、
    前記サイドブーム(50)は、前記車両(2)に対して取り付けられた第一ブーム(51)と、前記第一ブーム(51)に取り付けられて前記第一ブーム(51)の長手方向に延在し、前記第一ブーム(51)に対して前記長手方向に移動可能である第二ブーム(52)とを有し、
    前記送液管(60)は、前記第一ブーム(51)に沿って設けられた第一送液管(61)と、前記第二ブーム(52)に沿って設けられた第二送液管(62)とを有し、
    前記ノズル(90)は、前記第一送液管(61)に取り付けられた複数の第一ノズル(91)と、前記第二送液管(62)に取り付けられた複数の第二ノズル(92)とを有し、
    前記第一ブーム(51)に対して前記第二ブーム(52)を移動させるための駆動機構(100)と、
    前記第二ブーム(52)が後退した初期位置に位置することを検出するための初期位置センサ(112)と、
    前記第一ブーム(51)に対する前記第二ブーム(52)の変位量を検出するための変位量センサ(111)と、
    前記初期位置センサ(112)および変位量センサ(111)からの入力に基づいて前記駆動機構(100)を制御するコントローラ(201)と、を備え
    前記第一送液管(61)および前記第二送液管(62)が重なり得る範囲に設けられた前記第一ノズル(91)または前記第二ノズル(92)には、薬剤の噴射経路を開閉する開閉弁(94)が設けられ、前記開閉弁(94)には、先端部(96e)が前記長手方向に移動されることで前記開閉弁(94)を開閉させるレバー(96)が連結され、
    前記第一ブーム(51)および前記第二ブーム(52)の何れか一方は、前記開閉弁(94)が設けられた何れか他方に向けて延びるアーム部(53)と、前記アーム部(53)の先端に設けられ、前記第二ブーム(52)が前記長手方向に移動する際に前記レバー(96)の前記先端部(96e)に当接可能な作動部(54)とを有し、
    前記コントローラ(201)は、前記作動部(54)が前記レバー(96)の前記先端部(96e)を乗り越えた位置で前記第二ブーム(52)が停止するように前記駆動機構(100)を制御することを特徴とする乗用管理機(1)。
  2. 前記第二ブーム(52)の進出量または前記進出量によって決まる前記サイドブーム(50)の長さに関する指示値を入力するための入力装置(210,220)を更に備え、
    前記コントローラ(201)は、前記第二ブーム(52)の進出量または前記サイドブーム(50)の長さが、前記指示値に応じた値となるように前記駆動機構(100)を制御することを特徴とする請求項1に記載の乗用管理機(1)。
  3. 前記第二ブーム(52)の進出量または前記進出量によって決まる前記サイドブーム(50)の長さに関する情報を表示する表示装置(80)を更に備えることを特徴とする請求項1または2に記載の乗用管理機(1)。
JP2017056452A 2017-03-22 2017-03-22 乗用管理機 Active JP6660906B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017056452A JP6660906B2 (ja) 2017-03-22 2017-03-22 乗用管理機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017056452A JP6660906B2 (ja) 2017-03-22 2017-03-22 乗用管理機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018157775A JP2018157775A (ja) 2018-10-11
JP6660906B2 true JP6660906B2 (ja) 2020-03-11

Family

ID=63794786

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017056452A Active JP6660906B2 (ja) 2017-03-22 2017-03-22 乗用管理機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6660906B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020103250A (ja) * 2018-12-28 2020-07-09 株式会社やまびこ ブーム散布装置
JP7138044B2 (ja) * 2018-12-28 2022-09-15 株式会社やまびこ ブーム散布装置
JP7220105B2 (ja) * 2019-03-22 2023-02-09 株式会社丸山製作所 ブーム装置
JP7229081B2 (ja) * 2019-04-12 2023-02-27 株式会社丸山製作所 ブームスプレーヤ
CN110150260A (zh) * 2019-06-11 2019-08-23 东北农业大学 一种基于深度学习的智能靶喷除草机器人
JP2021132617A (ja) * 2020-02-28 2021-09-13 井関農機株式会社 自走式防除機
JP7517314B2 (ja) 2021-12-07 2024-07-17 井関農機株式会社 散布作業機

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0541803Y2 (ja) * 1989-08-09 1993-10-21
US6010079A (en) * 1997-09-09 2000-01-04 Motivepower Investments Limited Vehicle mounted fluid delivery system with retractable arm
JP5958010B2 (ja) * 2012-03-27 2016-07-27 井関農機株式会社 防除作業機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018157775A (ja) 2018-10-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6660906B2 (ja) 乗用管理機
JP3814230B2 (ja) 農業用散布作業車
JP5958010B2 (ja) 防除作業機
JP6229614B2 (ja) 散布作業車の散布方法
JP6244144B2 (ja) ブーム式散布装置
JP5895768B2 (ja) 薬液散布作業車両
EP4033134B1 (en) Wheeled concrete supply hose moving device
CN107774466B (zh) 喷杆式喷雾器
JP6090416B2 (ja) 薬液散布作業車両
JP7138044B2 (ja) ブーム散布装置
JP5909910B2 (ja) 防除作業機
JP6217791B2 (ja) 防除作業機
JP2021040534A (ja) ブームスプレーヤ
JP2020191811A (ja) ブームスプレーヤ
JP3654275B2 (ja) 防除噴霧機のブーム昇降制御装置
JP2006187237A (ja) ブーム式作業車及び手持式コントローラ
JP2018139519A (ja) 散布システム
JP2018033345A (ja) 散布作業車
JP5831655B2 (ja) 防除作業機
JP6079690B2 (ja) 薬液散布作業車
CN109566587B (zh) 一种触碰树干探测的对靶仿形喷药装置
JP2013116049A (ja) 乗用管理機
JP7116678B2 (ja) ブーム散布装置
JP2020103250A (ja) ブーム散布装置
JP7468335B2 (ja) 薬液散布作業車

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190910

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191107

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200210

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6660906

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150