JP6660000B2 - 液晶表示素子および感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

液晶表示素子および感放射線性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、液晶表示素子および感放射線性樹脂組成物に関する。
近年、スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、OA機器およびカーナビゲーションシステム等の電子機器では、それらのディスプレイに入力装置としてタッチセンサーや、タッチセンサーを基板上に配置することによりパネル状に構成されたタッチパネルが盛んに用いられている。
タッチセンサーやタッチパネルは、その表面を、操作者の指やペン等でタッチ操作し、そのタッチ操作にかかるデータを各種処理装置に出力することで、電子機器の操作を可能とする。例えば、タッチパネルは、キーボードに変わる入力装置として使用することができ、上述した電子機器等において、対話形式で簡便に情報入力することを可能にする。
タッチセンサーやタッチパネルには、動作原理によって、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式および電磁誘導結合方式などがある。
こうしたタッチセンサーやタッチパネルでは、例えば、静電容量方式のように、所定の第1方向に延在する複数の第1検知電極と、それと交差する第2方向に延在する複数の第2検知電極とを組み合わせ、それらをガラス等の絶縁性の透明基板上に配置して構成されるものがある。
図4は、従来のタッチパネルの一例を模式的に示す平面図である。
図4に示す従来のタッチパネル100は、絶縁性の透明な基板101の1つの面に、第1の方向であるX方向(図面の水平方向)に延在する短冊状の複数の第1検知電極102と、第1の方向と直交する第2の方向のY方向(図面の上下方向)に延在する短冊状の複数の第2検知電極104と、複数の第1検知電極102および複数の第2検知電極104の間に設けられた層間絶縁膜105とを有して構成される。
すなわち、従来のタッチパネル100は、透明な基板101の1つの面で、複数の第1検知電極102と、層間絶縁膜105と第2検知電極104とが、基板101側からこの順で配置された構造を有する。第2検知電極104は、層間絶縁膜105を介して第1検知電極102上に重畳するとともに、第1検知電極102と交差するように配置される。そして、第1検知電極102と第2検知電極104との交差部分は、層間絶縁膜105によって絶縁性が確保されるように構成されている。
従来のタッチパネル100では、第1検知電極102および第2検知電極104をタッチセンサーとして静電容量を計測し、操作者の指等のタッチ操作によって生じた静電容量の変化から、指等の接触位置を検知することができる。
このようなタッチパネルは、従来、別に製造された液晶表示パネル等の表示パネルの前面側に搭載されて使用されてきた。例えば、液晶表示パネルとその上に外付けされたタッチパネルとを用いて液晶表示素子が構成される。そして、従来の液晶表示素子では、画像の表示とともに表面にあるタッチパネルに指やペン等でタッチ操作し、このタッチ操作を感知することによって、情報入力操作ができるように構成されていた。
しかし、従来の液晶表示素子においては、表示パネルの外部に、別体として製造されたタッチパネルを外付けするため、素子全体の厚さや重量が増大してしまう問題や、製造コストを上昇させるという問題を有していた。
そのため最近では、例えば、特許文献1に記載されたタッチスクリーンのように、液晶表示パネル等のディスプレイパネルの内部に、タッチセンサーを構成するタッチ感知回路を組み込んで内蔵型のタッチパネルを構成する技術の開発が盛んに進められている。タッチセンサー機能を内蔵することにより、外付け型のタッチパネルに比べ、表示素子全体の厚さや重量を低減することができる。そして、タッチパネルを外付けするための工程を省略することができ、表示素子の製造コストの低減も可能とする。
特開2010−231773号公報
以上のように、表示素子は、タッチセンサー機能を内蔵することによって、表示素子全体の厚さや重量の増大を抑え、また、製造コストを低減することができる。そして、表示素子は、画像表示の機能とタッチセンサー機能とを併せ持つことができる。
しかしながら、最近では、こうしたタッチセンサー機能を備えた表示素子において、さらなる製造プロセスの簡便化や低コスト化が求められるようになっている。
例えば、上述した特許文献1に記載のタッチスクリーンの場合、それを構成するディスプレイパネルにおいて、基板上に画像表示のための画素電極が配置され、その同じ基板上に画像表示のための共通電極が配置されている。そして、画素電極と共通電極との間には、絶縁性の層間絶縁膜が配置され、画素電極が層間絶縁膜を介して共通電極と対向するように構成されている。
特許文献1に記載のタッチスクリーンのディスプレイパネルにおいて、画素電極および共通電極を有する基板は、それと対向配置された対向基板との間で液晶層を挟持して、液晶ディスプレイパネルを構成している。
したがって、特許文献1に記載のタッチスクリーンは、液晶ディスプレイパネルの液晶層を利用した画像表示機能を有している。そして、そのタッチスクリーンの液晶ディスプレイパネルにおいて、その画像表示用の共通電極は、タッチを検知する検知電極としても機能するように構成される。
このような従来技術のタッチスクリーンの液晶ディスプレイパネルにおいては、画素電極と共通電極との間に配置される層間絶縁膜として、SiN(窒化珪素)からなる無機膜が用いられるのが通常である。このSiNからなる無機膜は、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相成長)により形成することができる。
したがって、特許文献1に記載のタッチスクリーン等の従来技術の場合、液晶表示パネルの画素電極と共通電極との間の層間絶縁膜の構成のために、CVDプロセスを設けるのが通常であった。そのため、従来技術においては、その製造に使用する製造装置が大規模なものになっていた。そして、生産性を向上するため、大型の基板を用いようとすれば、製造装置はますます大規模なものが必要とされていた。
したがって、特許文献1に記載のタッチスクリーンのような従来技術においては、製造プロセスをさらに簡便化して低コスト化を可能にする技術が求められている。
例えば、上述のような従来技術においては、画素電極と共通電極との間に配置される層間絶縁膜の形成について、それを簡便化する技術が求められている。すなわち、CVD等のための大規模な製造装置を必要とせず、大型基板上に簡便に形成できる層間絶縁膜が求められている。
そして、簡便な形成が可能な層間絶縁膜は、パターニング性に優れ、また、従来の層間絶縁膜と同様に、絶縁性および光透過特性に優れることが好ましい。さらに、その層間絶縁膜は、誘電特性および屈折率特性が従来の層間絶縁膜と同様であることが好ましい。特に、その層間絶縁膜は、従来のSiNからなる層間絶縁膜との代替が容易となるように、SiNからなる層間絶縁膜と同様の誘電特性を有することができることが好ましい。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、簡便に形成できて誘電特性の制御が容易な層間絶縁膜を有し、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、誘電特性の制御が容易で、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子の層間絶縁膜の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の第1の態様は、
対向配置された第1の基板および第2の基板の間に液晶層を挟持して、表示領域にマトリクス状に配置された複数の画素を有し、画像表示機能およびタッチを感知するタッチセンサー機能を備えた液晶表示素子に関し、
前記複数の画素の少なくとも一部は、
前記第1の基板の前記液晶層側に、
TFTおよび第1の共通配線を含む第1の層と、
第2の共通配線および該第2の共通配線に接続する共通電極を含む第2の層と、
前記TFTに接続する画素電極および層間絶縁膜を含み該画素電極が該層間絶縁膜を介して前記共通電極に対向する構造を備えた第3の層と
をこの順で有し、
前記層間絶縁膜が有機膜であり、
前記画像表示機能の使用時には、前記第2の共通配線を用いて前記画素の前記共通電極に共通電圧が供給され、
前記タッチセンサー機能の使用時には、前記第1の共通配線と前記第2の共通配線との間の容量の変化を感知することによって前記タッチが感知されるように構成されることを特徴とする液晶表示素子に関する。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が、
[A]重合体、
[B]感光剤、並びに
[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物
を含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるものであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、[A]重合体が、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、[B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤のうちから選ばれる少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、[C]化合物は、粒子径が0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、[C]化合物が、チタン酸バリウムであることが好ましい。
本発明の第1の態様において、前記層間絶縁膜が前記感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、前記感放射線性樹脂組成物が、さらに、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様の液晶表示素子は、FFSモード液晶表示素子であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、
[A]重合体、
[B]感光剤、並びに
[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物
を含む感放射線性樹脂組成物であって、
本発明の第1の態様の液晶表示素子の有する層間絶縁膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第2の態様において、[A]重合体が、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることが好ましい。
本発明の第2の態様において、[B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤のうちから選ばれる少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の第2の態様において、[C]化合物は、粒子径が0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であることが好ましい。
本発明の第2の態様において、[C]化合物が、チタン酸バリウムであることが好ましい。
本発明の第2の態様において、さらに、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、簡便に形成できて誘電特性の制御が容易な層間絶縁膜を有し、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子が得られる。
本発明の第2の態様によれば、誘電特性の制御が容易で、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子の層間絶縁膜の形成に用いられる感放射線性樹脂組成物が得られる。
本発明の第1実施形態である液晶表示素子の表示領域の一例を示す模式的な平面図である。 本発明の第1実施形態である液晶表示素子の、表示領域の感知領域の画素の構造の一部を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態である液晶表示素子の、表示領域の駆動領域の画素の構造の一部を模式的に示す断面図である。 従来のタッチパネルの一例を模式的に示す平面図である。
特許文献1に記載された従来技術の、タッチセンサー機能を内蔵したタッチスクリーンの場合、それを構成する液晶ディスプレイパネルは、画像表示のための画素電極を基板上に有する。そして、液晶ディスプレイパネルにおいては、その同じ基板上に、共通電圧の供給される共通電極が、層間絶縁膜を介して画素電極と対向するように配置されている。この共通電極は、上述したように、タッチスクリーンの液晶ディスプレイパネルにおいて、画素電極とともに画像表示に使用される一方、タッチを検知する検知電極としても機能する。
すなわち、従来のタッチスクリーンの液晶ディスプレイパネルでは、同じ基板上で重畳配置される画素電極および共通電極の間に、それらの間の絶縁性を確保するための層間絶縁膜が設けられている。そして、その層間絶縁膜は、通常、SiN等無機材料からなる層間絶縁膜(以下、単に無機層間絶縁膜ともいう。)が用いられる。この無機層間絶縁膜の形成には、CVD等の成膜方法によるため、大掛かりな製造装置が必要とされる。
そのような無機層間絶縁膜を代替し、簡便な方法での形成が可能な層間絶縁膜を実現するためには、有機材料を用いて形成された有機膜であって、塗布型の層間絶縁膜の適用が好ましい。
このような有機材料からなる塗布型の層間絶縁膜を用い、従来のSiN等からなる無機層間絶縁膜を代替できれば、簡便な層間絶縁膜の形成が可能となる。すなわち、上述した特許文献1等に記載のタッチスクリーンと同様に、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子において、簡便な層間絶縁膜の形成が可能となる。さらに、大型基板の適用が容易となって、タッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子の生産性を向上させることができる。
したがって、有機膜である層間絶縁膜(以下、単に有機層間絶縁膜ともいう。)による従来の無機層間絶縁膜の代替が検討される。
しかしながら、そのような従来の無機層間絶縁膜の代替を実現するためには、有機層間絶縁膜において、絶縁性、パターニング性および光透過性等が強く求められる。そのため、その有機層間絶縁膜は、パターニングの可能な液状の感放射線性樹脂組成物を用い、塗布法等を利用した形成が可能であることが好ましい。
さらに、無機層間絶縁膜と代替可能な有機層間絶縁膜は、誘電特性および屈折率特性が従来の無機層間絶縁膜と同様であることが好ましい。特に、その有機層間絶縁膜は、従来から用いられている、SiNからなる無機層間絶縁膜と同等の特性を備え、同様の使用が可能であることが好ましい。そのため、有機層間絶縁膜は、静電容量Cが、SiNからなる無機層間絶縁膜と同等またはそれ以上もしくはそれ以下となるように制御可能であることが好ましい。
このとき、考慮される層間絶縁膜の静電容量Cは、C=ε×(S/d)で表すことができる。ここで、εは層間絶縁膜を構成する部材の誘電率である。Sは部材の面積であり、例えば、C形成に有効な電極の面積とすることができる。dは部材の厚みであり、層間絶縁膜の場合は膜厚である。そして、εは、ε=ε×kで表される。このとき、εは真空中の誘電率であり、定数である。kは部材の比誘電率であり、部材に固有の値である。
従来の無機層間絶縁膜に用いられてきたSiNの比誘電率kは、6以上7以下程度、すなわち、6〜7であり、エチレン樹脂やアクリル樹脂等の樹脂の比誘電率が2以上4以下、すなわち、2〜4であるのと比べると大きな値を有する。したがって、層間絶縁膜を、樹脂組成物を用いた有機層間絶縁膜にしようとする場合、その静電容量がSiNからなる無機層間絶縁膜と同等以上となるように、構成成分の比誘電率を高める制御が必要となる。また併せて、絶縁性を維持するとともに、良好なパターニング性を実現することが求められる。
そこで、本発明者は、構成成分の比誘電率を高める技術が適用されて、誘電率を所望の値に制御でき、例えば、SiNからなる従来の無機層間絶縁膜と同様となるように制御可能な有機膜を開発した。そして、その有機膜を液晶表示素子の層間絶縁膜として用いる技術を開発した。
そして、本発明の層間絶縁膜は、従来の有機材料を用いた有機膜に比べて高い屈折率を有することができる。本発明の層間絶縁膜は、例えば、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜と同様の屈折率を有することができる。本発明の層間絶縁膜が、このような屈折率特性を有することにより、本発明のタッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子においては、画面上で検知電極が目立って見える、所謂「骨見え」の問題を低減することができる。
そして、本発明の層間絶縁膜は、感放射線性の樹脂組成物を用いた、塗布による簡便な形成が可能であり、また、所望とするパターニングが可能である。
そのため、本発明の層間絶縁膜は、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜の代替が可能となり、画素電極および共通電極の間に配置されて、本発明のタッチセンサー機能を内蔵する液晶表示素子の提供を可能とする。
以下、従来の無機層間絶縁膜を代替して設けられた本発明の層間絶縁膜を有する本発明の液晶表示素子、その層間絶縁膜を形成するための本発明の感放射線性樹脂組成物について説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
実施の形態1.
<液晶表示素子>
図1は、本発明の第1実施形態である液晶表示素子の表示領域の一例を示す模式的な平面図である。
本発明の第1実施形態の液晶表示素子10は、対向配置された第1の基板(図示されない)および第2の基板(図示されない)の間に液晶層(図示されない)を挟持して構成される。そして、液晶表示素子10は、その表示領域11に、マトリクス状に配置された複数の画素を有する。尚、図1において、表示領域11は、一点鎖線によって囲まれた領域として模式的に示されている。また、図1では、各画素に対応する部分に、その画素を構成する共通電極12のみが模式的に示されている。
液晶表示素子10の表示領域11は、上述したように、マトリクス状に配置された複数の画素を含んで構成され、画像の表示を行う領域である。そして、図1に示されるように、液晶表示素子10では、操作者のタッチ操作(以下、単にタッチともいう。)を感知するタッチセンサー機能を有するように、表示領域11が、画素を複数含む感知領域13と、画素を複数含む駆動領域14−1,14−2、14−3,14−4とに分割されている。尚、図1において、感知領域13は、点線によって囲まれた領域として模式的に示されている。また、図1では、駆動領域14−1,14−2、14−3,14−4は、破線によって囲まれた領域として模式的に示されている。
この液晶表示素子10では、表示領域11に、図の左右方向(水平方向)に伸びる第1の共通配線15−1,15−2,15−3,15−4が設けられている。第1の共通配線15−1,15−2,15−3,15−4は、表示領域11にマトリクス状に配置された複数の共通電極12を、左右方向に接続するための共通配線となる。
駆動領域14−1では、図の上方側の左右に並ぶ2つの共通電極12が第1の共通配線15−1によって電気的に接続され、同様に、駆動領域14−3では、図の上方側の左右に並ぶ2つの共通電極12が第1の共通配線15−1によって電気的に接続されている。したがって、駆動領域14−1および駆動領域14−3の左右方向に配列する4つの共通電極12が、第1の共通配線15−1によって電気的に接続される。
このとき、共通電極15−1は、駆動領域14−1と駆動領域14−3とにより左右から挟持される感知領域13内の共通電極12とは電気的な接続がなされていない。
第1の共通配線15−1と同様に、第1の共通配線15−2によって、駆動領域14−1および駆動領域14−3の左右方向に配列する4つの共通電極12が電気的に接続される。また、第1の共通配線15−3,15−4のそれぞれによって、駆動領域14−2および駆動領域14−4の左右方向に配列する4つの共通電極12が電気的に接続される。
このとき、第1の共通配線15−2,15−3,15−4は、感知領域13内の共通電極12とは電気的な接続がなされていない。
また、表示領域11には、図の上下方向(垂直方向)に伸びる第2の共通配線16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8,17−1,17−2が設けられている。第2の共通配線16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8,17−1,17−2は、表示領域11にマトリクス状に配置された複数の共通電極12を、上下方向に接続するための共通配線となる。
例えば、駆動領域14−1においては、第2の共通配線16−1によって、上下方向に配列する2つの共通電極12が交差接続部20で電気的に接続されている。同様に、第2の共通配線16−2によって、上下方向に配列する2つの共通電極12が電気的に接続されている。したがって、駆動領域14−1では、第1の共通配線15−1,15−2および第2の共通配線16−1,16−2によって、4つの共通電極12が互いに電気的に接続されて1つのグループを構成している。
駆動領域14−1と同様に、駆動領域14−3においては、第1の共通配線15−1,15−2および第2の共通配線16−3,16−4によって、4つの共通電極12が互いに電気的に接続されて1つのグループを構成している。そして、駆動領域14−1内でグループ化された4つの共通電極12と、駆動領域14−3内でグループ化された4つの共通電極12とは、第1の共通配線15−1,15−2によって互いに電気的に接続されている。
また、駆動領域14−2では、第1の共通配線15−3,15−4および第2の共通配線16−5,16−6によって、4つの共通電極12が互いに電気的に接続されて1つのグループを構成している。
同様に、駆動領域14−4においては、第1の共通配線15−3,15−4および第2の共通配線16−7,16−8によって、4つの共通電極12が互いに電気的に接続されて1つのグループを構成している。そして、駆動領域14−2内でグループ化された4つの共通電極12と、駆動領域14−4内でグループ化された4つの共通電極12とは、第1の共通配線15−3,15−4によって互いに電気的に接続されている。
一方、感知領域13では、そこに含有される共通電極12が、第2の共通配線17−1,17−2によって電気的に接続されてグループ化されている。この第2の共通配線17−1,17−2は、感知領域13内の第1の共通配線15−1,15−2,15−3,15−4との交差部18において、第1の共通配線15−1,15−2,15−3,15−4との電気的な接続がなされていない。
したがって、感知領域13を図の左右方向から挟持する駆動領域14−1および駆動領域14−3では、それらに含まれる共通電極12が互いに電気的に接続されているのに対し、感知領域13内の共通電極12は、駆動領域14−1および駆動領域14−3内の共通電極12と電気的に接続されていない。そして、駆動領域14−1の共通電極12および駆動領域14−3の共通電極12を電気的に接続する第1の共通配線15−1,15−2と、感知領域13の共通電極12を電気的に接続する第2の共通配線17−1,17−2とは、感知領域13において、電気的に絶縁されて互いに接続しない構造の交差部18を構成している。
同様に、感知領域13内の共通電極12は、駆動領域14−2および駆動領域14−4内の共通電極12と電気的に接続されていない。そして、駆動領域14−2の共通電極12および駆動領域14−4の共通電極12を電気的に接続する第1の共通配線15−3,15−4と、感知領域13の共通電極12を電気的に接続する第2の共通配線17−1,17−2とは、感知領域13において、電気的に絶縁されて互いに電気的な接続をしない構造の交差部18を構成している。
以上の構成を有する液晶表示素子10の表示領域11は、駆動領域14−1〜14−4内の共通電極12と、感知領域13の共通電極12と、複数の共通電極12を左右方向に接続するための第1の共通配線15−1〜15−4と、複数の共通電極12を上下方向に接続するための第2の共通配線16−1〜16−8、17−1,17−2とによって、上述の図4に示した従来のタッチパネル100と同様の機能を示す電極の配置構造を実現することができる。
すなわち、液晶表示素子10の表示領域11では、駆動領域14−1および駆動領域14−3の共通電極12が、第1の共通配線15−1,15−2および第2の共通配線16−1〜16−4との接続によって、図4のタッチパネルの第1検知電極102と同様の電極構造を実現する。
また、駆動領域14−2および駆動領域14−4の共通電極12も、第1の共通配線15−3,15−4および第2の共通配線16−5〜16−8との接続によって、図4のタッチパネルの第1検知電極102と同様の電極構造を実現する。
さらに、液晶表示素子10の表示領域11では、感知領域13の共通電極12が、第2の共通配線17−1,17−2との接続によって、図4のタッチパネルの第2検知電極104と同様の電極構造を実現する。
そして、例えば、駆動領域14−1および駆動領域14−3の共通電極12によって実現される電極構造は、感知領域13の共通電極12によって実現される電極構造と、感知領域13で重畳するが、互い電気的に絶縁されて接続しない構造となっている。駆動領域14−2および駆動領域14−4の共通電極12によって実現される電極構造についても、同様である。
したがって、上述したように、液晶表示素子10の表示領域11では、図4に示した従来のタッチパネル100と同様の機能を示す電極の配置構造が実現されている。
そのため、液晶表示素子10は、上述したような表示領域11内での共通電極12の配置構造、並びに、第1の共通配線15−1〜15−4および第2の共通配線16−1〜16−8、17−1,17−2を用いた接続構造によって、タッチを感知するタッチセンサー機能を有することができる。
図2は、本発明の第1実施形態である液晶表示素子の、表示領域の感知領域の画素の構造の一部を模式的に示す断面図である。
図2に示す画素30は、図1に示した液晶表示素子10の表示領域11の感知領域13の上部左端の画素である。すなわち、画素30は、共通電極12とともに第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1との交差部18を含む画素であり、図2はその画素30の構造を模式的に示している。
尚、図2では、液晶表示素子10を構成する第1の基板、第2の基板および液晶層のうち、第1の基板と液晶層を示し、液晶層を挟んで第1の基板と対向する第2の基板の図示は省略している。
図2に示すように、液晶表示素子10の表示領域の感知領域の画素30は、第1の基板31の液晶層32側の面に、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)33および第1の共通配線15−1を含む第1の層34と、第2の共通配線17−1および第2の共通配線17−1に電気的に接続する共通電極12を含む第2の層35と、TFT33に電気的に接続する画素電極36および層間絶縁膜37を含む第3の層38であって、画素電極36が層間絶縁膜37を介して第2の層35の共通電極12に対向する構造を備えた第3の層38とをこの順で有して構成される。
尚、上述した図1では、図2で示された第2の層35の共通電極12が模式的に示されている。
第1の層34は、上述したように、TFT33および第1の共通配線15−1を含み、さらに、TFT33を覆って保護する第1の絶縁膜40を有する。
第1の層34のTFT33は、公知の構造を有し、半導体層41と、半導体層41を覆うゲート絶縁膜42と、走査信号線(図示されない)の一部をなして半導体層41の上にゲート絶縁膜42を介して配置されたゲート電極43と、映像信号線(図示されない)の一部をなして半導体層41に電気的に接続するソース電極44と、半導体層41に電気的に接続するドレイン電極45等を含んでなる。
TFT33の半導体層41は、例えば、a−Si(アモルファス−シリコン)または微結晶シリコン等を用いて形成される。また、ゲート絶縁膜42は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成することができる。
第1の層34の第1の絶縁膜40は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成することができる。
第2の層35は、上述したように、第2の共通配線17−1および共通電極12を含み、さらに、第1の層34を覆う第2の絶縁膜46を有する。第2の絶縁膜46は、平坦化膜としての機能を備えることが好ましい。
第2の絶縁膜46の上面は平坦であり、第2の層35では、第2の絶縁膜46の上にベタ板状の形状を備えた共通電極12が設けられている。共通電極12は、例えば、ITO等の透明導電材料からなる膜を、スパッタリング法等を利用して成膜し、フォトリソグラフィ法等を利用してパターニングを行って形成することができる。
第2の絶縁膜46の液晶層32側に配置された第3の層38は、上述したように、TFT33に電気的に接続する画素電極36および層間絶縁膜37を含む。画素電極36は、櫛歯状の形状を有する。そして、画素電極36は、層間絶縁膜37および第2の絶縁膜46を連続して貫通する貫通孔を介して、第1の絶縁膜40を貫通するように形成されたTFT33のドレイン電極45に電気的に接続している。
第3の層38の層間絶縁膜37は、上述したように、従来のSiN等からなる無機層間絶縁膜を代替するものであり、有機材料を用いた塗布型の有機膜である。層間絶縁膜37は、後の詳述する本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて塗布による塗膜形成を行い、フォトリソグラフィ法等を利用して所定のパターニングが施されて形成される。
尚、フォトリソグラフィ法には、加工や処理を受ける基板の表面に、感放射線性樹脂組成物等のレジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、光や電子線を照射して所定のレジストパターンを露光することによりレジストパターン潜像を形成する露光工程、必要に応じ加熱処理する工程、次いでこれを現像して所望の微細パターンを形成する現像工程、および、この微細パターンをマスクとして基板に対してエッチング等の加工を行う工程が含まれる。
そして、後述する本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、第1実施形態の液晶表示素子10において、層間絶縁膜37が所望とする誘電率および屈折率を実現できるように、組成の最適化がなされている。すなわち、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、層間絶縁膜37において、誘電率を高める制御が可能となるように、高誘電率化のための成分が含有されている。
例えば、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、後述するように、[A]重合体および[B]感光剤に加え、[C]成分として、[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物を含有して構成される。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、後述するように、[D]成分として、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
また、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述の[C]成分を含有することにより、それを用いて形成される層間絶縁膜37の高屈折率化が可能となる。例えば、第1実施形態の液晶表示素子10においては、層間絶縁膜37の屈折率を、例えば、1.55〜1.85の範囲内に制御することができる。
そして、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、パターニング性に優れ、併せて、優れた密着性と高い硬化性能を示し、さらに、優れた絶縁性を示すように、[C]成分と[D]成分とを併用する等、最適な組成設計が可能である。
その結果、液晶表示素子10では、層間絶縁膜37の誘電率等の調整がなされ、従来のSiNからなる無機層間絶縁膜との代替が容易に行えるように構成されている。
層間絶縁膜37の膜厚は特に限定されないが、共通電極12と画素電極36との間の絶縁性を確保するとともに、所望とする静電容量を実現するのに好適な厚みであることが好ましい。層間絶縁膜37の膜厚は、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。
また、層間絶縁膜37は、液晶表示素子10の画素30を構成する構成要素として、優れた可視光透過性が求められる。本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成された層間絶縁膜37は、優れた透明性を備えている。その結果、層間絶縁膜37は、波長400nmの光の透過率を85%以上とすることができ、成分組成の選択により、90%以上とすることも可能である。
さらに、層間絶縁膜37は、後述する実施例からも明らかにされるように優れた密着性を備えている。
以上の構造を有する液晶表示素子10の表示領域の感知領域の画素30においては、第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1とが第1の絶縁膜40を介して交差する構造を有する。すなわち、画素30では、第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1とが第1の絶縁膜40を介して交差して、第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1との間が電気的に絶縁される構造の交差部18を有している。
図3は、本発明の第1実施形態である液晶表示素子の、表示領域の駆動領域の画素の構造の一部を模式的に示す断面図である。
図3に示す画素50は、図1に示した液晶表示素子10の表示領域11の駆動領域14−1の上部右端の画素である。すなわち、画素50は、共通電極12に電気的に接続する第2の共通配線16−2と第1の共通配線15−1とが交差接続部20で電気的に接続された構造の画素であり、図3はその画素50の構造を模式的に示している。
尚、図3では、液晶表示素子10を構成する第1の基板、第2の基板および液晶層のうち、第1の基板と液晶層を示し、液晶層を挟んで第1の基板と対向する第2の基板の図示は省略している。
図3に示すように、液晶表示素子10の表示領域の感知領域の画素50は、第2の共通配線16−2と第1の共通配線15−1とが交差する交差接続部20で電気的に接続された構造を有することを除いて、上述した図2の画素30と同様の構造を有している。したがって、図2の画素30と共通する構成要素については、同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
図3に示すように、液晶表示素子10の表示領域の駆動領域の画素50は、第1の基板31の液晶層32側の面に、TFT33および第1の共通配線15−1を含む第1の層34と、第2の共通配線16−2および第2の共通配線16−2に電気的に接続する共通電極12を含む第2の層39と、TFT33に電気的に接続する画素電極36および層間絶縁膜37を含む第3の層38であって、画素電極36が層間絶縁膜37を介して共通電極12に対向する構造を備えた第3の層38とをこの順で有して構成される。
尚、上述した図1では、図3で示された第2の層39の共通電極12が模式的に示されている。
第1の層34は、上述したように、TFT33および第1の共通配線15−1を含み、さらに、TFT33を覆って保護する第1の絶縁膜40を有する。したがって、駆動領域の画素50は、図2に示した感知領域の画素30と、第1の共通配線15−1を共有する。
第1の層34のTFT33は、上述したように公知の構造を有し、半導体層41と、半導体層41を覆うゲート絶縁膜42と、走査信号線(図示されない)の一部をなして半導体層41の上にゲート絶縁膜42を介して配置されたゲート電極43と、映像信号線(図示されない)の一部をなして半導体層41に電気的に接続するソース電極44と、半導体層41に電気的に接続するドレイン電極45等を含んでなる。
第2の層39は、上述したように、第2の共通配線16−2および共通電極12を含み、さらに、第1の層34を覆う第2の絶縁膜46を有する。
第2の絶縁膜46の上面は平坦であり、この上にベタ板状の形状を備えた共通電極12が設けられている。
第2の絶縁膜46の液晶層32側に設けられた第3の層38は、上述したように、TFT33に電気的に接続する画素電極36および層間絶縁膜37を含む。
以上の構造を有する液晶表示素子10の表示領域の駆動領域の画素50は、第1の共通配線15−1と第2の共通配線16−2とが第1の絶縁膜40を介して交差接続部20で交差する構造を有する。このとき、第1の共通配線15−1は、上述したように、図2に示した感知領域の画素30との間で共有されるものであり、第2の共通配線16−2は、画素30の有する第2の共通配線17−1とは別のものである。そして、画素50の交差接続部20においては、第2の共通配線16−2の一部をなす接続部19によって、第1の共通配線15−1と第2の共通配線16−2とが互いに電気的に接続する構造が形成されている。
したがって、駆動領域の画素50では、共通電極12が第2の共通配線16−2を介して第1の共通配線15−1に電気的に接続している。このような構造を有することにより、液晶表示素子10は、タッチセンサー機能の使用時には、後述するように、駆動領域の画素50の共通電極12を、第1の共通配線15−1に接続する検知電極として使用することができる。
以上のように、図2に示す表示領域の感知領域の画素30、および、図3に示す駆動領域の画素50は、第1の基板31上にTFT33を有し、さらに、TFT33に電気的に接続する櫛歯状の画素電極36が、層間絶縁膜37を介してベタ板状の共通電極12に重畳する構造を有する。すなわち、図2の画素30および図3の画素50を含む本発明の第1実施形態である液晶表示素子10は、FFSモード液晶表示素子を構成する。
そして、液晶表示素子10は、画像表示機能の使用時には、画素30および画素50のTFT33をスイッチング素子として用いる一方、第2の共通配線17−1を用いて画素30の共通電極12に共通電圧を供給し、また、第2の共通配線16−2を用いて画素50の共通電極12に共通電圧を供給する。そして、第1の基板31と第2の基板との間に配置された液晶層32を駆動することによって所望とする画像の表示を行うことができる。
さらに、液晶表示素子10は、タッチセンサー機能の使用時には、画素30,50の共通電極12をそれぞれ検知電極として用いることができる。すなわち、第2の共通配線17−1に電気的に接続する画素30の共通電極12を検知電極として用い、また、第2の共通配線16−2を介して第1の共通配線15−1に電気的に接続する画素50の共通電極12を検知電極として用いることができる。
そして、液晶表示素子10は、駆動領域の画素50の共通電極12および感知領域の画素30の共通電極12を用いるとともに、第1の共通配線15−1に駆動信号が印加され、第2の共通配線17−1から感知信号が検出されるように構成される。その結果、液晶表示素子10は、第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1との間の容量の変化、特に、画素30の交差部18における第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1との間の容量の変化を感知して、表示領域でのタッチの感知を行うことができる。
すなわち、液晶表示素子10では、タッチセンサー機能の使用時に、感知領域の画素30を用いて第1の共通配線15−1と第2の共通配線17−1との間の容量の変化を感知し、表示領域でのタッチの感知を行うことができる。
以上により、本発明の第1実施形態の液晶表示素子10は、画像表示機能、および、タッチを感知するタッチセンサー機能を両方備えることができる。
このとき、本発明の第1実施形態の液晶表示素子10は、画素電極36と共通電極12との間に有機膜である層間絶縁膜37を配置することにより構成され、また、その層間絶縁膜37の効果により、骨見えの問題についても軽減することができる。
実施の形態2.
<感放射線性樹脂組成物>
上述した本発明の第1実施形態の液晶表示素子は、対向する画素電極と共通電極との間に、それらを互いに絶縁するための層間絶縁膜を有する。その層間絶縁膜の製造は、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて行うことができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、感放射線性を備えた樹脂組成物である。そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型の感放射線性およびネガ型の感放射線性のいずれを有することも可能である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]成分である[A]重合体、[B]成分である[B]感光剤、並びに、[C]成分である、[C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物(以下、単に[C]化合物ということがある。)を必須成分として含有する。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、ポジ型感放射線性樹脂組成物の場合、[B]感光剤は、光酸発生剤であるか、または、光酸発生剤を含有することが好ましい。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、ネガ型感放射線性樹脂組成物の場合、[B]感光剤は、光ラジカル重合開始剤であるか、または、光ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
さらに、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、得られる本発明の実施形態の絶縁膜の誘電特性の制御のために、[D]成分である[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体並びにウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、単に[D]化合物ということがある。)を含むことが好ましい。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない限り、その他の任意成分を含有してもよい。
以下、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される各成分について詳しく説明する。
〔[A]重合体〕
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[A]成分である[A]重合体は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成される層間絶縁膜の基材となる成分である。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が所望とするパターニング性を備えるように、[A]重合体は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。その場合、[A]重合体は、アルカリ現像性を有する重合体であれば特に限定されない。但し、上述した[D]化合物に該当する重合体は除かれる。
好ましい[A]重合体としては、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体を挙げることができる。
そして、[A]重合体は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いた硬化膜として本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜を形成できるように、不飽和二重結合あるいはエポキシ基等の重合性基を有する構成単位を含むものがより望ましい。したがって、[A]重合体としては、カルボキシル基を有する構成単位を含み、さらに重合性基を有する構成単位を含む重合体がより好ましい。
このとき、[A]重合体において、好ましい重合性基を有する構成単位とは、エポキシ基を有する構成単位および(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構成単位(以下、特定構成単位ということがある。)である。[A]重合体が、上記特定構成単位を含むことで、優れた表面硬化性および深部硬化性を有する硬化膜、すなわち、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜を形成することができる。
上述の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する構成単位は、例えば、共重合体中のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を反応させる方法、共重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、共重合体中の水酸基にイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法、共重合体中の酸無水物部位に(メタ)アクリル酸を反応させる方法等により形成することができる。これらのうち特に、共重合体中のカルボキシル基にエポキシ基を有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させる方法が好ましい。
カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基としてエポキシ基を有する構成単位とを含む[A]重合体は、(A1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選択される少なくとも1種(以下、「(A1)化合物」ともいう。)と、(A2)エポキシ基含有不飽和化合物(以下、「(A2)化合物」ともいう。)とを共重合して合成することができる。この場合、[A]重合体は、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物からなる群より選ばれる少なくとも1種から形成される構成単位並びにエポキシ基含有不飽和化合物から形成される構成単位を含む共重合体となる。
[A]重合体は、例えば、溶媒中で重合開始剤の存在下、カルボキシル基含有構成単位を与える(A1)化合物と、エポキシ基含有構成単位を与える(A2)化合物とを共重合することによって製造できる。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物をポジ型とする場合には、(A3)水酸基含有構成単位を与える水酸基含有不飽和化合物(以下、「(A3)化合物」ともいう。)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。さらに、[A]重合体の製造においては、上記(A1)化合物、(A2)化合物および(A3)化合物とともに、(A4)化合物(上記(A1)、(A2)および(A3)化合物に由来する構成単位以外の構成単位を与える不飽和化合物)をさらに加えて、共重合体とすることもできる。以下、各化合物を詳述する。
[(A1)化合物]
(A1)化合物としては、不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和ジカルボン酸の無水物、多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル等が挙げられる。
不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸等が挙げられる。
不飽和ジカルボン酸の無水物としては、例えば、上記ジカルボン酸として例示した化合物の無水物等が挙げられる。
多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステルとしては、例えば、コハク酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられる。
これらの(A1)化合物のうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸が共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手の容易性からより好ましい。
これらの(A1)化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(A1)化合物の使用割合は、(A1)化合物並びに(A2)化合物(必要に応じて任意の(A3)化合物および(A4)化合物)の合計に基づいて、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量%〜25質量%がより好ましい。(A1)化合物の使用割合を5質量%〜30質量%とすることによって、[A]アルカリ可溶性樹脂のアルカリ水溶液に対する溶解性を最適化するとともに、放射線性感度に優れる層間絶縁膜が得られる。
[(A2)化合物]
(A2)化合物は、ラジカル重合性を有するエポキシ基含有不飽和化合物である。エポキシ基としては、オキシラニル基(1,2−エポキシ構造)またはオキセタニル基(1,3−エポキシ構造)等が挙げられる。
エポキシ基含有不飽和化合物としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、3−(メタ)アクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシトリシクロ[5.2.1.02.6]デシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A1)化合物と(A2)化合物の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728、特開平4−352101等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、本実施形態においては、[A]重合体として、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平09−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和結合を有するカルボキシル基含有重合体を使用することもできる。
[A]重合体は、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が、通常、1000から100000、好ましくは3000〜50000である。また、本実施形態におけるバインダーポリマーの重量平均分子量と、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量との比は、好ましくは1.0〜5.0、より好ましくは1.0〜3.0である。
本実施形態の[A]重合体は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第07/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
〔[B]感光剤〕
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[B]感光剤としては、放射線に感応してラジカルを発生し重合を開始できる化合物(すなわち、[B−1]光ラジカル重合開始剤)、または、放射線に感応して酸を発生する化合物(すなわち、[B−2]光酸発生剤)を挙げることができる。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[B]感光剤を含有することにより、感放射線性を有することができ、例えば、ポジ型の感放射線性またはネガ型の感放射線性を有することができる。
[B−1]光ラジカル重合開始剤
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B−1]光ラジカル重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
O−アシルオキシム化合物としては、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
上述のアセトフェノン化合物の中でも、α−アミノケトン化合物が好ましく、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1がより好ましい。
これらの(B−1]光ラジカル重合開始剤としては、特開2013−164471号公報、特開2012−212114号公報、特開2010−85929号公報に記載の光重合開始剤を使用することができる。
[B−1]光ラジカル重合開始剤の含有量は、[A]成分100質量部に対して、好ましくは1質量部〜40質量部であり、より好ましくは5質量部〜30質量部である。光ラジカル重合開始剤の含有量を1質量部〜40質量部とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、高い硬度および高い密着性を有する層間絶縁膜を形成することができる。
[B−2]光酸発生剤
次に、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B]感光剤である[B−2]光酸発生剤は、上述したように、放射線の照射によって酸を発生する化合物である。ここで、放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線(荷電粒子線)、X線等を使用することができる。光酸発生体は、放射線の照射によって酸(例えば、カルボン酸、スルホン酸等)を発生させる化合物である限り、特に限定されない。
[B−2]光酸発生剤としては、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。
上述のオキシムスルホネート化合物としては、下記式(1)で表されるオキシムスルホネート基を含有する化合物が好ましい。式中、Rは、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、これらの基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよい。
Figure 0006660000
上記式(1)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、あるいはこれらのアルキル基、脂環式炭化水素基およびアリール基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基である。
オキシムスルホネート化合物の具体例としては[(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5H−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、[(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等が挙げられる。
また、特開2011−227106号公報、特開2012−150494号公報に記載の光酸発生剤を用いることができる。
上述のオニウム塩としては、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、スルホンイミド化合物等が挙げられる。
上述のスルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル等が挙げられる。
その他の光酸発生剤としては、特開2011−215503号公報、WO2011/087011A1に記載の光酸発生剤を用いることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[B−2]光酸発生剤の含有量は、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、1質量部〜5質量部がより好ましい。本実施形態の感放射線性樹脂組成物の放射線感度を最適化することができ、良好なパターニング性を示して、層間絶縁膜の形成に好適なものとなる。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B−2]光酸発生剤としてキノンジアジド化合物も挙げることができる。このキノンジアジド化合物は、[B−2]光酸発生剤として、特に好ましく用いることができる。
キノンジアジド化合物は、放射線の照射によってカルボン酸を発生するキノンジアジド化合物である。キノンジアジド化合物としては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」と称する。)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合物を用いることができる。
上述の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカン、その他の母核等が挙げられる。
1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましい。1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドとしては、例えば、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド等が挙げられる。これらのうち、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましい。
フェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%〜85モル%、より好ましくは50モル%〜70モル%に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
これらのキノンジアジド化合物としては、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド(2.0モル)の縮合物が好適に用いられる。
これらのキノンジアジド化合物は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
また、上述したオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物およびカルボン酸エステル化合物等とともに組み合わせて用いることもできる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物におけるキノンジアジド化合物の含有量としては、[A]成分100質量部に対して、好ましくは、5質量部〜100質量部、より好ましくは10質量部〜50質量部である。キノンジアジド化合物の含有量を上述の範囲とすることで、現像液となるアルカリ水溶液に対する放射線の照射部分と未照射部分との溶解度の差を大きくして、パターニング性能を向上させることができる。また、この感放射性樹脂組成物を用いて得られる層間絶縁膜の耐溶媒性を良好なものとすることもできる。
〔[C]チタン酸化物と金属元素とを含む化合物〕
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物の[C]成分は、チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物(以下、単に[C]化合物ということがある。)である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]成分は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜の誘電率および屈折率を向上させる制御を可能とする成分となる。
上述の[C]化合物としては、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ジルコニウムおよびチタン酸鉛等が挙げられる。
これらの[C]化合物は、1種単独で使用してもよいし、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
[C]化合物の形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
また、[C]化合物の粒子径は、動的光散乱法で求めることができ、0.01μm〜0.1μmの範囲であることが好ましい。[C]化合物の粒子径が上述の範囲にあると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、所望とするパターニング性能を実現することができる。また、[C]化合物の粒子径が0.01μm未満であると粒子が凝集しやすくなり保存安定性が低下するおそれがあり、0.1μmを超えると硬化膜である層間絶縁膜のヘイズが高くなるおそれがある。
そして、[C]化合物においては、結晶格子のc軸長とa軸長の比であるc/a軸比が1.0025〜1.010であることが好ましい。c/a軸比が1.0025〜1.010の範囲であることにより、上記の範囲の粒子径と優れた誘電率特性(高い比誘電率)の両立を実現することができる。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物のより好ましい[C]化合物としては、高誘電率化の観点から、チタン酸バリウムおよびチタン酸ストロンチウムを挙げることができ、特に好ましい[C]化合物としては、チタン酸バリウム(BaTiO)を挙げることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[C]化合物として、特に好ましいチタン酸バリウムを選択した場合、上述したように、その形状は、特に限定されず、球状でも不定形のものでもよく、中空粒子、多孔質粒子、コア・シェル型粒子等であっても構わない。
また、[C]化合物として特に好ましいチタン酸バリウムの粒子径は、上記と同様に、動的光散乱法で求めることができ、0.01μm〜0.1μmの範囲であることが望ましい。[C]化合物の粒子径が上述の範囲にあると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、所望とするパターニング性能を実現することができる。また、[C]化合物であるチタン酸バリウムの粒子径が0.01μm未満であると粒子が凝集しやすくなり保存安定性が低下するおそれがあり、0.1μmを超えると硬化膜である層間絶縁膜のヘイズが高くなるおそれがある。
そして、[C]化合物として特に好ましいチタン酸バリウムにおいては、c/a軸比が1.0025〜1.010であることが望ましい。c/a軸比が1.0025〜1.010の範囲であることにより、上記の範囲の粒子径と優れた誘電率特性(高い比誘電率)の両立を実現することができる。
[C]化合物は、分散剤とともに分散媒に分散させ、粒子分散液として本実施形態の感放射線性樹脂組成物に用いられることが望ましい。このように分散剤を含有することにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物では、均一に[C]化合物を分散させ、塗布性を高めることができ、得られる層間絶縁膜の密着性を高め、誘電率および屈折率を偏りなく一様に高めることができる。
分散剤としては、ノニオン系分散剤、カチオン系分散剤、アニオン系分散剤等を挙げることができるが、ポジ型の感放射線特性およびパターニング性の向上の観点からは、ノニオン系分散剤が好ましい。このようなノニオン系分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、高分子量ポリカルボン酸のアミドアミン塩、エチレンジアミンPO−EO縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、アルキルグルコシド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルまたは脂肪酸アルカノールアミドを挙げることができる。
分散媒としては、[C]化合物を均一に分散可能であれば、特に限定されない。分散媒は、分散剤を効果的に機能させ、[C]化合物を均一に分散させることができる。
分散媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類;酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート等のエステル類;ジメチルフォルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類を用いることができる。中でも、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネートがより好ましい。分散媒は1種また2種以上を混合して用いることができる。
上述した分散液中の[C]化合物の含有量は、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜40質量%である。
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]化合物の配合量としては、特に限定されないが、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部〜1500質量部が好ましく、1質量部〜1000質量部がより好ましい。[C]化合物の配合量が0.1質量部より少ないと、得られる層間絶縁膜の誘電率を向上させる効果が十分に得られない。逆に、[C]化合物の配合量が1500質量部を超えると、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗布性が低下し、また、所望とするパターニング性能が得られなくなるおそれがある。さらに、得られる層間絶縁膜のヘイズが高くなるおそれがある。
〔[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体および(メタ)アクリレート化合物〕
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]感光剤および[C]化合物を必須の成分として含有するとともに、[D]ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体と、ウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種(以下、単に[D]化合物ということがある。)を含むことができる。尚、[D]化合物であるウレタン結合およびアミド結合のうちの少なくとも一方を持つ重合体は、上述の[A]重合体以外の重合体である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[D]化合物は、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜の比誘電率を向上させるための成分である。[D]化合物を含有することにより、得られる層間絶縁膜の比誘電率を向上させることができる。その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、[C]化合物の含有量を低下させる方向の成分調整が可能となり、パターニング性能や絶縁特性をさらに向上させることができる。
[D]化合物は、硬化膜として形成される、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜における構成成分として使用されるため、上述した(メタ)アクリレート化合物等のように、不飽和二重結合等の光または熱架橋部位を持つものがより望ましい。
ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート化合物としては、市販されているウレタン(メタ)アクリレートを用いることができる。
例えば、その市販品としては、共栄社化学社製AH−600(フェニルグリシジルエーテルアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、AT−600(フェニルグリシジルエーテルアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306H(ペンタエリスリトールトリアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306T(ペンタエリスリトールトリアクリレートトルエンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、UA−306I(ペンタエリスリトールトリアクリレートイソホロンジイソシアネートウレタンプレポリマー)、およびUA−510H(ジペンタエリスリトールペンタアクリレートへキサメチレンジイソシアネートウレタンプレポリマー);新中村化学工業社製U−4HA、U−6HA、U−6LPA、U−53H、A−9300、A−9300CL1およびUA−122P、ダイセル・サイテック社製Ebecryl(登録商標)284、Ebecryl285、Ebecryl294/25HD、Ebecryl4820、Ebecryl4858、Ebecryl8402、Ebecryl8405、Ebecryl9270、Ebecryl8311、Ebecryl8701、Ebecryl230、Ebecryl244、Ebecryll245、Ebecryl264、Ebecryl265、Ebecryl270、Ebecryl280/15IB、Ebecryl1259、Ebecryl5129、Ebecryl8210、Ebecryl8301、Ebecryl8307、Ebecryl8411、Ebecryl8804、Ebecryl8807、Ebecryl9227EA、Ebecryl9250、KRM(登録商標)8200、KRM7735、KRM8296、KRM8452、Ebecryl204、Ebecryl205、Ebecryl210、Ebecryl215、Ebecryl220、およびEbecryl6202;日本合成化学工業社製UV−1700B、UV−6300B、UV−7550B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7610B、UV−7620EA、UV−7630B、UV−7640B、およびUV−7650B等;第一工業製薬社製 R−1214、R−1220、R−1301、R−1304、R−1306X、R−1308、R−1602、およびR−1150D;並びに、根上工業社製UN−333、UN−1255、UN−2600、UN−2700、UN−5500、UN−6060PTM、UN−6060P、UN−6200、UN−6300、UN−6301、UN−7600、UN−7700、UN−9000PEP、UN−9200A、UN−3320HA、UN−3320HB、UN−3320HC、UN−3320HS、UN−904、UN−901T、UN−905、UN−952、UN−9600およびUN−906等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、ウレタン結合を持つ重合体の例であるポリウレタン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、イソシアネート基とポリオールを反応させて鎖延長されたポリウレタン樹脂が好ましい。上記ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。ポリウレタン樹脂の市販品としては、ユリアーノシリーズ(荒川化学社製)、オレスターシリーズ(三井化学社製)、アロタンシリーズ(日本触媒社製)等を挙げることができる。
これらのポリウレタン樹脂物は、1種単独で用いてもよいし、または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、アミド結合を持つ(メタ)アクリレート化合物としては、(メタ)アクリロイルモルホリン(モルホリノ(メタ)アクリレート)、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、N−トリフェニルメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
これらの(メタ)アクリレート化合物は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、アミド結合を持つ重合体としては、上述のアミド結合を持つ(メタ)アクリレート化合物を構成成分として、または原料組成物中の添加物として形成された重合体を挙げることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[D]化合物の含有量は、感放射線性樹脂組成物全体に対して、1質量%〜20質量%が好ましい。また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が、有機溶剤を含有する場合、感放射線性樹脂組成物における[D]化合物の含有量は、有機溶剤を除く成分の合計に対して5質量%〜50質量%以下の範囲内とすることが好ましく、10質量%〜40質量%の範囲内であることがより好ましい。[D]化合物が上記範囲で含有されることで、感放射線性樹脂組成物において優れたパターニング性能を実現でき、併せて、比誘電率の向上された層間絶縁膜を得ることができる。
<その他の任意成分>
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて酸拡散制御剤、界面活性剤、密着助剤、無機酸化物粒子等のその他の任意成分を含有してもよい。その他の任意成分は、それぞれ単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
界面活性剤は、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜形成性を高める成分である。本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、界面活性剤を含有することで、塗膜の表面平滑性を向上でき、その結果、本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜の膜厚均一性をより向上できる。
密着助剤は、基板等の膜形成対象物と層間絶縁膜との接着性を向上させる成分である。密着助剤は、特に無機物の基板と硬化膜との接着性を向上させるために有用である。密着助剤としては、官能性シランカップリング剤が好ましい。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述した[A]重合体、[B]感光剤、および[C]化合物の他、必要に応じて、[D]化合物や、その多任意成分である界面活性剤等を混合して調製される。このとき、分散液状態の感放射線性樹脂組成物を調製するため、有機溶剤を用いることができる。有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤の機能としては、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の粘度等を調節して、例えば、基板等への塗布性を向上させることの他、操作性等を向上させること等が挙げられる。有機溶剤等の含有によって実現される感放射線性樹脂組成物の粘度としては、例えば、0.1mPa・s〜50000mPa・s(25℃)が好ましく、より好ましくは、0.5mPa・s〜10000mPa・s(25℃)である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。
例えば、アルコール類、エーテル類、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素類、ケトン類、他のエステル類等が挙げられる。溶媒としては、特開2011−232632号公報に記載の溶媒を用いることができる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において用いられる有機溶剤の含有量は、粘度等を考慮して適宜決めることができる。
分散液状態の感放射線性樹脂組成物を調製する際の分散方法としては、ペイントシェーカ、SCミル、アニュラー型ミル、ピン型ミル等を用いて通常周速5m/s〜15m/sで、粒径の低下が観察されなくなるまで継続する方法によって行われるとよい。この継続時間としては、通常数時間である。また、この分散の際に、ガラスビーズ、ジルコニアビーズ等の分散ビーズを用いることが好ましい。このビーズ径は特に限定されないが、好ましくは0.05mm〜0.5mm、より好ましくは0.08mm〜0.5mm、さらに好ましくは0.08mm〜0.2mmである。
次に、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて行う、本発明の第3実施形態の層間絶縁膜の製造方法について説明する。
実施の形態3.
<層間絶縁膜の製造方法>
本発明の第3実施形態の層間絶縁膜の製造方法では、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、基板上に、パターニングされた硬化膜として層間絶縁膜が形成されるように、少なくとも下記の工程[1]〜工程[3]を下記の順で含むことが好ましい。
その場合、基板としては、例えば、上述した図2等の本発明の第1実施形態の液晶表示素子10の第1の基板31を用いることができる。すなわち、液晶層32側の面に第1の層34および第2の層35をこの順で配置した第1の基板31を用い、その第2の層35の上に、所望のパターニングがなされた層間絶縁膜を形成することができる。
以下、本実施形態の層間絶縁膜の製造方法について説明する。
[1]本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を形成する塗膜形成工程
[2]工程[1]で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する露光工程
[3]工程[2]で放射線を照射された塗膜を現像する現像工程
以下で、[1]〜[3]の各工程について説明する。
[1]塗膜形成工程
工程[1](塗膜形成工程)においては、基板上に本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を塗布する。次いで、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)し、塗膜に溶剤が含有される場合にその溶剤を除去して、塗膜を形成する。
基板としては、上述したように、図2等の第1の層34および第2の層35の配置された第1の基板31とすることができる。そして、第1の基板31の構成については、可視光透過性に優れた透明基板を用いることが好ましい。使用できる透明基板の例としては、上述のように、ガラス基板や樹脂基板等を挙げることができる。樹脂基板の具体例としては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、環状オレフィンの開環重合体フィルムおよびその水素添加物からなるフィルム等を挙げることができる。
基板への感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されない。例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法、インクジェット法等の適宜の方法を採用することができる。これらの塗布方法の中でも、特にスピンコート法またはスリットダイ塗布法が好ましい。プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、好ましくは70℃〜120℃で1分間〜10分間程度とすることができる。
[2]露光工程
工程[2](露光工程)では、工程[1]で形成された基板上の塗膜の少なくとも一部に、放射線を照射(以下、露光ともいう。)する。この場合、塗膜の一部に露光する際には、通常、液晶表示素子の層間絶縁膜の形成に好適な所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。露光に使用される放射線としては、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等を使用できる。これらの放射線の中でも、波長が190〜450nmの範囲にある放射線が好ましく、特に365nmの紫外線を含む放射線が好ましい。
工程[2]における露光量は、放射線の波長365nmにおける強度を、照度計(OAI model356、OAI Optical Associates Inc.製)により測定した値として、好ましくは100J/m〜10000J/m、より好ましくは500J/m〜6000J/mである。
[3]現像工程
工程[3](現像工程)では、工程[2]で得らた露光後の塗膜を現像することにより、不要な部分(感放射線性樹脂組成物の塗膜がポジ型の場合は、放射線の照射部分。ネガ型の場合は、放射線の非照射部分。)を除去して、所定のパターニングの施された層間絶縁膜を形成する。
現像工程に使用される現像液としては、アルカリ(塩基性化合物)の水溶液かならるアルカリ現像液の使用が好ましい。アルカリの例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等を挙げることができる。
また、このようなアルカリ現像液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒や界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。アルカリ現像液におけるアルカリの濃度は、適当な現像性を得る観点から、好ましくは0.1質量%以上5質量%以下とすることができる。現像方法としては、例えば、液盛り法、ディッピング法、揺動浸漬法、シャワー法等の適宜の方法を利用することができる。現像時間は、感放射線性樹脂組成物の組成によって異なるが、好ましくは10秒間〜180秒間程度である。このような現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、例えば、圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、所望のパターンを備えた層間絶縁膜を形成することができる。
尚、現像の後、必要に応じて、さらなる露光により層間絶縁膜をさらに硬化させてもよい。また、現像後の露光の代わりに、あるいは、露光と併せて、80℃〜280℃の加熱処理を施してもよい。
このように工程[1]〜工程[3]により形成された基板上の層間絶縁膜は、透明性が高く、また、高い屈折率を有している。本実施形態の感放射線性樹脂組成物から形成される層間絶縁膜は、各成分の配合比等によって異なるが、1.50以上、さらには1.55以上の高い値の屈折率を有している。
層間絶縁膜の膜厚としては、好ましくは0.1μm〜8μm、より好ましくは0.1μm〜6μm、さらに好ましくは0.1μm〜4μmである。
以上のようにして、本発明の第2実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて製造された層間絶縁膜は、後述する実施例からも明らかにされるように、パターニング性、透明性、密着性および絶縁性を備え、その感放射線性樹脂組成物の成分によって制御された所望範囲の誘電率を備えている。
したがって、本発明の第1実施形態の液晶表示素子の層間絶縁膜として好適に用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
<[A]重合体の合成>
[合成例1]
冷却管および攪拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)7質量部と3−メトキシプロピオン酸メチル200質量部とを仕込んだ。引き続き、(a−1)メタクリル酸20.0質量部、(a−2)3−メタアクリロイルオキシメチル−3−エチルオキセタン20質量部、(a−3)スチレン30.0質量部、(a−4)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イルメタクリラート30質量部を仕込んで窒素置換した後、ゆるやかに撹拌を始めた。溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持することによって、共重合体である重合体(A−1)を含む重合体溶液を得た(固形分濃度=29.1質量%、Mw=6800、Mw/Mn=1.8)。
<[C]化合物分散液の調製>
ポリビンまたはガラス瓶に、[C]化合物としての(C−1)(BaTiO(紛体))を25質量部、[I]分散剤としての(I−1)を5重量部、溶剤としての(G−2)(1−メトキシ−2−プロパノール)を70質量部添加し、0.1μmのジルコニアビーズを仕込重量の3.5倍分添加して密封し、軽く撹拌して溶剤と粒子成分と有機成分とをなじませた。これをペイントシェーカにセットし、3時間分散処理し、メッシュフィルタでジルコニアビーズを除去して[C]化合物分散液(C−1)を得た。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)を含有する重合体溶液に、[A]重合体100質量部(固形分)に相当する量に対して、[B]感光剤としての感放射線性重合開始剤(B−1)10質量部、[C]化合物分散液(C−1)100質量部(固形分)、高誘電有機成分である[D]化合物としての(D−1)100質量部、[E]密着助剤としての(E−1)5質量部、および、[F]界面活性剤としての(F−1)0.10質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように[G]有機溶媒としての(G−1)、(G−2)に溶解および分散をさせた後、孔径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、感放射線性樹脂組成物(S−1)を調製した。
以下に実施例で用いた各成分の詳細を示す。
<[B]感放射線性重合開始剤>
B−1:エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社、イルガキュア(登録商標)OXE02)
<[C]化合物>
C−1:BaTiO(紛体)(戸田工業社、T−BTO−020)
<[D]化合物>
D−1:6官能ウレタンアクリレート(根上工業社、アートレジンUN−906)
<[E]密着助剤>
E−1:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(チッソ社、S−510)
<[F]界面活性剤>
F−1:シリコーン系界面活性剤(東レ・ダウコーニング・シリコーン社、SH28PA)
<[G]有機溶媒>
G−1:3−メトキシプロピオン酸エチル
G−2:1−メトキシ−2−プロパノール
<[I]分散剤>
I−1:リン酸エステル塩(ビッグケミージャパン社、BYK−102)
<感放射線性樹脂組成物および硬化膜の物性評価>
上記のように調製した感放射線性樹脂組成物から以下のように硬化膜を形成し、物性を評価した。
[実施例2]
(パターニング性評価基板の作製)
実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物(S−1)を用い、Si(シリコン)ウェハ上に硬化後膜厚が0.5μmとなるようにスピンコータで塗布した後、ホットプレート上で、90℃にて100秒間プレベークし、有機溶媒等を蒸発させて塗膜を形成した。次いで、UV(紫外)露光機(TOPCON Deep−UV露光機TME−400PRJ)を用い、所定のパターンが形成可能なパターンマスクを介してUV光を100mJ照射した。その後、2.38質量%の濃度のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(現像液)を用い、液盛り法によって25℃、100秒間現像処理を行った。現像処理後、超純水で1分間、各塗膜の流水洗浄を行い、乾燥させた後、Siウェハ上にパターニングされた硬化膜を形成した。
[実施例3]
(パターニング性の評価)
上記のようにして作製された硬化膜に形成された、貫通する20μm×20μmのホールパターンを光学顕微鏡にて観察し、残渣の程度を評価した。残渣が確認できない場合をA、わずかに残渣が確認できる場合をB、残渣をはっきりと確認できる場合をC、残渣が大量に確認できる場合をDとして、パターニング性を評価した。
評価の結果、実施例2で形成された硬化膜のパターニング性はA評価であった。
[実施例4]
(透過率の評価)
ガラス基板(「コーニング7059」(コーニング社製))に、実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物を、スピンコータで塗布した後、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして塗膜を形成した。次いで、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い露光を行い、0.5質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像を行った。乾燥後、この硬化膜が形成されたガラス基板について、分光光度計「150−20型ダブルビーム」((株)日立製作所製)を用いて波長400nm〜800nmの範囲の光透過率を測定し、波長400nm〜800nmの範囲の光透過率の最低値(最低光透過率ともいう。)を評価した。そして、波長400nmでの光透過率を評価の基準とし、波長400nmの光透過率が85%以上の場合、光透過率特性が特に良好であると判断した。評価の結果は、硬化膜の透過率は96%であった。
実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物を用いて得られた硬化膜は、波長400nmでの光透過率が90%以上であり、光透過率特性は特に良好であった。
[実施例5]
(密着性の評価)
ITO膜付のガラス基板であるITO基板上に実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物をスピンコータで塗布した後、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして各塗膜を形成した。次いで、キヤノン(株)製PLA−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い露光を行い、0.4質量%としたテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像を行って、ITO基板上に硬化膜を形成した。
上述の硬化膜が作成された評価用のITO基板について、「JIS K−5400−1990の8.5.3付着性碁盤目テープ法」を行い、碁盤目100個中で残った碁盤目の数を求め、硬化膜の密着性を評価した。
評価の結果、残った碁盤目の数は100個であり、実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物を用いて得られた硬化膜は、密着性が良好であった。
[実施例6]
(電気特性評価基板の作製)
実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物(S−1)を用い、ITO膜付のガラス基板であるITO基板上に膜厚1μmとなるようにスピンコータで塗布した後、ホットプレート上で90℃にて100秒間プレベークし、有機溶媒等を蒸発させて塗膜を形成した。次いで、電気特性測定のための電極取出し部位として、感放射線性樹脂組成物を塗布した基板の端の一部をアセトンで拭きとり下地のITOを露出させた。次いで、UV露光機(TOPCON Deep−UV露光機TME−400PRJ)でUV光を100mJ照射し、ITO基板上に絶縁膜を形成した。
[実施例7]
(誘電率の測定)
上述した実施例6の[電気特性評価基板の作製]に記載された方法で作製された電気特性評価基板の硬化膜上に、静電容量を測定するためのAl(アルミニウム)電極を真空蒸着装置(JEOL VACUUM EVAPORATOR JEE−420)を用いて作製した。次いで、予め露出させておいた基板のITO部分に電極接続用のリード線をハンダ付けし、そのリード線と真空蒸着装置で作製したAl電極とをそれぞれLCRメータ(HEWLETT PACKARD 4284A PRECISION LCR METER)のプラス端子とマイナス端子に接続し、印可電圧100mV、周波数1000Hzの条件で、絶縁膜の静電容量Cを測定した。測定された静電容量Cの値と、Al電極の面積S(m)と、硬化膜の膜厚d(m)を以下の式に代入し、誘電率εの値を求めた。誘電率εの値は5.0であった。
Figure 0006660000
[実施例8]
(リーク電流の測定方法)
上述した実施例7の[誘電率の測定]において誘電率を測定した基板を用い、電極(リード線とAl電極)を、エレクトロメータ(KEITHLEY 6517A ELECTROMETER / HIGH RESISTANCE METER)に接続されたリーク電流測定ボックス(KEITHLEY 8002A HIGH RESISTANCE TEST FIXTURE)の端子に接続し、50V/μmの電界強度となるように、硬化膜を挟持する電極間に電圧を印加してリーク電流を測定した。測定開始直後はリーク電流の値がばらつくため、測定開始1分後の値をリーク電流値として評価した。評価の結果、リーク電流値は、5.2×10−7A(アンペア)であり、極小さい値を示した。実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物を用いて得られた硬化膜は、絶縁性が良好であった。
以上のように、実施例1の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は、優れたパターニング性と、透過率特性と、密着性を有し、さらに、高い誘電率と優れた絶縁性を有し、液晶表示素子の層間絶縁膜として好適に使用できることがわかった。
尚、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々変形して実施することができる。
本発明の液晶表示素子は、タッチセンサー機能を内蔵し、また、高い信頼性を有し、簡便に低コストで製造することができる。したがって、タッチセンサー機能を内蔵する本発明の液晶表示素子は、スマートフォン等の携帯用情報機器用のみではなく、より大型の据え置き型の電気機器の表示素子用としても好適である。
10 液晶表示素子
11 表示領域
12 共通電極
13 感知領域
14−1,14−2、14−3,14−4 駆動領域
15−1,15−2,15−3,15−4 第1の共通配線
16−1,16−2,16−3,16−4,16−5,16−6,16−7,16−8,17−1,17−2 第2の共通配線
18 交差部
19 接続部
20 交差接続部
30,50 画素
31 第1の基板
32 液晶層
33 TFT
34 第1の層
35,39 第2の層
36 画素電極
37,105 層間絶縁膜
38 第3の層
40 第1の絶縁膜
41 半導体層
42 ゲート絶縁膜
43 ゲート電極
44 ソース電極
45 ドレイン電極
46 第2の絶縁膜
100 タッチパネル
101 基板
102 第1検知電極
104 第2検知電極

Claims (11)

  1. 対向配置された第1の基板および第2の基板の間に液晶層を挟持して、表示領域にマトリクス状に配置された複数の画素を有し、画像表示機能およびタッチを感知するタッチセンサー機能を備えた液晶表示素子において、
    前記複数の画素の少なくとも一部は、
    前記第1の基板の前記液晶層側に、
    TFTおよび第1の共通配線を含む第1の層と、
    第2の共通配線および該第2の共通配線に接続する共通電極を含む第2の層と、
    前記TFTに接続する画素電極および層間絶縁膜を含み該画素電極が該層間絶縁膜を介して前記共通電極に対向する構造を備えた第3の層と
    をこの順で有し、
    前記層間絶縁膜が有機膜であり、
    前記画像表示機能の使用時には、前記第2の共通配線を用いて前記画素の前記共通電極に共通電圧が供給され、
    前記タッチセンサー機能の使用時には、前記第1の共通配線と前記第2の共通配線との間の容量の変化を感知することによって前記タッチが感知されるように構成され、
    前記層間絶縁膜が、
    [A]重合体、
    [B]感光剤、並びに
    [C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物、
    を含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるものであり、
    前記感放射線性樹脂組成物が、さらに、[D]ウレタン結合を持つ重合体と、ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. [A]重合体が、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. [B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤のうちから選ばれる少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. [C]化合物は、粒子径が0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. [C]化合物が、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  6. FFSモード液晶表示素子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  7. [A]重合体、
    [B]感光剤、並びに
    [C]チタン酸化物と、バリウム、ストロンチウム、カルシウム、マグネシウム、ジルコニウムおよび鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属元素とを含む化合物、
    さらに[D]ウレタン結合を持つ重合体と、ウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート化合物とからなる群より選ばれる少なくとも1種、を含む感放射線性樹脂組成物であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示素子の有する層間絶縁膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  8. [A]重合体が、カルボキシル基を有する構成単位を含む重合体であることを特徴とする請求項7に記載の感放射線性樹脂組成物。
  9. [B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤のうちから選ばれる少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の感放射線性樹脂組成物。
  10. [C]化合物は、粒子径が0.01μm〜0.1μmの範囲であり、c/a軸比が1.0025〜1.010であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  11. [C]化合物が、チタン酸バリウムであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
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