JP6659338B2 - 吸収性物品 - Google Patents

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Description

本発明は、吸収性物品に関する。
柔らかな肌触りと適度な強度を兼ね備えていることから、吸収性物品の表面シートに、親水性繊維のみを用いて、高圧水流で該親水性繊維を交絡させて形成されたスパンレース不織布を用いることが知られている。一般的に使用される親水性繊維から形成されたスパンレース不織布は、一般的には、長時間の着用により毛羽立ち易く、表面シートに液残りが発生し易く、着用者に違和感を与え易いものである。
本出願人は、長時間着用してもヨレが発生し難く、着用者に違和感を与え難い観点から、主に捲縮性繊維を含有する表面シートを用いた吸収性物品を提案した(特許文献1)。
また、主に捲縮性繊維を含有する表面シートを用いた吸収性物品として、特許文献2には、高圧水流によってシート加工された後、潜在捲縮性繊維の捲縮を発現させることにより作製させた不織布を表面シートに用いた吸収性物品が開示されている。また、特許文献3には、吸収性物品用の表面シートとして、主に高収縮性繊維を含む繊維層を、繊維の交絡により一体化しており、該高収縮繊維が熱処理により収縮している不織布を用いることが開示されている。
特開2007−097945号公報 特開2012−75553号公報 特開平7−3598号公報
しかし、特許文献1には、捲縮性繊維以外に親水性繊維を含有させることに関して何ら記載されていない。また、特許文献1に記載の吸収性物品用の表面シートは、上述したように、長時間着用してもヨレが発生し難いものであるが、ふんわりとした柔らかな肌触りを実現したいとの更なる要望があった。
また、特許文献2及び特許文献3には、主な構成繊維として親水性繊維を用い、かつ捲縮性繊維を構成繊維に含有させる表面シートに関して何ら記載されていない。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
本発明は、肌対向面を形成する液透過性の表面シートを具備し、着用者の前後方向に対応する縦方向及び縦方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、前記表面シートは、非熱融着性の親水繊維及び熱融着性の螺旋状捲縮繊維を含み、前記親水繊維は、前記表面シートを構成する繊維全体に対する配合率が50質量%以上であり、前記表面シートでは、前記螺旋状捲縮繊維どうしが、又は前記螺旋状捲縮繊維が前記親水繊維に融着している、吸収性物品を提供するものである。
本発明によれば、ふんわりとした柔らかな肌触りが得られ、長時間の着用により毛羽立ち難く、表面シートに液残りが発生し難く、着用者に違和感を与え難い。
図1は、本発明の一実施形態であるパンティーライナーを示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線拡大断面図である。 図3は、図1に示すパンティーライナーにおける肌対向面側の要部を拡大して示す一部破断斜視図である。 図4は、図1に示すパンティーライナーの備える表面シートの要部拡大断面図である。 図5は、図1に示すパンティーライナーの備える表面シートの製造に好適に用いられる製造装置を示す模式図である。 図6は、図5に示すVI−VI線断面図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の一実施形態であるパンティーライナー1(以下、単に「パンティーライナー1」ともいう。)の斜視図が示されている。図2は、図1のII−II線拡大断面図である。
パンティーライナー1は、図1及び図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2を具備する。パンティーライナー1は、縦長の形状を有し、着用者の前後方向に対応する縦方向及び縦方向と直交する幅方向を有している。図1では、縦方向及び幅方向を、それぞれ、X方向及びY方向として示している。縦方向Xは、パンティーライナー1を着用したときの着用者の前後方向と一致し、幅方向Yは、パンティーライナー1の平面視において、縦方向Xと直交する方向である。また、パンティーライナー1の厚み方向を、Z方向として説明する。
パンティーライナー1は、図1及び図2に示すように、表面シート2、液不透過性の裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在された吸収体4を具備し、本実施形態では、表面シート2の非肌対向面側に下層側シート5を備えている。好適に、パンティーライナー1では、下層側シート5は、吸収体4が存在する領域では表面シート2と吸収体4との間に配されている。パンティーライナー1は、縦方向X中央部が括れた平面視長円形状を有している。ここで、裏面シート3の液不透過性は、液難透過性を含む意味である。
図1及び図2に示すように、パンティーライナー1においては、着用時の前後方向と同方向に長い矩形状の吸収体4と、吸収体4の肌対向面全域を被覆する下層側シート5とを備えている。表面シート2は、図1及び図2に示すように、下層側シート5の肌対向面全域を被覆している。表面シート2及び下層側シート5は、吸収体4の縦方向Xの両端及び両側それぞれから外方に延出した部分を有している。裏面シート3は、吸収体4の非肌対向面全域を被覆しており、吸収体4の縦方向Xの両端及び両側それぞれから外方に延出した部分を有している。表面シート2、下層側シート5及び裏面シート3は、吸収体4の縦方向Xの両端及び両側それぞれから外方に延出した部分が、パンティーライナー1の周縁部7において、融着(ヒートエンボス、超音波エンボス、高周波エンボス)或いは接着剤により、互いに固定されている。このように、矩形状の吸収体4は、下層側シート5と裏面シート3とによって挟持されている。尚、パンティーライナー1の裏面シート3の非肌対向面には、ショーツ等の下着に固定するための粘着部(図示略)が設けられている。
表面シート2は、非熱融着性の親水繊維2f1及び熱融着性の螺旋状捲縮繊維2f2を含んでいる(図4参照)。表面シート2を構成する「非熱融着性」の繊維とは、加熱しても溶融せず非熱融着性の繊維どうしでは融着しない繊維を意味する。また、「熱融着性」の繊維とは、加熱によって溶融して熱融着性繊維どうし又は他の繊維(前記非熱融着性の繊維も含む)と融着できる繊維を意味する。また、「親水繊維」とは、水分を保持しうる繊維のことであり、疎水性繊維の表面を親水化剤で処理したものは含まない。非熱融着性の親水繊維2f1は、表面シート2を構成する繊維全体に対する配合率が50質量%以上である。表面シート2を構成する繊維全体に対する非熱融着性の親水繊維2f1の配合率は、肌触りと微量なおりものや汗などの体液を吸収する性能の観点から、50質量%以上であり、60質量%以上であることが更に好ましく、そして、100質量%未満であることが好ましく、90質量%以下であることが更に好ましい。
非熱融着性の親水繊維2f1としては、天然繊維、再生セルロール繊維或いは半合成繊維等を用いることができる。天然繊維としては、例えばコットン繊維、絹繊維、或いは精製セルロース繊維であるリヨセル繊維等が挙げられる。再生セルロース繊維としては、レーヨン繊維やキュプラ繊維のような再生繊維等、半合成繊維としてはアセテート等が挙げられる。肌触りや風合いの観点から、非熱融着性の親水繊維2f1としては、天然繊維であるコットン繊維やリヨセル繊維を用いることが好ましい。
表面シート2を構成する捲縮繊維は、螺旋状捲縮繊維2f2を含むものである。本実施形態のパンティーライナー1において、該螺旋状捲縮繊維は、潜在捲縮性繊維が該繊維の収縮温度での熱処理によって螺旋状の捲縮を発現したものである。潜在捲縮性繊維とは、加熱される前は、従来の不織布用の繊維と同様に取り扱うことができ、且つ収縮温度での加熱によって螺旋状の捲縮が発現して収縮する性質を有する繊維である。
潜在捲縮性繊維は、例えば収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料を成分とする偏心芯鞘型複合繊維又はサイド・バイ・サイド型複合繊維からなる。その例としては、特開平9−296325号公報や特許2759331号明細書等に記載のものが挙げられる。収縮率の異なる2種類の熱可塑性ポリマー材料の例としては、例えばエチレン−プロピレンランダム共重合体とポリプロピレンとの組み合わせが挙げられる。
収縮温度は、潜在捲縮性繊維ないし螺旋状捲縮繊維が有する複数種の熱可塑性ポリマーのうち、相対的に軟化点が低い成分と相対的に軟化点が高い成分の、両軟化点間の温度を意味する。また、収縮開始温度は、相対的に軟化点が低い成分の軟化点を意味する。潜在捲縮性繊維は、両軟化点間の温度に加熱されたときに、低い軟化点を有する成分のみが収縮を開始する。その結果として、繊維全体が螺旋状に収縮して捲縮が発現され、螺旋状の捲縮繊維を形成する。熱処理の温度は、潜在捲縮性繊維を構成する樹脂の軟化点に応じて、言い換えれば、収縮温度に応じて、適宜調整することができる。即ち、「螺旋状捲縮繊維」とは、捲縮できる余地を残した状態のまま螺旋状の捲縮を発現した捲縮繊維と、捲縮できる余地を残さずに螺旋状の捲縮を発現した捲縮繊維とを含むことを意味する。また、「捲縮繊維」とは、前記「螺旋状捲縮繊維」と潜在捲縮性繊維の双方を意味する。
螺旋状捲縮繊維2f2は、表面シート2を構成する繊維全体に対する配合率が、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、そして、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることが更に好ましく、具体的には、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。
表面シート2は、非熱融着性の親水繊維2f1及び螺旋状捲縮繊維2f2に加えて、例えば、他の繊維を含んでいてもよいが、パンティーライナー1では、非熱融着性の親水繊維2f1及び螺旋状捲縮繊維2f2の2種類の繊維のみから構成されている。表面シート2を構成する繊維全体に対する他の繊維の配合率は、風合いと吸収性の観点から、40質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることが更に好ましく、下限は0質量%である。前記他の繊維としては、例えば芯鞘型ポリエチレン−ポリプロピレン複合繊維、芯鞘型ポリエチレン―ポリエチレンテレフタレート複合繊維、ポリエチレンテレフタレート単繊維等の熱融着性合成繊維が挙げられる。
表面シート2では、螺旋状捲縮繊維2f2,2f2どうしが、又は前記螺旋状捲縮繊維2f2が前記親水繊維2f1に融着している。これは、表面シート2は、(1)螺旋状捲縮繊維2f2,2f2の少なくとも一部どうしが融着している場合、(2)螺旋状捲縮繊維2f2の少なくとも一部が親水繊維2f1に融着して形成されている場合、及び(1)と(2)が混在している場合を含んでいる。好適には、表面シート2は、螺旋状捲縮繊維2f2,2f2の少なくとも一部どうしが融着し、かつ螺旋状捲縮繊維2f2の少なくとも一部が親水繊維2f1に融着して形成されている。
表面シート2は、高圧水流により繊維同士を交絡させるスパンレース法(水流絡合法)、或いはエアスルー法等により製造することができるが、非熱融着性の親水繊維2f1を50質量%以上含む観点から、スパンレース法により製造することが好ましい。例えば、スパンレース法により製造する場合、親水繊維2f1と、螺旋状捲縮繊維2f2となる前(螺旋状の捲縮を発現する前)の潜在捲縮性繊維2f2’を混合してカード法によってカードウェブを作製し、その後、該カードウェブに高圧の水を噴射して、繊維を絡め合わせたウエブを得る。そして、恒温乾燥機中に、繊維を絡め合わせたウエブを載置して熱処理を行い、潜在捲縮性繊維2f2’に螺旋状の捲縮を発現させる。それと共に、同じ工程において、螺旋状捲縮繊維2f2,2f2の少なくとも一部どうしが融着し、且つ螺旋状捲縮繊維2f2の一部が親水繊維2f1に融着して、目的とする表面シート2が製造できる。尚、カード法によって作製されるカードウェブとは、不織布化される前の状態の繊維集合体のことである。
パンティーライナー1の有する表面シート2を構成する不織布について、より詳細に説明する。
図3には、本実施形態のパンティーライナー1において、表面シート2と、下層側部材である下層側シート5とが接触している状態の斜視図が示されている。図4は、図3に示す表面シート2の厚み方向の断面を示す模式図である。
パンティーライナー1では、表面シート2は、図1及び図2に示すように、縦方向Xに延びる筋状の凸条部21及び凹条部22が幅方向Yに交互に配された凹凸構造に形成されている。好適には、表面シート2は、図3及び図4に示すように、表面u,裏面d各々の断面形状がともに厚み方向の上方に向かって凸状をなす複数の凸条部21と、隣り合う凸条部21,21どうしの間に位置する凹条部22とを有している。凹条部22は、表裏両面u,dの断面形状がともに不織布の厚み方向の上方に向かって凹状をなしている。言い換えれば、凹条部22は、表裏両面u,dの断面形状がともに不織布の厚み方向(Z方向)の下方に向かって凸状をなしている。そして、複数の凸条部21は、それぞれ、パンティーライナー1の縦方向Xに連続して延びており、複数の凹条部22も、パンティーライナー1の縦方向Xに連続して延びる溝状をなしている。凸条部21及び凹条部22は、互いに平行であり、幅方向Yに交互に配されている。
表面シート2は、図4に示すように表面シート2を厚み方向に沿って断面視したとき、凸条部21の頂部域23a、凹条部22の底部域23b、及びこれらの間に位置する中間部域23cとから構成される。頂部域23a、底部域23b及び中間部域23cは、パンティーライナー1の縦方向Xに連続して延びている。凸条部21の頂部域23a、凹条部22の底部域23b及び中間部域23cは、表面シート2を厚み方向に沿って断面視したとき、表面シート2のZ方向の厚みを三等分して、厚み方向の上方の部位を頂部域23a、中央の部位を中間部域23c、下方の部位を底部域23bとして区別する。
図4に示すとおり、表面シート2をその厚み方向に沿って観察したとき、中間部域23cの繊維密度は、頂部域23aの繊維密度及び底部域23bの繊維密度よりも低くなっている。尚、表面シート2は、非熱融着性の親水繊維2f1を50質量%以上含む不織布で形成されているため、後述する製造方法で説明する理由によって、パンティーライナー1においては、頂部域23aでの親水繊維2f1の繊度、底部域23bでの親水繊維2f1の繊度、及び中間部域23cでの親水繊維2f1の繊度が、同じ繊度に形成されている。
頂部域23aでの繊維密度(D23a)、及び底部域23bでの繊維密度(D23b)に対する中間部域23cの繊維密度(D23c)の比率(D23c/D23a,D23c/D23b)は、好ましくは0.3以上0.95以下、更に好ましくは0.4以上0.7以下である。
表面シート2の繊維密度の具体的な値に関しては、中間部域23cの繊維密度(D23c)は、0.005g/cm以上であることが好ましく、0.1g/cm以上であることが更に好ましく、そして、0.1g/cm以下であることが好ましく、具体的には0.005g/cm以上0.1g/cm以下であることが好ましく、0.01g/cm以上0.1g/cm以下であることが更に好ましい。
また、頂部域23aでの繊維密度(D23a)、及び底部域23bでの繊維密度(D23b)は、0.05g/cm以上であることが好ましく、0.1g/cm以上であることが更に好ましく、そして、0.5g/cm以下であることが好ましく、0.2g/cm以下であることが更に好ましく、具体的には0.005g/cm以上0.2g/cm以下であることが好ましく、0.1g/cm以上0.2g/cm以下であることが更に好ましい。
表面シート2全体の繊維密度は、0.01g/cm以上であることが好ましく、0.05g/cm以上であることが更に好ましく、そして、0.05g/cm以下であることが好ましく、0.2g/cm以下であることが更に好ましく、具体的には0.01g/cm以上0.5g/cm以下であることが好ましく、0.05g/cm以上0.2g/cm以下であることが更に好ましい。
各部分の繊維密度は、以下に示す測定方法により求める。
中間部域23cの坪量は、5g/m以上であることが好ましく、10g/m以上であることが更に好ましく、そして、30g/m以下であることが好ましく、25g/m以下であることが更に好ましく、具体的には5g/m以上30g/m以下であることが好ましく、10g/m以上25g/m以下であることが更に好ましい。
また、頂部域23aでの坪量、及び底部域23bでの坪量は、10g/m以上であることが好ましく、20g/m以上であることが更に好ましく、そして、40g/m以下であることが好ましく、35g/m以下であることが更に好ましく、具体的には10g/m以上40g/m以下であることが好ましく、20g/m以上35g/m以下であることが更に好ましい。
表面シート2全体の坪量は、5g/m以上であることが好ましく、10g/m以上であることが更に好ましく、そして、40g/m以下であることが好ましく、30g/m以下であることが更に好ましく、具体的には5g/m以上40g/m以下であることが好ましく、10g/m以上30g/m以下であることが更に好ましい。
各部分の坪量は、以下に示す測定方法により求める。
<中間部域23cの坪量の測定方法>
荷重がかかっていない状態のパンティーライナー1から、表面シート2を剥がさない状態で、縦方向Xに所定長さA、幅方向Yに所定長さBの矩形状にカットしてカットサンプルを切り出す。次いで、切り出したカットサンプルにおいて、幅方向Yのカット断面を観察し、表面シート2のZ方向の厚みを三等分した位置にて、頂部域23aの幅C(Y方向の長さ)又は底部域23bの幅C’(Y方向の長さ)を測定し、サンプルの幅方向長さBにおける幅Cと幅C’の合計値Fを求める。次いで、切り出したカットサンプルから表面シート2のみを凹凸構造が潰れないように剥がし、剥がした表面シート2の重量(W)を測定する。以上の結果から、以下の式(1)により、表面シート2の実質坪量(E)を求める。
表面シートの実質坪量E=W/(A×B)・・・(1)

次いで、剥がした表面シート2を、幅方向(Y方向)に凹凸構造が無くなるまで引き伸ばし、引き伸ばした後の幅方向(Y方向)の長さ(G)を測定する。そして、以下の式(2)により、中間部域23cの合計幅(H)を求める。
中間部域23cの合計幅(H)=G−F・・・(2)

また、以下の式(3)により、幅方向(Y方向)に引き伸ばした後の表面シート2の坪量(I)を求める。この求められた坪量(I)が、表面シート2全体の坪量である。
引き伸ばした後の表面シート2の坪量(I)=W/(A×G)・・・(3)

そして、以下の式(4)により、中間部域23cの坪量(J)を求める。

中間部域23cの坪量(J)
=((W−I)×A×F)/(A×H)・・(4)
<中間部域23cの繊維密度の測定方法>
中間部域23cの繊維密度(D23c)に関しては、上述した切り出したカットサンプルにおいて、幅方向(Y方向)のカット断面を観察し、表面シート2のZ方向の厚みを三等分した中央領域の厚み(K)を、画像解析装置を用いて、測定する。測定は、荷重がかかっていない状態で行う。画像解析装置としては、例えば、キーエンス株式会社製のデジタルマイクロスコープ(型番VHX−1000)を用いることができる。そして、以下の式(5)により、中間部域23cの繊維密度(K)を求める。
中間部域23cの繊維密度(D23c)=J/K・・・(5)
<頂部域23aでの坪量、及び底部域23bでの坪量の測定方法>
また、以下の式(6)により、頂部域23aでの坪量(L)、及び底部域23bでの坪量(L)を求める。
頂部域23a(底部域23b)での坪量(L)
=(W/(A×F))/2・・・(6)
<頂部域23aでの繊維密度、及び底部域23bでの繊維密度の測定方法>
尚、頂部域23a(底部域23b)の繊維密度(D23a,D23b)に関しては、上述した切り出したカットサンプルにおいて、幅方向(Y方向)のカット断面を観察し、表面シート2のZ方向の厚みを三等分した凸条部21の頂部域23a又は凹条部22の底部域23bの厚み(M)を、画像解析装置を用いて、測定する。測定は、荷重がかかっていない状態で行う。画像解析装置としては、例えば、日本電子株式会社製の査型電子顕微鏡(型番JCM−5100)を用いることができる。そして、以下の式(7)により、頂部域23a(底部域23b)の繊維密度(D23a,D23b)を求める。
頂部域23a(底部域23b)の繊維密度(D23a,D23b
=L/M・・・(7)
また、表面シート2全体の繊維密度に関しては、上述した切り出したカットサンプルにおいて、幅方向のカット断面を観察し、表面シート2の厚みをランダムに前記画像解析装置を用いて測定し、平均厚み(N)を算出する。そして、上記の式(3)により求めた表面シート2全体の坪量(I)を、平均厚み(N)で除して、表面シート2全体の繊維密度を求める。
表面シート2を平面視したときに、幅方向Yに隣り合う凸条部21の頂部どうしのピッチは、0.5mm以上5mm以下が好ましく、1mm以上3mm以下が更に好ましい。凸条部21の高さh(図3参照)は、0.5mm以上5mm以下が好ましく、1mm以上2mm以下が更に好ましい。高さhは、表面シート2の厚み方向の断面を顕微鏡観察し、無荷重下に測定する。
また、パンティーライナー1では、表面シート2は、図2〜図4に示すように、その非肌対向面側に配された下層側シート5と凹条部22の底部域23bにて接触している。そして、パンティーライナー1では、下層側シート5は、熱融着性繊維を含んでいる。熱融着性繊維を含む下層側シート5としては、各種製法によって得られた不織布を用いることができる。例えば、カード法又はエアレイド法により得た熱融着性繊維の繊維ウエブにエアスルー法で繊維どうしの熱融着点を形成したエアスルー不織布、カード法により得た熱融着性繊維の繊維ウエブにヒートロール法で繊維どうしの熱融着点を形成したヒートロール不織布、ヒートエンボス不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布、レジンボンド不織布等の種々の不織布を用いることができる。
パンティーライナー1では、表面シート2の螺旋状捲縮繊維2f2と下層側シート5の熱融着性繊維とが融着して、互いの融着点を形成している。表面シート2は、凹条部22の底部域23bにて凹部6を介して下層側シート5の肌対向面上に固定されている。凹部6は、例えば、熱エンボス加工を施すことにより形成されており、凹部6においては、表面シート2の螺旋状捲縮繊維2f2と下層側シート5の熱融着性繊維とが融着しており、且つ該凹部6の周縁部分に比べて相対的に繊維密度が高くなっている。凹部6は、パンティーライナー1では、各凹条部22の底部域23bにて、縦方向Xに間欠的に配されている。
吸収体4は、パンティーライナー1においては、吸収性シートから構成されている。具体的には、パンティーライナー1の吸収体4は、一枚の吸収性シートを所定形状に裁断して用いることができ、吸収性シートを複数枚貼り合わせて多層シートとして用いることができ、また一枚の吸収性シートを折り畳んで形成された多層シートを、吸収シートとして用いることもできる。尚、本発明の吸収性物品には、通常、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成された吸収コアをティッシュペーパによって被覆されている吸収体を用いることもできる。
吸収性シートとしては、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたもの等を好ましく用いることができる。また、吸収性シートとして、特開平8−246395号公報記載の方法にて製造された吸収性シート、気流に乗せて供給した粉砕パルプ及び吸水性ポリマーを堆積させた後、接着剤(例えば酢酸ビニル系の接着剤、PVA等)で固めた乾式シート、紙や不織布の間にホットメルト接着剤等を塗布した後高吸水性ポリマーを散布して得られた吸収性シート、パルプエアレイド不織布、スパンボンド不織布又はメルトブロー不織布製造工程中に高吸水性ポリマーを配合して得られた吸収性シート等を用いることもできる。特に、パンティーライナー1の表面への液戻り等の吸収性の観点から、パルプ繊維を主成分とするエアレイド不織布製造工程中に高吸水性ポリマーを配合して得られた吸収性シートが好ましく用いられる。
吸収体4の厚みは、好ましくは0.1mm以上1.0mm以下、更に好ましくは0.2mm以上0.8mm以下である。吸収体4の厚みは、下記の方法で測定される。
2つの平行な加圧面(固定加圧面と可動加圧面)を持つマイクロメーターであるピーコック式精密測定器(型式R1−C)を用いて厚みTを測定する。測定子可動加圧面の直径は5mm、圧力は100kPa以下で測定する。測定用試験片の大きさは、下記のプレートの大きさ以上とする。試験片上に20mm×20mmのプレート(質量5.4g)を置き、測定子可動加圧面を2mm/sの速度で操作し、該プレートに当て、安定直後の値を読み取る。加圧面間(試験片に加わる圧力)の圧力は1.3kPa以下とする。
パンティーライナー1の裏面シート3の形成材料としては、吸収性物品の裏面シートに従来使用されている各種のもの等を特に制限なく用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布とのラミネートシート等を用いることができる。
本実施形態のパンティーライナー1において、表面シート2として用いる凹凸構造を有する不織布は、非熱融着性の親水繊維2f1を50質量%以上含む不織布を一方向に延伸する延伸工程を備える不織布の製造方法によって好適に製造される。凹凸構造の表面シート2の製造方法の一実施態様について、上述した凹凸構造の表面シート2の好ましい製造方法を例に挙げ、図5を参照しながら説明する。図5には、凹凸構造の表面シート2の製造方法に用いられる好ましい製造装置100が模式的に示されている。製造装置100は、延伸部8を備えている。
延伸部8は、図5に示すように、互いに噛み合いが可能になっている一対の凹凸ロール81,82を備えている。一対の凹凸ロール81,82は、加熱可能に形成されており、それぞれ、大径凸部83,84と小径のスペーサ85,86とがロール軸方向に交互に配されて形成されている。凹凸ロール81,82は、加熱可能に形成されているが、加熱してもしなくても良い。
また、製造装置100においては、図6に示すように、一方の凹凸ロール81のロール軸方向に隣り合う大径凸部どうし83,83の間隔(ピッチ)、及び他方の凹凸ロール82のロール軸方向に隣り合う大径凸部どうし84,84の間隔(ピッチ)が同じ間隔(ピッチ)wであり、間隔(ピッチ)wは、肌ざわりやクッション感、さらに吸収性の観点から、好ましくは0.5mm以上5mm以下であり、特に好ましくは1mm以上3mm以下である。同様の観点から、図6に示すように、一対の凹凸ロール81,82の押し込み量t(ロール軸方向に隣り合う大径凸部83の頂点と大径凸部84の頂点との間隔)は、好ましくは0.5mm以上5mm以下であり、特に好ましくは1mm以上2mm以下である。そして機械延伸倍率は、同様の観点から、好ましくは1倍より大きく5倍以下であり、特に好ましくは2倍以上4倍以下である。
以上の構成を有する製造装置100を用いた凹凸構造の表面シート2の製造方法について説明する。
先ず、図5に示すように、非熱融着性の親水繊維2f1を50質量%以上含み且つ螺旋状捲縮繊維2f2を含む原料不織布2a(凹凸構造を有さないフラットな表面シート2)を用意する。そして、原料不織布2aの縦方向Xを、製造装置100を用いて凹凸構造の表面シート2を製造する際の機械方向(MD,流れ方向)に一致させる。言い換えれば、原料不織布2aの幅方向Yを、機械方向(MD,流れ方向)に直交する直交方向(CD,ロール軸方向)と同じ方向に一致させる。次いで、図5に示すように、原料不織布2aを、一対の凹凸ロール81,82の間に搬送して、図6に示すように、原料不織布2aを幅方向(Y方向)に延伸する。ここで、原料不織布2aは、非熱融着性の親水繊維2f1を50質量%以上含んで形成されており、螺旋状捲縮繊維2f2,2f2どうしが融着した部分が少ないため、一方の凹凸ロール81の大径凸部83の頂部と他方の凹凸ロール82の大径凸部84の頂部との間において延伸される部分における原料不織布2aを構成する親水繊維2f1及び螺旋状捲縮繊維2f2の配置がずれる。このように原料不織布2aの構成繊維の配置がずれた部分が、凹凸構造を有する表面シート2の中間部域23cとなる。また、一方の凹凸ロール81の大径凸部83の頂部の位置にて、延伸されない部分が凹凸構造を有する表面シート2の凹条部22の底部域23bとなる。また、他方の凹凸ロール82の大径凸部84の頂部の位置にて、延伸されない部分が凹凸構造を有する表面シート2の凸条部21の頂部域23aとなる。
従って、製造された凹凸構造の表面シート2は、中間部域23cの繊維密度が、凸条部21の頂部域23aの繊維密度及び凹条部22の底部域23bの繊維密度よりも低くなっている。また、上述したように、原料不織布2aが非熱融着性の親水繊維2f1を50%以上含んで形成されているため、一方の凹凸ロール81の大径凸部83の頂部と他方の凹凸ロール82の大径凸部84の頂部との間において延伸される部分において、原料不織布2aを構成する親水繊維2f1の繊維径が細くなり難く、親水繊維2f1及び螺旋状捲縮繊維2f2の配置がずれるだけとなり易い。その為、頂部域23aでの親水繊維2f1の繊度、底部域23bでの親水繊維2f1の繊度、及び中間部域23cでの親水繊維2f1の繊度が、同じ繊度となる。この効果を一層確実にするためには、原料不織布2aとして、螺旋状捲縮繊維2f2の含有量が、10質量%以上50質量%以下であることが好ましく、20質量%以上40質量%以下であることが更に好ましい。また、同様に、原料不織布2aとして、非熱融着性繊維の親水繊維2f1の含有量が、50質量%以上100質量%未満であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることが更に好ましい。
以上のようにして製造された凹凸構造の表面シート2は、一対の凹凸ロール81,82によって、凹凸形状に変形された状態のまま、下流側に搬送される。そして、凹凸構造の表面シート2は、下層側シート5上に配され、凹条部22の底部域23bに対応する位置にて、間欠的に熱エンボス加工を施し、凹部6を介して表面シート2及び下層側シート5を固定する。その後、パンティーライナー1の製造ラインに導入されて、パンティーライナー1が製造される。
以上のように製造されたパンティーライナー1においては、図4に示すように、表面シート2は、非熱融着性の親水繊維2f1及び熱融着性の螺旋状捲縮繊維2f2の少なくとも2種類の繊維を含んでいる。そして、非熱融着性の親水繊維2f1は、表面シート2を構成する繊維全体に対する配合率が50質量%以上であり、螺旋状捲縮繊維2f2を含んでいるので、ふんわりとした柔らかな肌触りが得られる。また、螺旋状捲縮繊維を含有しているので、表面シート2に液残りが発生し難い。また、表面シート2は、螺旋状捲縮繊維2f2,2f2どうし及び/又は親水繊維と螺旋状捲縮繊維が融着して形成されているので、長時間の着用しても毛羽立ち難く、着用者に違和感を与え難くなっている。特に、表面シート2が、非熱融着性の親水繊維2f1及び螺旋状捲縮繊維2f2の2種類の繊維のみから形成されていれば、前記効果を一層奏することができる。
また、パンティーライナー1では、図2に示すように、表面シート2の螺旋状捲縮繊維2f2と下層側シート5の熱融着繊維とが融着している。具体的には、表面シート2が、凹条部22の底部域23bにて凹部6を介して下層側シート5の肌対向面上に固定されている。その為、長時間の着用しても更に毛羽立ち難く、着用者に違和感を更に与え難くなっている。
また、パンティーライナー1では、図2に示すように、表面シートとして、凹凸構造の表面シート2を用いている。そして、凹凸構造の表面シート2は、図4に示すように表面シート2を厚み方向に沿って断面視したとき、中間部域23cの繊維密度が、頂部域23aの繊維密度及び底部域23bの繊維密度よりも低くなっている。このような繊維密度の低い中間部域23cを有しているので、中間部域23cから経血等の体液を吸収し易い。このような中間部域23cが、縦方向Xに延び、幅方向Yに間欠的に配されているので、パンティーライナー1の幅方向Yへ体液が拡がり難く、体液の拡散面積を抑えることができ、不快なべた付き感が抑えられる。尚、中間部域23cから吸収された体液は、重力及び粗密勾配によって、繊維密度の高い凹条部22の底部域23bに移行し易く、底部域23bに移行した体液は、底部域23bに接触する下層側シート5を介して吸収体4に移行し易くなっている。
また、密度の高い凸条部21の頂部域23a及び凹条部22の底部域23bが、それぞれ、縦方向Xに延びているので、パンティーライナー1の幅方向Yへ体液が拡がり難く、体液の横漏れを防止することができる。更に、密度の高い凸条部21の頂部域23a及び凹条部22の底部域23bが、それぞれ、縦方向Xに延びており、凹条部22の底部域23bが凹部6を介して下層側シート5に固定されているので、表面シート2の凹凸構造が潰れ難く、上記効果を維持することができる。
上述した効果が、一層確実に発現されるようにする観点から、下層側シート5は、以下の構成を有することが好ましい。
下層側シート5は、クッション性やヨレ抑制向上の観点から、その坪量(BW)が、表面シート2の坪量(BW)及び吸収体4の坪量(BW)よりも高いことが好ましい。ここで言う表面シート2の坪量とは、上記の式(4)により求めた表面シート2全体の坪量(I)を意味する。表面シート2の坪量(BW)及び吸収体4の坪量(BW)に対する下層側シート5の坪量(BW)の比率(BW/BW,BW/BW)は、好ましくは1.01以上2.0以下、更に好ましくは1.05以上2.0以下である。
下層側シート5の坪量(BW)は、10g/m以上であることが好ましく、30g/m以上であることが更に好ましく、そして、60g/m以下であることが好ましく、50g/m以下であることが更に好ましく、具体的には10g/m以上60g/m以下であることが好ましく、30g/m以上50g/m以下であることが更に好ましい。
吸収体4の坪量(BW)は、10g/m以上であることが好ましく、20g/m以上であることが更に好ましく、そして、80g/m以下であることが好ましく、40g/m以下であることが更に好ましく、具体的には10g/m以上80g/m以下であることが好ましく、20g/m以上40g/m以下であることが更に好ましい。
下層側シート5の密度(D)は、0.02g/cm以上であることが好ましく、0.04g/cm以上であることが更に好ましく、そして、0.4g/cm以下であることが好ましく、0.2g/cm以下であることが更に好ましく、具体的には0.02g/cm以上0.4g/cm以下であることが好ましく、0.04g/cm以上0.2g/cm以下であることが更に好ましい。
吸収体4の密度(D)は、0.01g/cm以上であることが好ましく、0.05g/cm以上であることが更に好ましく、そして、0.5g/cm以下であることが好ましく、0.4g/cm以下であることが更に好ましく、具体的には0.01g/cm以上0.5g/cm以下であることが好ましく、0.05g/cm以上0.4g/cm以下であることが更に好ましい。
以上本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明の吸収性物品は、上述した本実施形態に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば前記の実施形態は本発明をパンティーライナー1に適用した例であったが、これに代えて、本発明を他の吸収性物品、例えば生理用ナプキンや失禁パッド、使い捨ておむつなどに適用してもよい。
また、上述したパンティーライナー1においては、図2に示すように、表面シート2と接触する下層側部材が、下層側シート5であるが、下層側シート5以外のものでもよい。例えば、下層側シート5を有しない吸収性物品において、表面シート2と接触する下層側部材が吸収体4であってもよい。
また、上述したパンティーライナー1においては、図1及び図3に示すように、表面シート2として、凹凸構造の表面シートを用いているが、凹凸構造でないフラットな表面シートを用いてもよい。また、上述したパンティーライナー1の有する凹凸構造の表面シート2では、図1及び図3に示すように、頂部域23aの繊維密度及び底部域23bの繊維密度よりも低い繊維密度の中間部域23cが、パンティーライナー1の縦方向Xに連続して延びているが、間欠的に延びていてもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)カードウェブ及び不織布前駆体の作製
非熱融着性の親水繊維であるリヨセル繊維(商品名:テンセル、レンチング社製)と、潜在捲縮性繊維(L(V)(商品名)、2.2dtex×51mm、大和紡績株式会社製)を用い、これら2種類の繊維を用いてカード法によって解繊・混合させて、カードウェブを作製した。
その後、このカードウェブに高圧の水を噴射して、繊維を絡め合わせて不織布前駆体を作製した。
(2)熱処理
恒温乾燥機中に前記不織布前駆体を載置し、120℃±5℃で15秒間熱処理を行った。これによって潜在捲縮性繊維に螺旋状の捲縮を発現させると共に、螺旋状捲縮繊維を融着させた。このようにして目的とする実施例1の表面シートを得た。得られた実施例1の表面シートに関し、構成する繊維全体に対する親水繊維の配合率は90質量%であり、構成する繊維全体に対する螺旋状捲縮繊維の配合率は10質量%であり、表面シートの坪量は35g/m2であった。尚、実施例1の表面シートには、凸条部及び凹状部が形成されておらず、実施例1の表面シートはフラットな形状であった。
〔実施例2〕
実施例1の表面シートを構成する繊維と同じリヨセル繊維及び螺旋状捲縮繊維を用い、実施例1の表面シートと同じ工程を経て、目的とする実施例2の表面シートを得た。得られた実施例2の表面シートに関し、構成する繊維全体に対する親水繊維の配合率は70質量%であり、構成する繊維全体に対する螺旋状捲縮繊維の配合率は30質量%であり、表面シートの坪量は35g/m2であった。
〔実施例3〕
実施例1の表面シートを構成する繊維と同じリヨセル繊維及び螺旋状捲縮繊維を用い、実施例1の表面シートと同じ工程を経て、目的とする実施例3の表面シートを得た。得られた実施例3の表面シートに関し、構成する繊維全体に対する親水繊維の配合率は50質量%であり、構成する繊維全体に対する螺旋状捲縮繊維の配合率は50質量%であり、表面シートの坪量は35g/m2であった。
〔比較例1〕
実施例1の表面シートを構成する繊維と同じリヨセル繊維のみを用い、実施例1の表面シートと同じ工程を経て、目的とする比較例1の表面シートを得た。得られた比較例1の表面シートに関し、構成する繊維全体に対する親水繊維の配合率は100質量%であり、表面シートの坪量は35g/m2であった。
〔評価〕
市販のパンティーライナー(花王株式会社製、商品名「ロリエきれいスタイル」)から表面シートを取り除き、その代わりに、実施例1〜3及び比較例1の表面シートを配置した。実施例1〜3及び比較例1の表面シートと、下層側シートであるセカンドシートの周囲を、表面シートを取り除いたパンティーライナーと固定して評価用のパンティーライナーを作製した。作製されたパンティーライナーについて、毛羽立ち評価、液戻り量評価を以下の方法で測定した。また、実施例1〜3及び比較例1の表面シートについて、圧縮仕事量を測定し風合いを評価した。それらの結果を以下の表1に示す。
〔毛羽立ち評価〕
ウレタンフォーム〔(株)イノアテック製ウレタンフォーム、商品名:モルトフィルター MF-30タイプ、厚さ0.5mm〕で表面を覆った円盤(直径70mm、350g)を回転軸から円盤中心が20mmずれた位置で回転軸に取り付けた試験機を用意した。表面シートを上方に向けた状態でパンティーライナーを試験機の台上に固定した。次いで、上記円盤を固定したサンプルの表面シート上にのせ、回転軸を回転させて円盤をサンプル上で周動させた。周動は、時計回りに2回、反時計回りに2回を1サイクルとして10サイクル行った。この時の周動速度は1回転あたり約3秒であった。周動後のサンプルについて、上記円盤のウレタンフォームに付着した繊維をピンセットで採取し、採取した繊維の重量を測定し、これを毛羽立ち評価とした。採取した繊維の重量が小さいほど、毛羽立ちは少ない。
〔液戻り量の評価〕
評価対象のパンティーライナーの肌対向面(表面シート側)の全域に対して5g/cmの荷重を加えた状態で、該肌対向面の中央部から疑似血液0.5gを注入し、そのまま1分間放置した。1分後、荷重を取り外し、パンティーライナーの肌対向面における疑似血液の注入部を中心とする部分に、60×80mmの大きさにカットした平面視矩形形状の濾紙を載せ、更に該濾紙の上からパンティーライナーに対して3g/cmの荷重を加え、その状態で10秒間放置した。10秒後、パンティーライナーから濾紙を取り除いてその重量(液吸収後の濾紙重量)を測定し、予め測定した液吸収前の濾紙重量(初期濾紙重量)から次式により、目的とする液戻り量を算出した。液戻り量は、着用時に着用者が感じるサラッと感の指標となるものであり、液戻り量の数値が小さいほど、表面シートの液吸収性が高く、サラッと感が得られやすく、高評価となる。
液戻り量(mg)=吸収後の濾紙重量−初期濾紙重量
〔圧縮仕事量WC〕
カトーテック(株)KES FB3−AUTO−A型装置を用い、加圧面積2cm、圧縮速度0.02mm/sec、上限荷重50gf/cm2の条件で圧縮仕事量WCを測定した。圧縮仕事量WCは、その値が大きいほどふんわりとしており、風合いが良いと評価される。
Figure 0006659338
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜3の表面シートは、比較例1の表面シートに比べて、圧縮仕事量WCの値が大きく、ふんわりとしており、風合いが良いことが判った。また、実施例1〜3の表面シートは、比較例1の表面シートに比べて、液戻り量が少ないことが判った。更に、また、実施例1〜3の表面シートは、比較例1の表面シートに比べて、採取した繊維の重量が少なく、毛羽立ち難いことが判った。このような結果から、実施例1〜3の表面シートは、比較例1の表面シートに比べて、ふんわりとした柔らかな肌触りが得られ、長時間の着用により毛羽立ち難く、表面シートに液残りが発生し難く、着用者に対する違和感を抑えることが期待できる。
1 パンティーライナー
2 表面シート
2f1 親水繊維
2f2 螺旋状捲縮繊維
21 凸条部
22 凹状部
23a 頂部域
23b 底部域
23c 中間部域
3 裏面シート
4 吸収体
5 下層側シート
6 凹部
7 周縁部
100 製造装置
8 延伸部
81,82,87 凹凸ロール
83,84,89 大径凸部
85,86 スペーサ

Claims (3)

  1. 肌対向面を形成する液透過性の表面シートを具備し且つ該表面シートの非肌対向面側に下層側シートを具備し、該下層側シートが該表面シートと吸収体との間に配されており、着用者の前後方向に対応する縦方向及び縦方向と直交する幅方向を有する吸収性物品であって、
    前記表面シートは、非熱融着性の親水繊維及び熱融着性の螺旋状捲縮繊維を含み、
    前記下層側シートは、熱融着性繊維を含み、
    前記親水繊維は、前記表面シートを構成する繊維全体に対する配合率が50質量%以上であり、
    前記表面シートでは、前記螺旋状捲縮繊維どうしが、又は前記螺旋状捲縮繊維が前記親水繊維に融着しており、
    前記表面シートの前記螺旋状捲縮繊維と前記下層側シートの前記熱融着性繊維とが融着しており、
    前記下層側シートの坪量が、前記表面シートの坪量及び前記吸収体の坪量よりも高く、
    前記表面シートは、縦方向に延びる筋状の凸条部及び凹条部が幅方向に交互に配された凹凸構造に形成されており、
    前記凸条部の頂部域と前記凹条部の底部域との間の中間部域は、その密度が、該頂部域の密度及び該底部域の密度よりも低くなっている、吸収性物品。
  2. 前記表面シートの坪量に対する前記下層側シートの坪量の比率が1.01以上2.0以下であり、
    前記吸収体の坪量に対する前記下層側シートの坪量の比率が1.01以上2.0以下である、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記下層側シートの坪量が10g/m以上60g/m以下であり、
    前記吸収体の坪量が10g/m以上80g/m以下であり、
    前記表面シートの坪量が5g/m以上40g/m以下である、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
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