JP6658314B2 - 車両用電源システムおよび自動車 - Google Patents

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Description

本発明は車両用電源システムおよび自動車に係り、特に、オルタネータから供給される電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスを備えた車両用電源システムおよび該車両用電源システムを備えた自動車に関する。
従来、例えば、普通ガソリン車等では、オルタネータから供給される電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスが広く実用に供されている。普通ガソリン車は、制動時を除く走行中にオルタネータから供給される電力を鉛蓄電池等の蓄電デバイスに充電する。近年、このようなガソリン車において、二酸化炭素排出抑制の観点から、アイドリングストップ・システム機能(ISS機能)を有する車両(ISS車)が徐々に増加している。ISS車では、車両停止時にエンジンを停止し、その間のランプや電装機器等の補機への電力供給はすべて蓄電デバイスで賄い、さらに、アイドリングストップ後のスタート時には蓄電デバイスに蓄電された電力でスタータ(セルモータ)を駆動させてエンジンを始動する。従って、ISS車では、車両停止時にエンジンを停止するため、普通ガソリン車と比べて燃費が向上する。
近時、燃費改善のニーズはとりわけ高く、燃費効率の高い車両が大幅に販売台数を伸ばしている。このような実情に則して、自動車(製造)会社では、制動時にオルタネータから供給される回生電力で蓄電デバイスを充電するオルタネータ回生車両の開発が進められている。このようなオルタネータ回生車両の中には、上述したISS機能を有する車両も含まれ、そのような車両はμHEVまたはマイクロハイブリッドと呼ばれることもある。オルタネータ回生車両では、普通ガソリン車で熱消費されていた、オルタネータから制動時に供給される回生電力で蓄電デバイスを充電し、制動時を除く走行中は原則的にオルタネータの動作を停止してオルタネータを作動させるためのエンジンによるガソリン消費を低減させる。
上述したガソリン車、ISS車、オルタネータ回生車両では、鉛蓄電池等の蓄電デバイスが、電源システムを構成するキーデバイスとして採用されている。昨今では、複数の蓄電デバイスを有する複合蓄電デバイスも市場に現れ始めている。例えば、特許文献1には、鉛蓄電池で構成された第1電源とキャパシタで構成された第2電源とを有する複合蓄電デバイスを採用し、エンジン停止時に第2電源(キャパシタ)から第1電源(鉛蓄電池)に放電することで、第2電源の自己放電および自己放電に伴う暗電流を低減させる車両用電源システムが開示されている。
このような車両用電源システムでは、一般に、エンジン停止時(車両駐車時又はアイドリングストップ時)に蓄電デバイスから数十〜数百[mA]の暗電流が放電負荷に流れる。放電負荷の中には、例えば計時機能等を有する補機も含まれるため、そのような機能を維持するために、充放電休止中であっても蓄電デバイスから放電負荷に暗電流が流される。
特開2015−009792号公報(図1、段落「0049」参照)
ところで、例えば鉛蓄電池の場合、充電状態では正極活物質がPbO、負極活物質がPbであり、放電されると両極活物質が電解液の希硫酸と反応しPbSOとなる。このとき、鉛蓄電池が暗電流等の微小電流で放電されると、PbSOの粗大化が起こる。充電時にはPbSOの表面から反応していくが、粗大化したPbSOは内側まで反応が進まず充電されてもPbSOが残存してしまう。この現象はサルフェーションと呼ばれ、蓄電デバイスの充電性能低下の原因となる。
一方、特許文献1の技術において、第1電源(鉛蓄電池)に着目すると、エンジン停止時に第2電源(キャパシタ)が鉛蓄電池の電圧までしか放電できないため、第2電源(キャパシタ)から鉛蓄電池への放電時間が短く、鉛蓄電池から放電負荷への長時間に亘る微小電流の放電防止効果が期待しづらい。
本発明は上記事案に鑑み、第2の蓄電デバイス(例えば鉛蓄電池)の充電性能低下を防止可能な車両用電源システムおよび該車両用電源システムを備えた自動車を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、車両用電源システムであって、第1の蓄電デバイスと第2の蓄電デバイスとを有し、オルタネータから供給される電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスと、前記第1および第2の蓄電デバイスの充放電電流を切り替えるスイッチ手段と、を備え、前記スイッチ手段は、エンジン停止時に、前記第1の蓄電デバイスから前記放電負荷に暗電流を流すことを特徴とする。
第1の態様において、スイッチ手段は、エンジン停止時に、(A)第1の蓄電デバイスから放電負荷に暗電流を流した後、(B)(a)第2の蓄電デバイスから放電負荷に暗電流を流すとともに第1および第2の蓄電デバイスを並列接続して第1の蓄電デバイスを充電し、(b)再び第1の蓄電デバイスから放電負荷に暗電流を流すことを繰り返す、ようにしてもよい。このとき、(B)(a)において、第1および第2の蓄電デバイスを並列接続して第1の蓄電デバイスを充電する際の充電終止電流が100mAを超えることが好ましい。
また、第1の蓄電デバイスの電圧を測定する第1の電圧測定手段をさらに備え、スイッチ手段は、(A)および(B)(b)において、第1の電圧測定手段で測定された第1の蓄電デバイスの電圧に基づいて第1の蓄電デバイスが予め設定された設定電圧V1となるまで第1の蓄電デバイスから暗電流を流すようにしてもよい。この設定電圧V1は、例えば、補機が作動可能な最低電圧以上の電圧値に設定することができる。
さらに、第2の蓄電デバイスの電圧を測定する第2の電圧測定手段を備え、スイッチ手段は、第1および第2の電圧測定手段で測定された第1および第2の蓄電デバイスの電圧に基づいて、第1の蓄電デバイスが設定電圧V1未満、かつ、第2の蓄電デバイスが予め設定された設定電圧V2(V2>V1)以上のときに、(B)(a)において、第2の蓄電デバイスから暗電流を流すとともに第1および第2の蓄電デバイスを並列接続するようにしてもよい。このとき、スイッチ手段は、第2の電圧測定手段で測定された第2の蓄電デバイスの電圧に基づいて第2の蓄電デバイスの充電状態(SOC)を算出し、第1の蓄電デバイスが設定電圧V1未満、かつ、第2の蓄電デバイスが設定電圧V2以上であって算出されたSOCが予め設定された設定SOC以上のときに、第2の蓄電デバイスから暗電流を流すとともに第1および第2の蓄電デバイスを並列接続し、第1の蓄電デバイスが設定電圧V1未満、かつ、第2の蓄電デバイスが設定電圧V2未満または設定SOC未満のときに、(C)第2の蓄電デバイスから放電負荷に暗電流を流すようにしてもよい。この設定SOCは、例えば、第2の蓄電デバイスからエンジン始動用スタータに放電することでエンジンを始動可能な最低SOC以上のSOC値に設定することができる。
第1の態様において、第1の蓄電デバイスには、例えば、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオン電池で構成される群から選択される1種を用いることができる。また、第2の蓄電デバイスには、例えば、鉛蓄電池を用いることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の第2の態様は、第1の態様の車両用電源システムを備えた自動車である。
本発明によれば、スイッチ手段が、エンジン停止時に、第1の蓄電デバイスから放電負荷に暗電流を流すので、第2の蓄電デバイスから放電負荷への微小電流の放電を防止できるため、第2の蓄電デバイスの充電性能低下を防止することができる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な実施形態の電源システムのブロック回路図である。 実施形態の電源システムの制御部のマイクロコントローラ(MC)のCPUが実行する充放電制御ルーチンのフローチャートである。 充放電制御ルーチンのステップ110の詳細を示す回生充放電処理サブルーチンのフローチャートである。 充放電制御ルーチンのステップ116の詳細を示す充放電休止処理サブルーチンのフローチャートである。 他の実施形態の充放電休止処理サブルーチンのフローチャートである。 蓄電デバイスのデバイス状態を模式的に示す説明図であり、(A)はサブ電池の電圧、(B)はメイン電池の電圧、(C)はメイン電池の充電状態を示す。
以下、図面を参照して、本発明を、オルタネータ回生車両に搭載可能な14V系車両用電源システムに適用した実施の形態について説明する。
1.構成
1−1.車両側の構成
まず、本実施形態の電源システム10に言及する前に、電源システム10が搭載されるオルタネータ回生車両(μHEV)20の主要構成について簡単に説明する。なお、μHEVとは、ISS機能を有し、オルタネータから供給される回生電力を受け入れ可能かつ放電負荷(スタータおよび補機)に放電可能な蓄電デバイスを備えたガソリン車またはディーゼル車をいう。
(1)イグニッションスイッチ(IGN)11
図1に示すように、オルタネータ回生車両20は、普通ガソリン車と同様に、イグニッションスイッチ11(以下、IGN11と略称する。)を備えている。IGN11は、ドライバにより、OFF位置、ON/ACC位置、START位置のいずれかに位置付けられる。すなわち、車両駐車時にはOFF位置、車両走行前および走行時にはON/ACC位置、エンジン始動時にはSTART位置に位置付けられる。なお、「ACC」はアクセサリ、すなわち、補機(に蓄電デバイス1から電力を供給するための位置)を意味する。IGN11はその位置が変更される度に車両制御部15に報知する。
(2)車両制御部15
また、オルタネータ回生車両20は、オルタネータ回生車両20全体の動作を制御する車両制御部(ECU)15を備えている。車両制御部15は、IGN11の位置情報を把握するとともに、アクセル、ブレーキ、エンジン等の作動状態、速度、加速度その他の車両状態を把握し、把握した状態に応じた車両制御を行う。
また、車両制御部15は、電源システム10の制御部7と通信線16を介して通信し、電源システム10を構成する蓄電デバイス1のデバイス状態の報知を受けるとともに、制御部7に車両の状態情報を報知する。なお、車両の状態情報には、下表1に示すように、IGN位置情報およびオルタネータ作動情報が含まれる(詳細後述)。
Figure 0006658314
(3)オルタネータ12
オルタネータ回生車両20は、制動時やアクセルオフ時に図示を省略したエンジンの回転力を回生電力に変換するオルタネータ12を備えている。オルタネータ12には電磁クラッチ(不図示)を介してエンジンの(回転)駆動力が伝達される。本実施形態では、オルタネータ12の出力電圧は14.0[V]に設定されている。なお、後述するように、蓄電デバイス1のデバイス状態に応じて、回生発電時以外にもオルタネータ12による発電がなされる場合がある。
オルタネータ12は、ステータおよびロータで構成される発電部と、発電部で発電された交流電力を直流電力に変換する整流部と、整流部で変換された直流電力の電圧を一定とするためのボルテージレギュレータとを有して構成されている。なお、オルタネータ12の一端はグランド(車両のシャーシと同電位。以下、GNDと略称する。)に接続されており、他端は後述するスタータ13および補機14の一端および後述するスイッチ6の接続点に接続されている。
(4)スタータ13
また、オルタネータ回生車両20は、エンジンを始動するスタータ13を備えている。スタータ13は、公知のように、フィールド(励磁)コイルとアーマチュア(回転)コイルとを有する直流直巻型モータ(セルモータ)と、モータに蓄電デバイス1の電力を供給するためのメイン接点と、プランジャの周りに配されプランジャを進退・保持するプルイン(引き込み)コイルおよびホールディング(保持)コイルと、プランジャに固着した導体部材とを有して構成されている。スタータ13の他端はGNDに接続されている。
オルタネータ回生車両20のエンジン始動時には、プルインコイルおよびホールディングコイルに蓄電デバイス1から電力が供給され、プランジャが移動する(引き込まれ保持される)ことで直流直巻型モータに接続された一方のメイン接点と、蓄電デバイス1に接続された他方のメイン接点とが上述した導体部材で導通することでモータが回転し、このモータの回転力でクランクシャフトが回転する。このため、IGN11がSTART位置に位置付けられると、蓄電デバイス1からスタータ13へ電力が供給されスタータ13が回転し、クランクシャフトを介してスタータ13の回転力がエンジンに伝達されてエンジンが始動する。
(5)補機14
さらに、オルタネータ回生車両20には種々の補機(アクセサリ)14が搭載されている。補機14には、例えば、ランプ、ライト、パワーウインド、エンジンポンプ(スパークプラグ)、エアコン、ファン、ラジオ、テレビ、CDプレーヤ、カーナビゲーション等を挙げることができる。補機14の他端はGNDに接続されている。なお、補機14は、最低作動電圧(例えば、8[V])以上の作動電圧を蓄電デバイス1から供給されればよい。
1−2.電源システムの構成
次に、本実施形態の電源システム10の構成について説明する。電源システム10は、例えば、オルタネータ回生車両20のエンジンルームに搭載されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1)複合蓄電デバイス1
図1に示すように、本実施形態の電源システム10は、オルタネータ12から供給される回生電力を受け入れ可能かつスタータ13および補機14(以下、両者を総称する場合は放電負荷という。)に放電可能な蓄電デバイス1を備えている。複合蓄電デバイス1は、メイン電池2(本例では鉛蓄電池)と、サブ電池3(本例ではリチウムイオン電池(LIB))との複合蓄電デバイスとして構成されている。ここで、メイン電池は、第2の蓄電デバイスであり、サブ電池は第1の蓄電デバイスに相当する。
(1−1)メイン電池2
メイン電池2の電槽には、内部を仕切る隔壁によって6個のセル室を画定するモノブロック電槽が用いられている。モノブロック電槽の中央部の隔壁には上部側から略中央部までセンサ挿入孔が形成されている。センサ挿入孔にはメイン電池2の中央部の温度を検出するサーミスタ等の温度センサが挿入されており、温度センサは接着剤でセンサ挿入孔内に固定されている。
メイン電池2の各セル室には、複数の正極板と負極板とをセパレータを介して積層した極板群が1組ずつ収容されており、水系電解液である希硫酸が注液されている。メイン電池2の正極活物質には二酸化鉛、負極活物質には海綿状鉛を用いることができる。また、回生電力を受け入れやすい構造とするために、負極活物質合剤には負極活物質の他にリグニンおよびカーボン等を含む負極添加剤が混入されている。
各セル室はモノブロック電槽の開口を一体に覆う蓋で密閉化されており、各セル室間は導電性の接続部材により直列に接続されている。メイン電池2の上部対角位置には、外部出力端子となる正極端子および負極端子が立設されている。本実施形態のメイン電池2の公称電圧は12[V]であり(各セルの公称電圧:2[V])、満充電電圧は14.8[V]である。また、メイン電池2の容量は、例えば、30〜70[Ah]とすることができるが(本例では32[Ah])、本発明はこれに制限されるものではない。なお、メイン電池2の負極端子はGNDに接続されている。
(1−2)サブ電池3
一方、サブ電池3は、例えば4V系リチウムイオン電池(以下、単電池という。)を複数個(本例では4個)直列に接続することで最上位電位側に正極端子、最下位電位側に負極端子を有して構成されており、負極端子はGNDに接続されている。サブ電池3の容量は、例えば、1〜70[Ah]とすることができるが(本例では4[Ah])、本発明はこれに制限されるものではない。本実施形態では、サブ電池3の容量はメイン電池2の容量より小さい。なお、各単電池の公称電圧は3.8[V]、本実施形態での使用電圧域は2.7[V]〜3.5[V]である(サブ電池3では10.8[V]〜14.0[V]、図6(A)参照)。
また、4V系単電池に代えて、近時研究・開発されている5V系単電池を複数個直列に接続して構成するようにしてもよい。さらに、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた2〜3V系単電池を複数個直列に接続して構成するようにしてもよい。サブ電池3を構成する単電池の個数は、単電池の仕様とオルタネータ12の出力電圧とで定められる。
各単電池は、アルミニウム箔に正極活物質を塗着した正極と銅箔に負極活物質を塗着した負極とを微多孔性のセパレータを介して捲回または積層した電極群を有しており、電極群は、6フッ化リン酸リチウム(LiPF)等のリチウム塩がエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート等の混合溶媒に溶解された非水電解液に浸潤されて円筒型、扁平円筒型または角型の電池缶内に収容されている。単電池の正極活物質にはリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、負極活物質には炭素材料またはチタン酸リチウムを用いることができる。
例えば、各単電池(単電池)が円筒型の場合には、サブ電池3は上下位置で4本の単電池を一括して保持するための樹脂製ホルダを有しており、各ホルダにはこれらの単電池を直列接続するための導体並びに正極端子または負極端子がインサート成形で内蔵されており、各単電池はそれぞれ隣接する2本の単電池と上下方向で正負極が逆方向で対角位置に配された単電池と同方向でホルダにより保持されるようにしてもよい。これらの単電池のうち中央部に配された1個の電池缶表面には、接着剤によりサーミスタ等の温度センサが固着している。
(2)スイッチ6
図1に示すように、電源システム10は、メイン電池2およびサブ電池3の充放電電流を切り替えるスイッチ6を備えている。スイッチ6は、直列に接続された2つのスイッチ、スイッチSW1とスイッチSW2とで構成されている。スイッチSW1とスイッチSW2との接続点は放電負荷の一端およびオルタネータ12の他端に接続されている。スイッチSW1、SW2の他端はそれぞれメイン電池2およびサブ電池3の正極端子に接続されている。スイッチSW1、SW2は大電流が通電可能なスイッチング素子(例えば、パワーMOSFET)で構成されている。
ここで、スイッチ6の主機能について説明すると、オルタネータ12から供給される回生電力を蓄電デバイス1で受け入れる際に、オルタネータ12からメイン電池2およびサブ電池3のいずれか一方に接続するスイッチの役割を果たすとともに、蓄電デバイス1から放電負荷に放電する際に、メイン電池2およびサブ電池3のいずれか一方から放電負荷に接続するスイッチの役割を果たす。
スイッチ6は、下表2に示すように、オルタネータ12および放電負荷がメイン電池2およびサブ電池3のいずれにも接続されない状態0、オルタネータ12および放電負荷がサブ電池3に接続される状態1、オルタネータ12および放電負荷がメイン電池2に接続される状態2、メイン電池2とサブ電池3とが並列接続される状態3のいずれかの状態を採る。
Figure 0006658314
(3)補償キャパシタC
蓄電デバイス1から補機14に放電する際、例えば状態1から状態2に切り替えるときには、メイン電池2およびサブ電池3のいずれからも補機14に電力が供給されない一瞬が生じるおそれがある。このため、スイッチSW1、SW2の接続点とGNDとの間には、この一瞬の電力を補機14に補償・供給する補償キャパシタC(電解キャパシタ)が挿入されている。
(4)コントローラ4、5
また、電源システム10は、メイン電池2、サブ電池3の状態をそれぞれ検出するメイン電池コントローラ4、サブ電池コントローラ5(以下、両者を総称する場合はコントローラ4、5という。)を備えている。コントローラ4、5は、充放電中(車両走行中および車両走行前)にそれぞれメイン電池2、サブ電池3の温度、電圧、電流等の状態を検出する。
すなわち、本実施形態では、上述したメイン電池2の温度センサはメイン電池コントローラ4に接続されており、メイン電池コントローラ4は所定時間毎に(例えば、10ms間隔で)温度センサの電圧をサンプリングし、サンプリング結果をそのRAMに格納する。また、メイン電池2の総電圧を検出するために、メイン電池2の正極端子および負極端子はメイン電池コントローラ4に接続されている。
さらに、メイン電池2に流れる充放電電流を検出するために、スイッチSW2およびメイン電池2の正極端子間にはホール素子またはシャント抵抗等の電流センサ8が配されており、電流センサ8はメイン電池コントローラ4に接続されている。メイン電池コントローラ4は、メイン電池2の電圧およびメイン電池2に流れる電流を所定時間毎に(例えば、2ms間隔で)サンプリングし、サンプリング結果をそのRAMに格納する。また、メイン電池コントローラ4は、充放電休止時(車両駐車時)に、メイン電池2の開回路電圧(以下、OCVと略称する。)およびそのときの温度を検出する。
一方、サブ電池コントローラ5も上述したメイン電池コントローラ3と同様の構成を有しているが(サブ電池3に流れる充放電電流をスイッチSW1とサブ電池3の正極端子との間に配された電流センサ9で検出)、サブ電池3の総電圧の検出に加え、過放電・過充電を監視するために各単電池の電圧も検出する点で、メイン電池コントローラ4が検出する以外の電圧検出も行う。また、サブ電池コントローラ5は、サブ電池3を構成する各単電池の容量(電圧)を調整する(揃える)容量調整回路を有していてもよい。
コントローラ4、5は、制御部7(状態把握部7A)に接続されており、充放電時に、それらのRAMに一時的に格納したメイン電池2およびサブ電池3の温度、電圧、電流およびサブ電池3を構成する各単電池の電圧を制御部7に出力し、充放電休止時に、検出したOCVおよびそのときの温度を制御部7に出力する。
(5)制御部7
さらに、電源システム10は、メイン電池2およびサブ電池3のデバイス状態を演算するとともに、スイッチ6による充放電電流の切り替え動作を制御する制御部7を備えている。制御部7は、マイクロコントローラ(以下、MCと略称する。)、通信IC、I/O、入力ポート、出力ポートを有するマイクロプロセッサとして構成されており、図1では、制御部7の役割を明確にするために機能別に細部を表している。
MCは、メイン電池2およびサブ電池3のデバイス状態(充電状態(SOC)、電圧等)を把握(演算)するCPU、基本制御プログラムおよびプログラムデータを記憶したROM、CPUのワークエリアとして働くとともに種々のデータを一時的に記憶するRAMおよびこれらを接続する内部バスで構成されている。内部バスは外部バスに接続されており、外部バスは入力ポートを介して上述したコントローラ4、5に接続されている。また、外部バスには、スイッチ6に信号を出力するための出力ポート、および、I/O、通信線16を介して車両制御部15と通信するための通信ICが接続されている。
従って、制御部7のMCおよび入力ポートは図1の状態把握部7Aに、MCおよび出力ポートはスイッチ制御部7Bに、通信ICおよびI/Oは通信部7Cにそれぞれ対応する。制御部7はその他の機能(例えば、後述する省エネモードへ移行させるための機能)も有しているが、図1では捨象している。スイッチ6と出力ポートとは制御線で接続されており、制御部7を構成するMCの破損を防止するために制御線には抵抗が挿入されている。なお、制御線には出力ポートを介してハイレベル信号(H)またはローレベル信号(L)が出力される。
図1に沿って制御部7の各部の機能を説明すると、状態把握部7Aは、コントローラ4、5から出力されたデータをMCのRAMに一旦格納し、メイン電池2およびサブ電池3の現在のデバイス状態を演算(算出)する。通信部7Cは、状態把握部7Aが演算したメイン電池2およびサブ電池3の現在のデバイス状態を所定時間(例えば、2ms)毎に車両制御部15に報知するとともに、上述したように、車両制御部15から車両の状態情報の報知を受ける。スイッチ制御部7Bは、車両制御部15から報知された車両の状態情報および状態把握部7Aで演算したメイン電池2およびサブ電池3のデバイス状態に従ってスイッチ6を構成するスイッチSW1、SW2のオン、オフを制御する。
本実施形態では、メイン電池コントローラ4の作動電力はメイン電池2から供給され、サブ電池コントローラ5の作動電力はサブ電池3から供給される。また、制御部7、車両制御部15、IGN11は、図示を省略したスイッチにより、充放電休止時以外はメイン電池2から作動電力が供給され、充放電休止時にはメイン電池2またはサブ電池3から(機能保持)電力が供給される。なお、図1は、充放電休止時にサブ電池3から制御部7、車両制御部15、IGN11にも電力が供給されている状態(サブ電池3から暗電流を流している状態)を示している(破線参照)。
2.電源システム10の特色
本実施形態の電源システム10の特色は、エンジン停止時(車両駐車時又はアイドリングストップ時)における蓄電デバイス1の暗電流放電制御にある。なお、本実施形態において、暗電流とは、蓄電デバイス1から放電負荷(制御部7、車両制御部15、IGN11を含む。)に流れる、1[mA]〜200[mA]の範囲の電流をいう。以下は、電源システム10の充放電休止時の暗電流放電制御の要点を纏めたものである。
2−1.サブ電池3からの暗電流放電
エンジン停止時には、その直前のオペレータのブレーキ操作により、回生電力でサブ電池3は充電された状態にある。このため、まず、(A)スイッチ6を状態1(SW1:オン、SW2:オフ、図1も参照)として、サブ電池3の電圧が予め設定された設定電圧V1(未満)となるまでサブ電池3から放電負荷に暗電流を流す。この設定電圧V1は、例えば、補機14が作動可能な最低電圧以上の電圧値とすることができる(図6(A)参照、本例では11.0[V])。このように設定電圧V1を設定した場合には、充放電休止後の車両走行前にサブ電池3の電力で補機14を作動させることができる。なお、例えばアイドリングストップ時のように停車時間が短い場合には、2−2以下で説明するようにメイン電池2から暗電流を放電しないこともある。
2−2.メイン電池2/サブ電池3からの暗電流放電
サブ電池3の電圧が設定電圧V1未満のときは、メイン電池2の電力でサブ電池3を充電できるか否かを判定する。本実施形態では、メイン電池2の電圧が予め設定された設定電圧V2以上、かつ、メイン電池2のSOCが予め設定された設定SOC以上であれば、メイン電池2でサブ電池3を充電できると判定する。この設定電圧V2は、本実施形態では、図6(B)に示すように11.8[V]に設定されている。また、設定SOCは、例えば、メイン電池2からスタータ13に放電することでエンジンを始動可能な最低SOC以上のSOC値(図6(C)参照、本例では第1のSOC=70[%])に設定されている。
メイン電池2の電力でサブ電池3を充電できる場合には、上記(A)に続いて、(B)次の(a)、(b)を繰り返す:(a)スイッチ6を状態3(SW1:オン、SW2:オン)として、メイン電池2から放電負荷に暗電流を流すとともに、メイン電池2とサブ電池3とを並列接続してサブ電池3の電圧が目標電圧V3(図6(A)、(B)参照、V1<V3<V2)となるまでサブ電池3をメイン電池2の電力で充電し、(b)スイッチ6を状態1として、再びサブ電池3の電圧が設定電圧V1となるまでサブ電池3から放電負荷に暗電流を流す。上記のように設定SOCを第1のSOCに設定した場合には、この(B)の状態でエンジン始動があってもメイン電池2の電力でエンジンを始動することができる。
上記(B)(a)で重要な点は、メイン電池2から放電負荷に暗電流を流すとともにサブ電池3を充電することで、メイン電池2から、メイン電池2の充電性能低下を防止可能な電流を流すこと(微小電流の放電をなくすこと)である。このため、上記目標電圧V3は、放電負荷に流れる暗電流を0[mA]と仮定した場合に、この目標電圧V3と設定電圧V1(厳密にはサブ電池3の電圧)との電圧差により、充電終止時にメイン電池2からサブ電池3に、メイン電池2の充電性能低下を防止可能な、例えば100[mA]を超える電流、より好ましくは200[mA]を超える電流が流れるときの充電終止電圧となる。なお、目標電圧V3は予め設定された電圧としてもよいし、サブ電池2およびメイン電池3のデバイス状態に応じて上記(B)の繰り返しの都度算出するようにしてもよい。また、電源システムとしては、充電性能低下を防止するとともに、消費電流をできるだけ小さく抑えることが好ましい。
上記(B)では、(a)、(b)を繰り返すことで、長時間に亘り、メイン電池2から放電負荷へ例えば100[mA]以下の微小電流の放電をなくすことができる。また、本実施形態では、メイン電池2の容量がサブ電池3の容量より大きいため、この利点が顕著に発揮される。このため、充放電休止時の暗電流に起因するサルフェーションによるメイン電池2の充電性能劣化を防止できる。
2−3.メイン電池3からの暗電流放電
一方、メイン電池3の電力でサブ電池3を充電できない場合(メイン電池2が設定電圧V2未満または第1のSOC未満)には、(C)スイッチ6を状態2(SW1:オフ、SW2:オン)として、メイン電池2から放電負荷に暗電流を流す。
3.動作
次に、本実施形態の電源システム10の動作(充放電制御)について、制御部7のMCのCPU(以下、CPUと略称する。)を主体として説明する。
3−1.情報の共有
車両制御部15と制御部7(CPU)は協調制御を行う。すなわち、車両制御部15は車両状態および蓄電デバイス1のデバイス状態に応じて車両を制御し、制御部7(CPU)は車両状態および蓄電デバイス1のデバイス状態に応じてスイッチ6のオン、オフを制御する。このため、CPUは車両の状態情報が必要となり、車両制御部15は蓄電デバイス1のデバイス状態の把握が必要となる。車両の状態情報および蓄電デバイス1のデバイス状態は上述した通信線16を介して両者間で共有される。以下では、CPUによる充放電制御に言及する前にその前提として、共有される情報について説明する。
(1)車両の状態情報
(1−1)IGN位置情報
車両駐車後の車両走行前には、ドライバによりIGN11にイグニッションキーが挿入され、IGN11はOFF位置からON/ACC位置に位置付けられ、さらにON/ACC位置からSTART位置に位置付けられてエンジンが始動した後、再度ON/ACC位置に位置付けられる。これにより、オルタネータ回生車両20は走行状態(車両走行中)となる。車両制御部15はIGN11が最初にON/ACC位置に位置付けられると、制御部7にその旨を報知する。この報知を受けたCPUは、コントローラ4、5および制御部7をスリープ状態(省エネモード)から作動状態に移行(アウェーク)させる。
また、車両走行後の車両駐車開始時には、ドライバによりIGN11がON/ACC位置からOFF位置に位置付けられ、イグニッションキーがIGN11から引き抜かれる。車両制御部15はIGN11がOFF位置に位置付けられると、制御部7にその旨を報知する。この報知を受けたCPUは、コントローラ4、5および制御部7をアウェーク状態(作動状態)からスリープ状態に移行させる。
なお、車両走行後にIGN11がOFF位置に位置付けられたときは、車両制御部15も所定の処理(データ保存等)を行った後スリープ状態となり、制御部7からの基準SOC等の報知時のみ作動状態となる。一方、IGN11にイグニッションキーが挿入されたときにスリープ状態からアウェーク状態に移行する。
車両制御部15はIGN11の出力を監視しており、IGN11がいずれの位置に位置付けられたかをIGN位置情報として制御部7に報知する。表1に示すように、IGN位置情報には、IGN11がOFF位置に位置付けられたことを表すOFF情報、IGN11がON/ACC位置に位置付けられたことを表すON/ACC情報およびIGN11がSTART位置に位置付けられたことを表すSTART情報が含まれる。
(1−2)オルタネータ作動情報
オルタネータ回生車両20は回生発電機能を有しているため、車両制御部15は、ブレーキが踏まれたとき(制動時)、または、アクセルが開放されたとき(アクセルオフ時)に、上述した電磁クラッチをオン状態に移行させエンジンの駆動力を回生電力に変換して回生電力を蓄電デバイス1に供給するようにオルタネータ12を制御するとともに、CPUにその旨を報知する。また、ブレーキが開放されたとき、または、アクセルオフの結果車両の加速度が0となったときに、上述した電磁クラッチをオフ状態に移行させオルタネータ12の作動を停止させるように制御するとともに、その旨をCPUに報知する。
すなわち、表1に示すように、電磁クラッチをオン状態に移行させるときは、回生電力の供給が開始することを表す回生開始情報をCPUに報知し、電磁クラッチを(オン状態から)オフ状態に移行させるときは、回生電力の供給が終了することを表す回生終了情報をCPUに報知する。なお、オルタネータ作動情報にはオルタネータ始動情報も含まれるが、この点については後述する。
(2)蓄電デバイス1のデバイス状態
CPUは、充放電中(車両走行前および車両走行中)は、コントローラ4、5で所定時間毎に検出されたメイン電池2およびサブ電池3のデータ(サブ電池3を構成する各単電池の電圧を含む。)を取得するとともに、メイン電池2、サブ電池3の基準SOC(後述)およびメイン電池2、サブ電池3の容量(既知)に基づいて、コントローラ4、5で所定時間毎に検出された電流値を積算してメイン電池2およびサブ電池3の現在のデバイス状態を演算する。なお、電圧値、電流値は基準温度(例えば、室温)での値に温度補正される。そして、所定時間毎に、メイン電池2およびサブ電池3の現在のデバイス状態を車両制御部15に報知する。
一方、この報知を受けた車両制御部15は、メイン電池2、サブ電池3の現在のSOC、電圧を参照して、エンジンの駆動力をオルタネータ12に伝達させるか否かを判断する。例えば、蓄電デバイス1が使用上限SOC、使用上限電圧に近い場合には、過充電状態に陥るおそれがあるためオルタネータ12を作動させないように電磁クラッチを制御し、逆に、蓄電デバイス1の劣化が促進されるようなSOC、使用下限電圧の場合には、ドライバのブレーキ操作やアクセル操作による回生充電を待たずに、車両走行中または車両走行前にオルタネータ12を作動させて蓄電デバイス1を充電するように電磁クラッチを制御する。
蓄電デバイス1の劣化が促進されるような状態の場合には、車両制御部15は、蓄電デバイス1の劣化を防止するために、エンジンを駆動させ(または、燃費節約のためエンジンを停止させるべきところ駆動を続行させ)上述した電磁クラッチを作動させてエンジンの駆動力をオルタネータ12に接続する。車両制御部15は、このようにオルタネータ12の発電電力を蓄電デバイス1に供給する際は、オルタネータ12を作動させるタイミングで、オルタネータ12が始動することを表すオルタネータ始動情報(表1参照)をCPUに報知する。なお、このような発電は、従来の普通ガソリン車等でも採用されている、ガソリン消費を伴う発電方式である。
3−2.充放電制御
次に、フローチャートを参照して、CPUが実行する充放電制御について説明する。まず、図2を参照してCPUが実行する充放電制御の全体像について説明する。
図2に示すように、充放電制御ルーチンでは、まず、ステップ(以下、Sと略称する。)102でIGN位置情報を受信するまで待機し、IGN位置情報を受信すると、次のS104において、受信したIGN位置情報がON/ACC情報か否かを判断する。
S104で肯定判断のときは、次のS106において、車両が駐車後走行前(エンジン始動前)の状態か、走行中(エンジン始動後)の状態かを判断するために、START情報を受信済か否かを判断する。なお、START情報を受信済か否かは、例えば、後述するSTART情報受信フラグを参照して行うことができる。
S106での判断が否定のときは、エンジン始動前(車両走行前)の蓄電デバイス1の充放電を制御するためのエンジン始動前充放電処理を実行し(S108)、肯定のときは、エンジン始動後(車両走行中)の蓄電デバイス1の充放電を制御するための回生充放電処理を実行する(S110)。
一方、S104で否定判断のときは、S112において、受信したIGN位置情報がSTART情報か否かを判断する。S112の判断が肯定のときは、メイン電池2からスタータ13に放電することでエンジンを始動するためのエンジン始動処理を実行し(S114)、S112の判断が否定のとき、すなわち、受信したIGN位置情報がOFF情報のときは、蓄電デバイス1の充放電を休止するための充放電休止処理を実行する(S116)。
3−3.個別制御
(1)エンジン始動前充放電処理
CPUは、図2のS108において、サブ電池3の電圧が設定電圧V1(図6(A)参照、11.0[V])を越えるか否かを判断し、肯定判断のときは、スイッチ6を状態1(SW1:オン、SW2:オフ)としてエンジン始動前充放電処理を終了し図2のS102に戻る。これにより、車両駐車後エンジン始動前の補機14への電力供給(放電)はサブ電池3からなされる。一方、否定判断のときは、メイン電池2のSOCがエンジンを始動可能な第1のSOC(図6(C)参照、70[%])以上か否かを判断し、この判断が肯定のときは、スイッチ6を状態2(SW1:オフ、SW2:オン)として始動前充放電処理を終了し図2のS102に戻る。これにより、車両駐車後エンジン始動前の補機14への電力供給はメイン電池2からなされる。
一方、この判断が否定のとき(メイン電池2が第1のSOC未満のとき)は、メイン電池2を充電するための充電処理を実行する。上述したように、蓄電デバイス1を充電するためにオルタネータ12を作動させるか否かの判断は車両側制御部15が行う。CPUは、この判断に供するため、所定時間毎にデバイス状態を車両側制御部15に報知しているが、例えば車両制御部15と制御タイミングを同期させるために、デバイス状態に加え蓄電デバイス1の充電が必要である旨を車両制御部15に報知するようにしてもよい。
車両制御部15は、オルタネータ12を作動させるタイミングでオルタネータ始動情報をCPUに報知する。なお、以下では、このようにオルタネータ12で発電される電力を、上述した回生電力と区別するために、発電電力という。
CPUは、上記充電処理において、車両制御部15からオルタネータ始動情報を受信するまで待機し、車両制御部15からオルタネータ始動情報を受信すると、スイッチ6を状態2とする。これにより、メイン電池2はオルタネータ12の発電電力で定電圧充電される。次に、メイン電池2が第1のSOC以上の所定SOC(例えば、図6(C)に示す第2のSOC、使用上限SOC>第2のSOC>第1のSOC、本例では80[%])まで充電されたか否かを判断し、否定判断のときは、メイン電池2が所定SOCまで充電されるまで待機し、肯定判断のときはエンジン始動前充放電処理を終了して図2のS102に戻る。なお、スイッチ6は状態2にあるため、オルタネータ12から補機14に発電電力が供給された後は、メイン電池2から補機14に電力が供給される。
回生電力でメイン電池2を充電する際には、メイン電池2に回生電力をできるだけ多く蓄電するため、メイン電池2を使用上限SOC(図6(C)参照、本例では97[%])まで充電することが好ましい。一方、メイン電池2の劣化を防止するためにメイン電池2を充電するときは、オルタネータ12を作動させる必要がある。このオルタネータ12の作動には、上述したように、エンジンの駆動力をオルタネータ12に接続するためガソリン消費を伴う。このため、第1のSOC(70[%])から使用上限SOC(97[%])まで充電してもよいが、上述した第2のSOC(80[%])まで充電すれば、その後回生電力によりメイン電池2がさらに充電されることもあるため、ガソリン消費を節約できる(燃費向上を図ることができる。)。
(2)エンジン始動処理
上述したように、IGN11がON/ACC位置に位置付けられた後は、START位置に位置付けられてエンジンが始動する。CPUは、図2のS114において、エンジン始動前に「0」とされていたSTART情報受信フラグを「1」に変更した後、スイッチ6を状態2としてメイン電池2からスタータ13に電力を供給してエンジンを始動させ、エンジン始動処理を終了して図2のS102に戻る。なお、ドライバは、IGN11をSTART位置に位置付けエンジンを始動した後は、IGN11をON/ACC位置に位置付ける(例外的に、OFF位置に位置付けることもある。)。
(3)回生充放電処理
図3は、図2のS110の詳細を示す回生充放電処理サブルーチンのフローチャートである。図3に示すように、回生充放電処理サブルーチンでは、車両制御部16から回生開始情報(S202)または回生終了情報(S218)を受信するまで待機する。
S202で肯定判断のときは(回生開始情報を受信すると)、次のS204でスイッチ6を状態1とする。これにより、サブ電池3は回生電力で定電圧充電される。次にS206において、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはS220に進み(サブ電池3への充電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のS208でサブ電池3が使用上限電圧V6(図6(A)参照、本例では14.0[V])となったか否かを判断する。S208での判断が否定のときは、サブ電池3による回生電力の受け入れを続行するためにS206に戻り、肯定のときは、次のS210でスイッチ6を状態2とする。これにより、メイン電池1は回生電力で定電圧充電される。
次にS212では、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときは、S220に進み(メイン電池1への充電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のS214において、メイン電池1が使用上限SOC(図6(C)参照)となったか否かを判断する。S214での判断が否定のときは、メイン電池1による回生電力の受け入れを続行するためにS212に戻り、肯定のときは、メイン電池1の過充電を防止するために次のS216でスイッチ6を状態0とし、S202に戻る。これにより、メイン電池1は回生電力による充電が打ち切られる。
一方、S218で肯定判断のときは(回生終了情報を受信すると)、次のS220でスイッチ6を状態1とする。これにより、サブ電池3の電力が補機14に供給される。次にS222において、回生開始情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときはS204に戻り(サブ電池3から補機14への放電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のS224においてサブ電池3が使用下限電圧V5(図6(A)参照、本例では10.8[V])となったかを判断する。S224での判断が否定のときは、S222に戻り、肯定のときは、次のS226でスイッチ6を状態2とする。これにより、メイン電池1の電力が補機14に供給される。
次にS228において、回生終了情報を受信したか否かを判断し、肯定判断のときは、S204に戻り(メイン電池1から補機14への放電は打ち切られ)、否定判断のときは、次のS230においてメイン電池1が第1のSOCとなったかを判断する。S230での判断が否定のときは、S228に戻り、肯定のときは、次のS232で上述した充電処理を実行しS202に戻る。なお、回生充放電処理サブルーチンは車両制御部16からIGN位置情報を受信した時点で強制終了し、図2のS102に戻る。
オルタネータ回生車両20では、図3の回生充放電処理サブルーチンに示すように、車両走行中に大電流の回生電力による充電、補機14への放電が頻繁に繰り返される。このため、例えば普通ガソリン車と比べ、蓄電デバイス1(メイン電池2)の充電性能低下は蓄電デバイス1の寿命短縮(による交換)を招きやすい傾向にある。従って、オルタネータ回生車両20を含むμHEVでは、充電性能の低下に対する対策・工夫がより必要となる。
(4)充放電休止処理
図4は、図2のS116の詳細を示す充放電休止時サブルーチンのフローチャートである。なお、以下では、上記「2.電源システム10の特色」で既に述べた内容と重複する部分についてはできるだけ簡潔に説明する。
この状態でオルタネータ回生車両20は駐車しており、車両制御部15からOFF情報を受信したCPUは、図4のS302に示すように、スイッチ6を状態1とするとともに、上述した図示を省略したスイッチを切り替える(図1に示す状態)。これにより、サブ電池2から放電負荷に暗電流が流される。また、CPUは、コントローラ4、5および制御部7をスリープ状態とする制御を行う。すなわち、コントローラ4、5にメイン電池2、サブ電池3の温度、電圧、電流等の検出・出力を停止させ、CPU自体もメイン電池2、サブ電池3のデバイス状態の演算および車両制御部15への報知を停止する。なお、S302では、併せて上述したSTART情報受信フラグを「1」から「0」に変更する。
次に、OFF情報を受信したときから所定時間が経過するまで待機する(S304)。この所定時間は、例えば、メイン電池2の負極の分極状態が解消したとみなされる6時間に設定することができる。CPUは、所定時間が経過したと判断すると、コントローラ4、5および制御部7をアウェーク(作動状態に移行)させてメイン電池2およびサブ電池3のOCVおよびそのときの温度を検出・出力させる。
次いで、メイン電池2およびサブ電池3のOCVからメイン電池2およびサブ電池3のSOCを演算し、プログラムデータとして予めROMに格納されRAMに展開されたテーブルまたは数式を参照して演算したSOC、電圧を基準温度(例えば、室温)におけるSOC、電圧に温度補正してメイン電池2およびサブ電池3の基準SOCを算出して、算出した基準SOCおよび電圧を車両制御部15に報知する(S306)。
この場合に、メイン電池2およびサブ電池3の健康状態(SOH)も併せて演算し、SOHに応じて算出したSOCを補正するようにしてもよい。また、OCV測定の際にはメイン電池2またはサブ電池3から暗電流が流れているため、OCV測定の際に測定した暗電流の電流値でOCVを補正し、メイン電池2およびサブ電池3の電圧把握精度を高めるようにしてもよい。その際、電流センサ8、9はエンジン始動の際の数百[A]から暗電流測定の際の数十[mA]までの広範囲で電流を計測する(3桁の差がある)ことから、電流測定精度を高めるために、放電休止時には暗電流計測用のセンサ(例えば、0[mA]〜120[mA]で電流計測可能なセンサ)に切り替えて暗電流を測定するようにしてもよい。
なお、上述した所定時間が経過しない場合には、メイン電池2の分極状態が解消されず基準SOCが不正確となるため、このような状態でのコントローラ4、5によるOCVの検出やCPUによる基準SOCの演算は行わず、直近に把握していた基準SOCを現在のデバイス状態を把握する際の基準SOCとして取り扱う。
次に、CPUは、サブ電池3の電圧が設定電圧V1以上か否かを判断する(S308)。肯定判断のときは、コントローラ4、5および制御部7を再度スリープ状態としS304に戻る。一方、否定判断のときは、S310において、メイン電池2の電力でサブ電池3を充電できるかを判定するために、メイン電池2が設定電圧V2(図6(B)参照、本例では11.8[V])以上かつ第1のSOC以上か否かを判断する。
S310の判断が肯定のときは、スイッチ6を状態3(SW1:オン、SW2:オン)とする(S312)。これにより、メイン電池2から放電負荷に暗電流が流されるとともに、メイン電池2とサブ電池3とが並列接続されてサブ電池3はメイン電池2の電力で充電される。
次に、CPUは、メイン電池2との並列接続によりサブ電池3の電圧が予め算出された目標電圧V3となるまで待機する(S314)。サブ電池3の電圧が目標電圧V3となると、コントローラ4、5および制御部7を再度スリープ状態としS302に戻る。従って、上述した(B)(a)、(b)が繰り返される(上記2−2も参照)。なお、目標電圧V3は、上述したようにメイン電池2から例えば100[mA]を超える充電終止電流を流すための充電終止電圧で、本実施形態では、メイン電池2およびサブ電池2の容量に加え、これらのSOC、電圧に応じて、さらに、S304で所定時間経過した際の電圧勾配(電圧降下)も考慮して上述したS306において予め算出されている。
一方、S310の判断が否定のときは、S316において、スイッチ6を状態2としコントローラ4、5および制御部7を再度スリープ状態としてS302に戻る。これにより、メイン電池3から放電負荷に暗電流が流される。なお、充放電休止処理サブルーチンは車両制御部16からIGN位置情報を受信した時点で強制終了し、図2のS102に戻る。
以上では、CPUによる充放電制御を簡潔に説明するために、サブ電池3の電圧を中心に説明したが、本実施形態では、サブ電池3の使用上限/下限SOC、サブ電池3を構成する各単電池の使用上限/下限電圧および使用上限/下限SOCも予め設定されており、サブ電池3が使用上限SOCに達した場合には、サブ電池3への充電を打ち切りメイン電池2を充電し、サブ電池3が使用下限SOC、各単電池の使用下限SOCに達した場合には、サブ電池3から補機14への放電を打ち切りメイン電池2から補機14に放電する制御も行っている。また、メイン電池2もサブ電池3と同様に、使用上限電圧、使用下限電圧が設定されており、サブ電池3と同様に、使用上限電圧、使用下限電圧に応じてメイン電池2の充放電制御も行っている。
4.作用効果等
4−1.作用効果
次に、本実施形態の電源システム10の作用効果等について説明する。
本実施形態の電源システム10では、エンジン停止時に、サブ電池3から放電負荷に暗電流を流すので、メイン電池2から放電負荷への微小電流の放電を防止できる。このため、メイン電池2の充電性能低下を防止することができる。
また、本実施形態の電源システム10では、上記2−2でも述べたように、エンジン停止時に、(A)サブ電池3から放電負荷に暗電流を流した後であっても(図4のS302〜S308参照)、(B)(a)メイン電池2から放電負荷に暗電流を流すとともにメイン電池2およびサブ電池3を並列接続してサブ電池3を充電し、(b)再びサブ電池3から放電負荷に暗電流を流すことを繰り返す(S310〜S314およびS302参照)。(B)(a)ではメイン電池2からは例えば100[mA]を超える電流が放電される。このため、充放電休止時の暗電流に起因するサルフェーションによるメイン電池2の充電性能劣化を長時間に亘り防止することができる。
また、本実施形態の電源システム10では、回生電力受け入れの際、メイン電池2に先立って充電受入性の高いサブ電池3が使用上限電圧V6まで充電され(図3のS208参照)、補機14への放電の際、メイン電池2に先立ってサブ電池3からその電圧が使用下限電圧V5となるまで放電される(S224)。このため、オルタネータ12から供給される回生電力の利用効率を高めることができ、オルタネータ回生車両20の燃費向上を図ることができる。
4−2.変形例
なお、本実施形態では、オルタネータ回生車両20に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、(普通)ガソリン車、ディーゼル車、ISS車に搭載される車両用電源システムにも適用可能である。また、本実施形態では14V系車両用電源システム10を例示したが、本発明はこれに制限されるものではなく、例えば、42V系車両用電源システム等の14V系以外の車両用電源システムに適用してもよい。
また、本実施形態では、電源システム10を一体としエンジンルームに搭載した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、エンジンルームに蓄電デバイス1を構成するメイン電池2を配置し、シート下に蓄電デバイス1を構成するサブ電池3を分割して配置するようにしてもよい。また、このような蓄電デバイス1の配置に応じて、制御部7やスイッチ6を構成するスイッチSW1、SW2も分割して配置するようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、メイン電池2に鉛蓄電池を例示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、鉛蓄電池に代えて、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオンキャパシタ、リチウムイオン電池を用いるようにしてもよい。また、サブ電池3のリチウムイオン電池に代えて、例えば、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタを用いるようにしてもよい。この場合、サブ電池3を構成する各単体デバイス(単セル)あたりの使用下限電圧は、例えば、ニッケル水素電池では1.0[V]、ニッケル亜鉛電池では1.1[V]、リチウムイオンキャパシタでは2.2[V]、電気二重層キャパシタでは0[V]に設定することができる。
また、本実施形態では、上記(A)および(B)(b)においてサブ電池3が設定電圧V1または設定電圧V1未満となるまで暗電流を流す例を示したが(2−1、2−2および図4参照)、本発明はこれに制約されるものではない。例えば、サブ電池3の設定電圧V1に代えて、サブ電池3の所定SOCや所定時間を用いるようにしてもよい。これらの所定SOC、所定時間は予め定められていても、または、サブ電池3のデバイス状態に応じて都度算出するようにしてもよい。要は、サブ電池3に蓄電された電気量が所定残存量とまるまでサブ電池3から放電負荷に暗電流が流されればよい。
さらに、本実施形態では、上記(A)および(B)(b)において設定電圧V1を補機14の作動電圧との関係を踏まえて設定した例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、サブ電池3の使用下限電圧V5としてもよく、さらに、上記(A)における設定電圧V1(例えば、10.8[V])と上記(B)(b)における設定電圧V1(例えば、11.0[V])とを異なるようにしてもよい。
さらにまた、本実施形態では、上記(B)(a)において、サブ電池3が設定電圧V1未満、かつ、メイン電池2が設定電圧V2以上で第1のSOC以上のときに、メイン電池2から暗電流を流すとともにメイン電池2、サブ電池3を並列接続する例を示したが、これに代えて、サブ電池3が設定電圧V1未満、かつ、メイン電池2が設定電圧V2以上のときに、メイン電池2から暗電流を流すとともにメイン電池2、サブ電池3を並列接続するようにしてもよい。また、このような態様において、メイン電池3が第1のSOCとなったときに、メイン電池3から放電負荷に暗電流を流すようにしてもよい。
また、本実施形態では、充放電休止時のコントローラ4、5および制御部7の電力消費を節約するために、これらをスリープ状態として、所定時間(メイン電池2の負極の分極状態が解消したとみなされる6時間)経過後にサブ電池3の電圧が設定電圧V1以上かを判断する例を示したが(図4のS308)、本発明はこれに制約されるものではない。
例えば、図5に示すように、S302でスイッチ6を状態1とした後、次のS305でメイン電池2およびサブ電池3のデバイス状態を演算してS308に進むようにしてもよい。この充放電休止処理サブルーチンでは、コントローラ4、5および制御部7をスリープ状態としないため、図4に示した充放電休止処理サブルーチンより充放電休止中の電力消費が多くなるが、サブ電池3が設定電圧V1となったかを直ちに検出でき、S310以下の処理を実行することができる。なお、S305では、暗電流の電流値を積算してメイン電池2およびサブ電池3のSOC、電圧を算出し目標電圧V3を算出するとともに、START情報受信フラグを「1」から「0」に変更する処理が行われる。また、このような態様において、メイン電池2およびサブ電池3の基準SOC等の算出はS314の後(S318、S320)またはS316の後(S322、S324)で行うようにしてもよい。さらに、このような態様では、暗電流を所定時間毎に検出することから、測定したOCVを暗電流の積算値で補正するようにしてもよい。
また、充放電休止中の電力消費を抑えるとともにサブ電池3が設定電圧V1となったかをできるだけ早く検出するために、上述した所定時間(6時間)より短い一定時間(例えば、1時間)毎にコントローラ4、5および制御部7をアウェーク状態とし電流、電圧、温度等を出力させた後再度スリープ状態とするようにしてもよい。このような態様は、いわば、図4および図6に示した充放電休止処理サブルーチンの利点の一部を組み合わせた態様である。
さらに、本実施形態では、充電処理において、オルタネータ12の発電電力でメイン電池2のみを充電する例を示したが、併せてサブ電池3も充電するようにしてもよい。このような態様では、例えば、充電されたサブ電池3の電力でエンジンを始動させる(スタータ13に放電する)ようにしてもよく、その場合には、メイン電池2の電力によるエンジン始動機会を少なくできるため、メイン電池2の劣化を防止することができる。
また、本実施形態では、メイン電池2およびサブ電池3のいずれからも補機14に電力供給がなされないことを防止するために補償キャパシタCを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スイッチSW1、SW2を一瞬同時にオン状態(状態3)としてもよいし、補償キャパシタCに代えて一次電池または二次電池を用いるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、OCVから基準SOCを算出しこの基準SOCに対し充放電電流を積算することでメイン電池2およびサブ電池3の現在のSOCを算出する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、公知のSOC算出手段を用いることができる。
また、本実施形態では、電源システム10の構成を把握しやすいように、メイン電池コントローラ4、サブ電池コントローラ5、制御部7に分けて説明したが、これらを一体に構成するようにしてもよい。さらに、本実施形態では、コントローラ4、5から出力されたメイン電池2、サブ電池3のデータに応じて制御部7でメイン電池2、サブ電池3のデバイス状態を演算する例を示したが、このような演算は車両制御部15で行うようにしてもよい。このような態様では、制御部7の主機能はスイッチ制御部7Bと通信部7Cとになる。
さらにまた、本実施形態では、メイン電池2を構成する鉛蓄電池に合わせてOFF情報受信の6時間後にメイン電池2やサブ電池3のOCVの測定を行う例を示したが、本発明はこれに制限されるものではない。また、本実施形態では、制御部7のCPUが6時間を計時する例を示したが、車両制御部15が計時し、制御部7、コントローラ4、5をスリープ状態からアウェークさせるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、制御部7は、車両制御部15を介してオルタネータ作動情報やIGN情報を取得する例を示したが、本発明はこれに限らず、例えば、ブレーキを制御するブレーキ制御部、オルタネータを制御するオルタネータ制御部、IGN11から直接ブレーキの作動情報、オルタネータ作動情報、IGN位置情報等を取得するようにしてもよい。
そして、本実施形態では、電源システム10を構成する各部材の作動電圧等や、図6にメイン電池2やサブ電池3の種々の電圧やSOCの具体例を示したが、これらは一例であって本発明はこれに制限されるものではない。
本発明は第2の蓄電デバイスの充電性能低下を防止可能な車両用電源システムおよび該車両用電源システムを備えた自動車を提供するものであるため、車両用電源システムや自動車の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
1 蓄電デバイス
2 メイン電池(第2の蓄電デバイス)
3 サブ電池(第1の蓄電デバイス)
4 メイン電池コントローラ(第2の電圧測定手段)
5 サブ電池コントローラ(第1の電圧測定手段)
6 スイッチ(スイッチ手段の一部)
7 制御部(スイッチ手段の一部)
10 電源システム(車両用電源システム)
12 オルタネータ
13 スタータ(エンジン始動用スタータ)
14 補機
20 オルタネータ回生車両(自動車)

Claims (8)

  1. 鉛蓄電池と鉛蓄電池以外のサブ電池とを有し、オルタネータから供給される電力を受入可能かつ放電負荷に放電可能な蓄電デバイスと、
    前記鉛蓄電池および前記サブ電池の充放電電流を切り替えるスイッチ手段と、
    を備え、
    前記スイッチ手段は、エンジン停止時に、
    (A)前記サブ電池から前記放電負荷に暗電流を流した後、
    (B)(a)前記鉛蓄電池から前記放電負荷に暗電流を流すとともに、前記サブ電池および前記鉛蓄電池を並列接続して充電終止電流が100mAを超えるように前記サブ電池を充電し、(b)再び前記サブ電池から前記放電負荷に暗電流を流すことを繰り返す、
    ことを特徴とする車両用電源システム。
  2. 前記サブ電池の電圧を測定する第1の電圧測定手段をさらに備え、
    前記スイッチ手段は、前記(A)および前記(B)(b)において、前記第1の電圧測定手段で測定された前記サブ電池の電圧に基づいて前記サブ電池が予め設定された設定電圧V1となるまで前記サブ電池から暗電流を流すことを特徴とする、
    請求項1に記載の車両用電源システム。
  3. 前記設定電圧V1は、補機が作動可能な最低電圧以上の電圧値に設定されたことを特徴とする、請求項2に記載の車両用電源システム。
  4. 前記鉛蓄電池の電圧を測定する第2の電圧測定手段をさらに備え、
    前記スイッチ手段は、
    前記第1および第2の電圧測定手段で測定された前記サブ電池および前記鉛蓄電池の電圧に基づいて、前記サブ電池が前記設定電圧V1未満、かつ、前記鉛蓄電池予め設定された設定電圧V2(V2>V1)以上のときに、
    前記(B)(a)において、前記鉛蓄電池から暗電流を流すとともに前記サブ電池および前記鉛蓄電池を並列接続することを特徴とする、
    請求項2または請求項3に記載の車両用電源システム。
  5. 前記スイッチ手段は、
    前記第2の電圧測定手段で測定された前記鉛蓄電池の電圧に基づいて前記鉛蓄電池の充電状態(SOC)を算出し、
    前記サブ電池が前記設定電圧V1未満、かつ、前記鉛蓄電池が予め設定された設定電圧V2以上であって前記算出されたSOCが予め設定された設定SOC以上のときに、前記鉛蓄電池から暗電流を流すとともに前記サブ電池および前記鉛蓄電池を並列接続し、
    前記サブ電池が前記設定電圧V1未満、かつ、前記鉛蓄電池が前記設定電圧V2未満または前記設定SOC未満のときに、(C)前記鉛蓄電池から前記放電負荷に暗電流を流すことを特徴とする、
    請求項4に記載の車両用電源システム。
  6. 前記設定SOCは、前記鉛蓄電池からエンジン始動用スタータに放電することでエンジンを始動可能な最低SOC以上のSOC値に設定されたことを特徴とする、
    請求項5に記載の車両用電源システム。
  7. 前記サブ電池は、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池、リチウムイオンキャパシタ、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオン電池で構成される群から選択される1種であることを特徴とする、
    請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の車両用電源システム。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の車両用電源システムを備えた自動車。
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