JP6657845B2 - 軌陸車の滑走防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、軌陸車の滑走防止装置に関するものである。
従来から、道路走行時には道路走行用車輪を用いて走行し、軌道走行時には軌道走行用鉄輪を用いて走行するように構成された「軌陸車」が知られている。この軌陸車の上部には、高所作業装置あるいはクレーン作業装置などが架装される。
軌陸車を含め軌道上を走行する車両では、ブレーキをかけたときに鉄輪がロックして軌道(レール)上を回転せずに滑走する場合がある。滑走すると制動距離が長くなるとともに操縦安定性が損なわれてしまうため、ブレーキ力を一時的に弱めて滑走を防止することが行われている。
例えば、特許文献1の滑走防止装置は、車輪が滑ったことを回転センサによって検知したときにブレーキ力を弱めるようになっている滑走防止装置が開示されている。
特許第2742354号公報
ところで、特許文献1の滑走防止装置では、鉄輪の回転状態を回転センサによって直接的に検出している。この回転センサは、比較的に高価であるうえ、鉄輪近傍に設置されるため泥や水等がかかって故障する恐れがあった。
そこで、本発明は、回転センサを用いることなく間接的に鉄輪の回転を検出できる、軌陸車の回転防止装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の軌陸車の回転防止装置は、鉄輪を回転駆動する油圧モータと、前記鉄輪を制動する鉄輪ブレーキと、前記油圧モータに接続される油圧回路に配置された圧力検出器と、前記圧力検出器によって検出された圧力信号を受信する制御部と、を備え、前記制御部は、前記鉄輪ブレーキによる前記鉄輪の制動中に、前記圧力信号に基づいて前記鉄輪が滑走していると判定した場合には、滑走している前記鉄輪への前記鉄輪ブレーキによる制動力を弱くするか、又は解除するようになっている。
このように、本発明の軌陸車の回転防止装置は、油圧モータと鉄輪ブレーキと圧力検出器と制御部とを備えている。そして、制御部は、鉄輪ブレーキによる鉄輪の制動中に、圧力信号に基づいて鉄輪が滑走していると判定した場合には、滑走している鉄輪への鉄輪ブレーキによる制動力を弱くするか、又は解除するようになっている。このような構成によれば、油圧回路に配置された圧力検出器によって検出された圧力信号に基づいて鉄輪の回転を検出できるため、回転センサを用いることなく間接的に鉄輪の回転を検出できる。
軌陸車の側面図である。 図1のA矢視の詳細図である。 実施例の油圧回路である。 油圧の変化を示すグラフである。 変形例の油圧回路である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施例では、軌陸車として、作業台を有する高所作業車に滑走防止装置を適用した場合について説明するが、これに限定されるものではなく、クレーン装置を有する移動式クレーンなど、油圧モータで鉄輪を回転させる形式の軌陸車であれば本発明を適用することができる。
(軌陸車の構成)
まず、図1を用いて本発明の軌陸車の滑走防止装置Sを備える軌陸車1の全体構成を説明する。軌陸車1は、車両部4と、車両部4の上部に架装された作業装置5と、から構成されている。
車両部4は、道路走行時に使用される4つの道路走行用車輪2(タイヤ)と、軌道走行時に使用される4つの軌道走行用鉄輪3と、を備えている。そして、前側の軌道走行用鉄輪3は、シリンダを伸縮することで張出・格納自在に構成される前側軌道走行装置10を介して車両部4に取り付けられている。同様に、後側の軌道走行用鉄輪3は、シリンダを伸縮することで張出・格納自在に構成される後側軌道走行装置11を介して車両部4に取り付けられている。なお、図1は、軌道走行用鉄輪3の張出時の状態を示しており、格納時の状態は2点鎖線で示している。
車両部4は、さらに、運転室12と、車両フレーム13と、エンジン14と、を備えている。エンジン14は、道路走行用車輪2を駆動するだけでなく、PTO(不図示)を介して作業装置5及び軌道走行装置10、11の油圧アクチュエータに圧油を供給するための油圧ポンプを駆動する。車両フレーム13の上部には、サブフレーム15が設置されている。サブフレーム15には、上述した前側軌道走行装置10及び後側軌道走行装置11に加えて、前側アウトリガ16及び後側アウトリガ17と、中央部に配置された転車台18と、が配置されている。
そして、本実施例では、作業装置5として高所作業装置の例が示されている。すなわち、サブフレーム15の後部には旋回ベアリングを介して旋回台20が旋回自在に搭載されており、旋回台20には伸縮ブーム21が起伏自在に支承されている。伸縮ブーム21は、起伏シリンダ22を伸縮することによって起伏駆動されるようになっている。伸縮ブーム21の先端には、レベリング手段23を介して作業台24が配置されている。図1において、作業装置5は、伸縮ブーム21が全縮小して前方に最倒伏した格納姿勢となっている。
図2は、図1のA矢視の詳細図であって、前側軌道走行装置10を後方から見た図である。左前鉄輪3aは、鉄輪フレーム43に対して回転自在に支承されている。左前鉄輪3aは、鉄輪フレーム43に固定された左前油圧モータ45aを回転駆動することで、回転軸44を介して回転が伝達されて回転する。鉄輪フレーム43はサブフレーム15の左右両端近傍から下方に延びるサポート46の下端部とピン47によって回転自在に連結されている。鉄輪フレーム43とサポート46の間には油圧シリンダ48が介装されており、油圧シリンダ48を伸縮することによって鉄輪フレーム43が張出・格納される。そして、左前鉄輪3aの回転軸44には、左前鉄輪3aとともに回転するディスク41が固定されている。ディスク41は、鉄輪フレーム43に設置された2つのパッド42、42によって挟まれることで、左前鉄輪3aが制動される。このように、ディスク41及びパッド42、42によって鉄輪ブレーキが構成されている。
右前鉄輪3b及び右前油圧モータ45bは、上述した左前鉄輪3a及び左前油圧モータ45aと略同様の構成であるため、説明を省略する。そして、左右の鉄輪フレーム43、43は、連結ロッド49によって連結されて、左右の鉄輪3a、3bの間隔が一定に保たれるようになっている。
後側軌道走行装置11は、上述した前側軌道走行装置10と略同様の構成であるので、説明を省略する。このように、4つの軌道走行用鉄輪3a〜3dをそれぞれ駆動する油圧モータ45a〜45dがそれぞれ配置されているので、従来の鉄輪2つを駆動する構造に比べて、鉄輪と軌道間の摩擦力により決定される最大駆動力が約2倍となる。そして、4つの鉄輪3a〜3dを、それぞれ独立した鉄輪ブレーキによって、すなわち鉄輪ごとに装備された1つのディスク41と2つのパッド42、42によって制動している。
(油圧回路の構成)
図3に示すように、軌陸車1の軌道走行用油圧回路は、主な構成として、油圧ポンプ50と油圧モータ45a〜45dとを備え、全体として閉回路を構成している。油圧ポンプ50は、PTO(不図示)を介してエンジン14によって回転駆動される。油圧ポンプ50は、いわゆるアキシャルピストンポンプであり、回転方向が一定方向であっても、斜板の傾点角度を正負角度方向に変更することにより、吸入・吐出方向を変更できるようになっている。本実施例の軌陸車1では、油圧ポンプ50の吐出方向を変えることにより油圧モータ45a〜45dの回転方向を変更し、軌陸車1の前進・後進を変更するようになっている。なお、油圧供給セクションは閉回路のものに限られず、オープン回路であってもよい。
油圧ポンプ50の両側には、第1ポンプ油路51と第2ポンプ油路52とが接続されている。第1ポンプ油路51と第2ポンプ油路52の間には、右側アクチュエータセクション53と左側アクチュエータセクション54が並列に接続されている。
右側アクチュエータセクション53は、右前油圧モータ45bと右後油圧モータ45dとを直列に含む。同様に、左側アクチュエータセクション54は、左前油圧モータ45aと左後油圧モータ45cとを直列に含む。
右側アクチュエータセクション53には、右前油圧モータ45bと第1ポンプ油路51の間に圧力検出器として右第1圧力センサ61と、右前油圧モータ45bと右後油圧モータ45dの間に圧力検出器として右第2圧力センサ62と、右後油圧モータ45dと第2ポンプ油路52の間に圧力検出器として右第3圧力センサ63と、が配置されている。同様に、左側アクチュエータセクション54には、左前油圧モータ45aと第1ポンプ油路51の間に左第1圧力センサ64と、左前油圧モータ45aと左後油圧モータ45cの間に左第2圧力センサ65と、左後油圧モータ45cと第2ポンプ油路52の間に左第3圧力センサ66と、が配置されている。
各油圧モータ45a〜45dには、鉄輪3a〜3dと、鉄輪3a〜3dと一体に回転するディスク41、・・・と、が接続される。そして、パッド42、42は、ブレーキシリンダ71、71を伸縮することによって、鉄輪3a〜3dと一体に回転するディスク41を挟んで鉄輪3a〜3dを制動する。各ブレーキシリンダ71は、方向制御弁としてのブレーキソレノイド72によって制御される。各ブレーキソレノイド72は、3ポート2位置切換弁であり、コントローラ73によって位置を制御される。
コントローラ73は、CPUなどを備えるコンピュータであり、圧力検出器としての圧力センサ61〜66から圧力信号を受信し、後述するように必要な演算と判定(判断)をしたうえで、ブレーキソレノイド72を動かして鉄輪ブレーキ(41、42)によって鉄輪3a〜3dを制動する。ここにおいて、鉄輪ブレーキによって発生される制動力、すなわちディスク41とパッド42、42によって発生される制動力は、ブレーキソレノイド72の位置を変えることで調整することができる。
以上が右側アクチュエータセクション53の油圧回路の説明であるが、左側アクチュエータセクション54については、略同様の回路であるのでその説明を省略する。
このように、油圧モータ45a〜45dと、鉄輪ブレーキ(41、42)と、圧力検出器としての圧力センサ61〜63、64〜66と、コントローラ73と、によって軌陸車の滑走装置Sが構成されている。
(作用)
次に、本実施例の軌陸車の滑走防止装置Sの作用について説明する。軌道走行時には、PTOを介してエンジン14によって、油圧ポンプ50が回転駆動されている。ここでは、油圧ポンプ50が、第1ポンプ油路51に作動油を吐出して、軌陸車1が前進している場合を例として説明する。
油圧ポンプ50は、第2ポンプ油路52から作動油を吸い込み、第1ポンプ油路51に作動油を吐き出すように、斜板の傾転角度が調節されている。したがって、この状態では、第2ポンプ油路52が低圧油路となり、第1ポンプ油路51が高圧油路となる。第1ポンプ油路51を流れる作動油は、A点において右側アクチュエータセクション53と左側アクチュエータセクション54とに分岐して流れる。
走行状態においては、右側アクチュエータセクション53へ流れた作動油は、右前油圧モータ45bに供給されて、右前油圧モータ45bは右前鉄輪3bを前進方向に回転させる。次に、右前油圧モータ45bから排出された作動油は、右後油圧モータ45dに供給されて、右後油圧モータ45dは右後鉄輪3dを前進方向に回転させる。
このような前進時の走行状態において、軌陸車1の運転者が鉄輪ブレーキを操作して、右前鉄輪3bのみがロックした場合を仮定して説明する。まず、運転者が運転室12にてブレーキをかける。そうすると、右前鉄輪3bのブレーキソレノイド72の位置が変わり、ブレーキシリンダ71、71が駆動されてパッド42、42によってディスク41が挟まれて制動力がかけられる。ところが、軌道(レール)7と右前鉄輪3bの間の粘着力が小さく、制動力の方が大きくなると、右前鉄輪3bが回転せずに軌道7上を滑走するようになる。
このように右前鉄輪3bがロックすると、右前鉄輪3bと一体の右前油圧モータ45bが急に停止するため、右前油圧モータ45bの上流側において運動エネルギーが圧力エネルギーに変わってサージ圧が発生する。さらに、右前油圧モータ45bの下流側には作動油が供給されなくなるため、負圧が発生する。
そうすると、図4に示すように、右第1圧力センサ61によって、サージ圧が検出されるとともに(黒ひし形)、右第2圧力センサ62によって、負圧が検出される(黒四角)。なお、右第3圧力センサ63には、図示しないが、減衰されつつ時間が遅れて負圧が伝搬される。また、図示しないが、サージ圧は、右側アクチュエータセクション53を上流側に伝搬し、反対側の左側アクチュエータセクション54まで、減衰されつつ時間が遅れて伝搬される。
そして、制御部としてのコントローラ73は、圧力検出器としての第1圧力センサ61及び第2圧力センサ62から圧力信号を受信する。鉄輪ブレーキによる制動中に、圧力信号を受信したコントローラ73は、上流側となる第1圧力センサ61が所定の圧力を超える正圧を示すとともに(第1条件)、下流側となる第2圧力センサ62が負圧を示すと(第2条件)、右前鉄輪3bがロックして滑走していると判定する。なお、第1条件又は第2条件の少なくともいずれかを満たさない場合には、右前鉄輪3bはロックしていないと判定して、制動を続ける。
コントローラ73は、第1条件及び第2条件の両方を満たしており、右前鉄輪3bがロックして滑走していると判定すると、鉄輪ブレーキ(41、42)による制動力を弱くするか、又は、制動を解除(OFF)する。このように、右前鉄輪3bの制動力を弱くしたり、制動を解除したりすることで(制動力ゼロ)、軌道7と右前鉄輪3bの間の粘着力が、制動力よりも大きくなると、右前鉄輪3bの回転が回復して非滑走状態となる。
これにより、右前鉄輪3bと一体の右前油圧モータ45bの回転も回復するため、右前油圧モータ45bの上流側及び下流側の圧力が正常な圧力に戻る。そうすると、図4に示すように、右第1圧力センサ61及び右第2圧力センサ62によって正常な圧力が検出される。
そして、コントローラ73は、第1圧力センサ61及び第2圧力センサ62から圧力信号を受信し、第1圧力センサ61及び第2圧力センサ62が正常な圧力を示していると、右前鉄輪3bの回転が回復していると判定する。この状態では、第1圧力センサ61及び第2圧力センサ62で検出される圧力は略同一となる。コントローラ73は、第1圧力センサ61及び第2圧力センサ62で検出される圧力は略同一となると、右前鉄輪3bのロックが解消して回転が回復していると判定する。
コントローラ73は、右前鉄輪3bのロックが解消していると判定すると、再びブレーキソレノイド72を駆動して鉄輪ブレーキ(41、42)による右前鉄輪3bの制動を開始する。なお、この際、右前鉄輪3bがロックしたと時点の制動力を記憶しておき、記憶した制動力よりも小さい制動力、例えば記憶している制動力の90%の制動力、を作用させることで再び鉄輪3bがロックすることを防止できる。
(効果)
次に、本実施例の軌陸車の滑動防止装置Sの奏する効果を列挙して説明する。
(1)上述してきたように、本実施例の軌陸車の滑動防止装置Sは、軌陸車の滑走防止装置Sであって、鉄輪3a〜3dを回転駆動する油圧モータ45a〜45dと、鉄輪3a〜3dを制動する鉄輪ブレーキとしてのディスク41及びパッド42、42と、油圧モータ45a〜45dに接続される油圧回路に配置された圧力検出器としての圧力センサ61〜66と、圧力センサ61〜66によって検出された圧力信号を受信する制御部としてのコントローラ73と、を備えている。コントローラ73は、鉄輪ブレーキ41、42による鉄輪3a〜3dの制動中に、圧力信号に基づいて鉄輪3a〜3dのいずれかが滑走していると判定して、滑走している鉄輪3b(又は3a、3c、3d)への鉄輪ブレーキ41、42による制動力を弱くするか、又は解除するようになっている。このような構成によれば、油圧回路に配置された圧力センサ61〜66によって検出された圧力信号に基づいて鉄輪3a〜3dの回転を検出できるため、回転センサを用いることなく間接的に鉄輪の回転を検出できる。したがって、制動距離の増加、脱線、鉄輪踏面にフラットポイントが発生することを防止することができる。
つまり、従来は、例えば右前鉄輪3bに設置した回転センサによって検出した回転数によって軌陸車1の速度を検出しており、個々の鉄輪ごとに回転しているか否かを検出していなかった。鉄輪ごとに回転センサを設置することも考えられるが、高価な回転センサを数多く設置するとコストが高くなるうえ、泥や水などをかぶって故障するリスクも高まるおそれがあった。そこで、本発明では、鉄輪3a〜3dが油圧モータ45a〜45dと一体になっている構造を利用して、油圧モータ45a〜45d前後の圧力を計測することによって、鉄輪3a〜3dのロックを判定するようにしている。
(2)また、油圧モータ45bの上流側及び下流側に1つずつ右第1圧力センサ61及び右第2圧力センサ62を備え、コントローラ73は、上流側の右第1圧力センサ61が所定の圧力を超える正圧を示すとともに、下流側の右第2圧力センサ62が負圧を示すと、鉄輪3bが滑走していると判定するようになっている。このように、油圧モータ45b上流のサージ圧のみで滑走しているか否かを判定するのではなく、油圧モータ45b下流の負圧も条件にすることで、いっそう確実に滑走しているか否かを判定できる。
例えば、本実施例では、右前鉄輪3bがロックするとサージ圧は、右側アクチュエータセクション53からA点を通り、左側アクチュエータセクション54まで伝搬する。そうすると、はじめに右第1圧力センサ61によって検出されたサージ圧は、微小時間後に、左第1圧力センサ64によっても検出される。そうすると、実際には滑走していない左前鉄輪3aが滑走していると判定するおそれがある。これに対して、下流の右第2圧力センサ62及び左第2圧力センサ64によって負圧が検出されたことも条件に加えると、誤って左前鉄輪3aが滑走していると判定することはない。実際に滑走している右前鉄輪3bの右第2圧力センサ62は負圧を示すが、滑走していない左前鉄輪3aの左第2圧力センサ64は負圧を示さないためである。
(3)さらに、制御部としてのコントローラ73は、鉄輪3bが滑走していると判定し、制動力を弱くするか、又は解除するかした後に、上流側の右第1圧力センサ61と下流側の右第2圧力センサ62とが略同一の圧力を示すようになると、鉄輪3bの滑走が解消したと判定し、自動的に鉄輪ブレーキ41、42によって鉄輪3bを再び制動するようになっている。このため、ロックが解消した後に、迅速かつ確実に制動を再開することができる。これによって、制動距離を短くすることができる。
(4)また、制御部としてのコントローラ73は、鉄輪3bが滑走していると判定した時点の鉄輪ブレーキ41、42による制動力を記憶しておき、鉄輪3bを再び制動する際に、鉄輪ブレーキ41、42によって記憶された制動力よりも小さい制動力で制動するようになっている。このため、再び制動した際に、再び鉄輪3bがロックして滑動することを防止できる。つまり、はじめに制動して鉄輪3bがロックした状態と、再び制動した状態とは類似した状態にあるため、再び鉄輪3bがロックしてしまうことが懸念される。そこで、再び制動する際には、従前よりも小さい制動力で鉄輪3bを制動することで、ロックを防止することができる。
(5)さらに、制御部としてのコントローラ73は、滑走していない鉄輪3a(3c、3d)の鉄輪ブレーキ41、42の制動力を大きくすることもできる。これによって、滑走している鉄輪3bに起因する制動力の不足分を、滑走していない他の鉄輪3a(3c、3d)によって補うことができる。この場合、他の鉄輪3a(3c、3d)の鉄輪ブレーキ41、42の制動力を大きくすることで、今度は他の鉄輪3aがロックする可能性があるが、さらに別の鉄輪3cの制動力を大きくすることで対応できる。
以上、図面を参照して、本発明の実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば、前述した実施例では、四輪駆動であり、右側アクチュエータセクション53(又は左側アクチュエータセクション54)内で、油圧モータ45b、45dが直列に接続されている場合について説明したが、これに限定されるものではない。図5に示す変形例の油圧回路のように、低速の四輪駆動と高速の二輪駆動とを切り換える並列の油圧回路であっても、本発明を適用することができる。
ただし、図5に示す油圧回路においては、右前油圧モータ45bの下流側(前進時)と右後油圧モータ45dの上流側(前進時)の圧力検出器を兼用することはできず、それぞれ別個に圧力検出器を備える必要がある。すなわち、実施例1では、圧力センサは6つ(61〜66)必要であったのに対して、変形例の油圧回路では、圧力センサは8つ(61〜68)必要である。
また、実施例では、各鉄輪3a〜3dに1つずつ油圧モータ45a〜45dが搭載された四輪駆動の軌陸車1に軌陸車の滑走防止装置Sを適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、二輪駆動の軌陸車に軌陸車の滑走防止装置Sを適用することもできる。
また、鉄輪3a〜3dが滑走しているか否かを、いっそう確実に判定するために、速度センサ、加速度センサ、又は騒音検知センサなどを補助的に併用することもできる。
S:滑走防止装置;
1:軌陸車; 2:道路走行用車輪(タイヤ); 3:軌道走行用鉄輪;
3a:左前鉄輪; 3b:右前鉄輪; 3c:左後鉄輪; 3d:右後鉄輪;
41:ディスク; 42:パッド;
45a:左前油圧モータ; 45b:右前油圧モータ;
45c:左後油圧モータ; 45d:右後油圧モータ;
61:右第1圧力センサ(圧力検出器); 62:右第2圧力センサ(圧力検出器);
63:右第3圧力センサ(圧力検出器)
64:左第1圧力センサ(圧力検出器); 65:左第2圧力センサ(圧力検出器);
66:左第3圧力センサ(圧力検出器);
73:コントローラ(制御部)

Claims (6)

  1. 軌陸車の滑走防止装置であって、
    鉄輪を回転駆動する油圧モータと、
    前記鉄輪を制動する鉄輪ブレーキと、
    前記油圧モータに接続される油圧回路に配置された圧力検出器と、
    前記圧力検出器によって検出された圧力信号を受信する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記鉄輪ブレーキによる前記鉄輪の制動中に、前記圧力信号に基づいて前記鉄輪が滑走していると判定した場合には、滑走している前記鉄輪への前記鉄輪ブレーキによる制動力を弱くするか、又は解除するようになっている、軌陸車の滑走防止装置。
  2. 前記油圧モータの上流側及び下流側に1つずつ前記圧力検出器を備え、
    前記制御部は、前記上流側の前記圧力検出器が所定の圧力を超える正圧を示すとともに、前記下流側の前記圧力検出器が負圧を示すと、前記鉄輪が滑走していると判定するようになっている、請求項1に記載された軌陸車の滑走防止装置。
  3. 前記油圧モータの上流側及び下流側に1つずつ前記圧力検出器を備え、
    前記制御部は、前記鉄輪が滑走していると判定した後に、上流側の前記圧力検出器と下流側の前記圧力検出器とが略同一の圧力を示すようになると、前記鉄輪の滑走が解消したと判定し、前記鉄輪ブレーキによって前記鉄輪を再び制動するようになっている、請求項1に記載された軌陸車の滑走防止装置。
  4. 前記制御部は、前記鉄輪が滑走していると判定した後に、上流側の前記圧力検出器と下流側の前記圧力検出器とが略同一の圧力を示すようになると、前記鉄輪の滑走が解消したと判定し、前記鉄輪ブレーキによって前記鉄輪を再び制動するようになっている、請求項2に記載された軌陸車の滑走防止装置。
  5. 前記制御部は、前記鉄輪が滑走していると判定した時点の前記鉄輪ブレーキによる制動力を記憶しておき、前記鉄輪を再び制動する際に、前記鉄輪ブレーキによって記憶された前記制動力よりも小さい制動力で制動するようになっている、請求項3又は請求項4に記載された軌陸車の滑走防止装置。
  6. 前記制御部は、滑走していない鉄輪の前記鉄輪ブレーキの制動力を大きくするようになっている、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載された軌陸車の滑走防止装置。
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