「第1の実施形態」
以下、第1の実施形態について図1ないし図9を参照して説明する。
図1ないし図3は、例えば冷水もしくは温水を生成する空冷ヒートポンプ式チリングユニットの斜視図、図4は、空冷ヒートポンプ式チリングユニットの側面図、図5は、空冷ヒートポンプ式チリングユニットの冷凍サイクルを示す回路図である。
空冷ヒートポンプ式チリングユニットは、例えば冷却モードおよび加熱モードで運転が可能な冷凍サイクル装置の一例であって、空冷ヒートポンプ式熱源機と言い換えることができる。以下の説明では、空冷ヒートポンプ式チリングユニットを単にチリングユニットと称する。
図1ないし図4に示すように、チリングユニット1は、筐体2、第1の冷凍サイクルユニット3、第2の冷凍サイクルユニット4、水回路5および電装ユニット6を主要な要素として備えている。
筐体2は、第1のセクションの一例であって、例えば建屋の屋上のような水平な設置面Gの上に据え付けられている。筐体2は、奥行き寸法が幅寸法よりも格段に大きな細長い中空の箱状に形成されている。
図2ないし図4に示すように、筐体2は、メインフレーム7を備えている。メインフレーム7は、下フレーム8、上フレーム9および複数の縦桟10で構成されている。下フレーム8および上フレーム9は、筐体2の奥行き方向に延びた細長い矩形状である。筐体2の奥行き方向に沿う下フレーム8の長さL1は、筐体2の奥行き方向に沿う上フレーム9の長さL2よりも短い。さらに、筐体2の幅方向に沿う上フレーム9の長さL3は、筐体2の幅方向に沿う下フレーム8の長さL4よりも短い。
縦桟10は、下フレーム8と上フレーム9との間を連結する要素であって、筐体2の奥行き方向に互いに間隔を存して配列されている。筐体2の幅方向に向かい合う縦桟10は、下フレーム8から上フレーム9の方向に進むに従い互いに近づくように傾いている。
このため、図2および図3に示すように、筐体2を正面の方向Fおよび背面の方向Rから見た時に、メインフレーム7は、下フレーム8から上フレーム9に向けて筐体2の幅方向に沿う寸法が次第に狭まるような先細り状に形成されている。
メインフレーム7の右側面および左側面は、夫々複数の側板12で覆われている。メインフレーム7の正面および背面は、夫々図示しない端板で覆われている。さらに、下フレーム8の上に底板13が固定されている。ここで底板13は、第1の冷凍サイクルユニット3、第2の冷凍サイクルユニット4、電装ユニット6、及び後述する渦巻ポンプ45を有するポンプユニットのそれぞれを載置する複数の板金部材であり、それぞれがメインフレーム7に固定される構成となっている。底板13は、側板12および端板と協働して筐体2の内部に機械室14を規定している。機械室14は、筐体2の奥行き方向に沿う全長に亘って延びている。
本実施形態によると、筐体2の正面の側に位置された下フレーム8の前端および上フレーム9の前端は、筐体2の高さ方向に並ぶように筐体2の奥行き方向に沿う位置が互いに揃えられている。筐体2の背面の側では、上フレーム9が下フレーム8よりも筐体2の背後に向けて水平に張り出している。このため、筐体2の奥行き方向に沿う全長は、下フレーム8の長さL1によって規定されている。筐体2の奥行き方向は、筐体2の長手方向と言い換えることができる。
図5および図6に示すように、第1の冷凍サイクルユニット3は、互いに独立した第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBを備えている。同様に、第2の冷凍サイクルユニット4は、互いに独立した第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDを備えている。
第1ないし第4の冷媒回路RA,RB,RC,RDは、互いに共通の構成を有するため、第1の冷媒回路RAを代表して説明し、第2ないし第4の冷媒回路RB,RC,RDについては同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
第1の冷媒回路RAは、能力可変型の圧縮機20、四方弁21、空気熱交換部22、一対の膨張弁23a,23b、レシーバ24、水熱交換器25および気液分離器26を主要な要素として備えている。前記複数の要素は、冷凍サイクル構成部品の一例であって、冷媒が循環する循環回路27を介して接続されている。
具体的に述べると、図5に示すように、圧縮機20の吐出口は、四方弁21の第1ポート21aに接続されている。四方弁21の第2ポート21bは、空気熱交換部22に接続されている。本実施形態の空気熱交換部22は、一対の空気熱交換器29a,29bおよびファン30を備えている。
図7に示すように、空気熱交換器29a,29bは、複数のプレートフィンと複数の冷媒配管とを組み合わせて構成され、その水平断面が略C字状に折り曲げられた形状を有している。空気熱交換器29a,29bは、筐体2の幅方向に間隔を存して向かい合うように起立しているとともに、上方に進むに従い互いに遠ざかる方向に傾いている。空気熱交換器29a,29bの縁部の間の隙間は、一対の遮蔽板32a,32bで閉塞されている。空気熱交換器29a,29bおよび遮蔽板32a,32bで囲まれた筒状の空間は、上下方向に延びた排気通路33を規定している。
このため、図2および図3に示すように、空気熱交換部22は、筐体2を正面の方向Fおよび背面の方向Rから見た時に、筐体2の上方に向かうに従い筐体2の幅方向に拡開するようなV字状に形成されている。よって、筐体2の上に空気熱交換部22が位置されたチリングユニット1は、高さ方向に沿う中間部が括れた鼓形の形状を有している。
ファン30は、羽根車34を回転させるファンモータ35を備えている。ファンモータ35は、羽根車34の回転速度を可変制御するためのインバータ基板(図示せず)を内蔵している。ファンモータ35は、排気通路33の上端に位置するように空気熱交換器29a,29bの上端部の相互間にファンベース36を介して支持されている。
さらに、ファン30の羽根車34は、ファンカバー37で覆われている。ファンカバー37は、羽根車34と向かい合う円筒状の排気口38を有している。
ファン30が駆動されると、チリングユニット1の周囲の空気が空気熱交換器29a,29bを通過して排気通路33に吸い込まれる。排気通路33に吸い込まれた空気は、排気口38に向けて吸い上げられるとともに、当該排気口38からチリングユニット1の上方に向けて排出される。
図5に示すように、空気熱交換器29a,29bの入口は、四方弁21の第2ポート21bに並列に接続されている。空気熱交換器29a,29bの出口は、膨張弁23a,23b、レシーバ24および水熱交換器25を介して四方弁21の第3ポート21cに接続されている。四方弁21の第4ポート21dは、気液分離器26を介して圧縮機20の吸入側に接続されている。
さらに、気液分離器26の出口は、バイパス配管40を介して四方弁21の第1ポート21aに接続されている。常閉形の電磁弁41がバイパス配管40の途中に設けられている。
図5に示すように、水熱交換器25は、第1の冷媒流路25a、第2の冷媒流路25bおよび水流路25cを備えている。水熱交換器25の第1の冷媒流路25aは、レシーバ24および四方弁21の第3ポート21cに接続されている。第2の冷媒流路25bは、第2の冷媒回路RBのレシーバ24および四方弁21の第3ポート21cに接続されている。このため、第1の冷凍サイクルユニット3では、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが一つの水熱交換器25を共有している。
同様に、第2の冷凍サイクルユニット4においても、一つの水熱交換器25を共有するように第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが一つの水熱交換器25に並列に接続されている。したがって、チリングユニット1は、二台の水熱交換器25を搭載している。
本実施形態のチリングユニット1は、第1ないし第4の冷媒回路RA,RB,RC,RDを有するので、四組の空気熱交換部22が存在する。四組の空気熱交換部22は、メインフレーム7の上フレーム9の上に起立した姿勢で固定されているとともに、筐体2の奥行き方向に沿って一列に並んでいる。したがって、本実施形態では、機械室14の真上に位置された四組の空気熱交換部22がチリングユニット1の第2のセクションを構成している。
さらに、筐体2の奥行き方向に沿う前端部および後端部の上に位置された空気熱交換部22にあっては、夫々空気熱交換器29a,29bの折り曲げられた一方の端部が筐体2の正面の方向Fおよび筐体2の背面の方向Rに露出されている。言い換えると、複数の空気熱交換部22の並び方向に沿う両端部に位置された二組の空気熱交換器29a,29bの一方の端部は、チリングユニット1の周囲に露出された熱交換面となっている。
この構成を採用することで、筐体2の前端部および後端部の上に位置された空気熱交換部22は、夫々チリングユニット1の幅方向から吸い込まれる空気に加えて、筐体2の正面の方向Fおよび背面の方向Rから吸い込まれる空気を利用して熱交換を行なうことができる。
図4に最もよく示されるように、メインフレーム7の上フレーム9は、下フレーム8よりも筐体2の背後に向けて水平に張り出している。四組の空気熱交換部22のうち、筐体2の背後に位置された最後部の空気熱交換部22は、筐体2の後端部から筐体2の奥行き方向に突出されている。言い換えると、筐体2の奥行き方向に沿う全長は、四組の空気熱交換部22の並び方向に沿う全長よりも短い。
この結果、第1のセクションとしての筐体2の背後に、最後部の空気熱交換部22よりも引っ込んだ段差部43が形成されている。段差部43は、筐体2の側方および背後に連続して開放されたスペースS1を規定しており、当該スペースS1の上に最後部の空気熱交換部22が張り出している。
すなわち、当該空気熱交換部22の最も背面側に位置する空気熱交換器29a,29bの折り曲げられた端部の下方にスペースS1が位置されている。ここで、図4に示すように、筐体2の後端部に配置された縦桟10は、最後部の空気熱交換部22を構成する空気熱交換器29a,29bの奥行き方向に沿う中央又は中央よりも筐体2の背面の側に位置されている。これにより、重量物である空気熱交換器29a,29bをメインフレーム7で安定して支持することができる。
図2〜図4および図6に示すように、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4のうち、四組の空気熱交換部22を除いた各種の要素は、筐体2の機械室14に収容されている。
第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBを備えた第1の冷凍サイクルユニット3は、例えば筐体2を正面Fの方向から見た時に、機械室14の長手方向に沿う右半分の領域に配置されている。同様に、第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDを備えた第2の冷凍サイクルユニット4は、例えば筐体2を正面Fの方向から見た時に、機械室14の長手方向に沿う左半分の領域に配置されている。
具体的に述べると、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBを構成する二台の圧縮機20、二台のレシーバ24および二台の気液分離器26は、機械室14の右半分の領域において、筐体2の奥行き方向に沿って一列に並ぶように底板13の上に据え付けられている。さらに、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが共有する一つの水熱交換器25は、第1の冷凍サイクルユニット3の最後部に位置するように底板13の上に据え付けられている。
第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDを構成する二台の圧縮機20、二台のレシーバ24および二台の気液分離器26は、機械室14の左半分の領域において、筐体2の奥行き方向に沿って一列に並ぶように底板13の上に据え付けられている。さらに、第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが共有する一つの水熱交換器25は、第2の冷凍サイクルユニット4の最後部に位置するように底板13の上に据え付けられている。
したがって、図6に最もよく示されるように、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4は、機械室14内で筐体2の長手方向に延びているとともに、筐体2の幅方向に並んでいる。それとともに、二台の水熱交換器25は、筐体2の長手方向に沿う中間部よりも段差部43の方向に偏った位置で筐体2の幅方向に並んでいる。
図2ないし図6に示すように、水回路5は、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4と共に機械室14に収容されている。水回路5は、能力可変型の水循環ポンプ45および第1ないし第4の水配管46a,46b,46c,46dを主要な要素として備えている。
水循環ポンプ45は、機械室14の後端部に位置するように底板13の上に据え付けられている。そのため、水循環ポンプ45は、筐体2の幅方向に並んだ二台の水熱交換器25と筐体2の背後の段差部43との間に位置されている。
第1の水配管46aは、水循環ポンプ45の吸入口に接続されている。第2の水配管46bは、水循環ポンプ45の吐出口と第1の冷凍サイクルユニット3に対応する水熱交換器25の水流路25cとの間を接続している。第3の水配管46cは、第1の冷凍サイクルユニット3の水熱交換器25の水流路25cと第2の冷凍サイクルユニット4の水熱交換器25の水流路25cとの間を直列に接続している。第4の水配管46dは、第2の冷凍サイクルユニット4の水熱交換器25の水流路25cに接続されている。
本実施形態によると、水回路5の水循環ポンプ45および二台の水熱交換器25が機械室14の後部で互いに隣り合っている。そのため、水回路5の第1ないし第4の水配管46a,46b,46c,46dが機械室14の後端部に集中し、第1ないし第4の水配管46a,46b,46c,46dの配管長が短くなる。
これにより、第1ないし第4の水配管46a,46b,46c,46dを機械室14に据え付ける際の作業性が良好となるとともに、第1ないし第4の水配管46a,46b,46c,46dのメンテナンスを容易に行うことができる。
図4および図6に示すように、第1の水配管46aは、第1の接続端部48を有している。第1の接続端部48は、例えば第1の水配管46aの上流端に形成された水配管入口49と、水配管入口49に接続されたストレーナ50と、を備えている。第1の接続端部48は、機械室14の後端部から筐体2の背後の段差部43に向けて突出されている。
第4の水配管46dは、第2の接続端部51を有している。第2の接続端部51は、例えば第4の水配管46dの下流端に形成された水配管出口52と、水配管出口52に接続されたチェッキバルブ53と、を備えている。第2の接続端部51は、機械室14の後端部から筐体2の背後の段差部43に向けて突出されている。
そのため、水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51は、段差部43が規定するスペースS1に収まっている。したがって、第1の接続端部48および第2の接続端部51が機械室14の背後に突出しているにも拘らず、第1の接続端部48および第2の接続端部51の大部分は、最後部の空気熱交換部22の真下に位置されている。
さらに、図4に示すように、第1の水配管46aの第1の接続端部48は、例えば各種のバルブやフレキシブルジョイントのような付属品(図示せず)を介して設置面Gの上に敷設された第1の現場配管55に接続されている。第1の現場配管55は、例えば空調機のような利用機器側の水出口に接続されている。
第4の水配管46dの第2の接続端部51は、例えば各種のバルブやフレキシブルジョイントのような付属品(図示せず)を介して設置面Gの上に敷設された第2の現場配管56に接続されている。第2の現場配管56は、例えば空調機のような利用機器側の水入口に接続されている。
図8および図9に示すように、空気熱交換器29a,29bから滴下する結露水等を受けるドレンパン60が筐体2の機械室14と四組の空気熱交換部22との間に配置されている。本実施形態のドレンパン60は、一対の樋61a,61bおよびドレン回収盤62を備えている。
樋61a,61bは、四組の空気熱交換部22の配列方向に沿って真っ直ぐに延びた要素であって、各空気熱交換部22の空気熱交換器29a,29bの真下に位置するように筐体2の上フレーム9に支持されている。
樋61a,61bは、筐体2の幅方向に互いに間隔を存して平行に配置されている。樋61a,61bの底は、筐体2の正面から背面の方向に進むに従い下向きに傾斜されている。さらに、樋61a,61bの間に通風路63が形成されている。通風路63は、筐体2の奥行き方向に沿って延びており、当該通風路63を通じて機械室14と四組の空気熱交換部22の排気通路33との間が連通されている。
ドレン回収盤62は、樋61a,61bの後端部の間に跨るように上フレーム9に支持されている。ドレン回収盤62の後端部は、筐体2の背後の段差部43の上方に張り出している。さらに、ドレン回収盤62は、段差部43に開口されたドレン配管接続口64を有している。
図4、図6および図8に示すように、前記電装ユニット6は、筐体2の正面の側である機械室14の前端部に位置されている。本実施形態の電装ユニット6は、電装ボックス70およびファン装置71を備えている。電装ボックス70は、メインボックス72、第1のサイドボックス73aおよび第2のサイドボックス73bを有している。
図8および図9に示すように、メインボックス72は、略直方体状の要素であって、機械室14と同等の高さ寸法を有している。メインボックス72の左右の側面は、底板13に近づくに従い筐体2の側板12から離れている。第1のサイドボックス73aおよび第2のサイドボックス73bは、メインボックス72よりも高さ寸法が小さい箱形の要素であって、筐体2の奥行き方向に延びた細長い形状を有している。
第1のサイドボックス73aは、メインボックス72の左側面の下部からメインボックス72の左側方に向けて突出されている。第2のサイドボックス73bは、メインボックス72の右側面の下部からメインボックス72の右側方に向けて突出されている。第1のサイドボックス73aおよび第2のサイドボックス73bは、夫々機械室14の底板13の上に固定されている。
本実施形態によると、筐体2は、下フレーム8から上フレーム9に向けて先細り状に形成されているので、図9に示すように、筐体2の幅方向に沿う機械室14の長さは、機械室14の上部から下部に進むに従い拡張されている。そのため、第1のサイドボックス73aおよび第2のサイドボックス73bは、幅が拡張された機械室14の下部に収められている。
この構成を採用することで、機械室14の前端部を電装ボックス70の収容スペースとして隅々まで有効に活用することができる。そのため、筐体2の奥行き方向に沿う電装ボックス70の長さを抑制しつつ、電装ボックス70の内容積を十分に確保できる。
本実施形態によると、図9に示すような空気通路74がメインボックス72の内部に形成されている。空気通路74は、メインボックス72の内部を区画する一対の仕切り板75a,75bの間に形成されている。空気通路74は、メインボックス72の幅方向に沿う中央部において筐体2の奥行き方向に延びているとともに、メインボックス72の高さ方向に沿って起立されている。
空気通路74の下端は、メインボックス72の底に開口されているとともに、筐体2の底板13に開けた吸気孔76に通じている。吸気孔76は、底板13と設置面Gとの間の隙間gに連通されている。空気通路74の上端は、メインボックス72の上面に開口されている。
電装ボックス70は、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4の運転を制御する各種の電気部品を収容している。電気部品の一例は、圧縮機20に印加する電圧および周波数を制御する複数の制御基板、インバータおよびコンバータのような複数のパワーモジュール、複数の平滑コンデンサ、力率改善用の複数のリアクトル、複数のフィルタ基板、複数の端子台および複数の電磁接触器などである。
各種の電気部品の中でも例えば複数の制御基板および複数のパワーモジュールは、動作中の発熱量が大きい発熱部品78と言い換えることができる。発熱部品78は、積極的な放熱を必要とするので、複数のヒートシンク79に熱的に接続されている。ヒートシンク79は、仕切り板75a,75bを貫通して空気通路74に露出されている。
図6、図8および図9に示すように、電装ユニット6のファン装置71は、メインボックス72の上面に取り付けられている。
この状態において、ファン装置71は、電装ボックス70内の各種の電気部品(即ち、発熱部品)から発せられる熱気を、排熱可能に構成されている。このため、ファン装置71は、細長い箱状のダクトユニット81と、このダクトユニット81に収容された排熱ファンユニット300(図12〜図13参照)と、を備えている。
図面では一例として、排熱ファンユニット300は、複数(例えば、3つ)の電動ファン82a,82b,82cと、これら電動ファン82a,82b,82cの周囲を囲むスライダ302aと、操作パネル302cと、を備えている。複数の電動ファン82a,82b,82cは、筐体2の奥行き方向(矢印FからR方向)に沿って一列に並んで配置されている。
ここで、電動ファン82a,82b,82cを駆動させることにより、電装ボックス70の内部に空気の流れを発生させる。この結果、空気の流れによって、電装ボックス70の内部の熱気が、ダクトユニット81(図13参照)を通って、機外に排熱され、電装ボックス70の内部が冷却される。
また、ダクトユニット81は、メインボックス72の上面の中央部分に設けられている。ダクトユニット81は、上記した空気通路74の開口に対向させて設けられている。ダクトユニット81は、かかる空気通路74の開口を取り囲むように構成されている。排熱ファンユニット300は、ダクトユニット81の中間部に収容されて配置されている。
ダクトユニット81の下端は、メインボックス72の内部に一部入り込んだ状態で位置決めされている。ダクトユニット81の上端は、樋61a,61bの間を通って、上記した空気熱交換部22の排気通路33(図9参照)に一部入り込んだ状態で位置決めされている。換言すると、ダクトユニット81は、メインボックス72の内部と外部とを連通させて構成されている。
ダクトユニット81には、吹き出し部301が設けられている。吹き出し部301は、排熱ファンユニット300の真上に対向させて構成されている。即ち、吹き出し部301は、排熱ファンユニット300からダクトユニット81の上端に亘って構成されている。かかる構成において、吹き出し部301は、ダクトユニット81の吹出口として、電装ボックス70)内の熱気を外部に排出可能となっている。
電動ファン82a,82b,82cは、筐体2の奥行き方向に間隔を存して一列に並んでいる。電動ファン82a,82b,82cは、空気通路74の真上に位置するように、回転軸線を縦置きにした水平の姿勢でダクトユニット81に組み込まれている。電動ファン82a,82b,82cは、いずれもダクトユニット81の上方に向けて排気する。
電動ファン82a,82b,82cが動作すると、メインボックス72の空気通路74に負圧が作用する。これにより、図9に矢印で示すように、筐体2の周囲の空気が隙間gから吸気孔76を通じて空気通路74に吸い込まれる。吸い込まれた空気は、空気通路74を下から上に向けて流れるとともに、ダクトユニット81に導かれる。
空気通路74を流れる空気は、発熱部品78の熱を受けるヒートシンク79に接触する。この結果、ヒートシンク79に伝えられた発熱部品78の熱が空気の流れに乗じて放出され、発熱部品78が強制的に冷やされる。
空気通路74を通過した空気(熱気)は、電動ファン82a,82b,82cにより吸い上げられるとともに、図9に白抜きの矢印で示すように、ダクトユニット81の上端の吹き出し部301から空気熱交換器29a,29bの間の排気通路33に直に放出される。
排気通路33に放出された空気は、ファン30の動作によって空気熱交換器29a,29bを通過した空気と共に排気口38に向けて吸い上げられるとともに、排気口38からチリングユニット1の上方に排出される。したがって、電装ユニット6の発熱部品78を冷却した後の空気(熱気)が機械室14に滞留することはない。
具体的に述べると、ヒートシンク79が露出された電装ボックス70内の空気通路74には、吸気孔76からチリングユニット1の外の空気、つまり外気が導かれる。外気には、塵埃や水分が含まれているので、空気通路74を通過した外気が機械室14に排出されてしまうと、機械室14に早期のうちに塵埃が堆積するのを否めない。
これに対し、本実施形態では、電動ファン82a,82b,82cを収容したダクトユニット81がドレンパン60の樋61a,61bの間を通して空気熱交換器29a,29bの間の排気通路33に突出されている。そのため、空気通路74を通過した外気は、機械室14を経由することなく空気熱交換部22の排気口38からチリングユニット1の外に吐き出される。
よって、空気中に含まれる塵埃が機械室14に堆積したり、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4に付着したりするのを防止できる。
さらに、本実施形態によると、筐体2内の機械室14は、筐体2の奥行き方向に延びた一対の樋61a,61bの間の通風路63を通じて四組の空気熱交換部22の内側の排気通路33に通じている。このため、空気熱交換部22のファン30を利用して機械室14内の空気を通風路63から排気通路33に向けて強制的に吸い上げることができる。よって、機械室14の通気性が格段に向上し、機械室14に熱が籠り難くなる。
加えて、メインボックス72の上のファン装置71がドレンパン60の樋61a,61bの間に入り込むので、樋61a,61bの間に生じた通風路63をファン装置71の設置スペースとして活用できる。これにより、メインボックス72の上面を樋61a,61bに極力近づけることが可能となり、機械室14の高さ寸法を抑えつつ、メインボックス72の高さを確保できる。
しかも、メインボックス72の高さ寸法を増すことで、メインボックス72の内容積を確保しつつ、筐体2の奥行き方向に沿うメインボックス72の長さを抑制することができる。よって、機械室14内でのメインボックス72の占有面積を減らすことができ、第1のセクションとしての筐体2の奥行き方向に沿う全長を短くする上で好都合となる。
次に、チリングユニット1の動作について説明する。
第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4が冷却モードで運転を開始すると、第1ないし第4の冷媒回路RA,RB,RC,RDの四方弁21は、図5に実線で示すように、第1ポート21aが第2ポート21bに連通し、第3ポート21cが第4ポート21dに連通するように切り換わる。
さらに、第1ないし第4の冷媒回路RA,RB,RC,RDの圧縮機20から高温・高圧の気相冷媒が循環回路27に吐出される。圧縮機20から吐出された高温・高圧の気相冷媒は、四方弁21を経由して空気熱交換器29a,29bに導かれる。
空気熱交換器29a,29bに導かれた気相冷媒は、ファン30の作動により空気熱交換器29a,29bを通過する空気との熱交換により凝縮し、高圧の液相冷媒に変化する。高圧の液相冷媒は、膨張弁23a,23bを通過する過程で減圧されて、中間圧の気液二相冷媒に変化する。気液二相冷媒は、レシーバ24を経由して水熱交換器25に導かれる。
本実施形態では、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが一つの水熱交換器25を共有し、第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが他の一つの水熱交換器25を共有している。このため、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBでは、水熱交換器25の第1の冷媒流路25aおよび第2の冷媒流路25bに夫々中間圧の気液二相冷媒が導かれ、水流路25cを流れる水と熱交換する。
この結果、第1の冷媒流路25aおよび第2の冷媒流路25bを流れる気液二相冷媒は、蒸発して水流路25c内の水から熱を受け入れ、蒸発潜熱によって低温・低圧の気液二相冷媒に変化する。水流路25c内の水は、潜熱を奪われることで冷水となる。
第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが共有する水熱交換器25の水流路25cは、第3の水配管46cを介して第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが共有する他の水熱交換器25の水流路25cに直列に接続されている。
このため、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが共有する水熱交換器25で冷やされた水は、第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが共有する他の水熱交換器25の水流路25cを通過する過程で、他の水熱交換器25の第1の冷媒流路25aおよび第2の冷媒流路25bを流れる気液二相冷媒との熱交換により再度冷やされる。二段階に亘って冷やされた水は、第4の水配管46dから第2の現場配管56を介して利用機器側に供給される。
各水熱交換器25を通過した低温・低圧の気液二相冷媒は、四方弁21を経由して気液分離器26に導かれ、ここで液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒から分離された気相冷媒は、圧縮機20に吸い込まれるとともに、再び高温・高圧の気相冷媒となって圧縮機20から循環回路27に吐出される。
一方、第1の冷凍サイクルユニット3および第2の冷凍サイクルユニット4が加熱モードで運転を開始すると、第1ないし第4の冷媒回路RA,RB,RC,RDの四方弁21は、図5に破線で示すように、第1ポート21aが第3ポート21cに連通し、第2ポート21bが第4ポート21dに連通するように切り換わる。
加熱モードでは、圧縮機20で圧縮された高温・高圧の気相冷媒が四方弁21を経由して水熱交換器25に導かれる。加熱モードにおいても、第1の冷媒回路RAおよび第2の冷媒回路RBが共有する一つの水熱交換器25の水流路25cと、第3の冷媒回路RCおよび第4の冷媒回路RDが共有する他の一つの水熱交換器25の水流路25cとが直列に接続されているので、水流路25cを流れる水は、第1の冷媒流路25aおよび第2の冷媒流路25bを流れる気相冷媒との熱交換により二段階に亘って加熱される。気相冷媒の熱を受けて加熱された水は、第4の水配管46dから第2の現場配管56を介して利用機器側に供給される。
水熱交換器25を通過した高圧の液相冷媒は、レシーバ24および膨張弁23a,23bを通過する過程で中間圧の気液二相冷媒に変化するとともに、空気熱交換器29a,29bに導かれる。空気熱交換器29a,29bに導かれた気液二相冷媒は、ファン30の作動により空気熱交換器29a,29bを通過する空気との熱交換により蒸発し、低温・低圧の気液二相冷媒に変化する。
空気熱交換器29a,29bを通過した低温・低圧の気液二相冷媒は、四方弁21を経由して気液分離器26に導かれ、ここで液相冷媒と気相冷媒とに分離される。液相冷媒から分離された気相冷媒は、圧縮機20に吸い込まれるとともに、再び高温・高圧の気相冷媒となって圧縮機20から循環回路27に吐出される。
第1の実施形態のチリングユニット1によると、水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51は、夫々筐体2の機械室14から筐体2の背後の段差部43に向けて突出されている。段差部43は、第1のセクションとしての筐体2の長さを第2のセクションとしての四組の空気熱交換部22の長さよりも短くすることで形成され、第2のセクションの後端に位置された一つの空気熱交換部22よりも引っ込んだスペースS1を規定している。
そのため、水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51が機械室14の背後に突出しているにも拘らず、第1の接続端部48および第2の接続端部51は、チリングユニット1の背後に大きく張り出すことなく段差部43のスペースS1に収まる。
したがって、チリングユニット1を第1および第2の現場配管55,56が敷設された設置面Gの上に据え付けるに当たって、チリングユニット1を第1および第2の現場配管55,56に近づけることが可能となる。
この結果、チリングユニット1の据え付けに必要なスペースを削減でき、狭小なスペースであってもチリングユニット1の据え付け作業を無理なく実行することができる。
さらに、第1の実施形態によると、機械室14に収容されたメインボックス72の上端部を、一対の樋61a,61bの間を通して空気熱交換部22の内側の排気通路33に突出させたので、メインボックス72の内容積を確保しつつ、筐体2の奥行き方向に沿うメインボックス72の長さ寸法を短縮することができる。これにより、機械室14に対するメインボックス72の占有領域が筐体2の奥行き方向に短くなり、筐体2の奥行き方向に沿う長さ寸法を短縮する上で有効に寄与する。
それとともに、第1の実施形態では、ファン30の羽根車34の回転速度を制御するインバータ基板がファンモータ35に内蔵されている。この結果、電装ボックス70の内部にインバータ基板を収めるスペースを確保する必要はなく、電装ボックス70の長さを抑制することができる。
よって、第1のセクションとしての筐体2の長さを第2のセクションとしての空気熱交換部22の長さよりも十分に短くすることができ、筐体2の背後の側に水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51を収めるスペースS1を有した段差部43を容易に得ることができる。
「第2の実施形態」
図10は、第2の実施形態を開示している。
第2の実施形態は、ポンプレス仕様のチリングユニット100を開示している。ポンプレス仕様のチリングユニット100では、水回路5から水循環ポンプ45が排除されており、それ以外のチリングユニット100の構成は、基本的に第1の実施形態と同様である。そのため、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、ポンプレス仕様のチリングユニット100によると、水循環ポンプが収められていた機械室14の後端部に空きスペースが生じるので、当該空きスペースに水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51が収容されている。そのため、本実施形態では、第1の現場配管55が筐体2の背後の段差部43に入り込んでいるとともに、第2の現場配管56が第1の実施形態に比べて段差部43に近づいている。
第2の実施形態によると、段差部43が規定するスペースS1を利用して第1の現場配管55を引き回すことができる。言い換えると、第1の現場配管55が段差部43に入り込み、第2の現場配管56が段差部43により近づく位置まで、チリングユニット100の筐体2を第1の現場配管55および第2の現場配管56の側に寄せることができる。
したがって、チリングユニット1を据え付けるためのスペースをより一層削減することができる。
「第3の実施形態」
図11は、第3の実施形態を開示している。
第3の実施形態に係るチリングユニット200によると、第1のセクションとしての筐体2の背後に第1の段差部201が形成され、筐体2の前側に第2の段差部202が形成されている。
第1の段差部201は、筐体2の側方および背後に向けて連続して開放されたスペースS2を有し、当該スペースS2に水回路5の第1の接続端部48および第2の接続端部51が位置されている。同様に第2の段差部202は、筐体2の側方および前方に向けて連続して開放されたスペースS3を有し、当該スペースS3に例えば配管キットのようなオプション部品203が位置されている。
第3の実施形態によると、筐体2の前側に位置する第2の段差部202をオプション部品203の配置スペースとして活用でき、筐体2の周囲を有効に利用することができる。
「第4の実施形態」
上記した第1の実施形態において、排熱ファンユニット300(ファン装置71)は、電装ボックス70の内部に空気の流れを発生させ、これにより、電装ボックス70の内部の熱気を機外に排熱可能(換言すると、電装ボックス70の内部を冷却(空冷)可能)に構成されている。かかる構成において、ダクトユニット81(ファン装置71、排熱ファンユニット300)は、電装ボックス70の上面の中央部分に設けられている(図6、図8および図9参照)。
かくして、空気熱交換部22用のファン30が停止した場合でも、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)を独自に動作させることが可能となる。この結果、電装ユニット6(電装ボックス70)の内部に対する排熱動作を維持ないし継続させることができる。
ところで、ファン装置71(ダクトユニット81、排熱ファンユニット300)の配置は、電装ボックス70の上面の中央部分に限られない。要するに、電装ボックス70内の各種の電気部品(発熱部品)から発せられる熱気を排熱可能であれば、例えば、電装ボックス70の側面や下面に、当該ファン装置71を配置することができる。
本実施形態では、上記した排熱ファンユニット300が、ダクトユニット81から引き出し可能(即ち、筐体2の外に引き出し可能)に構成されている。これにより、ファン装置71(ダクトユニット81、排熱ファンユニット300)の配置の自由度を向上させることができる。以下、具体的に説明する。
図12〜図13に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、出し入れ機構302を有している。出し入れ機構302は、排熱ファンユニット300をダクトユニット81に対して、引き出したり、挿入したり(押し込んだり)することが可能に構成されている。
ここで、排熱ファンユニット300をダクトユニット81から引き出す。これにより、排熱ファンユニット300を筐体2の外に引き出すことが可能となる。一方、排熱ファンユニット300をダクトユニット81に挿入する(押し込む)。これにより、排熱ファンユニット300をダクトユニット81に出し入れ可能に収容させることができる。
このような動作を実現するために、出し入れ機構302は、スライダ302aと、ガイドレール302b(図18参照)と、操作パネル302cと、を備えている。
スライダ302aは、排熱ファンユニット300を搭載可能に構成されている。スライダ302aは、排熱ファンユニット300の左右両側に、互いに平行に設けられている。スライダ302aは、筐体2の奥行き方向(矢印FからR方向)に沿って平行に配置されている。
スライダ302aは、ガイドレール302bに沿って往復動可能に構成されている。ガイドレール302bは、ダクトユニット81の両側に沿って、互いに平行に設けられている。ガイドレール302bは、スライダ302aに対向させて配置されている。即ち、ガイドレール302bは、筐体2の奥行き方向(矢印FからR方向)に沿って平行に配置されている。
操作パネル302cは、筐体2の正面方向Fからスライダ302aに連結されており、排熱ファンユニット300の前面を構成している。操作パネル302cには、作業員が手指で掴むことが可能な把手部302dが設けられている。
また、筐体2の正面方向Fは、正面板303と上部板304によって覆われている。上部板304は、正面板303の上部側に着脱自在に取り付けられている。筐体2に上部板304を取り付けた状態において、操作パネル302cは、当該上部板304によって外部から隔離された状態に維持されている。
ここで、排熱ファンユニット300がダクトユニット81に収容された状態において、作業員が、上部板304を筐体2から取り外した後、手指で把手部302dを掴んで手前に引き出す。これにより、スライダ302aがガイドレール302bに沿って移動し、排熱ファンユニット300が、スライダ302aと共に、ダクトユニット81から引き出される。
かかる状態において、例えば、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)に対する洗浄、修理、交換などの各種のメンテナンスを容易に行うことができる。メンテナンスの終了後、再び、排熱ファンユニット300をダクトユニット81に収容させる。
即ち、作業員が、排熱ファンユニット300を、スライダ302aと共に、ダクトユニット81に挿入し、当該排熱ファンユニット300をダクトユニット81に収容させることができる。この後、上部板304を筐体2に取り付ける。
以上、本実施形態によれば、排熱ファンユニット300を、ダクトユニット81から引き出し可能とすることで、当該排熱ファンユニット300を筐体2の外に引き出し可能に構成する。これにより、ファン装置71の配置の自由度を向上させることができる。例えば、従来ではメンテナンスが困難であったために設置できなかったような場所にも、当該ファン装置71を配置することができる。
なお、上記した出し入れ機構302の構成は、あくまで一例であって、他の構成によって出し入れ機構302を実現してもよい。
「第5実施形態」
図14〜図16に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、上記したファン装置71(ダクトユニット81、排熱ファンユニット300)と、仕切ベース305,306と、カバー307と、整流板308と、を有している。
「仕切ベース305,306」
仕切ベース305,306は、空気熱交換部22と筐体2(機械室14)との間に配置されている。仕切ベース305,306は、各空気熱交換部22の下端に1つずつ設けられている。仕切ベース305,306は、空気熱交換部22の下端の全体を覆うように構成されている。仕切ベース305,306は、上記した排気通路33(図9参照)の下端よりも広範囲に亘って構成されている。仕切ベース305,306は、一対の樋61a,61bの相互間に亘って広がっている。
仕切ベース305,306は、その左右方向中央部分から左右両側に向かって、下り勾配の傾斜面M1,M2を有して構成されている。傾斜面M1,M2の一端は、仕切ベース305,306の中央部分に位置付けられている。傾斜面M1,M2の他端は、仕切ベース305,306の両側(即ち、樋61a,61b)に位置付けられている。
また、図15に示すように、仕切ベース305,306の左右両側(傾斜面M1,M2の他端)は、下方へ下がった段部306bが形成されており、この段部306bには、複数の通路309が、間隔を存して設けられている。通路309は、仕切ベース305,306を貫通させて構成されている。
ここで、図16に示すように、仕切ベース305,306の両側に形成された段部306bは、上方に配置される熱交換部22の空気熱交換器29a,29bの下端の一部が接触しないように、当該空気熱交換器29a,29bから離間させて配置されている。これにより、空気熱交換器29a,29bと仕切りベース305,306との接触部分において、表面張力等により雨水やドレン水の流れを妨げることなく、良好な排水性を確保することができる。また、寒冷条件での着霜・氷結の成長を抑止することができ、熱交換性能の低下を防止することができる。
かかる仕切ベース305,306によれば、そのベース表面(傾斜面M1,M2)に落下ないし付着した水(例えば、雨水)は、当該ベース表面(傾斜面M1,M2)に沿って流下する。流下した水は、仕切ベース305,306の両側の段部306bの通路309から樋61a,61bに落下する。落下した水は、樋61a,61bを流れた後、上記したドレン回収盤62を介して排水される。なお、雨水としては、例えば、上記した排気通路33に吹き込んだ雨水や、空気熱交換部22を伝って流れ落ちた雨水などが想定される。
本実施形態において、上記した仕切ベース305,306のうち、電装ユニット6(電装ボックス70)と、空気熱交換部22との間の仕切ベース306には、ダクトユニット81が貫通されて支持されている。ダクトユニット81は、仕切ベース306の中央部分に設けられている。ダクトユニット81は、仕切ベース306の両側(上部側、下部側)に突出した状態で構成されている。なお、仕切ベース306の上部側とは、空気熱交換部22(排気通路33)が配置された側を指す。仕切ベース306の下部側とは、筐体2(電装ユニット6(電装ボックス70))が配置された側を指す。
ここで、仕切ベース306の上部側のダクトユニット81を、上部ダクト310と称し、仕切ベース306の下部側のダクトユニット81を、下部ダクト311と称する。この場合、上記した吹き出し部301は、ダクトユニット81(即ち、上部ダクト310、下部ダクト311)の開口(吹出口)として規定することができる。
「カバー307」
カバー307は、かかる吹き出し部301、即ち、ダクトユニット81(上部ダクト310、下部ダクト311)の開口(吹出口)を覆うように配置されている。換言すると、吹き出し部301の上方、即ち、ダクトユニット81(上部ダクト310、下部ダクト311)の上方は、カバー307で覆われている。この場合、カバー307は、吹き出し部301(ダクトユニット81)から離間した位置に設けられている。カバー307と吹き出し部301(ダクトユニット81)とは、相互に非接触な位置関係を有している(図18〜図19参照)。
なお、カバー307の取付仕様としては、例えば、ダクトユニット81(特に、上部ダクト310)に支持されるように設定してもよいし、或いは、仕切ベース306に支持されるように設定してもよい。
カバー307は、その中央部分から両側に向かって下り勾配を有した輪郭に構成されている。カバー307は、表面307a(以下、カバー表面と言う)と、裏面307b(以下、カバー裏面と言う)と、を備えている。カバー表面307aとカバー裏面307bとは、互いに対向して平行に構成されている。カバー表面307a及びカバー裏面307bは、カバー307の輪郭に沿った形状を有している。即ち、カバー表面307a及びカバー裏面307bは、その中央部分から両側に向かって下り勾配を有している。
ここで、カバー307の中央部分とは、筐体2の奥行き方向(矢印FからR方向)に沿って平行に延出した部分を指す。図面では一例として、カバー307の中央部分と、上記した仕切ベース306の中央部分とは、重力方向で見て上下に互いに平行に位置付けられている。カバー307の両側とは、その中央部分から仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に向かって接近している部分を指す。
かかるカバー307によれば、そのカバー表面307aに落下ないし付着した水(例えば、雨水)は、当該カバー表面307aに沿って流下する。流下した水は、カバー表面307aの両側からベース表面(傾斜面M1,M2)に落下する。落下した水は、ベース表面(傾斜面M1,M2)に沿って流下する。流下した水は、ベース表面の両側(傾斜面M1,M2の他端)の通路から樋61a,61bに落下する。落下した水は、樋61a,61bを流れた後、上記したドレン回収盤62を介して排水される。
一方、上記した排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)によって、ダクトユニット81(上部ダクト310、下部ダクト311)の吹き出し部301から吹き出された熱気は、当該カバー裏面307bに沿って流動する。即ち、熱気は、カバー裏面307bの中央部分から両側に向かって流動する。両側に流動した熱気は、カバー裏面307bと、ダクトユニット81(具体的には、上部ダクト310)との間を通った後、カバー307の両側から流出する。
「整流板308」
整流板308は、カバー307の両側から、予め設定された距離だけ、離間させて配置されている。整流板308は、カバー307の両側に対向した位置に、それぞれ1つずつ設けられている。図面では一例として、整流板308は、仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に、1つずつ配置されている。整流板308は、互いに平行に対向した位置関係を有している。整流板308は、ベース表面(傾斜面M1,M2)から、上記した排気通路33に向けて立ち上げられている。
かかる整流板308によれば、上記したカバー307の両側から流出した熱気は、その一部がベース表面(傾斜面M1,M2)に沿って流動する。ここで、上記した整流板308が無い場合、熱気は、空気熱交換部22にダイレクトに到達する。そうすると、到達した熱気によって、空気熱交換部22の交換効率が低下する虞がある。
しかしながら、本実施形態では、上記した整流板308が配置されている。このため、カバー307の両側から流出した熱気は、当該整流板308によって流動方向が制限される。即ち、かかる熱気は、空気熱交換部22を回避する方向に規制される。換言すると、当該熱気が、空気熱交換部22にダイレクトに到達することは無い。これにより、空気熱交換部22の交換効率を一定に維持することができる。
更に、整流板308には、仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に向けて流路312が設けられている。流路312は、整流板308を貫通させて構成されている。流路312は、整流板308に沿って複数配置されている。この場合、上記したカバー表面307aの両側からベース表面(傾斜面M1,M2)に落下した水(雨水)は、整流板308に到達すると、複数の流路312を通過する。かくして、当該水は、整流板308によって堰き止められること無く、スムーズかつ漏れなくベース表面(傾斜面M1,M2)に沿って流下する。
「第6実施形態」
図17〜図19に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、分割(分離)可能に組み立てられている。即ち、チリングユニット1は、上部に位置する第2のセクションである上部セクション1aと、下部に位置する第1のセクションである下部セクション1bと、を有している。上部セクション1aは、下部セクション1bに対して、分離(分割)可能に連結させる(一体化させる)ことができる。
本実施形態において、上記したファン装置71(図16参照)は、上部ファン装置71aと、下部ファン装置71bと、に分離(分割)可能であって、かつ、下部ファン装置71bに対して上部ファン装置71aを連結可能に構成されている。この場合、上部セクション1aは、例えば、上部ファン装置71aと、空気熱交換部22と、を含んで構成されている。下部セクション1bは、例えば、下部ファン装置71bと、筐体2(機械室14(電装ユニット6))と、を含んで構成されている。
本実施形態において、上記したダクトユニット81は、上部ダクト310と、下部ダクト311と、に分離(分割)可能であって、かつ、下部ダクト311に対して上部ダクト310を連結可能に構成されている。かかる連結状態において、上部ダクト310と下部ダクト311との間には、上記した仕切ベース306が介在されている。
上部ダクト310は、仕切ベース306の上部側に配置されている。上部ダクト310は、仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に固定されている。上部ダクト310は、ベース表面(傾斜面M1,M2)から、上記した排気通路33に向けて立ち上げられている。なお、上記したカバー307は、上部ダクト310或いは仕切ベース306のいずれかに支持されている。
下部ダクト311は、仕切ベース306の下部側(即ち、裏面側)に配置されている。下部ダクト311は、上部ダクト310及び仕切ベース306から分離された状態に維持されている。下部ダクト311は、支持プレート313に支持されている。支持プレート313は、筐体2に固定されている。かくして、下部ダクト311は、支持プレート313を介して、筐体2に固定されている。
図面では一例として、上部ダクト310及び下部ダクト311は、それぞれ、中空の矩形状を有している。この場合、上部ダクト310には、中空の上部開口310aが構成されている。下部ダクト311には、中空の下部開口311aが構成されている。そして、仕切ベース306には、その中央部分に、中空のベース開口306aが構成されている。ベース開口306aは、仕切ベース306を貫通させて構成されている。ベース開口306aは、上部開口310a及び下部開口311aに対向して連通されている。図面では一例として、矩形状のベース開口306aが示されている。
ここで、上記した吹き出し部301(ダクトユニット81の開口(吹出口))は、上部開口310aと、ベース開口306aと、下部開口311aと、によって構成されている。換言すると、上部開口310aと、ベース開口306aと、下部開口311aと、がこの順番で相互に連続(連結)されることで、一連の吹き出し部301が構成されている。
「上部ファン装置71a、下部ファン装置71b」
上部ファン装置71aは、例えば、上部ダクト310と、仕切ベース306と、カバー307と、を主要な構成要素(component)として設定されている。上記したように、上部ダクト310及びカバー307は、仕切ベース306に支持されている。仕切ベース306は、空気熱交換部22(上部セクション1a)の下端に固定されている。
下部ファン装置71bは、例えば、下部ダクト311と、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)と、を主要な構成要素として設定されている。排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)は、下部ダクト311に収容されている。なお、上記した第2実施形態の出し入れ機構302を適用する仕様では、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)は、当該出し入れ機構302によって、下部ダクト311に出し入れ可能に収容される。
ここで、下部セクション1bに対して上部セクション1aを連結する。空気熱交換部22が、筐体2(機械室14(電装ユニット6))の上部に配置される。上部ファン装置71aと下部ファン装置71bとが、相互に組み合わされる。このとき、上部ダクト310と下部ダクト311とが、相互に連結される。具体的には、上部ダクト310は、仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に固定されている。よって、下部ダクト311は、仕切ベース306の下部(即ち、裏面)に連結される。
この状態において、上部ダクト310の上部開口310aと、仕切ベース306のベース開口306aと、下部ダクト311の下部開口311aとが、この順番で相互に連結される。即ち、上部開口310aとベース開口306aと下部開口311aとが、この順番で相互に連続する。かくして、一連の吹き出し部301が構成されたチリングユニット1が組み立てられる。
かかる構成によれば、ファン装置71(上部セクション1a)を、上部ファン装置71a(上部ダクト310)と、下部ファン装置71b(下部ダクト311)と、に分離(分割)する。これにより、チリングユニット1の組み立てに際し、上部セクション1aと下部セクション1bとを別々に組み立てることができる。即ち、上部セクション1aの組立プロセスと、下部セクション1bの組立プロセスとを、互いに独立して行うことができる。この場合、ファン装置71を組み立てる際、上部ファン装置71aの下部側に下部ファン装置71bを当て付けるだけで足りる。即ち、上部ダクト310の下部側に下部ダクト311を連結するだけで足りる。この結果、上部セクション1aと下部セクション1bとを、短時間で安全かつ正確に連結させる(一体化させる)ことができる。
「緩衝材314」
図18〜図19に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、緩衝材314を有している。緩衝材314は、上部セクション1aと下部セクション1bとの間に配置されている。
かかる構成によれば、上部セクション1aと下部セクション1bとを連結する際、緩衝材314が弾性変形する。このとき、連結時の衝撃が、当該緩衝材314によって吸収されて除去される。かくして、連結時の衝撃によって上部セクション1a及び下部セクション1bの構成要素(例えば、上部ダクト310、下部ダクト311)が変形ないし損傷(損壊)する、といった事態の発生を未然に防止することができる。
更に、緩衝材314が弾性変形することで、製造交差ないし設計交差が吸収されて除去される。このため、上部セクション1aと下部セクション1bとの間の連結精度を高くする必要が無い。換言すると、上部セクション1aと下部セクション1bとの連結(組み立て)に際し、高い熟練度が求められることが無い。かくして、上部セクション1aと下部セクション1bとの組立性を飛躍的に向上させることができる。
加えて、緩衝材314を設けたことで、上部セクション1aと下部セクション1bとの間のシール性を向上させることができる。例えば、緩衝材314を、上部ダクト310と下部ダクト311との間に配置させる。これにより、上部ダクト310と下部ダクト311とを連結させた状態において、緩衝材314が弾性変形する。この結果、当該緩衝材314が、上部ダクト310と下部ダクト311との間に隙間無く密着する。
図面では、矩形の下部ダクト311の上端に沿って緩衝材314が設けられている。この場合、下部ダクト311が、仕切ベース306の下部(即ち、裏面)に連結された際、緩衝材314は、下部ダクト311の上端と、仕切ベース306の下部(裏面)との間に隙間無く密着する。これにより、シール性に優れた一連の吹き出し部301を実現することができる。かくして、当該吹き出し部301のシール性が一定に維持される。
「水受け機構」
図18〜図19に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、水受け機構を有している。水受け機構は、上記した吹き出し部301(ダクトユニット81)の内部に設けられている。水受け機構は、例えば、上部セクション1a(空気熱交換部22)の内部に存する水(例えば、雨水)が、下部セクション1b(機械室14(電装ユニット6))の内部に浸入するのを防止可能に構成されている。
水受け機構は、水受け棚315を備えている。水受け棚315は、吹き出し部301(ダクトユニット81)の内部に向けて突出させて構成されている。水受け棚315は、吹き出し部301(ダクトユニット81)の内部に沿って連続的に構成されている。水受け棚315は、吹き出し部301(ダクトユニット81)の開口の内側を連続的に一部覆うように構成されている。水受け棚315は、水平方向の角度、あるいは、上り勾配の角度を有して突出している。上り勾配の角度とは、水平方向と垂直方向との間の方向に向けた傾斜角を指す。
「水受け棚315の具体的仕様」
図面では一例として、仕切ベース306の一部を、水受け棚315として利用している。即ち、上部ダクト310の上部開口310aは、仕切ベース306のベース開口306aよりも大きく(広く)設定されている。換言すると、仕切ベース306のベース開口306aは、上部ダクト310の上部開口310aよりも小さく(狭く)設定されている。かかる設定を実現する方法としては、例えば、上部ダクト310をベース開口306aよりも大きく(広く)構成するか、或いは、ベース開口306aを上部ダクト310よりも小さく(狭く)構成する。
これにより、上部ダクト310の下端の内側に、上部開口310aの下端の内側を連続的に一部覆った水受け棚315が実現されている。この場合、水受け棚315は、上部ダクト310の上部開口310aよりも内側に突出した(迫り出した)構造を有している。更に、上記したように、仕切ベース306は、その中央部分から両側に向かって下り勾配を有して構成されている。このため、その一部を利用した当該水受け棚315は、上部開口310aの内方に向かって上り勾配の傾斜角を有して構成されている。
更に、水受け棚315と上部ダクト310との組み合せによって、貯水構造が実現されている。貯水構造は、水受け棚315と上部ダクト310とが協働することで、一定量の水を一時的に貯水可能に構成されている。これにより、水受け機構は、貯水構造としての機能を有している。
かかる水溜め機構によれば、上部セクション1a(空気熱交換部22)の内部に存する水(例えば、雨水)が、吹き出し部301(ダクトユニット81)に浸入した場合でも、かかる吹き出し部301(ダクトユニット81)の内部に沿って落下する水(雨水)は、上記した水受け棚315によって受け止められる。受け止められた当該水(雨水)は、水受け棚315と上部ダクト310との間に貯水される。かくして、当該水が、下部セクション1b(機械室14(電装ユニット6))の内部に浸入するのを防止することができる。
「水抜き機構」
図18〜図19に示すように、本実施形態のチリングユニット1は、水抜き機構を有している。水抜き機構は、上記した水受け機構(具体的には、上記した貯水構造)によって貯水された水(例えば、雨水)を、抜き出し可能に構成されている。水抜き機構は、水抜き通路316を備えている。水抜き通路316は、ダクトユニット81(具体的には、上記した上部ダクト310)に設けられている。
水抜き通路316は、上部ダクト310の下端に沿って間隔を存して設けられている。水抜き通路316は、上部ダクト310の下端を貫通させて構成されている。水抜き通路316は、仕切ベース306のベース表面(傾斜面M1,M2)に向かって貫通されている。
この場合、貯水構造によって貯水された水(雨水)は、水抜き通路316を通って、ベース表面(傾斜面M1,M2)に抜き出される。抜き出された水は、当該ベース表面(傾斜面M1,M2)に沿って流下する。流下した水は、仕切ベース306の両側(傾斜面M1,M2の他端)の通路から樋61a,61bに落下する。落下した水は、樋61a,61bを流れた後、上記したドレン回収盤62を介して排水される。
かかる水抜き機構によれば、水受け機構(貯水構造)によって貯水された水(雨水)を、水抜き通路316から排水する。これにより、貯水された水(雨水)が、貯水構造から溢れ出して、吹き出し部301(上部開口310a、ベース開口306a、下部開口311a)の内部に落下するのを防止することができる。かくして、当該水が、下部セクション1b(機械室14(電装ユニット6))の内部に浸入するのを防止することができる。
ところで、上記した排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)の上下では、圧力状態が反転している。例えば、排熱動作状態において、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)の下側、即ち、電装ユニット6(電装ボックス70)の内部は、負圧となる。一方、排熱ファンユニット300(電動ファン82a,82b,82c)の上側、即ち、吹き出し部301の圧力状態は、正圧となる。
これにより、排熱時、貯水された水(雨水)は、常に、正圧による圧力作用を受ける。この結果、当該水は、水抜き通路316の方向に押圧され続ける。かくして、当該水は、漏れなく水抜き通路316から排水される。よって、当該水が、下部セクション1b(機械室14(電装ユニット6))の内部に浸入することは無い。
なお、上記実施形態にて、電源ボックス70は、機械室14の底板上に配置されている旨説明してが、底板を設けずに、機械室14内に配置されたメインフレーム7に対してメインボックス72を直接固定させてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。