JP6654782B2 - 光反応リアクター及び光反応装置 - Google Patents

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Description

本発明は光源から光反応管に試料を流通させ、光源から光反応管内の試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置に関するものである。
従来の光反応リアクターは円筒状の二層構造になっており、内層に密閉された円筒状の光反応管、外層に密閉された円筒状の冷却管を有し、光反応管の内側に光源を挿入して使用する。内層の光反応管に試料を導入する導入口と試料を排出する排出口を有し、導入口には光反応管の底部付近に達する導入管が設置されており、光反応管の底部付近から試料が導入される。導入管から導入された試料は光反応管内を上昇し排出口から排出される。光反応管内に導入された試料が排出口から排出される時間は平均滞留時間で表される。従って、試料が短時間で排出される場合や排出されずに長時間留まる場合もある。試料が短時間で排出された場合は光の照射時間が短くなるため目的物に変換されない。また、試料が光反応管内に長時間留まる場合は光の照射時間が長くなるため目的物がさらに反応を起こし副生成物に変換される。その結果、試料の変換率が低く、副生成物の生成率が高くなるなどの問題がある。
光源の周囲にらせん状の光反応管を設置した場合、らせん状の光反応管の導入口から導入された試料は光反応管に沿って流れ排出口から排出されるためショートパスを起こすことや長時間留まることがない。従って、光反応管内の滞留時間を調整できるので、試料の変換率を高くすることができ、さらに副生成物の生成も抑制することができる。
光源の周囲に密閉された円筒状の光反応管を設置した場合とらせん状の光反応管を設置した場合を比較すると、光反応管の内容量が同じであれば、らせん状の光反応管の流路の方が長くなるので、その結果、試料の光反応管内の滞留時間が長くなり、光の利用効率は高くなる。しかし、らせん状の光反応管が外部にむき出しになっているので破損しやすい、さらに加熱や冷却をして光反応管内の温度を制御することができないなどの問題がある。
このような問題から、光の利用効率を高くするためにランプとランプ内を貫通するように光反応管が設置した光反応管内蔵光反応リアクターが考案されている(特許文献1)。また、フタプレートと流路プレートをハウジングで固定し上部に設けた窓枠部より光を照射して光反応を行う光反応マイクロリアクターが考案されている(特許文献2)。さらに、光源の回りに冷却管が設置され、冷却管の回りに光反応に要求される波長の光を透過可能な材料からなるチューブがらせん状に巻かれているフロー反応装置も考案されている(特許文献3)。
特許第3268447号公報 特許第5715244号公報 特開2009−219947号公報
円筒状の二層構造になっている光反応リアクターは、試料への光照射時間が一定でないため、試料の変換率が低くなる、また副生成物の生成率が高くなるなどの問題がある。また、フタプレートと流路プレートをハウジングで固定し上部に設けた窓枠部より光を照射して光反応を行う光反応マイクロリアクターは、反応温度を制御するための装置を設置すると装置全体の構造が複雑となる問題がある。円筒状の光源の周囲にらせん状のチューブを設置したフロー反応装置は、チューブとして合成樹脂管やガラス管が使用可能であるが、合成樹脂からなるらせん状チューブは光の透過率が低いため、光の利用効率が悪く試料の転化率が低くなる、また、らせん状ガラス製チューブがむき出しになっている場合は破損しやすく危険であるなどの問題がある。
本願発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、以下の手段を採用することによって上記の課題を解決できることを見出した。
第一の手段は、光源を設置するための貫通した空洞部を有する光反応リアクターであって、上記光反応リアクターは、冷却あるいは加熱するための媒体を導入かつ排出できる媒体流通管と媒体流通管内に試料を導入かつ排出できる光反応管とを備え、上記光反応管が上記空洞部の回りをらせん状に設置されていることを特徴とする光反応リアクターを提供することにより、上記の目的を達成したものである。
第二の手段は、上記光反応リアクターと、上記光反応リアクターの上記空洞部内に設置した第1光源及び/または上記媒体流通管の外側に設置した第2光源とを備え、上記第1光源及び/または上記第2光源から上記光反応管内に流通する試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置であって、上記媒体流通管内に媒体を流通させて上記光反応管内に流通する上記試料と上記光反応装置の温度を制御して光反応を実施するように上記媒体の温度を制御する温度コントローラーを備えたことを特徴とする光反応装置を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
第三の手段は、上記光反応リアクターと、上記光反応リアクターの上記空洞部内に設置した第1光源及び/または上記媒体流通管の外側に設置した第2光源とを備え、上記第1光源及び/または上記第2光源から上記光反応管内に流通する試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置であって、上記光反応装置の外側を覆う光反射体を備え、上記媒体流通管内に媒体を流通させて上記光反応管内に流通する上記試料と上記光反応装置の温度を制御して光反応を実施するように上記媒体の温度を制御する温度コントローラーを備えたことを特徴とする光反応装置を提供することにより、上記の目的を達成したものである。
本発明の第一の手段によれば、光反応リアクターの空洞部に光源を挿入することにより光源と光反応管との距離が近くなるため、光反応管内に流通する試料へ光の到達度が高くなり光の利用効率を上げることが可能になる。さらに、光反応管を媒体流通管の空洞部の回りをらせん状に設置することにより、光反応管を長くすることができる。これにより、光反応管内を流通する試料の滞留時間を長くすることができるので、試料の変換率を高くすることができる。また、媒体流通管内に光反応管を設置することにより光反応管内を流通する試料の温度と光反応装置の温度を制御して光反応を実施することができ、さらに光反応管の破損を防ぐことができる。
本発明の第二の手段によれば、光反応リアクターの空洞部内に設置した光源及び/または媒体流通管の外側に設置した光源から光反応管内に流通する試料に光を照射することができるので、光強度の調整が容易になり、最適な反応条件で光反応を実施することができる。また、媒体流通管内に光反応管を設置することにより光反応管内に流通する試料の温度と光反応装置の温度を制御して光反応を実施することができ、さらに光反応管の破損を防ぐことができる。
本発明の第三の手段によれば、光反応リアクターの空洞部内に設置した光源及び/または媒体流通管の外側に設置した光源から光反応管内に流通する試料に光を照射することができるので、光強度の調整が容易になり、最適な反応条件で光反応を実施することができる。また、光反応装置を光反射体で覆うことにより、光反応に使用されなかった光が光反射体によって反射される外部への光の漏洩を防ぐとともに、反射された光が光反応に使用されるので、より効率良く光反応を実施することができる。さらに、媒体流通管内に光反応管を設置することにより光反応管内に流通する試料の温度と光反応装置の温度を制御して光反応を実施することができ、光反応管の破損も防ぐことができる。
本発明の一実施形態に係る光反応リアクターを示す図である。 本発明の一実施形態に係る光反応装置を示す図である。 本発明の他の一実施形態に係る光反応装置を示す図である。
本発明の光反応リアクターは、光源を設置するための貫通した空洞部を有する光反応リアクターであって、上記光反応リアクターは、冷却あるいは加熱するための媒体を導入かつ排出できる媒体流通管と上記媒体流通管内に試料を導入かつ排出できる光反応管とを備え、上記光反応管が上記空洞部の回りをらせん状に設置されていることを特徴とする。
図1に、本発明の一実施形態に係る光反応リアクター101を示す。本光反応リアクター101は媒体流通管102を有し、媒体流通管の中央には光源を設置するための空洞部103を有する。媒体流通管102には媒体導入口104と媒体排出口105と試料導入口106と試料排出口107が設置されている。媒体流通管102は、円筒状であることが好ましい。試料導入口106と試料排出口107の間は光反応管108によって接続されている。光反応管108は空洞部103の回りをらせん状に設置されている。試料は試料導入口106から導入され光反応管108を流通した後、試料排出口107より排出される。媒体は媒体導入口104から導入され媒体流通管102を流通した後、媒体排出口105より排出される。
本発明の光反応装置は、上記光反応リアクターと、上記光反応リアクターの上記空洞部内に設置した第1光源及び/または上記媒体流通管の外側に設置した第2光源とを備え、上記第1光源及び/または上記第2光源から上記光反応管内に流通する試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置であって、上記媒体流通管内に媒体を流通させて上記光反応管内に流通する上記試料と上記光反応装置の温度を制御して光反応を実施するように上記媒体の温度を制御する温度コントローラーを備えている。
また、本発明の光反応装置は、上記光反応リアクターと、上記光反応リアクターの上記空洞部内に設置した第1光源及び/または上記媒体流通管の外側に設置した第2光源とを備え、上記第1光源及び/または上記第2光源から上記光反応管内に流通する試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置であって、上記光反応装置の外側を覆う光反射体を備え、上記媒体流通管内に媒体を流通させて上記光反応管内に流通する上記試料と上記光反応装置の温度を制御して光反応を実施するように上記媒体の温度を制御する温度コントローラーを備えている。
図2に、本発明の一実施形態に係る光反応装置200を示す。図2に示すように、媒体流通管102の空洞部103に光源201を挿入する。光源201は光源接続端子202を接続し、接続線203によって光源電子安定器204に接続される。光源電子安定器204は電気コード205とスイッチ206を経由して電源207に接続される。
試料タンク208内の試料209はポンプA 210を作動することによって試料用配管211を経由して試料導入口106から導入され光反応管108を流通し試料排出口107から排出され生成物用配管212を経由して生成物タンク213に移送される。
媒体タンク214内の媒体215はポンプB 216を作動することによって媒体用配管217を経由して媒体導入口104から導入され、媒体流通管102を流通し媒体排出口105から排出され媒体用配管217を経由して媒体タンク214に循環される。
媒体タンク214内の媒体215の温度は温度コントローラー218によって制御される。一実施形態において、媒体流通管102は光反射体219を用いて覆われる。ポンプA 210とポンプB 216は電気コード205を経由して電源207に接続される。
媒体タンク214内の媒体215は温度コントローラー218によって反応温度に調整した後、ポンプB 216を作動させて媒体215を媒体流通管102内に流通させて、光反応管108の温度を反応温度に調整する。
ポンプA 210を作動させて光反応管108内の試料を流通させるとともに、光源電子安定器204のスイッチ206をONにして光源201を点灯し、光反応管108内を流通する試料に光を照射して光反応を実施する。
図3に、本発明の一実施形態に係る光反応装置300を示す。図2と同じ符号は、図2と同じものを表す。反応性ガスを使用して光反応を実施する場合、ガス貯蔵タンク301とガス流量計302をガス配管303で接続する。ポンプA 210と試料導入口106の間にミキサー304を設置し、さらにガス流量計302からミキサー304の間に逆止弁305を設置しガス配管303を経由してミキサー304に接続する。
図3に示すように、媒体流通管102の空洞部103に光源201を挿入する。光源201は光源接続端子202を接続し、接続線203によって光源電子安定器204に接続される。光源電子安定器204は電気コード205とスイッチ206を経由して電源207に接続される。
試料タンク208内の試料209はポンプA 210を作動することによって試料用配管211を経由してミキサー304に導入される。ガス貯蔵タンク301内の反応性ガス306はガス流量計302を作動することによってガス配管303を経由してミキサー304に導入され、試料209と反応性ガス306はミキサー304で混合し、試料導入口106から導入され光反応管108を流通し試料排出口107から排出され生成物タンク213に移送される。
媒体タンク214内の媒体215はポンプB 216を作動することによって媒体用配管217を経由して媒体導入口104から導入され、媒体流通管102を流通し媒体排出口105から排出され媒体用配管217を経由して媒体タンク214に循環される。
媒体タンク214内の媒体215の温度は温度コントローラー218によって制御される。一実施形態において、媒体流通管102は光反射体219を用いて覆われる。ポンプA 210とポンプB 216は電気コード205を経由して電源207に接続される。
媒体タンク214内の媒体215は温度コントローラー218によって反応温度に調整した後、ポンプB 216を作動させて媒体215を媒体流通管102内に流通させて、光反応管108の温度を反応温度に調整する。
ポンプA 210とガス流量計302を作動させて光反応管108内に試料209と反応性ガス306の混合物を流通させるとともに、光源電子安定器204のスイッチ206をONにして光源201を点灯し、光反応管108内を流通する試料に光を照射して光反応を実施する。
本光反応装置は、光合成反応、光分解反応、光環化反応、光還元反応、光酸化反応、光ハロゲン化反応、光高分子反応、光洗浄反応、光殺菌反応、光脱臭反応などの反応を実施することができる。
本光反応装置は、試料として、無機化合物、有機化合物などの化合物、水素ガス、酸素ガス、一酸化炭素、フッ素ガス、塩素ガス、臭素ガス、ヨウ素ガスなどの反応性ガスなどを使用することができる。また、不活性ガスとして窒素、アルゴンなどを使用しても良い。
本媒体流通管および本光反応管に使用する材料は、光源からの光を透過して光反応管内に流通する試料に光を照射することができる材料が使用される。耐薬品性、耐圧性、耐熱性などの性能を有していれば、様々な光反応を実施することができるので好ましい。例えば、テフロン(登録商標)樹脂、パーフルオロアルコキシアルカン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポロエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂などの熱可塑性樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、並質ガラス、硬質ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラスなどのガラスを使用することができる。光反応で要求される耐薬品性、耐圧性、耐熱性のすべてを兼ね備えているガラスを使用することが好ましい。
光反応に使用する光源は、光反応リアクターの空洞部に挿入できる光源(第1光源)を用いれば良く、目的とする光反応に有効な波長を持つランプを適宜使用すれば良い。例えば、紫外線ランプ、可視光ランプ、赤外線ランプ、蛍光ランプ、ブラックライト、LEDライト、水銀ランプ、キセノンランプなどのランプが使用できる。また、光源の点灯方式は、特に制限されないが、スタータ型、ラピッドスタート型、インバータ型、光源電子安定器などが使用することができる。
本光反応装置は、空洞部に光源を挿入して使用するが、光の強度が不足して試料の変換率が悪い場合は、目的とする光反応に有効な波長を持つランプ(第2光源)を、媒体流通管の外側に設置して使用すれば良い。例えば、紫外線ランプ、可視光ランプ、赤外線ランプ、光源、ブラックライト、LEDライト、水銀ランプ、キセノンランプなどのランプが使用できる。このようにすれば、光反応管内に流通する試料に対して、光反応リアクターの空洞部に挿入した第1光源と媒体流通管の外側に設置した第2光源から光反応管に光を照射することによって、光反応を促進することができる。
本光反応で使用する試料は、光反応によって目的物に変換される試料を用いれば良く、例えば、液体試料、気体試料、粒子試料を液体に懸濁させたスラリーなどの試料を使用することができる。試料を2種類以上使用する場合はミキサーを用いて試料を混合すれば良い。また、気体試料を使用する場合、試料排出口と生成物タンクの間に背圧弁などの加圧装置を設置して加圧状態で光反応を実施すれば、気体試料の液体試料への溶解度を上げることができるので、光反応の速度を向上させることができるので好ましい。
本光反応で使用する媒体は、媒体容器内に保持され、冷却装置あるいは加熱装置を用いて反応温度に設定され、循環ポンプを用いて、媒体導入口から媒体流通管に導入され、光反応間内の試料を反応温度に制御した後、媒体排出口から排出され媒体容器に戻る。媒体は、光源からの光を吸収して光反応管内に流通する試料への光の照射を妨げない媒体を自由に用いることができる。例えば、通常用いられる水、アルコール類、シリコーンオイル類などを使用することができる。
本光反応装置は、空洞部に光源を挿入して使用するが、媒体流通管の外側を光反射体で覆うことによって、光反応に使用されなかった光を光反射体によって反射させて光反応管内に流通する試料に光を照射することができるので、光を利用効率良く利用し、光反応を促進するとともに、光の外部への漏洩も防ぐ役割を持つ。光反射体は、光を透過しないで反射できる材料を用いれば良く、例えば、ガラスの表面にアルミニウムや銀などの金属を蒸着したガラス鏡、アクリル樹脂やポリエステル樹脂の表面にアルミニウムや銀などを蒸着したプラスチック鏡、アルミニウム板、ステンレス以板、アルミホイルなどの金属も用いることができる。光源からの発熱が大きい場合は、耐熱性のある光反射体を使用すれば良い。
光反応リアクターの空洞部に挿入した第1光源と媒体流通管の外側に設置した第2光源から光反応管に光を照射して光反応を実施する場合は、媒体流通管の外側に設置した第2光源の外側を光反射体で覆うことによって、光反応に使用されなかった光を光反射体によって反射して光反応管内に流通する試料に光を照射することができるので、光を効率良く利用し、光反応を促進するとともに、光の外部への漏洩も防ぐ役割を持つ。
本光反応装置では、本光反応リアクターは、第一の光反応リアクターと第二の光リアクターを直列に接続して使用することや、第一の光反応リアクターと第二の光反応リアクターを並列に接続して使用することもできる。本光反応リアクターでは、光反応管と光源収納部としての空洞部と媒体流通管とがコンパクトにまとまっているため、多様な組み合わせが可能となる。
本発明の光反応リアクターは、らせん状に設置されている光反応管が媒体流通管内に設置されているため、クランプなどの固定装置で容易に固定することができる。実施する反応を考慮して、光反応リアクターを横置き、縦置き、斜め置きなど自由な角度に設置して反応を実施すれば良い。光反応リアクターを縦置きあるいは斜め置きに設置して試料を流通させる場合、試料の流通方向をアップフローあるいはダウンフローどちらでも自由に選択することができる。もし、光反応で固体が生成する場合は、縦置きあるいは斜め置きにしてダウンフローで光反応を実施すれば、固体による閉塞を防ぐことが可能である。
熱媒あるいは冷媒の媒体を媒体流通管に流通させる場合、試料の導入口側から媒体を流通させても良いし、試料の排出口側から媒体を流通させても良い。
本光反応装置は、試料をらせん状の光反応管に流通させて反応を実施することを想定して反応を実施するが、試料の光反応性が高い場合は、媒体流通管に試料を流通させて、らせん状の光反応管に媒体を流通させれば、媒体流通管に流通する試料の温度を制御して反応することもできる。
以下に実施例を挙げて、本発明を具体的説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
[実施例1]
図3に示す光反応装置を用いた。光反応リアクターを縦置きにしてクランプで固定した。混合液と塩素ガスを、光反応リアクターの上部の試料導入口から導入し、下部の試料排出口から排出した。光反応管は内径2.0mm、長さ100cm、内容量3.1mlのものを用いた。以下の方法で反応混合液の光反応管内の滞留時間を測定した。内容量50mlのガスタイトシリンジに炭酸エチレン10.0g(0.114モル)と水10.0gの混合液を充填してシリンジポンプに装着した。シリンジポンプを作動して混合液を0.2ml/分の速度でミキサーに導入した。ガス流量計を作動して塩素ガスボンベから塩素ガスを25ml/分の速度でミキサーに導入した。ミキサー内で混合液と塩素ガスが混合された後、光反応管内を上部の試料導入口に導入されてから下部の試料排出口から排出されるまでの試料の滞留時間を計測すると40秒であった。
炭酸エチレンの光モノ塩素化反応を実施した。光反射板で覆いをした光反応リアクターをクランプで縦置きに固定した。空洞部に光源としてのブラックライト(352nm 4W)を挿入し、光源電子安定器からの光源接続端子を接続した。内容量50mlのガスタイトシリンジに炭酸エチレン10.0g(0.114モル)と水10.0gの混合液を充填しシリンジポンプに装着した。媒体流通管に70℃の温水を流通させて、光反応管を70℃に加熱した。シリンジポンプを作動させて混合液を0.2ml/分の速度でミキサーに導入し、ガス流量計を作動させて塩素ガスを25ml/分の速度でミキサーに導入し、混合液と塩素ガスをミキサーで混合して光導入口から光反応管に導入するとともに、ブラックライトの電源を入れて光反応管内の炭酸エチレンに光を照射して、光塩素化反応を実施した。生成物タンクに貯蔵された反応生成物はガスクロマトグラフィーを用いて分析をした。その結果、炭酸エチレンの転化率は20.4%、モノクロロ炭酸エチレンの選択率は89.5%、ジクロロ炭酸エチレンの選択率は10.5%、トリクロロ炭酸エチレンは生成していなかった。
[比較例1]
炭酸エチレンの光モノ塩素化反応を実施した。内容量50mlの三つ口フラスコに温度計、塩素ガス導入管、頭部に塩素ガス排出管を付けた冷却管、および磁気撹拌子を取り付けた。同フラスコ内に炭酸エチレン10.0g(0.114モル)と水を仕込んだ。フラスコの下部をオイルバス上で加熱し、フラスコ内の炭酸エチレンを70℃に昇温した。フラスコの横部にブラックライト(365nm、15W)を設置し、フラスコ及び装置全体をアルミホイルで覆った。ブラックライトの電源を入れてフラスコ内の炭酸エチレンに光を照射した。ここに、塩素ガス25ml/分の速度で3時間、トータル4500ml(0.20モル)を流通させた。反応終了後、反応生成物を室温まで冷却し、ガスクロマトグラフィーを用いて分析をした。その結果、炭酸エチレンの転化率は71.7%、モノクロロ炭酸エチレンの選択率は10.5%、ジクロロ炭酸エチレンの選択率は35.2%、トリクロロ炭酸エチレンの選択率は39.5%であった。
101 光反応リアクター
102 媒体流通管
103 空洞部
104 媒体導入口
105 媒体排出口
106 試料導入口
107 試料排出口
108 光反応管
200 光反応装置
201 光源
202 光源接続端子
203 接続線
204 光源電子安定器
205 電気コード
206 スイッチ
207 電源
208 試料タンク
209 試料
210 ポンプA
211 試料用配管
212 生成物用配管
213 生成物タンク
214 媒体タンク
215 媒体
216 ポンプB
217 媒体用配管
218 温度コントローラー
219 光反射体
300 光反応装置
301 ガス貯蔵タンク
302 ガス流量計
303 ガス配管
304 ミキサー
305 逆止弁
306 反応性ガス

Claims (2)

  1. 光源を設置するための貫通した空洞部を有する光反応リアクターであって、前記光反応リアクターは、冷却あるいは加熱するための媒体を導入かつ排出できる媒体流通管と前記媒体流通管内に試料を導入かつ排出できる光反応管とを備え、
    前記光反応管が前記空洞部の回りをらせん状に設置され、
    前記媒体流通管および前記光反応管がガラス製であり、
    前記媒体流通管が、円筒状であり、媒体導入口と媒体排出口と試料導入口と試料排出口が設置され、
    前記媒体流通管が、光反射体を用いて覆われていることを特徴とする光反応リアクター。
  2. 請求項1に記載の光反応リアクターと、
    前記光反応リアクターの前記空洞部内に設置した第1光源及び/または前記媒体流通管の外側に設置した第2光源とを備え、前記第1光源及び/または前記第2光源から前記光反応管内に流通する試料に光を照射して光反応を実施する光反応装置であって、
    前記光反応装置が光源として前記第1光源のみを備える場合には前記媒体流通管の外側を覆う光反射体を備え、前記光反応装置が前記第2光源を備える場合には前記媒体流通管の外側に設置した第2光源の外側を覆う光反射体を備え、
    前記媒体流通管内に媒体を流通させて前記光反応管内に流通する前記試料と前記光反応装置の温度を制御して光反応を実施するように前記媒体の温度を制御する温度コントローラーを備えたことを特徴とする光反応装置
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