JP6653494B2 - 作業分析装置、作業分析方法、プログラム - Google Patents
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Description
図1は、本実施形態における作業分析システムの構成例を示す模式図である。本実施形態における作業分析システムは、作業現場1に配備されるクレーン100と、事務所2に設置された作業分析装置200とを備える。なお、本実施形態においては、クレーン100がタワークレーンである場合を例に挙げる。
旋回体102にはジブ103が取り付けられる。ジブ103の先端には、フック105aを備えるフックブロック105がワイヤー104によって吊り下げられている。
センサ部110は、クレーン100の旋回角、起伏角、揚程、荷重を検出する。
旋回角は、旋回体102が旋回する角度である。
起伏角は、ジブ103の起伏している角度である。
揚程は、ジブ103の先端からフック105aまでの距離であり、例えばワイヤー104の巻き上げ量に応じて変化する。
荷重は、フック105aに掛かる荷重である。より詳しくは、荷重は、ワイヤー104に懸る張力である。
センサ部110により検出された旋回角、起伏角、揚程、荷重の情報は、クレーン情報処理装置120に入力される。
作業分析装置200は、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報(荷重情報)に基づいて、1揚重サイクルに対応した単位作業に関連する仮開始時刻と仮終了時刻とを特定する。作業分析装置200は、特定した仮開始時刻から仮終了時刻までの期間において、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報に基づいて、荷重の最大値を示す最大荷重を特定する。作業分析装置200は、特定した最大荷重と、特定した仮開始時刻と、特定した仮終了時刻と、受信したクレーン稼働情報に含まれる荷重の情報とに基づいて、対応する単位作業における区分ごとの区分作業開始時刻を特定する。
また、作業分析装置200は、1揚重サイクルに対応した単位作業の終了時刻(単位作業終了時刻)を特定する。
図2は、本実施形態におけるクレーン100が備えるセンサ部の構成例と作業分析装置200の機能構成例を示すブロック図である。図2を参照して、クレーン100が備えるセンサ部110の構成例と作業分析装置200の機能構成例とについて説明する。なお、同図において、図1と同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
まず、クレーン100が備えるセンサ部110の構成例について説明する。
図2に示すように、クレーン100におけるセンサ部110は、旋回角、起伏角、揚程、荷重をそれぞれ検出するために、旋回角センサ111と、起伏角センサ112と、揚程センサ113と、荷重センサ114とを備える。
起伏角センサ112は、クレーン100の起伏角を検出するセンサである。具体的には、起伏角センサ112は、例えば、水平に対するジブ103の角度を検出する。
揚程センサ113は、クレーン100の揚程を検出するセンサである。具体的には、揚程センサ113は、例えば、ジブ103の先端からフック105aまでの距離に基づき、作業現場1の状況等に応じて設定される基準レベルからフック105aまでの高さを揚程として検出する。
荷重センサ114は、フック105aに掛かる荷重を検出するセンサである。より詳しくは、荷重センサ114は、ワイヤー104に懸る張力を荷重として検出する。つまり、時系列荷重データに含まれる荷重の値は、ワイヤー104に懸る張力を荷重センサ114で検出したものである。したがって、ワイヤー104自体の重量等により、例えば、運搬物がフック105aに吊られていない場合であっても、検出される荷重が0を示さない場合もある。
また、起伏角センサ112、揚程センサ113及び荷重センサ114は、それぞれ、クレーン100における所定の位置に個別に備えられていてよい。
つまり、クレーン情報処理装置120は、旋回角センサ111、起伏角センサ112、揚程センサ113及び荷重センサ114から継続して旋回角、起伏角、揚程、荷重それぞれについての情報を入力する。そして、入力した旋回角、起伏角、揚程、荷重の情報のそれぞれに対して時刻を対応付けて時系列化したデータ(時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データ)を生成する。
次に、同じ図2を参照して、作業分析装置200の機能構成例について説明する。同図に示す作業分析装置200は、通信部201と、制御部202と、記憶部203と、操作部204と、表示部205とを備える。
制御部202は、作業分析装置200における各種の制御、処理を実行する。
本実施形態における制御部202は、クレーン100から入力したクレーン稼働情報を利用して作業分析を行うための機能部として、クレーン稼働情報取得部221と、仮時刻特定部222と、最大荷重特定部223と、区分作業開始時刻特定部224と、単位作業履歴情報管理部225と、作業実績情報出力部226とを備える。
クレーン稼働情報取得部221は、取得したクレーン稼働情報を、記憶部203におけるクレーン稼働情報記憶部231に記憶させる。
最大荷重特定部223は、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報に基づいて、仮時刻特定部222が特定した仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する。
また、区分作業開始時刻特定部224は、クレーン稼働情報取得部221が取得したクレーン稼働情報に基づいて、クレーン100を利用して行われる1揚重サイクルに対応した単位作業終了時刻を特定する。
単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224が特定した区分作業開始時刻に基づいて、1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの区分作業時間を算出する。
運搬物管理情報は、記憶部203において運搬物管理情報記憶部233が予め記憶しており、運搬物情報ごとに、クレーンにより運搬すべき運搬物を引き揚げたときにフック105aに掛かる荷重と、運搬物の移動先の位置に対応する座標とを対応させた情報である。
単位作業履歴情報管理部225は、検索した運搬物を対応の単位作業の単位作業履歴情報に含める。
具体的に、作業実績情報出力部226は、一定の作業期間として1日分の単位作業履歴情報を利用して、この1日において行われた作業の実績を示す作業実績情報を生成する。このように生成された1日分の作業実績情報は、1日分のクレーン作業の実績を示す「日報」として扱われる。作業実績情報出力部226は、このように生成した日報としての作業実績情報を、所定の態様によって表示部205に表示させる。
図3は、クレーン稼働情報テーブルの構造例を示す図である。同図に示すクレーン稼働情報テーブルは、日付(例えば、年月日)ごとに対応して、時系列旋回角データと、時系列起伏角データと、時系列揚程データと、時系列荷重データとが記憶される。これらの時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データは、それぞれ、日付が示す1日において取得されたデータである。
図4は、単位作業履歴情報テーブルの構造例を示す図である。同図に示すように、単位作業履歴情報テーブルは、1つの日付に対して単位作業ごとに対応する単位作業履歴情報#1〜#Nを格納した構造である。これらの単位作業履歴情報#1〜#Nは、日付が示す1日において行われた単位作業のそれぞれに対応し、#1〜#Nの番号は、対応の単位作業が行われた順番に対応する。このように、単位作業履歴情報は、1日ごとに区分されるように管理される。これにより、例えば、1日単位の作業実績情報である日報の作成を効率的に行うことが可能になる。
単位作業履歴情報は、図示するように、運搬物情報と、開始時刻と、区分作業開始時刻と、終了時刻を含む。また、単位作業履歴情報は、区分作業時間及び所要時間を含む。
運搬物情報は、対応の単位作業によりクレーン100が運搬した運搬物に関連する情報である。具体的に、運搬物情報は、例えば運搬物の名称の情報を含む。また、運搬物情報には、運搬物を吊り下げたときの荷重等の情報も含めてよい。
開始時刻は、対応の単位作業が開始された時刻である単位作業開始時刻を示す。
終了時刻は、対応の単位作業が終了した時刻である単位作業終了時刻を示す。
また、玉掛け開始時刻は、単位作業履歴情報の開始時刻における単位作業開始時刻と一致する。
単位作業履歴情報の開始時刻における単位作業終了時刻は、玉外し終了時刻と一致する。玉外し終了時刻は、玉外しが終了した時刻である。
区分作業時間における玉掛け時間は、玉掛けの作業に要した時間を示す。
区分作業時間における揚重時間は、揚重の作業に要した時間を示す。
区分作業時間における調整時間は、調整に要した時間を示す。
区分作業時間における玉外し時間は、玉外しに要した時間を示す。
所要時間は、対応の単位作業を開始してから完了するまでの時間であり、単位作業開始時刻から単位作業終了時刻までの時間と同じになる。
図6は、運搬物管理情報のデータ構造例を示している。同図に示すように、運搬物管理情報は、運搬物情報(例えば運搬物の名称)に対して、荷重と座標とが対応付けられている。前述のように、運搬物管理情報における荷重は、対応の運搬物情報が示す運搬物をクレーン100により吊り下げたときの荷重を示す。運搬物管理情報に格納する荷重の値は、例えば、予めのシミュレーションや計算等により求めてもよいし、実際に対応の運搬物を吊り下げて測定した値を用いてもよい。
運搬物管理情報における座標は、運搬物の移動先の位置として三次元空間における位置を表す。この座標は、例えばクレーン100の回転軸(例えば、ジブ103の支点)を原点とする座標空間と、基準レベルからフック105aまでの高さ方向を表す空間座標とに基づく座標で示される。例えば、柱1は、荷重が4.9(t)であり、座標が(X1,Y1,Z1)である。
操作部204は、作業分析装置200に備えられる操作デバイスや操作子を一括して示している。作業管理者は、例えば、操作部204により、日報を表示させるための操作を行うことができる。この操作に応じて、作業実績情報出力部226は、指定された日付の日報を表示部205に表示させる。
表示部205は、制御部202の制御に応じて画像を表示する。上記したように、作業実績情報出力部226の制御に応じて、表示部205は、日報の画面を表示させる。
続いて、単位作業履歴情報管理部225が、1つの単位作業に対応する単位作業履歴情報を生成するための処理の一具体例について説明する。
本実施形態における単位作業履歴情報管理部225は、単位作業履歴情報を生成するにあたり、クレーン100のフック105aの位置を三次元の座標として表すことができる。この点について図7を参照して説明する。
図7(a)に示すXY座標の原点Oは、例えばジブ103の支点(旋回の中心)に対応する。同図においては、Y軸に対応する基準旋回角(0°)から旋回角がαの位置にジブ103が在る状態が示されている。このときのクレーン100のジブ103の起伏角は、図7(b)に示すようにβである。
このように、フック105aの位置は、平面方向におけるX,Y座標と、高さ方向におけるZ座標との三次元座標によって表すことができる。
図8のタイミングチャートを参照して、仮時刻特定部222が、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻を特定する手順例について説明する。次に、最大荷重特定部223が、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定する手順例について説明する。次に、区分作業開始時刻特定部224が、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定する手順例について説明する。
仮時刻特定部222は、1つの単位作業に対応する区分作業開始時刻の特定にあたり、クレーン稼働情報における前回の単位作業の終了時刻以降の時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データを解析対象とする。
なお、第1の荷重閾値は、任意に設定されてよい。第1の荷重閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の荷重閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
所定の時間は、例えば、運搬物の吊り直し等によって、荷重が第2の荷重閾値付近で変動する影響を除去するために予め定められた時間である。所定の時間は、例えば、運搬物がクレーン100によって揚重されるまでに要する平均的な時間により決まってよい。
なお、所定の時間は、任意に設定されてよい。所定の時間は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。所定の時間は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、第2の荷重閾値は、任意に設定されてよい。第2の荷重閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第2の荷重閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
これにより、仮時刻特定部222は、暫定的に、対象の1つの単位作業に相当する期間を定めている。つまり、解析の対象となる期間を限定することができる。したがって、区分作業開始時刻の探索の精度が高まる。
最大荷重特定部223は、仮時刻特定部222が特定した仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、探索対象の時系列荷重データの変化を時系列にしたがって解析する。この解析において、最大荷重特定部223は、荷重の最大値を探索する。最大荷重特定部223は、探索した荷重の最大値を最大荷重として特定する。
第2の係数は、例えば、クレーンの特性や運搬物等に応じて予め定められた係数である。具体的には、第2の係数とは、例えば、0.1である。この場合、第4の荷重閾値は、最大荷重に第2の係数である0.1を乗算して求められる。
なお、第1の係数及び第2の係数は、任意に設定されてよい。第1の係数及び第2の係数は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の係数及び第2の係数は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、第3の荷重閾値及び第4の荷重閾値を設定するにおいて、乗算以外の演算方法が用いられてもかまわない。
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、基準時刻の1つである揚重開始時刻t2におけるフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めたフック位置座標P(X,Y,Z)を揚重開始座標(X,Y,Z)として特定する。
また、区分作業開始時刻特定部224は、探索対象の時系列旋回角データと時系列起伏角データとを利用して、基準時刻の1つである玉外し開始時刻t4におけるフック位置座標P(X,Y,Z)を求める。区分作業開始時刻特定部224は、求めたフック位置座標P(X,Y,Z)を、玉外し開始座標(X,Y,Z)として特定する。
一方、揚重開始時刻t2としての荷重の掛かりがほぼ最大値となるタイミングは、玉掛けが完了して運搬物の揚重を開始したときにのみ現れる。また、玉外し開始時刻t4としての荷重の掛かりがほぼ0となるタイミングは、玉外しを開始するときにのみ現れる。
なお、第1の揚程閾値は、任意に設定されてよい。第1の揚程閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。第1の揚程閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。また、第1の揚程閾値は、玉外し開始座標(X,Y,Z)に基づいて算出され設定されたものであってもよい。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
なお、旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、例えば、クレーンを利用して行われる作業を管理する作業管理者等によって任意に設定されてよい。旋回角と起伏角それぞれについて設定された閾値は、クレーンを利用して行われる作業の実績に基づいて設定されるのが好ましい。
具体的に、まず、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224から玉掛け開始時刻t1と、揚重開始時刻t2と、調整開始時刻t3と、玉外し開始時刻t4と、単位作業終了時刻t5とを取得する。
単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2から調整開始時刻t3までの時間を揚重時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、調整開始時刻t3から玉外し開始時刻t4までの時間を調整時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉外し開始時刻t4から単位作業終了時刻t5までの時間を玉外し時間として算出する。
図9は、本実施形態における作業分析装置200において、単位作業履歴情報管理部225が1日分の単位作業履歴情報テーブルを生成するための処理手順例を示すフローチャートである。なお、単位作業履歴情報管理部225は、1つの単位作業に対応する単位作業履歴情報テーブルを生成するにあたり、仮時刻特定部222に、1つの単位作業における仮開始時刻と仮終了時刻とを特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、最大荷重特定部223に、仮開始時刻から仮終了時刻までの期間における最大荷重を特定させる。また、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224に、1つの単位作業における区分作業開始時刻を特定させる。
また、単位作業履歴情報管理部225は、探索対象データとして、単位作業履歴情報テーブルを生成すべき日の日付に対応する時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データをクレーン稼働情報記憶部231から読み込む(ステップS902)。
この際、1番目の単位作業との対応では、時系列荷重データ、時系列揚程データ、時系列起伏角データ、時系列旋回角データの先頭から解析を開始すればよい。また、2番目以降の単位作業の単位作業との対応では、時系列旋回角データ、時系列起伏角データ、時系列揚程データ、時系列荷重データについて、仮開始時刻及び仮終了時刻に基づいて解析を開始すればよい。
まず、区分作業開始時刻特定部224は、第1の係数を用いて、ステップS904において特定した最大荷重に基づいて第3の荷重閾値を設定する。また、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsから仮終了時刻teまでの期間内において、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が設定した第3の荷重閾値を上回る状態に変化する時刻t2を探索する。区分作業開始時刻特定部224は、探索した時刻t2を基準時刻の1つである揚重開始時刻t2として特定する。さらに、区分作業開始時刻特定部224は、揚重開始時刻t2における揚重開始座標(X,Y,Z)を特定する(ステップS905)。
なお、クレーン100が起動した直後であって対象の単位作業の1つ前の単位作業が存在しない場合もある。その場合、区分作業開始時刻特定部224は、仮開始時刻tsからクレーンの起動時刻まで遡って、揚程とフック位置座標P(X,Y,Z)が示す位置が、揚重開始時刻t2におけるフック105aの位置を基準点として、三次元座標における、基準点から所定の距離の範囲外の位置になった時刻を探索し、探索した時刻を玉掛け開始時刻として特定してもよい。
具体的に、まず、単位作業履歴情報管理部225は、区分作業開始時刻特定部224から玉掛け開始時刻t1と、揚重開始時刻t2と、調整開始時刻t3と、玉外し開始時刻t4と、単位作業終了時刻t5とを取得する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉掛け開始時刻t1を単位作業開始時刻t1として特定する。玉掛け開始時刻t1が存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2を単位作業開始時刻t2として特定する。また、玉掛け開始時刻t1と揚重開始時刻t2のいずれも存在しない場合、単位作業履歴情報管理部225は、対象の単位作業の1つ前の単位作業の単位作業終了時刻を単位作業開始時刻として特定する。
単位作業履歴情報管理部225は、揚重開始時刻t2から調整開始時刻t3までの時間を揚重時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、調整開始時刻t3から玉外し開始時刻t4までの時間を調整時間として算出する。
単位作業履歴情報管理部225は、玉外し開始時刻t4から単位作業終了時刻t5までの時間を玉外し時間として算出する。
なお、ステップS910による区分作業時間の算出の処理については、算出の順序が変更されて構わない。
単位作業履歴情報管理部225は、生成した単位作業履歴情報#nを、該当の日付に対応する単位作業履歴情報テーブルに格納する(ステップS912)。
変数nが単位作業数N以下である場合には(ステップS914;NO)、未だ単位作業履歴情報を生成していない単位作業が残っている。この場合、単位作業履歴情報管理部225は、ステップS903に戻ることにより、次の単位作業に対応する単位作業履歴情報を生成する処理に移行する。
そして、1日における全ての単位作業に対応する単位作業履歴情報#1〜#Nが生成され、単位作業履歴情報テーブルに格納されると、単位作業履歴情報管理部225は、変数nが単位作業数Nを越えたことを判定し(ステップS914;YES)、単位作業履歴情報生成のための処理を終了する。
この後、例えば他の1日分の単位作業履歴情報を生成する必要があれば、単位作業履歴情報管理部225は、他の1日分のクレーン稼働情報と運搬物管理情報とを利用して、同図に示す処理を実行すればよい。
本実施形態における作業分析装置200における作業実績情報出力部226は、上記のように生成された1日分の単位作業履歴情報を利用して、日報としての作業実績情報を生成することができる。また、作業実績情報出力部226は、生成した日報を、表示部205に表示させることができる。
ここで、作業実績情報出力部226が日報を表示するための制御は、例えば作業管理者等によって日報の表示を指示する操作が操作部204に対して行われるのに応じて実行されるようにすればよい。あるいは、作業実績情報出力部226は、予め定められた時刻において自動的に日報を表示部205に表示させるようにしてもよい。
作業番号の項目は、1日において行われた単位作業のそれぞれに付した番号が表示される。作業番号は、例えば単位作業が行われた順番と対応している。
運搬物の項目には、対応の単位作業により運搬された運搬物を示す情報として、例えば運搬物の名称が表示される。運搬物の項目の内容には、単位作業履歴情報における運搬物情報の内容が反映される。
荷重の項目には、対応の単位作業の下で運搬物を揚重した際に測定された荷重が表示される。
開始時刻の項目には、対応の単位作業が開始された時刻(単位作業開始時刻)が表示される。
終了時刻の項目には、対応の単位作業が終了した時刻が表示される。
所要時間の項目には、対応の単位作業に要した時間が表示される。
玉掛地切の項目には、例えば、玉掛けされた運搬物が地切りした時刻が表示される。玉掛けされた運搬物が地切りした時刻は、例えば、揚重開始時刻である。
移動取付の項目には、例えば、地切りした状態から運搬物が移動されて取り付けが行われるまでの時間が表示される。地切りした状態から運搬物が移動されて取り付けが行われるまでの時間は、例えば、揚重時間と調整作業とを合算した時間である。
玉外しの項目には、玉外し作業に要した時間が表示される。
復帰の項目には、玉外しが完了してから、次の単位作業のために運搬物が置かれた位置にまでクレーン100の位置を復帰させるのに要した時間が表示される。玉外しが完了してから、次の単位作業のために運搬物が置かれた位置にまでクレーン100の位置を復帰させるのに要した時間は、例えば、対象の単位作業終了時刻から、それに続く単位作業の単位作業開始時刻までの時間である。
合計時間の項目には、上記の玉掛地切、移動取付、玉外し、復帰のそれぞれの作業に要した時間の合計が示される。
また、図10の日報における開始時刻と終了時刻に表示される時刻は、単位作業履歴情報における開始時刻及び終了時刻を利用して生成することができる。
図10の日報における所要時間は、単位作業履歴情報における所要時間を利用して生成することができる。
図11のフローチャートは、作業実績情報出力部226が日報を表示させるための処理手順例を示している。図11に示す処理は、操作部204に対して日報の表示を指示する操作が行われるのに応じて実行される。
作業実績情報出力部226は、日報の表示を指示する操作によって指定された日付のクレーン稼働情報と単位作業履歴情報とを、それぞれ、クレーン稼働情報記憶部231と単位作業履歴情報記憶部232から取得する(ステップS1101)。
作業実績情報出力部226は、指定された日付における単位作業ごとの項目において表示させるべきデータを、ステップS1101により取得したクレーン稼働情報と単位作業履歴情報とを利用して生成する(ステップS1102)。このように、ステップS1102にて作業実績情報出力部226が生成したデータを含む全体の情報が本実施形態における作業実績情報であり、日報を表示させるための日報データである。
作業実績情報出力部226は、ステップS1102により生成したデータを利用して表示部205に日報を表示させる(ステップS1103)。
なお、作業実績情報出力部226は、ステップS1102により生成した作業実績情報を記憶部203に記憶させて保存するようにしてもよい。
つまり、本実施形態における作業分析装置200は、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業を同一の判断基準で作業分類できる。また、作業分析装置200は、クレーン作業として行われる1揚重サイクルに対応した単位作業における区分作業ごとの時間を管理することができる。これにより、例えば、区分作業ごとの作業状況を効率的、かつ、的確に把握することが可能になるために、工事の効率化や遅延の改善等を有効に図っていくことが可能になる。
また、これまでの説明においては、クレーン100がタワークレーンである場合を例に挙げているが、例えばクレーン100が移動式クレーン等である場合にも適用できる。
110 センサ部
111 旋回角センサ
112 起伏角センサ
113 揚程センサ
114 荷重センサ
120 クレーン情報処理装置
130 通信装置
200 作業分析装置
202 制御部
221 クレーン稼働情報取得部
222 仮時刻特定部
223 最大荷重特定部
224 区分作業開始時刻特定部
225 単位作業履歴情報管理部
226 作業実績情報出力部
Claims (8)
- クレーンにおいて検出された荷重を表す荷重情報と作業対象物の位置に係る情報とを時間に対応付けたクレーン稼働情報を取得するクレーン稼働情報取得部と、
前記クレーン稼働情報に基づいて、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業に係る仮開始時刻と仮終了時刻を特定する仮時刻特定部と、
前記クレーン稼働情報に基づいて、前記仮開始時刻から前記仮終了時刻までの期間における荷重の最大値を示す最大荷重を特定する最大荷重特定部と、
前記最大荷重に応じた荷重閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて探索した、前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が前記荷重閾値を上回る状態に変化する時刻を、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業において区分される所定の区分作業としての揚重の作業が開始された時刻と特定する、又は前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が減少傾向であって、荷重が前記荷重閾値を下回る状態に変化する時刻を、前記区分作業としての玉外しが開始された時刻と特定する区分作業開始時刻特定部と、
を備えることを特徴とする作業分析装置。 - 前記仮時刻特定部は、前記仮開始時刻から所定の時間を経過させた時刻以降の前記荷重の情報に基づいて、前記仮終了時刻を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の作業分析装置。 - 前記区分作業開始時刻特定部は、さらに、前記荷重閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて、
前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業に係る揚重の作業が開始された時刻である揚重開始時刻と、当該揚重開始時刻に応じた前記作業対象物の位置に係る情報とを特定し、特定した前記作業対象物の位置に係る情報に応じた稼働閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記揚重開始時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて、フック位置座標が前記作業対象物の位置から前記稼働閾値を上回って変化した位置となった時刻を、前記単位作業において区分される所定の区分作業としての玉掛けの作業が開始された時刻として特定する、
又は、
前記単位作業に係る玉外しの作業が開始された時刻である玉外し開始時刻と、当該玉外し開始時刻に応じた前記作業対象物の位置に係る情報とを特定し、特定した前記作業対象物の位置に係る情報に応じた稼働閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記玉外し開始時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて、フック位置座標が前記作業対象物の位置から前記稼働閾値を上回って変化した位置となった時刻を、前記区分作業としての調整の作業が開始された時刻として特定する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の作業分析装置。 - 前記区分作業開始時刻特定部が特定した前記所定の区分作業ごとに係る時刻に基づいて、単位作業ごとの実績を示す単位作業履歴情報を生成する単位作業履歴情報管理部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業分析装置。 - 一定の作業期間の単位作業履歴情報を利用して、前記一定の作業期間において行われた作業の実績を示す作業実績情報を生成し、生成した作業実績情報に応じた態様により出力する作業実績情報出力部
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の作業分析装置。 - 前記クレーンにより運搬する運搬物に関連する運搬物情報を、運搬物の運搬に際して掛かる荷重と運搬物の移動先の位置と対応させた運搬物管理情報を記憶する運搬物管理情報記憶部をさらに備え、
前記作業実績情報出力部は、
前記クレーン稼働情報における荷重と前記クレーン稼働情報に基づいて求めた運搬物の移動終了タイミングにおける前記クレーンのフック位置との組合せに対応付けられた運搬物情報を前記運搬物管理情報から検索し、検索した運搬物情報を対応の単位作業の単位作業履歴情報に含める
ことを特徴とする請求項5に記載の作業分析装置。 - クレーン稼働情報取得部が、クレーンにおいて検出された荷重を表す荷重情報と作業対象物の位置に係る情報とを時間に対応付けたクレーン稼働情報を取得し、
仮時刻特定部が、前記クレーン稼働情報に基づいて、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業に係る仮開始時刻と仮終了時刻を特定し、
最大荷重特定部が、前記クレーン稼働情報に基づいて、前記仮開始時刻から前記仮終了時刻までの期間における荷重の最大値を示す最大荷重を特定し、
区分作業開始時刻特定部が、前記最大荷重に応じた荷重閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて探索した、前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が前記荷重閾値を上回る状態に変化する時刻を、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業において区分される所定の区分作業としての揚重の作業が開始された時刻と特定する、又は前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が減少傾向であって、荷重が前記荷重閾値を下回る状態に変化する時刻を、前記区分作業としての玉外しが開始された時刻と特定する、
ことを特徴とする作業分析方法。 - コンピュータに、
クレーンにおいて検出された荷重を表す荷重情報と作業対象物の位置に係る情報とを時間に対応付けたクレーン稼働情報を取得する第1の過程と、
前記クレーン稼働情報に基づいて、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業に係る仮開始時刻と仮終了時刻を特定する第2の過程と、
前記クレーン稼働情報に基づいて、前記仮開始時刻から前記仮終了時刻までの期間における荷重の最大値を示す最大荷重を特定する第3の過程と、
前記最大荷重に応じた荷重閾値と、前記仮開始時刻と、前記仮終了時刻と、前記クレーン稼働情報とに基づいて探索した、前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が増加傾向であって、荷重が前記荷重閾値を上回る状態に変化する時刻を、前記クレーンを利用して行われる揚重サイクルに対応した単位作業において区分される所定の区分作業としての揚重の作業が開始された時刻と特定する、又は前記仮開始時刻から仮終了時刻までの期間内において、荷重の変化が減少傾向であって、荷重が前記荷重閾値を下回る状態に変化する時刻を、前記区分作業としての玉外しが開始された時刻と特定する第4の過程と、
を実行させるためのプログラム。
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