JP6652971B2 - バラスト水処理装置及びバラスト水処理方法 - Google Patents

バラスト水処理装置及びバラスト水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、バラスト水処理装置及びバラスト水処理方法に関する。
従来、貨物船などの船舶を積荷が搭載されていない状態で安定化させるために、船舶内に配置されたバラストタンクに海水をバラスト水として充填する対策が知られている。ここで、バラスト水として利用される海水には、微生物や菌類などが多数存在している。そのため、外国間を行き来する船舶からバラスト水を排出する際には、微生物や菌類による海洋の生態系への影響を防ぐためにバラスト水の殺菌処理を行う必要がある。
バラスト水の殺菌方法としては、化学薬品を投入する方法や紫外線を照射する方法などがある。下記特許文献1には、バラストタンクに繋がる主配管の途中にバイパス配管が接続され、当該バイパス配管に殺菌剤供給装置が配置された装置が開示されている。この装置では、主配管を流れる原水の一部をバイパス配管側に流し、これに殺菌剤を溶解させることにより殺菌剤溶液が得られ、当該殺菌剤溶液を主配管に流れる原水に合流させることにより、バラスト水が殺菌処理される。
下記特許文献1では、船内に取り込まれたバラスト水の原水がそのまま殺菌剤を溶解させるための溶解液として使用されるが、当該原水は水温及び水質が不安定である。一方、殺菌剤の溶解挙動は、原水の流量だけでなく、水温及び水質(塩分や濁度)により大きく変動する。このため、下記特許文献1のように、船内に取り込まれた原水を船内で貯留することなくそのまま溶解液として使用した場合には、水温及び水質の影響によって殺菌剤の溶解挙動が安定せず、バラスト水の薬剤濃度を目標の範囲内に制御することが困難である。
特開2012−254402号公報
本発明の目的は、バラスト水の薬剤濃度を容易に所望の範囲に制御することが可能なバラスト水処理装置及びバラスト水処理方法を提供することである。
本発明の一局面に係るバラスト水処理装置は、船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させる溶解手段と、前記溶解手段により得られた殺菌剤溶液を、バラストタンクにバラスト水を導くための配管に注入する注入手段と、を備えている。前記溶解手段は、バラストタンクへの漲水前に船内に汲み上げられた水を貯留する予備タンクを含む。前記船内水は、前記予備タンクに貯留された水である。
本発明の他局面に係るバラスト水処理方法は、殺菌処理されたバラスト水をバラストタンクに導くためのバラスト水処理方法である。このバラスト水処理方法は、バラストタンクへの漲水前に、船内の予備タンクにバラスト水をタンク貯留水として貯留することと、バラストタンクへの漲水時に、前記タンク貯留水に殺菌剤を溶解させることにより殺菌剤溶液を調製し、前記殺菌剤溶液を前記バラストタンクに導かれるバラスト水に注入することにより殺菌処理することと、を含む
本発明の実施形態1に係るバラスト水処理装置の構成を示す概略図である。 本発明の実施形態2に係るバラスト水処理装置の構成を示す概略図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
[バラスト水処理装置]
まず、本発明の一実施形態である実施形態1に係るバラスト水処理装置1の構成について、図1を参照して説明する。
バラスト水処理装置1は、船内に配置され、船内に汲み上げられたバラスト水を殺菌処理すると共にバラストタンク60へ導くための装置である。バラスト水処理装置1は、配管11と、バラストポンプ10と、フィルター20(濾過部材)と、溶解手段30と、注入手段40と、濃度測定部90と、ミキサー50と、温度測定部70と、流量制御部80と、を主に備えている。
配管11は、バラストタンク60に繋がれており、船内に汲み上げられたバラスト水をバラストタンク60に導くための供給流路を内部に構成している。配管11は、バラスト水が流入する一方の配管口と、バラストタンク60に繋がれる他方の配管口と、を有している。バラスト水は、上記一方の配管口から配管11内に流入し、上記他方の配管口に向かって配管11内を流れることによりバラストタンク60に導かれる。そして、バラスト水は、バラストタンク60において船体を安定化させるために貯留される。
バラストポンプ10は、配管11において上記一方の配管口側に配置されており、配管11内にバラスト水を流入させる。フィルター20は、配管11においてバラストポンプ10よりもバラスト水の流れ方向の下流側(バラストタンク60側)に配置されている。フィルター20は、濾過によってバラスト水に含まれる異物などを除去する。なお、フィルター20は、バラストポンプ10に対して上流側に配置されていてもよい。
溶解手段30は、船内に貯留された船内水に殺菌剤3を溶解させた殺菌剤溶液Sを調製する。溶解手段30は、殺菌剤3が充填された薬品容器31と、船内水が貯留される船内タンク33と、薬品容器31と船内タンク33とを接続する接続配管32と、を有している。
薬品容器31には、殺菌剤3を収容するための収容部材(図示しない)が内部に配置されている。この収容部材は、例えばメッシュあるいはスクリーンなどの形状を有しており、殺菌剤3を収容すると共に薬品容器31内に流れ込んだ水が十分に流入可能な程度の目開きを有している。これにより、薬品容器31内に流れ込んだ水に殺菌剤3を溶解させることができる。
殺菌剤3は、イソシアヌル酸塩化物からなる固体状の薬剤である。ここで、「イソシアヌル酸塩化物」とは、イソシアヌル酸の窒素原子に結合した水素原子が塩素原子に置換された構造を有する化合物であって、3つの塩素原子により水素原子が置換されたトリクロロイソシアヌル酸(下記構造式(1))及び2つの塩素原子により水素原子が置換されたジクロロイソシアヌル酸ナトリウム(下記構造式(2))を含む。これらのイソシアヌル酸塩化物は、水中に溶け出すことにより殺菌性を有する次亜塩素酸(HOCl)を発生する。
Figure 0006652971
Figure 0006652971
殺菌剤3は、顆粒状又は錠剤状等の形態を有していてもよいが、特に限定されない。例えば、殺菌剤3は、直径が1〜100mmである顆粒状又は錠剤状の形態を有していてもよい。
また殺菌剤3の充填量は、以下のように決定される。まず、バラストタンク60に貯留されるバラスト水の量及びその塩素濃度が設定され、設定されたバラスト水量及び塩素濃度を確保するために必要な殺菌剤3の量が算出される。そして、算出された量以上の殺菌剤3が薬品容器31に充填される。ここで、バラストタンク60に貯留されるバラスト水の量に応じた殺菌剤3の量は、例えば以下のように算出される。バラストタンク60に貯留されるバラスト水量を1000トン、塩素濃度設定値を10mg/L、塩素濃度を10mg/Lにするために必要な殺菌剤3の濃度を12mg/Lとすると、12(mg/L)×1000(トン)×1000(L/トン)=12kg、のように殺菌剤3の量を算出することができる。
船内タンク33には、船内で使用される生活用水が船内水として貯留されている。上記生活用水は、船の停泊中に陸から船内に供給される水であり、手洗い、シャワー、トイレ、洗濯などの船内の生活に使用される。また上記生活用水は、海水ではなく、塩分を含まない。上記生活用水は、船内タンク33に貯留されることにより、水温が船内の室温に近い一定の範囲内に収まっている。
船内タンク33は、上記生活用水を貯留するための専用タンクであり、その一部の水が殺菌剤3を溶解させる溶媒として使用されてもよい。また船内タンク33は、上記専用タンクとは別に設けられたタンクであり、上記専用タンクから移し替えられた一部の水が貯留されるものであってもよい。
船内タンク33から流出した水は、接続配管32を介して薬品容器31に流入する。このとき、水中に殺菌剤3が溶解することにより次亜塩素酸が発生し、殺菌剤溶液Sが調製される。そして、殺菌剤溶液Sは、薬品容器31から流出する。このように、本実施形態では、船内タンク33に貯留されて水温が一定の範囲に収まった船内の生活用水を殺菌剤3の溶媒として使用することにより、殺菌剤3の溶解量が安定し、所望の薬剤濃度に調整された殺菌剤溶液Sを得ることができる。
注入手段40は、上記溶解手段30により調製された殺菌剤溶液Sを、配管11に注入する。注入手段40は、供給配管41と、送液ポンプ42と、を有している。供給配管41は、その一方端が薬品容器31に接続され、他方端が配管11の部位P1に接続されている。つまり、供給配管41は、配管11の部位P1から分岐した配管である。部位P1は、図1に示すように、配管11においてフィルター20よりも下流側でかつミキサー50よりも上流側に位置している。
送液ポンプ42は、供給配管41に設けられ、配管11に注入される殺菌剤溶液Sの流量を調整する。薬品容器31から流出した殺菌剤溶液Sは、送液ポンプ42により流量調整され、供給配管41を介して配管11内のバラスト水に注入される。これにより、配管11内のバラスト水が殺菌処理される。
ミキサー50は、配管11において部位P1よりも下流側に配置されている。ミキサー50は、注入手段40により殺菌剤溶液Sが注入された後のバラスト水を攪拌することにより、バラスト水中の塩素濃度を均一化する。
濃度測定部90は、配管11においてミキサー50よりも下流側でかつバラストタンク60よりも上流側に配置されている。濃度測定部90は、濃度測定計であって、殺菌剤溶液Sが注入され、ミキサー50により攪拌された後のバラスト水の塩素濃度を測定する。ここで、「塩素濃度(mg/L)」は、バラスト水の残留オキシダント(TRO:Total Residual Oxidant)濃度として測定される。
温度測定部70は、水温計であって、船内タンク33に取り付けられている。温度測定部70により、船内タンク33に貯留される船内水の水温が測定される。
流量制御部80は、注入手段40により配管11に注入される殺菌剤溶液Sの流量を調整する。流量制御部80は、例えば演算部や記憶部等を備えたパーソナルコンピュータによって構成されている。流量制御部80は、送液ポンプ42に接続されており、送液ポンプ42の動作を制御することにより、配管11への殺菌剤溶液Sの流量を調整する。
流量制御部80は、濃度測定部90と接続されており、濃度測定部90による測定結果が入力される。流量制御部80は、入力された濃度測定の結果に基づいて送液ポンプ42の動作を制御する。これにより、配管11への殺菌剤溶液Sの注入流量が調整される。より具体的には、濃度測定部90により測定されたバラスト水の塩素濃度が予め定められた基準範囲を超える場合には、流量制御部80は殺菌剤溶液Sの注入流量が減少するように送液ポンプ42の動作を制御する。一方、バラスト水の塩素濃度が当該基準範囲を下回る場合には、流量制御部80は殺菌剤溶液Sの注入流量が増加するように送液ポンプ42の動作を制御する。なお、流量制御部80の記憶部には、上述のように濃度測定データとの比較を行うため、バラスト水の塩素濃度の基準範囲を示すデータが格納されている。
また流量制御部80は、温度測定部70と接続されており、温度測定部70による測定結果が入力される。流量制御部80は、入力された温度測定の結果に基づいて送液ポンプ42の動作を制御する。これにより、配管11への殺菌剤溶液Sの注入流量が調整される。より具体的には、水温に応じて殺菌剤3の溶解量が変動することを考慮し、流量制御部80では、水温毎に殺菌剤溶液Sの注入流量が予め設定されている。そして、流量制御部80は、配管11への殺菌剤溶液Sの注入流量が入力された水温データに対応する注入流量に調整されるように、送液ポンプ42の動作を制御する。
[バラスト水処理方法]
次に、上記バラスト水処理装置1を用いて実施される本実施形態に係るバラスト水処理方法について説明する。
まず、バラストポンプ10を動作させることにより、海水が配管11内にバラスト水として汲み上げられる。汲み上げられたバラスト水は、フィルター20で濾過されることにより異物等が除去され、配管11を通ってバラストタンク60に導かれる。
一方、船内タンク33には、船内水として生活用水が貯留されており、その水温は一定の範囲に収まっている。上記生活用水は、船内タンク33から接続配管32を介して薬品容器31に流入する。そして、殺菌剤3が水中に溶解することにより、殺菌剤溶液Sが得られる。
その後、殺菌剤溶液Sは、供給配管41を通って配管11に導かれ、バラストタンク60に導かれるバラスト水に注入される。このとき、殺菌剤溶液Sの注入流量は、送液ポンプ42によって調整される。このようにして殺菌剤溶液Sが注入されることにより、バラスト水が殺菌処理される。その後、ミキサー50においてバラスト水が攪拌されることにより塩素濃度が均一化され、バラストタンク60に貯留される。
また上記バラスト水の漲水中において、ミキサー50により攪拌された後のバラスト水の塩素濃度が濃度測定部90により定期的に測定され、その測定結果は流量制御部80に入力される。流量制御部80は、入力された濃度データと基準範囲との比較を行い、当該濃度データが基準範囲である場合には送液ポンプ42の動作を変更させず、基準範囲外である場合には送液ポンプ42の動作を変更させる。より具体的には、濃度データが基準範囲を超える場合には殺菌剤溶液Sの注入流量が減少するように送液ポンプ42の動作を変更させ、一方で基準範囲を下回る場合には殺菌剤溶液Sの注入流量が増加するように送液ポンプ42の動作を変更させる。このように、バラスト水の漲水中において塩素濃度を測定し、その測定結果を殺菌剤溶液Sの注入流量にフィードバックすることで、バラスト水の塩素濃度を適正値に調整することができる。
また上記バラスト水の漲水開始前に、温度測定部70により船内タンク33に貯留された生活用水の水温が予め測定され、その測定結果に基づいて漲水開始初期における殺菌剤溶液Sの注入流量が調整されてもよい。より具体的には、水温毎に設定された殺菌剤溶液Sの注入量を参照し、測定された水温データに対応する注入流量となるように、流量制御部80により送液ポンプ42の動作が制御される。これにより、漲水開始の初期段階においても、バラスト水の塩素濃度を適正値に調整することができる。
[作用効果]
次に、上記バラスト水処理装置1及びバラスト水処理方法の特徴及びその作用効果について説明する。
上記バラスト水処理装置1は、船内に貯留された生活用水(船内水)に殺菌剤3を溶解させる溶解手段30と、溶解手段30により得られた殺菌剤溶液Sを、バラストタンク60にバラスト水を導くための配管11に注入する注入手段40と、を備えている。また上記バラスト水処理方法は、殺菌処理されたバラスト水をバラストタンク60に導くための方法であって、船内に貯留された生活用水に殺菌剤3を溶解させることにより殺菌剤溶液Sを調製し、殺菌剤溶液Sをバラストタンク60に導かれるバラスト水に注入することにより殺菌処理することを特徴としている。
上記特徴によれば、船内に貯留された生活用水に殺菌剤3を溶解させた殺菌剤溶液Sを配管11に注入することによりバラスト水を殺菌処理することができる。この生活用水は、船内で貯留されているため、水温が一定の範囲に収まっている。このため、船内に取り込まれた直後の水温が不安定な原水をそのまま溶解液として使用する場合に比べて、殺菌剤3の溶解挙動の変動を抑制することができる。その結果、バラスト水の塩素濃度を容易に所望の範囲に制御することができる。特に、水温及び水質が安定している生活用水を船内水として用いることにより、殺菌剤3の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。
上記バラスト水処理装置1は、殺菌剤溶液Sが注入されたバラスト水の塩素濃度を測定する濃度測定部90と、濃度測定部90による測定結果に基づいて、注入手段40により注入される殺菌剤溶液Sの流量を調整する流量制御部80と、を備えている。また上記バラスト水処理方法では、殺菌剤溶液Sが注入されたバラスト水の塩素濃度を測定し、その測定結果に基づいて殺菌剤溶液Sの注入流量を調整する。このように、殺菌処理後におけるバラスト水の塩素濃度を測定し、その測定結果を殺菌剤溶液Sの注入流量にフィードバックすることで、バラスト水の塩素濃度を適正値に調整することができる。これにより、殺菌効果を維持すると共に、塩素濃度が過剰になることに起因した配管11やバラストタンク60の腐食を抑制することができる。
上記バラスト水処理装置1は、船内タンク33内の生活用水の水温を測定する温度測定部70と、温度測定部70による測定結果に基づいて、注入手段40により注入される殺菌剤溶液Sの流量を調整する流量制御部80と、を備えている。また上記バラスト水処理方法では、船内タンク33内の生活用水の水温を測定し、その測定結果に基づいて殺菌剤溶液Sの注入流量を調整する。殺菌剤3の溶解挙動は、水温によって変化する。このため、上記生活用水の水温を温度測定部70により測定し、その測定結果を殺菌剤溶液Sの注入流量にフィードバックすることにより、バラスト水の塩素濃度を適正値に調整することができる。
上記バラスト水処理装置1及びバラスト水処理方法において、殺菌剤3は、トリクロロイソシアヌル酸であってもよい。トリクロロイソシアヌル酸は水への溶解性が比較的小さいため、長期間に渡り殺菌効果を維持することができる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、トリクロロイソシアヌル酸は、殺菌剤3として好適に用いることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の他の実施形態である実施形態2について、図2を参照して説明する。実施形態2に係るバラスト水処理装置2は、基本的には上記実施形態1に係るバラスト水処理装置1と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏する。しかし、実施形態2では、船内に貯留された生活用水ではなく、予備タンク36に貯留される水が船内水として使用される点で、上記実施形態1とは異なっている。
[バラスト水処理装置]
バラスト水処理装置2は、上記実施形態1と同様に、配管11と、バラストポンプ10と、フィルター20と、溶解手段30と、注入手段40と、濃度測定部90と、ミキサー50と、温度測定部70と、流量制御部80と、を主に備えている。ここで、実施形態2では、溶解手段30は、第1及び第2予備配管34,35と、予備タンク36と、薬品容器31と、を有している。また配管11において第1予備配管34が接続される部位P2よりも下流側には、配管内における水の流通と遮断とを切り替える第1切替弁91が設けられている。
第1予備配管34は、一方端が配管11においてフィルター20よりも下流側の部位P2に接続され、他方端が予備タンク36に接続されている。第1予備配管34には、配管内における水の流通と遮断とを切り替える第2切替弁92が設けられている。第2予備配管35は、一方端が薬品容器31に接続され、他方端が予備タンク36に接続されている。
予備タンク36は、バラストタンク60への漲水前に船内に汲み上げられた海水を貯留するためのタンクである。予備タンク36には、フィルター20により濾過されることで異物が除去され、第1予備配管34を通った海水が貯留される。
実施形態2では、上記実施形態1とは異なり、バラストタンク60への漲水前に船内の予備タンク36に貯留された海水(タンク貯留水)が船内水として用いられる。当該海水は、配管11及び第1予備配管34を通過して予備タンク36へ貯留されることにより水温が安定しており、また水質が向上している。予備タンク36には温度測定部70が取り付けられており、これにより予備タンク36内の海水の水温が測定される。
注入手段40は、供給配管41及び送液ポンプ42によって構成されている。供給配管41は、その一方端が薬品容器31に接続され、かつ他方端が配管11において部位P2よりも下流側でかつミキサー50よりも上流側の部位P3に接続されている。
[バラスト水処理方法]
次に、上記バラスト水処理装置2を用いたバラスト水処理方法について説明する。
まず、バラストタンク60への漲水開始前に、予備タンク36への海水の貯留が行われる。このとき、第1切替弁91が閉じられ、かつ第2切替弁92が開かれる。第1及び第2切替弁91,92の開閉は、図示しない制御部によって行われてもよいし、手動で行われてもよい。バラストポンプ10により配管11内に汲み上げられた海水はフィルター20により濾過され、部位P2を経由して第1予備配管34に流入し、その後予備タンク36に貯留される。当該海水は、予備タンク36に貯留されることにより水温が一定の範囲に収まる。なお、予備タンク36への貯水は、バラストタンク60への漲水開始前であって船舶の運航に影響がないときであれば、いつ行われてもよい。
そして、バラストタンク60への漲水が開始される。このとき、第1切替弁91が開かれ、かつ第2切替弁92が閉じられ、配管11内にバラスト水が汲み上げられる。予備タンク36内に貯留された海水は、第2予備配管35を介して薬品容器31内に流入する。そして、殺菌剤3が海水中に溶解することにより、殺菌剤溶液Sが得られる。殺菌剤溶液Sは、供給配管41を介して配管11に導かれてバラスト水に注入され、バラスト水が殺菌処理される。その後、ミキサー50により攪拌されて塩素濃度が均一化された後、バラスト水がバラストタンク60に貯留される。
実施形態2では、バラストタンク60への漲水前に船内に汲み上げられた海水を貯留する予備タンク36が設けられ、当該予備タンク36に貯留された海水が船内水として用いられる。当該海水は、予備タンク36に貯留されることにより水温が安定しており、また堆積物の沈殿により濁度などの水質も向上している。このため、予備タンク36に貯留された海水を船内水として用いることにより、殺菌剤3の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。また、フィルター20により濾過された後の海水を予備タンク36に貯留することにより、濁度をより小さくして水質をより向上させることができるため、殺菌剤3の溶解挙動をさらに安定させることができる。
(変形例)
最後に、上記実施形態1,2の変形例について説明する。
上記実施形態1,2のように、溶解手段30は、殺菌剤3が充填された薬品容器31に船内水を流入させることにより殺菌剤3を溶解させて殺菌剤溶液Sを調製する態様に限られず、船内タンク33や予備タンク36内に殺菌剤3を投入して溶解させることにより殺菌剤溶液Sを調製する態様でもよい。また船内水は、船内に貯留された水であればよく、船内に生活用水として貯留された水や予備タンク36に貯留される水に限られない。また殺菌剤3は固体状のものに限られず、液体状のものでもよい。
上記実施形態1,2のように、殺菌剤3が薬品容器31に充填される場合に限られず、配管内に殺菌剤3が直接配置されてもよい。この場合には、殺菌剤3が水の流れによって下流側へ流れてしまうことを防止するため、殺菌剤3を堰き止めるためのメッシュあるいはスクリーン形状の部材が配管内に配置されてもよい。
上記実施形態1,2において、複数の薬品容器31が準備され、これらが直列に配置されて同時に使用されてもよいし、並列に配置されて交互に使用されてもよい。この場合、一つの薬品容器31において殺菌剤3の残量が少なくなったときに殺菌剤3を補充し、その補充作業の間に他の薬品容器31を使用することができる。
上記実施形態2において、予備タンク36に貯留される水は海水に限られず、汽水、淡水、湖水、河川水であってもよい。
上記実施形態1,2において、フィルター20が省略されてもよい。
上記実施形態1,2において、濃度測定部90及び温度測定部70が省略されてもよい。
(実施例1)
実施例1では、図1に示すバラスト水処理装置1を模擬したプロトタイプの処理装置を用いた。殺菌剤3としてはトリクロロイソシアヌル酸の顆粒(平均径:2mm、重さ:10g)を使用し、これを0.1mmの開口を有するポリプロピレン(PP)製のメッシュ袋に充填して薬品容器31に装着した。これに、脱塩素処理を施した水を通した。水温は、18℃であった。水の流量を変化させつつ溶液中のTRO濃度を塩素計により測定すると、流量が2L/分のときにTRO濃度が420mg/Lであった。
トリクロロイソシアヌル酸の顆粒(平均径:2mm、重さ:10g)をさらに準備し、これを0.1mmの開口を有するPP製のメッシュ袋に充填して薬品容器31に装着することにより、殺菌剤3の取り換えを行った。これに、脱塩素処理を施した水温18℃の水を2L/分の流量で通水し、殺菌剤溶液Sを調製した。
天然海水1000Lを原水として、流量16.7L/分(1000L/h)で配管11内に流入させ、殺菌剤溶液Sを送液ポンプ42により配管11内に注入した。そして、ミキサー50により攪拌した後、濃度測定部90によりバラスト水のTRO濃度を測定した。TRO濃度の目標値は5.0±0.2mg/Lに設定していたところ、測定値は5.0mg/Lであり、目標値の範囲内であった。
その後、TRO濃度を5分間隔で測定し、その測定結果を流量制御部80にフィードバックし、目標値である5.0mg/Lに合わせるように送液ポンプ42の動作を制御しつつ1時間運転を継続した。その結果、表1に示す通りTRO濃度は5.0±0.2mg/Lの範囲内で推移した(表1)。
(実施例2)
実施例2では、図2に示すバラスト水処理装置2を模擬したプロトタイプの処理装置を用いた。殺菌剤3としてトリクロロイソシアヌル酸の錠剤(30mmφの円柱形状、15g)2錠を、0.1mmの開口を有するPP製のメッシュ袋に充填して薬品容器31に装着した。
まず、第1予備配管34を介して天然海水(100L)を予備タンク36に導入し、24℃の室内下で24時間貯留した(操作1)。このとき、海水温度は、22℃であった。
次に、予備タンク36内の海水を薬品容器31に2L/分の流量で送液した(操作2)。この操作により、薬品容器31内の殺菌剤3を海水に溶解させ、殺菌剤溶液Sを調製した。また上記操作2と同時に、天然海水1000Lを原水として流量16.7L/分(1000L/h)で配管11内に流入させ、殺菌剤溶液Sを送液ポンプ42により配管11内に注入した(操作3)。そして、ミキサー50により攪拌した後、濃度測定部90によりバラスト水のTRO濃度を測定した。TRO濃度の目標値は上記実施例1と同様に5.0±0.2mg/Lに設定していたところ、測定値は4.8mg/Lであり、目標値の範囲内であった。
その後、TRO濃度を5分間隔で測定し、その測定結果を流量制御部80にフィードバックし、目標値である5.0mg/Lに合わせるように送液ポンプ42の動作を制御しつつ1時間運転を継続した。その結果、表1に示す通りTRO濃度は5.0±0.2mg/Lの範囲内で推移した(表1)。
(比較例)
図2に示したバラスト水処理装置2から予備タンク36を撤去し、配管11から第1及び第2予備配管34,35に流入させた原水を薬品容器31に直接通水させたことを除いて、実施例2と同様に試験を行った。試験は、実施例1及び2と同様に冬季に行った。バラスト水のTRO濃度の目標値は、5.0±0.2mg/Lとした。
具体的には、天然海水を予め貯留することなく、第1及び第2予備配管34,35により薬品容器31に直接送液した。この操作により、薬品容器31内の殺菌剤3を海水に溶解させ、殺菌剤溶液Sを調製した。またこの送液操作と同時に、天然海水1000Lを原水(温度4℃)として流量16.7L/分(1000L/h)で配管11に流入させ、殺菌剤溶液Sを送液ポンプ42により配管11内に注入した。そして、ミキサー50により攪拌した後、濃度測定部90によりバラスト水のTRO濃度を測定した。殺菌剤溶液Sの注入流量を2L/分で開始したところ、最初に測定したTRO濃度は0.8mg/Lであった。
TRO濃度の測定値を流量制御部80にフィードバックし、TRO濃度を5mg/Lに合わせるよう送液ポンプ42の動作を制御しつつ1時間運転を継続した。この時、殺菌剤溶液Sの注入流量(送液量)が最大で15L/分まで増加するように送液ポンプ42の動作を制御した(表1におけるTRO濃度5.9mg/Lに相当)。
5分毎にTRO濃度を測定したところ、最初の15分はTRO濃度が5mg/Lに達せず、その後は5mg/Lを超え、最初の30分間以上はTRO濃度が安定せず、目標値の範囲内に収まらなかった(表1)。
比較例のようにTRO濃度が安定しない場合、塩素濃度が低いと殺菌力が低下してバラスト管理条約に定められた基準を達成できなくなる。一方、塩素濃度を上げるためにバラスト水の流量を下げると、漲水に必要な時間が増加し、船舶の停泊時間が長くなるため、物流面での損失に繋がる。これに対して、上記実施例1,2では、船内に取り込まれた直後の海水ではなく、船内に貯留されて水温が一定の範囲に収まった水を殺菌剤3の溶解液として使用することにより、バラスト水のTRO濃度を容易に目標範囲に制御することができた。
Figure 0006652971
なお、上記実施形態を概説すると以下の通りである。
本実施形態に係るバラスト水処理装置は、船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させる溶解手段と、前記溶解手段により得られた殺菌剤溶液を、バラストタンクにバラスト水を導くための配管に注入する注入手段と、を備えている。
上記バラスト水処理装置では、船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させた殺菌剤溶液を配管に注入することにより、バラスト水を殺菌処理することができる。船内水は、船内で貯留されているため、水温が一定の範囲に収まっている。このため、従来のように、船内に取り込まれた直後の水温が不安定な原水をそのまま溶解液として使用する場合に比べて、殺菌剤の溶解挙動の変動を抑制することができる。従って、上記バラスト水処理装置によれば、バラスト水の薬剤濃度を容易に所望の範囲に制御することができる。
上記バラスト水処理装置において、前記船内水は、船内に生活用水として貯留された水であることが好ましい。
生活用水として船内に貯留され、水温及び水質が安定している水を上記船内水として用いることにより、殺菌剤の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。なお、船内の専用タンクに貯留された生活用水が殺菌剤の溶媒として直接使用されてもよいし、当該専用タンクから他のタンクに移し替えられた一部の水が殺菌剤の溶媒として使用されてもよい。
上記バラスト水処理装置において、前記溶解手段は、バラストタンクへの漲水前に船内に汲み上げられた水を貯留する予備タンクを含むことが好ましい。前記船内水は、前記予備タンクに貯留された水であることが好ましい。
上記予備タンクに貯留された水は、水温が安定しており、また堆積物の沈殿により濁度などの水質も向上している。このため、上記予備タンクに貯留された水を上記船内水として用いることにより、殺菌剤の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。
上記バラスト水処理装置は、前記予備タンクに貯留される水を濾過する濾過部材をさらに備えることが好ましい。
濾過後の水は濁度が小さく水質が向上しているため、殺菌剤を安定に溶解させるための溶媒として好適である。
上記バラスト水処理装置は、前記殺菌剤溶液が注入されたバラスト水の薬剤濃度を測定する濃度測定部と、前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記注入手段により注入される前記殺菌剤溶液の流量を調整する流量制御部と、を備えることが好ましい。
上記構成によれば、殺菌処理後におけるバラスト水の薬剤濃度を測定し、その測定結果を殺菌剤溶液の注入流量にフィードバックすることで、バラスト水の薬剤濃度を適正値に調整することができる。これにより、殺菌効果を維持すると共に、薬剤濃度が過剰になることに起因した配管やタンクの腐食を抑制することができる。
上記バラスト水処理装置は、前記船内水の水温を測定する温度測定部と、前記温度測定部による測定結果に基づいて、前記注入手段により注入される前記殺菌剤溶液の流量を調整する流量制御部と、を備えることが好ましい。
上記殺菌剤の溶解挙動は、水温によって変化する。このため、船内水の水温を温度測定部により測定し、その測定結果を殺菌剤溶液の注入流量にフィードバックすることにより、バラスト水の薬剤濃度を適正値に調整することができる。
上記バラスト水処理装置において、前記殺菌剤は、トリクロロイソシアヌル酸であることが好ましい。
トリクロロイソシアヌル酸は水への溶解性が比較的小さいため、長期間に渡り殺菌効果を維持することができる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、トリクロロイソシアヌル酸は、殺菌剤として好適に用いることができる。
また、上記バラスト水処理装置において、前記殺菌剤は、ジクロロイソシアヌル酸塩であることも好ましい。
ジクロロイソシアヌル酸塩は、水への溶解度が大きいため、殺菌剤溶液を短時間で調製できる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、ジクロロイソシアヌル酸塩は、殺菌剤として好適に用いることができる。
本実施形態に係るバラスト水処理方法は、殺菌処理されたバラスト水をバラストタンクに導くための方法である。このバラスト水処理方法は、船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させることにより殺菌剤溶液を調製し、前記殺菌剤溶液を前記バラストタンクに導かれるバラスト水に注入することにより殺菌処理する。
上記バラスト水処理方法では、船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させた殺菌剤溶液をバラスト水に注入することにより殺菌処理することができる。船内水は、船内で貯留されているため、水温が一定の範囲に収まっている。このため、従来のように、水温が不安定な原水を溶解液として使用する場合に比べて、殺菌剤の溶解挙動の変動を抑制することができる。従って、上記バラスト水処理方法によれば、バラスト水の薬剤濃度を容易に所望の範囲に制御することができる。
上記バラスト水処理方法において、前記船内水は、船内に生活用水として貯留された水であることが好ましい。
生活用水として船内に貯留され、水温及び水質が安定している水を上記船内水として用いることにより、殺菌剤の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。
上記バラスト水処理方法において、前記船内水は、バラストタンクへの漲水前に、船内の予備タンクに貯留されたタンク貯留水であることが好ましい。
上記タンク貯留水は、予備タンクで貯留されることにより水温が安定しており、また堆積物の沈殿により水質も向上している。このため、上記タンク貯留水を上記船内水として用いることにより、殺菌剤の溶解挙動の変動をより効果的に抑制することができる。
上記バラスト水処理方法において、前記タンク貯留水は、濾過された後に前記予備タンクに貯留されたものであることが好ましい。
濾過によって水質が向上したタンク貯留水を上記船内水として用いることで、殺菌剤の溶解挙動をさらに安定させることができる。
上記バラスト水処理方法において、前記殺菌剤溶液が注入されたバラスト水の薬剤濃度を測定し、その測定結果に基づいて前記殺菌剤溶液の注入流量を調整することが好ましい。
上記方法によれば、殺菌処理後におけるバラスト水の薬剤濃度の測定結果を殺菌剤溶液の注入流量にフィードバックすることで、バラスト水の薬剤濃度を適正値に調整することができる。
上記バラスト水処理方法において、前記船内水の水温を測定し、その測定結果に基づいて前記殺菌剤溶液の注入流量を調整することが好ましい。
上記方法によれば、水温による殺菌剤の溶解挙動の変動を考慮して船内水の温度測定の結果を殺菌剤溶液の注入流量にフィードバックすることにより、バラスト水の薬剤濃度を適正値に調整することができる。
上記バラスト水処理方法において、前記殺菌剤は、トリクロロイソシアヌル酸であることが好ましい。
トリクロロイソシアヌル酸は水への溶解性が比較的小さいため、長期間に渡り殺菌効果を維持することができる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、上記方法では、トリクロロイソシアヌル酸を殺菌剤として好適に用いることができる。
また、上記バラスト水処理方法において、前記殺菌剤は、ジクロロイソシアヌル酸塩であることも好ましい。
ジクロロイソシアヌル酸塩は、水への溶解度が大きいため、殺菌剤溶液を短時間で調製できる。また高温下において安定に保持することができる。また次亜塩素酸カルシウムなどと異なり、水に溶解させたときの沈殿物の発生を抑制することもできる。したがって、上記方法では、ジクロロイソシアヌル酸塩は、殺菌剤として好適に用いることができる。

Claims (11)

  1. 船内に貯留された船内水に殺菌剤を溶解させる溶解手段と、
    前記溶解手段により得られた殺菌剤溶液を、バラストタンクにバラスト水を導くための配管に注入する注入手段と、を備え
    前記溶解手段は、バラストタンクへの漲水前に船内に汲み上げられた水を貯留する予備タンクを含み、
    前記船内水は、前記予備タンクに貯留された水である、バラスト水処理装置。
  2. 前記溶解手段は、前記殺菌剤が充填された薬品容器と、前記配管と前記予備タンクとを接続する第1予備配管と、前記予備タンクと前記薬品容器とを接続する第2予備配管と、をさらに含み、
    前記配管から前記第1予備配管へのバラスト水の流入及びその停止を切り替える切替手段と、
    バラストタンクへの漲水前に前記配管から前記第1予備配管へバラスト水を流入させるように前記切替手段を制御すると共に、バラストタンクへの漲水時に前記配管から前記第1予備配管へのバラスト水の流入を停止させるように前記切替手段を制御する制御部と、をさらに備えた、請求項1に記載のバラスト水処理装置。
  3. 前記予備タンクに貯留される水を濾過する濾過部材をさらに備えた、請求項に記載のバラスト水処理装置。
  4. 前記殺菌剤溶液が注入されたバラスト水の薬剤濃度を測定する濃度測定部と、
    前記濃度測定部による測定結果に基づいて、前記注入手段により注入される前記殺菌剤溶液の流量を調整する流量制御部と、を備えた、請求項1〜の何れか1項に記載のバラスト水処理装置。
  5. 前記船内水の水温を測定する温度測定部と、
    前記温度測定部による測定結果に基づいて、前記注入手段により注入される前記殺菌剤溶液の流量を調整する流量制御部と、を備えた、請求項1〜の何れか1項に記載のバラスト水処理装置。
  6. 前記殺菌剤は、トリクロロイソシアヌル酸である、請求項1〜の何れか1項に記載のバラスト水処理装置。
  7. 殺菌処理されたバラスト水をバラストタンクに導くためのバラスト水処理方法であって、
    バラストタンクへの漲水前に、船内の予備タンクにバラスト水をタンク貯留水として貯留することと、
    バラストタンクへの漲水時に、前記タンク貯留水に殺菌剤を溶解させることにより殺菌剤溶液を調製し、前記殺菌剤溶液を前記バラストタンクに導かれるバラスト水に注入することにより殺菌処理することと、を含む、バラスト水処理方法。
  8. 前記タンク貯留水は、濾過された後に前記予備タンクに貯留される、請求項に記載のバラスト水処理方法。
  9. 前記殺菌剤溶液が注入されたバラスト水の薬剤濃度を測定し、その測定結果に基づいて前記殺菌剤溶液の注入流量を調整する、請求項7又は8に記載のバラスト水処理方法。
  10. 前記船内水の水温を測定し、その測定結果に基づいて前記殺菌剤溶液の注入流量を調整する、請求項7又は8に記載のバラスト水処理方法。
  11. 前記殺菌剤は、トリクロロイソシアヌル酸である、請求項7〜10の何れか1項に記載のバラスト水処理方法。
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