JP6651997B2 - 積層多孔フィルム及びその製造方法 - Google Patents
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Description
中でもポリオレフィン系重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン等)は、疎水性のために耐水性が高いため、水系濾過膜の素材として適しており、多用されている。
しかしながら、フィラーの形状が不均一で樹脂との相溶性が悪いなどの理由から、多孔質フィルムは均一な物性が期待できなかったり、表面が平滑にならずに凸凹が発生するなどの問題点があった。またこれらのフィラーは耐薬品性が悪く、例えば酢酸等の酸に溶出することがあるので、用途には制限があった。
しかしながら、特許文献2には濾過膜としての使用方法は記載されておらず、濾過膜としての使用をした際、どの程度の性能を示すかは不明であった。
式(1): 2 ≦ N2/N1 ≦ 50
(N1、N2は、それぞれI層、II層の断面における、長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率を表す)
第9の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明における前記積層多孔フィルムを用いたフィルターが提供される。
本発明の実施形態の一例に係る積層多孔フィルム(以下、「本フィルム」と称することがある)は、式(1)の関係を満たすI層、II層を有し、I層とII層はそれぞれオレフィン重合体とビニル芳香族エラストマーを有する多孔層である積層多孔フィルムである。
式(1): 2 ≦ N2/N1 ≦ 50
(N1、N2は、それぞれI層、II層の断面における5〜100μmの孔の存在比率を表す)
式(1): 2 ≦ N2/N1 ≦ 50
(N1、N2は、それぞれI層、II層の断面における5〜100μmの孔の存在比率を表す)
走査型電子顕微鏡(SEM)(「株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 S−4500」)にて、多孔質フィルム断面像から、孔の異なる層が形成されていることを目視で確認し、孔の異なる層が形成されている場合、Image Metorology社製イメージ解析ソフトウェア「SPIP(バージョン6.2.8)」を用いた画像処理によって、それぞれの孔の長軸方向の長さを計測した後、各層における長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率を以下の式より算出する。
各層における長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率[N]=
(各層の5〜100μmの孔の個数/全層の5〜100μmの孔の個数)×100
本発明の積層多孔フィルムの厚みは、特に制限されるものではないが、25μm以上が好ましく、50μm以上がより好ましい。一方、上限は500μm以下が好ましく、300μm以下がより好ましい。厚みが25μm以上であれば、充分な強度を有することができる。また、厚みが500μm以下であれば、小型化・軽量化が求められる用途に対しても使用が容易である。
本発明の積層多孔フィルムの透気度は、1秒/100cc以上が好ましく、5秒/100cc以上がより好ましく、10秒/100cc以上がさらに好ましい。一方、上限は1000 秒/100cc以下が好ましく、100秒/100cc以下がより好ましく、30秒/100cc以下がさらに好ましい。透気度が上記範囲であれば、強度と多孔性を両立した多孔フィルムであるため好ましい。
なお、透気度は、25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定される。
空孔率は多孔構造を規定する為の重要な要素であり、本発明の多孔フィルムにおける多孔層の空間部分の割合を示す数値である。一般に空孔率が高いほど、優れた濾過速度を有することが知られており、本発明の製造方法で得られる延伸多孔フィルムにおいては、空孔率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは60%以上、更に好ましくは65%以上である。一方上限は98%以下が好ましく、95%以下がより好ましい。空孔率が50%以上であれば、優れた多孔性を有する多孔フィルムとなる。
なお、空孔率は、多孔フィルムの実重量W1を測定し、樹脂組成物の密度と厚みから空孔率0%の場合の重量W0を計算し、それらの値から下記式に基づき算出される。
空孔率[%]={(W0−W1)/W0}×100
本発明のる延伸多孔フィルムの濾過速度は、好ましくは23ml/min・cm2以上、より好ましくは24ml/min・cm2以上、更に好ましくは25ml/min・cm2以上である。一方、上限については、好ましくは100ml/min・cm2以下、より好ましくは90ml/min・cm2以下、更に好ましくは80ml/min・cm2以下である。濾過速度が上記範囲であれば、強度と濾過効率を両立した多孔フィルムとなる。
なお、濾過速度は、25℃の空気雰囲気下において、所定の体積Vのアセトンが0.07MPaの圧力で、有効濾過面積Aの多孔フィルムを通過する時間tを測定し、下記式に基づき算出される。
濾過速度[ml/min・cm2]=(V×60)/(t×A)
本発明の積層多孔フィルムの濾過精度は、好ましくは0.50以下、より好ましくは、0.25以下、更に好ましくは0.20以下である。濾過精度が上記範囲であれば、濾過精度が良好な多孔フィルムとなる。
なお、濾過精度は、日産化学社製コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスMP−4540M)、平均粒子径:450nm、固形分:40重量%、媒体:水)を4重量%になるように水で希釈し、超音波攪拌機中で十分に均一分散させた後、0.07MPaの圧力で多孔フィルムを通過させ、吸光度法により通過前後の液の濃度を測定し、粒子の捕集効率(%)を求めることで産出される。
本発明の積層多孔フィルムの濾過寿命は、好ましくは1.0g/cm2以上、より好ましくは1.1g/cm2以上、更に好ましくは1.2g/cm2以上である。一方、上限については、好ましくは10g/cm2以下、より好ましくは5.0g/cm2以下、更に好ましくは2.0g/cm2以下である。濾過速度が上記範囲であれば、濾過効率が良好な多孔フィルムとなる。
なお、濾過寿命は、日産化学社製コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスMP−4540M)、平均粒子径:450nm、固形分:40重量%、媒体:水)を4重量%になるように水で希釈し、超音波攪拌機中で十分に均一分散させた後、0.09MPaの圧力で多孔フィルムを通過させ、濾過が不可能になるまでに通過した液体の重量Wを測定し、有効濾過面積Aで除算することによって濾過寿命(g/cm2)を算出される。
長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の数が多いII層をI層よりも表面側に配置することで、濾過を行った際に、比較的大きな粒子を表裏層で補足しつつ、比較的小さな粒子を中間層で補足するため、濾過速度、濾過精度、及び、濾過寿命に優れた効率的な濾過を行うことができるため好ましい。
特に、II層/I層/II層のように、中間層に長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の数が少ない層を、表裏層に長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の数が多い層を配置することで、濾過を行った際に、比較的大きな粒子を表裏層で補足しつつ、比較的小さな粒子を中間層で補足するため、濾過精度、及び、濾過寿命に優れた効率的な濾過を行うことができる。
特に、II層/I層/II層の2種3層構成の場合は、その総厚みに対するI層の積層比は、10%以上80%以下が好ましく、15%以上75%以下がより好ましく、20%以上70%以下がさらに好ましい。I層の厚み割合が10%以上であれば、本発明のフィルムが良好な濾過精度を有するようになり好ましい。また、I層の厚みが80%以下であれば、良好な濾過速度を有することになるため好ましい。ここで、I層が複数配される場合は、各層の合計厚みを用いて算出する。
本発明の積層多孔フィルムを構成する多孔層は、フィルム断面において長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の数が少ない層(I層)と長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の数が多い層(II層)の少なくとも2層の多孔層を有する。またそれぞれの多孔層は、オレフィン重合体とビニル芳香族エラストマーを有するものである。
オレフィン重合体は、本発明の積層多孔フィルムにおいては海相を形成する重合体である。延伸により多孔性を付与された本フィルムの成分として、コスト、耐溶剤性、耐熱性の観点からオレフィン重合体の群の中から選ばれる一種又は二種以上の重合体を挙げることができる。
オレフィン重合体(A)の例としては、エチレン単独重合体(ホモポリエチレン);エチレンと1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン又は1−デセンとの共重合体等のエチレン重合体;プロピレン単独重合体(ホモポリプロピレン);プロピレンとエチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン又は1−デセンなどと共重合することで得られるプロピレン共重合体等のプロピレン重合体が挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、プロピレン重合体が好適に使用される。
メチル基領域のシグナルの帰属は、A.Zambelliet at al.(Macromol.8,687(1975)に準拠している。
Mw/MnはGPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)法によって得られる。
なお、MFRはJIS K7210に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
Mw/MnはGPC(ゲルパーエミッションクロマトグラフィー)法によって得られる。
なお、MFRはJIS K7210に準拠して温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
エチレン重合体の密度は特に制限されるものではないが、通常、密度は0.955以上であることが好ましく、0.957以上であることがより好ましい。一方、上限については、0.965以下であることが好ましく、0.970以下であることがより好ましい。密度が、0.955以上であることで、多孔フィルムの結晶性が高くなり目的とする多孔構造の形成を満たすことができる。一方、密度が0.970を超えると結晶性が高すぎて延伸ムラが起こりやすい。
なお、密度はJIS K7112に準拠して測定される。
ビニル芳香族エラストマーは、本発明の積層多孔フィルムにおいては島相を形成する重合体である。I層、II層に含まれるビニル芳香族エラストマーについては特に限定はしないが、I層に含まれるビニル芳香族エラストマーはオレフィン重合体との相溶性が比較的高く、島相が小さくなるものが選ばれる。一方、II層に含まれるビニル芳香族エラストマーはオレフィン重合体との相溶性が比較的低く、島相が大きくなるものが選ばれる。
なお、MFRはJIS K7210に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
なお、MFRはJIS K7210に準拠して温度230℃、荷重2.16kgの条件で測定される。
本発明の積層多孔質フィルムの製造方法について説明するが、以下の説明は、本発明の積層多孔質フィルムを製造する方法の一例であり、本発明の積層多孔質フィルムはかかる製造方法により製造される積層樹脂多孔質フィルムに限定されるものではない。
オレフィン重合体(A)とスチレン−オレフィンブロック共重合体(B)、さらに、オレフィン重合体(A)とスチレン−オレフィン−スチレンブロック共重合体(C)とをそれぞれ混合する。
オレフィン重合体(A)55〜85重量%、ビニル芳香族エラストマー15〜45重量%の割合で混合する。好ましくは、オレフィン重合体(A)60〜80重量%、ビニル芳香族エラストマー20〜40重量%の割合である。
オレフィン重合体が85重量%以下であることによって、延伸による多孔化が生じやすくなり、十分な空孔構造を形成することによって、濾過性能の向上が期待できる。一方、オレフィン重合体が55重量%以上であることによって、前記オレフィン重合体中のスビニル芳香族エラストマー同士が凝集を生じにくくなり延伸による多孔化が生じやすくなる。
他の樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、塩素化ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアセタール系樹脂、アクリル系樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリメチルペンテン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリエチレンオキサイド系樹脂、セルロース系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミドビスマレイミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリケトン系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、アラミド系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
未延伸シートの厚さが30μm以上であれば、シートが薄すぎるために延伸時に破断を起こすのを防ぐことができ、未延伸シートの厚さが1000μm以下であれば、シートが剛直になり過ぎて延伸を行い難くなるのを防ぐことができるばかりか、延伸後のシートの厚みを薄くすることができる。
以下、上記未延伸シートを延伸して積層多孔フィルムを得る工程を詳述する。
得られた未延伸シートを一軸延伸、又は、二軸延伸を行う。一軸延伸は縦一軸延伸であってもよいし、横一軸延伸であってもよい。二軸延伸は同時二軸延伸であってもよいし、逐次二軸延伸であってもよい。未延伸シートの組成、厚み、および延伸倍率を変更することにより、作成される積層多孔フィルムの厚み、透気度、空孔率を調整することができる点が本発明の一つの利点である。本発明の目的である積層多孔フィルムを作製する場合には、各延伸工程で延伸条件を選択でき、多孔構造を制御し易い逐次二軸延伸がより好ましい。なお、膜状物の流れ方向(MD)への延伸を「縦方向の延伸」といい、流れ方向に対して垂直方向(TD)への延伸を「横方向の延伸」という。横延伸は、延伸区間となる一対の駆動ロールの速度差を利用して行う方法が好ましいが、これに限定されるものではない。一方、横延伸に用いる装置は、クリップ式テンターを用いることが好ましい。但しこれに限定するものではない。
未延伸シートを好ましくは0℃〜60℃、より好ましくは10〜40℃の温度で、好ましくは縦方向に1.1倍以上3.0倍未満、より好ましくは、1.2倍以上2.0倍未満の範囲で延伸する。0℃以下で延伸した場合はフィルムが破断する傾向があり、また、60℃を超える温度で延伸した場合は、得られる延伸フィルムの気孔率が低く、透気度が高くなる傾向がある。また、本実施の形態で得られる多孔フィルムの透過性が向上することから、上記延伸工程を実施する前に、シート成形工程で得られたシートを一定の温度範囲で一定時間熱処理しても良い。
上記クリップ走行装置は縦延伸シートの両端部を一対のクリップで掴んで搬送すると同時に、グリップ走行装置のガイドレールが開いて2列のグリップ間の距離を広げることにより当該シートを延伸する。
上記オーブンは、流れ方向にいくつかのゾーンに区切られており、ゾーンごとに設定温度又は熱風の風量を変えられることが望ましい。上流側から、予熱ゾーンを設けて縦延伸シートを延伸可能な温度にまで加熱し、延伸ゾーンで延伸し、延伸後に必要に応じて熱処理ゾーンを設けて熱処理し、オーブンから前記シートが出て常温に曝される前に徐冷ゾーンを設けられる。
一般的に「シート」とは、JISにおける定義上、薄く、一般にその厚さが長さと幅のわりには小さく平らな製品をいい、一般的に「フィルム」とは、長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通常、ロールの形で供給されるものをいう(日本工業規格JIS K6900)。例えば厚さに関して言えば、狭義では100μm以上のものをシートと称し、100μm未満のものをフィルムと称すことがある。しかし、シートとフィルムの境界は定かでなく、本発明において文言上両者を区別する必要がないので、本発明においては、「シート」と称する場合でも「フィルム」を含むものとし、「フィルム」と称する場合でも「シート」を含むものとする。
また、本発明において、「X以上」(Xは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはXより大きい」の意を包含し、「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、特にことわらない限り「好ましくはYより小さい」の意を包含する。
・A−1:ホモポリプロピレン(MFR:1.9g/10分、Mw/Mn=3.2)
・B−1:スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン−(エチレン/プロピレン)共重合体(SEP)、MFR(230℃、2.16kg):0.1g/10分、スチレン含有量:35質量%)
・C−1:スチレン系熱可塑性エラストマー(スチレン−(エチレン/プロピレン)−スチレンブロック共重合体(SEPS)、MFR(230℃、2.16kg):流動せず、スチレン含有量:20質量%)
・D−1:α晶核剤(ソルビトール系化合物、グレード名:ゲルオールMD―LM30G、新日本理化社製)
得られた多孔フィルムを1/1000mmのダイアルゲージにて、面内を不特定に5箇所測定しその平均を厚みとした。
25℃の空気雰囲気下にて、JIS P8117に準拠して透気度を測定した。測定機器として、デジタル型王研式透気度専用機(旭精工社製)を用いた。
得られた多孔フィルムの実質量W1を測定し、樹脂組成物の密度と厚みから空孔率0%の場合の質量W0を計算し、それらの値から下記式に基づき算出した。
空孔率[%]={(W0−W1)/W0}×100
25℃の空気雰囲気下において、所定の体積Vのアセトンが0.07MPaの圧力で、有効濾過面積Aの多孔フィルムを通過する時間tを測定し、下記式に基づき算出した。
濾過速度[ml/min・cm2]=(V×60)/(t×A)
日産化学社製コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスMP−4540M)、平均粒子径:450nm、固形分:40質量%、媒体:水)を4質量%になるように水で希釈し、超音波攪拌機中で十分に均一分散させた後、0.07MPaの圧力で多孔質フィルムを通過させ、吸光度法により通過前後の液の濃度を測定し、粒子の捕集効率(%)を算出した。
日産化学社製コロイダルシリカ(製品名:スノーテックスMP−4540M)、平均粒子径:450nm、固形分:40質量%、媒体:水)を4質量%になるように水で希釈し、超音波攪拌機中で十分に均一分散させた後、0.09MPaの圧力で多孔フィルムを通過させ、濾過が不可能になるまでに通過した液体の質量Wを測定し、有効濾過面積Aで除算することによって濾過寿命(g/cm2)を算出した。
走査型電子顕微鏡(SEM)(「株式会社日立ハイテクノロジーズ社製 S−4500」)にて、多孔フィルム断面像から、孔の異なる層が形成されていることを目視で確認した。孔の異なる層が形成されている場合、Image Metorology社製イメージ解析ソフトウェア「SPIP(バージョン6.2.8)」を用いた画像処理によって、それぞれの孔の長軸方向の長さを計測した後、各層における長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率を以下の式より算出した。
各層における長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率=
(各層の5〜100μmの孔の個数/全層の5〜100μmの孔の個数)×100
ポリプロピレン(A−1)70質量%、スチレン−オレフィンブロック共重合体(B−1)30重量%、及び、前記ポリプロピレン(A−1)と前記スチレン−オレフィンブロック共重合体(B−1)との混合樹脂組成物100重量部に対し結晶核剤(D−1)を0.1重量部(ポリプロピレン系樹脂100重量部に対しては、0.14重量部)の割合で配合し、2軸押出機に投入し、設定温度240℃で溶融混練後、ストランドダイにてストランド状に賦形した後、水槽にてストランドを冷却固化し、ストランドカッターにて裁断し、ペレット(以下「ペレット(I)」と称す)を作製した。同様の方法でポリプロピレン(A−1)70質量%、スチレン−オレフィン−スチレンブロック共重合体(C−1)30重量%、及び、前記プロピレン共重合体(A−1)と前記スチレン−オレフィン−スチレンブロック共重合体(C−1)との混合樹脂組成物100重量部に対し結晶核剤(D−1)を0.1重量部(ポリプロピレン系樹脂100重量部に対しては、0.14重量部)の割合で配合することによって、ペレット(以下「ペレット(II)」と称す)を作製した。
積層の厚み比について、表層/中間層/裏層=1/2/1とした以外は、実施例1と同様に未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸多孔フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度145℃で、3.0倍横方向に延伸した後、155℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ペレット(I)を単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練後、Tダイにてシート状に賦形した後、127℃に設定したキャストロールにて冷却固化を行い、未延伸シートを得た。その後、得られた未延伸シートを、20℃に設定したロール(X)と20℃に設定したロール(Y)間において、ドロー比100%(延伸倍率2.0倍)を掛けて低温延伸を行った。次いで、120℃に設定したロール(P)と120℃に設定したロール(Q)間において、ドロー比50%(延伸倍率1.5倍)を掛けて高温延伸を行い、MD延伸フィルムを得た。次いで、得られたMD延伸多孔フィルムを、京都機械社製フィルムテンター設備にて、予熱温度145℃、予熱時間12秒間で予熱した後、延伸温度145℃で、3.0倍横方向に延伸した後、155℃で熱処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
ペレット(II)を単軸押出機に投入し、設定温度200℃で溶融混練後、Tダイにてシート状に賦形した後、127℃に設定したキャストロールにて冷却固化を行い、未延伸シートを得た。その後、得られた未延伸シートを比較例1と同様の条件で延伸処理を行い、二軸延伸多孔フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
比較例2においては、孔の大きさの違う層を明確に確認できず、積層構成ではない。また、透気性能は実施例以上であり優れているが、濾過精度は0.72%となり、粒子を捕集できていない。そのため、濾過速度や濾過寿命が優れているものの、粒子の捕集漏れがあるため、濾過効率に劣る。
Claims (9)
- 式(1)の関係を満たすI層とII層を有し、I層とII層はそれぞれオレフィン重合体(A)とビニル芳香族エラストマーからなる多孔層であることを特徴とする積層多孔フィルム。
式(1): 2 ≦ N2/N1 ≦ 50
(N1、N2は、それぞれI層、II層の断面における、長軸方向の孔径が5〜100μmである孔の存在比率を表す) - 前記I層を中間層、前記II層を表裏面に有する3層構造であることを特徴とする請求項1に記載の積層多孔フィルム。
- 厚みが1μm以上1000μ以下、かつ、透気度が1〜1000秒/100ccであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層多孔フィルム。
- 二軸延伸フィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層多孔フィルム。
- オレフィン重合体(A)とスチレン−オレフィンブロック共重合体(B)からなる層、及び、オレフィン重合体(A)とスチレン−オレフィン−スチレンブロック共重合体(C)からなる層、を少なくとも1層ずつ有する未延伸フィルムを作成し、延伸することを特徴とする積層多孔フィルムの製造方法。
- 前記未延伸フィルムを、0℃〜60℃の温度で縦方向に1.1倍以上3.0倍未満で延伸し、60℃〜160℃の温度で縦方向に1.5倍以上6.0倍未満で延伸し、70〜150℃の温度で横方向に1.1倍以上10倍未満で延伸することを特徴とする請求項5に記載の積層多孔フィルムの製造方法。
- 前記スチレン−オレフィンブロック共重合体(B)の230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1.0g/10分以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の積層多孔フィルムの製造方法。
- 前記スチレン−オレフィン−スチレンブロック共重合体(C)の230℃、2.16kg荷重におけるメルトフローレートが1.0g/10分以下であることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の積層多孔フィルムの製造方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の微多孔性フィルムを用いたフィルター。
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