JP6651397B2 - フォイル軸受 - Google Patents

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Description

本発明は、フォイル軸受に関する。
フォイル軸受は、可撓性を有する金属薄板(フォイル)で軸受面を構成するものであり、フォイルが撓むことにより、軸の回転速度や荷重、周囲温度等の運転条件に応じて軸受隙間が適切な幅に自動調整されるという特徴を有する。
例えば下記の特許文献1に、フォイル軸受の一例として、バンプ型と呼ばれるフォイル軸受が開示されている。このフォイル軸受は、軸受面を有するトップフォイルと、トップフォイルを背後から弾性的に支持する波形のバックフォイル(バンプフォイル)とを備える。バックフォイルには、トップフォイルに接する山部と、平坦な谷部とが、軸の回転方向で交互に形成されている。
特開2013−87789号公報
特許文献1に示されたフォイル軸受において、軸の回転に伴って軸受隙間の圧力が高まると、トップフォイルを介してバックフォイルが軸受隙間の幅方向に圧縮される。このとき、波形のバックフォイルは、各山部を押し潰すように変形することになるが、その際の変形抵抗が大きく、バックフォイルが全体的に高剛性となるため、トップフォイルの柔軟性が不足する傾向にある。トップフォイルの柔軟性が不足すると、軸受隙間の自動調整機能が損なわれ、軸とトップフォイルが接触し易くなる等の不具合を招く。
そこで、本発明者らは、先の出願(特願2015−234626)において、図22に示すようなバックフォイル120を有するフォイル軸受を提案した。このバックフォイル120は、平坦部121(中間部)と、平坦部121からトップフォイル側に突出した複数の上凸部122(第一突出部)と、平坦部121からトップフォイル110と反対側に突出した複数の下凸部123(第二突出部)とを有する。
図23に示すように、バックフォイル120は、トップフォイル110とフォイルホルダ102との間に配される(図23では、バックフォイル120を模式的にバネで示している)。軸が回転すると、トップフォイル110の軸受面と、軸に設けられたスラストカラー103の端面103aとの間に楔状の軸受隙間Cが形成され、軸受隙間Cの大隙間部C1の流体が小隙間部C2に押し込まれることにより流体圧が高められる。この流体圧により、バックフォイル120が軸受隙間Cの幅方向(図23の上下方向)に弾性的に圧縮され、これにより軸受隙間Cの幅が自動的に調整される。このとき、バックフォイル120のうち、平坦部121(図22参照)は圧縮力に対する剛性が相対的に低い部分となるため、バックフォイル120に圧縮力が負荷された際には、先ず平坦部121が変形して圧縮力を吸収する。従って、特許文献1に示されたような波形のバックフォイルに比べ、バックフォイル全体の剛性を小さくして、軸受面の柔軟性を高めることができる。
図24に示すように、トップフォイル110は、バックフォイル120に設けられた複数の上凸部122により、軸の回転方向と直交する方向(図24の左右方向)に離隔した複数箇所で背後から接触支持される。この場合、トップフォイル110のうち、バックフォイル120の上凸部122との接触部Aは剛性が高く、接触部Aの周囲は剛性が低くなる。従って、軸受隙間Cで生じる流体圧によりトップフォイル110がバックフォイル120に押し付けられると、図25に示すように、接触部Aの周囲の領域が、接触部Aよりもスラストカラー103から離反する側(図中下側)に変形し、これにより接触部Aの間の領域に凹部Bが形成される。この場合、図26に矢印で示すように、軸受隙間Cの小隙間部C2に押し込まれた流体が凹部Bを介して下流側に抜けやすくなるため、図23の下段に実線で示すように、大隙間部C1から小隙間部C2へ行くにつれて徐々に高まった流体圧Pが、小隙間部C2で早期に降下してしまい、支持力が低下する。
以上のような事情から、本発明は、トップフォイルが、軸の相対回転方向と直交する方向(以下、この方向を「回転直交方向」と言う。)に離隔した複数箇所でバックフォイルにより接触支持されたフォイル軸受において、軸受隙間における流体圧の低下を抑えて支持力を高めることを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、軸受面を有するトップフォイル部と、前記トップフォイル部を背後から弾性的に支持するバックフォイル部とを備え、軸の相対回転に伴って、前記軸と前記軸受面との間の軸受隙間に生じる流体圧で、前記軸を非接触支持するフォイル軸受において、前記バックフォイル部が、前記トップフォイル部を、前記軸の相対回転方向と直交する方向に離隔した複数箇所で接触支持する第一支持部と、前記第一支持部の下流側に設けられ、前記トップフォイル部を、前記相対回転方向と直交する方向で連続的に接触支持する第二支持部とを有することを特徴とする。
軸の相対回転に伴って軸受隙間における流体圧が高まると、トップフォイル部が、バックフォイル部の第一支持部により、回転直交方向に離隔した複数箇所で接触支持されるため、この接触支持部の周囲が軸から離反する側(軸受隙間を広げる側)に変形し、軸受面に凹部が形成される(図25参照)。本発明では、トップフォイル部のうち、凹部の下流側の領域が、バックフォイル部の第二支持部により、回転直交方向に連続的に接触支持されるため、この領域の剛性が高められる。その結果、軸受隙間における流体圧が高められたときでも、トップフォイル部のうち、バックフォイル部の第二支持部で支持された領域が、軸から離反する側に変形しにくくなるため、この領域に、前記凹部よりも一段高くなった(軸側に配された)堰が形成される。この場合、トップフォイル部の前記凹部を介して下流側に抜けた流体が、その下流側に形成された堰で堰き止められるため、軸受隙間からの流体の流出が抑えられる。従って、図21の下段に点線で示すように、軸受隙間Cの小隙間部C2における流体圧の低下が抑えられ、支持力が高められる。
バックフォイル部の第二支持部は、トップフォイル部に、回転直交方向の全域で連続的に接触することが好ましい。これにより、トップフォイル部の前記凹部の下流側に、回転直交方向の全長にわたって堰が形成されるため、流体圧の低下がより一層効果的に抑えられる。
前記第二支持部は、例えば、前記トップフォイル部側に凸となる湾曲部で構成ことができる。
また、上記のフォイル軸受では、例えば、バックフォイル部に、平坦部と、前記平坦部からトップフォイル部側に突出した複数の上凸部と、平坦部からトップフォイル部と反対側に突出した複数の下凸部とを設け、前記複数の上凸部で第一支持部を構成することができる。あるいは、バックフォイル部に、軸の回転方向に対して交差する方向に延びる複数の山部及び谷部を、前記相対回転方向で交互に有する波形部を設け、この波形部の山部で第一支持部を構成することができる。
以上のように、本発明によれば、軸受隙間における流体圧の低下が抑えられるため、フォイル軸受の支持力を高めることができる。
本発明の第一実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 フォイル軸受の平面図である。 フォイル軸受に設けられたトップフォイル及びバックフォイルの斜視図である。 バックフォイルの平面図である。 バックフォイルの斜視図である。 バックフォイルの下流側端部の断面図である。 他の例に係るバックフォイルの下流側端部の断面図である。 図2のV−V線断面図である。 トップフォイルの平面図である。 図9のU−U線断面図である。 図9のT−T線断面図である。 フォイル軸受の断面図である。 第二実施形態に係るバックフォイルの平面図である。 第三実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 上段は、第四実施形態に係るバックフォイルの平面図であり、下段は、前記平面図のY−Y線断面図である。 第五実施形態に係るバックフォイルの断面図である。 第六実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 図17のフォイル軸受のフォイルの平面図である。 第七実施形態に係るフォイルの平面図である。 図19のフォイルを有するフォイル軸受の斜視図である。 第八実施形態に係るフォイル軸受の断面図である。 先願において提案されたバックフォイルの斜視図である。 図22のバックフォイルを有するフォイル軸受の断面図である。 図23のW−W線における断面図であり、軸受隙間における流体圧が低い状態を示す。 図23のW−W線における断面図であり、軸受隙間における流体圧が高い状態を示す。 図23のフォイル軸受のトップフォイルの平面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明の第一実施形態に係るフォイル軸受10は、図1に示すように、軸2に設けられた円盤状のスラストカラー3との間に形成される空気膜で、軸2をスラスト方向に支持するスラストフォイル軸受である。フォイル軸受10は、円盤状のフォイルホルダ11と、フォイルホルダ11の端面11aに取り付けられたトップフォイル12及びバックフォイル13とを有する。本実施形態では、図2に示すように、複数(図示例では各6枚)の扇形のトップフォイル12及びバックフォイル13が、軸2の回転方向(フォイルホルダ11の周方向)で並べて配される。尚、以下では、軸2の回転方向先行側(図2の矢印R方向)、すなわち、軸2の回転時における、トップフォイル12に対する流体の流れ方向下流側を「下流側」と言い、その反対側を「上流側」と言う。
フォイルホルダ11は、金属や樹脂等で形成される。フォイルホルダ11は、軸2が挿入される内孔11bを有する中空円盤状を成している。フォイルホルダ11の一方の端面11aには複数のトップフォイル12及びバックフォイル13が取り付けられる。フォイルホルダ11の他方の端面11cは、フォイル軸受10が組み込まれる設備(例えばガスタービン等のターボ機械)のハウジングに固定される。
トップフォイル12及びバックフォイル13は、ばね性に富み、かつ加工性のよい金属で形成され、例えば鋼や銅合金で形成される。トップフォイル12及びバックフォイル13は、厚さ20μm〜200μm程度の金属薄板(フォイル)で形成される。本実施形態のように流体膜として空気を用いる空気動圧軸受では、雰囲気に潤滑油が存在しないため、ステンレス鋼もしくは青銅でトップフォイル12及びバックフォイル13を形成するのが好ましい。
トップフォイル12は、軸受面Xを有するトップフォイル部Tfとして機能する。トップフォイル12は、図2及び図3に示すように、凹凸の無い滑らかな軸受面Xを有する。トップフォイル12の上流側の端部12aは、フォイルホルダ11の端面11aに溶接等により固定される。トップフォイル12の下流側の端部12bは自由端である。トップフォイル12は、平板状のフォイルに打ち抜き加工や放電加工を施すことにより形成される。
バックフォイル13は、トップフォイル12を背後から支持するバックフォイル部Bfとして機能する。バックフォイル13は、平面視でトップフォイル12と略同形状の扇形をなし、トップフォイル12の真下に重ねて配されている(図3参照)。バックフォイル13の上流側の端部13aは、フォイルホルダ11の端面11aに溶接等により固定される。
バックフォイル13は、図4に示すように、周方向両端を除く大部分を占める第一領域Q1と、下流側の端部に設けられた第二領域Q2とを有する。バックフォイル13の第一領域Q1には、半径方向に離隔した複数箇所でトップフォイル12と接触する第一支持部が設けられる。本実施形態では、図5に示すように、第一領域Q1に、平坦部13bと、平坦部13bからトップフォイル12側に突出した複数の上凸部13cと、平坦部13bからトップフォイル12と反対側に突出した複数の下凸部13dとが設けられ、上凸部13cが第一支持部を構成する。尚、上凸部13c及び下凸部13dは、これらの相対的な位置関係を理解しやすいように「上」「下」を付した名称としているが、これはフォイル軸受10の使用態様を限定する趣旨ではない。
バックフォイル13の平坦部13b、上凸部13c、下凸部13d、及び後述する湾曲部13eは、均一な肉厚を有する。上凸部13cおよび下凸部13dは、何れも概略半球状に形成される。上凸部13cおよび下凸部13dの内側は中空状になっているため、バックフォイル13を表裏の一方側、例えば図4のように表側(トップフォイル12側)から見た場合、下凸部13dが存在する領域は凹部となる。尚、図4では、理解しやすいように、凹部となる下凸部13dにハッチングを付している。上凸部13c及び下凸部13dの全周に、平坦部13bが設けられる。上凸部13c及び下凸部13dは、それぞれ第一領域Q1の全域に分散して配置される。上凸部13cはトップフォイル12の裏面(軸受面Xと反対側の面)に接触し、下凸部13dはフォイルホルダ11の端面11aに接触する。
バックフォイル13の第二領域Q2には、半径方向でトップフォイル12と連続的に接触する第二支持部が設けられる。本実施形態では、第二領域Q2に、トップフォイル12側に凸となる湾曲部13eが設けられ、この湾曲部13eで第二支持部が構成される。湾曲部13eは、半径方向で連続的に延び、例えばトップフォイル12の下流側端部12b(自由端)の縁に沿う方向、図示例では半径方向に沿って延びる。湾曲部13eは、第二領域Q2の半径方向全域に設けられ、トップフォイル12の半径方向の全域に連続的に接触する。図6に示すように、湾曲部13eの頂部に設けられた略円筒状の曲面部が、トップフォイル12に接触している。湾曲部13eの上流側の端部は、第一領域Q1の平坦部13bと連続している。湾曲部13eの下流側の端部は、フォイルホルダ11の端面11aに沿うように湾曲している。これにより、湾曲部13eが圧縮されたときに、湾曲部13eの下流側の端部を、フォイルホルダ11の端面11a上で滑らせながらスムーズに変形させることができる。
尚、図7に示すように、湾曲部13eの下流側の端部を、フォイルホルダ11の端面11aから離反させてもよい。この場合、湾曲部13eが軸方向で変位しやすくなり、バックフォイル13が圧縮されたときの剛性を抑えることができる。
バックフォイル13は、フォイルをプレス加工することで形成される。本実施形態では、打ち抜き加工や放電加工により所定形状の平板状のフォイル素材を形成した後、このフォイル素材にプレス加工を施して、平坦部13b、上凸部13c、下凸部13d、及び湾曲部13eを同時に成形することで、バックフォイル13が形成される。尚、フォイル素材の打ち抜きと、平坦部13b、上凸部13c、下凸部13d、及び湾曲部13eの成形とを、プレス加工で同時に行うこともできる。上凸部13c及び下凸部13dを含めたバックフォイル13全体の厚さ方向寸法(軸方向寸法)は0.5〜2mm程度である。上凸部13c及び湾曲部13eの平坦部13bに対する突出量は同程度である。尚、図4に示す上凸部13cおよび下凸部13dの配置パターンは例示にすぎず、必要に応じて図4とは異なる任意の配置パターンを採用することができる。
図8に示すように、軸2及びスラストカラー3が周方向一方(矢印R方向)に回転すると、フォイル軸受10の各トップフォイル12の軸受面Xとスラストカラー3の端面3aとの間に軸受隙間Cが形成される。このとき、トップフォイル12が湾曲することで、軸受隙間Cは、下流側へ行くにつれて狭くなった楔状を成す。この楔状の軸受隙間Cの大隙間部C1の空気が小隙間部C2に押し込まれることにより、軸受隙間Cの空気膜の圧力が高められ、この圧力により軸2及びスラストカラー3がスラスト方向に非接触支持される。このとき、トップフォイル12の軸受面Xが、荷重や軸2の回転速度、周囲温度等の運転条件に応じて弾性変形することで、軸受隙間Cが運転条件に応じた適切幅に自動調整される。そのため、高温・高速回転といった過酷な条件下でも、軸受隙間Cを最適幅に管理することができ、軸2を安定して支持することが可能となる。
上記のように、軸受隙間C(特に、小隙間部C2)における空気圧が高められると、トップフォイル12がバックフォイル13に押し付けられる。具体的には、トップフォイル12の上流側端部12a及び下流側端部12bを除く大部分が、バックフォイル13の上凸部13cで接触支持されると共に、トップフォイル12の下流側端部12b付近の領域が、バックフォイル13の湾曲部13eで接触支持される。このとき、トップフォイル12のうち、バックフォイル13の上凸部13c(第一支持部)が接触した接触部Aは剛性が高く、接触部Aの周囲は剛性が低い。従って、図9〜11に示すように、トップフォイル12のうち、接触部Aの半径方向間の領域が、接触部Aよりもフォイルホルダ11側(図10及び図11の下方)に変形し、この領域に凹部Bが形成される。一方、トップフォイル12のうち、バックフォイル13の湾曲部13e(第二支持部)が接触した領域は、剛性が高く、空気圧によりフォイルホルダ11側に変形しにくいため、この領域に、凹部Bよりも一段高くなった堰Dが形成される。この堰Dは、半径方向で連続的に延び、本実施形態ではトップフォイル12の半径方向全長にわたって延びる(図9参照)。
軸2の回転に伴って小隙間部C2に押し込まれた空気は、トップフォイル12の凹部Bを通って下流側に抜ける(図9及び11の矢印S参照)。しかし、凹部Bの下流側には、半径方向で連続的に延びる堰Dが設けられているため、空気の下流側への流動が規制される。これにより、小隙間部C2から下流側に空気が抜けにくくなり、小隙間部C2における空気圧の低下が抑えられるため(図23の下段の点線参照)、フォイル軸受10の支持力を高めることができる。
また、軸2の回転中は、図12に示すように、軸受隙間Cで生じる空気圧によりトップフォイル12が圧力Pを受けるため、バックフォイル13には、トップフォイル12を介して圧力P方向の圧縮力が作用する。平坦部13bは圧力P方向と直交する方向に延びる薄板状であるため、バックフォイル13の中でも前記圧縮力に対する剛性の低い部分となる。そのため、バックフォイル13に圧縮力が負荷されると、図12の二点鎖線で示すように先ず平坦部13bが変形して圧縮力を吸収する。従って、そのような平坦部分を有しない、既存のバンプ型フォイル軸受のバックフォイル部に比べ、バックフォイル13の剛性を局所的に小さくすることができる。これにより、軸受面Xの柔軟性が高まるため、軸2の変位等に対して軸受面Xが追従変形し易くなり、軸受隙間Cを最適幅に自動調整して、スラストカラー3とトップフォイル12との接触を確実に防止することが可能となる。
尚、軸2の停止直前や起動直後の低速回転時には、各トップフォイル12の軸受面Xとスラストカラー3の端面3aとが接触摺動するため、これらの何れか一方または双方に、DLC膜、チタンアルミナイトライド膜、二硫化タングステン膜、あるいは二硫化モリブデン膜等の低摩擦化被膜を形成してもよい。
また、軸2の回転中は、トップフォイル12とバックフォイル13、あるいは、バックフォイル13とフォイルホルダ11の端面11aとの間に微小摺動が生じる。この微小摺動による摩擦エネルギーにより、軸2の振動を減衰させることができる。このような微小摺動による摩擦力を調整するために、互いに摺動する面の何れか一方または双方に、上記のような低摩擦化被膜を形成してもよい。
本発明は、上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と重複する点については説明を省略する。
上記のフォイル軸受10において、バックフォイル13の第一領域Q1に設けられる上凸部13c及び下凸部13dの分布密度を場所によって変えることで、軸受面Xの剛性を部分的にコントロールすることができる。例えば、図13に示す第二実施形態では、上凸部13c及び下凸部13dの密度が、下流側に行くにつれて高くなっている。この場合、バックフォイル13の圧縮方向(軸方向)の剛性が下流側に行くにつれて高くなる。これにより、トップフォイル12の軸受面Xが、下流側に行くにつれて、スラストカラー3から離反する方向(軸受隙間Cを広げる方向)に変形しにくくなるため、楔状の軸受隙間Cが形成されやすくなる。尚、図13では、バックフォイル13を簡略化して、矩形で示している。
また、上記のフォイル軸受10において、バックフォイル13の第一領域Q1に設けられる上凸部13c及び下凸部13dの高さを場所によって変えることで、所定形状の軸受面を得ることができる。例えば、図14に示す第三実施形態では、上凸部13c及び下凸部13dを含むバックフォイル13の高さ(軸方向寸法)が、下流側に行くにつれて大きくなっている。これにより、トップフォイル12の軸受面Xが、下流側に行くにつれてスラストカラー3側に変位した形状となりやすくなり、楔状の軸受隙間Cが形成されやすくなる。
図15に示す第四実施形態では、バックフォイル13の第一領域Q1に波形部13fを設けている。波形部13fは、軸2の回転方向と交差する方向に沿って延びる複数の山部13f1及び谷部13f2を、軸2の回転方向で交互に有する。波形部13fの山部13f1が、トップフォイル12を背後から接触支持する第一支持部を構成する。山部13f1及び谷部13f2は、バックフォイル13の下流側端部の縁と交差する方向に延び、図示例では、バックフォイル13の上流側端部13aの縁と平行な方向に延びる。この場合、第一領域Q1の下流側端部では、山部13f1が半径方向に離隔した複数箇所に設けられ、これらの山部13f1がトップフォイル12に接触する。第二領域Q2には、上記の実施形態と同様に湾曲部13eが設けられる。
図15に示すような波形部13fを有するバックフォイル13は、例えばプレス加工により形成することができる。この場合、平板状のフォイル素材が波形に曲げられるため、その分だけ平面視における寸法(山部13f1の延在方向と直交する方向の寸法)が縮小する。従って、プレス加工を施す前の平板状のフォイル素材は、プレス加工による寸法の縮小を考慮して形状及び寸法を設定する必要があるため、設計が非常に複雑となる。
これに対し、図5に示すようなディンプル状の上凸部13c及び下凸部13dを有するバックフォイル13は、平板状のフォイル素材にプレス加工を施し、局部的に材料を引き延ばして上凸部13c及び下凸部13dを成形することができる。この場合、プレス加工により、平面視における全体寸法はほとんど変化しないため、上凸部13c及び下凸部13dを自由に設計することが可能となり、バックフォイル13の設計が容易化される。
図16に示す第五実施形態は、バックフォイル部Bfの第二支持部が棒状部材15で構成される。棒状部材15は、金属や樹脂で形成される。棒状部材15は、半径方向で連続的に延び、例えばトップフォイル12の下流側端部12bの縁に沿う方向、具体的には半径方向に沿って延びる。棒状部材15は、バックフォイル13の第二領域Q2の表面(トップフォイル12側の面)に、溶接等により固定される。軸受隙間Cの圧力が高まると、棒状部材15が、トップフォイル部Tfに半径方向で連続的に接触する。棒状部材15の断面形状は図16に限らず、例えば上に凸の半円形状としてもよい。
図17に示す第六実施形態では、トップフォイル部Tf及びバックフォイル部Bfを一体に有するフォイル部材14を備える(バックフォイル部Bfは散点模様で示す)。各フォイル部材14の上流側の端部が、フォイルホルダ11に取り付けられる。複数のフォイル部材14をフォイルホルダ11に取り付けた状態では、各フォイル部材14のトップフォイル部Tfとフォイルホルダ11との間に、隣接するフォイル部材14のバックフォイル部Bfが配される。図18に示すように、各フォイル部材14のバックフォイル部Bfの第一領域Q1には、半径方向に離隔した複数箇所でトップフォイル部Tfを接触支持する第一支持部が設けられる。図示例では、第一領域Q1に、平坦部13b、第一支持部としての上凸部13c(白抜き円)、及び下凸部13d(ハッチング円)が設けられる。各フォイル部材14のバックフォイル部Bfの第二領域Q2には、トップフォイル部Tfを半径方向で連続的に接触支持する第二支持部が設けられ、図示例では、第二支持部として湾曲部13eが設けられる。
図19に示す第七実施形態では、図17に示す実施形態と同様に、各フォイル部材14がトップフォイル部Tf及びバックフォイル部Bfを有しているが、各フォイル部材14の形状が図18に示す実施形態と異なる。図19のフォイル部材14は、トップフォイル部Tf及びバックフォイル部Bfを有する本体14aと、本体14aから外径側に延び、フォイルホルダ11に固定される固定部14bとを有する。本体14aの下流側端部の縁14a1及び上流側端部の縁14a2は、何れも半径方向中央部を下流側に膨らませた形状を成している。バックフォイル部Bfには、平坦部13b、第一支持部としての上凸部13c(白抜き円)、下凸部13d(ハッチング円)、および第二支持部としての湾曲部13eが設けられる。湾曲部13eは、本体14aの下流側端部の縁14a1と略平行な方向に延びる。このように、湾曲部13eは、必ずしも半径方向と平行である必要はなく、半径方向で連続的にトップフォイル部Tfと接触可能な形状であればよい。図19に示すフォイル部材14をフォイルホルダ11に取り付けると、図20に示すように、各フォイル部材14のバックフォイル部Bfは隣接するフォイル部材14のトップフォイル部Tfの背後に隠れ、トップフォイル部Tfのみが表側(スラストカラー側)に露出した状態となる。
以上の実施形態では、本発明をスラストフォイル軸受に適用した場合を示したが、本発明は、軸をラジアル方向に支持するラジアルフォイル軸受に適用することもできる。例えば、図21に示す第八実施形態は、いわゆるリーフ型のラジアルフォイル軸受20に本発明を適用したものである。このラジアルフォイル軸受20は、円筒状のフォイルホルダ21と、フォイルホルダ21の内周面21aに周方向に並べて取り付けられた複数のフォイル部材22とを有する。各フォイル部材22のうち、下流側の領域がトップフォイル部Tfとして機能し、上流側の領域がバックフォイル部Bfとして機能する。各フォイル部材22のバックフォイル部Bf(散点模様で示す)には、上記の実施形態と同様に、回転直交方向(軸方向)に離隔した複数箇所に第一支持部(例えば上凸部)が設けられると共に、その下流側に、トップフォイル部Tfに軸方向で連続的に接触する第二支持部(例えば湾曲部)が設けられる。軸2の回転時には、トップフォイル部Tfの軸受面と軸2の外周面との間に軸受隙間Cが形成される。
以上の実施形態では、第二支持部(湾曲部)が、トップフォイル部Tfの回転直交方向全域と接触する場合を示したが、これに限らず、例えば、第二支持部の回転直交方向寸法を、トップフォイル部Tfよりも若干小さくし、第二支持部で、トップフォイル部Tfの回転直交方向端部を除く領域を接触支持するようにしてもよい。
また、以上の実施形態では、フォイル軸受を固定し、軸2を回転させた場合を示したが、これに限らず、軸2を固定し、フォイル軸受を回転させてもよい。ただし、フォイル軸受を回転させると、遠心力でフォイルが破損する恐れがあるため、上記の実施形態のようにフォイル軸受を固定することが好ましい。
また、以上に示したフォイル軸受は、例えばガスタービンやターボチャージャ(過給機)等のターボ機械の主軸用軸受、自動車等の車両用軸受、あるいは産業機器用の軸受等として使用することが可能である。
また、以上に述べたフォイル軸受は、圧力発生流体として空気を使用した空気動圧軸受のみならず、圧力発生流体として潤滑油を使用した油動圧軸受としても使用することができる。
2 軸
3 スラストカラー
10 フォイル軸受
11 フォイルホルダ
12 トップフォイル
13 バックフォイル
13b 平坦部
13c 上凸部(第一支持部)
13d 下凸部
13e 湾曲部(第二支持部)
Tf トップフォイル部
Bf バックフォイル部
C 軸受隙間
C1 大隙間部
C2 小隙間部
X 軸受面

Claims (5)

  1. 軸受面を有するトップフォイル部と、前記トップフォイル部を背後から弾性的に支持するバックフォイル部とを備え、軸の相対回転に伴って、前記軸と前記軸受面との間の軸受隙間に生じる流体圧で、前記軸を非接触支持するフォイル軸受において、
    前記バックフォイル部が、前記トップフォイル部を、前記軸の相対回転方向と直交する方向に離隔した複数箇所で接触支持する第一支持部と、前記バックフォイル部の下流側端部に設けられ、前記トップフォイル部を、前記相対回転方向と直交する方向で連続的に接触支持する第二支持部とを有することを特徴とするフォイル軸受。
  2. 前記バックフォイル部の第二支持部が、前記トップフォイル部に、前記相対回転方向と直交する方向の全域で連続的に接触する請求項1に記載のフォイル軸受。
  3. 前記バックフォイル部の第二支持部が、前記トップフォイル部側に凸となる湾曲部で構成された請求項1又は2に記載のフォイル軸受。
  4. 前記バックフォイル部が、平坦部と、前記平坦部から前記トップフォイル部側に突出した複数の上凸部と、前記平坦部から前記トップフォイル部と反対側に突出した複数の下凸部とを有し、前記複数の上凸部が前記第一支持部を構成する請求項1〜3の何れか1項に記載のフォイル軸受。
  5. 前記バックフォイル部が、前記相対回転方向に対して交差する方向に延びる複数の山部及び谷部を、前記相対回転方向で交互に有する波形部を備え、前記複数の山部が前記第一支持部を構成する請求項1〜3の何れか1項に記載のフォイル軸受。
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