JP6649688B2 - 焼き菓子 - Google Patents

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Description

本発明は、焼き菓子およびその製造方法に関する。
焼き菓子とは焼いて作る菓子の総称である。和菓子には、せんべい、茶通、鯛焼きなどがある。洋菓子には、クッキー、ビスケット、マドレーヌなどがある。
和菓子のせんべい、茶通、鯛焼き、あるいは洋菓子のクッキー、ビスケット、マドレーヌは、いずれも澱粉を含む米(米粉)や小麦粉を主原料としている。
クッキーやビスケットでは、表面と内部で大きな食感の違いはなく、均一で比較的硬い食感である。また、マドレーヌでは、全体的に柔らかな食感である。
例えば、特許文献1(特開2008−136479)に記載の焼き菓子では、チーズ、最大膨潤力30以上の澱粉、トレハロースを含む焼き菓子であって、表面及び内部全体がカリカリした食感を有することが開示されている(請求項、段落0008)。
特開2008−136479号公報
このように、従来の焼き菓子は、表面と内部の食感に大きな違いがなく、均一の食感であった。そこで、本発明では、焼き菓子の表面(外側)がクリスピーな食感であるにもかかわらず、内部(内側)がサクサクとした軽い食感である新規な焼き菓子およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意研究の結果、生地原料として
(a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
(b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
(c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
を所定量含有し、生地表面に水を塗布したのち、焼成することで、外側がクリスピーな食感であって、内側がサクサクとした軽い食感を有する新規な焼き菓子が得られることを見出した。
本発明によれば、外側と内側の食感の異なる焼き菓子を得ることができる。
本発明は、生地原料として
(a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
(b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
(c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
を含有し、生地表面に水を塗布した後、焼成することで得られる焼き菓子であって、
前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダーおよび前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下である、
前記焼き菓子である。
前記糖類は、30メッシュ篩下の含量が50質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記糖類がショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトールおよびトレハロースのいずれか一種または二種以上であることが好ましい。
前記糖類は、ショ糖、ブドウ糖、乳糖およびマルチトールから選ばれる一種又は二種以上を50質量%以上含むことが好ましい。
前記生地原料に含有する前記糖類、前記チーズパウダー、前記粉乳および前記油脂の合計が85質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が35質量部以上60質量部以下であることが好ましい。
前記油脂30質量部に対し、前記糖類が13質量部以上45質量部以下であることが好ましい。
前記油脂の35℃における固体脂含量が0.5%以上4.8%以下であることが好ましい。
前記水の量は、生地質量5gに対し0.03g以上0.25g以下であることが好ましい。
前記水の量は、水を塗布した生地面積に対し、0.18g/100cm以上1.6g/100cm以下であることが好ましい。
また、本発明は、焼き菓子の製造方法であって、
(a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
(b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
(c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
を生地原料として含有し、前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下となるように前記生地原料を配合する工程、
配合した前記生地原料を混合し、生地を作製する工程、
前記生地に水を塗布する工程、および、
水を塗布した前記生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
を含む、前記製造方法である。
また、本発明は、焼き菓子の製造方法であって、
(a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
(b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
(c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
を生地原料として含有し、前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下となるように前記生地原料を配合する工程、
配合した前記生地原料を混合し、生地を作製する工程、
前記生地を成型する工程、
成型した前記生地に水を塗布する工程、および、
水を塗布した前記生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
を含む、前記製造方法である。
本発明で使用される糖類は、単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類であって、通常食用として用いられるものを使用できる。
また、前記糖類は、30メッシュ篩下の含量が好ましくは50質量%以上100質量%以下であり、より好ましくは70質量%以上100質量%以下であり、さらに好ましくは85質量%以上100質量%以下であり、特に好ましくは90質量%以上100質量%以下である。
また、前記糖類は、150メッシュ篩上60メッシュ篩下の含量が好ましくは10質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは15質量%以上65質量%以下であり、さらに好ましくは18質量%以上60質量%以下であり、特に好ましくは20質量%以上55質量%以下である。
また、前記糖類は、例えば、ブドウ糖、マンノース、ショ糖、乳糖、麦芽糖、トレハロース、ラフィノース、マルトトリオース等である。また、還元して得られる糖アルコール、例えば、マルチトール等も含まれる。前記糖類は、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトールおよびトレハロースのいずれか一種または二種以上であることが好ましい。また、前記糖類は、ショ糖、ブドウ糖、乳糖およびマルチトールから選ばれる一種または二種以上を50質量%以上100質量%以下含むことが好ましく、55質量%以上100質量%以下含むことがより好ましく、60質量%以上100質量%以下含むことがさらに好ましい。
本発明で使用されるチーズパウダーは特に限定されない。一般的に、ロマノチーズやパルメザンチーズ等の超硬質系チーズを粉砕し、流動層乾燥機等により脱水し、粉末化して製造されたものや、チェダーチーズやゴーダチーズ等を粉砕、溶融してプロセスチーズにしたものをベルト乾燥機または噴霧乾燥機により脱水し、粉末化して製造したもの等がある。本発明において、チーズパウダーの水含量は、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。所定の水含量とすることで外側と内側の食感の異なる良好な焼き菓子とすることができる。
本発明で使用される粉乳とは、牛乳を濃縮乾燥し、粉末状にしたものであり、例えば、脱脂粉乳、全脂粉乳等がある。本発明では、脱脂粉乳、全脂粉乳いずれも使用でき、単独または併用のいずれでもよい。
本発明で使用される油脂の20℃における固体脂含量は、4%以上65%以下であり、通常市販されているものを使用することができる。前記油脂の20℃における固体脂含量は、好ましくは5%以上60%以下であり、より好ましくは10%以上50%以下であり、さらに好ましくは10%以上40%以下であり、特に好ましくは15%以上28%以下であり、最も好ましくは18%以上25%以下である。また、前記油脂の35℃における固体脂含量は、好ましくは0.5%以上18%以下であり、より好ましくは1%以上4%以下であり、さらに好ましくは1.5%以上2.8%以下である。所定の固体脂含量の油脂を使用することで良好な食感を得ることができる。
また、前記油脂は可塑化してもよい。可塑性油脂は一般的な方法で製造すればよい。具体的には、油脂を、コンビネーター、パーフェクター、ボテーターなどに代表される掻き取り式熱交換器を通すことで急冷・混捏した後、箱に充填し、保温庫にて一定時間保持する熟成工程(テンパリング)を経て得ることができる。
また、前記油脂には、製造する業界で公知の添加剤を、本発明の目的を阻害しない範囲で、適宜、添加してもよい。
本発明の焼き菓子の生地原料の混合方法は、特に限定されることはなく、一般的なビスケット等と同様の条件で混合することができる。また、生地原料を混合し、得られた生地を、ビスケット製造機として一般的なワイヤーカット、絞り機等で成型することができる。
本発明では、生地に水を塗布する。前記水の量は、生地質量5gに対し0.03g以上0.3g以下であることが好ましく、0.05g以上0.3g以下であることがより好ましく、0.08g以上0.25g以下であることがさらに好ましく、0.08g以上0.14g以下であることが特に好ましい。
また、前記水の量は、前記水を塗布した生地面積に対し、0.18g/100cm以上1.8g/100cm以下であることが好ましく、0.3g/100cm以上1.6g/100cm以下であることがより好ましく、0.4g/100cm以上1.6g/100cm以下であることがさらに好ましく、0.45g/100cm以上0.9g/100cm以下であることが特に好ましい。水を塗布する面積は、生地の形等により異なるが、生地質量あたり1cm/g以上5cm/g以下が好ましい。
生地への水の塗布方法は特に問わないが、霧吹き等による噴霧が好ましい。また、生地への水の塗布は成型前後いずれでも良いが、均質な焼き菓子を得る観点から、成型後の生地に水を塗布するほうが好ましい。
水を塗布した生地は、通常のビスケット等で用いる条件で焼成することができる。焼成の条件は、好ましくは150〜270℃、2〜60分で、より好ましくは160〜250℃、2〜30分である。また、生地の保存条件にもよるが、水を塗布した後、3時間以内に焼成することが好ましく、30分以内に焼成することがより好ましく、水を塗布した直後に焼成することがさらに好ましい。
前記生地は単独での焼成の他、ビスケット生地(ハードビスケット、クラッカー、パイ、クッキー)と組み合わせた包あんや副原料(穀物粉、加工穀物粉、ナッツ類、膨化型スナック食品、チョコレートチップ等)等の配合をおこなったのち、成型焼成してもよい。
本発明は、生地原料として
(a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
(b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
(c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
を含有する。
前記生地原料の配合は、前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダーと前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下であり、好ましくは28質量部以上70質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上65質量部以下であり、さらに好ましくは35質量部以上60質量部以下であり、特に好ましくは35質量部以上55質量部以下である。前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダーと前記粉乳の合計が25質量部より少ない、あるいは、80質量部より多いと生地を成型することができず、一方、所定の配合割合とすることで、食感に優れた焼き菓子を得ることができる。
さらに、前記生地原料の配合は、前記油脂30質量部に対し、前記糖類が8質量部以上60質量部以下であり、好ましくは10質量部以上50質量部以下であり、より好ましくは13質量部以上45質量部以下であり、さらに好ましくは15質量部以上40質量部以下であり、特に好ましくは18質量部以上28質量部以下である。前記油脂30質量部に対し、前記糖類が60質量部より多いと生地を成型することができず、一方、所定の配合割合とすることで、食感に優れた焼き菓子を得ることができる。
前記チーズパウダーは、前記チーズパウダーと前記粉乳の合計に対し、25質量%以上100質量%以下であることが好ましく、40質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることがさらに好ましく、80質量%以上100質量%以下であることが特に好ましく、90質量%以上100質量%以下であることが最も好ましい。前記チーズパウダーを所定の割合とすることで、外観や食感に優れた焼き菓子とすることができる。
前記生地は、前記糖類、前記チーズパウダー、前記粉乳、および、前記油脂を生地原料に対し85質量%以上100質量%以下含有することが好ましく、88質量%以上100質量%以下含有することがより好ましく、90質量%以上100質量%以下含有することがさらに好ましく、94質量%以上100質量%以下含有することが特に好ましい。前記範囲とすることで、特に成型性に優れた焼き菓子を得ることができる。なお、前記生地原料とは、前記糖類、前記粉乳、前記チーズパウダー、前記油脂、小麦粉、澱粉のことである。
また、本発明の焼き菓子には、通常、クッキー等で使用される副原料を用いてもよい。副原料としては、例えば、チーズフレーバー等の香料、抹茶パウダー、ココアパウダー等のパウダー類、胡椒等の香辛料、米パフ、チョコチップ等である。また、本発明の目的を阻害しない範囲で添加される、レシチン等の乳化剤等も含まれる。
また、本発明の焼き菓子の生地を外生地として使用した焼き菓子としてもよい。
以下に、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明の主旨はこれらに限定されるものではない。
実施に際しては、以下のものを使用した。
<油脂>
アトランタ−F(株式会社J−オイルミルズ社製)
菜種油(株式会社J−オイルミルズ社製)
TスペシャルM(株式会社J−オイルミルズ社製)
Sスペシャル100(株式会社J−オイルミルズ社製)
ABS−ソフト(株式会社J−オイルミルズ社製)
ABS−VFH(株式会社J−オイルミルズ社製)
<糖類>
粉糖(ショ糖) 「粉糖(純糖)」(株式会社上原社製)
ブドウ糖 「無水結晶ブドウ糖」(昭和産業株式会社製)
乳糖 「乳糖 (含水乳糖)」(LEPRINO社製)
麦芽糖 「サンマルトS」(株式会社林原社製)
マルチトール 「アマルティーMR50」(三菱商事フードテック株式会社製)
トレハロース 「トレハ微粉」(株式会社林原社製)
<チーズパウダー>
チーズパウダーA
「G&Cパウダーグリーン」(三協食品工業株式会社製)(水含量 4.8質量%)
チーズパウダーB
「チーズパウダーLL」(和光堂株式会社製)(水含量 4.0質量%)
チーズパウダーC
「チェダーチーズパウダー」(ユニテックフーズ社製)(水含量 4.2質量%)
チーズパウダーD
「パウダーゴールド」(株式会社宝幸社製)(水含量 4.5質量%)
<粉乳>
脱脂粉乳 「脱脂粉乳」(北海道乳業株式会社製)
全脂粉乳 「全粉乳」(北海道乳業株式会社製)
<その他>
小麦粉 「ハート」(日本製粉株式会社製)
コーンフレーク 「コーンフレーク」(日本ケロッグ合資会社製)
使用した油脂の固体脂含量を表1にまとめた。
油脂の固体脂含量(SFC)(%)は、以下のようにして測定した。

NMR用ガラスチューブに溶融した油脂を定量充填し、60℃の恒温槽で30分間保温した。0℃で1時間保温し、結晶を析出させた。計測温度に温調した恒温槽に移し、30分後に、NMR分析装置(the minispec , mq 20 NMR Analyzer BRUKER社製)を用いて固体脂含量(SFC)(%)を測定した。
使用した糖類の粒度分布を表2にまとめた。粒度分布の測定は、以下のようにおこなった。また、30メッシュ篩下の含量は、「100質量%−30メッシュ篩上含量(質量%)」として算出し、150メッシュ篩上60メッシュ篩下の含量(表2の「150M篩上」に相当)も合わせて併記した。
(粒度分布の測定方法)
目開きの異なる4段の篩に蓋と受け皿を用いた、4段式の篩を用いて篩試験をおこなった。内径が200mmの各篩は、上から順にJIS―Z8801―1規格の目開きが、それぞれ500μm、250μm、150μm、75μm(30メッシュ篩、60メッシュ篩、150メッシュ篩、200メッシュ篩;以下、メッシュをMと略す場合がある)と重ね、多段とした。目開き500μmの篩上に、試料約50gを乗せ、篩振盪機(レッチェ社製、ふるい振とう機AS200ベーシック)にてAmplitudeの目盛りを60に合わせて10分間振盪した。その後、タッピングして内壁や篩面に付着した試料を落とし、各篩上および受け皿の試料質量を記録した。粒度分布は質量の含量(質量%)として示した。
(チーズパウダーの水含量の測定)
オーブン乾燥減量方式の水分測定器(Sartorius社製 MA35)のサンプル皿に約5gのチーズパウダーを載せた。120℃の加熱温度で測定(乾燥)を開始し、終了後に測定器に表示された水分量から、チーズパウダーの水含量(質量%)を算出した。
<生地の作製と焼成>
所定量の生地原料を配合し、均一になるように混合し、生地を得た。得られた生地は、押し出し成型機の作業性まで確認できる手延ばしで13mmの厚みに展延させた後、高さ13mm、幅15mm、長さ30mmの直方体(5g)に成型した。
成型した生地は焼成直前に底辺を除く全面(16.2cm)に加圧噴霧器を用いて水を均一に噴霧し、生地5g当たりの水の質量を測定した。水を噴霧した生地は、180℃、5分間焼成をおこなった。
なお、特に記載のない場合は、原料の配合の単位は質量部である。
生地成型性および焼成後得られた焼き菓子を以下の基準で評価した。
<成型性>
生地を成型する際に、延ばしやすさ、カットのしやすさを評価した。

◎ 生地を容易に延ばせ、さらに、カットしやすい
〇 生地を容易に延ばせる
△ 生地を普通に延ばせる
× 生地を延ばせない、あるいは、延ばしにくい
<外観>
焼成後、20℃、7日後の成型形状を評価した。

◎ 成型形状が維持される
〇 成型形状がほぼ維持される
△ 成型形状がやや維持される
× 焼きダレが大きく、成型形状を全く維持していない、あるいは、変形する
<風味>
焼成後、20℃、7日後に食し、風味を評価した。

◎ バランスが非常に良い
○ バランスが良い
△ バランスがやや良い
× バランスが悪い
<食感>
焼成後、20℃、7日後に食し、食感を評価した。

<食感(外側)>
◎ クリスピー感が非常に良い
○ クリスピー感が良い
△ クリスピー感がやや良い
× クリスピー感が悪い

<食感(内側)>
◎ 口あたりが柔らかく、サクサクとした軽い食感
○ サクサクとした軽い食感
△ やや軽い食感
× 噛み切れない、あるいは、硬い食感

<食感(総合)>
◎ 外側と内側のバランスが非常に良い
○ 外側と内側のバランスが良い
△ 外側と内側のバランスがやや良い
× 外側と内側のバランスが悪い
(水塗布の有無)
表3に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表3に示す。
実施例3−1〜3に示したように、生地表面に水を塗布することで、外側と内側の食感に優れた焼き菓子を得ることができた。
一方、比較例3−1では、生地表面に水を塗布していないため、外側の食感に充分なクリスピー感が得られず、総合的な食感も充分ではなかった。
(油脂の検討 1)
表4に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表4に示す。
実施例4−1〜3で配合した油脂では、成型性、風味、食感の良い焼き菓子を作ることができた。特にアトランタ−Fを用いた焼き菓子では、成型性、外観、外側の食感に優れた焼き菓子を得ることができた。
一方、比較例4−1で配合した油脂では、充分な成型性を得ることができず、水を塗布しても外側の食感に優れた焼き菓子を得ることはできなかった。
(油脂の検討 2)
表5に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表5に示す。
実施例5−1〜3で配合した油脂では、成型性、風味、食感の良い焼き菓子を作ることができた。特にABS−ソフトでは、優れた成型性と外観に加え、風味、食感すべてにおいて、良好な焼き菓子を得ることができた。
(糖類の検討 1)
表6に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表6に示す。
実施例6−1〜6で配合した糖類は、いずれも成型性、外観、風味に優れていた。特に、粉糖(ショ糖)、ブドウ糖、乳糖、マルチトールでは、外側の食感と総合的な食感に優れた焼き菓子を得ることができた。
(糖類の検討 2)
表7に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表7に示す。
実施例7−1〜6で示したように二種類の糖類を配合した場合にも、食感等に優れた焼き菓子を得ることができた。
(糖類の検討 3)
表8に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表8に示す。
実施例8−1〜7で示したように糖類の合計に対し、乳糖が60質量%以上含まれると、特に食感に優れた焼き菓子を得ることができた。
(チーズパウダーの検討)
表9に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表9に示す。
実施例9−1〜4で配合したチーズパウダーでは、いずれも食感等に優れた焼き菓子を得ることができた。
(配合比の検討 1)
表10に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表10に示す。
表10に示すように、油脂30質量部に対し、チーズパウダーを20質量部以下あるいは100質量部以上では充分な成型性を得ることができず、焼き菓子を作れなかった。
一方、油脂30質量部に対し、チーズパウダーを30〜60質量部配合した場合には、外側の食感等の良好な焼き菓子が得られ、40〜60質量部配合した場合には、特に食感の優れた焼き菓子を得ることができた。
(配合比の検討 2)
表11および表12に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表11および表12に示す。
表11および表12に示すように、油脂30質量部に対し、糖類を5質量部以下あるいは75質量部以上では外側の食感の良好な焼き菓子を作ることができなかった。
一方、油脂30質量部に対し、糖類を10〜50質量部配合した場合には、外側の食感等の良好な焼き菓子が得られ、15〜40質量部配合した場合には、食感のより良好な焼き菓子が得られ、20〜30質量部配合することで、外側の食感に優れた焼き菓子を得ることができた。
(粉乳の検討)
表13に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表13に示す。
表13に示すように、チーズパウダーに代えて、一部もしくは全部を粉乳としても、良好な焼き菓子を得ることができた。また、チーズパウダーおよび粉乳の合計に対し、チーズパウダーが50質量%以上配合することで、外観と風味の良好な焼き菓子が得られた。
また、粉乳は、脱脂粉乳を用いたほうが、内側の食感の良好な焼き菓子を得られることがわかった。
(配合比の検討 3)
表14に記載の配合量で焼き菓子を作製した。その際の評価結果を表14に示す。
表14に示すように、油脂30質量部に対し、小麦粉を5〜15質量部加えても、成型性等問題のない焼き菓子を作ることができた。また、小麦粉の配合割合が少なく、粉糖、チーズパウダー、油脂の合計の配合割合が多いほど成形性に優れた焼き菓子を得られることがわかった。
(実施例15)
表15に示した配合で生地を作製した。生地を5gずつに分けて成型した。底面を除く全面に水を噴霧した(0.1g/5g生地質量)のち、180℃、5分間焼成し、焼き菓子を得た。得られた焼き菓子は、立体形状(20℃、7日後)を保持し、外側と内側の食感の異なる良好なものであった。

Claims (11)

  1. 生地原料として
    (a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
    (b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
    (c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
    を含有し、生地表面に水を塗布した後、焼成することで得られる焼き菓子であって、
    前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダーおよび前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下であ
    前記生地原料に含有する前記糖類、前記チーズパウダー、前記粉乳および前記油脂の合計が85質量%以上100質量%以下である、前記焼き菓子(ただしチョコレート生地を成形し、焼成して得られる焼き菓子を除く)。
  2. 前記糖類は、30メッシュ篩下の含量が50質量%以上100質量%以下である、請求項1に記載の焼き菓子。
  3. 前記糖類がショ糖、ブドウ糖、乳糖、麦芽糖、マルチトールおよびトレハロースのいずれか一種又は二種以上である、請求項1又は2に記載の焼き菓子。
  4. 前記糖類は、ショ糖、ブドウ糖、乳糖およびマルチトールから選ばれる一種又は二種以上を50質量%以上含む、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  5. 前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が35質量部以上60質量部以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  6. 前記油脂30質量部に対し、前記糖類が13質量部以上45質量部以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  7. 前記油脂の35℃における固体脂含量が0.5%以上4.8%以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  8. 前記水の量は、生地質量5gに対し0.03g以上0.25g以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  9. 前記水の量は、水を塗布した生地面積に対し、0.18g/100cm以上1.6g/100cm以下である、請求項1乃至のいずれか一項に記載の焼き菓子。
  10. 焼き菓子(ただしチョコレート生地を成形し、焼成して得られる焼き菓子を除く)の製造方法であって、
    (a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
    (b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
    (c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
    を生地原料として含有し、前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下とな
    前記生地原料に含有する前記糖類、前記チーズパウダー、前記粉乳および前記油脂の合計が85質量%以上100質量%以下となるように前記生地原料を配合する工程、
    配合した前記生地原料を混合し、生地を作製する工程、
    前記生地に水を塗布する工程、および、
    水を塗布した前記生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
    を含む、前記製造方法。
  11. 焼き菓子(ただしチョコレート生地を成形し、焼成して得られる焼き菓子を除く)の製造方法であって、
    (a)単糖類、二糖類および三糖類から選ばれる一種又は二種以上である糖類、
    (b)チーズパウダーおよび粉乳から選ばれる一種又は二種、および、
    (c)20℃における固体脂含量が4%以上65%以下である油脂
    を生地原料として含有し、前記油脂30質量部に対し、前記チーズパウダー及び前記粉乳の合計が25質量部以上80質量部以下、前記糖類が8質量部以上60質量部以下とな
    前記生地原料に含有する前記糖類、前記チーズパウダー、前記粉乳および前記油脂の合計が85質量%以上100質量%以下となるように前記生地原料を配合する工程、
    配合した前記生地原料を混合し、生地を作製する工程、
    前記生地を成型する工程、
    成型した前記生地に水を塗布する工程、および、
    水を塗布した前記生地を150℃〜270℃で焼成する工程、
    を含む、前記製造方法。


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