JP6648394B2 - 鉄筋溶接用裏当て材および鉄筋溶接方法 - Google Patents

鉄筋溶接用裏当て材および鉄筋溶接方法 Download PDF

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Description

本発明は、鉄筋溶接用裏当て材および鉄筋溶接方法に関するものである。
土木建築分野で、鉄筋コンクリート(RC造)建築技術は、防火性と耐震強度を同時に実現できるため、今後も発展が望まれる分野である。
鉄筋コンクリート建築は鉄筋構造を組上げてからコンクリートを流し込んで構造材とするため、現場で鉄筋の溶接が必要になる。鉄筋溶接のなかでも、特にアーク溶接(炭酸ガス溶接、TIG溶接、プラズマ溶接など各種溶接を含む)は安価で施工容易であり古くから実用化されている。
鉄筋溶接の1現場あたりの溶接数は数百点から高層建築では数千点にも上り、その全てが強度基準を満たさなければならない。溶接は鉄筋コンクリート建築において時間と工費がかかる工程の一つである。しかし効率向上のため溶接を大規模化しようとしても、全自動溶接装置は高価で使用上の制約も多いため、建築現場への運び込みは採算上、選択できない場合が多い。かといって工場で全自動溶接装置で組み立てた鉄筋を現場に輸送するにも輸送サイズ上、限界がある。
したがって現場での人手による溶接は工業の自動化が進んだ現在であっても依然として欠くことができない作業である。一般的には、溶接者がアーク溶接器具を運び、鉄筋溶接の必要な箇所へ移動してアーク溶接を行い、仕上がりを溶接者本人がその場で目視などで簡易的に検査する。
現場ごとに施工条件は様々であるが、年々強化されている強度基準は必ず満たさなければならない。強度基準を達成するためには、より丁寧な施工が必要になり、熟練溶接者でも一作業日あたりの溶接点数が減少しがちとなる。溶接品質を保ちつつ溶接数の限界を向上させるよう、溶接を補助し能率化する技術は業界で待望される技術である。
この問題を解決するために鉄筋溶接の作業性を改善するための治具、例えばシールドガス(イナートガス)を溶接部位に保持する風防器具や、溶融鉄鋼(冷却後はビードとなる)の垂れ落ちとガス拡散を同時に防ぐ裏当て材(バッキング材)など、アーク溶接の補助具が開発されている。
鉄筋溶接における裏当て材は、環状、スリット入りなどから検討が始まり、最近では特許文献1、3、4のように、着脱の容易な側面U字型すなわち円筒の側面を半分にしてサイド面を並行に延長した形に形成され、断面ほぼ円形である鉄筋の周囲およそ180度に隣接することで、溶接効率や裏ビード形状を向上させるものが存在する(以下で、「U字裏当て材」と呼ぶことがある)。U字裏当て材の材質は価格および能率に応じて鋼材、銅材、セラミックス材などから検討されている。
まず溶接開始時点の作業性についてみていくと、鋼板の裏当て材(特許文献1、2参照。金属製であるため裏当金、裏金などとも呼ばれる)は融点が鉄筋と同等の導電体であり、鉄筋と同程度にアーク電流を引き寄せる性質がある。アーク溶接開始時に一部熔融することで鉄筋に付着する。このため、裏当て材そのものを鉄筋上に保持する金具類は不要(絶縁バッキングは必要な場合もある)となり、溶接開始時に短時間固定をすれば、少入熱でも固定されるので、他の固定手段を要せずに溶接を続行できる。
銅材の裏当て材(裏金)は導電体であるため鋼材のものと同様に少入熱でも溶接地点に固定できるが高価である。
これに対して、CB(セラミックスバッキング)工法の名前で知られるセラミックス材料のU字裏当て材(特許文献3の図3、特許文献4の図1などを参照)は絶縁体であるためアーク電流を引き寄せにくく、融点も鉄筋と同等程度であるため、少入熱では鉄筋に溶融付着しにくい。溶接終了まで保護手袋をした片手で押さえておくとなれば、熱傷、疲労、落下など諸問題が発生し得るから、特許文献3、4のように裏当て材を溶接部に保持する金具類(例として大型の金属製クリップ)が開発されていた。すなわち、セラミックス裏当て材を溶接部の裏側から保持金具を用いて固定したのちにアーク溶接を開始していた。保持金具の着脱操作は溶接作業速度を低下させていた。
次に、溶接終了および、表面検査の段階について鑑みると、鋼板の裏当て材はビードや溶接母材の鉄筋と溶接一体化して取り外すことができない。特に鋼板U字裏当て材では溶接部の周囲およそ180°が覆われており、その下にある裏ビードを目視検査できない。このため全周外観検査ができず、裏ビードのへこみ・空洞などの溶接欠陥を発見しにくい問題がある。
これを解決するために確認穴を設けた裏当て材もあるが、溶接中のビードやイナートガスの保護・保持という効果が減少し、また穴空け加工により裏当て材そのものの製造コストも上昇する。この鋼板裏当て材は一回使い切り型で鉄筋と一体化してコンクリート中に埋められる。
一方で銅材の裏当て材は鉄筋からとり外すことができ、目視検査をすることもできるが、素材の銅が高価であるにもかかわらず通電による損傷・付着がはげしく再利用は不可能であった。
セラミックス材料の裏当て材は溶接後に保持金具をとりはずした後に溶接部から界面剥離して自発的に落ち、または軽い衝撃を与えることで容易に除去できたため、溶接部の360°外観検査が可能であった。セラミックス裏当て材は、溶接・裏当て除去作業中に割れることもあるが、製造コストが安いので問題になることはない。
特開平9−253893号公報 特開平11−347794号公報 実開平5−93663号公報 実開平5−70782号公報
Abdulmula Ali Albhilil et.al.," Characterization of cordierite−mullite ceramics prepared from natural raw materials" Acta Chimica Slovaca, Vol. 6, No. 1, 2013, pp. 1-7, DOI: 10.2478/acs−2013−0001
作業性、外観検査の容易性、素材コストといった多方面からの検討の結果、人手での溶接に使用されるU字裏当て材はどれも一長一短といわざるを得ず、材質や形状が異なる裏当て材のなかでも、溶接開始から終了後検査の作業性がよい鉄筋溶接裏当て材の出現が待たれていた。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、鉄筋の溶接において品質を保ったまま作業を高速化できる鉄筋溶接用セラミックス裏当て材及び鉄筋溶接方法を提供することを課題とする。
本出願に係る発明は鉄筋溶接用セラミックス裏当て材であって、該セラミックス裏当て材は側面U字型であり、溶接対象鉄筋の溶接部の一部を覆う内面を有し、該セラミックス裏当て材は、少なくとも前記内面において融点が1000℃以上1200℃以下の範囲内であるセラミックス材を配置してなり、前記セラミックス材が、MgO、Al 、SiO を主成分として含み、かつ、Na Oを原料炭酸塩換算で3〜5質量%含むコージライト系セラミックス材であり、ただし原料にCaF の2〜5重量部とFe の2〜5重量部(ここで重量部はCaF とFe を除くすべての原料の100重量部を基準とする)を含有する場合を除くものである鉄筋溶接用セラミックス裏当て材である。
またさらなる本願発明は、前記鉄筋溶接用セラミックス裏当て材の全体が前記セラミックス材により構成されており、前記セラミックス材が、板厚が5mm以上30mm以下の範囲内のセラミックス板材である前記鉄筋溶接用セラミックス裏当て材である。
またさらなる本願発明は前記いずれかに記載の鉄筋溶接用セラミックス裏当て材を用いてアーク溶接で鉄筋を溶接する溶接工程を有する鉄筋溶接方法である。
またさらなる本願発明は前記溶接工程後に裏当て材を取り除き溶接部の表面検査を行う検査工程を有する前記鉄筋溶接方法である。
本発明の鉄筋溶接用セラミックス裏当て材は、鉄筋の材料である鋼材より低融点のセラミックス材を側面U字形状の少なくとも溶接部を覆う内面に配置してある。このため、溶接開始後、少入熱でも表面が熔融して溶接対象の鉄筋に粘着する。溶接者は開始時点だけ耐熱手袋を装着した片手で裏当て材を保持して溶接を開始すれば、裏当て材全体が所定の位置に固定される。この方法では、別途の固定器具を用いる場合と比べて、溶接速度を速くすることができる(実施例を参照)。
鉄筋本体の溶接は通常の鋼材の融点である1400℃から1500℃で進行する。その間セラミックス裏当て材は適度に外気で冷却され、全体が融解したり脱離したりすることはなく、裏ビードの過剰な突出や流出を予防する裏当て材としての役割を果たす。
溶接終了後は、冷却収縮率の違いによる界面剥離または衝撃による剥離や破壊により、セラミックス裏当て材を容易に除去できる。セラミックス裏当て材を除去した溶接部位は360°全方向から目視など検査手段により溶接結果を確認できる。本願セラミックス裏当て材を用いたビードの表面は比較的凹凸が少なく形成され、不良溶着(溶け込み不良、予期せぬ空洞部など)が予防される。
この一連の工程でわかるように、溶接者は溶接開始から全表面検査までの工数を減らすことができる。
図1は溶接前の本願実施例1及び参考例3の鉄筋溶接用裏当て材1および鉄筋2の軸垂直方向における断面図である。 図2は溶接前の本願実施例1及び参考例3の鉄筋溶接用裏当て材1および鉄筋2を裏当て材1の開口方向の斜め上より見た外観図である。 図3は参考例2の裏当て材1を用いた溶接における不溶着5を示した概念図である。点線は仮想的な切り欠きを示す。
図1、図2に示すように、本出願に係る発明の鉄筋溶接用のセラミックスの裏当て材1は、側面U字型をなす。裏当て材1は、鉄筋2の溶接部4の一部を覆う内面を有する。鉄筋2の溶接部4とは、鉄筋2の溶接される部位をいう。裏当て材1で鉄筋2の溶接部4の一部を覆った状態で、アーク溶接で鉄筋2の溶接部4を溶接する。アーク溶接では、溶接用のワイヤーが用いられ、溶接部4には、アーク溶接で溶融した鉄筋及びワイヤーからビードが形成される。溶接後には、裏当て材1は溶接部4から取り除かれ、溶接部4の表面検査が行われる。
本出願に係る発明の鉄筋溶接用セラミックス裏当て材においては、少なくとも溶接部の一部を覆う内面に配置される素材が、融点が1000℃〜1200℃であるセラミックス材である。このセラミックス材は耐火性、耐熱衝撃性、低熱膨張性、強度に優れたセラミックス材であって融点が1000℃以上1200℃以下のものである。
従前より鉄筋溶接用セラミックス裏当て材にもちいられてきたセラミックス材としてはMgO(マグネシア)、Al(アルミナ)、及びSiO(シリカ)を原料とするコージライト(コージェライト・コーデュライト・コーディエライト・Cordieriteとも表記される)が挙げられる。一般的に使用されるコージライトは2MgO・2Al・5SiO、またはアルミニウムの一部が鉄に置換された組成をもち、淡緑色〜淡橙色の色をもち、表面は均一〜微小凹凸を有するセラミックス材である。市販物においてナトリウムは不純物として含有されることがあっても1質量%以下と無視できる程度である。コージライトは耐火性、耐熱衝撃性、低熱膨張性、強度に優れたセラミックスであり、不純物のない組成での融点は1450℃程度とされている。(一般的コージライトの融点について必要があれば非特許文献1を参照)
本願発明においては該裏当て材の少なくとも内面に配置されるセラミックス材の融点を1000〜1200℃とするために、コージライトの原料にさらに炭酸ナトリウムを、裏当て材の内面部を構成する原料中3質量%以上5質量%以下となるよう配合する。3質量%を下回ると融点低下が不十分(高融点のまま)であり、溶接温度で特有の粘着を発揮しなくなる。5質量%を上回ると融点が下がりすぎて裏当て材としての本来の用途に耐えない(アーク溶接の発熱は4000℃を超える)。この原料を焼成すると組成中に酸化ナトリウムを含むコージライト系複合セラミックス材となる。このコージライト系複合セラミックス材は、一般的な組成のコージライトと外見上は大きな差がないが、一般的な組成のコージライトよりも約250℃〜350℃融点が低い。このため製造時には省エネルギーとなる上に、鉄筋溶接の裏当て材として使用すればアーク電流に接することで溶融し、ガラス化する。すなわち本願のコージライト系セラミックス裏当て材の内面はガラス状溶融物となり、鉄筋への粘着力を持つようになり、作業性を高める。
低融点コージライトは本願鉄筋溶接用裏当て材の少なくとも内面に存在しなければならない。もちろん全体が1000℃から1200℃の融点をもつコージライト系セラミックス材で構成されている裏当て材も本願発明の範囲に含まれる。
融点が1000℃未満の素材を少なくとも内面に用いた裏当て材は、溶融中に変形して作業を阻害したり、過剰な溶融による過接着が生じ、溶接終了後の裏当て材除去および検査という一連の工程を行いにくくなるおそれがある。融点が1200℃を超える素材を少なくとも内面に用いた裏当て材は、溶接時に溶融しにくく、それ自身を鉄筋上に保持する機能が小さく、または全くなくなり、従来の一般的な組成のコージライト裏当て材と同様、保持具が必要となる。
本願裏当て材の形状は鉄筋溶接にて通常用いられる形状がふさわしく、特に長方形の板材を鉄筋とほぼ同等の内径の側面U字型(たとえば円筒の側面を軸方向に半分にして両サイドを並行に延長した形状がある)に曲面形成した形状がよい。鉄筋の溶接部周囲のうち、150〜190°、好ましくは略180°を被覆できるようにしたものがよい。150°未満では裏ビード突出・流出の予防やガス保護の用をなさず、190°を越えた場合は裏当て材の着脱や溶接作業に支障が生じやすい。本願発明の裏当て材は上記特定の鉱物原料および通常の組成による原料を通常の抜き型成型法などにより側面U字型に形成したグリーン体(未焼成生地)を焼成することで製造できる。本願セラミックス裏当て材の製造後の板厚は使用目的の鉄筋径にしたがって変化するが、たとえば5〜30mmの範囲が好ましい。5mmを下回る場合は強度に欠け、形成時や溶接時の熱衝撃による割れリスクが高まる。30mmを越える場合は裏当て材全体の重量が増すため、溶融した内面素材の粘着力によりそれ自身を溶接部に十分な時間保持することが難しくなる。
本願裏当て材を用いる鉄筋溶接方法について、以下の参考例および実施例により説明する。
溶接時間の計測について、以下の参考例および実施例では同一の溶接者が溶接した。
参考例1
参考例1(裏当て材不使用)では、共英製鋼株式会社製の異形棒鋼(JIS G3112)(通称:鉄筋)、呼び径D32ミリ、鋼種SD345のものを使用して炭酸ガスアーク溶接を行った。シールド炭酸ガス流量30L/min、ワイヤ送給つきのパナソニック株式会社製YD−350GR3溶接機を出力電流250〜270A、出力電圧25〜28Vにて使用した。ワイヤは株式会社神戸製鋼所のソリッドワイヤ KC−65、種類G69A2UCN1M2T(JIS Z3312)である。裏当て材を使用せず、鉄筋は横向き(梁方向)で行った。溶接したところ、溶接部並びに溶接ワイヤが流れ落ちてしまい溶接が不可能であった。
参考例2
参考例2(鋼材裏当て材)は、上記参考例1で用いた鉄筋に対して内面直径38ミリ、板厚4.5ミリ、材質SS400のU字型鋼材裏当て材を使用した以外は参考例1と同様に行った。連続5件溶接を行った場合の1件あたりの平均所要時間(この場合、鉄筋の固定用治具への取付けを開始した時刻から、裏当て材を設置後、溶接、目視検査終了までを指す。)は1分55秒であった。図3に示すように、鋼材の裏当て材6は溶接開始直後に鉄筋との間にアーク放電が生じることで、鉄筋2としっかり溶接されており、はずすことはできない。したがって鉄筋2の裏当て材6で覆われた面のビード3の形状を溶接直後に目視確認することはできなかった。アーク放電開始時は、アークが鋼材の裏当て材6を貫通する恐れがあるため、電流を下げて溶接を開始するため、セラミックスの裏当て材を使用した溶接に比べ、アーク時間は長くなっていた。のちに、引張試験により溶接断面を検査すると、不溶着が2/5件存在していたことが確認できた。破壊試験であるため不溶着の具体的な形状は確認できないが、たとえば図3の不溶着5に示すような形で存在していたと想定できる。
参考例3
参考例3(従来CB方式裏当て材)は、参考例1で用いた鉄筋に対して内面直径38ミリ、板厚13ミリのU字型セラミックス裏当て材を使用し、これを保持金具で固定した以外は参考例1、2と同様に行った。溶接直前の配置を図1、図2に示す。セラミックス裏当て材の材質は通常のコージライト(2MgO・2Al・5SiO)である。鉄筋の固定用治具への取付けを開始した時刻から、裏当て材、並びに裏当て材の保持金具の設置、溶接、目視検査終了までを所要時間として計測し、連続5件溶接を行った場合の1件あたりの平均所要時間は2分32秒であった。鋼材裏当て材に比べて保持金具の設置に時間が掛かるが、溶接開始時から電流を上げて溶接することが出来るため、アーク時間は短かった。セラミックスの裏当て材1は溶接開始後も鉄筋2と溶接されることはなく、溶接部4の冷却後に保持金具をとることで容易にはずすことができた。鉄筋2の裏当て材1で覆われた面のビード(裏ビード)の形状を確認することができた。ビードの形状は全体的に良好であった。鉄筋2の裏当て材1で覆われていた面の溶接不良(溶け込み不良、不溶着など)が存在する場合は目視で確認できるため、その場で再度溶接をして仕上げることが出来た。
実施例1(本願の新規なCB方式裏当て材)は、図1、図2に示すように、参考例1で用いた鉄筋2に対して内面直径38ミリ、板厚13ミリのU字型セラミックスの裏当て材1を保持金具なしに用いて、参考例1、2と同様に行った。セラミックスの裏当て材1の材質は全体が均一な低融点コージライト(原料は通常のコージライト2MgO・2Al・5SiOに、NaCOを原料組成で質量5%となるように配合した。)である。この裏当て材1は溶接初期(3秒以内、入熱量および鉄筋2の溶接部4の色から判断して1000℃〜1200℃の範囲を昇温している時間帯)に内面が溶融と同時にガラス化して鉄筋2に粘着したので、その時点から溶接終了まで片手で支える必要がなかった。溶接後は衝撃を与えることで裏当て材を容易に外すことができ、保持金具の必要がなかった。裏当て材を溶接部にあてた時刻から1度目の溶接、裏当て材はずし、溶接目視検査終了までを所要時間として計測し、連続5件溶接を行った場合の1件あたりの平均所要時間は1分52秒であった。この裏当て材は容易にはずすことができたため、鉄筋の裏当て材で覆われていた面の溶接不良(溶け込み不良、不溶着など)の有無及びビード形状を全周より目視で確認することができた。
一般的な鉄筋アーク溶接において溶接者の溶接能率、および強度基準達成率を向上する補助具であり、鉄筋建築の産業界からの要請が高い。
1 セラミックス材の裏当て材
2 鉄筋
3 ビード
4 溶接部
5 不溶着
6 鋼材の裏当て材

Claims (4)

  1. 鉄筋溶接用セラミックス裏当て材であって、
    該セラミックス裏当て材は側面U字型であり、溶接対象鉄筋の溶接部の一部を覆う内面を有し、
    該セラミックス裏当て材は、少なくとも前記内面において融点が1000℃以上1200℃以下の範囲内であるセラミックス材を配置してなり、
    前記セラミックス材が、MgO、Al 、SiO を主成分として含み、かつ、Na Oを原料炭酸塩換算で3〜5質量%含むコージライト系セラミックス材であり、ただし原料にCaF の2〜5重量部とFe の2〜5重量部(ここで重量部はCaF とFe を除くすべての原料の100重量部を基準とする)を含有する場合を除くものである裏当て材。
  2. 前記鉄筋溶接用セラミックス裏当て材の全体が前記セラミックス材により構成されており、
    前記セラミックス材が、板厚が5mm以上30mm以下の範囲内のセラミックス板材である請求項1に記載の鉄筋溶接用セラミックス裏当て材。
  3. 請求項1または2に記載の鉄筋溶接用セラミックス裏当て材を用いてアーク溶接で鉄筋を溶接する溶接工程を有する鉄筋溶接方法。
  4. 前記溶接工程後に裏当て材を取り除き溶接部の表面検査を行う検査工程を有する請求項 に記載の鉄筋溶接方法。
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