以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済み画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や女子大生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図2)により構成される。
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた金属製の部材(図示せず)によって連結される。
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口もまた、撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口には、その一部を覆うように天井ストロボユニット32が設けられる。天井ストロボユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
天井ストロボユニット32は、撮影空間内に向けて光を照射するストロボ発光管を内蔵する。天井ストロボユニット32の内部には、ストロボ発光管の他に蛍光灯が設けられている。これにより、天井ストロボユニット32は、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。面12Aは、床面に対して垂直であり、撮影部21の側面パネル42Aとほぼ平行な面である。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(図5)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテンレール75を支持する支持部74が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール75が取り付けられる。カーテンレール75は、3本のレール75A乃至75Cが組み合わされて構成される。3本のレール75A乃至75Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わされる。平行に設けられるレール75Aとレール75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、レール75Aとレール75Bの他端は、レール75Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
また、後述するが、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ間、例えば、サーバに送信する画像の選択や、利用者が持つ携帯端末のメールアドレスの入力を事後選択作業として行う。
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各部の構成について説明する。
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bに囲まれるようにして構成される。
正面パネル41のほぼ中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91、正面ストロボユニット92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
正面ストロボユニット92は、カメラ91の上方に設けられる。正面ストロボユニット92は、他のストロボユニットと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光する。正面ストロボユニット92は、被写体としての利用者の顔付近に、その正面から光を照射する。
タッチパネルモニタ93は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)パーツを表示することで、利用者の選択操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ93には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
正面パネル41において、カメラユニット81の上方には上ストロボユニット82が設置される。また、カメラユニット81の左方には左ストロボユニット83が設置され、カメラユニット81の右方には右ストロボユニット84が設置される。さらに、カメラユニット81の下方には箱状の足元ストロボユニット85が設置される。
上ストロボユニット82は、前方上側から利用者に光を照射する。左ストロボユニット83は、前方左側から利用者に光を照射する。右ストロボユニット84は、前方右側から利用者に光を照射する。足元ストロボユニット85は、利用者の足元に光を照射する。
上ストロボユニット82、左ストロボユニット83、右ストロボユニット84、および足元ストロボユニット85の内部には蛍光灯が設けられる。これらの蛍光灯は、天井ストロボユニット32内部の蛍光灯とあわせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各蛍光灯の発光量が調整されることによって、または、発光する蛍光灯の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが適宜調整される。
足元ストロボユニット85の左右には、足元ストロボユニット85より高さの低い箱状部86A,86Bが設けられる。箱状部86A,86Bそれぞれの上面は、利用者が手荷物などを置くための荷物置き場となる。
さらに、箱状部86Aには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口87が設けられる。
また、図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM、効果音などを出力する。
<背景部の構成>
図4は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボユニット121が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボユニット122が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボユニット123が設けられる。
背面上ストロボユニット121は、後方上側から利用者に光を照射する。背面右ストロボユニット122は、後方右側から利用者に光を照射する。背面左ストロボユニット123は、後方左側から利用者に光を照射する。
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、背面カーテン124が貼り付けられる。背面カーテン124の色は、例えば緑色とされる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側にも、背面カーテン124と同様の側面カーテンが貼り付けられる。側面カーテンの色は、背面カーテン124の色と同一とする。
これらのカーテンはクロマキー用のカーテンとして用いられる。これにより、撮影画像に対してクロマキー処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、これらのカーテンの色は、クロマキー処理を行うことができる色であればよく、青色など、その他の色であってもよい。
<編集ユニットの構成>
図5は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図6は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の右側面の一部を構成するパネル72には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141には、事後選択作業に用いられる画面が表示される。
編集ユニット12の右側面の下部には、シール紙排出口142が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウト(以下、シールレイアウトという)でシール紙に印刷され、シール紙排出口142から排出される。
タブレット内蔵モニタ141の下方には、スピーカ143が設けられる。スピーカ143は、事後選択作業に関する案内音声、BGM、効果音等などを出力する。
<写真シール作成装置の内部構成>
図7は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図7において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209A,209B、および事後選択部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入口87への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部209Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部209A,209Bを特に区別しない場合には、単に、編集部209という。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
事後選択部210は、印刷待ち空間A3にいる利用者を対象とした事後選択処理を実現する。事後選択処理は、事後選択作業を利用者に行わせるための処理である。事後選択部210は、タブレット内蔵モニタ141、スピーカ143、およびプリンタ241から構成される。プリンタ241にはシール紙ユニット242が装着される。
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の選択画面等を表示し、その画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のシールレイアウトで印刷したシール紙を、シール紙排出口142に排出する。
<制御部の構成>
図8は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図8に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後選択処理部304から構成される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御することで、撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209の各部を制御することで、編集処理を行う。印刷処理部303は、事後選択部210のプリンタ241を制御することで、印刷処理を行う。事後選択処理部304は、事後選択部210のタブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。
<撮影処理部の構成例>
図9は、撮影処理部301の機能構成例を示すブロック図である。
撮影処理部301は、表示制御部311、撮影制御部312、画像処理部313、および照明制御部314から構成される。
表示制御部311は、タッチパネルモニタ93の表示を制御する。例えば、表示制御部311は、タッチパネルモニタ93に、カメラ91に取り込まれたライブビュー画像を表示させたり、撮影結果である撮影画像を表示させたりする。
撮影制御部312は、カメラ91を制御することで、被写体が写る動画像をライブビュー画像として取り込んだり、撮影のタイミングで得られた静止画像を撮影画像として取り込む。
画像処理部313は、カメラ91に取り込まれたライブビュー画像や撮影画像に所定の画像処理を施す。
照明制御部314は、撮影空間A1内の照明装置222(各ストロボユニット)の発光を制御する。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図10のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図10の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口87に投入されたときに開始される。
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部301は、カメラ91に取り込まれた被写体のライブビュー画像をタッチパネルモニタ93に表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
ステップS2において、編集処理部302は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御することで、印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部303は、編集処理により得られた編集画像を、プリンタ241に出力してシール紙に印刷させる。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
ステップS4において、事後選択処理部304は、タブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。具体的には、事後選択処理部304は、印刷が終わるのを待っている利用者に事後選択作業を行わせ、選択された撮影画像や編集画像を利用者の携帯端末に送信するために、その画像をサーバに送信する。
印刷が終了すると、ステップS5において、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口142に排出し、処理を終了させる。
<撮影処理の詳細>
次に、図11のフローチャートを参照して、上述した写真シール作成ゲームの一連の処理におけるステップS1の撮影処理の詳細について説明する。
撮影処理が開始されると、ステップS21において、表示制御部311は、写りコース選択画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。
写りコース選択画面は、撮影画像に写る被写体の写りを決定する写りコースの選択に用いられる画面である。写りコースには、「Lightコース」と「Clearコース」とがある。Lightコースは、肌の色を若干黄みを帯びた色にすることで、撮影画像に写る被写体の肌の質感を自然でうるおいのあるものとするための写りコースである。Clearコースは、肌の色を若干青みを帯びた色にすることで、撮影画像に写る被写体の肌の質感を色白で透明感のあるものとするための写りコースである。
写りコースにより決定される被写体の写りは、撮影画像に対して施される画像処理によって決定される。例えば、被写体の写りは、撮影画像における人物領域の彩度、明度、シャープネス、コントラストなどの少なくともいずれかを調整することで決定される。また、被写体の写りは、撮影空間A1内の各ストロボユニットの発光を制御することで決定されるようにしてもよい。
写りコース選択画面が操作されることによって、いずれかの写りコースが選択されると、撮影制御部312は、カメラ91を制御することで、動画像の取り込みを開始する。表示制御部311は、取り込まれた動画像をライブビュー画像としてタッチパネルモニタ93に表示させる。
利用者は、タッチパネルモニタ93に表示されるライブビュー画像を見ることで自分たちの写り方を確認することができる。
ライブビュー画像の表示が開始されてから所定の時間が経過すると、ステップS22において、撮影制御部312は、1回目の撮影を行う。
この撮影処理においては、6回の撮影が行われる。6回行われる撮影のうち、1乃至3回目としてアップ撮影が、4,5回目の撮影として斜め撮影が、6回目の撮影として全身撮影が行われる。
アップ撮影は、利用者の顔および上半身が写る撮影画像(以下、アップ画像ともいう)を得るための撮影である。斜め撮影は、利用者の顔および上半身が傾いて写る撮影画像(以下、斜め画像ともいう)を得るための撮影である。全身撮影は、利用者の全身が写る撮影画像(以下、全身画像ともいう)を得るための撮影である。
したがって、ステップS22においては、1回目の撮影として、アップ撮影が行われる。
その後、ステップS23,S24において、撮影制御部312は、それぞれ2,3回目の撮影として、アップ撮影を行う。
ステップS25において、撮影処理部301は、斜め撮影のガイダンスを行う。具体的には、表示制御部311は、斜め撮影の仕方を説明する画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。その後、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示された状態で撮影のタイミングになったとき、ステップS26において、撮影制御部312は、4回目の撮影として、斜め撮影を行う。
その後、ステップS27において、撮影制御部312は、5回目の撮影として、斜め撮影を行う。
ステップS28において、撮影処理部301は、立ち位置のガイダンスを行う。具体的には、表示制御部311は、全身撮影のための、カメラ91から離れた立ち位置を説明する画面をタッチパネルモニタ93に表示させる。その後、ライブビュー画像がタッチパネルモニタ93に表示された状態で撮影のタイミングになったとき、ステップS29において、撮影制御部312は、6回目の撮影として、全身撮影を行う。
以上のようにして、6枚の撮影画像(静止画像)として、3枚のアップ画像、2枚の斜め画像、そして、1枚の全身画像が得られる。
ステップS30において、画像処理部313は、6枚の撮影画像それぞれに対して、写りコースに応じた画像処理を施す。
具体的には、Lightコースが選択された場合、画像処理部313は、6枚の撮影画像それぞれに対して、被写体の肌の質感が自然でうるおいのあるものになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。
また、Clearコースが選択された場合、画像処理部313は、6枚の撮影画像それぞれに対して、被写体の肌の質感を色白で透明感のあるものになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。
その後、撮影処理部301は、写りコースに応じた画像処理が施された6枚の撮影画像を記憶部202に記憶させる。
ステップS31において、撮影処理部301は、撮影を終えた利用者に対して、編集空間A2−1または編集空間A2−2への移動を案内する。編集空間への移動の案内は、タッチパネルモニタ93に案内画面を表示させることによって、または音声をスピーカ231から出力させることによって行われる。
上述した撮影処理においては、撮影の際にライブビュー画像が表示される。そこで、以下においては、ライブビュー画像を表示する処理の詳細について説明する。
<ライブビュー画像表示処理の詳細>
図12は、ライブビュー画像表示処理の例について説明するフローチャートである。ここでは、アップ撮影が行われる際のライブビュー画像表示処理について説明する。
まず、ステップS51において、表示制御部311は、ライブビュー画像が表示されるライブビュー表示画面を、タッチパネルモニタ93に表示させる。
ステップS52において、撮影制御部312は、カメラ91を制御することで、利用者が映る動画像を取り込む。
ステップS53において、画像処理部313は、動画像における人物領域を特定する。ここでは、アップ撮影が行われるので、動画像における人物領域は、被写体の上半身の領域である上半身領域とする。なお、上半身領域には、被写体の顔の領域である顔領域が含まれるものとする。
具体的には、画像処理部313は、取り込まれた動画像に対して顔認識を行うことにより、動画像における人物領域(顔領域)を特定する。例えば、画像処理部313は、動画像において、目や鼻などの顔のパーツの相対位置や大きさ、頬骨や顎の輪郭の形状をもとに、1人の顔を認識する。なお、その他の顔認識アルゴリズムにより、顔認識が行われてももちろんよい。
ステップS54において、画像処理部313は、動画像において特定された人物領域に対して画像処理を施す。ここでは、顔認識の結果を利用した画像処理として、以下に挙げるような画像処理が人物領域に対して施される。
(1)小顔処理
例えば、まず、図13左に示されるように、取り込まれた動画像411に写る2人の被写体の顔の輪郭点f11乃至f15,f21乃至f25を抽出する。次に、図13中央に示されるように、抽出された輪郭点に基づいて、それらを含む矩形領域F1,F2を設定する。そして、図13右に示されるように、設定された矩形領域を、その上辺を固定した状態で縮小する処理を施す。
具体的には、矩形領域の境界近傍の領域に対して、矩形領域の内側の領域を縮めるように、矩形領域の外側の領域を伸ばすようにして変形処理を施す。このようにして、矩形領域の境界近傍の領域において、画素の欠損を生じることなく、矩形領域を縮小する。
その他には、まず、図14左に示されるように、取り込まれた動画像411に写る2人の被写体の顔の輪郭線L1,L2を特定する。そして、図14右に示されるように、特定された輪郭線L1,L2を顔領域の内側に移動することで、新たな輪郭線C1,C2を設定する。
具体的には、輪郭線L1,L2を中心にして所定の幅をもつ境界領域に対して、境界領域の内側の領域を縮めるように、境界領域の外側の領域を伸ばすようにして変形処理を施す。このようにして、境界領域において、画素の欠損を生じることなく、輪郭線C1,C2を設定する。
以上のような処理により、被写体の顔を小さくする。
(2)目サイズ変更処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において目領域の画像を抽出する。そして、抽出された目領域の画像を、所定の拡大率で拡大する。数パターンの拡大率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、目のサイズを変更する。
(3)美鼻処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において鼻領域の画像を抽出する。そして、抽出された鼻領域の画像の一部または全部を、所定の縮小率で縮小する。数パターンの縮小率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、鼻の大きさや形状を変更する。
(4)口サイズ変更処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において口領域の画像を抽出する。そして、抽出された口領域の画像を、所定の拡大率で拡大するか、または、所定の縮小率で縮小する。数パターンの拡大率や縮小率が用意されるようにしてもよい。
このような処理により、口のサイズを変更する。
(5)目形状変更処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において目尻部分または目頭部分を特定する。そして、特定された目尻部分または目頭部分を、所定距離だけ上方向(頭の方向)や下方向(顎の方向)、その他の方向に移動する。
このような処理により、目の形状を変更し、たれ目やつり目など、目元の印象を変える。
(6)口元変更処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において口角部分を特定する。そして、特定された口角部分を、所定距離だけ上方向(頭の方向)に移動する。
このような処理により、口元の形を変更し、微笑んだときの口元に変える。また、口角が上がりすぎている場合には、口角部分を下方向に移動することで、口元の形を変更するようにしてもよい。
(7)肌色変更処理
まず、肌領域を特定する。そして、特定された肌領域の色を調整する。
このような処理により、肌の色を変更する。
(8)髪色変更処理
まず、髪領域を特定する。そして、特定された髪領域の色を調整する。
このような処理により、髪の色を変更する。
(9)化粧処理
まず、動画像に映る被写体の顔領域において頬部分や唇部分を特定する。そして、特定された頬部分や唇部分の領域の色を、ピンク色や赤色等に変更する。
このような処理により、チークや口紅などの化粧を施した顔に変更する。
(10)美肌処理
動画像全体や、動画像に映る被写体の肌領域に対して、ぼかし処理を施す。
このような処理により、肌をきれいに見えるようにする。
ステップS54においては、上述した画像処理のうち、少なくとも2種類以上の画像処理が人物領域に対して施される。なお、これらの画像処理は、利用者による一切の選択によらず施される。
図12のフローチャートに戻り、ステップS55において、表示制御部311は、ライブビュー表示画面に、複数種類の画像処理が施された動画像を、ライブビュー画像としてリアルタイムに表示する。
図15は、ライブビュー表示画面の例を示す図である。
ライブビュー表示画面のほぼ中央には、画像表示領域451が設けられる。画像表示領域451には、2人の利用者が映る動画像がリアルタイムで表示される。画像表示領域451の下側には、撮影結果表示領域461乃至466が設けられる。撮影結果表示領域461乃至466には、6回行われる撮影の結果得られる撮影画像が、撮影を終える毎に表示される。
図15の例では、画像表示領域451に表示される動画像には、複数種類の画像処理が施されているものとする。
そして、ステップS56において、撮影制御部312は、撮影タイミングになったか否かを判定する。撮影タイミングになっていないと判定された場合、処理はステップS52に戻る。すなわち、継続して、複数種類の画像処理が施されたライブビュー画像が表示される。
一方、ステップS56において、撮影タイミングになったと判定された場合、ライブビュー画像の表示は終了し、撮影が行われる。
以上の処理によれば、利用者がいずれの操作も行うことなく、ライブビュー画像における人物領域に対して画像処理が施される。これにより、利用者は、容易に画像の仕上がりをイメージすることが可能となる。
また、利用者がカメラ91の撮影範囲の端に立っている場合、顔認識が行われず、上述した画像処理が施されない可能性がある。したがって、利用者は、ライブビュー画像を確認しより良く映ろうとすることで、適切な立ち位置に立つことができる。
以上においては、顔認識の結果を利用した画像処理が顔領域に施されるものとした。
これに限らず、顔領域や肌色領域を取得するマスク画像を生成し、そのマスク画像を利用した画像処理が顔領域に対して施されるようにしてもよい。
さらに、全身撮影が行われる際のライブビュー画像表示処理においては、人物領域全体を取得するマスク画像を生成し、そのマスク画像を利用した画像処理が人物領域に対して施されるようにしてもよい。人物領域全体のマスク画像を利用した画像処理としては、被写体の脚を長くする脚長処理や、被写体の身体を細くする痩身処理などがある。
なお、上述したライブビュー画像表示処理は、6回行われる撮影それぞれについて行われるものとする。この場合、撮影の結果得られる6枚の撮影画像それぞれにも、ライブビュー画像と同様の画像処理が施されるものとする。
なお、上述したライブビュー画像表示処理が、6回行われる撮影のうち、所定回の撮影については行われないようにしてもよい。
例えば、1回目の撮影については、上述したライブビュー画像表示処理が行われないようにする。これにより、利用者は、1回目の撮影時のライブビュー画像と、2回目の撮影時のライブビュー画像との違いにより、画像処理の効果をはっきりと認識することができる。この場合、1回目の撮影の結果得られる撮影画像は、シール紙に印刷されたり、携帯端末に送信されたりしないようにしてもよい。また、その撮影画像は、シール紙に印刷されず、携帯端末に送信されるようにしてもよい。
また、写真シール作成装置1が、複数種類の画像処理が施された動画像を記憶するようにしてもよい。さらに、写真シール作成装置1に記憶された動画像を、サーバを介して、利用者の携帯端末に送信されるようにしてもよい。これにより、利用者は、複数種類の画像処理が施された動画像を、ブログやSNS(Social Networking Service)などにアップロードすることができる。
この場合、さらに、複数種類の画像処理が施された動画像が、撮影のタイミングの前後でも記憶されるようにしてもよい。
従来、利用者が、例えば本来のシャッタタイミングで目を閉じてしまった場合、得られた撮影画像において目領域を特定することができない可能性があった。この場合、目領域に対する画像処理を施すことはできない。
そこで、目領域に対する画像処理が施された動画像を、撮影のタイミングの前後でも記憶するようにする。これにより、上述のような場合でも、シャッタタイミングの前後のフレームから、目領域に対する画像処理が施された撮影画像(静止画像)を得ることができる。
<画像処理が施されるケースについて>
特定のケースでのみ、上述した画像処理がライブビュー画像に施されるようにしてもよい。
(撮影範囲に応じて画像処理を施すケース)
例えば、撮影範囲に応じて、上述した画像処理が施されるか否かが決定されるようにしてもよい。仮に、全身撮影が行われる際に、動画像における顔のパーツに画像処理が施されても、利用者はそれを確認しにくい。そこで、アップ撮影が行われる場合にのみ、動画像における顔のパーツに画像処理が施されるようにしてもよい。すなわち、全身撮影が行われる場合には、動画像における顔のパーツに画像処理が施されないようにしてもよい。また、全身撮影が行われる場合にのみ、動画像における人物領域に、上述した脚長処理や痩身処理が施されるようにしてもよい。さらに、全身撮影が行われる場合と、アップ撮影が行われる場合とで、動画像における人物領域において画像処理が施される身体の部位が変わるようにしてもよい。
また、アップ撮影が行われる場合と全身撮影が行われる場合とで、異なるパラメータで画像処理が施されるようにしてもよい。
具体的には、全身撮影が行われる場合よりアップ撮影が行われる場合に、顔のパーツに施される画像処理のパラメータ(顔の小ささ、目の大きさなど)を高くする。全身画像と比べてアップ画像の方が、顔が大きく写るので、利用者は画像処理の結果を確認しやすい。
逆に、アップ撮影が行われる場合より全身撮影が行われる場合に、顔のパーツに施される画像処理のパラメータを高くする。この場合、利用者は、全身画像を拡大したときに、アップ画像と同じように細部にわたって画像処理が施されていることに気付く。これにより、利用者は、撮影結果である全身画像を、その日のコーディネートを記録するためのものとしてだけではなく、アップ画像のように顔の部分を記録するためのものとして扱うことができる。
もちろん、アップ撮影が行われる場合と全身撮影が行われる場合とで、同じパラメータで画像処理が施されるようにしてもよい。
なお、アップ撮影が行われる場合と全身撮影が行われる場合とにおける画像処理のパラメータ(画像処理の強弱や、画像処理のON/OFF(有無)を含む)は、写真シール作成装置1が設定するようにしてもよいし、利用者に設定させるようにしてもよい。
(撮影コースに応じて画像処理を施すケース)
また、撮影に関するコースに応じて、上述した画像処理が施されるか否かが決定されるようにしてもよい。撮影に関するコースは、撮影に関わる種々の処理として、どのような処理が施されるかを決定するためのものである。撮影に関するコースは、利用者による選択により決定される。すなわち、利用者による直接的な選択によらず、撮影に関するコースの選択という、間接的な選択に応じて、上述した画像処理が施されるか否かが決定されるものとする。
例えば、撮影前に、上述したような写りコースを利用者に選択させる場合、特定の写りコースが選択されたときに、上述した画像処理が施されるようにする。
また、撮影前に、被写体の人数に応じた撮影の種類を決定する人数コースを、利用者に選択させるようにしてもよい。
このとき、選択された人数コースに応じて、画像処理が施されるか否かが決定されるようにする。被写体の人数が多いほど、ライブビュー画像において、被写体同士の顔が重なり、顔認識が失敗する可能性が高まる。そこで、大人数に対応した撮影が行われる人数コースが選択された場合には、画像処理が施されないようにする。逆に、1人や2人などの少人数に対応した撮影が行われる人数コースが選択された場合には、画像処理が施されるようにする。
さらに、撮影前に、撮影画像の背景となる背景画像の種類を決定する背景コースを、利用者に選択させるようにしてもよい。この場合、ライブビュー画像の背景にも、選択された背景コースの背景画像が合成されるようにする。
このとき、選択された背景コースに応じて、画像処理が施されるか否かが決定されるようにする。例えば、白色を基調とした背景画像が合成される背景コースが選択された場合、特にアップ画像においては顔領域が目立つため、画像処理が施されるようにする。一方、アップ画像において顔領域が目立たないような色の背景画像が合成される背景コースが選択された場合、画像処理が施されないようにする。なお、選択された背景コースに応じて、画像処理のパラメータ(画像処理の強弱)が変更されるようにしてもよい。
さらにまた、撮影前に、撮影画像に合成される合成用画像(スタンプ画像)を、利用者に選択させるようにしてもよい。この場合、スタンプ画像は、それ単独で選択されてもよいし、背景画像と組み合わされて選択されてもよい。
このようなスタンプ画像として、顔のパーツに対応したスタンプ画像を用意する。このスタンプ画像は、撮影画像(静止画像)に対する顔認識により、撮影画像において対応する顔のパーツに合成される。
このとき、選択されたスタンプ画像に応じて、画像処理が施されるか否かが決定されるようにする。例えば、顔のパーツに対応したスタンプ画像が選択された場合、結果的には顔のパーツにスタンプ画像が合成されるため、その顔のパーツに対する画像処理は施されないようにする。
また、撮影処理において、例えば1回目の撮影として、複数の利用者それぞれの顔を識別するための撮影が行われるようにしてもよい。この場合、識別結果を利用して、利用者毎に、ライブビュー画像に映る利用者の顔領域に対して画像処理を施すか否かを選択させるようにしてもよい。なお、複数回行われる撮影全てについて、この選択を行わせるようにしてもよいし、撮影の度に、この選択を行わせるようにしてもよい。
さらに、ライブビュー画像や、撮影結果としての撮影画像に施された画像処理の内容が、編集処理において利用者により変更されるようにしてもよい。これにより、例えば、利用者が、撮影処理において施された目サイズ変更処理の結果を気に入らなかった場合、編集処理において、撮影画像における目のサイズを好みのサイズに修正することができる。
<画像処理に応じたハードウェア構成の制御>
ライブビュー画像に対して画像処理が施されるか否かに応じて、または、施される画像処理の強弱やその種類の数に応じて、撮影空間A1内のハードウェア構成が制御されるようにしてもよい。
(照明装置の発光制御)
まず、ライブビュー画像に対して施される画像処理に応じて、撮影空間A1内に設けられる照明装置222(各ストロボユニット内に設けられる蛍光灯)が照射する定常光の発光が制御されるようにしてもよい。具体的には、各ストロボユニットの発光の有無、発光量などが制御されるようにする。
ライブビュー画像に対して画像処理が施される場合、利用者は、画像処理が施されていることを確認するために、タッチパネルモニタ93を注視する。そこで、ライブビュー画像に対して画像処理が施される場合、タッチパネルモニタ93の近くに設けられる正面ストロボユニット92の発光量を大きくする。これにより、利用者は、タッチパネルモニタ93に表示されているライブビュー画像を確認しやすくなる。
なお、上述した例では、撮影範囲に応じて、画像処理が施されるか否かが決定されるようにした。この場合、さらに、撮影範囲に応じて、各ストロボユニットの発光が制御されるようにしてもよい。例えば、全身撮影が行われる場合には、撮影空間A1内の全てのストロボユニットを発光させるようにする。一方、アップ撮影が行われる場合には、撮影空間A1内のストロボユニットのうち、天井ストロボユニット32、背面右ストロボユニット122、および背面左ストロボユニット123を除いたストロボユニットを発光させるようにする。
(カメラのパラメータ制御)
また、ライブビュー画像に対して施される画像処理に応じて、カメラ91のパラメータとして、F値、シャッタスピード、ISO感度が制御されるようにする。
さらに、利用者の立ち位置などにより十分な明るさが確保できない場合には、カメラ91のF値、シャッタスピード、ISO感度を、以下の例のように制御する。1つめの例としては、F値のみを小さくする。2つめの例としては、ISO感度のみを大きくする。3つめの例としては、F値およびISO感度を大きくしシャッタスピードを遅くする。このようにして、十分な明るさが確保されるようにする。
また、ライブビュー画像に対して施される画像処理に応じて、カメラ91のパラメータとして、ホワイトバランス(色温度)が制御されるようにしてもよい。例えば、ライブビュー画像に対して、赤みを帯びた画像にする処理や、青みを帯びた画像にする処理が施される場合、これらの色に対応するようにホワイトバランスを制御する。これにより、画像処理の負荷を下げることができる。
<画像処理に応じたライブビュー画像の表示制御>
さらに、ライブビュー画像に対して、上述した画像処理が施されるか否かに応じて、ライブビュー画像自体の表示が制御されるようにしてもよい。
例えば、ライブビュー画像に対して画像処理が施されるか否かに応じて(画像処理の有無に応じて)、ライブビュー表示画面におけるライブビュー画像の表示領域の大きさが変更されるようにする。具体的には、ライブビュー画像に対して画像処理が施される場合、図16のライブビュー表示画面に示されるように、ライブビュー画像の表示領域が、画像表示領域451から、それより大きい画像表示領域451Aに変わるようにする。なお、ライブビュー画像に対して画像処理が施されない場合には、ライブビュー画像の表示領域は、画像表示領域451のまま大きさは変更されないものとする。これにより、利用者は、画像処理が施されたライブビュー画像をよく確認することができる。
なお、ライブビュー画像の表示領域は、拡大/縮小ボタンを押下する等の利用者の操作により拡大/縮小されるようにしてもよい。
また、ライブビュー画像に対して画像処理が施されるか否かに応じて、ライブビュー表示画面におけるライブビュー画像の表示時間が変更されるようにする。具体的には、ライブビュー画像に対して画像処理が施される場合、ライブビュー画像の表示時間を長くするする。なお、ライブビュー画像に対して画像処理が施されない場合には、ライブビュー画像の表示時間を短くする。これにより、利用者は、画像処理が施されたライブビュー画像をよく確認することができる。
さらに、ライブビュー画像に対して画像処理が施されるか否かに応じて、利用者がシャッタタイミングを選択できるようにしてもよい。具体的には、ライブビュー画像に対して画像処理が施される場合に、利用者がシャッタタイミングを選択できるようにする。これにより、利用者は、画像処理が施されたライブビュー画像を確認しながら、好みの瞬間のポーズや表情を撮影画像に残すことができる。
<顔認識の誤認識とその対策>
ところで、ライブビュー画像に対して画像処理を施すときに行われる顔認識において、誤認識が発生するおそれがある。
例えば、利用者が、手を顎にあてがうようなポーズをとっている場合、その手の領域が顔認識の対象に含まれるおそれがある。また、利用者が、人物の顔がプリントされたTシャツなどを着ている場合、利用者の顔に加え、そのプリントされた顔も顔認識の対象となるおそれがある。
そこで、以下においては、顔認識の誤認識に対する対策を施した構成および動作について説明する。
<撮影処理部の他の構成例>
図17は、撮影処理部の他の構成例を示す図である。
なお、図17の撮影処理部301の構成は、図9の撮影処理部301の構成と基本的に同様であるが、領域判定部501をさらに備える点で異なる。
領域判定部501は、画像処理部313により特定された、カメラ91に取り込まれた動画像における人物領域の妥当性を判定する。
<ライブビュー画像表示処理の他の例>
図18は、ライブビュー画像表示処理の他の例について説明するフローチャートである。
なお、図18のフローチャートにおけるステップS61乃至S63,S65乃至67の処理は、図12のフローチャートにおけるステップS51乃至S56のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
なお、ステップS63においては、取り込まれた動画像に対して顔認識を行うことにより、動画像における人物領域が特定されるものとする。
ステップS64において、領域判定部501は、人物領域の色、形状、大きさなどを用いて、特定された人物領域の妥当性を判定する。
(例1)
例えば、アップ撮影の場合、領域判定部501は、取り込まれた動画像において肌色部分の領域を抽出する。ここでは、例えば、動画像において、色相、輝度、およびRGBのうちR成分が、所定値以上であるか、または、所定の範囲内の値であるか否かが判定されることで、肌色部分が特定される。そして、領域判定部501は、顔領域として特定された領域が、抽出された肌色領域に対応するか否かに基づいて、その領域の妥当性を判定する。このとき、肌色領域の形状や大きさに基づいて、顔領域として特定された領域の妥当性が判定されるようにしてもよい。
(例2)
また、アップ撮影の場合、領域判定部501は、顔領域として特定された領域に含まれる顔のパーツの形状や大きさ、顔領域として特定された領域の輪郭の形状や大きさを取得する。領域判定部501は、取得された顔パーツや輪郭の形状や大きさを、あらかじめ用意されたデータと比較することで、顔領域として特定された領域の妥当性を判定する。
(例3)
さらに、アップ撮影の場合、領域判定部501は、顔領域として特定された領域の所定の輪郭点を抽出することで、顔領域と思われる領域の傾きを算出する。領域判定部501は、算出された傾きが所定の範囲内であるか否かに基づいて、顔領域として特定された領域の妥当性を判定する。
(例4)
また、領域判定部501は、取り込まれた動画像から背景領域を除いた領域を抽出する。領域判定部501は、抽出された領域に基づいて、人物領域として特定された領域の妥当性を判定する。なお、背景領域は、過去に取り込まれた動画像や撮影結果から特定されるようにしてもよいし、その色に基づいて特定されるようにしてもよい。
以上のようにして、人物領域として特定された領域の妥当性が判定される。
そして、ステップS65においては、妥当性があると判定された人物領域に対して、画像処理が施される。
以上の処理によれば、顔認識において誤認識が発生した場合であっても、結果として、ライブビュー画像における人物領域に対して適切に画像処理が施される。これにより、利用者は、容易かつ確実に、画像の仕上がりをイメージすることが可能となる。
なお、上述した処理における妥当性の判定の結果、顔認識において誤認識が発生している場合には、ライブビュー表示画面の所定の領域に、「顔認識に失敗しています」等、誤認識が発生している旨のメッセージが表示されるようにしてもよい。このメッセージにより、利用者は、ポーズをとり直すことができる。
<変形例>
上述した例では、画像処理のパラメータ(画像処理の強弱)は、利用者による直接的な選択によらず決定されるものとした。しかしながら、画像処理のパラメータが、利用者の選択により決定されるようにしてもよい。
例えば、ライブビュー表示画面が表示される前に、目サイズを選択させる選択画面が表示されるようにする。選択画面には、例えば3種類の目サイズに対応するボタンが表示される。選択画面においていずれかのボタンが選択されると、ライブビュー表示画面に表示されるライブビュー画像には、選択されたボタンに対応する目サイズ変更処理が施される。
これにより、ライブビュー画像には利用者が所望する画像処理が施されるため、利用者は、画像の仕上がりをより良くイメージすることができる。
また、ライブビュー表示画面において、ライブビュー画像の背景に合成される背景画像が選択可能とするようにしてもよい。これらの背景画像には、被写体の前景に合成されるスタンプ画像が前景画像として含まれるようにしてもよい。
この場合、利用者は、ライブビュー画像の背景に合成されて表示される背景画像を切り替えることができる。すなわち、利用者は、自身のとるポーズや表情によりマッチした背景画像を選択して、その仕上がりをイメージすることができる。
<コース選択の課題>
ところで、従来、利用者の中には、撮影に関するコースを選択する際に、そのコースの違いを理解せずに選択していた利用者が少なからずいた。
例えば、上述した写りコース選択画面において、LightコースとClearコースとを選択させるための2つのボタンを設けられているものとする。それぞれのボタンには、それぞれのコースに応じて画像処理が施されたモデル画像が表示される。また、それぞれのボタンの近傍には、それぞれの写りコースにより、撮影画像がどのような写りになるかを説明するメッセージが記される。
このような写りコース選択画面であっても、利用者は、それぞれのコースを選んだ場合に得られる画像の仕上がりをイメージすることはできなかった。その結果、利用者が所望する画像を提供できないおそれがあった。
そこで、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、写りコース選択画面においてライブビュー画像を表示し、選択されたコースに対応する画像処理を、そのライブビュー画像に対して施すようにする。
<写りコース選択処理の例>
図19は、写りコース選択処理の例について説明するフローチャートである。
まず、ステップS71において、表示制御部311は、写りコース選択画面を、タッチパネルモニタ93に表示させる。
図20は、写りコース選択画面の例を示す図である。
写りコース選択画面の中央上部から中部には、画像表示領域511が設けられる。画像表示領域511は、カメラ91に取り込まれた動画像(ライブビュー画像)が表示される領域である。
画像表示領域511の左側には、ボタン521が設けられ、画像表示領域511の右側には、ボタン522が設けられる。ボタン521は、写りコースとしてLightコースを選択するためのボタンである。ボタン522は、写りコースとしてClearコースを選択するためのボタンである。
そして、ボタン522の下側には、OKボタン523が設けられる。OKボタン523は、ボタン521またはボタン522が操作されることで選択された写りコースを確定するためのボタンである。
図19のフローチャートに戻り、ステップS72において、撮影制御部312は、カメラ91を制御することで、利用者が映る動画像を取り込む。
ステップS73において、表示制御部311は、ボタン521またはボタン522に対する操作に基づいて、写りコースの選択を受け付ける。
ステップS74において、画像処理部313は、カメラ91に取り込まれた動画像に対して、選択された写りコースに対応する画像処理を施す。
具体的には、ボタン521が選択された場合(Lightコースが選択された場合)、画像処理部313は、カメラ91に取り込まれた動画像の人物領域に対して、被写体の肌の質感が自然でうるおいのあるものになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。
また、ボタン522が選択された場合(Clearコースが選択された場合)、画像処理部313は、カメラ91に取り込まれた動画像の人物領域に対して、被写体の肌の質感を色白で透明感のあるものになるように、彩度、明度、シャープネス、およびコントラスト(輝度)を調整する。
ステップS75において、表示制御部311は、いずれかの画像処理が施された動画像をライブビュー画像として、写りコース選択画面の画像表示領域511にリアルタイムに表示させる。
そして、ステップS76において、表示制御部311は、OKボタン523が押下されたか否かを判定する。OKボタン523が押下されていないと判定された場合、処理はステップS72に戻る。すなわち、継続して、写りコース選択画面(ライブビュー画像)が表示される。
一方、ステップS76において、OKボタン523が押下されたと判定された場合、そのときに選択されている写りコースが確定される。なお、写りコース選択画面が表示されてから所定時間が経過したときに、OKボタン523が押下されていない場合には、いずれか一方の写りコース(例えばLightコース)が確定される。その後、写りコース選択画面の表示は終了し、1回目の撮影が行われる(図11のステップS22)。
以上の処理によれば、写りコース選択画面において、利用者が選択した写りコースに対応する画像処理が施されたライブビュー画像が、リアルタイムに表示される。これにより、利用者は、それぞれの写りコースによりライブビュー画像がどのような写りになるか、その違いを確認することができる。すなわち、利用者は、それぞれのコースを選んだ場合に得られる画像の仕上がりをイメージすることができる。結果として、利用者が所望する画像を提供することが可能となる。
なお、上述した例において、ライブビュー画像における背景領域に、選択された写りコースに応じた背景画像が合成されるようにしてもよい。
上述したClearコースのように、例えば、ライブビュー画像に対して青みを帯びた画像にする処理が施される場合、ライブビュー画像における背景領域に、青みを帯びた背景画像が合成されるようにする。これにより、背景領域に対する処理を軽減することができ、画像処理の負荷を下げることができる。
<ライブビュー画像の表示例>
上述した例では、写りコースの数は2つであったが、3つ以上であってもよい。写りコースの数が多ければ、写りの選択の自由度を高めることができる。
また、所定の時間毎に、写りコースに対応する画像処理が切り替わってライブビュー画像に施されるようにしてもよい。これにより、利用者は、選択操作をすることなく、それぞれの写りコースによりライブビュー画像がどのような写りになるか、その違いを確認することができる。
さらに、利用者の人数に応じて、ライブビュー画像の表示時間や表示サイズが変更されるようにしてもよい。
例えば、利用者の人数が多い場合、それぞれの利用者がライブビュー画像を確認するのに時間がかかる。そこで、利用者の人数が多い場合には、ライブビュー画像の表示時間を長くする。この場合、撮影回数を減じるようにしてもよい。また、利用者の人数が多い場合には、ライブビュー画像の表示サイズを大きくする。これにより、それぞれの利用者からの視認性を向上させることができる。
<写りコース選択のタイミング>
上述した例では、写りコースの選択は、1回目の撮影前に行われるものとした。これに限らず、写りコースの選択が、他の回の撮影前に行われるようにしてもよい。
例えば、写りコースの選択が、6回行われる撮影のうちの最後の撮影前(5回目の撮影後)に行われるようにしてもよい。利用者は、撮影回数を重ねる度に、表情やポーズをとることに慣れ、余裕をもって撮影作業を行うことができる。そこで、最後の撮影前に写りコースの選択が行われるようにすることで、利用者は余裕をもって写りコースを選択することができるようになる。
この場合、6回行われる撮影により得られた6枚の撮影画像(静止画像)に対して、最後に選択された写りコースに対応する画像処理を施し、撮影結果として表示するようにしてもよい。
また、1回目の撮影前に選択された写りコース以外の写りコースに対応する画像処理が、例えば、最後の撮影時に表示されるライブビュー画像に施されるようにしてもよい。
さらに、写りコースの選択がいずれの回の撮影前に行われるかを、利用者に選択させるようにしてもよい。
また、写りコースの選択が行われるタイミングが2回以上あってもよい。例えば、2回目以降の撮影時のライブビュー表示画面において、1回目の撮影前に選択された写りコースを変更するためのボタンを表示させる。これにより、利用者は、最初に選択した写りコースに満足しなかった場合に、他の写りコースを選択することができる。
さらにまた、写りコースの選択が、例えば6回の撮影それぞれの前に(撮影の度に)行われるようにしてもよい。この場合、撮影画像それぞれで異なる雰囲気の仕上がりとなり、バラエティに富んだシール紙が得られる。
なお、ライブビュー画像表示時に写りコースを選択させる場合、その回の撮影におけるライブビュー画像の表示時間を、他の回の撮影におけるライブビュー画像の表示時間より長く設定してもよい。これにより、利用者は、画像処理が施されたライブビュー画像を、納得のいくまで確認することができる。なお、ゲームに慣れている利用者は、さほど時間をかけることなく写りコースを選択できるので、余った時間の分、例えば編集処理の時間が延長されるようにしてもよい。
<その他のコース選択の例>
なお、写りコースに限らず、撮影に関するその他のコースを選択するための選択画面において、選択されたコースに対応する画像処理が施されたライブビュー画像が表示されるようにしてもよい。
撮影に関するコースには、例えば、人数コースや背景コースなどがある。
人数コースは、被写体の人数に応じた撮影の種類を決定するためのコースである。人数コースには、例えば、利用者が1人の場合に適した撮影が行われる1人用コース、利用者が2人の場合に適した撮影が行われる2人用コース、および、利用者が3人以上、特に4人以上の場合に適した撮影が行われる大人数コースがある。
このような人数コースを選択するための人数コース選択画面には、例えば上述した人数コースを選択するためのボタンが設けられる。また、人数コース選択画面には、カメラ91に取り込まれた動画像(ライブビュー画像)が表示される画像表示領域が設けられる。
人数コース選択画面において、いずれかのボタン(人数コース)が選択されると、カメラ91に取り込まれた動画像に対して、選択された人数コースに対応する画像処理が施される。画像処理が施された動画像は、ライブビュー画像として画像表示領域にリアルタイムに表示される。このとき、ライブビュー画像には、選択された人数コースの人数分の顔が収まるべき位置を示す枠が重畳されて表示されるようにしてもよい。
一方、背景コースは、撮影により得られる撮影画像の背景の種類を決定するためのコースである。背景コースには、彩度の低い黒や白を基調とした色の背景画像を用意することで、撮影画像の仕上がりを洗練された落ち着いた雰囲気にするための背景コースと、彩度の高い原色を基調とした色の背景画像を用意することで、撮影画像の仕上がりを華やかな雰囲気にするための背景コースとがある。
このような背景コースを選択するための背景コース選択画面には、例えば上述した背景コースを選択するためのボタンが設けられる。また、背景コース選択画面には、カメラ91に取り込まれた動画像(ライブビュー画像)が表示される画像表示領域が設けられる。
背景コース選択画面において、いずれかのボタン(背景コース)が選択されると、カメラ91に取り込まれた動画像に対して、選択された背景コースに対応する画像処理が施される。画像処理が施された動画像は、ライブビュー画像として画像表示領域にリアルタイムに表示される。このとき、ライブビュー画像には、選択された背景コースの雰囲気に合った背景画像が合成されて表示されるようにしてもよい。
さらにまた、上述した撮影に関するコースに限らず、撮影画像に施される画像処理を選択するための選択画面において、選択された画像処理そのものが施されたライブビュー画像が表示されるようにしてもよい。
選択画面において選択される画像処理としては、例えば、上述した以下(1)乃至(10)の処理とされる。
(1)小顔処理
(2)目サイズ変更処理
(3)美鼻処理
(4)口サイズ変更処理
(5)目形状変更処理
(6)口元変更処理
(7)肌色変更処理
(8)髪色変更処理
(9)化粧処理
(10)美肌処理
選択画面には、例えばこれらの画像処理のパラメータ(画像処理の強弱やON/OFF)を選択するためのボタンが設けられる。また、その選択画面には、カメラ91に取り込まれた動画像(ライブビュー画像)が表示される画像表示領域が設けられる。
その選択画面において、いずれかのボタンが選択されると、カメラ91に取り込まれた動画像に対して、選択されたパラメータでの画像処理が施される。画像処理が施された動画像は、ライブビュー画像として画像表示領域にリアルタイムに表示される。
なお、画像処理には、上述したような顔のパーツに対する画像処理の他、上述した脚長処理や痩身処理等、被写体の全身に対する画像処理が含まれてもよい。
ここで、利用者が複数人の場合、選択されたパラメータでの画像処理は、ライブビュー画像に映る被写体それぞれに対して一括して施されるようにしてもよいし、選択された被写体に対して個別に施されるようにしてもよい。
なお、選択画面として、上述した撮影に関するコースや画像処理のいずれか1つを選択するための選択画面が表示されるだけでなく、複数の選択画面が1つずつ順番に表示されるようにしてもよい。例えば、写りコース選択画面、人数コース選択画面、背景コース選択画面が順番に表示された後、小顔処理の選択画面が表示されるようにしてもよい。また、写りコース選択画面が表示された後、小顔処理の選択画面、目サイズ変更処理の選択画面が順番に表示されるようにしてもよい。
なお、目サイズ変更処理などの、顔のパーツに対する画像処理は、近年の写真シール機において重要度の高い機能とされる。そこで、顔のパーツに対する画像処理をライブビュー画像には施さず、撮影に関するコースに対応する画像処理が施された撮影画像に対して施すようにしてもよい。これにより、利用者は、撮影画像に写る自身の顔を、より確実に所望の顔にすることができる。
<コースに応じたハードウェア構成の制御>
また、選択された撮影に関するコースに応じて、撮影空間A1内のハードウェア構成が制御されるようにしてもよい。
具体的には、選択された撮影に関するコースに応じて、撮影空間A1内に設けられる照明装置222(各ストロボユニット内に設けられる蛍光灯)が照射する定常光の発光が制御されるようにする。
図21は、照明装置222の照明制御処理について説明するフローチャートである。図21の処理は、写りコース選択画面において写りコースが選択されると開始される。
ステップS81において、照明制御部314は、選択された写りコースに応じて、照明装置222(各ストロボユニット内に設けられる蛍光灯)の発光の有無、発光量、発光色(色温度)、発光時間などを制御する。
例えば、選択された写りコースに応じて、ライブビュー画像に対して赤みを帯びた画像にする処理や、青みを帯びた画像にする処理が施される場合、これらの色に対応するように各ストロボユニット内に設けられる蛍光灯が発光する定常光の色温度を制御する。これにより、画像処理の負荷を下げることができる。その結果、画像処理速度が向上し、所望の画像処理が施された画像がより速く出力(表示)される。
なお、発光色が制御される場合、各ストロボユニット内部には、蛍光灯に代えて、3色LED(Light Emitting Diode)などを設けるようにする。
なお、上述した写真シール作成装置1においては、撮影空間A1内に、1つずつのカメラ91およびタッチパネルモニタ93が設けられるものとした。しかしながら、例えば、上下縦方向に2つずつのカメラおよびタッチパネルモニタが設けられるようにしてもよい。これにより、例えば、被写体をその正面から撮影できる他、被写体をその斜め上から撮影することもできる。
さらに、写真シール作成装置1の機能として、カメラが上下方向に可動する構成を採るようにしてもよい。この構成においても、例えば、被写体をその正面から撮影できる他、被写体をその斜め上から撮影することもできる。
また、撮影空間外(例えば側面パネル42A,42B)などにカメラおよびタッチパネルモニタを設けるようにしてもよい。これにより、撮影処理が行われる前に、撮影に関するコースを選択させ、選択されたコースに応じた画像処理が施されたライブビュー画像を表示することができる。
上述で説明した例では、選択された撮影に関するコースに応じて、各ストロボユニット内に設けられる蛍光灯が照射する定常光の発光が制御されるものとした。
ところで、撮影空間内に設けられる各ストロボユニットは、撮影に合わせて発光するストロボ発光管と、定常光を発光する定常光光源を有している。なお、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84は、ストロボ発光管を有せず、定常光光源のみを有している。もちろん、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84が、ストロボ発光管と定常光光源と有するようにしてもよい。
撮影のタイミングでは、撮影に合わせてストロボ発光管が発光することで、撮影空間において、被写体が明るく写る撮影環境が提供される。一方、撮影前の時間帯では、ストロボ発光管は発光せず、定常光光源が発光するのみである。したがって、撮影前の時間帯の撮影空間は、撮影のタイミングの撮影空間とは異なる撮影環境となる。
そのため、撮影前の時間帯に表示されるライブビュー画像は、撮影結果として表示される撮影画像とは異なる写りとなる。その結果、利用者は、ライブビュー画像と撮影画像との写りの違いに、違和感を覚えながら撮影作業を行うことになる。
そこで、以下においては、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にする構成について説明する。
<ストロボユニットの構成例>
(背面上ストロボユニットの構成例)
図22および図23は、背面上ストロボユニット121の外観の構成例を示している。
図22は、撮影空間A1において、撮影部21(カメラ91)側からみた背面上ストロボユニット121の外観の構成例を示している。図23は、撮影空間A1において、利用者の立ち位置からみた背面上ストロボユニット121の外観の構成例を示している。
背面上ストロボユニット121の発光面は、撮影空間A1内に立つ利用者(被写体)に向けられる。すなわち、背面上ストロボユニット121は、その発光面が撮影空間A1内に立つ利用者に向くよう、水平面と所定の角をなすように設置されている。
背面上ストロボユニット121の発光面は、平面の透明アクリル板611により構成される。透明アクリル板611の奥には、ルーバー612が設けられる。さらに、ルーバー612の奥には、平面の乳白アクリル板(図示せず)が設けられる。乳白アクリル板により、背面上ストロボユニット121内部からの光が拡散され、ルーバーにより、その光が利用者の立ち位置の方向に導かれる。
図24は、透明アクリル板611やルーバー612などを取り外した状態の背面上ストロボユニット121の内部の構成例を示している。
背面上ストロボユニット121の内部は、左右に横長の箱状の空間になっている。背面上ストロボユニット121の内部で、左右方向の中心の位置には、ストロボ発光部621が設けられる。
図25は、ストロボ発光部621の構成を示している。
ストロボ発光部621は、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管631、V字反射板632、および回路ユニット633から構成される。
ストロボ発光管631は、円筒形の形状を有し、その円周面から360°方向に光を照射する。
V字反射板632は、側面視でV字をなす2平面から構成される。V字反射板632は、ストロボ発光管631からみて発光面の反対側に設けられる。V字反射板632のV字の内角側の反射面により、ストロボ発光管631の発光による光が、発光面側に反射される。この反射光は、直接的に被写体側に照射されるので、その距離も短くなる。
このような構成により、撮影空間A1内の利用者に対して固い光(光源から直接的に被写体に当たる光)が照射される。
V字反射板632は、アルミ板により構成される。なお、アルミ板に限らず、その反射面の反射率が同等以上であれば、他の金属板や樹脂製の板で構成されるようにしてもよい。また、V字反射板632を、アルミ板やその他の材料で構成する場合、その反射面の色の明度を高くしたり、反射面を白色や黄色などの色彩にすることで、その反射率の高さを保つことができる。
回路ユニット633は、ストロボ発光管631を発光させるための回路を内蔵している。
図24の説明に戻り、ストロボ発光部621の左側には、定常光光源622が設けられ、ストロボ発光部621の右側には、定常光光源623が設けられる。
定常光光源622,623は、LED電球により構成され、撮影のタイミングにかかわらず常時点灯している。すなわち、定常光光源622,623は、図示せぬ乳白アクリル板、ルーバー612、および透明アクリル板611を介して、撮影空間A1内に定常光を照射する。
定常光光源622,623は、その発光部分がストロボ発光部621に近くなるような位置に配置される。これにより、定常光光源622,623の発光を、ストロボ発光管631の発光に近づけることができる。具体的には、定常光光源622,623の発光の方向を、ストロボ発光管631の発光の方向と略同じにすることができる。すなわち、定常光光源622,623は、撮影空間A1内の利用者に対して、ストロボ発光管631と同じような光を照射することができる。その結果、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にすることができる。
なお、定常光光源622,623が電球型蛍光灯により構成されるようにした場合、その発光部分が発熱するため、定常光光源622,623を、ストロボ発光部621から離して配置する必要がある。そこで、定常光光源622,623がLED電球により構成されるようにすることで、その発光部分が発熱することなく、定常光光源622,623を、ストロボ発光部621に近づけて配置することができる。
(背面左右ストロボユニットの構成例)
次に、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123の構成例について説明する。なお、背面右ストロボユニット122と背面左ストロボユニット123とは、基本的に同様の構成を採るので、以下においては、代表して、背面右ストロボユニット122の構成例について説明する。
図26は、背面右ストロボユニット122の外観の構成例を示している。
図26は、出入り口G2方向からみた背面右ストロボユニット122の外観の構成例を示している。
背面右ストロボユニット122の発光面651は、撮影空間A1内に立つ利用者(被写体)に向けられる。また、発光面652は、背面パネル51の面に平行な方向に向けられる。すなわち、背面右ストロボユニット122は、発光面651が背面パネル51の面と所定の角をなすように、また、発光面652が背面パネル51の面と直角をなすように設置されている。
発光面651,652は、上述で説明した背面上ストロボユニット121の発光面と同様に構成される。
図27は、発光面651を取り外した状態の背面右ストロボユニット122の内部の構成例を示している。
背面右ストロボユニット122の内部は、上下に縦長の箱状の空間になっている。背面右ストロボユニット122の内部で、上下方向の上端の位置には、ストロボ発光部661が設けられる。
ストロボ発光部661は、撮影のタイミングで発光するストロボ発光管を備えている。なお、ストロボ発光部661は、図25を参照して説明したストロボ発光部621と異なり、V字反射板を備えていない。すなわち、ストロボ発光部621のストロボ発光管の発光による光は、その円周面から360°方向に照射される。
このような構成により、撮影空間A1内の利用者に対して柔らかい光(反射または拡散することで光源から間接的に被写体に当たる光)が照射される。
ストロボ発光部661の下側には、定常光光源662が設けられる。
定常光光源662は、LED電球により構成され、撮影のタイミングにかかわらず常時点灯している。すなわち、定常光光源662は、発光面651,652を介して、撮影空間A1内に定常光を照射する。
定常光光源662が、LED電球により構成されるようにすることで、その発光部分を、背面上ストロボユニット121と同様、ストロボ発光部661に近くなるように配置することができる。これにより、定常光光源662の発光を、ストロボ発光部661の発光に近づけることができる。具体的には、定常光光源662の発光の方向を、ストロボ発光部661の発光の方向と略同じにすることができる。すなわち、定常光光源662は、撮影空間A1内の利用者に対して、ストロボ発光部661と同じような光を照射することができる。その結果、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にすることができる。
なお、ストロボ発光部661は、図28に示される構成を採ることもできる。
図28のストロボ発光部661は、図25のストロボ発光部621と同様の構成(ストロボ発光管631(図示せず)、V字反射板632、および回路ユニット633)に加え、平面反射板671を有している。
平面反射板671は、ストロボ発光管631からみて発光面651側に設けられる。平面反射板671は、その反射面で、ストロボ発光管631の発光により発光面651側に照射される光を、発光面651の反対側に反射する。
平面反射板671の高さ方向の長さは、V字反射板632のそれよりも長く、幅方向の長さも、V字反射板632のそれよりも長い。
このような構成により、ストロボ発光管631の発光による光は、直接的に発光面側に進むことはない。
言い換えると、ストロボ発光管631の発光による光は、平面反射板671およびV字反射板632に反射することで、発光面651とは反対側の、背面右ストロボユニット122の内部の空間内に進む。そして、背面右ストロボユニット122の内部の空間内で反射した光が、発光面651や発光面652側に進む。すなわち、ストロボ発光管631の発光による光は、反射光として、間接的に発光面651や発光面652側に進む。
このような構成により、撮影空間A1内の利用者に対して柔らかい光が照射されるようにすることもできる。
<ストロボユニットの光量について>
背面上ストロボユニット121は、被写体となる利用者の頭頂部に対して、固い光を照射する。これにより、撮影画像において、利用者の髪全体が明るく写るようになる。
一方、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123は、被写体となる利用者の左右両側に対して、柔らかい光を照射する。これにより、撮影画像において、背景と人物(利用者)との境界が際立つようになる。
ここで、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123の光量を、背面上ストロボユニット121の光量を同等にした場合、利用者の顔、特に両頬に強い光が照射されてしまう。その結果、利用者の顔に「てかり」が生じるおそれがある。「てかり」は、額や頬がてかてか光ってみえることをいう。
また、背面上ストロボユニット121の光量を、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123の光量と同等にした場合、利用者の髪全体が暗くなってしまう。その結果、利用者の顔の立体感が損なわれるおそれがある。
そこで、本実施の形態の写真シール作成装置1においては、背面上ストロボユニット121の光量を、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123の光量より大きくする。これにより、利用者の顔に生じる「てかり」を抑え、利用者の顔の立体感を保つことができる。
この場合、背面上ストロボユニット121が有するストロボ発光管631の光量を、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有するストロボ発光管(ストロボ発光部661)の光量より大きくなるようにする。
具体的には、背面上ストロボユニット121が有するストロボ発光管631のワット数を9Wとし、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有するストロボ発光管それぞれのワット数を7Wとする。
これに合わせて、背面上ストロボユニット121が有する定常光光源622,623の光量を、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有する定常光光源662の光量より大きくなるようにする。
具体的には、背面上ストロボユニット121が有する定常光光源622,623それぞれのワット数を8.4W(合わせて16.8W)とし、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有する定常光光源662それぞれのワット数を10Wとする。
ここで、各ストロボユニットが有するストロボ発光管の発光による明るさと、定常光光源の発光による明るさとは等しいことが好ましい。これにより、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にすることができる。しかしながら、ストロボ発光管の発光による明るさは、ストロボ発光管のコンデンサ容量や閃光時間、カメラ91のF値やISO感度に依存する。そのため、ストロボ発光管の発光による明るさを、定常光光源の発光による明るさと等しいするように制御することは容易ではない。
そこで、背面上ストロボユニット121が有するストロボ発光管631の光量と、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有するストロボ発光管(ストロボ発光部661)の光量との比を、背面上ストロボユニット121が有する定常光光源622,623の光量と、背面右ストロボユニット122および背面左ストロボユニット123それぞれが有する定常光光源662の光量との比と略同じとなるようにする。
具体的には、例えば、背面上ストロボユニットが有する定常光光源のEV値を、背面右ストロボユニットおよび背面左ストロボユニットそれぞれが有する定常光光源のEV値より約2.3EV大きくなるようにする。これらは、露出計による測定により確認することができる。
また、背面上ストロボユニットが有するストロボ発光管のEV値を、背面右ストロボユニットおよび背面左ストロボユニットそれぞれが有するストロボ発光管のEV値より約2.3EV大きくなるようにする。これらは、F値から算出されるAV値と、シャッタスピードから算出されるTV値を用いた換算式により確認することができる。
以上の構成によれば、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にすることができる。これにより、撮影前の時間帯に表示されるライブビュー画像は、撮影結果として表示される撮影画像と略同じ写り具合となる。結果として、利用者は、ライブビュー画像と撮影画像との写りの違いに違和感を覚えることなく撮影作業を行うことが可能となる。
<変形例>
以上においては、撮影空間A1において利用者の背面側に設けられる背面上ストロボユニット121、背面右ストロボユニット122、および背面左ストロボユニット123の構成について説明してきた。
ここで、撮影空間A1において利用者の正面側に設けられる上ストロボユニット82、左ストロボユニット83、および右ストロボユニット84が、上述した構成を採るようにしてもよい。
具体的には、上ストロボユニット82、左ストロボユニット83、および右ストロボユニット84それぞれに、撮影に合わせて発光するストロボ発光管と、定常光を発光する定常光光源とを設けるようにする。
そして、上ストロボユニット82の光量を、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84の光量より大きくする。
具体的には、上ストロボユニット82が有するストロボ発光管の光量を、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有するストロボ発光管の光量より大きくなるようにする。ここで、上ストロボユニット82が有するストロボ発光管の光量を、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有するストロボ発光管の光量それぞれの総量より大きくなるようにしてもよい。
これに合わせて、上ストロボユニット82が有する定常光光源の光量を、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有する定常光光源の光量より大きくなるようにする。ここでも、上ストロボユニット82が有する定常光光源の光量を、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有する定常光光源の光量それぞれの総量より大きくなるようにしてもよい。
さらに、上ストロボユニット82が有するストロボ発光管の光量と、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有するストロボ発光管の光量との比を、上ストロボユニット82が有する定常光光源の光量と、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84それぞれが有する定常光光源の光量との比と略同じとなるようにする。
このような構成においても、撮影前の時間帯の撮影空間を、撮影のタイミングの撮影空間と同じような撮影環境にすることができ、結果として、利用者は、ライブビュー画像と撮影画像との写りの違いに違和感を覚えることなく撮影作業を行うことが可能となる。
なお、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84の光量を、それらの光と上ストロボユニット82の光とが干渉しない程度に抑えることで、利用者の顔の中央からその左右にかけての明暗の差がなだらかになり、利用者の顔に立体感をつくり出すことができる。さらに、このような構成においては、左ストロボユニット83および右ストロボユニット84を、キャッチライトとして機能させることができる。結果として、利用者の顔がより良く写る撮影画像を提供することができる。
また、上述で説明した全身撮影が行われる場合には、アップ撮影が行われる場合と比較して、背面上ストロボユニット121や上ストロボユニット82による光の照射範囲をより広い範囲とする必要がある。
そこで、全身撮影が行われるときの背面上ストロボユニット121や上ストロボユニット82の光量を、アップ撮影が行われるときのそれらの光量より大きくするようにしてもよい。
なお、上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図7に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。