<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態における地図配信システム1の構成例を示す図である。図1に示すように、地図配信システム1は、サーバ装置2と、移動端末装置3と、NW(Network)4とを含む。
サーバ装置2は、移動端末装置3に対して、地図データを配信するための装置である。サーバ装置2は、例えば、いわゆるサーバ装置やコンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)である。なお、本発明の第1の実施形態において、サーバ装置2は、これらに限定されない。
サーバ装置2は、所定のタイミングで、移動端末装置3に対して、地図データを配信する。所定のタイミングは、所定の周期や、予め定めれた日時、配信すべき地図データが作成された時、ユーザから要求された時など、どのような場合であってもよい。
本発明の第1の実施形態において、サーバ装置2は、階層構造をなすメッシュ状に分割された地図データを、移動端末装置3に対して配信する。サーバ装置2は、例えば、国や県、州などをメッシュ状に分割分割された地図データを、移動端末装置3に対して配信する。また、サーバ装置2は、複数の異なる縮尺ごとに階層化されたメッシュ状に分割された地図データを、移動端末装置3に対して配信する。
サーバ装置2が配信する地図データは、例えば、パーセルデータや、リージョンデータである。パーセルデータは、主に地図の描画や施設検索などに用いるためのデータであり、例えば、所定の領域をメッシュ状に分割した矩形単位で存在する。また、リージョンデータは、主に経路探索などに用いるためのデータであり、例えば、所定の領域をメッシュ状に分割した矩形単位で存在する。なお、本発明の第1の実施形態では、サーバ装置2がパーセルデータを配信する場合を例にして説明するが、サーバ装置2が配信する地図データは、パーセルデータ以外の地図データ(例えばリージョンデータやその他の地図データ)であってもよい。
図2は、サーバ装置2が配信する地図データの構成例を示す図である。図2に示すように、サーバ装置2は、特定の地域6をメッシュ状に分割した所定の領域7ごとに、地図データを配信する。所定の領域7に対応する地図データは、例えばパーセルデータであり、100〜1,000[m]単位で区分された矩形上の地図データである。なお、パーセルデータの区分の単位は、100〜1,000[m]に限られず、どのような単位であってもよい。
サーバ装置2は、特定の地域6に含まれる複数の所定の領域7から、地図データを配信すべき所定の領域7を特定して、該特定された所定の領域7の地図データを配信する。サーバ装置2は、例えば、“道路”や“線路”などを含む所定の領域7を特定して、該特定した所定の領域に対応する地図データを配信する。また、サーバ装置2は、ある地域に含まれる複数の所定の領域7の全てを、配信してもよい。
本発明の第1の実施形態において、サーバ装置2は、内容の変更があった所定の領域7を特定して、特定された所定の領域7の地図データを更新するか否かを判定し、判定結果に基づいて地図データの配信の要否を決定する。内容の変更は、例えば、新たに道路が開通したこと、すなわち新規開通道路があることである。また、内容の変更は、新規開通道路に限られず、例えば新たな“橋”や“トンネル”が設けられたことであってもよい。また、内容の変更は、例えば、新たな建築物が建設されたことや、既存道路などが廃止されたことなどであってもよい。なお、以下では、内容の変更は、新規開通道路として説明する。
移動端末装置3は、例えば、カーナビゲーションシステムに関するサービスを提供可能な装置(カーナビゲーション装置)である。なお、移動端末装置3は、カーナビゲーション装置に限られず、例えば、スマートフォンや携帯電話(例えば、フィーチャーフォン)、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)、PDA(personal digital assistant)、ウェアラブル端末などであってもよい。なお、本発明の第1の実施形態において、移動端末装置3は、これらに限定されない。
移動端末装置3は、例えば、自動車やバス、バイク、電車などの移動体5とともに移動する装置である。移動端末装置3は、例えば、移動体5に設置されていてもよいし、該移動体5を運転するユーザによって保持される想定であってもよい。なお、移動端末装置3は、移動体5とともに移動する装置に限られず、ユーザとともに移動する装置であっても、所定の場所に固定される装置など、どのような装置であってもよい。
移動端末装置3は、所定のタイミングで、サーバ装置2から地図データを受信する。移動端末装置3は、受信した地図データに基づいて、記憶している地図データを更新する。また、移動端末装置3は、更新した地図データを含む地図データを表示する等により、地図配信システム1のユーザに提示する。
NW4は、サーバ装置2と、移動端末装置3とを接続するための通信網である。サーバ装置2は、NW4を介して、地図データを移動端末装置3に対して配信する。NW4は、例えば、有線ネットワークや無線ネットワークである。具体的には、NW4は、ワイヤレスLAN(wireless LAN:WLAN)や広域ネットワーク(wide area network:WAN)、ISDNs(integrated service digital networks)、無線LANs、LTE(long term evolution)、CDMA(code division multiple access)などである。なお、NW4は、これらの例に限られず、例えば、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)やブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、衛星通信などであってもよく、どのようなNWであってもよい。
図3は、本発明の第1の実施形態におけるサーバ装置2の構成例を示す図である。図3に示すように、サーバ装置2は、通信部20と、制御部21と、地図データ記憶部26と、プローブ情報記憶部25を含む。
通信部20は、移動端末装置3と接続するための通信インターフェースである。サーバ装置2は、通信部20を介して、移動端末装置3に地図データを送信する。また、サーバ装置2は、通信部20を介して、所定の情報(例えば、後述するプローブ情報)を受信する。通信部20が実行する通信は、有線、無線のいずれの通信であってもよく、どのような通信プロトコルを用いるものであってもよい。
制御部21は、プログラム内のコードや命令によって所定の機能を実行するための機能を備え、例えば、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)である。また、制御部21は、例えば、マイクロプロセッサ(microprocessor)やマルチプロセッサ(multiprocessor)、ASIC(application−specific integrated circuit)、FPGA(field programmable gate array)などであってもよい。なお、本発明の第1の実施形態において、制御部21は、これらに限定されない。
図3に示すように、制御部21は、検出部22と、決定部23と、配信部24を含む。
検出部22は、特定の場所の周辺領域の交通量を検出する。特定の場所は、例えば、新たに道路が開通した場所、すなわち新規開通道路である。
検出部22は、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。周辺領域は、例えば、新規開通道路から所定の範囲内の領域である。所定の範囲は、例えば、新規開通道路から5[Km]以内の領域である。なお、所定の範囲は、5[Km]に限られず、10[Km]など、どのような範囲であってもよい。また、所定の範囲は、例えば、地図データにおいて、新規開通道路を含む領域(図4の領域71)内であってもよい。また、周辺領域は、例えば、新規開通道路に隣接する領域(図4の領域70)であってもよい。なお、周辺領域は、これらの例に限られず、どのような範囲であってもよい。
検出部22は、プローブ情報に基づいて、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。プローブ情報は、移動体5の走行軌跡を求めるための情報である。プローブ情報は、例えば、移動体5を識別可能な識別子と、移動体5の位置を示す位置情報と、該移動体5が当該位置に存在した時刻とを対応付けた情報である。移動体5の識別子は、例えば、移動体5を一意に識別可能なID(Identifier)である。移動体5の位置情報は、例えば、GPS(Global Positioning System)により収集可能である。移動体5の走行軌跡は、プローブ情報に含まれる移動体5の位置情報と時刻とに基づいて、求めることができる。
検出部22は、周辺領域における移動体5のプローブ情報に基づいて、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。検出部22は、複数の移動体5から受信したプローブ情報を記憶するプローブ情報記憶部25を参照して、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。
検出部22は、例えば、周辺領域の交通量として、周辺領域におけるプローブ情報の単位時間当たりの量(数)を検出する。なお、周辺領域におけるプローブ情報の単位時間当たりの量(数)は、該周辺領域の単位時間当たりの移動体5の走行数に該当する。
なお、検出部22は、プローブ情報のうち所定の属性を含む(または所定の属性である)プローブ情報に基づいて、該周辺領域の交通量を検出してもよい。所定の属性は、例えば、移動体5を操作するユーザの属性や、移動体5の属性である。
ユーザの属性は、例えば、ユーザの年齢や性別、身長、体重などであってもよい。また、ユーザの属性は、例えば、該ユーザが移動体5を使用する頻度(毎日使用、土日祝のみ使用、月に数回使用など)であってもよい。
また、ユーザの属性は、該ユーザによる移動体5の運転状況であってもよい。移動体5の運転状況は、例えば、アクセルの用い方(急発進が多いか否かなど)や、ブレーキの用い方(急停車が多いか否かなど)であってもよい。移動体5の運転状況は、例えば、ユーザによる該移動体5のアクセルやブレーキ、ハンドルの使用状況に基づいて、求めることができる。
また、所定の属性は、例えば、移動体5の大きさや重さ、種類(自家用車やスポーツカー、バス、トラック等)などであってもよい。移動体5の属性は、例えば、プローブ情報に含まれるIDにより、サーバ装置2側で特定することができる。また、所定の属性は、環境情報であってもよく、該環境情報はプローブ情報が収集された際の時刻(朝、昼、夜)や天候(晴れ、雨、曇りなど)、気温などである。環境情報は、移動体5におけるエアコンやワイパーなどの使用状況に基づいて求めることもできる。例えば、冷房が利用されている場合には“気温が高い”と求めることができ、また、ワイパーが利用されている場合には“天候は雨”と求めることができる。
検出部22は、プローブ情報のうち、所定の属性を含む(または所定の属性である)プローブ情報に基づいて、移動体5の走行軌跡を求める。検出部22は、求めた移動体5の走行軌跡に基づいて、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。例えば、検出部22は、自家用車のプローブ情報に基づいて該自家用車の走行軌跡を求め、新規開通道路の周辺領域における該自家用車の交通量を検出する。また、検出部22は、例えば、雨の日の移動体5のプローブ情報に基づいて、該雨の日の移動体5の走行軌跡を求め、求めた移動体5の走行軌跡に基づいて、新規開通道路の周辺領域の交通量を検出する。
上記のように、所定の属性を含む(または所定の属性である)プローブ情報に基づいて、新規開通道路の該周辺領域の交通量を検出することにより、様々な視点から、該新規開通道路の周辺領域の有用性を判断することができる。
なお、検出部22が検出する交通量は、具体的な数値に限らず、交通量が“多い”または“少ない”等の情報を検出してもよい。検出部22は、例えば、周辺領域におけるプローブ情報が所定量以上であることに基づいて、該周辺領域の交通量が“多い”と検出する。また、検出部22は、例えば、周辺領域におけるプローブ情報が所定量未満であることに基づいて、該周辺領域の交通量が“少ない”と検出する。なお、周辺領域の交通量は、“多い”または“少ない”の2段階ではなく、より細かく区分された3段階以上などで示されてもよい。
決定部23は、検出部22が検出した新規開通道路の周辺領域の交通量に基づいて、該新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信するか否かを決定する。決定部23は、周辺領域の交通量が所定の閾値以上である場合に、新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信すると決定する。また、決定部23は、周辺領域の交通量が所定の閾値未満である場合に、新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信しないと決定してもよい。
また、決定部23は、検出部22が周辺領域の交通量が“多い”と検出した場合に、新規開道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信すると決定する。また、決定部23は、検出部22が周辺領域の交通量が“少ない”と検出した場合に、新規開通道路を含む所定の領域7の地図データを配信しないと決定してもよい。
新規開通道路の周辺領域の交通量が所定の閾値以上、または、該周辺領域の交通量が“多い”場合、該新規開通道路の交通量も多くなると推定され、該新規開通道路は特定の地域6において有用性が高いと想定される。逆に、周辺領域の交通量が所定の閾値未満、または、該周辺領域の交通量が“少ない”場合、該新規開通道路の交通量は少なくなると推定され、該新規開通道路は特定の地域6において有用性が低いと想定される。
本発明の第1の実施形態において、決定部23は、新規開通道路の周辺領域の交通量が所定の閾値以上、または、該周辺領域の交通量が“多い”場合、すなわち新規開通道路の有用性が高いと想定される場合に、該新規開道路を含む領域の地図データを配信する。
配信部24は、決定部23の決定結果に基づいて、新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信する。配信部24は、決定部23が新規開通道路を含む所定の領域7の地図データを配信すると決定した場合に、該新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信する。配信部24は、新規開通道路を含む領域(図4の領域71)が複数ある場合には、その複数の領域(図4の領域71)の地図データを配信する。なお、配信部24は、決定部23が新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信しないと決定した場合には、該新規開通道路を含む領域(図4の領域71)の地図データを配信しない。
図4は、サーバ装置2が配信する地図データの構成例を示す図である。図4に示すように、サーバ装置2は、特定の地域6をメッシュ状に分割した所定の領域7ごとに、地図データを配信する。図4に示すように、特定の地域6には、新規開通道路Xと、既存道路A乃至Cが含まれる。
検出部22は、例えば、新規開通道路Xの周辺地域の交通量として、該新規開通道路Xに隣接する領域70の交通量を検出する。なお、検出部22は、新規開通道路Xの周辺領域に加えて、該新規開通道路Xを含む領域71の交通量を検出してもよい。
図4において、決定部23は、検出部22が検出した該新規開通道路Xに隣接する領域70の交通量に基づいて、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する。
そして、配信部24は、決定部23の決定結果に基づいて、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信する。配信部24は、例えば、決定部23が配信すると決定した場合に、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信する。
図5は、配信部24が配信する地図データの構成例を示す図である。図5に示すように、配信部24は、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データと、決定部23が配信すると決定した新規開通道路Xを含む領域71の地図データとを、移動端末装置3に対して配信する。なお、配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定した場合には、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データを配信する。
なお、配信部24は、例えば、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データのうち、内容に変更が生じた地図データを、移動端末装置3に配信してもよい。
配信部24は、図5に示すように、複数の領域ごとに、地図データを配信する。配信部24は、配信すべき地図データを一度にまとめて配信してもよいし、タイミング適宜変更して配信してもよい。なお、配信部24が、地図データを配信するタイミングは、所定の周期や、予め定められた日時、配信すべき地図データが作成された時、ユーザから要求された時、決定部23が地図データの配信を決定した時など、どのような場合であってもよい。
プローブ情報記憶部25は、移動体5の走行軌跡を示す情報であるプローブ情報を記憶する。プローブ情報記憶部25は、複数の移動体5のプローブ情報を記憶する。プローブ情報記憶部25は、サーバ装置2が通信部20を介して受信するプローブ情報を記憶する。
なお、サーバ装置2は、複数の移動体5の全部または一部から、プローブ情報を受信してもよい。また、サーバ装置2は、プローブ情報を収集するための特定の自動車であるプローブカーから、プローブ情報を受信してもよい。また、サーバ装置2は、移動体5からプローブ情報を受信する代わりに、プローブ情報を提供する他のシステムや他のサーバ装置から、プローブ情報を受信してもよい。
地図データ記憶部26は、地図データを記憶する。地図データ記憶部26は、例えば、特定の国や県、州などの特定の地域の地図データを記憶する。地図データ記憶部26は、例えば、特定の地域について、階層構造をなすメッシュ状に分割された地図データを記憶する。地図データ記憶部26に記憶される地図データは、例えば、最新の地図データである。最新の地図データは、例えば、内容の変更のあった全ての事項が反映された地図データである。最新の地図データは、例えば、特定の地域における全ての新規開通道路Xが反映された地図データである。なお、地図データ記憶部26に記憶される地図データは、必ずしも最新の地図データである必要はなく、どのような地図データであってもよい。
地図データ記憶部26に記憶される地図データは、例えば、所定のタイミングで、最新の地図データに更新される。所定のタイミングは、最新の地図データが作成された時や、所定の周期など、どのようなタイミングであってもよい。
図6は、本発明の第1の実施形態における移動端末装置3の構成例を示す図である。図6に示すように、移動端末装置3は、通信部30と、制御部31と、地図データ記憶部35と、GPS36と、表示装置37を含む。
通信部30は、サーバ装置2と接続するための通信インターフェースである。移動端末装置3は、通信部30を介して、サーバ装置2から地図データを受信する。また、移動端末装置3は、通信部30を介して、サーバ装置2に対してプローブ情報を送信する。通信部30が実行する通信は、有線、無線のいずれの通信であってもよく、どのような通信プロトコルを用いるものであってもよい。
制御部31は、プログラム内のコードや命令によって所定の機能を実行するための機能を備え、例えば、中央処理装置(CPU)である。また、制御部31は、例えば、マイクロプロセッサやマルチプロセッサ、ASIC、FPGAなどであってもよい。なお、本発明の第1の実施形態において、制御部31は、これらに限定されない。
図6に示すように、制御部31は、更新部32と、表示処理部33、通知部34を含む。
更新部32は、サーバ装置2から受信した地図データに基づいて、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを更新する。更新部32は、例えば、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを受信して、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを更新する。更新部32は、例えば、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データを受信して、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを更新する。
なお、更新部32は、例えば、サーバ装置2から受信した地図データと、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを比較して、相違点がある地図データについて、該地図データを更新してもよい。
表示処理部33は、地図データ記憶部35に記憶されている地図データに基づいて、表示装置37に地図を表示するための表示データを作成する。表示処理部33は、例えば、移動端末装置3の現在位置に基づいて、表示装置37に地図を表示するための表示データを作成する。表示処理部33は、移動端末装置3のユーザの要求に基づいて、表示装置37に地図を表示するための表示データを作成する。
表示処理部33は、地図に加えて、渋滞情報などを該地図上に表示するための表示データを作成してもよい。表示処理部33は、地図のほか、種々の情報を表示装置37に表示するための表示データを作成する。
通知部34は、通信部30を介して、移動端末装置3の現在位置を、サーバ装置2に対して通知する。通知部34は、GPS36で収集した移動端末装置3の現在位置を、サーバ装置2に対して通知する。
通知部34は、GPS36で収集した移動端末装置3の現在位置と、収集した時刻とを対応付けた情報を、サーバ装置2に対して通知してもよい。また、通知部34は、GPS36で収集した移動端末装置3の現在位置と収集した時刻とに基づいて、プローブ情報を作成して、サーバ装置2に対して通知してもよい。
通知部34は、所定のタイミングで、移動端末装置3の現在位置をサーバ装置2に対して通知してもよい。なお、所定のタイミングは、所定の周期や任意のタイミングなど、どのようなタイミングであってもよい。
地図データ記憶部35は、地図データを記憶する。地図データは、地図の描画に用いられる情報を含む。例えば、地図データは、地図を描画するための情報として、メタファイルと、イメージデータとを含む。また、地図データは、施設検索に用いられる情報を含む。例えば、地図データは、施設の名称と、該施設の位置とが対応付けられた情報を含み、施設検索に用いることができる。また、地図データは、リンクやノードなど地図情報を規定するための道路要素に関する情報を含む。例えば、地図データは、道路を示すリンクと、該リンクとリンクとの接続点であるノードを含む道路ネットワークデータを含む。道路ネットワークデータでは、リンクによって高速道路や国道などが表され、ノードによって交差点等が表される。地図データ記憶部35は、例えば、特定の国や県、州などの特定の地域について、地図データを記憶する。地図データ記憶部35は、例えば、特定の地域について、階層構造をなすメッシュ状に分割された地図データを記憶する。また、地図データ記憶部35は、サーバ装置2から受信した地図データによって更新された地図データを記憶する。
GPS36は、移動端末装置3の現在位置を収集するための機能を備える。GPS36は、例えば、所定のタイミングで、移動端末装置3の現在位置を収集する。所定のタイミングは、例えば、所定の周期や任意のタイミングなど、どのようなタイミングであってもよい。
表示装置37は、表示処理部34が作成した表示データに基づいて、地図データなどを表示する。
図7は、地図データを配信する場合における、サーバ装置2の動作例を示すフローチャートである。
サーバ装置2の検出部22は、新規開通道路Xの周辺領域の交通量を検出する(S101)。検出部22は、例えば、プローブ情報記憶部25に記憶されたプローブ情報に基づいて、新規開通道路Xの周辺領域の交通量を検出する。
決定部23は、検出部22が検出した新規開通道路Xの周辺領域の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する(S102)。決定部23は、例えば、新規開通道路Xの周辺領域の交通量が所定の閾値以上である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定する。一方、決定部23は、例えば、新規開通道路Xの周辺領域の交通量が所定の閾値未満である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定する。
配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定した場合(S102のYES)、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データに加えて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを、移動端末装置3に対して配信する(S103)。
一方、配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定した場合(S102のNO)、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信せず、既存道路A乃至Cを含む領域72の地図データを配信する(S104)。
図8は、地図データを受信した場合における、移動端末装置3の動作例を示すフローチャートである。
移動端末装置3の通信部20は、サーバ装置2から地図データを受信する(S201)。
移動端末装置3の更新部32は、サーバ装置2から受信した地図データに基づいて、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを更新する(S202)。更新部32は、例えば、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを受信して、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを更新する。なお、更新部32は、サーバ装置2から受信した地図データと、地図データ記憶部35に記憶されている地図データを比較して、相違点がある地図データについて、該地図データを更新してもよい。
表示処理部33は、地図データ記憶部35に記憶されている地図データに基づいて、表示装置37に地図を表示するための表示データを作成する(S203)。なお、表示処理部33は、地図に加えて、渋滞情報などを該地図上に表示するための表示データを作成してもよい。
表示処理部33は、作成した表示データに基づいて、表示装置37に地図を表示させる(S204)。
上記のとおり、本発明の第1の実施形態において、サーバ装置2は、新規開通道路Xの周辺領域の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する。そして、サーバ装置2は、周辺領域の交通量が所定の閾値以上である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定する。一方、サーバ装置2は、周辺領域の交通量が所定の閾値未満である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定する。
このように、本発明の第1の実施形態では、サーバ装置2は、新規開通道路Xがあったとしても、該新規開通道路Xの周辺領域の交通量が所定の閾値以上でなければ、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しない。そのため、サーバ装置2が配信する地図データの容量を減らすことができ、地図データを送信するサーバ装置2および該地図データを受信する移動端末装置3の負荷を抑制することが可能となる。
また、本発明の第1の実施形態では、サーバ装置2は、新規開通道路Xの周辺領域の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データの配信の要否を決定する。すなわち、サーバ装置2は、周辺道路の交通量が多く、有用性が高いと想定される新規開通道路Xを含む領域の地図データを配信する一方、周辺道路の交通量が少なく、有用性が低いと想定される新規開通道路Xを含む領域の地図データは配信しない。そのため、サーバ装置2は、その地域にとって有用性の高い新規開通道路Xを含む領域の地図データを、配信することができる。
<第2の実施形態>
本発明の第2の実施形態は、サーバ装置2の検出部22が、新規開通道路Xの周辺領域の交通量として、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する場合の実施形態である。
なお、第2の実施形態において、サーバ装置2の構成例は、図3に示す第1の実施形態の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。また、第2の実施形態において、移動端末装置3の構成例は、図6に示す第1の実施形態の構成例と同様であるため、詳細な説明は省略される。
本発明の第2の実施形態において、検出部22は、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する。検出部22は、例えば、プローブ情報に基づいて、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する。検出部22は、新規開通道路に接続する既存道路が複数ある場合に、該複数の既存道路の各々の交通量を検出する。
図9は、サーバ装置2が配信する地図データの構成例を示す図である。図9に示すように、例えば、新規開通道路Xは、既存道路Aおよび既存道路Bに接続している。この場合において、検出部22は、新規開通道路Xに接続する既存道路Aおよび既存道路Bの交通量を検出する。検出部22は、既存道路Aおよび既存道路Bにおけるプローブ情報に基づいて、該既存道路Aおよび既存道路Bの交通量を検出する。
検出部22は、例えば、既存道路Aを含む領域73における交通量を検出してもよい。また、検出部22は、例えば、既存道路Bを含む領域74における交通量を検出してもよい。
決定部23は、検出部22が検出した新規開通道路Xに接続する複数の既存道路の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する。決定部23は、例えば、複数の既存道路の交通量のいずれかが所定の閾値以上の場合に、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定する。また、決定部23は、例えば、複数の既存道路の交通量の全てが所定の閾値以上の場合に、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定してもよい。
決定部23は、例えば、既存道路Aまたは既存道路Bのいずれかの交通量が所定の閾値以上である場合に、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定する。また、決定部23は、既存道路Aおよび既存道路Bの両方の交通量が所定の閾値未満である場合に、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定してもよい。
なお、決定部23は、新規開通道路Xに接続する既存道路Aおよび既存道路Bの両方の交通量が所定の閾値以上である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定してもよい。この場合、決定部23は、既存道路Aおよび既存道路Bのいずれかが所定の閾値未満の場合、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定する。
配信部24は、決定部23の決定結果に基づいて、新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信する。配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定した場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信する。配信部24は、新規開通道路Xを含む領域71が複数ある場合には、その複数の領域71の地図データを配信する。
図10は、本発明の第2の実施形態における、サーバ装置2の動作例を示すフローチャートである。なお、図10の例は、地図データを配信する場合における、サーバ装置2の動作例である。
サーバ装置2の検出部22は、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する(S301)。検出部22は、例えば、プローブ情報記憶部25に記憶されたプローブ情報に基づいて、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する。
決定部23は、検出部22が検出した新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する(S302)。決定部23は、例えば、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量が所定の閾値以上である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定する。一方、決定部23は、例えば新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量が所定の閾値未満である場合に、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定する。
配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定した場合(S302のYES)、既存道路を含む領域72の地図データに加えて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを、移動端末装置3に対して配信する(S303)。
一方、配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定した場合(S302のNO)、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信せず、既存道路を含む領域72の地図データを配信する(S304)。
上記のとおり、本発明の第2の実施形態において、サーバ装置2は、新規開通道路Xがあったとしても、該新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量が所定の閾値以上でなければ、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しない。そのため、サーバ装置2が配信する地図データの容量を減らすことができ、地図データを送信するサーバ装置2および地図データを受信する移動端末装置3の負荷を抑制することが可能となる。
また、本発明の第2の実施形態では、サーバ装置2は、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データの配信の要否を決定する。すなわち、サーバ装置2は、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量が多く、有用性が高いと想定される新規開通道路Xを含む領域の地図データを配信する一方、接続する既存道路の交通量が少なく、有用性が低いと想定される新規開通道路Xを含む領域の地図データは配信しない。そのため、サーバ装置2は、その地域にとって有用性の高い新規開通道路Xを含む領域の地図データだけを、配信することができる。
<第3の実施形態>
本発明の第3の実施形態は、サーバ装置2が判定部27を備え、地図データが既に配信されたか否かについて判定し、未配信と判定された地図データを移動端末装置3に配信する場合の実施形態である。
図11は、本発明の第3の実施形態におけるサーバ装置2の構成例を示す図である。サーバ装置2は、判定部27を含む。なお、本発明の第3の実施形態において、サーバ装置2の他の構成は、図3に示す第1の実施形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略される。また、本発明の第3の実施形態における地図配信システム1の構成例は、図1に示す第1の実施形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略される。さらに、本発明の第3の実施形態における移動端末装置3の構成例は、図6に示す第1の実施形態における構成と同様であるため、詳細な説明は省略される。
判定部27は、地図データ記憶部26に記憶されている地図データが、既に移動端末装置3に配信されたか否かを判定する。判定部27は、例えば、配信部24が既存道路および新規開通道路Xを含む領域の地図データを配信する前に、該配信部24が配信しようとしている地図データの各々について、すでに移動端末装置3に配信されたか否かを判定する。判定部27は、例えば、領域ごとに、該地図データが配信されたか否かを判定する。
判定部27は、配信部24が地図データを配信する前に、該地図データをすでに配信しているか否かを判定する。判定部27は、例えば、地図データが、前回の配信から現在までに更新されたか否かに基づいて、すでに配信しているか否かを判定する。判定部27は、例えば、対象となる地図データの前回の配信から現在までに、地図データ記憶部26において該地図データが更新されているか否かに基づいて、すでに配信されているか否かを判定する。判定部27は、例えば、新規開通道路Xを含む領域または既存道路を含む領域の地図データが、前回の配信から現在までに更新されていない場合には、配信済みの地図データと判定する。一方、判定部27は、例えば、新規開通道路Xを含む領域または既存道路を含む領域の地図データが、前回の配信から現在までに更新されている場合には、配信していない地図データ(未配信の地図データ)と判定する。
また、判定部27は、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較した結果に基づいて、該地図データをすでに配信しているか否かを判定してもよい。この場合、地図データ記憶部26は、配信部24が配信した地図データを記憶する。判定部27は、地図データ記憶部26を参照して、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較し、該地図データをすでに配信しているか否かを判定する。例えば、判定部27は、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較して、両者の違いが所定の条件を満たす場合に、該地図データをすでに配信していると判定する。また、判定部27は、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較して、両者の違いが所定の条件を満たさない場合に、該地図データを配信していないと判定する。
所定の条件は、例えば、所定の割合や変化データ(変化している箇所)の数などである。判定部27は、例えば、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較して、両者の違いが所定の割合未満である場合には、該地図データをすでに配信していると判定する。なお、所定の割合、どのような値であってもよく、例えば「1割」などであってもよい。また、判定部27は、例えば、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較して、変化データの数が所定数未満である場合には、該地図データをすでに配信していると判定する。また、判定部27は、すでに配信した地図データと、配信しようとしている地図データとを比較して、両者の違いが少しでもあった場合には、該地図データを配信していないと判定してもよい。また、所定の条件は、例えば、新規道路の開通や新しい建築物が建設されたなど、重要な内容について変更や更新があったことであってもよい。判定部27は、例えば、すでに配信した地図データのうち、新規開通道路Xや新しい建物など重要な内容について変更や更新があった場合には、該地図データ全体の変化や更新が少ない場合であっても、該地図データを配信していない(未配信である)と判定してもよい。
なお、地図データ記憶部26は、例えば、移動端末装置3ごとに、配信部24が該移動端末装置3に対して配信した地図データを記憶してもよい。この場合において、判定部27は、移動端末装置3ごとに、地図データをすでに配信したか否かを判定してもよい。
配信部24は、判定部27が既に配信済みの地図データと判定した場合に、該地図データの配信を行わない。一方、配信部24は、判定部27がまだ配信していない地図データ(未配信の地図データ)と判定した場合に、該地図データの配信を行う。
図12は、本発明の第3の実施形態における、サーバ装置2の動作例を示すフローチャートである。なお、図12の例は、地図データを配信する場合における、サーバ装置2の動作例である。
サーバ装置2の検出部22は、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する(S401)。検出部22は、例えば、プローブ情報記憶部25に記憶されたプローブ情報に基づいて、新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量を検出する。
決定部23は、検出部22が検出した新規開通道路Xに接続する既存道路の交通量に基づいて、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信するか否かを決定する(S402)。
配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信すると決定した場合(S402のYES)、既存道路を含む領域72の地図データおよび該新規開通道路Xを含む領域71の地図データのうち、判定部27が未配信と判定した地図データを、移動端末装置3に対して配信する(S403)。
一方、配信部24は、決定部23が新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信しないと決定した場合(S402のNO)、該新規開通道路Xを含む領域71の地図データを配信せず、既存道路を含む領域72の地図データのうち、判定部27が未配信と判定した地図データを、移動端末装置3に対して配信する(S404)。
上記のとおり、本発明の第3の実施形態において、サーバ装置2が判定部27を備え、地図データが既に配信されたか否かについて判定し、未配信と判定された地図データを移動端末装置3に配信する。このように、サーバ装置2は、すでに配信している地図データを配信しないため、該地図データの配信に必要な通信量を低減することが可能となる。その結果、地図データの配信に必要な通信のコストも低減することができる。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上記実施の形態に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。