JP6644563B2 - レーザ光照射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、レーザ光照射装置に関する。
従来、レーザ光を対象物に照射するレーザ光照射装置として、例えば特許文献1に記載された装置が記載されている。このようなレーザ光照射装置において、レーザ光源で発生させたレーザ光は、空間光変調器により変調された後、対物レンズによって対象物に集光される。
特開2011−51011号公報
上述したようなレーザ光照射装置では、対象物へのレーザ光の照射中、空間光変調器の不良や異常により空間光変調器が正常に動作せず、当該レーザ光の照射を正常に行うことができなくなる場合がある。
そこで、本発明は、レーザ光の照射中における空間光変調器の正常動作を精度よく確認できるレーザ光照射装置を提供することを目的とする。
本発明のレーザ光照射装置は、レーザ光を対象物に照射するレーザ光照射装置であって、レーザ光を発生させるレーザ光源と、位相パターンを表示する表示部を有し、レーザ光源で発生させたレーザ光を表示部に入射させ、当該レーザ光を位相パターンに応じて変調して表示部から出射する空間光変調器と、表示部に表示する位相パターンを少なくとも制御する制御部と、空間光変調器から出射されたレーザ光を対象物に集光する対物レンズと、空間光変調器から出射され対物レンズに入射するレーザ光の強度分布を取得する強度分布取得部と、を備え、制御部は、レーザ光における対物レンズの瞳面に入射しない一部を変調するマーキングを含む位相パターンを、表示部に表示させる。
このレーザ光照射装置では、表示部に表示させたマーキングにより、レーザ光における対物レンズの瞳面に入射しない一部(例えば、対物レンズのアパーチャでカットされる一部)を変調させる。これにより、対象物へレーザ光を照射しながら、当該レーザ光照射に影響を及ぼすことなく、強度分布取得部で取得した強度分布においてマーキングによる強度変調が現れているかどうかを確認して、表示部の表示が正常に制御されているか否かを確認できる。したがって、レーザ光の照射中における空間光変調器の正常動作を精度よく確認できる。
本発明のレーザ光照射装置において、マーキングは、表示部におけるレーザ光が当たる領域のうち、対物レンズの瞳面に入射しない一部のレーザ光を出射する領域に位置してもよい。このようにマーキングを位置させることにより、対物レンズの瞳面に入射しない一部のレーザ光の変調を具体的に実現できる。
本発明に係るレーザ光照射装置では、強度分布取得部は、レーザ光の強度分布の画像を取得するカメラであってもよい。この構成によれば、カメラで取得した画像によってレーザ光の強度分布を認識できる。
本発明に係るレーザ光照射装置では、制御部は、レーザ光源で発生させたレーザ光の出力の大きさに応じて、強度分布取得部のシャッタ時間を可変してもよい。レーザ光の出力によってカメラ上の光量が変化することから、レーザ光の出力の大きさに応じてシャッタ時間を可変することにより、取得する画像の輝度値を一定レベルに保ち、当該画像の品質を確保できる。
本発明に係るレーザ光照射装置は、制御部により表示部に表示させるマーキングと強度分布取得部で取得した強度分布とに基づいて、空間光変調器が正常動作したか否かを判定する判定部を備えていてもよい。この構成によれば、空間光変調器の正常動作を、判定部の判定結果から確認することができる。
本発明に係るレーザ光照射装置では、レーザ光の光路において空間光変調器と強度分布取得部との間には、レーザ光を集束する集束レンズが配置され、集束レンズの焦点位置又は当該焦点位置の近傍には、レーザ光における一定値以上の空間周波数成分を遮光するスリット部材が配置されていてもよい。この場合、レーザ光の一定値以上の空間周波数成分が遮光されずに強度分布取得部で取得されてしまうことを抑制できる。その結果、強度分布取得部で取得したレーザ光の強度分布において、一定値以上の空間周波数成分に起因してマーキングによる強度変調の認識性が低下してしまうことを抑制できる。
本発明に係るレーザ光照射装置は、複数の照射予定ラインに沿ってレーザ光を対象物に照射するレーザ光照射装置であって、レーザ光を対象物に対して照射予定ラインに沿って相対的に移動させる移動機構を備え、制御部においては、1つ又は複数の照射予定ラインに沿うレーザ光照射毎に、レーザ光の出力と、本体パターン及び当該本体パターンに対応したマーキングを含む位相パターンと、が設定され、制御部は、複数の照射予定ラインそれぞれに沿って、設定された位相パターンを表示部に表示させながら、設定された出力でレーザ光を対象物に照射させつつ、移動機構により当該レーザ光を相対的に移動させるレーザ光照射制御を実行し、強度分布取得部は、制御部によるレーザ光照射制御の実行中に、レーザ光の強度分布を取得してもよい。この場合、レーザ光の照射中における空間光変調器の正常動作についての精度よい確認を、具体的に実現できる。
本発明に係るレーザ光照射装置では、マーキングは、一定値以上の空間周波数成分の位相領域、及び、当該一定値未満の空間周波数成分の位相領域の少なくとも何れかを含むパターンであってもよい。この場合、強度分布取得部で取得したレーザ光の強度分布において、マーキングによる強度変調を認識し易くできる。
本発明に係るレーザ光照射装置は、対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、対象物の内部に改質領域を形成してもよい。この場合、対象物の内部のレーザ加工が実施可能となる。
本発明によれば、レーザ光の照射中における空間光変調器の正常動作を精度よく確認できるレーザ光照射装置を提供することが可能となる。
改質領域の形成に用いられるレーザ加工装置の概略構成図である。 改質領域の形成の対象となる加工対象物の平面図である。 図2の加工対象物のIII−III線に沿っての断面図である。 レーザ加工後の加工対象物の平面図である。 図4の加工対象物のV−V線に沿っての断面図である。 図4の加工対象物のVI−VI線に沿っての断面図である。 実施形態に係るレーザ加工装置の斜視図である。 図7のレーザ加工装置の支持台に取り付けられる加工対象物の斜視図である。 図7のZX平面に沿ってのレーザ出力部の断面図である。 図7のレーザ加工装置におけるレーザ出力部及びレーザ集光部の一部の斜視図である。 図7のXY平面に沿ってのレーザ集光部の断面図である。 図11のXII−XII線に沿ってのレーザ集光部の断面図である。 図12のXIII−XIII線に沿ってのレーザ集光部の断面図である。 図7のレーザ加工装置における反射型空間光変調器の部分断面図である。 図11のレーザ集光部における反射型空間光変調器、4fレンズユニット及び集光レンズユニットの光学的配置関係を示す図である。 第1実施形態に係るレーザ加工装置の要部を示す概略構成図である。 (a)は、液晶層に表示された位相パターンの一例を示す図である。(b)は、プロファイル取得用カメラで撮像された強度分布画像の一例を示す図である。 液晶層においてマーキングが表示される位置を説明する図である。 第1実施形態に係るレーザ加工装置によるレーザ加工方法を示すフローチャートである。 (a)は、液晶層に表示された位相パターンの他の一例を示す図である。(b)は、プロファイル取得用カメラで撮像された強度分布画像の他の一例を示す図である。 (a)は、液晶層に表示された位相パターンの他の一例を示す図である。(b)は、プロファイル取得用カメラで撮像された強度分布画像の他の一例を示す図である。 (a)は、液晶層に表示された位相パターンの他の一例を示す図である。(b)は、プロファイル取得用カメラで撮像された強度分布画像の他の一例を示す図である。 スリット部材の効果を検証した検証結果を示す図である。 第2実施形態に係るレーザ加工装置の要部を示す概略構成図である。 第2実施形態の変形例に係るレーザ加工装置の要部を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
実施形態に係るレーザ加工装置(レーザ光照射装置)では、加工対象物にレーザ光を集光することにより、切断予定ラインに沿って加工対象物に改質領域を形成する。そこで、まず、改質領域の形成について、図1〜図6を参照して説明する。
図1に示されるように、レーザ加工装置100は、レーザ光Lをパルス発振するレーザ光源101と、レーザ光Lの光軸(光路)の向きを90°変えるように配置されたダイクロイックミラー103と、レーザ光Lを集光するための集光用レンズ105と、を備えている。また、レーザ加工装置100は、集光用レンズ105で集光されたレーザ光Lが照射される対象物である加工対象物1を支持するための支持台107と、支持台107を移動させるための移動機構であるステージ111と、レーザ光Lの出力やパルス幅、パルス波形等を調節するためにレーザ光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ステージ111の移動を制御するステージ制御部115と、を備えている。
レーザ加工装置100においては、レーザ光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイクロイックミラー103によってその光軸の向きを90°変えられ、支持台107上に載置された加工対象物1の内部に集光用レンズ105によって集光される。これと共に、ステージ111が移動させられ、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予定ライン5に沿って相対移動させられる。これにより、切断予定ライン5に沿った改質領域が加工対象物1に形成される。なお、ここでは、レーザ光Lを相対的に移動させるためにステージ111を移動させたが、集光用レンズ105を移動させてもよいし、或いはこれらの両方を移動させてもよい。
加工対象物1としては、半導体材料で形成された半導体基板や圧電材料で形成された圧電基板等を含む板状の部材(例えば、基板、ウェハ等)が用いられる。図2に示されるように、加工対象物1には、加工対象物1を切断するための切断予定ライン5が設定されている。切断予定ライン5は、直線状に延びた仮想線である。加工対象物1の内部に改質領域を形成する場合、図3に示されるように、加工対象物1の内部に集光点(集光位置)Pを合わせた状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に沿って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対的に移動させる。これにより、図4、図5及び図6に示されるように、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加工対象物1に形成され、切断予定ライン5に沿って形成された改質領域7が切断起点領域8となる。切断予定ライン5は、照射予定ラインに対応する。
集光点Pとは、レーザ光Lが集光する箇所のことである。切断予定ライン5は、直線状に限らず曲線状であってもよいし、これらが組み合わされた3次元状であってもよいし、座標指定されたものであってもよい。切断予定ライン5は、仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際に引かれた線であってもよい。改質領域7は、連続的に形成される場合もあるし、断続的に形成される場合もある。改質領域7は列状でも点状でもよく、要は、改質領域7は少なくとも加工対象物1の内部、表面3又は裏面に形成されていればよい。改質領域7を起点に亀裂が形成される場合があり、亀裂及び改質領域7は、加工対象物1の外表面(表面3、裏面、若しくは外周面)に露出していてもよい。改質領域7を形成する際のレーザ光入射面は、加工対象物1の表面3に限定されるものではなく、加工対象物1の裏面であってもよい。
ちなみに、加工対象物1の内部に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、加工対象物1を透過すると共に、加工対象物1の内部に位置する集光点P近傍にて特に吸収される。これにより、加工対象物1に改質領域7が形成される(すなわち、内部吸収型レーザ加工)。この場合、加工対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収されないので、加工対象物1の表面3が溶融することはない。一方、加工対象物1の表面3又は裏面に改質領域7を形成する場合には、レーザ光Lは、表面3又は裏面に位置する集光点P近傍にて特に吸収され、表面3又は裏面から溶融され除去されて、穴や溝等の除去部が形成される(表面吸収型レーザ加工)。
改質領域7は、密度、屈折率、機械的強度やその他の物理的特性が周囲とは異なる状態になった領域をいう。改質領域7としては、例えば、溶融処理領域(一旦溶融後再固化した領域、溶融状態中の領域及び溶融から再固化する状態中の領域のうち少なくとも何れか一つを意味する)、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等があり、これらが混在した領域もある。更に、改質領域7としては、加工対象物1の材料において改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域や、格子欠陥が形成された領域がある。加工対象物1の材料が単結晶シリコンである場合、改質領域7は、高転位密度領域ともいえる。
溶融処理領域、屈折率変化領域、改質領域7の密度が非改質領域の密度と比較して変化した領域、及び、格子欠陥が形成された領域は、更に、それら領域の内部や改質領域7と非改質領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラック)を内包している場合がある。内包される亀裂は、改質領域7の全面に渡る場合や一部分のみや複数部分に形成される場合がある。加工対象物1は、結晶構造を有する結晶材料からなる基板を含む。例えば加工対象物1は、窒化ガリウム(GaN)、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)、LiTaO、及び、サファイア(Al)の少なくとも何れかで形成された基板を含む。換言すると、加工対象物1は、例えば、窒化ガリウム基板、シリコン基板、SiC基板、LiTaO基板、又はサファイア基板を含む。結晶材料は、異方性結晶及び等方性結晶の何れであってもよい。また、加工対象物1は、非結晶構造(非晶質構造)を有する非結晶材料からなる基板を含んでいてもよく、例えばガラス基板を含んでいてもよい。
実施形態では、切断予定ライン5に沿って改質スポット(加工痕)を複数形成することにより、改質領域7を形成することができる。この場合、複数の改質スポットが集まることによって改質領域7となる。改質スポットとは、パルスレーザ光の1パルスのショット(つまり1パルスのレーザ照射:レーザショット)で形成される改質部分である。改質スポットとしては、クラックスポット、溶融処理スポット若しくは屈折率変化スポット、又はこれらの少なくとも1つが混在するもの等が挙げられる。改質スポットについては、要求される切断精度、要求される切断面の平坦性、加工対象物1の厚さ、種類、結晶方位等を考慮して、その大きさや発生する亀裂の長さを適宜制御することができる。また、実施形態では、切断予定ライン5に沿って、改質スポットを改質領域7として形成することができる。
[実施形態に係るレーザ加工装置]
次に、実施形態に係るレーザ加工装置について説明する。以下の説明では、水平面内において互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、鉛直方向をZ軸方向とする。
[レーザ加工装置の全体構成]
図7に示されるように、レーザ加工装置200は、装置フレーム210と、第1移動機構(移動機構)220と、支持台230と、第2移動機構240と、を備えている。更に、レーザ加工装置200は、レーザ出力部300と、レーザ集光部400と、制御部500と、を備えている。
第1移動機構220は、装置フレーム210に取り付けられている。第1移動機構220は、第1レールユニット221と、第2レールユニット222と、可動ベース223と、を有している。第1レールユニット221は、装置フレーム210に取り付けられている。第1レールユニット221には、Y軸方向に沿って延在する一対のレール221a,221bが設けられている。第2レールユニット222は、Y軸方向に沿って移動可能となるように、第1レールユニット221の一対のレール221a,221bに取り付けられている。第2レールユニット222には、X軸方向に沿って延在する一対のレール222a,222bが設けられている。可動ベース223は、X軸方向に沿って移動可能となるように、第2レールユニット222の一対のレール222a,222bに取り付けられている。可動ベース223は、Z軸方向に平行な軸線を中心線として回転可能である。
支持台230は、可動ベース223に取り付けられている。支持台230は、加工対象物1を支持する。加工対象物1は、例えば、シリコン等の半導体材料からなる基板の表面側に複数の機能素子(フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、又は回路として形成された回路素子等)がマトリックス状に形成されたものである。加工対象物1が支持台230に支持される際には、図8に示されるように、環状のフレーム11に張られたフィルム12上に、例えば加工対象物1の表面1a(複数の機能素子側の面)が貼付される。支持台230は、クランプによってフレーム11を保持すると共に真空チャックテーブルによってフィルム12を吸着することで、加工対象物1を支持する。支持台230上において、加工対象物1には、互いに平行な複数の切断予定ライン5a、及び互いに平行な複数の切断予定ライン5bが、隣り合う機能素子の間を通るように格子状に設定される。
図7に示されるように、支持台230は、第1移動機構220において第2レールユニット222が動作することで、Y軸方向に沿って移動させられる。また、支持台230は、第1移動機構220において可動ベース223が動作することで、X軸方向に沿って移動させられる。更に、支持台230は、第1移動機構220において可動ベース223が動作することで、Z軸方向に平行な軸線を中心線として回転させられる。このように、支持台230は、X軸方向及びY軸方向に沿って移動可能となり且つZ軸方向に平行な軸線を中心線として回転可能となるように、装置フレーム210に取り付けられている。
レーザ出力部300は、装置フレーム210に取り付けられている。レーザ集光部400は、第2移動機構240を介して装置フレーム210に取り付けられている。レーザ集光部400は、第2移動機構240が動作することで、Z軸方向に沿って移動させられる。このように、レーザ集光部400は、レーザ出力部300に対してZ軸方向に沿って移動可能となるように、装置フレーム210に取り付けられている。
制御部500は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等によって構成されている。制御部500は、レーザ加工装置200の各部の動作を制御する。
一例として、レーザ加工装置200では、次のように、各切断予定ライン5a,5b(図8参照)に沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
まず、加工対象物1の裏面1b(図8参照)がレーザ光入射面となるように、加工対象物1が支持台230に支持され、加工対象物1の各切断予定ライン5aがX軸方向に平行な方向に合わせられる。続いて、加工対象物1の内部において加工対象物1のレーザ光入射面から所定距離だけ離間した位置にレーザ光Lの集光点が位置するように、第2移動機構240によってレーザ集光部400が移動させられる。続いて、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されつつ、各切断予定ライン5aに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる。これにより、各切断予定ライン5aに沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
各切断予定ライン5aに沿っての改質領域の形成が終了すると、第1移動機構220によって支持台230が回転させられ、加工対象物1の各切断予定ライン5bがX軸方向に平行な方向に合わせられる。続いて、加工対象物1の内部において加工対象物1のレーザ光入射面から所定距離だけ離間した位置にレーザ光Lの集光点が位置するように、第2移動機構240によってレーザ集光部400が移動させられる。続いて、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されつつ、各切断予定ライン5bに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる。これにより、各切断予定ライン5bに沿って加工対象物1の内部に改質領域が形成される。
このように、レーザ加工装置200では、X軸方向に平行な方向が加工方向(レーザ光Lのスキャン方向)とされている。なお、各切断予定ライン5aに沿ったレーザ光Lの集光点の相対的な移動、及び各切断予定ライン5bに沿ったレーザ光Lの集光点の相対的な移動は、第1移動機構220によって支持台230がX軸方向に沿って移動させられることで、実施される。また、各切断予定ライン5a間におけるレーザ光Lの集光点の相対的な移動、及び各切断予定ライン5b間におけるレーザ光Lの集光点の相対的な移動は、第1移動機構220によって支持台230がY軸方向に沿って移動させられることで、実施される。
図9に示されるように、レーザ出力部300は、取付ベース301と、カバー302と、複数のミラー303,304と、を有している。更に、レーザ出力部300は、レーザ発振器(レーザ光源)310と、シャッタ320と、λ/2波長板ユニット330と、偏光板ユニット340と、ビームエキスパンダ350と、ミラーユニット360と、を有している。
取付ベース301は、複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360を支持している。複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360は、取付ベース301の主面301aに取り付けられている。取付ベース301は、板状の部材であり、装置フレーム210(図7参照)に対して着脱可能である。レーザ出力部300は、取付ベース301を介して装置フレーム210に取り付けられている。つまり、レーザ出力部300は、装置フレーム210に対して着脱可能である。
カバー302は、取付ベース301の主面301a上において、複数のミラー303,304、レーザ発振器310、シャッタ320、λ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340、ビームエキスパンダ350及びミラーユニット360を覆っている。カバー302は、取付ベース301に対して着脱可能である。
レーザ発振器310は、直線偏光のレーザ光LをX軸方向に沿ってパルス発振する。レーザ発振器310から出射されるレーザ光Lの波長は、500〜550nm、1000〜1150nm又は1300〜1400nmのいずれかの波長帯に含まれる。500〜550nmの波長帯のレーザ光Lは、例えばサファイアからなる基板に対する内部吸収型レーザ加工に適している。1000〜1150nm及び1300〜1400nmの各波長帯のレーザ光Lは、例えばシリコンからなる基板に対する内部吸収型レーザ加工に適している。レーザ発振器310から出射されるレーザ光Lの偏光方向は、例えば、Y軸方向に平行な方向である。レーザ発振器310から出射されたレーザ光Lは、ミラー303によって反射され、Y軸方向に沿ってシャッタ320に入射する。
レーザ発振器310では、次のように、レーザ光Lの出力のON/OFFが切り替えられる。レーザ発振器310が固体レーザで構成されている場合、共振器内に設けられたQスイッチ(AOM(音響光学変調器)、EOM(電気光学変調器)等)のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。レーザ発振器310がファイバレーザで構成されている場合、シードレーザ、アンプ(励起用)レーザを構成する半導体レーザの出力のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。レーザ発振器310が外部変調素子を用いている場合、共振器外に設けられた外部変調素子(AOM、EOM等)のON/OFFが切り替えられることで、レーザ光Lの出力のON/OFFが高速に切り替えられる。
シャッタ320は、機械式の機構によってレーザ光Lの光路を開閉する。レーザ出力部300からのレーザ光Lの出力のON/OFFの切り替えは、上述したように、レーザ発振器310でのレーザ光Lの出力のON/OFFの切り替えによって実施されるが、シャッタ320が設けられていることで、例えばレーザ出力部300からレーザ光Lが不意に出射されることが防止される。シャッタ320を通過したレーザ光Lは、ミラー304によって反射され、X軸方向に沿ってλ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340に順次入射する。
λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、レーザ光Lの出力(光強度)を調整する出力調整部として機能する。また、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、レーザ光Lの偏光方向を調整する偏光方向調整部として機能する。λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340を順次通過したレーザ光Lは、X軸方向に沿ってビームエキスパンダ350に入射する。
ビームエキスパンダ350は、レーザ光Lの径を調整しつつ、レーザ光Lを平行化する。ビームエキスパンダ350を通過したレーザ光Lは、X軸方向に沿ってミラーユニット360に入射する。
ミラーユニット360は、支持ベース361と、複数のミラー362,363と、を有している。支持ベース361は、複数のミラー362,363を支持している。支持ベース361は、X軸方向及びY軸方向に沿って位置調整可能となるように、取付ベース301に取り付けられている。ミラー(第1ミラー)362は、ビームエキスパンダ350を通過したレーザ光LをY軸方向に反射する。ミラー362は、その反射面が例えばZ軸に平行な軸線回りに角度調整可能となるように、支持ベース361に取り付けられている。ミラー(第2ミラー)363は、ミラー362によって反射されたレーザ光LをZ軸方向に反射する。ミラー363は、その反射面が例えばX軸に平行な軸線回りに角度調整可能となり且つY軸方向に沿って位置調整可能となるように、支持ベース361に取り付けられている。ミラー363によって反射されたレーザ光Lは、支持ベース361に形成された開口361aを通過し、Z軸方向に沿ってレーザ集光部400(図7参照)に入射する。つまり、レーザ出力部300によるレーザ光Lの出射方向は、レーザ集光部400の移動方向に一致している。上述したように、各ミラー362,363は、反射面の角度を調整するための機構を有している。ミラーユニット360では、取付ベース301に対する支持ベース361の位置調整、支持ベース361に対するミラー363の位置調整、及び各ミラー362,363の反射面の角度調整が実施されることで、レーザ出力部300から出射されるレーザ光Lの光軸の位置及び角度がレーザ集光部400に対して合わされる。つまり、複数のミラー362,363は、レーザ出力部300から出射されるレーザ光Lの光軸を調整するための構成である。
図10に示されるように、レーザ集光部400は、筐体401を有している。筐体401は、Y軸方向を長手方向とする直方体状の形状を呈している。筐体401の一方の側面401eには、第2移動機構240が取り付けられている(図11及び図13参照)。筐体401には、ミラーユニット360の開口361aとZ軸方向において対向するように、円筒状の光入射部401aが設けられている。光入射部401aは、レーザ出力部300から出射されたレーザ光Lを筐体401内に入射させる。ミラーユニット360と光入射部401aとは、第2移動機構240によってレーザ集光部400がZ軸方向に沿って移動させられた際に互いに接触することがない距離だけ、互いに離間している。
図11及び図12に示されるように、レーザ集光部400は、ミラー402と、ダイクロイックミラー403と、を有している。更に、レーザ集光部400は、反射型空間光変調器410と、4fレンズユニット420と、集光レンズユニット(対物レンズ)430と、駆動機構440と、一対の測距センサ450と、を有している。
ミラー402は、光入射部401aとZ軸方向において対向するように、筐体401の底面401bに取り付けられている。ミラー402は、光入射部401aを介して筐体401内に入射したレーザ光LをXY平面に平行な方向に反射する。ミラー402には、レーザ出力部300のビームエキスパンダ350によって平行化されたレーザ光LがZ軸方向に沿って入射する。つまり、ミラー402には、レーザ光Lが平行光としてZ軸方向に沿って入射する。そのため、第2移動機構240によってレーザ集光部400がZ軸方向に沿って移動させられても、Z軸方向に沿ってミラー402に入射するレーザ光Lの状態は一定に維持される。ミラー402によって反射されたレーザ光Lは、反射型空間光変調器410に入射する。
反射型空間光変調器410は、反射面410aが筐体401内に臨んだ状態で、Y軸方向における筐体401の端部401cに取り付けられている。反射型空間光変調器410は、例えば反射型液晶(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)の空間光変調器(SLM:Spatial Light Modulator)であり、レーザ光Lを変調しつつ、レーザ光LをY軸方向に反射する。反射型空間光変調器410によって変調されると共に反射されたレーザ光Lは、Y軸方向に沿って4fレンズユニット420に入射する。ここで、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とがなす角度αは、鋭角(例えば、10〜60°)とされている。つまり、レーザ光Lは、反射型空間光変調器410においてXY平面に沿って鋭角に反射される。これは、レーザ光Lの入射角及び反射角を抑えて回折効率の低下を抑制し、反射型空間光変調器410の性能を十分に発揮させるためである。なお、反射型空間光変調器410では、例えば、液晶が用いられた光変調層の厚さが数μm〜数十μm程度と極めて薄いため、反射面410aは、光変調層の光入出射面と実質的に同じと捉えることができる。
4fレンズユニット420は、ホルダ421と、反射型空間光変調器410側のレンズ422と、集光レンズユニット430側のレンズ423と、スリット部材424と、を有している。ホルダ421は、一対のレンズ422,423及びスリット部材424を保持している。ホルダ421は、レーザ光Lの光軸に沿った方向における一対のレンズ422,423及びスリット部材424の互いの位置関係を一定に維持している。一対のレンズ422,423は、反射型空間光変調器410の反射面410aと集光レンズユニット430の入射瞳面(瞳面)430aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。これにより、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの像(反射型空間光変調器410において変調されたレーザ光Lの像)が、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに転像(結像)される。スリット部材424には、スリット424aが形成されている。スリット424aは、レンズ422とレンズ423との間であって、レンズ422の焦点面付近に位置している。反射型空間光変調器410によって変調されると共に反射されたレーザ光Lのうち不要な部分は、スリット部材424によって遮断される。4fレンズユニット420を通過したレーザ光Lは、Y軸方向に沿ってダイクロイックミラー403に入射する。
ダイクロイックミラー403は、レーザ光Lの大部分(例えば、95〜99.5%)をZ軸方向に反射し、レーザ光Lの一部(例えば、0.5〜5%)をY軸方向に沿って透過させる。レーザ光Lの大部分は、ダイクロイックミラー403においてZX平面に沿って直角に反射される。ダイクロイックミラー403によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿って集光レンズユニット430に入射する。
集光レンズユニット430は、Y軸方向における筐体401の端部401d(端部401cの反対側の端部)に、駆動機構440を介して取り付けられている。集光レンズユニット430は、ホルダ431と、複数のレンズ432と、を有している。ホルダ431は、複数のレンズ432を保持している。複数のレンズ432は、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)に対してレーザ光Lを集光する。駆動機構440は、圧電素子の駆動力によって、集光レンズユニット430をZ軸方向に沿って移動させる。
一対の測距センサ450は、X軸方向において集光レンズユニット430の両側に位置するように、筐体401の端部401dに取り付けられている。各測距センサ450は、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)のレーザ光入射面に対して測距用の光(例えば、レーザ光)を出射し、当該レーザ光入射面によって反射された測距用の光を検出することで、加工対象物1のレーザ光入射面の変位データを取得する。なお、測距センサ450には、三角測距方式、レーザ共焦点方式、白色共焦点方式、分光干渉方式、非点収差方式等のセンサを利用することができる。
レーザ加工装置200では、上述したように、X軸方向に平行な方向が加工方向(レーザ光Lのスキャン方向)とされている。そのため、各切断予定ライン5a,5bに沿ってレーザ光Lの集光点が相対的に移動させられる際に、一対の測距センサ450のうち集光レンズユニット430に対して相対的に先行する測距センサ450が、各切断予定ライン5a,5bに沿った加工対象物1のレーザ光入射面の変位データを取得する。そして、加工対象物1のレーザ光入射面とレーザ光Lの集光点との距離が一定に維持されるように、駆動機構440が、測距センサ450によって取得された変位データに基づいて集光レンズユニット430をZ軸方向に沿って移動させる。
レーザ集光部400は、ビームスプリッタ461と、一対のレンズ462,463と、プロファイル取得用カメラ(強度分布取得部)464と、を有している。ビームスプリッタ461は、ダイクロイックミラー403を透過したレーザ光Lを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ461によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿って一対のレンズ462,463及びプロファイル取得用カメラ464に順次入射する。一対のレンズ462,463は、集光レンズユニット430の入射瞳面430aとプロファイル取得用カメラ464の撮像面とが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。これにより、集光レンズユニット430の入射瞳面430aでのレーザ光Lの像が、プロファイル取得用カメラ464の撮像面に転像(結像)される。上述したように、集光レンズユニット430の入射瞳面430aでのレーザ光Lの像は、反射型空間光変調器410において変調されたレーザ光Lの像である。したがって、レーザ加工装置200では、プロファイル取得用カメラ464による撮像結果を監視することで、反射型空間光変調器410の動作状態を把握することができる。
更に、レーザ集光部400は、ビームスプリッタ471と、レンズ472と、レーザ光Lの光軸位置モニタ用のカメラ473と、を有している。ビームスプリッタ471は、ビームスプリッタ461を透過したレーザ光Lを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ471によって反射されたレーザ光Lは、Z軸方向に沿ってレンズ472及びカメラ473に順次入射する。レンズ472は、入射したレーザ光Lをカメラ473の撮像面上に集光する。レーザ加工装置200では、カメラ464及びカメラ473のそれぞれによる撮像結果を監視しつつ、ミラーユニット360において、取付ベース301に対する支持ベース361の位置調整、支持ベース361に対するミラー363の位置調整、及び各ミラー362,363の反射面の角度調整を実施することで(図9及び図10参照)、集光レンズユニット430に入射するレーザ光Lの光軸のずれ(集光レンズユニット430に対するレーザ光の強度分布の位置ずれ、及び集光レンズユニット430に対するレーザ光Lの光軸の角度ずれ)を補正することができる。
複数のビームスプリッタ461,471は、筐体401の端部401dからY軸方向に沿って延在する筒体404内に配置されている。一対のレンズ462,463は、Z軸方向に沿って筒体404上に立設された筒体405内に配置されており、プロファイル取得用カメラ464は、筒体405の端部に配置されている。レンズ472は、Z軸方向に沿って筒体404上に立設された筒体406内に配置されており、カメラ473は、筒体406の端部に配置されている。筒体405と筒体406とは、Y軸方向において互いに並設されている。なお、ビームスプリッタ471を透過したレーザ光Lは、筒体404の端部に設けられたダンパ等に吸収されるようにしてもよいし、或いは、適宜の用途で利用されるようにしてもよい。
図12及び図13に示されるように、レーザ集光部400は、可視光源481と、複数のレンズ482と、レチクル483と、ミラー484と、ハーフミラー485と、ビームスプリッタ486と、レンズ487と、観察カメラ488と、を有している。可視光源481は、Z軸方向に沿って可視光Vを出射する。複数のレンズ482は、可視光源481から出射された可視光Vを平行化する。レチクル483は、可視光Vに目盛り線を付与する。ミラー484は、複数のレンズ482によって平行化された可視光VをX軸方向に反射する。ハーフミラー485は、ミラー484によって反射された可視光Vを反射成分と透過成分とに分ける。ハーフミラー485によって反射された可視光Vは、Z軸方向に沿ってビームスプリッタ486及びダイクロイックミラー403を順次透過し、集光レンズユニット430を介して、支持台230に支持された加工対象物1(図7参照)に照射される。
加工対象物1に照射された可視光Vは、加工対象物1のレーザ光入射面によって反射され、集光レンズユニット430を介してダイクロイックミラー403に入射し、Z軸方向に沿ってダイクロイックミラー403を透過する。ビームスプリッタ486は、ダイクロイックミラー403を透過した可視光Vを反射成分と透過成分とに分ける。ビームスプリッタ486を透過した可視光Vは、ハーフミラー485を透過し、Z軸方向に沿ってレンズ487及び観察カメラ488に順次入射する。レンズ487は、入射した可視光Vを観察カメラ488の撮像面上に集光する。レーザ加工装置200では、観察カメラ488による撮像結果を観察することで、加工対象物1の状態を把握することができる。
ミラー484、ハーフミラー485及びビームスプリッタ486は、筐体401の端部401d上に取り付けられたホルダ407内に配置されている。複数のレンズ482及びレチクル483は、Z軸方向に沿ってホルダ407上に立設された筒体408内に配置されており、可視光源481は、筒体408の端部に配置されている。レンズ487は、Z軸方向に沿ってホルダ407上に立設された筒体409内に配置されており、観察カメラ488は、筒体409の端部に配置されている。筒体408と筒体409とは、X軸方向において互いに並設されている。なお、X軸方向に沿ってハーフミラー485を透過した可視光V、及びビームスプリッタ486によってX軸方向に反射された可視光Vは、それぞれ、ホルダ407の壁部に設けられたダンパ等に吸収されるようにしてもよいし、或いは、適宜の用途で利用されるようにしてもよい。
レーザ加工装置200では、レーザ出力部300の交換が想定されている。これは、加工対象物1の仕様、加工条件等に応じて、加工に適したレーザ光Lの波長が異なるからである。そのため、出射するレーザ光Lの波長が互いに異なる複数のレーザ出力部300が用意される。ここでは、出射するレーザ光Lの波長が500〜550nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300、出射するレーザ光Lの波長が1000〜1150nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300、及び出射するレーザ光Lの波長が1300〜1400nmの波長帯に含まれるレーザ出力部300が用意される。
一方、レーザ加工装置200では、レーザ集光部400の交換が想定されていない。これは、レーザ集光部400がマルチ波長に対応している(互いに連続しない複数の波長帯に対応している)からである。具体的には、ミラー402、反射型空間光変調器410、4fレンズユニット420の一対のレンズ422,423、ダイクロイックミラー403、及び集光レンズユニット430のレンズ432等がマルチ波長に対応している。ここでは、レーザ集光部400は、500〜550nm、1000〜1150nm及び1300〜1400nmの波長帯に対応している。これは、レーザ集光部400の各構成に所定の誘電体多層膜をコーティングすること等、所望の光学性能が満足されるようにレーザ集光部400の各構成が設計されることで実現される。なお、レーザ出力部300において、λ/2波長板ユニット330はλ/2波長板を有しており、偏光板ユニット340は偏光板を有している。λ/2波長板及び偏光板は、波長依存性が高い光学素子である。そのため、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340は、波長帯ごとに異なる構成としてレーザ出力部300に設けられている。
[レーザ加工装置におけるレーザ光の光路及び偏光方向]
レーザ加工装置200では、支持台230に支持された加工対象物1に対して集光されるレーザ光Lの偏光方向は、図11に示されるように、X軸方向に平行な方向であり、加工方向(レーザ光Lのスキャン方向)に一致している。ここで、反射型空間光変調器410では、レーザ光LがP偏光として反射される。これは、反射型空間光変調器410の光変調層に液晶が用いられている場合において、反射型空間光変調器410に対して入出射するレーザ光Lの光軸を含む平面に平行な面内で液晶分子が傾斜するように、当該液晶が配向されているときには、偏波面の回転が抑制された状態でレーザ光Lに位相変調が施されるからである(例えば、特許第3878758号公報参照)。一方、ダイクロイックミラー403では、レーザ光LがS偏光として反射される。これは、レーザ光LをP偏光として反射させるよりも、レーザ光LをS偏光として反射させたほうが、ダイクロイックミラー403をマルチ波長に対応させるための誘電体多層膜のコーティング数が減少する等、ダイクロイックミラー403の設計が容易となるからである。
したがって、レーザ集光部400では、ミラー402から反射型空間光変調器410及び4fレンズユニット420を介してダイクロイックミラー403に至る光路が、XY平面に沿うように設定されており、ダイクロイックミラー403から集光レンズユニット430に至る光路が、Z軸方向に沿うように設定されている。
図9に示されるように、レーザ出力部300では、レーザ光Lの光路がX軸方向又はY軸方向に沿うように設定されている。具体的には、レーザ発振器310からミラー303に至る光路、並びに、ミラー304からλ/2波長板ユニット330、偏光板ユニット340及びビームエキスパンダ350を介してミラーユニット360に至る光路が、X軸方向に沿うように設定されており、ミラー303からシャッタ320を介してミラー304に至る光路、及び、ミラーユニット360においてミラー362からミラー363に至る光路が、Y軸方向に沿うように設定されている。
ここで、Z軸方向に沿ってレーザ出力部300からレーザ集光部400に進行したレーザ光Lは、図11に示されるように、ミラー402によってXY平面に平行な方向に反射され、反射型空間光変調器410に入射する。このとき、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とは、鋭角である角度αをなしている。一方、上述したように、レーザ出力部300では、レーザ光Lの光路がX軸方向又はY軸方向に沿うように設定されている。
したがって、レーザ出力部300において、λ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340を、レーザ光Lの出力を調整する出力調整部としてだけでなく、レーザ光Lの偏光方向を調整する偏光方向調整部としても機能させる必要がある。
[反射型空間光変調器]
図14に示されるように、反射型空間光変調器410は、シリコン基板213、駆動回路層914、複数の画素電極214、誘電体多層膜ミラー等の反射膜215、配向膜999a、液晶層(表示部)216、配向膜999b、透明導電膜217、及びガラス基板等の透明基板218がこの順に積層されることで構成されている。
透明基板218は、XY平面に沿った表面218aを有しており、この表面218aは、反射型空間光変調器410の反射面410aを構成している。透明基板218は、例えばガラス等の光透過性材料からなり、反射型空間光変調器410の表面218aから入射した所定波長のレーザ光Lを、反射型空間光変調器410の内部へ透過する。透明導電膜217は、透明基板218の裏面上に形成されており、レーザ光Lを透過する導電性材料(例えばITO)からなる。
複数の画素電極214は、透明導電膜217に沿ってシリコン基板213上にマトリックス状に配列されている。各画素電極214は、例えばアルミニウム等の金属材料からなり、これらの表面214aは、平坦且つ滑らかに加工されている。複数の画素電極214は、駆動回路層914に設けられたアクティブ・マトリクス回路によって駆動される。
アクティブ・マトリクス回路は、複数の画素電極214とシリコン基板213との間に設けられており、反射型空間光変調器410から出力しようとする光像に応じて各画素電極214への印加電圧を制御する。このようなアクティブ・マトリクス回路は、例えば図示しないX軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第1ドライバ回路と、Y軸方向に並んだ各画素列の印加電圧を制御する第2ドライバ回路とを有しており、制御部5000における後述の空間光変調器制御部502(図16参照)によって双方のドライバ回路で指定された画素の画素電極214に所定電圧が印加されるように構成されている。
配向膜999a,999bは、液晶層216の両端面に配置されており、液晶分子群を一定方向に配列させる。配向膜999a,999bは、例えばポリイミド等の高分子材料からなり、液晶層216との接触面にラビング処理等が施されている。
液晶層216は、複数の画素電極214と透明導電膜217との間に配置されており、各画素電極214と透明導電膜217とにより形成される電界に応じてレーザ光Lを変調する。すなわち、駆動回路層914のアクティブ・マトリクス回路によって各画素電極214に電圧が印加されると、透明導電膜217と各画素電極214との間に電界が形成され、液晶層216に形成された電界の大きさに応じて液晶分子216aの配列方向が変化する。そして、レーザ光Lが透明基板218及び透明導電膜217を透過して液晶層216に入射すると、このレーザ光Lは、液晶層216を通過する間に液晶分子216aによって変調され、反射膜215において反射した後、再び液晶層216により変調されて、出射する。
このとき、後述の空間光変調器制御部502(図16参照)によって各画素電極214に印加される電圧が制御され、その電圧に応じて、液晶層216において透明導電膜217と各画素電極214とに挟まれた部分の屈折率が変化する(各画素に対応した位置の液晶層216の屈折率が変化する)。この屈折率の変化により、印加した電圧に応じて、レーザ光Lの位相を液晶層216の画素ごとに変化させることができる。つまり、ホログラムパターンに応じた位相変調を画素ごとに液晶層216によって付与することができる。換言すると、変調を付与するホログラムパターンとしての変調パターンを、反射型空間光変調器410の液晶層216に表示させることができる。変調パターンに入射し透過するレーザ光Lは、その波面が調整され、そのレーザ光Lを構成する各光線において進行方向に直交する所定方向の成分の位相にずれが生じる。したがって、反射型空間光変調器410に表示させる変調パターンを適宜設定することにより、レーザ光Lが変調(例えば、レーザ光Lの強度、振幅、位相、偏光等が変調)可能となる。
[4fレンズユニット]
上述したように、4fレンズユニット420の一対のレンズ422,423は、反射型空間光変調器410の反射面410aと集光レンズユニット430の入射瞳面430aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成している。具体的には、図15に示されるように、反射型空間光変調器410側のレンズ422の中心と反射型空間光変調器410の反射面410aとの間の光路の距離がレンズ422の第1焦点距離f1となり、集光レンズユニット430側のレンズ423の中心と集光レンズユニット430の入射瞳面430aとの間の光路の距離がレンズ423の第2焦点距離f2となり、レンズ422の中心とレンズ423の中心との間の光路の距離が第1焦点距離f1と第2焦点距離f2との和(すなわち、f1+f2)となっている。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至る光路のうち一対のレンズ422,423間の光路は、一直線である。
レーザ加工装置200では、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径を大きくする観点から、両側テレセントリック光学系の倍率Mが、0.5<M<1(縮小系)を満たしている。反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径が大きいほど、高精細な位相パターンでレーザ光Lが変調される。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至るレーザ光Lの光路が長くなるのを抑制するという観点では、0.6≦M≦0.95であることがより好ましい。ここで、(両側テレセントリック光学系の倍率M)=(集光レンズユニット430の入射瞳面430aでの像の大きさ)/(反射型空間光変調器410の反射面410aでの物体の大きさ)である。レーザ加工装置200の場合、両側テレセントリック光学系の倍率M、レンズ422の第1焦点距離f1及びレンズ423の第2焦点距離f2が、M=f2/f1を満たしている。
なお、反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径を小さくする観点から、両側テレセントリック光学系の倍率Mが、1<M<2(拡大系)を満たしていてもよい。反射型空間光変調器410の反射面410aでのレーザ光Lの有効径が小さいほど、ビームエキスパンダ350(図9参照)の倍率が小さくて済み、XY平面に平行な平面内において、反射型空間光変調器410に入射するレーザ光Lの光軸と、反射型空間光変調器410から出射されるレーザ光Lの光軸とがなす角度α(図11参照)が小さくなる。反射型空間光変調器410から集光レンズユニット430に至るレーザ光Lの光路が長くなるのを抑制するという観点では、1.05≦M≦1.7であることがより好ましい。
次に、第1実施形態に係るレーザ加工装置200の要部について詳細に説明する。
図16は、第1実施形態に係るレーザ加工装置200の要部を示す概略構成図である。図16に示されるように、反射型空間光変調器410における液晶層216に入射して反射したレーザ光Lは、4fレンズユニット420のリレーレンズであるレンズ(集束レンズ)422で集束された後、4fレンズユニット420のリレーレンズであるレンズ423でコリメートされて、ダイクロイックミラー403に入射する。
ダイクロイックミラー403に入射したレーザ光Lは、反射光と透過光とに分岐される。ダイクロイックミラー403で反射したレーザ光Lは、集光レンズユニット430に入射し、集光レンズユニット430により加工対象物1に集光される。一方、ダイクロイックミラー403を透過したレーザ光Lは、リレーレンズである上記レンズ463で集束され、プロファイル取得用カメラ464の撮像面464aに入射する。
一対のレンズ422,423は、液晶層216の反射面410aにおけるレーザ光Lの波面を、集光レンズユニット430の入射瞳面430aと、ダイクロイックミラー403の下流側の共役面491とへリレーする。レンズ463は、一対のレンズ422,423によって共役面491にリレーされたレーザ光Lの波面(液晶層216における実像)を、プロファイル取得用カメラ464の撮像面464aにリレー(結像)する。これにより、液晶層216と、集光レンズユニット430の入射瞳面430aと、共役面491と、プロファイル取得用カメラ464の撮像面464aとは、互いに共役の関係を構成する。
プロファイル取得用カメラ464は、ダイクロイックミラー403で分岐されたレーザ光Lの強度分布を取得する撮像装置である。具体的には、プロファイル取得用カメラ464は、反射型空間光変調器410から出射され集光レンズユニット430に入射する前のレーザ光Lについてのビーム断面の強度分布に関する画像(以下、単に「強度分布画像」という)を、後述するレーザ光照射制御の実行中に撮像する。プロファイル取得用カメラ464は、1つの切断予定ライン5に沿ったレーザ光照射制御の実行中に、1又は複数の強度分布画像を静止画像として撮像する。プロファイル取得用カメラ464は、撮像した強度分布画像を制御部500へ出力する。プロファイル取得用カメラ464としては、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサが用いられる。
レーザ光Lの光路において第1レンズ241aの焦点位置には、スリット部材424が配置されている。スリット部材424は、レーザ光Lにおける一定値以上の空間周波数成分(広角回折光)を遮光すると共に、レーザ光Lにおける一定値未満の空間周波数成分を通過させる。例えばスリット部材424では、一定値以上の空間周波数成分を遮光するように、開口の大きさが設定されている。
ちなみに、スリット部材424は、第1レンズ241aの焦点位置の近傍に配置されていてもよい。焦点位置の近傍とは、略焦点位置、焦点位置の付近、もしくは焦点位置の周辺であって、スリット部材424がレーザ光Lにおける一定値以上の空間周波数成分を遮光できる範囲である(以下、同じ)。スリット部材424を通過後のレーザ光Lでは、反射型空間光変調器410によるレーザ光Lの変調を強度変調として容易に観測できる。
制御部500は、上記レーザ光源制御部102と、空間光変調器制御部502、カメラ制御部504、判定部506、及び、記憶部510を有している。レーザ光源制御部102は、上述したように、レーザ発振器310の動作を制御する。また、レーザ光源制御部102は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎において、加工条件(照射条件)に基づいて、レーザ発振器310で発生させるレーザ光Lの出力を決定して設定する。加工条件は、例えばタッチパネル等の入力部によりオペレータから入力される。加工条件としては、例えば、加工対象物1における改質領域7を形成する深さ位置、レーザ出力等である。
空間光変調器制御部502は、反射型空間光変調器410の液晶層216に表示する位相パターンを制御する。図17(a)は、液晶層216に表示された位相パターン9の一例を示す図である。図18は、マーキングが表示される位置を説明する図である。図17(a)及び図18に示されるように、空間光変調器制御部502は、液晶層216を制御し、本体パターン9H及びマーキング9Mを含む位相パターン9を液晶層216に表示させる。位相パターン9は、上述の変調パターンであって、レーザ光Lを変調する。
マーキング9Mは、レーザ光Lにおける集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射しない一部を変調する。マーキング9Mは、液晶層216におけるレーザ光Lが当たる領域HAのうち、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射しない一部のレーザ光L(つまり、レーザ光Lにおける集光レンズユニット430のアパーチャでカットされる一部)を出射するマーキング可能領域Bに位置する。ここでのレーザ光Lが当たる領域HAは、円形領域であり、マーキング可能領域Bは、当該領域HAの外縁部の円環領域である。マーキング9Mは、一定値以上の空間周波数成分の位相領域、及び、当該一定値未満の空間周波数成分の位相領域の少なくとも何れかを含むパターンである。このようなマーキング9Mは、本体パターン9Hに対応して設定されており、本体パターン9H毎に異なっている。
本体パターン9Hは、集光レンズユニット430の瞳面に入射するレーザ光の他部を変調する。本体パターン9Hは、液晶層216におけるレーザ光Lが当たる領域HAのうち、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射する他部のレーザ光L(つまり、レーザ光Lにおける集光レンズユニット430でカットされない他部)を出射する加工使用領域Cに位置する。加工使用領域Cは、領域HAにおいてマーキング可能領域Bの内側に存在する円形領域である。
例えば加工使用領域Cは、レーザ光Lがガウシアンビームの場合、レーザ光Lの強度がピークの13.5(1/e^2)%となる幅であるガウシアンビーム半径wを用いると、ガウシアンビーム半径wを半径とした円形領域である。例えばマーキング可能領域Bは、ガウシアンビーム半径wを内半径とし、ガウシアンビーム半径wの1.22倍(=1.22w)を外半径とする円環領域である。ガウシアンビーム半径wの1.22倍の位置は、レーザ光Lの強度がピークの約5%となる位置である。また例えば、液晶層216において、マーキング可能領域Bの外縁BEにマーキングした場合のS/N比は、加工使用領域Cの外縁CEにマーキングした場合のS/N比に対して、2.7倍(13.5/5倍)異なっている。
図17(a)に示される例では、液晶層216において、スリット部材424で遮光される高い空間周波数成分の位相領域であるグレーティングパターンの背景画像上に、本体パターン9H及びマーキング9Mを含む位相パターン9が表示されている。マーキング9Mは、スリット部材424で遮光されない空間周波数成分の位相領域である矩形の暗色領域が、千鳥格子状に配列されて構成されている。
図16に戻り、空間光変調器制御部502は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎において、加工条件に基づき本体パターン9Hを設定すると共に、この本体パターン9Hに対応するマーキング9Mを設定する。すなわち、空間光変調器制御部502は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、加工条件から設定した本体パターン9Hに当該本体パターン9Hに対応したマーキング9Mが書き込まれて成る位相パターン9を設定する。空間光変調器制御部502は、液晶層216に表示させるマーキング9Mの画像に関する情報を、判定部506へ出力する。
カメラ制御部504は、プロファイル取得用カメラ464の動作を制御する。また、カメラ制御部504は、強度分布画像をプロファイル取得用カメラ464から取得して認識する。カメラ制御部504は、強度分布画像上のマーキング9Mに対応する画像であるマーキング強度画像を、強度分布画像から抽出して認識する。カメラ制御部504は、マーキング強度画像を判定部506へ出力する。
カメラ制御部504は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎において、レーザ光源制御部102で設定したレーザ光Lの出力の大きさに応じて、プロファイル取得用カメラ464のシャッタ時間を可変する。具体的には、カメラ制御部504は、レーザ光Lの出力とシャッタ時間とに関するデータテーブルを有しており、当該データテーブルを用いて、各切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎のシャッタ時間を、レーザ光Lの出力の大きさから設定する。例えばカメラ制御部504は、強度分布画像の輝度値(プロファイル取得用カメラ464上の光量)が一定に維持されるように、レーザ光Lの出力が大きいほどシャッタ時間を小さく、もしくは、出力が小さいほどシャッタ時間を大きく設定する。なお、カメラ制御部504は、シャッタ時間に加えて、ゲイン(感度)を同様に可変してもよい。
判定部506は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎において、空間光変調器制御部502により液晶層216に表示させるマーキング9Mとマーキング強度画像とに基づいて、反射型空間光変調器410が正常動作したか否かを判定する。具体的には、判定部506は、各切断予定ライン5のレーザ加工の際、液晶層216に表示させようとするマーキング9Mとマーキング強度画像とについて、公知の画像マッチング手法により一致するか否かを判定する。マーキング9Mとマーキング強度画像とが一致した場合、その切断予定ライン5のレーザ加工において反射型空間光変調器410が正常動作したと判定する。判定部506は、判定結果を記憶部510へ出力する。なお、マーキング9Mとマーキング強度画像との一致を判定する手法は特に限定されず、種々の手法を用いることができる。
記憶部510は、1つの切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、判定部506の判定結果をログとして保存する。例えば記憶部510は、判定結果を各切断予定ライン5の座標と関連付けてログとして蓄積する。
このような制御部500は、レーザ光照射制御、すなわち、複数の切断予定ライン5それぞれに沿って、各切断予定ライン5毎に設定された位相パターン9を液晶層216に表示させながら、各切断予定ライン5毎に設定された出力でレーザ光Lを加工対象物1に照射させつつ、第1移動機構220を駆動させて当該レーザ光Lを加工対象物1に対して相対的に移動させる制御を実行する。
制御部500には、モニタ600が接続されている。モニタ600は、記憶部510に記憶されたログを表示することができる。また、モニタ600は、空間光変調器制御部502により液晶層216に表示させる位相パターン9、及び、プロファイル取得用カメラ464で取得した強度分布画像を表示することができる。
次に、レーザ加工装置200によるレーザ加工方法(レーザ光照射方法)について、図19のフローチャートを参照しつつ説明する。
本実施形態に係るレーザ加工方法では、実際にレーザ光Lを加工対象物1に照射する動作である加工動作の前に、まず、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、オペレータにより加工条件を入力する(S1)。上記S1で入力した加工条件から、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、レーザ光源制御部102によりレーザ光Lの出力を設定する。これと共に、上記S1で入力した加工条件から、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、空間光変調器制御部502により、本体パターン9H及びマーキング9Mを含む位相パターン9を設定する(S2)。上記S2で設定されたレーザ光Lの出力から、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、データテーブルを用いてカメラ制御部504によりプロファイル取得用カメラ464のシャッタ時間を設定する(S3)。
続いて、加工動作直前に、カメラ制御部504により、プロファイル取得用カメラ464のシャッタ時間を、i番目の切断予定ライン5である第i切断予定ライン5に沿うレーザ加工のシャッタ時間へ変更する(S4)。なお、iは、初期値が1のカウント数であり、便宜的なものである。
続いて、空間光変調器制御部502により、第i切断予定ライン5に沿うレーザ加工の位相パターン9を液晶層216に表示させる(S5)。レーザ光源制御部102により、レーザ発振器310からレーザ光Lを発生させ、第i切断予定ライン5に沿うレーザ加工の出力で当該レーザ光Lを加工対象物1に照射する。併せて、制御部500により第1移動機構220を駆動し、当該レーザ光Lを第i切断予定ライン5に沿って相対的に移動させる。第i切断予定ライン5に沿ったレーザ光Lの照射及び移動中に、プロファイル取得用カメラ464により強度分布画像を取得する(S6)。強度分布画像の取得は、1つの切断予定ライン5に沿ったレーザ光Lの照射及び移動中に、1回又は所定間隔で複数回行う。
上記S6で取得した強度分布画像をカメラ制御部504により画像処理し、強度分布画像上のマーキング9Mの画像であるマーキング強度画像を取得する。判定部506により、マーキング強度画像を、液晶層216上に表示させるマーキング9Mの画像と比較する。両者が一致する場合には、反射型空間光変調器410の動作が正常と判定する一方、両者が一致しない場合には、反射型空間光変調器410の動作が異常と判定する(S7)。
図17(b)は、プロファイル取得用カメラ464で撮像された強度分布画像10の一例を示す図である。図17(b)に示される強度分布画像10は、図17(a)の位相パターン9を液晶層216に表示させている場合の例である。
図17(b)に示されるように、強度分布画像10では、スリット部材424でレーザ光Lが遮光されて成る暗色領域の背景画像上に、本体パターン9Hに対応する強度画像10Hとマーキング9Mに対応するマーキング強度画像10Mとが表示されている。マーキング強度画像10Mは、液晶層216に表示させているマーキング9M(図17(a)参照)の形状と一致する千鳥格子状(つまり、マーキング9Mと同じパターン)で、複数の矩形の明色領域が配列されて構成されている。この例では、マーキング強度画像10Mがマーキング9Mと一致すると判定できる。
上記S7における判定結果を、第i切断予定ライン5と関連付けて記憶部510にログとして保存する(S8)。そして、上記S4〜上記S8を、全ての切断予定ライン5に対して繰り返し(i=切断予定ラインの総数に達するまで繰り返し)実施する(S9)。
レーザ加工後、記憶部510に記憶した判定結果から、切断予定ライン5毎に反射型空間光変調器410の正常動作を確認する(S10)。その後、例えば、反射型空間光変調器410の正常動作が確認できない切断予定ライン5が存在する場合には、この切断予定ラインに関して上記S4〜上記S8を繰り返し実施する。
なお、上記S1〜上記S3のステップは、加工動作前ステップを構成する。上記S4のステップは、加工動作直前ステップを構成する。上記S5〜上記S7のステップは、加工中ステップを構成する。上記S9のステップは、加工後ステップを構成する。また、上記S5及び上記S6のステップは、レーザ光照射制御に対応する。
以上、本実施形態に係るレーザ加工装置200によれば、液晶層216に表示させるマーキング9Mにより、レーザ光Lにおける集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射しない一部(集光レンズユニット430でカットされる一部)を変調させる。これにより、加工対象物1へレーザ光Lを照射しながら、当該レーザ光照射に影響を及ぼすことなく、プロファイル取得用カメラ464で取得した強度分布画像10においてマーキング9Mによる強度変調が現れているかどうかを確認し、液晶層216の表示が正常に制御されているか否かを確認できる。
例えば、液晶層216に表示させるマーキング9Mがマーキング強度画像10Mと一致する場合、反射型空間光変調器410によりレーザ光Lが正常に変調されており、反射型空間光変調器410が正常動作していることを確認できる。一方、液晶層216に表示させるマーキング9Mがマーキング強度画像10Mと一致しない場合には、液晶層216がフリーズした状態(応答不能状態)となって液晶層216の表示が適切に切り替わっておらず、反射型空間光変調器410が異常動作していることが確認できる。したがって、レーザ加工装置200によれば、レーザ光Lの照射中における反射型空間光変調器410の正常動作を精度よく確認できる。
なお、反射型空間光変調器410の駆動回路(ドライバ)によって正常動作を確認する場合には、液晶層216の表示が異常であっても駆動回路が正常動作を示すことがあるため、反射型空間光変調器410の異常動作の発見が遅れるおそれがある。これに対し、レーザ加工装置200では、上述のように、位相パターン9のマーキング9Mでレーザ光Lが意図した通りに変調されたか否かをプロファイル取得用カメラ464でモニタすることから、反射型空間光変調器410の正常動作を遅滞なく確認できる。レーザ加工動作中における反射型空間光変調器410の正常動作を、追加動作なしで確認できる。
レーザ加工装置200では、マーキング9Mは、液晶層216におけるレーザ光Lが当たる領域HAのうち、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射しない一部のレーザ光Lを出射するマーキング可能領域Bに位置する。このようにマーキング9Mを位置させることにより、集光レンズユニット430の入射瞳面430aに入射しない一部のレーザ光Lの変調を、具体的に実現できる。
レーザ加工装置200では、カメラ制御部504は、レーザ発振器310で発生させたレーザ光Lの出力の大きさに応じて、プロファイル取得用カメラ464のシャッタ時間を可変する。レーザ光Lの出力によってプロファイル取得用カメラ464上の光量が変化することから、レーザ光Lの出力の大きさに応じてシャッタ時間を可変することにより、取得する強度分布画像10の輝度値を一定レベルに保ち、強度分布画像10の品質を確保できる。
レーザ加工装置200は、判定部506を備えており、判定部506では、空間光変調器制御部52により液晶層216に表示させるマーキング9Mと強度分布画像10のマーキング強度画像から、反射型空間光変調器410が正常動作したか否かを判定する。この構成によれば、反射型空間光変調器410の正常動作を、判定部の判定結果から確認することができる。
レーザ加工装置200では、レンズ422が配置され、レンズ422の焦点位置又は当該焦点位置の近傍には、スリット部材424が配置されている。スリット部材424は、レーザ光Lにおける一定値以上の空間周波数成分を遮光することから、プロファイル取得用カメラ464に一定値以上の空間周波数成分が入射されてしまうことを抑制できる。その結果、取得した強度分布画像10において、一定値以上の空間周波数成分に起因してマーキング9Mによる強度変調の視認性(認識性)が低下してしまうことを抑制できる。このようなスリット部材424は、位相パターン9を強度分布に変換する機構を構成する。
レーザ加工装置200は、レーザ光Lを加工対象物1に対して切断予定ライン5に沿って相対的に移動させる第1移動機構220を備えている。レーザ光源制御部102においては、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、レーザ光Lの出力が設定されている。空間光変調器制御部502においては、切断予定ライン5に沿うレーザ加工毎に、本体パターン9H及び当該本体パターン9Hに対応したマーキング9Mを含む位相パターン9が設定されている。そして、制御部500は、複数の切断予定ライン5それぞれに沿って、設定された位相パターン9を液晶層216に表示させながら、設定された出力でレーザ発振器310からレーザ光Lを発生させて加工対象物1に照射させつつ、第1移動機構220により当該レーザ光Lを相対的に移動させるレーザ光照射制御を実行する。当該レーザ光照射制御の実行中に、プロファイル取得用カメラ464は強度分布画像を取得する。このような構成によれば、レーザ光Lの照射中における反射型空間光変調器410の正常動作の精度よい確認を、具体的に実現できる。
レーザ加工装置200では、マーキング9Mは、一定値以上の空間周波数成分の位相領域、及び、当該一定値未満の空間周波数成分の位相領域の少なくとも何れかを含むパターンとされている。これにより、プロファイル取得用カメラ464で取得した強度分布画像において、マーキング9Mによる強度変調を認識し易くできる。
レーザ加工装置200では、加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレーザ光Lを照射することにより、加工対象物1の内部に改質領域7を形成する。この場合、加工対象物1の内部のレーザ加工が実施可能となる。
本実施形態において、マーキング9Mの態様としては特に限定されず、対応するマーキング強度画像10Mとの一致が判別可能であれば、種々の大きさ、形状及びパターンであってもよい。例えば図20(a)に示される他の例では、マーキング9Mは、グレーティングパターンの背景画像上に配置された十字形状の暗色領域である。このマーキング9Mと一致するマーキング強度画像10Mは、図20(b)に示されるように、マーキング9Mの形状と一致する十字形状の明色領域となる。
例えば図21(a)に示される他の例では、マーキング9Mは、グレーティングパターンの背景画像上に配置された、正方形枠形状の3つの角部が切り欠かれて成る形状の暗色領域である。このマーキング9Mと一致するマーキング強度画像10Mは、図21(b)に示されるように、マーキング9Mの形状と一致する、正方形枠形状の3つの角部が切り欠かれて成る形状の明色領域となる。
例えば図22(a)に示される他の例では、マーキング9Mは、暗色画像上に配置された、正方形枠形状の対向する2つの角部が切り欠かれて成る形状のグレーティング領域である。このマーキング9Mと一致するマーキング強度画像10Mは、図22(b)に示されるように、マーキング9Mの形状と一致する、正方形枠形状の対向する2つの角部が切り欠かれて成る形状の暗色領域となる。
図23は、スリット部材424の効果を検証した検証結果を示す図である。図23(a)は、検証に用いた位相パターン9を示す。図23(b)は、スリット部材424を備えたレーザ加工装置200において、図23(a)の位相パターン9を液晶層216に表示させたときに取得された強度分布画像10を示す。図23(c)は、スリット部材424を備えないレーザ加工装置200において、図23(a)の位相パターン9を液晶層216に表示させたときに取得された強度分布画像10を示す。
図23(c)に示されるように、スリット部材424を備えない場合でも、マーキング強度画像10Mを識別でき、マーキング9M及びマーキング強度画像10Mから反射型空間光変調器410の正常動作を判定できることがわかる。また、スリット部材424を備えた場合には、マーキング強度画像10Mの視認性が良好となり、マーキング9M及びマーキング強度画像10Mから反射型空間光変調器410の正常動作を一層精度よく判定できることがわかる。
次に、第2実施形態について説明する。図24は、第2実施形態に係るレーザ加工装置200Bの要部を示す概略構成図である。図24に示されるように、本実施形態のレーザ加工装置200Bが上記レーザ加工装置200(図17参照)と異なる点は、レーザ光Lの光路において集束レンズであるレンズ463の焦点位置にスリット部材424Bが配置されている点である。スリット部材424Bは、上記スリット部材424と同様に構成されている。なお、スリット部材424Bは、レンズ463の焦点位置の近傍に配置されていてもよい。
以上、レーザ加工装置200Bにおいても、レーザ光Lの照射中における反射型空間光変調器410の正常動作を精度よく確認できるという上記作用効果が奏される。
図25は、第2実施形態の変形例に係るレーザ加工装置200Cの要部を示す概略構成図である。図25に示されるように、第2実施形態に係る変形例として、レーザ光Lの光路においてレンズ463とプロファイル取得用カメラ464との間にレンズ463Cを備えたレーザ加工装置200Cを採用することができる。レンズ463Cは、レンズ463で集束されたレーザ光Lをコリメートしてプロファイル取得用カメラ464へ入射させる。レンズ463Cは、リレーレンズを構成する。レンズ463,463Cは、共役面491にリレーされたレーザ光Lの波面(液晶層216における実像)をプロファイル取得用カメラ464の撮像面464aにリレー(結像)する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用してもよい。
上記実施形態は、加工対象物1の内部に改質領域7を形成するものに限定されず、アブレーション等、他のレーザ加工を実施するものであってもよい。上記実施形態は、加工対象物1の内部にレーザ光Lを集光させるレーザ加工に用いられるレーザ加工装置に限定されず、加工対象物1の表面1a,3又は裏面1bにレーザ光Lを集光させるレーザ加工に用いられるレーザ加工装置であってもよい。本発明が適用される装置はレーザ加工装置に限定されず、レーザ光Lを対象物に照射するものであれば、様々なレーザ光照射装置に適用できる。上記実施形態では、切断予定ライン5を照射予定ラインとしたが、照射予定ラインは切断予定ライン5に限定されず、照射されるレーザ光Lを沿わせるラインであればよい。
上記実施形態において、反射型空間光変調器410の反射面410aと集光レンズユニット430の入射瞳面430aとが結像関係にある両側テレセントリック光学系を構成する結像光学系は、一対のレンズ422,423に限定されず、反射型空間光変調器410側の第1レンズ系(例えば、接合レンズ、3つ以上のレンズ等)及び集光レンズユニット430側の第2レンズ系(例えば、接合レンズ、3つ以上のレンズ等)を含むもの等であってもよい。
上記実施形態において、プロファイル取得用カメラ464は、その撮像面464aが反射型空間光変調器410の液晶層216の反射面と共役な面に位置すればよく、共役面491の位置にプロファイル取得用カメラ464を配置してもよい。この場合、レーザ加工装置200(図17参照)においては、レンズ463は不要となる。上記実施形態において、レンズ422、レンズ423及びレンズ463のリレー倍率は任意倍率でもよい。上記実施形態は、反射型空間光変調器410を備えたが、空間光変調器は反射型のものに限定されず、透過型の空間光変調器を備えていてもよい。
また、集光レンズユニット430及び一対の測距センサ450は、Y軸方向における筐体401の端部401dに取り付けられていたが、Y軸方向における筐体401の中心位置よりも端部401d側に片寄って取り付けられていればよい。反射型空間光変調器410は、Y軸方向における筐体401の端部401cに取り付けられていたが、Y軸方向における筐体401の中心位置よりも端部401c側に片寄って取り付けられていればよい。また、測距センサ450は、X軸方向において集光レンズユニット430の片側のみに配置されていてもよい。
上記実施形態では、1つの切断予定ライン5に沿って加工対象物1に1列の改質領域7を形成する場合(1ラインに対して1スキャンする場合)を例に説明したが、1つの切断予定ライン5に沿って複数列の改質領域7を形成(1ラインに対して複数スキャン)してもよい。この場合、複数列の改質領域7のレーザ加工毎にも上記S1〜上記S3が実施され、上記S4〜上記S8が複数列分だけ繰り返し実施される。
上記実施形態では、判定部506によりマーキング9Mとマーキング強度画像10Mとの一致を判定したが、液晶層216に表示させる位相パターン9とプロファイル取得用カメラ464で取得された強度分布画像10とをモニタ600に表示させ、オペレータがマーキング9Mとマーキング強度画像10Mとの一致を目視で判断してもよい。上記実施形態は、レーザ光Lの出力(光強度)を調整する出力調整部として、レーザ出力部300においてλ/2波長板ユニット330及び偏光板ユニット340を備えているが、レーザ出力部300とは別の出力調整部を備えていてもよい。これら何れの場合にも、制御部500によりレーザ光Lの出力を制御できる。
上記実施形態では、強度分布取得部としてプロファイル取得用カメラ464を用い、取得した強度分布画像10によってレーザ光Lの強度分布を認識したが、プロファイル取得用カメラ464に代えて、レーザ光Lの強度分布を取得できる他の機器や装置を用いてもよい。上記実施形態では、ダイクロイックミラー403に代えて、レーザ光Lをプロファイル取得用カメラ464側と集光レンズユニット430側とに分岐するビームスプリッタを用いてもよい。
1…加工対象物(対象物)、5,5a,5b…切断予定ライン(照射予定ライン)、7…改質領域、9…位相パターン、9H…本体パターン、9M…マーキング、10…強度分布画像(強度分布)、100,200,200B,200C…レーザ加工装置(レーザ光照射装置)、102…レーザ光源制御部(制御部)、216…液晶層(表示部)、220…第1移動機構(移動機構)、241a…第1レンズ、310…レーザ発振器(レーザ光源)、410…反射型空間光変調器(空間光変調器)、422…レンズ(集束レンズ)、424,424B…スリット部材、430…集光レンズユニット(対物レンズ)、430a…入射瞳面(瞳面)、463…レンズ(集束レンズ)、464…プロファイル取得用カメラ(強度分布取得部)、500…制御部、502…空間光変調器制御部(制御部)、504…カメラ制御部(制御部)、506…判定部、L…レーザ光。

Claims (9)

  1. レーザ光を対象物に照射するレーザ光照射装置であって、
    前記レーザ光を発生させるレーザ光源と、
    位相パターンを表示する表示部を有し、前記レーザ光源で発生させた前記レーザ光を前記表示部に入射させ、当該レーザ光を前記位相パターンに応じて変調して前記表示部から出射する空間光変調器と、
    前記表示部に表示する前記位相パターンを少なくとも制御する制御部と、
    前記空間光変調器から出射された前記レーザ光を前記対象物に集光する対物レンズと、
    前記空間光変調器から出射され前記対物レンズに入射する前記レーザ光の強度分布を取得する強度分布取得部と、を備え、
    前記制御部は、前記レーザ光における前記対物レンズの瞳面に入射しない一部を変調するマーキングを含む前記位相パターンを、前記表示部に表示させる、レーザ光照射装置。
  2. 前記マーキングは、前記表示部における前記レーザ光が当たる領域のうち、前記対物レンズの瞳面に入射しない一部の前記レーザ光を出射する領域に位置する、請求項1に記載のレーザ光照射装置。
  3. 前記強度分布取得部は、前記レーザ光の前記強度分布の画像を取得するカメラである、請求項1又は2に記載のレーザ光照射装置。
  4. 前記制御部は、前記レーザ光源で発生させた前記レーザ光の出力の大きさに応じて、前記強度分布取得部のシャッタ時間を可変する、請求項3に記載のレーザ光照射装置。
  5. 前記制御部により前記表示部に表示させる前記マーキングと前記強度分布取得部で取得した前記強度分布とに基づいて、前記空間光変調器が正常動作したか否かを判定する判定部を備える、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザ光照射装置。
  6. 前記レーザ光の光路において前記空間光変調器と前記強度分布取得部との間には、前記レーザ光を集束する集束レンズが配置され、
    前記集束レンズの焦点位置又は当該焦点位置の近傍には、前記レーザ光における一定値以上の空間周波数成分を遮光するスリット部材が配置されている、請求項1〜5の何れか一項に記載のレーザ光照射装置。
  7. 複数の照射予定ラインに沿って前記レーザ光を前記対象物に照射する前記レーザ光照射装置であって、
    前記レーザ光を前記対象物に対して前記照射予定ラインに沿って相対的に移動させる移動機構を備え、
    前記制御部においては、1つ又は複数の前記照射予定ラインに沿うレーザ光照射毎に、前記レーザ光の出力と、本体パターン及び当該本体パターンに対応した前記マーキングを含む前記位相パターンと、が設定され、
    前記制御部は、
    複数の前記照射予定ラインそれぞれに沿って、設定された前記位相パターンを前記表示部に表示させながら、設定された前記出力で前記レーザ光を前記対象物に照射させつつ、前記移動機構により当該レーザ光を相対的に移動させるレーザ光照射制御を実行し、
    前記強度分布取得部は、
    前記制御部による前記レーザ光照射制御の実行中に、前記レーザ光の前記強度分布を取得する、請求項1〜4の何れか一項に記載のレーザ光照射装置。
  8. 前記マーキングは、一定値以上の空間周波数成分の位相領域、及び、当該一定値未満の空間周波数成分の位相領域の少なくとも何れかを含むパターンである、請求項1〜7の何れか一項に記載のレーザ光照射装置。
  9. 前記対象物の内部に集光点を合わせて前記レーザ光を照射することにより、前記対象物の内部に改質領域を形成する、請求項1〜7の何れか一項に記載のレーザ光照射装置。
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