JP6641883B2 - 測定装置、電子機器、及び測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、入射光の光を測定する測定装置、電子機器、及び測定方法等に関する。
従来、分光素子により分光された光を受光部で受光させることで、測定対象の分光測定を行ったり、分光画像を取得したりする測定装置が知られている。
このような分光素子としては、所定領域に入射した光を一括して分光(以降、面分光と称する)する素子を用いることが好ましく、例えばファブリーペローエタロン素子や、LCTF(液晶チューナブルフィルター)等を用いることができる。特に、一対の反射膜を対向配置させたファブリーペローエタロン素子(干渉フィルター)は、安価かつ小型化が可能であり、小型の測定装置に容易に適用することが可能となる。
ところで、このような分光素子では、入射光の入射位置によって、分光される波長が変わる場合がある。例えば、一対の反射膜を対向配置させた干渉フィルターでは、反射膜に撓みや傾きがあると、反射膜間の距離が入射光の入射位置によって変化し、面分光した際に面内で波長ムラが生じ、高精度な分光画像が取得できない。そこで、干渉フィルターにおいて面分光した際の面内の分光波長の分布を正確に把握可能な構成が考え出されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の測定装置は、一対の反射膜と、一対の反射膜の間のギャップ寸法を変更するギャップ変更部(静電アクチュエーター)とを備えた波長可変干渉フィルター、及び、波長可変干渉フィルターを透過した光を受光する検出部を備える。
この測定装置では、測定対象からの光を測定装置に入射させ、検出部の各画素(検出素子)で受光される光強度を測定する測定処理を、ギャップ変更部に印加する電圧を複数回変更させて複数回実施する。また、ギャップ変更部に印加する電圧に対する各画素で受光可能な光の波長に関する相関データを予め記憶しておき、この相関データに基づいて、各測定回における各画素で受光された光の波長を特定する。
このような測定装置を用いることで、各画素における目標波長に対する光強度を取得することができ、面内の波長ムラを抑制することが可能となる。
特開2012−93275号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の測定装置では、目標波長の光が検出部の各画素で受光されるように、一対の反射膜の間のギャップ寸法を複数回切り替える必要がある。この場合、例えば20nm間隔で波長を切り替えて波長走査を行う通常の分光測定とは異なり、より多くの測定を実施する必要がある。よって、目標波長の分光画像を測定するための測定時間が長くなるとの課題がある。
本発明は、面内の波長ムラを抑制し、かつ迅速な測定が可能な測定装置、電子機器、及び測定方法を提供することを目的とする。
本発明に係る一適用例の測定装置は、入射光のうちの所定の波長の光を分光し、かつ分光する光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含み、前記分光素子に測定光を入射させ、前記分光素子にて分光させる光の波長を変更して複数回の測定を実施し、前記複数回の測定の各々における前記複数の画素のうちの第一画素が受光する光の受光中心波長と、前記第一画素で受光された前記受光中心波長の光に基づく光関連値と、に基づいて、前記第一画素が第一波長の光を受光した際の前記光関連値を推算することを特徴とする。
ここで、本発明における光関連値とは、撮像素子の各画素で受光される光の強度(光量値)であってもよく、光の強度に基づいて算出される反射率や、吸光度等であってもよい。
本適用例では、測定装置は、入射光を分光素子に入射させて分光された光を撮像素子で受光する測定を、分光素子で分光させる波長を変更しながら複数回実施する。これによって、複数回の測定の各々において、第一画素が受光した光の光関連値を取得する。そして、測定装置は、分光素子を制御した際の第一画素が受光する光の受光中心波長と、その受光中心波長に対応した光関連値との組み合わせから、第一波長(目標とする波長)の光関連値を推算する。
このような測定装置では、複数回の測定により得られた測定結果に基づいて、第一画素に入射される第一波長の光の光関連値を推算するため、測定に係る時間を短縮することができる。また、第一画素で受光した目標波長に対する光関連値を推算するため、例えば第一画素で受光した光に基づく光関連値を目標波長に対する光関連値とする場合に比べて精度の高い測定が行える。
つまり、上述した特許文献1に記載の測定装置を用いる場合では、第一画素が第一波長の光を受光するように、分光素子の分光波長を切り替える必要がある。したがって、例えば第一波長の分光画像を取得したい場合、ある画素で第一波長の光を受光するように分光素子を制御した後、他の画素において第一波長の光を受光するように分光素子を制御しなおし、以下、撮像素子の各画素に対して同様の制御を繰り返す必要がある。このため、測定時間が長時間化してしまう。また、第一画素が第一波長の光を受光するように精度よく分光素子を制御する必要があり、制御構成が複雑化する。
これに対して、本適用例では、第一画素に第一波長の光が受光されるように分光素子を制御する必要がない。例えば20nm間隔で分光波長を切り替える通常の測定を実施すれば、これらの測定結果に基づいて、第一画素に受光される第一波長の光を推算することが可能となる。また、第一画素に対して第一波長の光が受光されるように分光素子を制御する場合、高精度に分光素子を制御する回路構成が必要となるが、本適用例ではこのような構成が不要となり、測定装置の構成の簡略化及び低コスト化を図ることも可能となる。
本適用例の測定装置において、前記複数の測定の各々において得られた前記光関連値のうち、第一の受光中心波長に対応する第一の光関連値と、第二の受光中心波長に対応する第二の光関連値との間を補間することにより、前記第一画素が第一波長を受光した際の前記光関連値を推算する推算手段を備えることが好ましい。
ここで、第一の受光中心波長に対応する第一の光関連値は、複数回の測定における所定の測定回における測定結果であり、第二の受光中心波長に対応する第二の光関連値は、複数回における他の測定回における測定結果である。
本適用例では、推算手段は、第一の受光中心波長に対応する第一の光関連値と、第二の受光中心波長に対応する第二の光関連値との間を補間することで第一波長に対応する光関連値を推算する。推算手段は、内挿補間によって第一波長に対する光関連値を推算するため、例えば外挿法により推算する場合に比べて、測定精度を向上させることができる。
本適用例の測定装置において、前記推算手段は、線形補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算することが好ましい。
本適用例では、推算手段は、線形補間によって第一波長に対する光関連値を推算する。この場合、補間に係る演算を簡略化でき、演算に係る処理負荷の軽減や処理時間の短縮を図れる。
本適用例の測定装置において、前記推算手段は、スプライン補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算することが好ましい。
本適用例では、推算手段は、スプライン補間によって、第一波長に対する光関連値を推算する。線形補間では、測定点(受光中心波長に対する光関連値のプロット点)における変化量が大きくなる。また、線形補間では、測定点間を結ぶ線分上の値を算出するので、例えば測定点の間隔が大きい場合、実際の光関連値と誤差が大きくなり、十分な精度の光関連値を推算できない場合がある。これに対し、本適用例では、各測定点を通る滑らかな曲線の多項近似式を算出でき、高精度に光関連値を推算できる。
本適用例の測定装置において、前記推算手段は、区分的エルミート補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算することを特徴とすることが好ましい。
本適用例では、区分的エルミート補間によって、第一波長に対する光関連値を推算する。スプライン補間を用いる場合、各測定点を通る滑らかな曲線により分光スペクトルを近似できる。しかしながら、測定点と測定点の間に意図しないピーク点が形成される場合があり、この場合、実際のスペクトル曲線と異なる曲線が形成されてしまうことがある。
これに対して、本適用例では、区分的エルミート補間を用いることで、上記のような意図しないピーク点が形成されず、かつ、線形補間とスプライン補間との中間程度の滑らかさで各測定点を結ぶ補間処理を行うことができ、高精度な光関連値の推算を行うことができる。
本適用例の測定装置において、前記分光素子により分光される前記第一波長の光の次数と、当該第一波長の光の光関連値を推算するために取得される前記受光中心波長の次数は同じ次数であることが好ましい。
本適用例では、第一波長に対する光関連値を推算するために用いられる測定結果の次数(例えば第一受光中心波長や第二受光中心波長の光を分光素子で分光させる際の次数)は、第一波長の光を分光する際の次数と同じとなる。
すなわち、分光素子により所定波長の光を分光する際、次数が異なると異なる結果が出力される。例えば波長λの光を、2次の次数により分光素子で分光させる場合と、3次の次数により分光素子で分光させる場合とでは、分光された光の強度が異なる。よって、第一波長の光の光関連値を、例えば3次の次数により分光素子で分光した波長λの光の強度と、2次の次数により分光素子で分光した波長λの光の強度に基づいて推算すると、基準となる次数が異なるので、高精度な光関連値の推算ができない。これに対して、本実施形態では、第一波長の光の光関連値を推算する際に用いる波長λ,λの光を分光素子にて分光させる際の次数と、第一波長の光を分光素子にて分光する際の次数とを揃えることで、第一波長に対する光関連値の推定精度の向上を図れる。
本適用例の測定装置において、前記分光素子及び前記撮像素子を用いて複数の基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、所定の基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記第一画素に入射された光の中心波長との差である波長ずれ量を算出するずれ量算出手段を、さらに備えることが好ましい。
本適用例では、ずれ量算出手段を備え、複数の基準対象の撮像結果に基づいて、基準画素において受光される光の基準波長と、第一画素において受光される光の中心波長との差である波長ずれ量を算出する。このため、基準画素で第一波長の光が受光されるように分光素子を制御すれば、第一画素で受光される光の受光中心波長を容易に算出することができる。これにより、上述のように、第一画素で受光される光の受光中心波長と、その光関連値とに基づき、第一画素で受光される第一波長の光の光関連値を推算することが可能となる。
本適用例の測定装置において、前記基準対象は、既知の反射率を有することが好ましい。
本適用例では、基準対象は既知の反射率を有する。
この場合、各波長の分光画像における第一画素の階調値から反射率のスペクトルを算出し、既知の反射率のスペクトルと比較することで、第一画素で受光される光の波長ずれ量を容易に算出することが可能となる。
本適用例の測定装置において、前記ずれ量算出手段は、反射率が異なる複数の前記基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、前記波長ずれ量を算出することが好ましい。
本適用例では、反射率がそれぞれ異なる複数の基準対象の撮像結果に基づいて波長ずれ量を算出する。この場合、例えば1種類の基準対象の撮像結果に基づいて波長ずれ量を算出する場合に比べて、多種類の基準対象に対して一様となる波長ずれ量を精度よく算出できる。
本適用例の測定装置において、前記ずれ量算出手段は、最小二乗法により前記波長ずれ量を算出することが好ましい。
本適用例では、複数の基準対象の撮像結果に対応した複数のサンプルを用い、最小二乗法によって波長ずれ量を算出する。これにより、簡単な演算式により高精度な波長ずれ量を算出することが可能となる。
本適用例の測定装置において、前記分光素子は、ファブリーペロー型エタロン素子であることが好ましい。
本適用例では、分光素子として、ファブリーペロー型エタロン素子を用いている。このようなファブリーペローエタロン素子(以降、波長可変干渉フィルターと称する場合がある)は、一対の反射膜を対向配置させた簡素な構成を有し、素子サイズを小さくできる。
したがって、測定装置にこのような分光素子を適用することで、測定装置自体の小型化をも促進できる。
本発明に係る一適用例の測定装置は、入射光のうちの所定波長の光を分光し、かつ分光する波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含み、前記分光素子及び前記撮像素子を用いて複数の基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、所定の基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記複数の画素の各々に入射された光の中心波長との差である波長ずれ量を算出することを特徴とする。
本適用例では、ずれ量算出手段が複数の基準対象の撮像結果に基づいて、基準画素で受光する光の基準波長と、各画素で受光する光の中心波長との差である波長ずれ量を算出する。このため、基準画素で基準波長の光が受光されるように分光素子を制御することで、その他の画素で受光される光の中心波長を容易に算出することができる。よって、各画素で受光した光に基づく光関連値を、波長ずれ量に基づいて補正することで、撮像画像における面内の波長ムラを抑制でき、かつ迅速な測定が可能となる。
本適用例の測定装置において、前記基準対象は、既知の反射率を有することが好ましい。
本適用例では、基準対象は既知の反射率を有するため、撮像画像の各画素の階調値から算出される反射率と、既知の反射率とを比較することで、各画素で受光される光の波長ずれ量を容易に算出することが可能となる。
本適用例の測定装置において、反射率が異なる複数の前記基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、前記波長ずれ量を算出することが好ましい。
本適用例では、反射率がそれぞれ異なる複数の基準対象の撮像結果に基づいて波長ずれ量を算出する。この場合、例えば1種類の基準対象の撮像結果に基づいて波長ずれ量を算出する場合に比べて、多種類の基準対象に対して一様となる波長ずれ量を精度よく算出できる。
本適用例の測定装置において、前記波長ずれ量は、最小二乗法により算出される
ことが好ましい。
本適用例では、複数の基準対象の撮像結果に対応した複数のサンプルを用い、最小二乗法によって波長ずれ量を算出する。これにより、簡単な演算式により高精度な波長ずれ量を算出することが可能となる。
本適用例の測定装置において、前記分光素子に測定光を入射させて、前記分光素子にて分光された第一波長の分光画像を撮像素子にて撮像する際に、前記複数の画素の各々における前記波長ずれ量に基づいて、前記分光画像を補正する補正手段をさらに備えることが好ましい。
本適用例では、補正手段により波長ずれ量に基づいた分光画像の補正を行う。これにより、面内波長ムラを抑制した分光画像を取得することができる。
本適用例の測定装置において、前記分光素子は、ファブリーペロー型エタロン素子であることが好ましい。
本適用例では、分光素子として、ファブリーペロー型エタロン素子を用いている。このようなファブリーペローエタロン素子は、一対の反射膜を対向配置させた簡素な構成を有し、素子サイズを小さくできる。
したがって、測定装置にこのような分光素子を適用することで、測定装置自体の小型化をも促進できる。
本発明に係る一適用例の電子機器は、上述したような測定装置を備えていることを特徴とする。
上述したように、測定装置は、面内の波長ムラを抑制した高精度な分光画像を迅速に測定することができる。よって、電子機器において、当該分光画像を用いた各種処理を実施する場合に、当該各種処理を迅速に開始することができ、電子機器における性能向上を図れる。
本発明に係る一適用例の測定方法は、入射光のうちの所定の波長の光を分光し、かつ分光する光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含む測定装置の測定方法であって、前記分光素子に測定光を入射させ、前記分光素子にて分光させる光の波長を変更して複数回の測定を実施する工程と、前記複数回の測定の各々における前記複数の画素のうちの第一画素が受光する光の受光中心波長と、前記第一画素で受光された前記受光中心波長の光に基づく光関連値と、に基づいて、前記第一画素が第一波長の光を受光した際の前記光関連値を推算する工程と、を実施することを特徴とする。
本適用例では、複数回の測定により得られた測定結果に基づいて、第一画素に入射される第一波長の光の光関連値を推算するため、第一画素に第一波長の光が受光されるように分光素子を制御する必要がなく、迅速な測定を行うことできる。
本発明に係る一適用例の測定方法は、入射光のうちの所定の波長の光を分光し、かつ分光する光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含む測定装置の測定方法であって、前記分光素子及び前記撮像素子を用いて複数の基準対象を撮像する工程と、前記複数の基準対象に対する各撮像結果に基づいて、所定の基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記複数の画素の各々に入射された光の中心波長との差から、前記基準画素と前記複数の画素の各々との波長ずれ量を算出する工程と、を実施することを特徴とする。
本適用例では、複数の基準対象の撮像結果に基づいて、基準画素の基準波長と、第一画素の中心波長との差から波長ずれ量を算出するため、基準画素で基準波長の光が受光されるように分光素子を制御することで、その他の画素で受光される光の中心波長を容易に算出することができる。よって、各画素で受光した光の強度を受光した光の波長に基づいて補正することで、撮像画像における面内の波長ムラを抑制でき、かつ迅速な測定が可能となる。
第一実施形態の分光カメラの概略構成を示す図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 第一実施形態におけるイメージセンサーに入射する光の光路を示す図。 図3における各画素に入射した光の受光中心波長を示す図。 第一実施形態の分光カメラを用いた測定方法を示すフローチャート。 第一実施形態の色基準生成処理を示すフローチャート。 第一実施形態の分光画像取得処理を示すフローチャート。 第一実施形態の波長ムラデータ生成処理を示すフローチャート。 基準画素で受光される光の中心波長と、基準画素とは異なる他の画素の1つで受光される光の受光中心波長との関係を示す図。 第一実施形態における波長ムラ補正処理を示すフローチャート。 第一実施形態における第一画素における目標波長に対する反射率の推算方法を説明するための図。 図3のイメージセンサーの各画素で受光された光の検出信号を、1回の測定により取得し、そのまま目標波長に対する検出信号とする比較例1における、各画素での受光中心波長を示す図。 図3に示すイメージセンサーの各画素で受光された光の検出信号を、複数回の測定処理により取得する比較例2における、各画素で受光した光の受光中心波長を示す図。 図3に示すイメージセンサーの各画素で受光された光の検出信号を、第一実施形態の測定方法を用いて補正する場合における、各画素で受光した光の受光中心波長を示す図。 第二実施形態における第一画素における目標波長に対する反射率の推算方法を説明するための図。 第三実施形態における第一画素における目標波長に対する反射率の推算方法を説明するための図。 波長可変干渉フィルターの分光透過特性の一例を模式的に示す図。 第五実施形態における分光画像の所定画素における反射率のスペクトル曲線を示す図。
[第一実施形態]
以下、本発明に係る第一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る分光カメラの概略構成を示す図である。
図1において、分光カメラ1は、本発明における測定装置及び電子機器であり、対象物Aの分光画像を取得する装置である。
この分光カメラ1は、図1に示すように、撮像モジュール10と、制御部20と、を備えて構成されている。撮像モジュール10は、対象物Aに対する撮像処理を実施する。制御部20は、撮像モジュール10を制御して分光画像を撮像させたり、撮像された分光画像を補正したりする。以下、各構成について詳細に説明する。
[撮像モジュール10の構成]
撮像モジュール10は、光源部11、入射光学系12、波長可変干渉フィルター5、イメージセンサー13(撮像素子)、光源制御回路14、フィルター制御回路15、及びイメージセンサー制御回路16を備え、対象物Aの分光画像を撮像(測定)する。
光源部11は、例えばLED等の光源を備え、対象物Aに対して照明光を照射する。なお、光源から出射された光を対象物Aに収束させる集光レンズや、照明光の光量分布を均一化するインテグレータ照明光学系等が設けられていてもよい。
入射光学系12は、例えば複数のレンズ群に構成されており、対象物Aにて反射された反射光を波長可変干渉フィルター5及びイメージセンサー13に導く。入射光学系12としては、波長可変干渉フィルター5に対して主光線が直交するように反射光を導き、かつ、対象物Aの像をイメージセンサー13で結像させるテレセントリック光学系等を備えることが好ましい。
波長可変干渉フィルター5は、本発明の分光素子であり、対象物Aからの入射光が入射され、入射光のうちの所定の分光波長の光を透過させる。なお、波長可変干渉フィルター5の具体的な構成については後述する。
イメージセンサー13は、本発明の受光素子であり、例えば、CCD(Charge Coupled Device)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等を用いることができる。このイメージセンサー13は、例えばn個×m個のマトリックス状に配置された複数の画素を有する。各画素は、受光した光の強度を検出し、当該強度に応じた検出信号をイメージセンサー制御回路16に出力する。
光源制御回路14は、光源部11を駆動させるためのドライバ回路であり、制御部20の制御の下、光源部11を駆動させて対象物Aに照明光を照射させる。
フィルター制御回路15は、波長可変干渉フィルター5を制御するドライバ回路であり、例えば、波長可変干渉フィルター5における固定反射膜54(図2,3参照)及び可動反射膜55(図2,3参照)の間の寸法を変更させたり、固定反射膜54及び可動反射膜55の間の静電容量を計測することで前記寸法を測定したり、計測した寸法に応じたフィードバック制御を行ったりする。
イメージセンサー制御回路16は、イメージセンサー13を駆動させるドライバ回路であり、イメージセンサー13の各画素から出力された検出信号に基づいて分光画像(分光画像データ)を生成して制御部20に出力する。すなわち、イメージセンサー13の各画素は、受光した光の強度に応じた検出信号をアナログ信号として出力し、イメージセンサー制御回路16は、この検出信号を例えば256階調のデジタル信号(階調値)に変換して、分光画像データを生成する。なお、以降の説明において、分光画像データを単に分光画像と称する。また、イメージセンサー13の画素と、分光画像の画素とを区別するため、分光画像の画素を画像画素と称する。
[波長可変干渉フィルター5の概略構成]
次に、本発明の分光素子を構成する波長可変干渉フィルター5について、図面に基づいて説明する。
図2は、波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図である。
波長可変干渉フィルター5は、波長可変型のファブリーペローエタロン素子であり、図2に示すように、透光性の固定基板51及び可動基板52を備え、これらの固定基板51及び可動基板52が、接合膜53により接合されることで、一体的に構成されている。
固定基板51は、エッチングにより形成された第一溝部511、及び第一溝部511より溝深さが浅い第二溝部512を備えている。そして、第一溝部511には、固定電極561が設けられ、第二溝部512には、固定反射膜54が設けられている。
固定電極561は、可動電極562とともに、静電アクチュエーター56を構成し、例えば第二溝部512を囲う環状に形成されており、可動基板52に設けられた可動電極562に対向する。
固定反射膜54は、例えばAg等の金属膜、Ag合金等の合金膜、高屈折層及び低屈折層を積層した誘電体多層膜、又は、金属膜(合金膜)と誘電体多層膜を積層した積層体により構成されている。
可動基板52は、可動部521と、可動部521の外に設けられ、可動部521を保持する保持部522とを備えている。
可動部521は、保持部522よりも厚み寸法が大きく形成されている。この可動部521は、固定電極561の外周縁の径寸法よりも大きい径寸法に形成されており、可動部521の固定基板51に対向する面に、可動電極562及び可動反射膜55が設けられている。
可動電極562は、固定電極561に対向する位置に設けられ、固定電極561とともに、本発明のギャップ変更部である静電アクチュエーター56を構成する。
可動反射膜55は、固定反射膜54に対向する位置に、ギャップGを介して配置されている。この可動反射膜55としては、上述した固定反射膜54と同一の構成の反射膜を用いることができる。
保持部522は、可動部521の周囲を囲うダイアフラムであり、可動部521よりも厚み寸法が小さく形成されている。このような保持部522は、可動部521よりも撓みやすく、僅かな静電引力により、可動部521を固定基板51側に変位させることが可能となる。これにより、固定反射膜54及び可動反射膜55の平行度を維持した状態で、ギャップGの寸法を変更することが可能となる。
なお、本実施形態では、ダイアフラム状の保持部522を例示するが、これに限定されず、例えば、平面中心点を中心として、等角度間隔で配置された梁状の保持部が設けられる構成などとしてもよい。
また、波長可変干渉フィルター5の一部には、固定電極561や可動電極562と個別に接続された電極パッド(図示略)が設けられている。これらの電極パッドは、フィルター制御回路15に接続されている。
なお、固定反射膜54や可動反射膜55に対して電極引出線を接続し、可動基板52の外周部からフィルター制御回路15に接続してもよい。この場合、フィルター制御回路15に、固定反射膜54や可動反射膜55の間の静電容量を検出する容量検出回路を設け、検出された静電容量に応じて、静電アクチュエーター(固定電極561及び可動電極562)に印加する電圧をフィードバック制御することが可能となる。
[制御部20の構成]
制御部20は、図1に示すように、記憶部21と演算処理部22とにより構成されている。
記憶部21は、例えばメモリー等により構成されており、分光カメラ1の動作を制御する各種プログラムや各種データが記憶されている。
この記憶部21は、図1に示すように、サンプルデータ記憶領域211、波長ムラデータ記憶領域212、分光画像記憶領域213、及び駆動テーブル記憶領域214等を備えている。
サンプルデータ記憶領域211は、詳細は後述するが、対象物Aとして基準対象物がセットされ、撮像モジュール10による測定(撮像)が実施された際の各撮像画像に基づいて算出される反射率のサンプルデータを記憶する。
波長ムラデータ記憶領域212は、イメージセンサー13における各画素で受光される光の波長ずれ量を記憶する。この波長ずれ量は、イメージセンサー13における所定の基準画素で受光される光の中心波長(基準波長)と、各画素で受光される光の中心波長(対象波長)との差であり、画素毎に算出される。波長ずれ量についての詳細な説明は後述する。
分光画像記憶領域213は、分光画像を記憶する。
駆動テーブル記憶領域214は、撮像モジュール10を用いた対象物Aの測定(分光画像の撮像)の際に、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧に関するデータを記憶する。具体的には、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧と、イメージセンサー13の基準画素で受光される基準波長との関係を示すV−λデータが記憶される。
演算処理部22は、CPU(Central Processing Unit)等の演算回路や、メモリー等の記憶回路により構成されている。そして、演算処理部22は、記憶部21に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで実行することで、図1に示すように、画像取得手段221、反射率算出手段222、波長ムラ算出手段223、及び波長ムラ補正手段224等として機能する。
画像取得手段221は、撮像モジュール10を制御して対象物Aの分光画像を撮像させる。具体的には、光源制御回路14を制御して対象物Aに対して光源部11から照明光を照射させる。また、画像取得手段221は、駆動テーブル記憶領域214に記憶されたV−λデータから、イメージセンサー13の基準画素で目標波長の光を受光させるための駆動電圧を読み出し、フィルター制御回路15を制御して、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加させる。
さらに、画像取得手段221は、イメージセンサー制御回路16を制御して、イメージセンサー13を駆動させ、各画素からの検出信号を検出させて分光画像を取得する。
反射率算出手段222は、撮像モジュール10により測定(撮像)された分光画像の各画像画素の階調値に基づいて、分光画像の各画像画素(イメージセンサー13の各画素)に対応した対象物Aの測定位置における反射率を算出する。すなわち、対象物Aにおける各点の像は、入射光学系12によりイメージセンサー13の所定位置に結像される。反射率算出手段222は、各画像画素の階調値に基づいて、対象物Aの各点の反射率を算出する。
波長ムラ算出手段223は、本発明のずれ量算出手段として機能し、反射率算出手段222により算出された各画素に対する反射率に基づいて、イメージセンサー13にて受光された面内波長ムラを算出する。すなわち、イメージセンサー13の各画素について、基準画素との波長ずれ量を算出する。
波長ムラ補正手段224は、本発明の推算手段及び補正手段として機能する。この波長ムラ補正手段224は、波長ずれ量と、対象物Aに対する撮像画像の各画像画素における階調値(イメージセンサー13の各画素に入射した光の強度)とに基づいて、イメージセンサー13の各画素にて受光された光に含まれる目標波長の光の強度を推算する。そして、推算された光の強度に基づいて、分光画像の各画像画素の階調値を補正し、補正された分光画像を出力する。つまり、波長ムラが補正された分光画像が出力されることになる。
なお、演算処理部22の各機能のより詳細な動作説明については、後述する。
[分光カメラの動作]
次に、上述したような分光カメラ1を用いた対象物Aの測定方法について説明する。
ここで、まず、撮像モジュール10により対象物Aを測定する際の波長ムラについて説明する。
図3は、イメージセンサー13の画素に入射する光の光路の概略を示す図である。
図4は、図3における画素P,P,Pに入射した光の受光中心波長を示す図である。
波長可変干渉フィルター5では、製造上の誤差等により、固定反射膜54に対して可動反射膜55が相対的に傾斜し(又は歪みや撓みが生じ)、固定反射膜54及び可動反射膜55が完全に平行とならない場合がある。
固定反射膜54と可動反射膜55とが平行とならない場合、図3に示すように、波長可変干渉フィルター5に入射する光の位置によって、固定反射膜54と可動反射膜55との間の距離が異なり、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長もシフトする(面内の波長ムラが生じる)。このため、図4に示すように、イメージセンサー13の画素(画素P,P,P)において、それぞれ異なる受光中心波長の光が受光されることになる。よって、イメージセンサー13から出力された各画素の検出信号を、そのまま各画素の階調値に変換して分光画像とした場合、上記のような波長ムラを含む画像となり、所望の目標波長に対する精度の高い分光画像とならない。目標波長に対する精度の高い分光画像を取得する場合、各画素において受光される目標波長の光の強度を取得することが必要となる。
そこで、本実施形態では、イメージセンサー13における基準画素を設定し、当該基準画素で受光される光の受光中心波長(基準波長)と、その他の画素で受光される光の受光中心波長(対象波長)との波長ずれ量を予め算出しておく。
なお、本実施形態では、イメージセンサー13の中心位置に位置する画素(例えば図3における画素P)を基準画素とする。
そして、実際の分光画像の測定では、対象物Aとして実際の測定対象を用いた測定処理を実施し、各画素で受光した光に基づく光関連値を算出する。また、先に算出された波長ずれ量に基づいて、測定時に各画素に入射する光の受光中心波長(対象波長)を算出する。この後、各画素で目標波長(本発明の第一波長に相当)の光を受光した際の光関連値を推算して、分光画像を補正する。なお、本実施形態では、光関連値として、各画素に対応した反射率(各画素に結像される対象物Aの測定位置における反射率)を算出する。
以下、詳細に本実施形態の分光カメラ1を用いた測定方法(分光画像の取得方法)を説明する。
図5は、本実施形態の分光カメラ1を用いた分光画像の測定方法を示すフローチャートである。
図5に示すように、分光カメラ1により分光画像を撮像するには、まず、色基準生成処理を実施する(ステップS1)。
(色基準生成処理)
図6は、ステップS1の色基準生成処理を示すフローチャートである。
このステップS1では、図6に示すように、まず、対象物Aとして、白色基準校正物をセットする(ステップS11)。この白色基準校正物は、反射率が既知となる白色により構成された基準白色面を有する。本実施形態では、測定対象波長域が可視光域(400nm〜700nm)であり、白色基準校正物の基準白色面は、可視光域の各波長に対する反射率が例えば99.9%以上となる面となる。
ステップS11では、イメージセンサー13による撮像範囲がこの基準白色面内に含まれるように、白色基準校正物がセットされる。
次に、制御部20の画像取得手段221は、撮像モジュール10を制御して、白色基準校正物に対する分光画像取得処理を実施する(ステップS12)。
図7は、分光画像取得処理を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、ステップS12、及び後述するステップS15、ステップS4、ステップS22における分光画像取得処理においても、図7に示す処理を実施する。
分光画像取得ステップでは、図7に示すように、画像取得手段221は、先ず、光源制御回路14に光源部11を駆動させる旨の制御信号を出力する。これにより、光源制御回路14は、光源部11を駆動させて、対象物Aに対して照明光を照射させる(ステップS31)。
この後、画像取得手段221は、記憶部21の駆動テーブル記憶領域214からV−λデータを読み出し、波長可変干渉フィルター5から透過させる波長(分光波長)に応じた駆動電圧を取得する。そして、画像取得手段221は、当該駆動電圧に対応する制御信号をフィルター制御回路15に出力する。これにより、フィルター制御回路15は、制御信号に基づいた駆動電圧を波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に印加し、波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長を切り替える(ステップS32)。
ステップS32により、対象物Aにて反射され、波長可変干渉フィルター5に入射した光のうち、駆動電圧(反射膜54,55の間の距離)に応じた波長の光が波長可変干渉フィルター5を透過し、イメージセンサー13に入射される。そして、イメージセンサー13の各画素から受光した光の強度に応じた検出信号がイメージセンサー制御回路16に出力される。イメージセンサー制御回路16は、各画素からの検出信号を、例えば256階調の階調値に変換して分光画像を生成し、制御部20に出力する。すなわち、制御部20は、撮像モジュール10から分光画像を取り込む(ステップS33)。
次に、画像取得手段221は、全波長に対する測定が完了したか否かを判定する(ステップS34)。
本実施形態では、可視光域(例えば400nmから700nm)までの測定対象波長域を20nm間隔で測定する。つまり、400nmから700nmまでの20nm間隔の分光画像(16波長分)をそれぞれ取得する。ステップS34では、上記16波長分の分光画像が取得されたか否かを判定する。
なお、V−λデータには上述したように、イメージセンサー13における基準画素Pにて受光される基準波長に対する駆動電圧がV−λデータに記憶される。したがって、上記16波長分の分光画像とは、基準画素における基準波長が、400nmから700nmまでの20nm間隔となる分光画像を意味する。
また、本実施形態では、波長可変干渉フィルター5を透過させる400nmから700nmまでの20nm間隔の各波長の光を、同じ次数(例えば1次)で透過させるものとする。
ステップS34において、Noと判定された場合は、ステップS32に戻り、波長可変干渉フィルター5を透過させる光の波長を、未測定の波長(未取得の分光画像に対応する波長)に切り替える。
一方、ステップS34において、Yesと判定された場合は、ステップS2の分光画像取得処理を終了する。
図6に戻り、ステップS12の分光画像取得処理の後、白色基準校正物に対して取得された各分光画像は、基準白色データとして記憶部21(例えば分光画像記憶領域213)に記憶される(ステップS13)。
なお、ダーク値の測定を行ってもよい。
ダーク値の測定を行う場合、入射光学系12からイメージセンサー13に光が入射しないよう、例えば、入射光学系12にレンズキャップ等の遮光板をセットする(ステップS14)。
この後、図7に示すような分光画像取得処理を実施する(ステップS15)。そして、取得した分光画像は、ダークデータとして、記憶部21(例えば分光画像記憶領域213)に記憶する(ステップS16)。
(波長ムラデータ生成処理)
以上のようなステップS1の色基準生成処理の後、波長ムラデータ生成処理を実施する(ステップS2)。
図8は、波長ムラデータ生成処理を示すフローチャートである。
波長ムラデータ生成処理では、先ず、対象物Aとして、基準対象物をセットする(ステップS21)。この基準対象物は、分光カメラ1により撮像される面(基準面)の反射率が既知であり、本発明における基準対象に相当する。より好ましくは、基準対象物として、前記基準面における反射率が一様(反射率にムラがない)となる対象物を用いる。また、波長ムラデータ生成処理では、基準対象物として、基準面の色が異なる複数種の基準対象物を用意しておく。
次に、制御部20の画像取得手段221は、撮像モジュール10を制御して、対象物A (基準対象物)に対する分光画像取得処理を実施する(ステップS22)。この分光画像取得処理は、図7に示す分光画像取得処理と同様である。
そして、ステップS22により、基準対象物に対する各波長の分光画像が取得されると、反射率算出手段222は、各分光画像の各画像画素の階調値に基づき、反射率を算出する(ステップS23)。
このステップS23は、ステップS22により取得された各分光画像の各画像画素の階調値と、ステップS1により取得された色基準生成処理により生成され、記憶部21に記憶されている各白色基準データ、及び各ダークデータを用いる。
具体的には、反射率算出手段222は、基準画素にて受光された光の基準波長をλnとして、基準波長λnに対する、分光画像、白色基準データ、及びダークデータを読み出す。
ここで、反射率算出手段222は、分光画像の画像画素(x,y)に対する階調値をD、白色基準データの画像画素(x,y)に対する階調値をDref、ダークデータの画像画素(x,y)に対する階調値をDdarkとして、下記式(1)に基づいて、反射率R(x,y)を算出する。算出された反射率Rは、記憶部21のサンプルデータ記憶領域211に記憶される。
Figure 0006641883
次に、制御部20は、全ての基準対象物に対する反射率Rの算出が終了したか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、本実施形態では、基準面の色が異なる複数種の基準対象物を用いる。ステップS24では、これらの複数の基準対象物に対して、ステップS22及びステップS23の処理が終了したか否かを判定する。
ステップS24において、Noと判定された場合は、ステップS21に戻り、基準対象物を変更して、ステップS22からステップS24の処理を繰り返す。
一方、ステップS24においてYesと判定された場合、波長ムラ算出手段223は、波長ずれ量Δλを算出して波長ムラデータとして、記憶部21の波長ムラデータ記憶領域212に記憶する(ステップS25)。
ここで、ステップS25における処理をより詳細に説明する。
図9は、基準画素で受光される光の受光中心波長(基準波長)と、基準画素とは異なる他の画素の1つで受光される光の受光中心波長(対象波長)との関係を示す図である。
図9において、実線は、各サンプルデータから算出された基準画像画素(x,y)の各波長に対する反射率R(x,y,λ)を示す曲線であり、破線は、各サンプルデータから算出された他の1画像画素(x,y)の各波長に対する反射率R(x,y,λ+Δλ)を示す曲線である。
図9に示すように、波長可変干渉フィルター5に波長ムラが存在する場合、基準画素におけるスペクトル曲線と、その他の画素におけるスペクトル曲線とは、同一の基準対象物を測定した場合でも違いが生じる。これは、図3及び図4に示したように、波長可変干渉フィルターの透過波長λが位置によって異なるためである。
ところで、本実施形態では、図7に示す分光画像取得処理において、イメージセンサー13の基準画素Pにて基準波長の光が受光されるように、波長可変干渉フィルター5を制御して分光画像を取得する。よって、イメージセンサー13の基準画素Pに対応した基準画像画素(x,y)では、基準波長λに対する反射率R(x,y,λ)の光が受光される。一方、固定反射膜54に対する可動反射膜55の相対的な傾斜や撓み等が存在する場合、基準画像画素(x,y)以外の画素では、所定の波長ずれ量Δλだけ、基準波長λからずれた波長の光が受光される。よって、基準画像画素(x,y)以外の画像画素(x,y)では、波長λ+Δλに対する反射率R(x,y,λ+Δλ)が算出されることになる。
ここで、波長ムラデータ生成処理では、一様な反射率の基準対象面を有する基準対象物に対する分光画像を取得する。このため、基準画素に入射される光の基準波長と、基準画素とは異なる位置の第一画素に入射される光の波長との差(波長ずれ量Δλ)は、基準対象物の基準対象面の色(反射率)によらず一定の値となる。
したがって、波長ムラ算出手段223は、複数の色の基準対象物に対するサンプルデータ(ステップS23により算出される反射率)から、統計的に波長ずれ量Δλを算出することが可能となる。具体的には、波長ムラ算出手段223は、下記式(2)に基づいて波長ずれ量Δλを算出する。なお、式(2)において、変数iは、測定した基準対象物を示す値である。
Figure 0006641883
波長ムラ算出手段223は、式(2)を用いて最小二乗法により波長ずれ量Δλを算出する。すなわち、複数の基準対象物に対する測定結果(ステップS23にて算出される反射率R)を上記式(2)に代入し、F値(F(x,y,λ,Δλ))が最小となるΔλを算出する。
そして、波長ムラ算出手段223は、各画素(各画像画素(x,y))に対して、それぞれ波長ずれ量Δλを算出し、波長ムラデータとして、記憶部21の波長ムラデータ記憶領域212に記憶する。
(本測定処理)
図5に戻り、次に、分光画像を取得したい実際の測定対象(撮像対象)に対する本測定処理を実施する。
本測定処理では、図5に示すように、対象物Aとして、測定対象をセットする(ステップS3)。
そして、画像取得手段221は、図7と同様の分光測定処理を実施し、測定対象に対する分光画像を取得する(ステップS4)。
また、反射率算出手段222は、ステップS23と同様の処理により、ステップS4で取得した各分光画像の各画像画素に対応する反射率Rをそれぞれ算出する(ステップS5)。
この後、波長ムラ補正手段224は、波長ムラ補正処理を実施する(ステップS6)。
ステップS6の波長ムラ補正処理では、波長ムラ補正手段224は、ステップS5により算出された反射率と、イメージセンサー13の各画素にて受光される光の受光中心波長とに基づいて、目標波長に対する反射率を推算し、分光画像の補正ムラを補正する。
なお、本実施形態では、波長ムラ補正手段224は、イメージセンサー13の各画素に対して像を結像する測定対象の各位置における反射率を本発明における光関連値として推算する。これは、反射率が、測定対象に対する光の強度(階調値)を基準白色データのリファレンス値やダークデータのダーク値を用いて補正した値であり、光源部11からの照明光の照明ムラや入射光学系12等のレンズによるシェーディングの影響を抑制することが可能なためである。なお、光関連値として、各画像画素(x,y)の階調値(イメージセンサー13の各画素で受光される光の強度)を用いてもよく、また、対象物Aにより吸収される光を示す吸光度等を用いてもよい。
以下、波長ムラ補正処理について、更に詳細に説明する。
図10は、波長ムラ補正処理のフローチャートである。図11は、本実施形態における画像画素(x,y)における目標波長に対する反射率の算出方法を説明するための図である。
ここで、一例として、図11に示すように、測定対象に対して、基準画素で受光される光が基本波長λ,λ,λ,λとなる4つの分光画像が取得された場合に、イメージセンサー13の所定の画素(第一画素)において目標波長λ,λ,λ,λの光を受光した際の反射率を推算する場合を説明する。
この場合、先ず、波長ムラ補正手段224は、4つの分光画像において、第一画素に対応した第一画像画素(x,y)の波長ずれ量Δλを波長ムラデータ記憶領域212から読み出す(ステップS31)。
次に、波長ムラ補正手段224は、第一画素において受光された光の受光中心波長(対象波長)λ1A,λ2A,λ3A,λ4Aを、それぞれ、λ1A=λ+Δλ,λ2A=λ+Δλ,λ3A=λ+Δλ,λ4A=λ+Δλとして算出する(ステップS32)。
そして、波長ムラ補正手段224は、第一画素に対応する測定位置の目標波長λ,λ,λ,λに対する反射率R,R,R,Rを、補間処理により推算する(ステップS33)。
本実施形態では、図11に示すように、補間処理として線形補間を用いて反射率を推算する。
図11において、ステップS5で算出される反射率R1A,R2A,R3A,R4Aは、対象波長λ1A,λ2A,λ3A,λ4Aに対する反射率となる。したがって、波長ムラ補正手段224は、目標波長λ,λ,λに対する反射率Rを、以下の式(3)〜(5)に示すように内挿補間により推算する。
Figure 0006641883
なお、目標波長λに対する反射率Rのように、内挿補間により補間処理できない場合では、式(6)に示すように、外挿法により補間処理してもよい。
Figure 0006641883
波長ムラ補正手段224は、以上の処理を、分光画像の各画像画素(イメージセンサーの各画素)に対して実施し、各画像画素(x,y)に対応した反射率R,R,R,Rを推算する。
そして、波長ムラ補正手段224は、ステップS5において算出された反射率R1A,R2A,R3A,R4Aを、ステップS33にて推算された反射率R,R,R,Rに置き換えて各分光画像の波長ムラを補正する(ステップS34)。また、波長ムラ補正手段224は、補正された分光画像を出力手段(例えばディスプレイや印刷装置等)から出力する。
この後、図5に戻り、測定対象の測定を継続するか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7において、Yesと判定され、他に測定対象がある場合は、ステップS3に戻る。また、ステップS7においてNoと判定された場合は測定処理を終了させる。
[波長ムラ補正に係る測定時間、及び測定精度]
次に、本発明の波長ムラ補正処理を用いて各画素における目標波長の反射率を推算した場合の測定時間、及び測定精度について、比較例1,2と比較して説明する。
図12は、図3に示すイメージセンサー13の画素P,P,Pで受光された光の検出信号を、1回の測定により取得し、そのまま目標波長に対する検出信号として採用する比較例1における、各画素P,P,Pで受光された光の受光中心波長を示す図である。
図12に示すように、比較例1では、目標波長λの分光画像を取得する際に、基準画素Pに対して目標波長λ(=基準波長λ)の光が入射されるように、波長可変干渉フィルター5を制御する。この場合、基準画素Pでは、波長λの光が検出されるが、画素Pにおいて波長λ1(≠λ)の光が検出され、画素Pでは、波長λ1(≠λ)の光が検出される。
目標波長λの分光画像を取得する際も同様であり、基準画素Pに対して目標波長λの光が入射されるように、波長可変干渉フィルター5を制御する。したがって、基準画素Pでは目標波長λの光が検出されるが、画素P,Pでは目標波長λとは異なる受光中心波長(対象波長)λ2A,λ2Bの光が検出されることになる。
したがって、イメージセンサー13から出力される分光画像として、波長ムラによる誤差が重畳した画像となり、高精度な分光画像を取得できない(測定精度が悪い)。
図13は、図3に示すイメージセンサー13の画素P,P,Pで受光された光の検出信号を、複数回の測定処理により取得した比較例2における、各画素P,P,Pで受光した光の受光中心波長を示す図である。
この比較例2では、目標波長λ1の分光画像を取得する際に、基準画素Pにおいて、目標波長λの光が入射するように、波長可変干渉フィルター5を制御する。この際、各画素P,P,Pでは、図13の線L11上に示す受光中心波長の光が検出される。そして、目標波長λの光を受光した基準画素Pから検出信号のみを採用し、その他の画素からの検出信号は不採用とする。
次に、画素Pにおいて、目標波長λの光が入射するように、波長可変干渉フィルター5を制御する。これにより、各画素P,P,Pでは、図13の線L12上に示す受光中心波長の光が検出される。そして、目標波長λの光を受光した画素Pから検出信号のみを採用し、その他の画素からの検出信号は不採用とする。
さらに、画素Pにおいて、目標波長λの光が入射するように、波長可変干渉フィルター5を制御する。これにより、各画素P,P,Pでは、図13の線L13上に示す受光中心波長の光が検出される。そして、目標波長λの光を受光した画素Pから検出信号のみを採用し、その他の画素からの検出信号は不採用とする。
また、目標波長λの分光画像を取得する場合も同様に、上記のような複数の測定(図13の線L21,L22,L23に沿った測定)を実施して、目標波長λの光を受光した画素の検出信号のみを採用する。
このような比較例2では、各画素に対して目標波長の光に対する検出信号を採用するので、精度の高い分光画像を取得できる。しかしながら、1波長の分光画像を取得するために、各画素に対して目標波長の光が入射するように波長可変干渉フィルター5を制御しなおして、複数回の測定を実施する必要があるので、測定時間(分光時間の取得に係る時間)が長くなる。
図14は、図3に示すイメージセンサー13の画素P,P,Pで受光された光の検出信号を、上述した本実施形態の測定方法を用いて補正する場合の、各画素P,P,Pで受光した光の受光中心波長を示す図である。
本実施形態では、図12と同様、目標波長λに対する分光測定を実施する際に、基準画素Pにおいて目標波長λの光が受光されるように波長可変干渉フィルター5を制御する。この際、基準画素Pでは、波長λの光が検出されるが、比較例1と同様、画素Pでは、波長λ1の光が検出され、画素Pでは、波長λ1Bの光が検出される。
ここで、本実施形態では、画素P,Pで目標波長λの光を受光した際の反射率が推算される。反射率は、各画素P,P,Pで検出された光の強度をリファレンスデータ及びダークデータにより補正したものであり、言い換えれば、図14における三角点により示されるように、画素P,Pで目標波長λの光を検出した際の分光画像が出力されることになる。
したがって、本実施形態では、比較例1よりも精度の高い分光画像を、比較例2よりも迅速に撮像(測定)することが可能となる。
[第一実施形態の作用効果]
本実施形態では、分光カメラ1では、測定対象からの光を波長可変干渉フィルター5に入射させ、波長可変干渉フィルター5を透過した光を、イメージセンサー13にて受光させる測定処理(分光画像の撮像)を、波長可変干渉フィルター5を透過させる透過光の波長を変更して複数回実施する。そして、波長ムラ補正処理は、イメージセンサー13の各画素が受光する受光中心波長と、イメージセンサー13の各画素に対応する各画像画素の階調値に基づいて算出された反射率とに基づいて、イメージセンサー13の各画素が目標波長の光を受光した際の反射率を推算する。
このため、1つの目標波長の分光画像を取得する際に、各画素に対して目標波長の光を受光させるように波長可変干渉フィルターを制御する必要がなく、波長可変干渉フィルター5の制御を簡単にでき、かつ、測定に係る時間を短縮することができる。また、各画素に対して目標波長の光を受光した際の反射率を推算するため、分光画像における波長ムラが抑制され、精度の高い分光画像を取得できる。
本実施形態では、波長ムラ補正手段224は、第一画像画素(x,y)の目標波長に対する反射率の算出時に、目標波長を挟む2つの波長の反射率を用い、内挿補間により反射率を推算する。つまり、目標波長の推算において、目標波長より大きい波長及びその波長に対して算出された反射率と、目標波長より小さい波長及びその波長に対して算出された反射率を用い、内挿処理によって目標波長λ1に対する反射率を推算する。このような内挿補間を用いることで、反射率推算時の誤差を低減でき、精度の高い反射率を推算することができる。
本実施形態では、線形補間を用いて、目標波長に対する反射率を推算する。このような線形補間を用いた反射率の推算では、式(3)〜(6)に示すように、簡単な演算式により反射率を推算することが可能となり、演算処理における処理負荷の軽減、処理時間の短縮を図ることができる。
本実施形態では、波長ムラ算出手段223は、複数の基準対象物に対する分光画像取得処理により得られた複数のサンプルデータに基づいて、基準画素において受光される光の基準波長と、各画素において受光される光の中心波長との差である波長ずれ量Δλを算出する。
このため、基準画素にて目標波長の光が受光されるように波長可変干渉フィルター5を制御すれば、各画素にて受光される光の受光中心波長(対象波長)は、基準波長に対して波長ずれ量Δλを加算した波長となるため、対象波長を容易、かつ高精度に算出することができる。
したがって、波長ムラ補正手段224は、算出された各画素で受光される光の対象波長と、各画素に対応する測定位置の反射率とに基づいて、目標波長の光に対する反射率を容易かつ高精度に算出することができる。
本実施形態では、波長ムラデータ生成処理において用いられる複数の基準対象物は、反射率が既知であり、基準面において一様な反射率となる。
この場合、基準対象物に対する複数の波長に対する分光画像を取得し、各画素のスペクトル曲線を算出する。この際、基準画素と各画素とにおいて、受光した光に波長ずれがある場合、図9に示すように、波長ずれ量Δλだけ、反射率のスペクトル曲線がシフトする。したがって、波長ムラ算出手段223は、統計的手法等を用いることで、波長ずれ量Δλを容易に算出することができる。
本実施形態では、波長ムラ算出手段223は、反射率がそれぞれ異なる複数の基準対象に基づいてサンプルデータを取得し、これらのサンプルデータに基づいて、波長ずれ量Δλを算出する。この場合、複数のサンプルデータに基づいて、統計的手法により波長ずれ量Δλを算出することができる。よって、例えば1種類の基準対象の撮像結果に基づいて波長ずれ量を算出する場合に比べて、波長ずれ量Δλを精度よく算出できる。
本実施形態では、波長ムラ算出手段223は、式(2)に示すように最小二乗法を用いて、波長ずれ量Δλを算出する。このため、簡単な演算式により高精度な波長ずれ量を算出することができる。
本実施形態では、本発明の分光素子として、波長可変型のファブリーペロー型エタロン素子である波長可変干渉フィルター5を用いる。波長可変干渉フィルター5は、一対の反射膜54.55を対向配置させた簡素な構成であり、フィルターサイズを小さくでき、分光カメラ1の小型化をも促進できる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る第二実施形態について図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態では、ステップS33において、波長ムラ補正手段224は、線形補間を用いて、各画素において目標波長の光を受光した際の反射率を推算する例を示した。
これに対して、第二実施形態では、補間処理においてスプライン補間を用いる点で、上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり、上記第一実施形態と同様の構成、同様の処理については、同符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
図15は、第二実施形態における第一画素における目標波長に対する反射率の推算方法を説明するための図である。なお、図15において、破線は、線形補間を示しており、実線はスプライン補間を示している。また、白丸は、ステップS5により算出された反射率であり、イメージセンサーの第一画素にて受光した光の対象波長に対する反射率となる。黒丸は、本実施形態における波長ムラ補正処理より推算された目標波長に対する反射率である。また、黒三角は、第一実施形態と同様の線形補間を行った場合に推算される目標波長に対する反射率である。
第二実施形態では、波長ムラ補正手段224は、スプライン補間により、目標波長に対する反射率を推算する。
つまり、波長ムラ補正手段224は、図15に示すように、ステップS5により算出される第一画素の対象波長λ1A,λ2A,λ3A,λ4Aに対する反射率R1A,R2A,R3A,R4Aを測定点として、各測定点を通る多項近似式(スプライン曲線)を算出する。そして、算出した多項近似式に対して目標波長を代入し、目標波長に対する反射率を算出する。例えば、図15の例において、目標波長λに対して、反射率Rが算出される。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、スプライン補間を用いて、第一画素に対して目標波長の光を受光させた際の反射率を推算する。これにより、反射率の推定精度を高めることができる。
つまり、第一実施形態のような線形補間により反射率を推算する場合、各測定点を結ぶ直線上の点として目標波長に対する反射率が推算される。ここで、各測定点の間で非線形に反射率が変化する場合に誤差が大きくなる。特に測定点が少ない場合に、誤差がより大きくなる。これに対して、本実施形態のようなスプライン曲線に基づいた反射率の推算では、実際の分光スペクトルにより近い非線形形状で反射率の推算を行うため、より精度の高い分光画像を取得することができる。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る第三実施形態について図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態では、ステップS33において、波長ムラ補正手段224は線形補間を用いることで、また、第二実施形態では、ステップS33において、波長ムラ補正手段224はスプライン補間を用いることで、各画素において目標波長の光を受光した際の反射率を推算する例を示した。
これに対して、第三実施形態では、補間処理において区分的エルミート補間を用いる点で、上記第一及び第二実施形態と相違する。
図16は、第三実施形態における第一画素における目標波長に対する反射率の推算方法を説明するための図である。なお、図16において、破線は、スプライン補間を示しており、実線は区分的エルミート補間を示している。
また、図16において、白丸は、ステップS5により算出された反射率であり、イメージセンサーの第一画素にて受光した光の対象波長に対する反射率となる。黒丸は、本実施形態における波長ムラ補正処理より推算された目標波長に対する反射率である。また、黒三角は、第二実施形態と同様のスプライン補間を行った場合に推算される目標波長に対する反射率である。
第三実施形態では、波長ムラ補正手段224は、区分的エルミート補間により、目標波長に対する反射率を推算する。
つまり、波長ムラ補正手段224は、図16に示すように、ステップS5により算出される第一画素の対象波長λ1A,λ2A,λ3A,λ4Aに対する反射率R1A,R2A,R3A,R4Aを測定点として、各測定点を通る区分的エルミート内挿補間式を算出する。そして、算出した区分的エルミート内挿補間式を用いて、目標波長に対する反射率を推算する。例えば目標波長λに対して反射率Rを算出する。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、区分的エルミート補間を用いて、第一画素に対して目標波長の光を受光させた際の反射率を推算するため、反射率の推定精度を高めることができる。
つまり、第一実施形態のような線形補間により反射率を推算する場合、各測定点を結ぶ直線上の点として目標波長に対する反射率が推算される。ここで、各測定点の間で非線形に反射率が変化する場合に誤差が大きくなる。特に測定点が少ない場合に、誤差がより大きくなる。一方、スプライン補間を用いる場合は、上記のような誤差を低減できるが、測定点と測定点との間に意図しないピークが形成される場合がある。
これに対して、本実施形態のような区分的エルミート補間を用いて反射率を推算することで、測定点間に意図しないピークが形成されることがなく、反射率の推定精度を高めることができる。
[第四実施形態]
次に、本発明に係る第四実施形態について図面に基づいて説明する。
上述した第一実施形態では、分光画像取得処理において、400nmから700nmまでの測定対象波長域において20nm間隔となる目標波長の光を、波長可変干渉フィルターから1つの次数(1次ピーク波長)として透過させて分光画像を取得した。
これに対して、第四実施形態では、波長可変干渉フィルターから光を透過させる際の次数を、波長によって異ならせる点で上記第一実施形態と相違する。
図17は、波長可変干渉フィルター5の分光透過特性の一例を模式的に示す図である。
波長可変干渉フィルター5を透過する光の波長λ、次数m、ギャップGの距離d、及びギャップGにおける屈折率nは、下記式(7)の関係を満たす。したがって、波長可変干渉フィルター5に光を入射させると、図17に示すように、複数の次数mに対応した複数の波長λの光が透過される。なお、式(7)や図17は理論値であり、実際には、複数の条件により、ピーク波長は変動する。
Figure 0006641883
ここで、波長可変干渉フィルター5から測定対象波長域に含まれる各目標波長の光を1次ピーク波長のみで透過させる場合、短波長の光を波長可変干渉フィルター5から透過させる際に、ギャップGの距離dが小さくなる。静電アクチュエーター56はギャップGの距離dが小さくなると感度が高くなるので、短波長の光を透過させる際のギャップ制御が困難となる。
一方、波長可変干渉フィルター5により、高次ピーク波長として各目標波長の光を透過させることも考えられるが、ギャップGの距離dが大きくなりすぎると、ギャップGの距離dを制御する際の静電アクチュエーター56に印加する電圧を大きくする必要が生じる。
したがって、測定対象波長域を複数の部分波長域に分割し、各部分波長域に対して、それぞれ異なる次数にて光を透過させることが好ましい。
そこで、第二実施形態では、測定対象波長域(400nm〜700nm)における第一部分波長域(400nm〜550nm)に含まれる目標波長の分光画像を、2次ピーク波長で波長可変干渉フィルター5を透過した光により取得する。また、測定対象波長域における第二部分波長域(550nm〜700nm)に含まれる目標波長の分光画像を、1次ピーク波長で波長可変干渉フィルター5を透過した光により取得する。
図18は、第二実施形態における、分光画像の所定画素における反射率のスペクトル曲線を示す図である。図18に示すスペクトル曲線の一例は、400nm〜700nmの波長域に対する20nm間隔の目標波長に対する分光画像を取得し、各分光画像における所定の画像画素(x,y)の階調値に基づいて反射率を算出して、算出された反射率を多項式近似することで生成している。なお、図18において、黒四角形のマークは、分光画像における画像画素の階調値に基づいて、図5のステップS5により算出された反射率である。白四角形のマークは、図5のステップS6の波長ムラ補正処理により補正された目標波長に対する反射率である。
図18に示すように、第一部分波長域に属する目標波長の光を、2次ピーク波長として波長可変干渉フィルター5を透過させ、第二部分波長域に属する目標波長の光を、1次ピーク波長として波長可変干渉フィルター5を透過させると、第一部分波長域におけるスペクトル曲線と、第二部分波長域におけるスペクトル曲線が不連続となる。
これは、同じ目標波長を波長可変干渉フィルター5により透過させる場合でも、次数を異ならせることで、透過光量が変動するためである。例えば、500nmの光を1次ピーク波長として波長可変干渉フィルター5を透過させた場合と、500nmの光を2次ピーク波長として波長可変干渉フィルター5を透過させた場合とでは、その透過光量が異なる。
このため、波長ムラ補正処理におけるステップS33(図10)において、第一画素において目標波長の光を受光した際の反射率を推算する際に、目標波長の光を波長可変干渉フィルター5から透過させる際に用いる次数と同じ次数で取得された測定結果を用いる。
例えば、第一部分波長域に含まれる目標波長(図18の目標波長λ)に対する反射率を推算する場合、波長可変干渉フィルター5を2次ピーク波長として透過させた光、即ち、第一部分波長域に属する受光中心波長λ6A,λ7Aを用いる。
また、第二部分波長域に含まれる目標波長(図18の目標波長λ)に対する反射率を推算する場合、波長可変干渉フィルター5を1次ピーク波長として透過させた光、即ち、第二部分波長域に属する受光中心波長λ9A,λ10Aを用いる。
なお、その他の構成や、処理は、上記第一〜第三実施形態と同様である。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、第一画素の目標波長に対する反射率を算出する際に用いる受光中心波長の次数は、目標波長の光を波長可変干渉フィルター5から透過させる際の次数と同じ次数となる。この場合、異なる次数の受光中心波長に基づいて、目標波長の反射率を推算する場合に比べて、精度の高い(誤差の少ない)反射率を推算できる。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
[変形例1]
上述した第一実施形態では、波長ムラ算出手段223により、イメージセンサー13の基準画素に対応する反射率と、その他の画素に対応する反射率とに基づいて、波長ずれ量Δλを式(2)により算出する例を示したが、これに限定されない。
例えば、分光カメラ1の製造時(検査時)において、イメージセンサー13の基準画素とその他の画素との波長ずれ量Δλを予め測定しておき、記憶部21の波長ムラデータ記憶領域212に記憶しておいてもよい。
[変形例2]
また、上記第一実施形態では、図9に示すように、基準画素に対応する反射率曲線と、各画素(第一画素)に対応する反射率曲線とが、波長ずれ量Δλで一様にシフトする例を示した。これは、例えば波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56に駆動電圧を印加していない初期状態において、固定反射膜54に対して可動反射膜55が相対的に傾斜(撓み、歪み等を含む)しており、可動部521を固定基板51側に変位させた際に、前記傾斜が保持された状態で変位するためである。
ところで、波長可変干渉フィルター5の可動部521を固定基板51側に変位させた際に、変位量に応じて可動部521が湾曲する場合がある。この場合では、基準画素に入射させる基準波長毎に波長ずれ量Δλを算出すればよい。
例えば、複数のサンプルデータのうち、基準波長λに対応する分光画像に基づいて算出されたサンプルデータ(各画素の反射率を記録したデータ)を読み出す。そして、これらのサンプルデータに含まれる各画素に対し、式(2)を適用してF値が最小となる波長ずれ量を算出し、基準波長λに対する波長ずれ量Δλとする。その他の基準波長に対しても同様の処理を行い、各基準波長に対して、それぞれ各画素の波長ずれ量を算出する。
このように、基準波長のそれぞれに対して、各画素での波長ずれ量を算出することで、ギャップGの距離に応じて、固定反射膜54に対する可動反射膜55の傾斜状態が変化する場合でも、各画素での目標波長に対応した反射率を高精度に推算することができ、精度の高い分光画像を取得できる。
[変形例3]
第一実施形態では、波長ムラ算出手段223は、式(2)に示すように、最小二乗法を用いて波長ずれ量Δλを算出したが、これに限定されない。例えば、波長ムラ算出手段223は、式(8)に示すような関数を用いてもよい。この場合でも、式(8)におけるF値が最小となるように、波長ずれ量Δλを算出すればよい。
Figure 0006641883
[変形例4]
上記第一実施形態では、波長ムラ算出手段223は、基準画素をイメージセンサー13における中心画素として、各画素の波長ずれ量を算出したが、これに限定されない。例えば、基準画素をイメージセンサー13の端部に位置する画素を設定してもよい。
また、上記第一実施形態では、V−λデータにおいて、基準画素に入射される光の波長を基準波長と、波長可変干渉フィルター5の静電アクチュエーター56への印加電圧との関係を記録したが、波長ムラ算出手段223が波長ずれ量の算出に用いる基準画素と、V−λデータにおける基準画素とが異なってもよい。つまり、分光画像取得処理(ステップS4、S12,S15,S22)では、イメージセンサー13の中心画素に基準波長(目標波長)の光が受光されるように、波長可変干渉フィルター5を制御し、波長ムラ算出手段223により波長ずれ量Δλを算出する際には、イメージセンサー13の端部に位置する画素を基準画素として、波長ずれ量Δλを算出してもよい。この場合、波長ムラ補正手段224は、基準画素としたイメージセンサー13の端部に位置する画素にて受光された波長に対し、各画素に対応した波長ずれ量を加算することで、各画素にて受光される光の受光中心波長を算出することができる。
[変形例5]
第一実施形態では、波長ムラデータ生成処理において、基準面の反射率が既知であり、かつ、基準面における反射率が一様となる基準対象物に対する分光測定処理を実施することで、複数のサンプルデータを取得したが、これに限定されない。
例えば、基準面における反射率は既知であるが、一様な反射率を有さない基準対象物を用いてもよい。
この場合では、イメージセンサー13の各画素に結像される基準対象物の位置の反射率が分かるため、各画素から検出される検出信号に基づく分光スペクトルと、基準対象物の対応する位置における反射率曲線とを比較することで、各画素において受光される光の波長ずれ量を算出してもよい。
また、基準面において一様な反射率を有するが、当該反射率が不明な基準対象物を用いてもよい。この場合、波長ムラ算出手段223は、式(2)におけるR(x,y,λ)として、既知の反射率を用いず、基準画素(x,y)の反射率R(x,y,λ)を用いればよい。
さらに、基準面に対する反射率がそれぞれ異なる複数種の基準対象物に基づいてサンプルデータを取得したが、同一反射率を有する基準対象物を複数回測定したサンプルデータを取得してもよい。
[変形例6]
上記第一から第四実施形態において、補間処理により、各画素において目標波長を受光した際に反射率を推算して、分光画像を補正する波長ムラ補正手段224を備える構成としたが、これに限定されない。
例えば、波長ムラ算出手段223により算出された、イメージセンサー13の各画素において受光される光の波長ずれ量Δλに基づいて、各画素に目標波長を入射させるために必要な静電アクチュエーター56への印加電圧(画素対応電圧)を、画素毎に算出する駆動電圧算出手段を備える構成としてもよい。
この場合、画像取得手段221は、静電アクチュエーター56に印加する駆動電圧を、駆動電圧算出手段により算出された各画素対応電圧に順次切り替え、その際に対応する画素から出力される検出信号を取得する。これにより、各画素から目標波長の光を受光した際の検出信号を検出でき、これらを合成することで目標波長に対する分光画像を取得することが可能となる。
[変形例7]
上記各実施形態及び各変形例において、本発明の光関連値として反射率を例示したが、これに限定されない。
すなわち、上記実施形態では、分光画像の階調値を、基準白色データやダークデータに用いて補正することで、光源部11からの照明光の照明ムラや入射光学系12等のレンズによるシェーディングの影響を抑制するために、各分光画像における各画像画素の階調値から反射率を算出した。これに対し、例えば光源部11から照明ムラがない一様な照明光を照射する場合等では、各分光画像の各画像画素(x,y)の階調値に基づいて、波長ずれ量Δλを算出してもよい。
また、波長ムラ補正手段224は、分光画像の画像画素(x,y)の階調値と、当該画像画素に対応したイメージセンサー13にて受光される光の受光中心波長と、に基づいて、画像画素(x,y)に対応したイメージセンサー13の画素にて、目標波長に対する光を受光した場合の光の強度(画像画素(x,y)における階調値)を推算してもよい。
このように、光関連値としては、イメージセンサー13の各画素から出力された検出信号に基づいた各種値を用いることができる。このような光関連値としては、各実施形態で説明した反射率の他、各画素で受光した光の強度(検出信号)や、各画素に対応した分光画像における各画像画素の階調値、階調値に基づいて算出される吸光度等を挙げることができる。
[変形例8]
ステップS33における反射率の推算処理において、第一実施形態における線形補間を例示し、第二実施形態におけるスプライン補間を例示し、及び第三実施形態における区分的エルミート補間を例示したが、これに限定されない。例えば、ラグランジュ補間やトリリニア補間等の他の手法を用いてもよい。
また、測定対象や測定目的等によって、用いる補間手法を変更可能な構成としてもよい。例えば、演算処理のさらなる高速化を図る場合には、第一実施形態における線形補間を用いる。また、波長に対する反射率の変化が大きい測定対象(鋭いピーク波長を有する測定対象等)では、測定点と測定点との間にピーク波長が存在する可能性があるため、第二実施形態に示すようなスプライン補間を用いる。さらに、波長に対する反射率の変化が小さい測定対象(ブロードな分光スペクトルを有する測定対象等)に対しては、第三実施形態のように区分的エルミート補間を用いる。
[変形例9]
第四実施形態において、目標波長に対応する反射率を推算する際に、波長可変干渉フィルター5で目標波長の光を透過させる際の次数と同じ次数で透過される対象波長と、その対象波長に対応する反射率を用いる例を示したが、これに限定されない。
例えば、第一部分波長域に含まれる目標波長λに対する反射率を推算する際に、波長可変干渉フィルター5を1次ピーク波長として透過させた光、即ち、第二部分波長域に属する受光中心波長λ9A,λ10Aを用いてもよい。ただし、この場合、目標波長λに対する反射率の推算において、外挿法を用いる必要があり、反射率の推定精度(確からしさ)が低下する。また、基準画素にて受光される目標波長λ5に対応する反射率は、2次ピーク波長として波長可変干渉フィルター5を透過した光に基づいて算出されている。よって、分光画像を補正する際に、推算された反射率をそのまま用いると、分光画像の精度が低下するために、次数の違いによる補正処理をさらに行う必要があり、分光画像の補正に係る処理負荷が係り、処理時間も長くなってしまう。
以上の理由から、分光画像取得処理において、複数の次数を用いる場合では、第四実施形態に示すように、目標波長と同じ次数の対象波長、及び当該対象波長に対応した反射率を用いて、目標波長に対応する反射率を推算することが好ましい。
[変形例10]
上記各実施形態において、白色基準校正物の測定結果からリファレンス値を測定したが、リファレンス値として予め設定された値を用いてもよい。ダーク値においても同様であり、予め設定された値を用いてもよい。また、ダーク値を「0」としてもよい。
[変形例11]
上記各実施形態において、本発明の分光素子としてファブリーペローエタロン素子である波長可変干渉フィルターを用いる例を示したが、これに限定されない。本発明の分光素子としては、例えば、液晶チューナブルフィルター等を用いてもよい。
[変形例12]
上記第一実施形態において、本発明の電子機器として分光カメラを例示したが、これに限定されない。
例えば、対象物に画像を印刷する印刷装置に適用してもよい。この場合、対象物に対して画像を形成する印刷ヘッドに対して、本発明の測定装置(分光カメラ1)を組み込む。この場合、印刷ヘッドに設けられた印刷部により対象物に対して印刷が実施された後、分光カメラ1によって印刷された画像の分光画像を取得することが可能となる。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
1…分光カメラ(電子機器、測定装置)、5…波長可変干渉フィルター(分光素子)、10…撮像モジュール、11…光源部、12…入射光学系、13…イメージセンサー(撮像素子)、14…光源制御回路、15…フィルター制御回路、16…イメージセンサー制御回路、20…制御部、21…記憶部、22…演算処理部、54…固定反射膜、55…可動反射膜、56…静電アクチュエーター、211…サンプルデータ記憶領域、212…波長ムラデータ記憶領域、213…分光画像記憶領域、214…駆動テーブル記憶領域、221…画像取得手段、222…反射率算出手段、223…波長ムラ算出手段(ずれ量算出手段)、224…波長ムラ補正手段(推算手段、補正手段)、A…対象物。

Claims (15)

  1. 分光する波長を変更可能な分光素子と、
    前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含み、
    前記分光素子及び前記撮像素子を用いて複数の基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、所定の基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記複数の画素の各々に入射された光の中心波長との差である波長ずれ量を算出する
    ことを特徴とする測定装置。
  2. 請求項に記載の測定装置において、
    前記基準対象は、既知の反射率を有する
    ことを特徴とする測定装置。
  3. 請求項又は請求項に記載の測定装置において、
    反射率が異なる複数の前記基準対象を撮像した際の各撮像結果に基づいて、前記波長ずれ量を算出する
    ことを特徴とする測定装置。
  4. 請求項から請求項のいずれか1項に記載の測定装置において、
    前記波長ずれ量は、最小二乗法により算出される
    ことを特徴とする測定装置。
  5. 請求項から請求項のいずれか1項に記載の測定装置において、
    前記分光素子に測定光を入射させて、前記分光素子にて分光された第一波長の分光画像を前記撮像素子にて撮像する際に、前記複数の画素の各々における前記波長ずれ量に基づいて、前記分光画像を補正する補正手段をさらに備える
    ことを特徴とする測定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の測定装置において、
    前記分光素子は、前記基準波長が所定の分光波長となるように分光する波長を設定し、
    前記測定装置は、前記分光する光の波長を変更しながら複数回の測定を実施し、前記複数回の測定の各々における前記複数の画素のうちの前記基準画素とは異なる第一画素で受光される光の受光中心波長を、前記第一画素に対して算出された前記波長ずれ量で前記基準波長を補正することで算出し、算出された前記第一画素で受光される光の前記受光中心波長と、前記第一画素で受光される光に基づく光関連値と、に基づいて、前記第一画素が第一波長の光を受光した際の光関連値を推算する
    ことを特徴とする測定装置。
  7. 請求項6に記載の測定装置において、
    前記複数回の測定の各々において得られた前記光関連値のうち、第一の受光中心波長に対応する第一の光関連値と、第二の受光中心波長に対応する第二の光関連値との間を補間することにより、前記第一画素が第一波長を受光した際の前記光関連値を推算する推算手段を備える
    ことを特徴とする測定装置。
  8. 請求項7に記載の測定装置において、
    前記推算手段は、線形補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算する
    ことを特徴とする測定装置。
  9. 請求項7に記載の測定装置において、
    前記推算手段は、スプライン補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算する
    ことを特徴とする測定装置。
  10. 請求項7に記載の測定装置において、
    前記推算手段は、区分的エルミート補間により前記第一画素が前記第一波長を受光した際の前記光関連値を推算する
    ことを特徴とする測定装置。
  11. 請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の測定装置において、
    前記分光素子により分光される前記第一波長の光の次数と、当該第一波長の光の前記光関連値を推算するために取得される前記受光中心波長の次数は同じ次数である
    ことを特徴とする測定装置。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の測定装置において、
    前記分光素子は、ファブリーペロー型エタロン素子である
    ことを特徴とする測定装置。
  13. 請求項1から請求項1のいずれか1項の記載の測定装置を備えた
    ことを特徴とする電子機器。
  14. 分光する光の波長を変更可能な分光素子と、前記分光素子により分光される光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含む測定装置の測定方法であって、
    前記分光素子及び前記撮像素子を用いて複数の基準対象を撮像する工程と、
    前記複数の基準対象に対する各撮像結果に基づいて、所定の基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記複数の画素の各々に入射された光の中心波長との差から、前記基準画素と前記複数の画素の各々との波長ずれ量を算出する工程と、を実施する
    ことを特徴とする測定方法。
  15. 分光する光の波長を変更可能な分光素子と、
    前記分光素子により分光された光を受光する、複数の画素を有する撮像素子と、を含み、
    第一の基準対象からの光を分光した第一の測定結果と、第二の基準対象からの光を分光した第二の測定結果と、に基づいて、前記複数の画素のうち基準画素に入射された光の中心波長である基準波長と、前記複数の画素のうちの第一画素に入射された光の中心波長と、の差である波長ずれ量を算出する
    ことを特徴とする測定装置。
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