JP6641873B2 - 岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法 - Google Patents

岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法 Download PDF

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Description

本発明は、岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法に関する。
矢板式係船岸の耐震補強方法として、例えば、既設の矢板の海側の前面にさらに矢板を設置し、既設の矢板と一体化して耐力を増大する工法がある。また、矢板と控え工との間の軟弱地盤に対して薬液注入などの地盤改良を施工する方法もある。また、特許文献1に記載のように、矢板と控え工との間の軟弱地盤を例えばサンドコンパクションパイル工法によって砂杭を増設することで周辺地盤を締固めて強化する施工も知られている。
特開2010−065525号公報
しかしながら、従来の矢板式係船岸の補強方法では、以下のような問題があった。
すなわち、既設の矢板の前面に矢板を増設する方法の場合には、岸壁法線を変更する必要がある。そのため、補強工事中は、補強対象とする岸壁周辺への大型船の接岸は困難となるという問題があった。
また、地盤改良を行う施工の場合には、薬液注入用の専用機械を使用するうえ、地盤改良範囲が広範囲に及ぶため、施工費が増大になるという問題があった。しかも、クレーン基礎の下方における地盤改良は、一般的な施工方法では困難であり、例えばクレーン基礎の下方の地盤に向けて横孔を設ける等の特殊な工法を採用する必要があることから、さらに施工費が増大し、その点で改善の余地があった。
さらに、特許文献1に示すように砂杭を増設する方法の場合には、極大地震時において液状化が発生するおそれがあり、その点で改善の余地があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、岸壁・護岸の水平抵抗力を増大させることで、岸壁及び護岸の耐震性を向上させることができ、さらに岸壁及び護岸の液状化を抑制することができる岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、供用中による施工が可能となり、簡単な構造で工事費や工期の低減を図ることができる岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明に係る岸壁・護岸の補強構造は、既設の直立した土留壁体を有する岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在する壁体が地盤内の非液状化地盤に到達させた状態で埋設されることにより補強され、前記壁体の上部の少なくとも一部が前記土留壁体に連結され、前記壁体の上部は、地表面側で前記土留壁体に一体的に接合した躯体に連結されていることを特徴としている。
また、本発明に係る岸壁・護岸の補強構築方法は、上述した岸壁・護岸の補強構造を構築するための岸壁・護岸の補強構築方法であって、前記岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在するようにして前記壁体を非液状化地盤に到達させて埋設する工程と、前記壁体の上部の少なくとも一部を前記土留壁体に連結させる工程と、を有することを特徴としている。
本発明では、壁体が岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在し、さらに鋼製の壁体の上部の少なくとも一部が壁体に対して一体的に連結されて壁体の剛性が高められるので、壁体が海側に倒れる方向に対する水平変位を小さくすることができる。そのため、大規模地震時における岸壁及び護岸の水平抵抗力を向上させることができ、海側に構築される土留壁体の変形を抑えることが可能な構造となる。
また、土留壁体の内陸側の非液状化地盤に到達するように埋設して壁体を岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在させることで、大規模地震時において、地盤のせん断変形を抑制することにより液状化を防止することができる。
また、本発明では、施工領域が土留壁体の背面領域の部分的な領域のみとなることから、岸壁及び護岸の法線を変更することなく岸壁・護岸の供用中でも施工が可能となり、例えば岸壁に設けられる荷役設備の操業時の制約も抑えることができ、クレーンの休止期間を短縮することが可能となる。
さらに土留壁体の背面領域の全域にわたって地盤改良を施す従来工法に比べて平面方向の施工範囲を小さくすることが可能となり、また鋼矢板等の打設により壁体を設置することができる。そのため、施工が簡単になり、工事費および工期の低減を図ることができる。
さらにまた、本発明は、新設の岸壁・護岸等に本発明の岸壁・護岸の補強構造や岸壁耐震方法を採用可能であることは勿論、上述したように岸壁及び護岸の供用中における施工が可能なことから、既設の岸壁及び護岸に対して壁体を設けることで、海側に構築される土留壁体の変形を抑えることが可能な補強を行うことができる。
また、本発明では、壁体の上部の少なくとも一部を躯体に対して接合することで、壁体を躯体を介して土留壁体に一体的に連結させることができる。
また、本発明に係る岸壁・護岸の補強構造は、前記土留壁体の内陸側に控え工が設けられ、前記土留壁体と前記控え工とがタイ材によって連結され、前記壁体が前記控え工に連結されていてもよい。
この場合には、タイ材の張力は控え工を介して壁体に伝達される。そのため、抵抗力が増加し、水平変位を小さくすることが可能となる。
また、本発明に係る岸壁・護岸の補強構造は、前記壁体は、前記土留壁体に対して高さ方向の中央部が非接合の状態であることを特徴としている。
壁体と土留壁体との接合領域を、高さ方向の全体にわたって接合される場合に比べて低減することができ、例えば壁体の上部のみを土留壁体に接合すればよいことから、地上からの施工がし易く、施工が簡単になり、工事費および工期の低減を図ることができる。
また、本発明に係る岸壁・護岸構造の補強は、前記壁体は、2枚以上の鋼矢板または鋼管矢板継手を嵌合させた構造であり、かつ躯体を前記鋼矢板または鋼管矢板の頭部に設置していることが好ましい。
このような構成とすることで、2枚以上の鋼矢板または鋼管矢板が継手を介して連続して配列された構造となるため、これら鋼矢板または鋼管矢板の頭部を躯体に一体的に設けることで、前記継手の滑りを抑制することができる。
また、本発明に係る岸壁・護岸の補強構造は、前記壁体は、平面視で前記岸壁及び護岸の法線方向に対して直交する方向に向けて延在していることが好ましい。
この場合には、壁体の延在方向を岸壁及び護岸の法線方向に対して直交する方向に向けて延在する配置となるため、例えば壁体の施工時に既設のタイ材に干渉することなく施工することができる。
本発明の岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法によれば、岸壁・護岸の背後地盤における水平抵抗力を増大させることで、岸壁及び護岸の耐震性を向上させることができるうえ、壁体によって軟弱地盤を拘束することで、岸壁及び護岸の液状化を抑制することができる。
また、本発明の岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法では、供用中による施工が可能となり、簡単な構造で工事費や工期の低減を図ることができる。
本発明の第1の実施の形態による岸壁構造を示す側面図である。 図1に示す岸壁構造を上方から見た平面図であって、躯体を省略した図である。 本発明の第2の実施の形態による岸壁構造を示す側面図である。 図3に示す岸壁構造を上方から見た平面図であって、躯体を省略した図である。 遠心模型実験による壁体の効果を示す図であって、矢板の最大応答曲率を示す図である。 遠心模型実験による壁体の効果を示す図であって、(a)は過剰間隙水圧比の時刻歴を示した図、(b)は矢板天端の水平変位の時刻歴を示した図である。 解析による壁体のモデルを示す図である。 解析による壁体の効果を示す図であって、荷重と水平変位の関係を示す図である。
以下、本発明の実施の形態による岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法について、図面に基づいて説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2に示すように、第1の実施の形態による岸壁構造1(岸壁・護岸構造)は、直立した既設の岸壁2(土留壁体)に対して壁体3によって耐震補強を施した構造である。
なお、本実施の形態では、軟弱地盤G1の下層に支持地盤G2(非液状化地盤)が形成されている。
既設の岸壁2は、岸壁2の延長線に沿って設けられた矢板21と、矢板21の上端部を巻き込むことにより打設された上部工22と、上部工22に一体的に接続されている躯体25と、を備えている。
躯体25は、地表面に沿って所定の厚さで配置される鉄筋コンクリート製のスラブからなる。なお、躯体25の厚寸法、および壁体3の上部3cの埋設高さ等は、任意に設定することができる。
ここで、躯体25は、鉄筋コンクリートであることに限定されることはなく、水和固化体、地盤改良(浅層混合処理、深層混合処理、薬液注入など)など、壁体を一体的に接続できる強度を有する材料が用いられる。この他、鉄筋コンクリート、繊維コンクリート、軽量コンクリートでもよい。また、これら材料を二層に配置した複合材を用いることも可能である。
壁体3は、矢板21の背面側の地盤内で支持地盤G2に到達させて埋設され、平面視で岸壁2の法線方向X1に対して略直交する方向(前後方向X2)に延在している。そして、壁体3は、鋼製の鋼矢板3A、3A、…を複数連続的に、かつ一体的に配列することにより構成され、壁体3の上部3cの少なくとも一部(壁体3の延在方向で任意の位置の一部)が躯体25の下面に接合されている。つまり、壁体3は、躯体25を介して上部工22に一体的に接合された構成となっている。
このような壁体3は、例えばスタッドや差し金(鉄筋)等の連結材を鋼矢板の上端に接続し、躯体25のコンクリートに埋め込むことで、躯体25に対して強固に接合することができる。
なお、壁体3と躯体25との接合部分は、壁体3の上部3cのうち延在方向の一部であることに限定されることはなく、壁体3の延在方向の全長にわたって躯体25に接合されていてもよい。
そして、壁体3の延在方向(前後方向X2)の海側部分3aは、矢板21に対して離間している。つまり、壁体3と矢板21とは連結されていない。
また、壁体3の上部3cと躯体25に連結される接合部は、上部工22の下端22aよりも上方に位置している。
次に、以上説明した岸壁構造を既設の岸壁2に施工する岸壁耐震補強方法について説明する。ここでは、既設の躯体25が設けられている岸壁2を対象とする。
先ず、矢板21の背面側の地盤内において、前後方向X2に延びる領域で壁体3を施工する箇所において部分的に既設の躯体25を解体し、除去する。この除去領域は、壁体3を構成する鋼矢板3Aを打設可能な範囲のみであって、打設に必要な杭打機等の機械は、既設の躯体25上に設置して施工することができる。
その後、平面視で前後方向X2に沿って延在するように複数の鋼矢板3Aを順次打設して壁体3を地盤内に埋設する。このとき、各鋼矢板3Aは、支持地盤G2に到達させる。
壁体3の施工が完了した後、躯体25の施工前に取り除いた部分にコンクリートを打設することで、埋設した壁体3の上部3cを躯体25とともに一体的に接合する。これにより、壁体3は、躯体25を介して矢板21に一体的に接合された構造となる。
次に、上述した岸壁の補強構造および岸壁の補強構築方法の作用について図面を用いて詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態の岸壁構造1は、複数の鋼矢板3A、3A、…を配列することによって構成される壁体3が岸壁2の法線方向X1に対して直交する前後方向X2に沿って延在し、さらに鋼製の壁体3の上部3cの少なくとも一部が躯体25を介して上部工22に一体的に連結されて壁体3の剛性が高められるので、壁体3が海側に倒れる方向に対する水平変位を小さくすることができる。そのため、大規模地震時における岸壁2の水平抵抗力を向上させることができ、矢板21の変形を抑えることが可能な耐震補強を行うことができる。
また、図1および図2に示すように、矢板21の内陸側の地盤内に壁体3を前後方向X2に沿って延在させて配置することで、大規模地震時において、地盤のせん断変形を抑制することにより液状化を防止することができる。
また、本実施の形態では、施工領域が矢板21の背面領域の部分的な領域のみとなることから、岸壁法線を変更することなく岸壁供用中でも施工が可能となり、例えば岸壁に設けられる荷役設備がある場合に、その荷役設備の操業時の制約も抑えることができ、クレーンの休止期間を短縮することが可能となる。
さらに矢板21の背面領域の全域にわたって地盤改良を施す従来工法に比べて平面方向の施工範囲を小さくすることが可能となり、また鋼矢板3Aの打設により壁体3を設置することができる。そのため、供用中による施工が可能となるうえ、施工が簡単になり、工事費および工期の低減を図ることができる。
さらにまた、本実施の形態では、上述したように岸壁供用中における施工が可能なことから、既設の岸壁2に対しても適用できるが、新設の岸壁等にも上述した岸壁構造1や岸壁耐震方法を採用することが可能である。
また、本実施の形態では、壁体3の上部3cを躯体25に対して接合することで、躯体25を介して上部工22に一体的に連結させることができる。
また、本実施の形態の岸壁構造1では、壁体3の延在方向を前後方向X2に向けて延在する配置となるため、例えば壁体3の施工時に既設のタイ材に干渉することなく施工することができる。
なお、第1の実施の形態の岸壁構造1では、壁体3の上部3cが躯体25を介して上部工22に連結された構成としているが、躯体25が無い場合、あるいは躯体25が上部工22に接合していない場合には、壁体3の上部3cを上部工22に直接、連結させる構成としてもよい。
上述した本実施の形態による岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法では、岸壁背後地盤における水平抵抗力を増大させることで、岸壁2の耐震性を向上させることができるうえ、壁体3によって軟弱地盤G1を拘束することで、岸壁2の液状化を抑制することができる。
また、本実施の形態では、簡単な耐震補強構造で、工事費や工期の低減を図ることができる。
次に、本発明の岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法による他の実施の形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1の実施の形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1の実施の形態と異なる構成について説明する。
(第2の実施の形態)
図3および図4に示すように、第2の実施の形態による岸壁構造1A(岸壁・護岸構造)は、矢板背面が液状化しやすい軟弱地盤G1である既設の岸壁2Aに対して壁体3によって耐震補強を施した構造である。
既設の岸壁2Aは、矢板21、上部工22、及び躯体25の他に、矢板21に対して陸側に間隔をあけて地盤中に打設されている控え工23と、矢板21および控え工23のそれぞれを連結するタイ材24と、を備えている。
岸壁2Aは、荷役設備のクレーン(図示省略)があり、そのクレーンの一対の支柱を支持する一対の走行レールが岸壁2Aの法線方向X1に対して略平行に敷設されている。そして、走行レールは、26A、26B上に敷設されている。クレーン基礎26A、26Bは、それぞれ鋼管杭(符号23、27)の上端部に設けられた鉄筋コンクリート造の構造物である。ここで、クレーン基礎26A、26Bのうち陸側に位置するものを第1クレーン基礎26Aとし、海側に位置するものを第2クレーン基礎26Bとする。第1クレーン基礎26Aは、控え工の一部であり、本実施の形態では鋼管杭からなる控え工23の上部に一体的に接合されている。第2クレーン基礎26Bは、鋼管杭27の上端部(杭頭)に一体的に接合されている。
控え工23の鋼管杭は、支持地盤G2に到達して設けられ、法線方向X1に沿う方向に所定間隔をあけて複数箇所に設けられている。そして、第1クレーン基礎26Aは、複数の控え工23に接合されて下方から支持されている。
タイ材24は、前後方向X2に沿って延在し、法線方向X1に所定間隔(例えば2m間隔)をあけて複数本が配列されるとともに、それぞれ地表面から所定の深さの位置に配置されている。ここでは、躯体25よりも下側にタイ材24が設けられている。これらタイ材24は、上部工22と第1クレーン基礎26Aとの間を連結している。すなわち、矢板21、控え工23、及びタイ材24は、互いに接合された構造体を構成している。
躯体25は、矢板21と控え工23との間の地表面に沿って所定の厚さで配置され、第1クレーン基礎26Aおよび第2クレーン基礎26Bのそれぞれに一体的に接合されている。
壁体3は、矢板21の背面側で控え工23との間の地盤内で支持地盤G2に到達させて埋設され、前後方向X2で、かつタイ材24の長さ方向に略平行に延在している。壁体3は、上述した第1の実施の形態と同様に鋼製の鋼矢板3A、3A、…を複数連続的に、かつ一体的に連結することにより配列され、壁体3の上部3cの陸側の端部3bが控え工23の上端部(第1クレーン基礎26A)に接合されている。つまり、壁体3は、第1クレーン基礎26A及びタイ材24を介して上部工22に連結された構成となっている。
なお、壁体3の上部3cにける接合部分は、第1クレーン基礎26Aのみに限定されることはなく、躯体25にも接合されていてもよい。
また、壁体3における前後方向X2の両端部分3a、3bは、海側の鋼管杭27や控え工23などの支持構造には連結されていない。図3では、壁体3の両端部分3a、3bが鋼管杭27や控え工23から間隔をあけて配置されているが、接触する位置に配置されていてもよい。
ここで、地震発生した場合における第2の実施の形態の岸壁構造1Aの効果について、図5乃至図7に基づいて説明する。
図5は、上記の第2の実施の形態の軟弱地盤G1の岸壁構造1Aと同等の模型を使用し、遠心模型実験を行って、矢板の最大応答曲率(1/m)、矢板背面の地盤の過剰間隙水圧比、及び矢板天端の水平変位(cm)をそれぞれ測定した。図5は、矢板の最大応答曲率(1/m)を示しており、図中の○印は壁体補強が設けられているケースであり、□印は補強を行っていないケースを示している。図5において、縦軸は深度(m)を示し、横軸に矢板曲率(1/m)を示している。
図6(a)は、過剰間隙水圧比の時刻歴を示しており、図6(b)は、矢板天端の水平変位(cm)の時刻歴を示しており、それぞれ壁体補強があるケースと無いケースを示している。
図5および図6(a)、(b)に示すように、実験の結果、壁体の補強があるケースは、補強が無いケースに比べて、矢板の最大応答曲率、地盤の過剰間隙水圧比、及び矢板天端の水平変位のそれぞれ低下していることから、壁体を設けることによる補強効果があることを確認することができる。過剰間隙水圧比は、補強が無いケースでは1.0付近まで上昇していることから液状化していることが確認できるが、壁体の補強があるケースでは0.4付近までしか上昇しておらず液状化していないことが確認された。
また、図7に示すように、矢板を連続的に配列した壁体の天端をコーピング(接合部)で繋げたモデルを作成し、壁体の上部(コーピング)の端部に荷重を付与したときの壁体の水平変位を解析により確認した。また、比較例として、壁体の上部にコーピングを設けないケースについても同様の解析を行った。なお、壁体を構成する複数の鋼矢板同士は、継手を嵌合させた状態を条件としている。
図8は、その結果であって、荷重(t)に対する水平変位(mm)を示している。図8に示すように、矢板の上部にコーピングが設けられていることで、水平変位が減少していることが確認された。
以上、本発明による岸壁・護岸の補強構造および岸壁・護岸の補強構築方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では、壁体3の延長方向が平面視で法線方向X1に直交する方向(前後方向X2)に沿って設けられているが、このような方向に配置することに限定されることはない。要は、壁体3の延長方向が平面視で法線方向X1に交差する方向であればいずれの方向であってもよい。
また、本実施の形態では複数の鋼矢板3A、3A、…を連続的に配列することにより壁体3を構成しているが、壁体の種類、連続性等の構成についても本実施の形態に制限されることはない。例えば、壁体は鋼製であればよく、本実施の形態のような鋼矢板であることに限定されることはなく、鋼管矢板を配列した構成であってもよいし、コンクリート製の壁体、あるいは地盤改良によって形成される壁体であってもかまわない。
さらに、本実施の形態では、壁体3全体が前後方向X2に沿って連続的に複数の鋼矢板3A、3A、…を配列した構成であるが、断続的に設けられていてもよい。つまり、本実施の形態の壁体3の前後方向X2の途中で分断される部分があってもかまわない。
さらにまた、本実施の形態では、複数の鋼矢板3A、3Aを連結した壁体3が法線方向X1に沿って一定の間隔をあけて配置されているが、壁体3、3同士の間隔は一定間隔であることに制限されることはなく、任意に設定することができる。
さらにまた、壁体が2枚以上の鋼矢板または鋼管矢板の継手を嵌合させた構造であり、かつ躯体を前記鋼矢板または鋼管矢板の頭部に設置した構成としてもよい。なお、このときの躯体は岸壁の壁部に一体的に接合されていない構成であってもよい。
この場合には、2枚以上の鋼矢板または鋼管矢板が継手を介して連続して配列された構造となるため、これら鋼矢板または鋼管矢板の頭部を躯体に一体的に設けることで、継手の滑りを抑制することができる。
また、本実施の形態では、岸壁構造1、1Aを対象としているが、護岸構造も適用対象とされる。
さらに、本第2の実施の形態では、矢板21と控え工23とを連結するタイ材24を有する岸壁2Aとしているが、タイ材24によって上部工22と控え工23とを連結する構成の岸壁構造であってもよい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1、1A 岸壁構造
2、2A 岸壁(土留壁体)
3 壁体
3A 鋼矢板
21 矢板
22 上部工
23 控え工
24 タイ材
25 躯体
26A 第1クレーン基礎(控え工の上端部)
26B 第2クレーン基礎
G1 軟弱地盤
G2 支持地盤(非液状化地盤)
X1 法線方向
X2 前後方向

Claims (6)

  1. 既設の直立した土留壁体を有する岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在する壁体が地盤内の非液状化地盤に到達させた状態で埋設されることにより補強され
    前記壁体の上部の少なくとも一部が前記土留壁体に連結され
    前記壁体の上部は、地表面側で前記土留壁体に一体的に接合した躯体に連結されていることを特徴とする岸壁・護岸の補強構造。
  2. 前記壁体は、前記土留壁体に対して高さ方向の中央部が非接合の状態で設けられていることを特徴とする請求項に記載の岸壁・護岸の補強構造。
  3. 前記土留壁体の内陸側に控え工が設けられ、
    前記土留壁体と前記控え工とがタイ材によって連結され、
    前記壁体が前記控え工に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の岸壁・護岸の補強構造。
  4. 前記壁体は、2枚以上の鋼矢板または鋼管矢板の継手を嵌合させた構造であり、かつ躯体を前記鋼矢板または鋼管矢板の頭部に設置したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の岸壁・護岸の補強構造。
  5. 前記壁体は、平面視で前記岸壁及び護岸の法線方向に対して直交する方向に向けて延在していることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の岸壁・護岸の補強構造。
  6. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の岸壁・護岸の補強構造を構築するための岸壁・護岸の補強構築方法であって、
    前記岸壁及び護岸の法線方向に対して交差する方向に沿って延在するようにして前記壁体を非液状化地盤に到達させて埋設する工程と、
    前記壁体の上部の少なくとも一部を前記土留壁体に連結させる工程と、
    を有することを特徴とする岸壁・護岸の補強構築方法。
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